JP2011177899A - 無接着剤フレキシブルラミネート及びその製造方法 - Google Patents

無接着剤フレキシブルラミネート及びその製造方法 Download PDF

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Kazuhiko Sakaguchi
和彦 坂口
Hajime Inazumi
肇 稲住
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Abstract

【課題】無接着剤フレキシブルラミネートのタイコート層又はタイコート層と同等の金属又は合金を金属導体層状に形成する。同時に回路配線のファインピッチ化の妨げとなるサイドエッチングを抑制する。
【解決手段】少なくとも一方の面がプラズマ処理されたポリイミドフィルムと、その上に形成されたタイコート層と、該タイコート層上に形成された金属導体層を有し、さらに該金属導体層の上に前記タイコート層と同一成分の層を有することを特徴とする無接着剤フレキシブルラミネート。
【選択図】図1

Description

本発明は、フレキシブルプリント基板、TAB、COF等の電子部品の実装素材として用いられる無接着剤フレキシブルラミネート及びその製造方法に関する。
ポリイミドフィルムに主として銅からなる金属導体層を積層したFCCL(Flexible Copper Clad Laminate)は電子産業における回路基板の素材として広く用いられている。中でも、ポリイミドフィルムと金属層との間に接着剤層を有しない無接着剤フレキシブルラミネート(特に、二層フレキシブル積層体)は回路配線幅のファインピッチ化に伴い注目されている。
無接着剤フレキシブルラミネート、特にファインピッチに対応した無接着剤フレキシブルラミネートの製造方法としては、ポリイミドフィルム上にスパッタリング、CVD、蒸着などの乾式めっき法により金属層を予め形成し、次いで湿式めっき法により導体層となる金属層を製膜する、いわゆるメタライジング法が主に行われている。
このメタライジング法においては、金属層とポリイミドフィルムとの密着力を高めるために、金属層を形成するに先立ち、ポリイミドフィルム表面をプラズマ処理により、表面の汚染物質の除去ならびに表面粗さの向上を目的として改質を行うことが行われる(特許文献1及び2参照)。
この方法は極めて有効であるが、回路形成時の熱処理や使用環境での長期信頼性などにおいて密着力が低下する問題があることが分かり、さらにポリイミドフィルム層と金属導体層との密着性を高めるための中間層であるタイコート層をプラズマ処理面に形成する提案がなされた。このタイコート層の形成は、非常に有効な方法である(特許文献1参照)。
一方、TABやCOF、FPC等に使用されるFCCLは、サブトラクティブ法により金属導体層をエッチング除去する。一層の回路配線幅のファインピッチ化に伴い、セミアディティブ法の適用や金属導体層をエッチングするエッチング液にインヒビターを添加し、異方性を持つエッチングを行うことにより、エッチファクタを向上させ、ファインピッチ化する検討がなされている(特許文献3及び4参照)。
セミアディティブの場合、従来サブトラクティブ法で使用してきた工程をそのまま適用することができず、新たに金属導体層を形成するためのめっき工程が必要になるのみならず、金属導体層の厚みに相当するレジストが必要になってくる。
インヒビターを含むエッチング液は、従来のエッチングラインで適用可能であるが、金属導体層の厚みや回路配線のピッチにより、同一基板内に存在する様々な回路配線幅で形状が異なり、配線の直線性に劣るという問題を解決するに至っていない。
すなわち、目的とする回路を形成するためにレジスト塗布及び露光工程により回路を印刷し、さらに銅箔の不要部分を除去するエッチング処理を経るが、エッチングして回路を形成する際に、その回路が意図した通りの幅にならないという問題がある。
それは、エッチング後の銅箔回路の銅部分が、銅箔の表面から下に向かって、すなわち樹脂層に向かって、末広がりにエッチングされる(「ダレ」を発生する)ことである。大きな「ダレ」が発生した場合には、樹脂基板近傍で銅回路が短絡し、不良品となる場合もある。
このような「ダレ」は極力小さくすることが必要であるが、このような末広がりのエッチング不良を防止するために、エッチング時間を延長して、エッチングをより多くして、この「ダレ」を減少させることも考えた。
しかし、この場合は、すでに所定の幅寸法に至っている箇所があると、そこがさらにエッチングされることになるので、その銅箔部分の回路幅がそれだけ狭くなり、回路設計上目的とする均一な線幅(回路幅)が得られず、特にその部分(細線化された部分)で発熱し、場合によっては断線するという問題が発生する。
電子回路のファインパターン化がさらに進行する中で、現在もなお、このようなエッチング不良による問題がより強く現れ、回路形成上で、大きな問題となっている。
特許第3173511号公報 特表2003−519901号公報 特開2004−256901号公報 特開2009−167459号公報発明の開示
本願発明は、無接着剤フレキシブルラミネートのタイコート層又はタイコート層と同等の金属又は合金を金属導体層上に形成することで、同時に回路配線のファインピッチ化の妨げとなるサイドエッチングの抑制を課題とするものである。
上記の課題に鑑み、本発明は以下の発明を提供するものである。
1)少なくとも一方の面がプラズマ処理されたポリイミドフィルムと、その上に形成されたタイコート層と、該タイコート層上に形成された金属導体層を有し、さらに該金属導体層の上に銅よりエッチングレートの低い金属層を有することを特徴とする無接着剤フレキシブルラミネート
2)該金属導体層の上に形成された銅よりエッチングレートの低い金属層がニッケル、コバルト、ニッケル合金、コバルト合金のいずれか1種から選択したスパッタ層であることを特徴とする1)に記載の無接着剤フレキシブルラミネート
3)少なくとも一方の面がプラズマ処理されたポリイミドフィルムと、その上に形成されたタイコート層と、該タイコート層上に形成された金属導体層を有し、さらに該金属導体層の上に形成されたニッケル、コバルト、ニッケル合金、コバルト合金のいずれか1種から選択したスパッタ層が前記タイコート層と同一成分の層であることを特徴とする2)記載の無接着剤フレキシブルラミネート
4)金属導体層上に形成された層が、厚さが1〜10nmのスパッタ層であることを特徴とする1)〜3)のいずれか一項に記載の無接着剤フレキシブルラミネート。
5)前記タイコート層が、厚さ5〜100nmのニッケル、コバルト、ニッケル合金、コバルト合金のいずれか1種から選択したスパッタ層であることを特徴とする1)〜4)記載の無接着剤フレキシブルラミネート
6)前記金属導体層が銅又は銅合金であることを特徴とする1)〜5)記載の無接着剤フレキシブルラミネート、を提供する。
本発明は、また
7)ポリイミドフィルムの少なくとも一方の面にグロー放電によるプラズマ処理した後、タイコート層をスパッタリングにより形成し、次に該スパッタ層上に金属導体層を形成し、更に該金属導体層上に銅よりエッチングレートの低い金属層をスパッタリングにより形成することを特徴とする無接着剤フレキシブルラミネートの製造方法。
8)ポリイミドフィルムの少なくとも一方の面にグロー放電によるプラズマ処理した後、タイコート層をスパッタリングにより形成し、次に該スパッタ層上に金属導体層を形成し、更に該金属導体層上にニッケル、コバルト、ニッケル合金、コバルト合金のいずれか1種から選択したターゲット材を用いてスパッタリングにより形成することを特徴とする7)に記載の無接着剤フレキシブルラミネートの製造方法。
9)ポリイミドフィルムの少なくとも一方の面にグロー放電によるプラズマ処理した後、タイコート層をスパッタリングにより形成し、次に該スパッタ層上に金属導体層を形成し、更に該金属導体層上に前記タイコート層と同一成分のターゲット材を用いてスパッタリングにより形成することを特徴とする7)〜8)に記載の無接着剤フレキシブルラミネートの製造方法。
10)前記金属導体層上に、スパッタリングによって、厚さが1〜10nmのスパッタ層を形成することを特徴とする7)〜9)のいずれか一項に記載の無接着剤フレキシブルラミネートの製造方法
11)前記プラズマ処理面に、ニッケル、コバルト、ニッケル合金、コバルト合金のいずれか1種から選択したターゲット材料を用いてスパッタリングして厚さ5〜100nmのタイコート層を形成することを特徴とする7)〜10)記載の無接着剤フレキシブルラミネートの製造方法。
12)前記金属導体層に銅又は銅合金を用いることを特徴とする7)〜11)記載の無接着剤フレキシブルラミネートの製造方法、を提供する。
以上により、本願発明は、金属導体層の上下に、タイコート層若しくはそれと同等の層、具体的には、ニッケル、コバルト、ニッケル合金、コバルト合金のいずれか1種を形成させた無接着剤フレキシブルラミネートにおいて、タイコート層側はポリイミドフィルムと金属層間の加熱エージング後の密着力を高めることが可能であり、一方の金属導体層の上面側は回路形成時のサイドエッチングを抑制し、高いエッチファクタを可能であるという優れた効果を有する。
すなわち、これにより無接着剤フレキシブルラミネートの金属銅体層をエッチングにより回路形成を行うに際し、エッチングによる「ダレ」の発生を防止し、エッチングによる回路形成の時間を短縮することが可能である。すなわち、目的とする回路幅のより均一な回路を形成でき、パターンエッチングでのエッチング性の向上、ショートや回路幅の不良の発生を防止できる電子回路用の無接着剤フレキシブルラミネートを提供することができる効果を有する。
ポリイミドフィルム、タイコート層、金属導体層及びスパッタ層を備えた無接着剤フレキシブルラミネートの断面を示す説明図である。 エッチファクタの計算方法を示す説明図である。 無接着剤フレキシブルラミネートにフォトレジストの塗布、露光・現像、金属導電層のエッチング及びフォトレジストの剥離という工程の説明図である。
次に、本願発明の具体例について説明する。なお、以下の説明は本願発明を理解し易くするためのものであり、この説明に発明の本質を制限されるものではない。すなわち、本発明に含まれる他の態様または変形を包含するものである。
本発明の無接着剤フレキシブルラミネートは、少なくとも一方の面がプラズマ処理されたポリイミドフィルムと、その上に形成されたタイコート層と、該タイコート層上に形成された金属導体層を有し、さらに該金属導体層の上に銅よりエッチングレートの低い金属層、具体的には前記タイコート層と同一成分の層若しくはそれと同等の層(スパッタ層)を有する。ポリイミドフィルム表面をプラズマ処理することにより、表面の汚染物質の除去と表面の改質を行う。
タイコート層は、ポリイミドフィルム層と金属導体層との密着性を高めるための中間層を意味する。「タイコート層」の用語は、前記特許文献1(特許第3173511号公報)でも使用されているもので、一般的は技術用語として知られているものである。本願明細書においては、必要に応じて「タイコート層」の用語を使用する。
前記タイコート層としては、厚さ5〜100nmのニッケル、コバルト、ニッケル合金、コバルト合金のいずれか1種から選択したスパッタ層を使用することができる。これらはいずれもポリイミドフィルム層と金属導体層との密着性を高めることができる材料であり、さらに回路設計に際してエッチングが可能である。タイコート層は、ポリイミドフィルム層と金属導体層との密着性を高める機能を持つ層である。
ニッケル合金、コバルト合金については、それぞれニッケル、コバルトを主成分(50wt%以上含有する)とする合金であって、副成分は特に制限されない。既存の合金であれば全て適用できるものである。スパッタリングにより形成される薄膜は、ターゲットの成分組成が直接反映され、同成分が成膜できる。
ポリイミドフィルムをプラズマ処理した面にタイコート層及び金属導体層を形成した無接着剤フレキシブルラミネートのポリイミドフィルムと金属層間の積層後の初期密着力については、一般に「常態ピール強度」として測定するが、この常態ピール強度は、プラズマ処理面の粗さRzが2.5〜20nmの範囲では、プラズマ処理面粗さには依存しない。但し、タイコート層を施さない場合は、ピール強度は半分程度に低下する。
5nm未満では密着性は低くなり、100nmを超えると効果が飽和するので、厚さ5〜100nmが適当である。これらの材料は、無接着剤フレキシブルラミネートの作製に際して有用である。しかし、上記以外の材料の選択は、本願発明において否定されるものでないことは理解されるべきことである。
前記金属導体層としては、銅または銅合金を使用することができる。これも同様に他の導電性に富む材料の選択を否定するものではない。
さらに、本発明は、金属導体層上に形成する層に大きな特徴を有する。この層には、銅よりエッチングレートの低い金属層からなる層であり、具体的には、厚さが1〜10nmのニッケル、コバルト、ニッケル合金、コバルト合金のいずれか1種から選択したスパッタ層を使用することができる。この層は任意に選択して適用でき、前記タイコート層と同一成分の層でもよい。前記タイコート層Aと同一成分の層であれば、スパッタによる成膜が同一ターゲットで行なうことができ、また、回路形成についてもタイコート層の同等のエッチング条件で行なうことができ、生産性の面において有利である。
なお、この層は前記タイコート層と同じ成分を選択できる層であるが、機能は大きく異なる。すなわち、前記タイコート層は、ポリイミドフィルム層と金属導体層との密着性を高める機能を持つ層であるが、金属導体層上に形成する層は、金属導体層の回路形成時のサイドエッチングを抑制してエッチングによるダレの発生を防止し、高いエッチファクタ(後述する)を可能とする機能を有するものである。
タイコート層と同じ成分が、高いエッチファクタを持つという認識が非常に重要なことであり、本願発明において、初めて知見されたものである。この場合の層の厚さは、1nm未満では効果が低く、また10nmを超えるとスパッタ層の金属、或いは合金自体の溶解し難くなり、スパッタ層内にエッチング液が浸透することで、金属導体層とスパッタ層の界面での剥離を促進し、エッチング中に膜としてレジスト開口部から除去される際、不均一に剥離することがあり、金属導体層の不均一なエッチングにもつながるため、スパッタ厚さ1〜10nmが適当である。
本願発明の無接着剤フレキシブルラミネートの製造に際しては、ポリイミドフィルムの少なくとも一方の面にグロー放電によるプラズマ処理した後、タイコート層をスパッタリングにより形成し、次に該スパッタ層上に金属導体層を形成し、更に該金属導体層上に前記タイコート層と同一成分の層をスパッタリングにより形成する。
具体的には、前記プラズマ処理面に、ニッケル、コバルト、ニッケル合金、コバルト合金のいずれか1種から選択したターゲット材料を用いてスパッタリングして厚さ5〜100nmのタイコート層を形成することができる。そして、上記の通り、前記金属導体層に銅又は銅合金を用いることができる。
さらに、本願発明の無接着剤フレキシブルラミネートの製造に際して、具体的には前記金属導体層上に、厚さが1〜10nmのニッケル、コバルト、ニッケル合金、コバルト合金のいずれか1種から選択したターゲット材を用いてスパッタリングし、厚さが1〜10nmのスパッタ層を形成することができる。
この層は、金属導体層の回路形成時のサイドエッチングを抑制してエッチングによるダレの発生を防止し、高いエッチファクタを有する。
金属導体層の上面側は、まずはフォトレジストを施した後、回路パターンを露光、現像して、エッチング工程に投入される。一般的な塩化第二鉄、塩化第二銅のようなエッチング液に対し、本願発明のスパッタ層は1〜10nmと薄く、スパッタ層の金属、或いは合金自体が溶解する以外にも、スパッタ層内にエッチング液が浸透することで、金属導体層とスパッタ層の界面での剥離を促進し、エッチング中に膜としてレジスト開口部から除去される。
本願発明は、エッチング工程において、レジストと金属導体層間に存在するスパッタ層がエッチング液による金属導体層のサイドエッチングを抑制するため、結果として異方性のエッチングを可能とすることにより、高いエッチファクタを得ることができる大きな理由となる。
次に、実施例および比較例に基づいて説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例のみに制限されるものではない。すなわち、本発明に含まれる他の態様または変形を包含するものである。
ポリイミドフィルムに使用する材料は、特に制限はない。例えば、宇部興産製ユーピレックス、DuPont/東レ・デュポン製カプトン、カネカ製アピカルなどが上市されているが、いずれのポリイミドフィルムにおいても本発明は適用できる。このような特定の品種に限定されるものではない。本実施例及び比較例では、ポリイミドフィルムとして宇部興産製ユーピレックス―SGAを使用した。
まず、最初にポリイミドフィルムを真空装置内にセットし真空排気後、酸素をチャンバー内に導入し、チャンバー圧力を10Paに調整し、プラズマ処理をした。
次に、上記のプラズマ処理したポリイミドフィルム表面にスパッタリングにより、0〜40nmの範囲で厚さを変えたタイコート層と、その上に銅層を300nm形成した。
さらに、上記のタイコート層とその上の銅層の上に電気めっきにより銅からなる金属導体層(厚さ8.5、5、12μm)を形成することにより、無接着剤フレキシブルラミネートを作製した。
この無接着剤フレキシブルラミネートに対し、その金属導体層表面にさらにスパッタリングにより、1〜10nmのスパッタ層を形成した。
無接着剤フレキシブルラミネートの断面を図1に示す。図1に示すように、無接着剤フレキシブルラミネートは、ポリイミドフィルム、タイコート層、金属導体層及びスパッタ層を備えている。次に、エッチファクタを評価するため、試料を準備した。試料は液体レジストを塗工、乾燥した後、ライン25ミクロン、スペース15ミクロンの回路が描写された40ミクロンピッチのガラスマスクを用い、露光、現像、乾燥した後、エッチファクタの評価を実施した。
エッチングには、塩化第二鉄、塩化第二銅が適用できるが、本実施例及び比較例では、塩化第二鉄(40°ボーメ、50°C)、塩化第二銅(2mol/L、塩酸3mol/L、50°C)を使用した。
エッチファクタは、図2のように定義することができる。図2に示すように、エッチファクタは、A/((B−T)/2)として計算方法する。
表1にエッチファクタの評価結果を示す。エッチング時間は、回路配線幅はトップ幅(T)を12±1ミクロンに揃えるためにサンプルによって異なる。
スペース15ミクロンのレジスト開口部から浸入したエッチング液が、ボトムに向かってエッチングが進むだけでなく、サイドエッチングも同時に起こすため、一定のトップ幅までのエッチングした場合、エッチファクタの低いサンプルはボトム幅(B)が大きくなる。一方、サイドエッチングが抑制されたサンプルでは、ボトム方向へのエッチングが優先的に進行するため、トップ幅(T)とボトム幅(B)の差は小さくなる。
比較例1は、ポリイミドフィルムにタイコート層を施さず、300nmの銅層を形成後、電気めっきにより銅厚8.5ミクロンとして、その後のスパッタ層を形成しなかった場合である。塩化第二鉄でエッチングした場合、エッチファクタは1.69である。比較例2は、比較例1の塩化第二鉄を塩化第二銅に変えた場合であり、エッチファクタは1.85である。共に、スパッタ層がない場合、エッチング液が異なっても、エッチファクタに大きな差は見られない。
この表1に示すように、実施例1は3nmのニッケル合金(Ni/Cr=80/20)のタイコート層を形成し、銅厚8.5ミクロンにした後、3nmのニッケル合金(Ni/Cr=80/20)のスパッタ層を形成した場合、塩化第二鉄エッチングにおいて、エッチファクタは2.93と高くなる。さらに、実施例2は10nmのニッケル合金(Ni/Cr=80/20)のタイコート層を形成し、銅厚8.5ミクロンにした後、ニッケル合金(Ni/Cr=80/20)の10nmのスパッタ層を形成した場合であり、塩化第二鉄エッチングにおいて、エッチファクタが3.04と高くなることがわかった。
実施例3は、実施例2のニッケル合金(Ni/Cr=80/20)を組成比が異なるニッケル合金(Ni/Cr=93/7)に変え、エッチング液を塩化第二鉄から塩化第二銅に変えた場合であり、エッチファクタは3.06である。実施例2と実施例3は、ニッケル合金の組成比、及びエッチング液が異なっても、エッチファクタに大きな差は見られない。
一方、実施例4〜実施例6は銅厚8.5ミクロンにニッケル合金以外の10nmのスパッタ層を適用した場合であり、実施例4は10nmのニッケルのタイコート層とスパッタ層を形成した場合であり、塩化第二鉄エッチングにおいて、エッチファクタが2.98となった。
実施例5は実施例4のニッケルのタイコート層とスパッタ層を10nmのコバルトのタイコート層とスパッタ層に変更した場合であり、塩化第二銅エッチングにおいて、エッチファクタが2.66となった。
実施例6は実施例5のコバルトのタイコート層とスパッタ層を10nmのコバルト合金(Co/Cr=80/20)に変更した場合であり、塩化第二銅エッチングにおいて、エッチファクタが2.98となった。
なお、実施例7は、実施例2のタイコート層を40nmとし、銅厚を8.5ミクロンから5ミクロンと薄くした後、スパッタ層を10nmにした場合であり、銅厚が薄くなることにより、実施例2よりエッチファクタが高くなり、6.30となった。
実施例8は、実施例2の銅厚を8.5ミクロンから12ミクロンと厚くした場合であり、銅厚が厚くなることにより、実施例2よりエッチファクタが低くなり、1.93となったが、比較例1と比べ、銅厚が厚いにもかかわらず、エッチファクタは高くなっており、ニッケル合金スパッタ膜で高いエッチファクタが可能となる裏付けである。
金属導体層上のスパッタ層は厚くなるほどエッチファクタが高くなるが、フォトレジストを剥離後、当該スパッタ層は、図3のように残っている。しかし、これは最終的には除去されるものである。なお、したがって、その除去処理が必要なので、むやみに厚くすべきものではない。スパッタ層はその除去処理の経済性とエッチング特性を考慮すると、1〜10nmが望ましい。
本願発明は、無接着剤フレキシブルラミネートのタイコート層と同じ金属、或いは合金を金属導体層上に形成することで、同時に回路配線のファインピッチ化の妨げとなるサイドエッチングの抑制することにより、上記の問題を解決するものであり、上記から本願発明の有効性が確認できる。
本願発明は、金属導体層の上下に、タイコート層若しくはそれと同等の層、具体的には、ニッケル、コバルト、ニッケル合金、コバルト合金のいずれか1種を形成させた無接着剤フレキシブルラミネートにおいて、タイコート層側はポリイミドフィルムと金属層間の加熱エージング後の密着力を高めることが可能であり、一方の金属導体層の上面側は回路形成時のサイドエッチングを抑制し、高いエッチファクタを可能であるという優れた効果を有する。すなわち、これにより銅張り積層板の銅箔をエッチングにより回路形成を行うに際し、エッチングによるダレの発生を防止し、エッチングによる回路形成の時間を短縮することが可能である。すなわち、目的とする回路幅のより均一な回路を形成でき、パターンエッチングでのエッチング性の向上、ショートや回路幅の不良の発生を防止できる電子回路用の無接着剤フレキシブルラミネートを提供することができる効果を有するので、フレキシブルプリント基板、TAB、COF等の電子部品の実装素材として用いられるフレキシブルラミネートとして有用である。

Claims (12)

  1. 少なくとも一方の面がプラズマ処理されたポリイミドフィルムと、その上に形成されたタイコート層と、該タイコート層上に形成された金属導体層を有し、さらに該金属導体層の上に銅よりエッチングレートの低い金属よりなる層を有することを特徴とする
    無接着剤フレキシブルラミネート。
  2. 銅よりエッチングレートの低い金属よりなる層がニッケル、コバルト、ニッケル合金、コバルト合金のいずれか1種から選択したスパッタ層であることを特徴とする請求項1に記載の無接着剤フレキシブルラミネート。
  3. ニッケル、コバルト、ニッケル合金、コバルト合金のいずれか1種から選択したスパッタ層が前記タイコート層と同一成分の層を有することを特徴とする請求項2に記載の無接着剤フレキシブルラミネート。
  4. 金属導体層上に形成された層が、厚さが1〜10nmのスパッタ層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の無接着剤フレキシブルラミネート。
  5. 前記タイコート層が、厚さ5〜100nmであることを特徴とする請求項1〜4記載の無接着剤フレキシブルラミネート。
  6. 前記金属導体層が銅又は銅合金であることを特徴とする請求項1〜5記載の無接着剤フレキシブルラミネート。
  7. ポリイミドフィルムの少なくとも一方の面にグロー放電によるプラズマ処理した後、タイコート層をスパッタリングにより形成し、次に該スパッタ層上に金属導体層を形成し、更に該金属導体層上に銅よりエッチングレートの低い金属層をスパッタリングにより形成することを特徴とする無接着剤フレキシブルラミネートの製造方法。
  8. ポリイミドフィルムの少なくとも一方の面にグロー放電によるプラズマ処理した後、タイコート層をスパッタリングにより形成し、次に該スパッタ層上に金属導体層を形成し、更に該金属導体層上にニッケル、コバルト、ニッケル合金、コバルト合金のいずれか1種から選択したターゲット材を用いてスパッタリングにより形成することを特徴とする請求項7に記載の無接着剤フレキシブルラミネートの製造方法。
  9. ポリイミドフィルムの少なくとも一方の面にグロー放電によるプラズマ処理した後、タイコート層をスパッタリングにより形成し、次に該スパッタ層上に金属導体層を形成し、更に該金属導体層上に前記タイコート層と同一成分のターゲット材を用いてスパッタリングにより形成することを特徴とする請求項7〜8に記載の無接着剤フレキシブルラミネートの製造方法。
  10. 前記金属導体層上に、スパッタリングによって、厚さが1〜10nmのスパッタ層を形成することを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の無接着剤フレキシブルラミネートの製造方法
  11. 前記プラズマ処理面に、ニッケル、コバルト、ニッケル合金、コバルト合金のいずれか1種から選択したターゲット材料を用いてスパッタリングして厚さ5〜100nmのタイコート層を形成することを特徴とする請求項7〜10記載の無接着剤フレキシブルラミネートの製造方法。
  12. 前記金属導体層に銅又は銅合金を用いることを特徴とする7)〜11)記載の無接着剤フレキシブルラミネートの製造方法。
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