JP2011176417A - 中継装置および中継装置の制御方法 - Google Patents

中継装置および中継装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】中継装置がバッテリーによる動作をしているとき、中継装置のバッテリーの残量が減少したことを、中継機能の利用者に通知することができる中継装置および中継装置の制御方法が望まれていた。
【解決手段】制御部25は、バッテリー24の残量が所定の条件を満たすとき、通信データにバッテリー残量が減少した旨を示す情報を付与し、第一通信部21および第二通信部22の少なくとも一方は、バッテリー残量が減少した旨を示す情報が付与された通信データを、対応するネットワークに送出するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、バッテリーにより動作し、無線通信方式がそれぞれ異なるネットワーク間の通信を中継する中継装置および中継装置の制御方法に関する。
従来の技術において、例えば、「通信装置のバッテリ残量について定期的にチェックを行い、バッテリ残量の不足を検知した段階で、ユーザが装着する通信装置に対し警告音となる音声信号を送信する。」ものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−87367号公報
今日、伝送路に電波や音波などを用いる無線通信が頻繁に行われている。
無線通信では無線通信装置が空間に電波や音波を送出し伝搬を始め、次に伝搬途中で中継装置が波動を受け取り、この中継装置が受け取った波動を再び空間に送出し伝搬を始め、次に伝搬途中で別の中継装置が波動を受け取り、この別の中継装置が受け取った波動を再び空間に送出し伝搬を始め、こうして中継装置が波動を中継することで無線通信が行える地域を拡大している。
昨今、無線通信の方式として、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)で策定され規定されたIEEE802.11、IEEE802.16−2004およびIEEE802.16eが実施されるようになった。
IEEE802.11は無線LAN(Local Area Network)、IEEE802.16−2004はWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IEEE802.16eはMobile WiMAXとして知られおり、これらの無線通信においても中継が行われる。
例えば、具体的な中継として、無線LANとWiMAXの間の中継があり、無線LAN−WiMAX中継装置(以降、WW(Wireless LAN−WiMAX)中継装置と略す。)が中継を行う。
利用者はWW中継装置を自宅に設置することで、無線LANをWiMAXに中継(または、その逆の中継)ができるようになる。
WW中継装置は、例えば利用者の自宅の商用電源から給電され動作するが、自宅が停電したときなど、商用電源からの電力供給が停止した場合に備えてバッテリー(battery:電池)による動作も可能としているものがある。
ここで、中継装置がバッテリーによる動作をしているとき、バッテリーの電気がなくなると中継装置は停止し中継をやめる。こうして利用者は突然にWiMAXのサービスに接続ができなくなってしまう。
したがって、中継装置がバッテリーによる動作をしているとき、中継装置のバッテリーの残量が減少したことを、中継機能の利用者に通知することができる中継装置および中継装置の制御方法が望まれていた。
ところで、上記特許文献1では、通信装置はバッテリー残量を定期的にチェックしバッテリー残量の不足を検知した段階で、別の通信装置に対してブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)の規格に準拠した無線通信で警告音となる音声信号を通知することが提案されている。
しかし、特許文献1の提案では、バッテリー残量の不足の内容の通知をしているに過ぎず、バッテリーの残量に基づき電気の消費を抑え、バッテリーでの動作時間を延長することまで考慮されていない、という問題点があった。
したがって、中継装置のバッテリーの残量が減少した際に、バッテリーの電気の消費を抑えることができる中継装置および中継装置の制御方法が望まれていた。
また、特許文献1の提案では、通信装置が別の通信装置に対しブルートゥースの無線通信を利用してバッテリー残量の不足の内容の音声信号を送信するので、通信装置と別の通信装置の間がブルートゥースにより接続設定(ペアリング)され通信可能な状態であることが前提である。
このため、特許文献1の提案では、通信装置のバッテリー残量が不足していたとしても、通信装置と別の通信装置とが接続設定してからバッテリー残量不足の情報を受けなければならないので、通信装置と別の通信装置が接続設定する以前に、別の通信装置が接続先となる通信装置のバッテリー残量不足の情報を得ることができない、という問題点があった。
したがって、端末が中継装置との通信を確立する前に、バッテリー残量不足の情報を通知することができる中継装置および中継装置の制御方法が望まれていた。
本発明に係る中継装置は、バッテリーにより動作し、無線通信方式がそれぞれ異なる第一のネットワークと第二のネットワークとの間の通信を中継する中継装置であって、前記第一のネットワークに接続され、第一の無線通信方式により無線通信を行う第一通信部と、前記第二のネットワークに接続され、第二の無線通信方式により無線通信を行う第二通信部と、前記バッテリーの残量を検出するバッテリー残量検出手段と、無線通信方式に応じた通信データを生成し、前記第一通信部および前記第二通信部の少なくとも一方に与える制御部とを備え、前記制御部は、前記バッテリーの残量が所定の条件を満たすとき、前記通信データにバッテリー残量が減少した旨を示す情報を付与し、前記第一通信部および前記第二通信部の少なくとも一方は、前記バッテリー残量が減少した旨を示す情報が付与された通信データを、対応するネットワークに送出するものである。
本発明に係る中継装置は、バッテリーにより動作し、無線通信方式がそれぞれ異なる第一のネットワークと第二のネットワークとの間の通信を中継する中継装置であって、前記第一のネットワークに接続され、第一の無線通信方式により無線通信を行う第一通信部と、前記第二のネットワークに接続され、第二の無線通信方式により無線通信を行う第二通信部と、前記バッテリーの残量を検出するバッテリー残量検出手段と、前記第一通信部および前記第二通信部の動作を制御する制御部とを備え、前記第一通信部および前記第二通信部の少なくとも一方は、キャリアセンスによって無線チャネルの空き状態を検出した後、少なくとも、所定の時間範囲から選択した送信待機時間を経過したとき、通信データの送出を可能な状態にする媒体アクセス制御を行い、前記制御部は、前記バッテリーの残量が所定の条件を満たすとき、単位時間当たりにおける前記送信待機時間の割合を増加させるものである。
本発明に係る中継装置の制御方法は、バッテリーにより動作し、無線通信方式がそれぞれ異なる第一のネットワークと第二のネットワークとの間の通信を中継する中継装置の制御方法であって、前記バッテリーの残量を検出するステップと、前記バッテリーの残量が所定の条件を満たすとき、バッテリー残量が減少した旨を示す情報を付与した通信データを生成するステップと、前記バッテリー残量が減少した旨を示す情報が付与された通信データを、前記第一のネットワークおよび前記第二のネットワークの少なくとも一方に送出するステップとを有するものである。
本発明は、バッテリーの残量が所定の条件を満たすとき、通信データにバッテリー残量が減少した旨を示す情報を付与し、バッテリー残量が減少した旨を示す情報が付与された通信データを、第一のネットワークおよび第二のネットワークの少なくとも一方に送出する。このため、バッテリーの残量が減少したことを、中継機能の利用者に通知することができる。
実施の形態1に係る無線通信システムの構成図である。 実施の形態1に係る中継装置12の構成図である。 実施の形態1に係るチェック条件データの構成図である。 実施の形態1に係る残量対比データの構成図である。 実施の形態1に係る端末13の構成図である。 実施の形態1に係る基地局11の構成図である。 ネットワーク参照モデルに基づくWiMAXのネットワークを説明する図である。 実施の形態1に係るバッテリー残量減少情報の通知動作および通信の制御動作を示す図である。 実施の形態1に係る生成する無線LANのメッセージの構成図である。 実施の形態1に係る生成するWiMAXのメッセージの構成図である。 実施の形態1に係る無線通信システムの動作のシーケンスを示す図である。 実施の形態1に係るバッテリー残量減少情報65の表示例を示す図である。 実施の形態2に係る生成する無線LANのメッセージの構成図である。 実施の形態2に係るバッテリー残量減少情報131の表示例を示す図である。 実施の形態2に係る無線通信システムの動作のシーケンスを示す図である。 実施の形態3に係るバッテリー残量減少情報131の表示例を示す図である。 実施の形態3に係る無線通信システムの動作のシーケンスを示す図である。 実施の形態4に係るバッテリー残量減少情報の通知動作および通信の制御動作を示す図である。 実施の形態4に係るチェック条件データの構成図である。 実施の形態4に係る無線通信システムの動作のシーケンスを示す図である。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る無線通信システムの構成図である。
図1において、本実施の形態1に係る無線通信システムは、基地局11と中継装置12と端末13とから構成される。
(基地局11の概要)
基地局11はアンテナ11aを有し、無線ネットワークに接続して通信する基地局である。
本実施の形態1では、基地局11はIEEE802.16−2004で規定されるWiMAXに基づいたプロトコルの通信をアンテナ11aにより電波伝搬するWiMAX基地局(BS:Base Station)として説明する。
基地局11はアンテナ11aを中心に、WiMAXに基づいて接続可能な無線エリアA(図1の実線内)を形成し、無線エリアA内に存在する、図示されていないWiMAX端末(SS:Subscriber Station)と通信をする。
また、無線エリアA内に複数のWiMAX端末が存在し、これらのWiMAX端末が相互に接続するときには、基地局11のアンテナ11aのWiMAX基地局を介して接続する。したがって、基地局11は複数のWiMAX端末に対する中継機能も有している。
(中継装置12の概要)
中継装置12はアンテナ12aおよび12bを有し、無線ネットワークに接続して通信を中継し相互接続する中継装置である。また、中継装置12はバッテリーで動作可能で、バッテリーから電気を供給して動作する。
本実施の形態1では、中継装置12はアンテナ12aでWiMAXの通信をし、アンテナ12bで無線LANの通信をし、これら通信の中継機能を有する中継装置として説明する。
つまり、中継装置12は、WW中継装置といえる。
したがって、中継装置12は、IEEE802.16−2004で規定されるWiMAXに基づいたプロトコルの通信をアンテナ12aにより電波伝搬するWiMAX端末であり、IEEE802.11で規定される無線LANに基づいたプロトコルの通信をアンテナ12bにより電波伝搬する無線LANアクセスポイント(AP:Access Point)でもある。
以下の説明において、中継装置12は、アンテナ12aで得るWiMAXの通信を無線LANの通信に変換してアンテナ12bにより無線伝搬する中継をし、アンテナ12bで得る無線LANの通信をWiMAXの通信に変換しアンテナ12aにより電波伝搬する中継を行う中継装置として説明する。
なお、WiMAXは、本発明における「第一のネットワーク」に相当する。
また、無線LANは、本発明における「第二のネットワーク」に相当する。
また、IEEE802.16−2004規格またはIEEE802.16e規格に準拠した無線通信方式は、本発明における「第一の無線通信方式」に相当する。
また、IEEE802.11規格に準拠した無線通信方式は、本発明における「第二の無線通信方式」に相当する。
中継装置12はWiMAXに基づいて接続可能な無線エリアAに存在するとき、アンテナ12aでWiMAX端末として基地局11と通信する。
中継装置12はアンテナ12bを中心に、無線LANに基づいて接続可能な無線エリアB(図1の破線内)を形成し、無線エリアB内に存在する無線LAN端末(STA:Station、以下「端末13」と称する。)と通信をする。
また、無線エリアB内に複数の端末13が存在し、これらの端末13が相互に接続するときには、中継装置12のアンテナ12bの無線LANアクセスポイントを介して接続する。したがって、中継装置12は端末13に対する中継機能も有している。
(端末13の概要)
端末13はアンテナ13bを有し、無線ネットワークに接続して通信する端末である。
本実施の形態1では、端末13はIEEE802.11で規定される無線LANに基づいたプロトコルの通信をアンテナ13bにより電波伝搬する無線LAN端末として説明する。
端末13は無線LANに基づいて接続可能な無線エリアBに存在するとき、アンテナ13bで無線LAN端末として中継装置12と通信する。
上述したとおり、基地局11は無線エリアA内に存在する中継装置12と無線通信し、中継装置12は無線エリアB内に存在する端末13と無線通信し、端末13と基地局11は中継装置12を介して通信することが可能となっている。
(中継装置12の詳細説明)
図2は実施の形態1に係る中継装置12の構成図である。
図2において、本実施の形態1に係る中継装置12は、アンテナ12aと、アンテナ12bと、第一通信部21と、第二通信部22と、記憶部23と、バッテリー24と、制御部25とから構成される。
なお、制御部25は、本発明における「バッテリー検出手段」および「制御部」に相当する。
アンテナ12aおよびアンテナ12bは電波伝搬する部分であり、空中に電波を送出し空中から電波を受ける。
第一通信部21はアンテナ12aとバス(Bus:構成部位のあいだでデータをやり取りするための回路)で接続されており、アンテナ12aで送受する電波を制御する部分である。
したがって、第一通信部21とアンテナ12aとでIEEE802.16−2004で規定されるWiMAXに基づいたプロトコルの通信をする。
また、第一通信部21は制御部25からメッセージを与えられると、アンテナ12aで送受する電波を制御し、メッセージに関するWiMAXの通信の電波を送出する。
第二通信部22はアンテナ12bとバスで接続されており、アンテナ12bで送受する電波を制御する部分である。
したがって、第二通信部22とアンテナ12bとでIEEE802.11で規定される無線LANに基づいたプロトコルの通信をする。
また、第二通信部22は制御部25からメッセージを与えられると、アンテナ12bで送受する電波を制御し、メッセージに関する無線LANの通信の電波を送出する。
なお、本実施の形態1における「メッセージ」は、本発明における「通信データ」の一例である。
バッテリー24は電気を蓄えている部分であり、図2に図示されていない給電線で第一通信部21、第二通信部22、記憶部23および制御部25に接続して電気を与え中継装置12を動作させる。
また、バッテリー24は給電線またはバスで制御部25に接続してバッテリーの残量に関するデータをやりとりする。
制御部25は中継装置12の中継の制御をする部分である。
制御部25はバスにより第一通信部21および第二通信部22と接続され通信の中継の制御をする。
制御部25は、第一通信部21および第二通信部22が制御し送受する電波に関する信号処理をする。
制御部25は、第一通信部21の電波の送受の制御で、アンテナ12aから得るWiMAXの通信を信号処理して無線LANの通信に変換し、第二通信部22に与えることで中継をする。
制御部25は、第二通信部22の電波の送受の制御で、アンテナ12bから得る無線LANの通信を信号処理しWiMAXの通信に変換し、第一通信部21に与えることで中継をする。
また、制御部25は、第二通信部22の電波の制御で、アンテナ12bから得る無線LANの通信を信号処理して第二通信部22に与えることで、無線エリアB内に存在する無線LANの端末に無線LANの通信を中継する。
こうすることで、中継装置12のアンテナ12bを介して無線エリアB内の複数の無線LANの端末が相互に接続できるようになる。
さらに、制御部25は、バッテリー24の残量を検出するバッテリー残量検出手段として動作する。そして、バッテリー24の残量をチェックして、メッセージにバッテリー残量が減少した旨を示す情報を付与し、第一通信部21および第二通信部22の少なくとも一方に与えてバッテリー残量減少情報の通知をする。
また、制御部25は、バッテリー24の残量に応じて、第一通信部21および第二通信部22の少なくとも一方の通信動作を停止させる通信の制御を行う。
具体的な動作は後述する。
記憶部23はデータを記憶する部分であり、バスで制御部25と接続され、記憶するデータをやりとりする。記憶するデータとしては、バッテリーの残量のチェックに関する点検項目である「チェック条件データ」と、「残量対比データ」とがある。
このチェック条件データと残量対比データのデータ構成を図3、図4により説明する。
(チェック条件データ)
図3は実施の形態1に係るチェック条件データの構成図である。
図3において、本実施の形態1に係るチェック条件データは、バッテリー残量条件31のデータと、通信を開始する通信部32のデータと、通信を閉塞する通信部33のデータと、閉塞するタイミング34のデータと、メッセージを送信する通信部35のデータと、メッセージタイプ36のデータとから構成される。
例えば、図3の上段では最初のチェック条件データとして、バッテリー残量条件31を「20%」と設定し、通信を開始する通信部32を「第一通信部21および第二通信部22」と設定し、通信を閉塞する通信部33を設定無しの空と設定し、閉塞するタイミング34を設定無しの空と設定し、メッセージを送信する通信部35を「第二通信部22」と設定し、メッセージタイプ36を「無線LAN」と設定している。
図3の下段では別のチェック条件データとして、バッテリー残量条件31を「10%」と設定し、通信を開始する通信部32を「第一通信部21および第二通信部22」と設定し、通信を閉塞する通信部33を「第一通信部21」と設定し、閉塞するタイミング34を「10秒後」と設定し、メッセージを送信する通信部35を「第一通信部21および第二通信部22」と設定し、メッセージタイプ36を「無線LANおよびWiMAX」と設定している。
なお、チェック条件データは適宜に設定・変更が可能である。
なお、図3のチェック条件データは上段と下段の二つの条件が設定されているが、これに限定されるものではなく、さらに複数の条件を設定してもよい。
なお、図3の例では、1つのチェック条件データについて、バッテリー残量条件31を1つ設定する場合を説明するが、本発明はこれに限定するものではない。例えば、バッテリー残量条件31として「11%以上20%以下」など所定の範囲としても良いし、「10%以下」など下限値を設定しても良い。これにより、例えば残量が急激に低下した場合であっても、残量減の検知が可能となる。
(残量対比データ)
図4は実施の形態1に係る残量対比データの構成図である。
図4において、本実施の形態1に係る残量対比データは、電圧範囲41のデータと、バッテリー残量42のデータとから構成される。
例えば、図4の最上段では残量対比データとして、電圧範囲41を「7.0〜7.4」と設定し、バッテリー残量42を「90%」と設定している。
図4の最上段から1つ下の2段目では別の残量対比データとして、電圧範囲41を「6.5〜6.9」と設定し、バッテリー残量42を「80%」と設定している。
なお、残量対比データは適宜に設定・変更が可能である。
なお、図4の残量対比データは最上段から19段の条件が設定されているが、これに限定されるものではなく、さらに複数の条件を設定してもよい。
(端末13の詳細説明)
図5は実施の形態1に係る端末13の構成図である。
図5において、本実施の形態1に係る端末13は、アンテナ13bと通信部81と制御部82と表示部83とから構成される。
アンテナ13bは電波伝搬する部分であり、空中に電波を送出し空中から電波を受ける。
通信部81はアンテナ13bとバスで接続されており、アンテナ13bで送受する電波を制御する部分である。
制御部82は端末13の通信の制御をする部分である。
制御部82はバスで通信部81と接続して通信の制御をする。
制御部82は通信部81が制御し送受する電波に関する信号処理をする。
制御部82は端末13の内部で処理する信号を信号処理して無線LANの通信に変換して通信部81に与える。また、通信部81の電波の送受の制御でアンテナ13bから得る無線LANの通信を信号処理して端末13の内部で処理する信号に変換をする。
具体的には、例えば端末13が、無線エリアAに存在する図1に図示されていないWiMAX端末aと、P2P(Peer to Peer)接続する場合、制御部82で図8に図示されていないP2PAS(Peer to Peer Application Software)を実行し、P2PASからWiMAX端末aに対する接続要求を発生すると、制御部82は接続要求の信号を信号処理して無線LANの通信に変換して通信部81に与え、通信部81が電波の送受の制御でアンテナ13bからこの無線LANの通信の電波を送出する。
送出された電波は中継装置12で中継され基地局11を介してWiMAX端末aに到達する。WiMAX端末aが接続要求に対する応答の接続応答の電波を送出すると、基地局11を介して中継装置12で中継され端末13に到達する。
通信部81は電波の送受の制御でアンテナ13bから得る接続応答の電波を信号処理しP2PASに与える。こうして、端末13とWiMAX端末aとの間でP2P接続にいたる。
さらに、制御部82は通信部81が電波の送受の制御でアンテナ13bから得る無線LANの通信を信号処理したとき、後述するバッテリー残量が減少した旨を示す情報が付与されたメッセージを取得した場合、取得したメッセージに基づいた情報を表示部83に与える。具体的な動作は後述する。
表示部83は制御部82から与えられる情報を表示する部分である。
表示部83はLCD(Liquid Crystal Display)などの機能を有し、制御部82から与えられる情報を表示する。
(基地局11の詳細説明)
図6は実施の形態1に係る基地局11の構成図である。
図6において、本実施の形態1に係る基地局11は、アンテナ11aと第一通信部91と第二通信部92と制御部93とから構成される。
アンテナ11aは電波伝搬する部分であり、空中に電波を送出し空中から電波を受ける。
第一通信部91はアンテナ11aとバスで接続されており、アンテナ11aで送受する電波を制御する部分である。
第二通信部92は、図1に図示されていないバックボーンに接続する。また、第二通信部92は、バックボーン内に配備された管理装置に接続して、制御部93から与えられる情報に基づいた情報を管理装置に送出する部分である。
ここで、上述した基地局11が接続するバックボーンと管理装置について説明する。
図7はネットワーク参照モデルに基づくWiMAXのネットワークを説明する図である。
IEEE802.16標準規格に関するシステムプロファイルの規定や仕様適合性と相互運用性の試験に基づく機器の認証などを行うWiMAXフォーラム(WiMAX Forum)は、ネットワークの各機能をまとめたネットワーク参照モデル(NRM:Network Reference Model)を策定している。ネットワーク参照モデルに基づくWiMAXのネットワークは図7のようになる。
ASN(Access Service Network)101は無線接続機能を司るネットワークで、WiMAX端末に無線接続を提供する。
CSN(Connectivity Service Network)102はIP接続機能を司るネットワークで、WiMAX端末にIP接続を提供する。
ASP(Application Service Network)103はASP(Application Service Provider)サービスやインターネット接続機能を司るネットワークで、WiMAX端末にASPサービスやインターネット接続を提供する。
また、ASN101にはASNゲートウェイ(ASN Gateway)などが配備され、CSNと接続し、CSN102にはDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ、HA(Home Agent)サーバ、PollicyサーバおよびAAA(Authentication, Authorization, and Accounting)サーバなどが配備され、各機能を提供する。
したがって、上述した基地局11が接続するバックボーンとは、ASN101、CSN102、ASP103およびインターネットである。さらに、企業内LANや家庭内LANがインターネットに接続しASP103に接続可能な場合は、基地局11、ASN101、CSN102、ASP103およびインターネットと企業内LANおよび家庭内LANとのあいだはISO(International Organization for Standardization)で規定されるOSI参照モデル(OSI Reference Model)のいずれかの層において論理的な接続が可能となるため、企業内LANや家庭内LANもバックボーンに含まれる。
管理装置は基地局11が接続するバックボーンの中に配備され、バークボーンの状況を管理し、バークボーンの中に配備されたASNゲートウェイ、DHCPサーバ、HAサーバ、PollicyサーバおよびAAAサーバなども管理するものである。管理装置が行う管理の具体例として、ログ管理、サーバの死活管理およびネットワーク(バックボーン)の状態管理などがある。また、管理装置はASNゲートウェイ、DHCPサーバ、HAサーバ、PollicyサーバおよびAAAサーバの内部の機能として備えられてもよい。
本実施の形態においては、管理装置はASP103の中に配備されていることとして説明する。
再び図6において、制御部93は基地局11の中継の制御をする部分である。
制御部93はバスで第一通信部91と接続して通信の中継の制御をする。
制御部93は第一通信部91の電波の送受の制御でアンテナ11aから得るWiMAXの通信を信号処理して第一通信部91に与えることで、無線エリアA内に存在するWiMAX端末にWiMAXの通信を中継する。
こうすることで、基地局11を介して無線エリアA内の複数のWiMAX端末が相互に接続できるようになる。
さらに、制御部93は第一通信部91でのWiMAXの通信により、中継装置12からバッテリー残量が減少した旨を示す情報が付与されたメッセージを取得した場合、取得したメッセージに基づいた情報を第二通信部92に与える。
具体的な動作は後述する。
第二通信部92は制御部93から情報を得るとバックボーンの中に配備された管理装置に当該情報を送る。
管理装置は基地局11の第二通信部から情報を得ると表示および/または保存する。
こうして、管理装置は中継装置12のバッテリーの残量が減少していることを表示および/または保存できるようになる。
以上、本実施の形態における無線通信システムの各部の構成の詳細を説明した。
次に、中継装置12によるバッテリー残量減少情報の通知動作および通信の制御動作の概要と、メッセージの内容について説明する。
(バッテリー残量減少情報の通知動作および通信の制御動作)
図8は実施の形態1に係るバッテリー残量減少情報の通知動作および通信の制御動作を示す図である。
図8において、本実施の形態1に係るバッテリーの残量情報の通知に関する制御の動作は、条件呼出の処理S51と、バッテリー残量取得の処理S52と、バッテリー残量判断の処理S53と、通信開始の処理S54と、メッセージ生成の処理S55と、メッセージ送出の処理S56と、通信閉塞の処理S57と、次バッテリー残量条件判断の処理S58とを有する。
まず、制御部25は条件呼出の処理S51において、バスで記憶部23と接続しデータをやりとりし最初のチェック条件データを呼び出す。呼び出すチェック条件データは図3の上段のである。
つづいて、バッテリー残量取得の処理S52において、給電線またはバスでバッテリー24と接続しバッテリーの残量に関するデータをやりとりし残量を取得する。
具体的には、制御部25はバッテリー24における端子での測定電圧を測定し、バスで記憶部23と接続し残量対比データを参照し、測定電圧が合致する範囲を判断することで対応するバッテリー残量(割合:%)を取得する。
つづいて、バッテリー残量判断の処理S53において、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データのバッテリー残量条件31のデータの設定とバッテリー残量取得の処理S52で取得した残量とを照合し一致するか判断する。
一致しない場合は、通信開始の処理S54において、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データの通信を開始する通信部32のデータで設定してある通信部で適宜に通信を始める。通信動作は後述する。
以降、バッテリー残量取得の処理S52からを繰り返す。
一方、一致する場合は、メッセージ生成の処理S55において、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データの、メッセージタイプ36のデータで設定してあるメッセージタイプのメッセージを生成し、さらに条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データの、メッセージを送信する通信部35のデータで設定してある通信部にメッセージを与える。
つづいて、メッセージ送出の処理S56において、メッセージ生成の処理S55でメッセージを与えられた通信部はメッセージをアンテナから送出する。
つづいて、通信閉塞の処理S57において、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データの、通信を閉塞する通信部33のデータで設定してある通信部を、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データの、閉塞するタイミング34のデータで設定してあるタイミングで閉塞する。
閉塞すると通信部は通信を止める。
つづいて、次バッテリー残量条件判断の処理S58において、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データとは別のチェック条件データがあるか判断する。
別のチェック条件データがない場合は、動作を終了する。
一方、別のチェック条件データがある場合は、別のチェック条件データを呼び出す。
呼び出すチェック条件データは図3の下段のである。
以降、バッテリー残量取得の処理S52からを繰り返す。
(メッセージ)
上述した、メッセージ生成の処理S55で生成するメッセージの説明をする。
メッセージ生成の処理S55において、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データの、メッセージタイプ36のデータで設定してあるメッセージタイプのメッセージを生成する。
このメッセージはバッテリー残量が減少したことを示すものである。
チェック条件データのメッセージタイプ36のデータの設定として「無線LAN」と「WiMAX」のメッセージタイプがある。
したがって、メッセージ生成の処理S55では、メッセージタイプが「無線LAN」の場合は無線LANのメッセージを生成し、メッセージタイプが「WiMAX」の場合はWiMAXのメッセージを生成する。
(無線LANのメッセージ)
まず、メッセージ生成の処理S55で生成する無線LANのメッセージの説明をする。
無線LANにはビーコン(Beacon)のフレームが存在する。
ビーコンとは、無線LANのアクセスポイントが周期的に送出し、送出したビーコンのフレームを無線LANの端末が受信することで、無線LANの端末はビーコンのフレームを送出したアクセスポイントの存在を検知できるようにする制御情報である。
無線LANの端末はアクセスポイントの存在を検知すると、このアクセスポイントと通信することができるようになる。
本実施の形態1では、第二通信部22とアンテナ12bとでIEEE802.11で規定される無線LANに基づいたビーコンのフレームを周期的に送出する。
無線LANで送受するフレームはMAC(Media Access Control)ヘッダとフレームボディーとから構成され、MACヘッダのフレーム制御フィールドでフレームの種別を設定し、フレームボディーに情報を格納して送受する。
したがって、ビーコンのフレームは、MACヘッダのフレーム制御フィールドでフレームの種別をビーコンと設定し、フレームボディーにビーコン情報要素の情報を格納して送受する。
無線LANで送受するフレームにはFCS(Frame Check Sequence)などの誤り検出などの領域もあるが説明は省略する。
メッセージ生成の処理S55で生成する無線LANのメッセージは、上記したビーコンのフレームを形成し、さらにフレームボディーにバッテリー残量減少情報を含めたフレームである。
図9は実施の形態1に係る生成する無線LANのメッセージの構成図である。
図9において、本実施の形態1に係る生成する無線LANのメッセージは、MACヘッダ61とフレーム制御フィールド62とフレームボディー63とビーコン情報要素64とバッテリー残量減少情報65とから構成される。
MACヘッダ61、フレーム制御フィールド62およびビーコン情報要素64は、第二通信部22とアンテナ12bとで送出するビーコンと同様であるが、フレームボディー63はバッテリー残量減少情報65を含める拡張がされている。
バッテリー残量減少情報65はバッテリー残量が減少したことを示す情報であり、例えば「中継装置のバッテリーの残量が減少しています」の文字列の情報である。
具体的には、図9に示すように、フレームの種別をビーコンと設定(Type value = 00,Subtype value = 1000)したフレーム制御フィールド62を含むMACヘッダ61を設定する。また、ビーコンとして必要な情報を設定したビーコン情報要素64を含むフレームボディー63を設定する。そして、MACヘッダ61およびフレームボディー63を合わせてビーコンのフレームを形成し、さらにフレームボディー63にバッテリー残量減少情報65の「中継装置のバッテリーの残量が減少しています」の文字列を含める拡張をしたフレームを生成する。
なお、バッテリー残量減少情報65は、本発明における「バッテリー残量が減少した旨を示す情報」に相当する。
(WiMAXのメッセージ)
次に、メッセージ生成の処理S55で生成するWiMAXのメッセージの説明をする。
WiMAXにはRNG−REQ(Ranging Request)のフレームが存在する。
RNG−REQとは、WiMAX端末がWiMAXの基地局に送出し、送出したRNG−REQのフレームをWiMAXの基地局が受信することで、WiMAXの基地局はRNG−REQのフレームを送出したWiMAX端末の存在を検知できるようにするものである。
WiMAX端末が送出するRNG−REQのフレームは、端末自身が適応できる運用能力の情報を含んでおり、WiMAXの基地局は検知したWiMAX端末の運用能力を把握できる。
WiMAXの基地局はWiMAX端末を検知し運用能力を把握すると、このWiMAX端末と通信することができるようになる。
本実施の形態1では、第一通信部21とアンテナ12aとでIEEE802.16−2004で規定されるWiMAXに基づいたRNG−REQのフレームを周期的に送出する。
WiMAXで送受するMACマネジメントメッセージ(MAC Management Message)のフレームは一般MACヘッダ(Generic MAC Header)とペイロードとから構成され、ペイロードのマネジメントメッセージタイプ(Management Message Type)でフレームの種別を設定し、マネジメントメッセージペイロード(Management Message Payload)に情報を格納して送受する。
したがって、RNG−REQのフレームは、ペイロードのマネジメントメッセージタイプでフレームの種別をRNG−REQと設定し、マネジメントメッセージペイロードにRNG−REQを構成する情報を格納して送受する。
WiMAXで送受するフレームにはCRC(Cyclic Redundancy Check)などの誤り検出などの領域もあるが説明は省略する。
メッセージ生成の処理S55で生成するWiMAXのメッセージは、上記したNG−REQのフレームを形成し、さらにマネジメントメッセージタイプの空き領域にバッテリー残量減少情報を含めたフレームである。
図10は実施の形態1に係る生成するWiMAXのメッセージの構成図である。
図10において、本実施の形態1に係る生成するWiMAXのメッセージは、一般MACヘッダ71とペイロード72とマネジメントメッセージタイプ73とマネジメントメッセージペイロード74とから構成される。
一般MACヘッダ71およびマネジメントメッセージペイロード74は、第一通信部21とアンテナ12aとで送出するRNG−REQと同様であるが、ペイロード72はマネジメントメッセージタイプ73の空き領域にバッテリー残量が減少したことを示すバッテリー残量減少情報のフラグを設定する拡張がされている。このフラグはビット(bit)やバイト(byte)のフラグである。
具体的には、図10に示すように、ヘッダタイプを一般MACヘッダと設定(Header Type = 0)した一般MACヘッダ71を設定する。また、フレームの種別をRNG−REQと設定(Management Message Type = 4)したマネジメントメッセージタイプ73とRNG−REQを構成する情報を設定したマネジメントメッセージペイロード74とを含むペイロード72を設定する。そして、一般MACヘッダ71およびペイロード72を合わせてRNG−REQのフレームを形成し、さらにマネジメントメッセージタイプ73の空き領域にバッテリー残量が減少したことを示す情報のフラグを設定(Battery Warning Message = 1)する拡張をしたフレームを生成する。
なお、マネジメントメッセージタイプ73のフラグ(Battery Warning Message = 1)は、本発明における「バッテリー残量が減少した旨を示す情報」に相当する。
次に、中継装置12によるバッテリー残量減少情報の通知動作および通信の制御動作の具体例と、基地局11、中継装置12、および端末13の通信動作のシーケンスについて説明する。
(通信動作のシーケンス)
図11は実施の形態1に係る無線通信システムの動作のシーケンスを示す図である。
以降、図に基づき説明する。
まず、図8を参照する。
中継装置12はバッテリー24から電気を供給されると動作を開始する。
このときバッテリー24のバッテリー残量は90%以上であるとする。
(S51)
中継装置12が動作を開始すると、まず制御部25は条件呼出の処理S51において、バスで記憶部23と接続しデータをやりとりし、最初のチェック条件データを呼び出す。呼び出すチェック条件データは図3の上段の最初のチェック条件データである。
すなわち、バッテリー残量条件31「20%」、通信を開始する通信部32「第一通信部21および第二通信部22」、通信を閉塞する通信部33無し、閉塞するタイミング34無し、メッセージを送信する通信部35「第二通信部22」、メッセージタイプ36「無線LAN」を呼び出す。
(S52)
つづいて、制御部25はバッテリー残量取得の処理S52において、給電線またはバスでバッテリー24と接続しバッテリーの残量に関するデータをやりとりし残量「90%」を取得する。
このとき、制御部25はバッテリー24における端子での測定電圧を測定し、測定電圧「7.0V(ボルト)」を取得し、バスで記憶部23と接続し残量対比データを参照し、測定電圧「7.0V」が合致する範囲が「7.0〜7.4」であると判断することで対応するバッテリー残量「90%」を取得している。
(S53)
つづいて、制御部25はバッテリー残量判断の処理S53において、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データのバッテリー残量条件31「20%」とバッテリー残量取得の処理S52で取得した残量「90%」とを照合し一致するか判断する。
この場合、一致しないので、通信開始の処理S54において、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データの通信を開始する通信部32「第二通信部22および第一通信部21」で適宜に通信を始める。
以降、バッテリー残量取得の処理S52からを繰り返す。
中継装置12で通信が始まると、中継装置12は基地局11とのあいだで無線通信をし、さらに中継装置12は端末13とのあいだで無線通信をする。
中継装置12は第一通信部21とアンテナ12aとでIEEE802.16−2004で規定されるWiMAXに基づいたRNG−REQのフレームを周期的に送出する。
基地局11はRNG−REQを受信することで中継装置12の存在を検知し運用能力を把握することで中継装置12と通信することができるようになる。
このとき、基地局11では制御部93がアンテナ11aから得るWiMAXの通信のうちRNG−REQのフレームである場合、拡張されたRNG−REQのフレームであるかを判断する。
この場合、マネジメントメッセージタイプ73の空き領域にバッテリー残量が減少したことを示す情報のフラグが設定されておらず、拡張されていないRNG−REQのフレームであるので、基地局11はすぐに中継装置12と通信をする。
中継装置12は第二通信部22とアンテナ12bとでIEEE802.11で規定される無線LANに基づいたビーコンを周期的に送出する。
端末13はビーコンを受信することで中継装置12の存在を検知することで中継装置12と通信することができるようになる。
このとき、端末13では制御部82がアンテナ13bから得る無線LANの通信のうちビーコンのフレームである場合、拡張されたビーコンのフレームであるかを判断する。
この場合、ビーコン情報要素64の後にバッテリー残量減少情報65が含まれておらず、拡張されていないビーコンのフレームであるので、端末13はすぐに中継装置12と通信をする。
ここで、無線エリアB内に存在する端末13が、無線エリアA内に存在する図1に図示されていないWiMAX端末aとP2P接続を始めるとする。
この場合の中継動作を図11により説明する。
(S1101)
端末13は制御部82でP2PASを実行し、P2PASからWiMAX端末aに対する接続要求を発生すると、制御部82は接続要求の信号を信号処理して無線LANの通信に変換して通信部81に与え、通信部81が電波の送受の制御でアンテナ13bからこの無線LANの通信の電波を送出する。
端末13から送出された無線LANの通信の電波はやがて無線エリアB内に存在する中継装置12に到達する。
(S1102)
中継装置12は第二通信部22の電波の送受の制御でアンテナ12bから得る無線LANの通信を信号処理しWiMAXの通信に変換し第一通信部21に与え、第一通信部21の電波の送受の制御でアンテナ12aからこのWiMAXの通信の電波を送出し中継をする。
中継装置12で中継されたWiMAXの通信の電波はやがて無線エリアA内に存在する基地局11に到達する。
基地局11は第一通信部91の電波の送受の制御でアンテナ11aから得るWiMAXの通信を信号処理して第一通信部91に与え、第一通信部91の電波の送受の制御でアンテナ11aからこのWiMAXの通信の電波を送出し中継をする。
基地局11で中継されたWiMAXの通信の電波はやがて無線エリアA内に存在するWiMAX端末aに到達する。
図示されていないWiMAX端末aは受信したWiMAXの通信から端末13の接続要求を読み取ると、接続要求に対する接続応答の信号をWiMAXの通信の電波で送出する。
WiMAX端末aから送出されたWiMAXの通信の電波はやがて無線エリアA内に存在する基地局11に到達する。
(S1103)
基地局11は第一通信部91の電波の送受の制御でアンテナ11aから得るWiMAXの通信を信号処理して第一通信部91に与え、第一通信部91の電波の送受の制御でアンテナ11aからこのWiMAXの通信の電波を送出し中継をする。
基地局11で中継されたWiMAXの通信の電波はやがて無線エリアA内に存在する中継装置12に到達する。
(S1104)
中継装置12は第一通信部21の電波の送受の制御でアンテナ12aから得るWiMAXの通信を信号処理し無線LANの通信に変換し第二通信部22に与え、第二通信部22の電波の送受の制御でアンテナ12bからこの無線LANの通信の電波を送出し中継をする。
中継装置12で中継された無線LANの通信の電波はやがて無線エリアB内に存在する端末13に到達する。
端末13は通信部81の電波の送受の制御でアンテナ13bから得る無線LANの通信を信号処理し接続応答を読み取ると、接続応答をP2PASに与える。
こうして、端末13はP2PASでWiMAX端末aに接続要求を送信し、WiMAX端末aから接続応答を受信するので、WiMAX端末aとのあいだでP2P接続にいたる。
再び図8を参照し中継装置12の動作を説明する。
中継装置12が動作を続けるとバッテリー24の残量が減少していく。
中継装置12が動作を続けるあいだ、制御部25がバッテリー残量取得の処理S52からを繰り返している。
あるとき、バッテリー24の残量が20%になる。
このとき、制御部25はバッテリー24における端子での測定電圧を測定し、測定電圧「3.5V」を取得し、バスで記憶部23と接続し残量対比データを参照し、測定電圧「3.5V」が合致する範囲が「3.5〜3.9」であると判断することで対応するバッテリー残量「20%」を取得している。
(S53)
つづいて、制御部25はバッテリー残量判断の処理S53において、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データのバッテリー残量条件31「20%」とバッテリー残量取得の処理S42で取得した残量「20%」とを照合し一致するか判断する。
(S54)
この場合、一致するので、メッセージ生成の処理S55において、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データのメッセージタイプ36「無線LAN」のメッセージを生成し、さらに条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データの通信部35「第二通信部22」にメッセージを与える。
(S55)
このとき、メッセージ生成の処理S55で生成するメッセージは「無線LAN」のメッセージタイプである。
無線LAN向けのメッセージは、図9に示すように、フレームの種別をビーコンと設定(Type value = 00,Subtype value = 1000)したフレーム制御フィールド62を含むMACヘッダ61を設定し、ビーコンとして必要な情報を設定したビーコン情報要素64を含むフレームボディー63を設定し、MACヘッダ61およびフレームボディー63を合わせてビーコンのフレームを形成し、さらにフレームボディー63にバッテリー残量減少情報65の「中継装置のバッテリーの残量が減少しています」の文字列を含める拡張をしたフレームである。
(S56)
つづいて、メッセージ送出の処理S56において、メッセージ生成の処理S55でメッセージを与えられた第二通信部22がアンテナ12bで送受する電波を制御し、メッセージに関わる無線LANの通信で電波を送出する。
このとき、第二通信部22は、アンテナ12bで周期的に送出するビーコンのフレームをこのメッセージに置き換えて送出する。
再び図11を参照する。
(S1105)
中継装置12から送出されたメッセージに関わる無線LANの通信の電波はやがて無線エリアB内に存在する端末13に到達する。
(S1106)
端末13は通信部81の電波の送受の制御でアンテナ13bで無線LANの通信を得て、制御部82で拡張されたビーコンのフレームであるかを判断する。
具体的には、制御部82はアンテナ13bから得る無線LANの通信がビーコンのフレームである場合、ビーコン情報要素64の後にバッテリー残量減少情報65が含まれているか判断し、バッテリー残量減少情報65が含まれているときには拡張されたビーコンのフレームであると判断してバッテリー残量減少情報65の情報を取得し表示部83に与える。
ここで、制御部82はバッテリー残量減少情報65を端末13のOS(Operating System)で取り扱える情報に変換した後に表示部83に与える。
例えば、端末13のOSがMicrosoft Windows(登録商標)の場合には、取得したバッテリー残量減少情報65を、バッテリー残量減少情報65の内容を含むウィンドウに変換する。
ここでは、ビーコン情報要素64の後にバッテリー残量減少情報65が含まれているので、拡張されたビーコンのフレームであると判断してバッテリー残量減少情報65「中継装置のバッテリーの残量が減少しています」の情報を取得し表示部83に与える。
このとき、制御部82はバッテリー残量減少情報65の内容を含むウィンドウに変換した後に表示部83に与える。
端末13の表示部83は制御部82から与えられたバッテリー残量減少情報65「中継装置のバッテリーの残量が減少しています」の情報をLCDに表示する。
このとき、端末13の表示部83のLCDには図12のようなウィンドウが表示される。
こうして端末13の表示部83で「中継装置のバッテリーの残量が減少しています」の情報が表示されるので、端末13の利用者は中継装置12のバッテリーの残量が減少していることを知ることができる。
よって、端末13の利用者は中継装置12のバッテリーの電気がなくなる前に、中継装置12を介しての通信を継続するか否かを予め選択できるようになる。
再び図8を参照する。
(S57)
つづいて、制御部25は通信閉塞の処理S57において、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データの、通信を閉塞する通信部33のデータで設定してある通信部を、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データの、閉塞するタイミング34のデータで設定してあるタイミングで閉塞する。
この場合、図3の上段の通信を閉塞する通信部33は無し、閉塞するタイミング34は無しなので、通信閉塞の処理S57で閉塞の処理は行われない。
このとき、中継装置12の通信閉塞の処理S57で閉塞の処理は行われないので、端末13の利用者は中継装置12のバッテリーの残量が減少していることを知りつつ、端末13とWiMAX端末aとのあいだのP2P接続は接続中のままとなる。
(S58)
つづいて、制御部25は次バッテリー残量条件判断の処理S58において、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データとは別のチェック条件データがあるか判断する。
別のチェック条件データがない場合は、動作を終了する。
一方、別のチェック条件データがある場合は、別のチェック条件データを呼び出す。
ここでは、次のチェック条件データがあるため、制御部25は条件呼出の処理S51において、最初に呼び出したチェック条件データの次のチェック条件データを読み出す。呼び出すチェック条件データは図3の下段のチェック条件である。
すなわち、バッテリー残量条件31「10%」、通信を開始する通信部32「第一通信部21および第二通信部22」、通信を閉塞する通信部33「第一通信部21」、閉塞するタイミング34「10秒後」、メッセージを送信する通信部35「第一通信部21および第二通信部22」、メッセージタイプ36「WiMAXおよび無線LAN」を呼び出す。
中継装置12が動作を続けるとバッテリー24の残量が減少していく。
あるとき、バッテリー24の残量が10%になる。
(S52)
このとき、制御部25はバッテリー残量取得の処理S52において、給電線またはバスでバッテリー24と接続しバッテリーの残量に関するデータをやりとりし残量「10%」を取得する。
このとき、制御部25はバッテリー24における端子での測定電圧を測定し、測定電圧「2.5V」を取得し、バスで記憶部23と接続し残量対比データを参照し、測定電圧「2.5V」が合致する範囲が「2.5」であると判断することで対応するバッテリー残量「10%」を取得している。
(S53)
つづいて、制御部25はバッテリー残量判断の処理S53において、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データのバッテリー残量「10%」とを照合し一致するか判断する。
(S55)
この場合、一致するので、メッセージ生成の処理S55において、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データのメッセージタイプ36「WiMAXおよび無線LAN」のメッセージタイプのメッセージを生成し、さらに条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データの通信部35「第一通信部21および第二通信部22」にメッセージを与える。
このとき、メッセージ生成の処理S55で生成するメッセージは「WiMAXおよび無線LAN」のメッセージタイプである。
WiMAX向けのメッセージは、図10に示すように、ヘッダタイプを一般MACヘッダと設定(Header Type = 0)した一般MACヘッダ71を設定し、フレームの種別をRNG−REQと設定(Management Message Type = 4)したマネジメントメッセージタイプ73とRNG−REQを構成する情報を設定したマネジメントメッセージペイロード74とを含むペイロード72を設定し、一般MACヘッダ71およびペイロード72を合わせてRNG−REQのフレームを形成し、さらにマネジメントメッセージタイプ73の空き領域にバッテリー残量が減少したことを示す情報のフラグを設定(Battery Warning Message = 1)する拡張をしたフレームである。
無線LAN向けのメッセージは、図9に示すように、フレームの種別をビーコンと設定(Type value =00、Subtype value = 1000)したフレーム制御フィールド62を含むMACヘッダ61を設定し、ビーコンとして必要な情報を設定したビーコン情報要素64を含むフレームボディー63を設定し、MACヘッダ61およびフレームボディー63を合わせてビーコンのフレームを形成し、さらにフレームボディー63にバッテリー残量減少情報65の「中継装置のバッテリーの残量が減少しています」の文字列を含める拡張をしたフレームである。
(S56)
つづいて、メッセージ送出の処理S56において、メッセージ生成の処理S55でメッセージを与えられた第一通信部21がアンテナ12aで送受する電波を制御し、メッセージに関わるWiMAXの通信で電波を送出する。
このとき、第一通信部21は、アンテナ12aで周期的に送出するRNG−REQのフレームをメッセージ生成の処理S55で与えられたメッセージに置き換えて送出する。
さらにメッセージ送出の処理S56において、メッセージ生成の処理S55でメッセージを与えられた第二通信部22がアンテナ12bで送受する電波を制御し、メッセージに関わる無線LANの通信で電波を送出する。
このとき、第二通信部22は、アンテナ12aで周期的に送出するビーコンのフレームをメッセージ生成の処理S55で与えられたメッセージに置き換えて送出する。
再び、図11を参照する。
(S1107)
中継装置12から送出されたメッセージに関わるWiMAXの通信の電波はやがて無線エリアA内に存在する基地局11に到達する。
基地局11は第一通信部91の電波の送受の制御でアンテナ11aでWiMAXの通信を得る。制御部93はアンテナ11aから得るWiMAXの通信がRNG−REQのフレームである場合、マネジメントメッセージタイプ73の空き領域にバッテリー残量が減少したことを示す情報のフラグが設定されているか判断する。
この場合、ペイロード72中のマネジメントメッセージタイプ73の空き領域にバッテリー残量が減少したことを示す情報のフラグが設定されているので、拡張されたRNG−REQのフレームであると判断する。そして、バッテリー残量が減少したことを示す情報のフラグ(Battery Warning Message = 1)に基づいて「中継装置のバッテリーの残量が減少しています」の文字の情報を生成し第二通信部92に与える。
ここで、制御部93がフラグに基づいて生成する情報は、第二通信部92が接続する管理装置が表示・保存できる形式で生成する。
例えば、管理装置が文字を表示できる場合は「中継装置のバッテリーの残量が減少しています」の文字列の情報を生成し、画像が表示できる場合は「中継装置のバッテリーの残量が減少しています」の意味を示す画像の情報を生成し、音声が鳴らせる場合は「中継装置のバッテリーの残量が減少しています」の意味を示す音声の情報を生成する。
(S1108)
基地局11の第二通信部92は制御部93から与えられた「中継装置のバッテリーの残量が減少しています」の情報を管理装置に送る。
こうして、管理装置は中継装置12のバッテリーの残量が減少していることを表示および/または保存できるようになる。
(S1109)
一方、中継装置12から送出されたメッセージに関わる無線LANの通信の電波はやがて無線エリアB内に存在する端末13に到達する。
端末13は通信部81の電波の送受の制御でアンテナ13bで無線LANの通信を得て、制御部82で拡張されたビーコンのフレームであるかを判断する。
この場合、ビーコン情報要素64の後にバッテリー残量減少情報65が含まれているので、拡張されたビーコンのフレームであると判断してバッテリー残量減少情報65「中継装置のバッテリーの残量が減少しています」の情報を取得し表示部83に与える。
このとき、制御部82はバッテリー残量減少情報65をバッテリー残量減少情報65の内容を含むウィンドウに変換した後に表示部83に与えている。
(S1109)
端末13の表示部83は制御部82から与えられたバッテリー残量減少情報65「中継装置のバッテリーの残量が減少しています」の情報をLCDに表示する。
このとき、端末13の表示部83のLCDには図12のようなウィンドウが表示される。
こうして端末13の表示部83で「中継装置のバッテリーの残量が減少しています」の情報が表示されるので、端末13の利用者は中継装置12のバッテリーの残量が減少していることを知ることができる。
よって、端末13の利用者は中継装置12のバッテリーの電気がなくなる前に、中継装置12を介しての通信を継続するか否かを予め選択できるようになる。
再び、図8を参照する。
(S57)
つづいて、制御部25は通信閉塞の処理S57において、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データの、通信を閉塞する通信部33のデータで設定してある通信部を、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データの、閉塞するタイミング34のデータで設定してあるタイミングで閉塞する。
この場合、通信を閉塞する通信部33「第一通信部21」、閉塞するタイミング34「10秒後」なので、通信閉塞の処理S57では、第一通信部21でメッセージ生成の処理S55で与えられたメッセージを送信後(周期的に送信するメッセージのうち一つ目のメッセージ(拡張されたRNG−REQ)を送信後)、10秒経過した後、第一通信部21の閉塞の処理を行う。
このとき、中継装置12の通信閉塞の処理S57で第一通信部21の閉塞の処理が行われたので、以降、中継装置12と基地局11とのあいだの通信は閉塞(通信動作が停止)される。
(S1111)
つまり端末13は中継装置12を中継してWiMAXの通信を利用できないことになる。
一方、中継装置12の第二通信部22は閉塞されていないので、中継装置12は無線エリアBの通信の中継は行える。
よって、端末13の利用者は、中継装置12のバッテリー24の残量が減少していることを知りつつ、端末13と無線エリアB内の別の端末13とのあいだの接続は接続可能となる。
さらに、中継装置12は第二通信部22を閉塞したことで、第二通信部22での通信が行われないから、バッテリー24の電気の消費を抑えることができ、中継装置12のバッテリー動作時間を延長できるようになる。
(S58)
つづいて、制御部25は次バッテリー残量条件判断の処理S58において、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データとは別のチェック条件データがあるか判断する。
別のチェック条件データがない場合は、動作を終了する。
以降、中継装置12はバッテリー24から動作に必要な電気の供給が続く限り動作を続け、やがてバッテリー24からの給電がなくなると停止する。
以上のように本実施の形態においては、バッテリー24の残量が所定の条件を満たすとき、メッセージにバッテリー残量が減少した旨を示す情報を付与し、第一通信部21および第二通信部22の少なくとも一方により、対応するネットワークに送出する。
このため、中継装置12のバッテリー24の残量が減少したことを、中継機能の利用者に通知することができる。
また、バッテリーの残量が所定の条件を満たすとき、第一通信部21および第二通信部22の少なくとも一方の通信動作を停止させる。
このため、中継装置12のバッテリー24の残量が減少した際に、バッテリー24の電気の消費を抑えることができる。よって、中継装置12のバッテリー動作時間を延長できるようになる。
また、バッテリーの残量が所定の条件を満たし、所定の時間経過したとき、第一通信部21および第二通信部22の少なくとも一方の通信動作を停止させる。
このため、中継装置12のバッテリー24の残量が減少したことを、中継機能の利用者に通知し、所定の時間経過した後に通信動作を停止させることが可能となる。
また、バッテリーの残量が所定の条件を満たすとき、第一通信部の通信動作を停止させ、無線LANに帰属する端末13からの通信データを、無線LANに帰属する他の端末13に中継する。
このため、端末13の利用者は中継装置12のバッテリー24の残量が減少していることを知りつつ、端末13と無線エリアB内の別の端末13とのあいだの接続は接続可能となる。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、中継装置12と端末13とのあいだで通信が確立されている(端末13が中継装置12に帰属している)ときに、中継装置12がバッテリー残量減少情報を無線エリアBに送出し端末13に通知した。
ところで、無線LANでは、サービスエリアに設置したアクセスポイント(AP)と端末とのあいだを接続し通信を確立するために、端末によりAPを検索(スキャン)し、通信が可能なAPを捕捉することを行う。
検索方法として、アクティブスキャン(Active scan)方式、またはパッシブスキャン(Passive scan)方式が用いられる。
パッシブスキャンとは、APが定期的に送出する制御信号(ビーコン)を端末がモニタし、制御信号(ビーコン)に含まれるSSID(Service Set Identifier:サービスセット識別子)が端末に設定されたSSIDと同じである場合は、APに接続処理を行う。
アクティブスキャンとは、端末が接続要求信号(Probe Request)を送出し、APは受け取った接続要求信号(Probe Request)に対し、APに設定されているSSIDを含めた接続応答信号(Prove Response)を送出し、端末はAPからの接続応答信号(Prove Response)を受け取ると、端末と同じSSIDであるAPに接続処理を行う。
本実施の形態2では、パッシブスキャンに対応する中継装置12がバッテリー残量減少情報を無線エリアBにビーコンに含めて送出し、中継装置12と端末13とのあいだで通信が確立される以前(端末13が中継装置12に帰属する以前)に、バッテリー残量減少情報を端末13に通知する形態について説明する。
なお、本実施の形態2における無線通信システムの構成は、上記実施の形態1と同様であり、中継装置12、基地局11および端末13の構成も実施の形態1と同様である。
以下、実施の形態2の動作を、上記実施の形態1との相違点を中心に、具体的に説明する。
(中継装置12の相違点)
上述した実施の形態1では、中継装置12が特段にスキャン方式を意識した処理を示していない。
一方、本実施の形態2では、中継装置12がパッシブスキャンに対応するように第二通信部22には予めSSIDとして「SSID1」が設定されている。
したがって、第二通信部22はSSID「SSID1」を含めたビーコンを、定期的に、アンテナ12bで無線エリアBに送出する。
なお、ビーコンは、本発明における「制御信号」に相当する。
また、ビーコンは、本発明における「通信データ」の一例である。
また、SSIDは、本発明における「ネットワーク識別子」に相当する。
また、上述した実施の形態1では、制御部25がメッセージ生成の処理S55において生成する無線LANのメッセージが図9に示す構成であった。
一方、本実施の形態2では図13に示す構成である。
ここで、図13に示す無線LANのメッセージは、図9に示す構成と同様にMACヘッダ61とフレーム制御フィールド62とフレームボディー63とビーコン情報要素64とを含んでいるが、図9に示す構成と比べると、バッテリー残量減少情報65がバッテリー残量減少情報131に変更されている。
したがって、図13に示す無線LANのメッセージは、MACヘッダ61とフレーム制御フィールド62とフレームボディー63とビーコン情報要素64とバッテリー残量減少情報131とから構成されている。
バッテリー残量減少情報131は、バッテリー残量が減少した旨を示す情報と、ビーコンを受信した端末13により実行され、当該中継装置12と通信を行うか否かを選択させる命令とから構成されている。
具体的には、実施の形態2におけるバッテリー残量減少情報131は「中継装置のバッテリーの残量が減少しています,connected_selection」の文字列が含まれており、「中継装置のバッテリーの残量が減少しています」がバッテリー残量が減少したことを示す情報部分で、「connected_selection」が中継装置12に帰属し通信を行うか否かを選択させる命令となっている。
また、情報部分と命令部分のあいだの「,」は命令の始まりを示すものであって、例えば、バッテリー残量減少情報131を含むメッセージを受けた端末13が「,」以降が命令部分と判断できるようになっている。
なお、実施の形態2の中継装置12で生成するWiMAXのメッセージは実施の形態1となんら変更されていない。
(端末13の相違点)
上記実施の形態1では、端末13が特段にスキャン方式を意識した処理を示していない。
一方、本実施の形態2では、端末13がパッシブスキャンに対応するように通信部81には予めSSID「SSID1」が設定されている。
したがって、通信部81はSSIDを含めたビーコンをアンテナ13bから得ると、自信に設定されたSSIDと比較し、自身に設定されたSSIDと同じである場合は、SSIDを含めたビーコンを送出するアクセスポイントに接続処理を行う。
また、上記実施の形態1では、制御部82はアンテナ13bから得る無線LANの通信がビーコンのフレームである場合、ビーコン情報要素64の後にバッテリー残量減少情報65が含まれているか判断し、バッテリー残量減少情報65が含まれているときには拡張されたビーコンのフレームであると判断してバッテリー残量減少情報65の情報を取得した。そして、端末13のOSで取り扱える情報である図12に示すウィンドウに変換した後に表示部83に与えた。
一方、本実施の形態2では、取得したバッテリー残量減少情報131により、バッテリー残量が減少した旨を示す情報を表示し、さらに、中継装置12に帰属し通信を行うか否かを選択させる操作ボタンを表示する。
例えば、図14に示すウィンドウに変換する。つまり、本実施の形態2では、端末13が中継装置12から得るメッセージは、バッテリー残量減少情報131に「中継装置のバッテリーの残量が減少しています,connected_selection」の文字列が含まれるものなので、「connected_selection」の命令部分に基づいて、帰属し通信を行うか否かを選択させる図14に示すウィンドウに変換する。
したがって、図12と図14とを比べると、図14には「connected_selection」の命令部分に基づいて「通信を継続しますか?」の情報、通信を継続するか否かを選択する「はい(Y)」ボタンおよび「いいえ(N)」ボタンが追加されている。
次に、中継装置12によるバッテリー残量減少情報の通知動作の具体例と、基地局11、中継装置12、および端末13の通信動作のシーケンスについて、上記実施の形態1との相違点を中心に説明する。
(通信動作のシーケンス)
図15は実施の形態2に係る無線通信システムの動作のシーケンスを示す図である。
以降、図に基づき説明する。なお、上記実施の形態1と同一の動作には同一のステップ番号を付する。
まず、図8を参照する。
中継装置12はバッテリー24から電気を供給されると動作を開始する。
このときバッテリー24のバッテリー残量は90%以上であるとする。
中継装置12が動作を開始すると、実施の形態1で説明したS51〜S54の処理を行う。
このとき中継装置12が送出するビーコンにはSSID「SSID1」が設定されている。
具体的にはMACフレームのMACヘッダ中にSSID「SSID1」が設定されている。
中継装置12が動作を続けるとバッテリー24の残量が減少していく。
中継装置12が動作を続けるあいだ、制御部25がバッテリー残量取得の処理S52からを繰り返している。
あるとき、バッテリー24の残量が20%になる。
このとき、制御部25はバッテリー24における端子での測定電圧を測定し、測定電圧「3.5V」を取得し、バスで記憶部23と接続し残量対比データを参照し、測定電圧「3.5V」が合致する範囲が「3.5〜3.9」であると判断することで対応するバッテリー残量「20%」を取得している。
つづいて、制御部25はバッテリー残量判断の処理S53において、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データのバッテリー残量条件31「20%」とバッテリー残量取得の処理S42で取得した残量「20%」とを照合し一致するか判断する。
この場合、一致するので、メッセージ生成の処理S55において、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データのメッセージタイプ36「無線LAN」のメッセージを生成し、さらに条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データの通信部35「第二通信部22」にメッセージを与える。
このとき、メッセージ生成の処理S55で生成するメッセージは「無線LAN」のメッセージタイプなので、図13に示すように、フレームの種別をビーコンと設定(Type value = 00,Subtype value = 1000)したフレーム制御フィールド62を含むMACヘッダ61を設定する。また、ビーコンとして必要な情報を設定したビーコン情報要素64を含むフレームボディー63を設定する。そして、MACヘッダ61およびフレームボディー63を合わせてビーコンのフレームを形成し、さらにフレームボディー63にバッテリー残量減少情報131の「中継装置のバッテリーの残量が減少しています,connected_selection」の文字列を含める拡張をしたフレームを生成する。
なお、MACヘッダ61にはSSID「SSID1」が設定されている。
つづいて、メッセージ送出の処理S56において、メッセージ生成の処理S55でメッセージを与えられた第二通信部22がアンテナ12bで送受する電波を制御し、メッセージに関わる無線LANの通信で電波を送出する。
このとき、第二通信部22は、アンテナ12bで周期的に送出するビーコンのフレームを、上記のメッセージに置き換えて送出するようになる。
以降、中継装置12は、上記実施の形態1と同様に通信閉塞の処理S57と次バッテリー残量条件判断の処理S58とを行う。
(S1501)
図15を参照する。
ここで、利用者によって端末13が起動または移動することで無線エリアBに存在するようになると、中継装置12から送出されたメッセージに関わる無線LANの通信の電波はやがて無線エリアB内に存在し、中継装置12とのあいだで通信が確立されていない(中継装置12に帰属していない)端末13に到達する。
端末13は通信部81の電波の送受の制御でアンテナ13bで無線LANの通信を得て、制御部82で拡張されたビーコンのフレームであるかを判断する。
この場合、ビーコン情報要素64の後にバッテリー残量減少情報131が含まれているので、拡張されたビーコンのフレームであると判断してバッテリー残量減少情報131「中継装置のバッテリーの残量が減少しています,connected_selection」の情報から「,」以前の「中継装置のバッテリーの残量が減少しています」を取得し表示部83に与える。
このとき、制御部82はバッテリー残量減少情報131「中継装置のバッテリーの残量が減少しています,connected_selection」の情報から「,」以降の「connected_selection」に基づいて、「connected_selection」の命令部分に基づいて、「通信を継続しますか?」の情報、通信を継続するか否かを選択する「はい(Y)」ボタンおよび「いいえ(N)」ボタンを追加した、帰属し通信を行うか否かを選択させるウィンドウに変換した後に表示部83に与えている。
(S1502)
端末13の表示部83は制御部82から与えられたバッテリー残量減少情報131「中継装置のバッテリーの残量が減少しています」の情報をLCDに表示する。
このとき、端末13の表示部83のLCDには図14のようなウィンドウが表示される。
こうして中継装置12に帰属(通信を確立)していない端末13の表示部83で「中継装置のバッテリーの残量が減少しています」の情報が表示されるので、端末13の利用者は中継装置12のバッテリー24の残量が減少していることを知ることができる。
さらに、中継装置12に帰属していない端末13の利用者は、中継装置12のバッテリー24の電気が減少していることを知りつつ、端末13を中継装置12に帰属させて中継装置12を介しての通信を行うか否かを予め選択できるようになる。
ここで、端末13が得たメッセージにはSSID「SSID1」が設定されており、端末13自身に設定されたSSIDと同じであるから、端末13はメッセージを送出する中継装置12に対して接続処理が行える。
(S1503)
利用者がLCDにポップアップ表示されたメッセージに対して、中継装置12を介しての通信を確立する操作(「はい(Y)」を選択)をすると、端末13は中継装置12とのあいだで接続処理を開始し、通信を確立する(帰属する)。
一方、利用者がLCDにポップアップ表示されたメッセージに対して、中継装置12を介しての通信を確立しない操作(「いいえ(N)」を選択)をすると、端末13と中継装置12とのあいだで接続処理は行われない。
また、利用者が通信を確立する操作または通信を確立しない操作を行うまで、端末13は中継装置12との接続処理を保留状態にしておく。
以上のように本実施の形態においては、バッテリー24の残量が所定の条件を満たすとき、中継装置12を捕捉するための制御信号(ビーコン)に、バッテリー残量が減少した旨を示す情報と、端末13により実行され中継装置12と通信を行うか否かを選択させる命令とを付与し、無線LANに送出する。
このため、端末13が中継装置12との通信を確立する以前に、バッテリー残量不足の情報を通知することができる。
よって、中継装置12に帰属していない端末13の利用者は、中継装置12のバッテリー24の電気が減少していることを知った後、端末13を中継装置12に帰属させて中継装置12を介しての通信を行うか否かを選択できるようになる。
実施の形態3.
本実施の形態3では、アクティブスキャンに対応する中継装置12が、無線エリアBに存在する端末13と中継装置12とのあいだで通信が確立される以前(中継装置12に帰属する以前)に、端末13から受ける検索要求(Probe Request)に対して、応答としてバッテリー残量減少情報を含めた接続応答(Prove Response)を返送して、バッテリー残量減少情報を端末13に通知する形態について説明する。
なお、本実施の形態3における無線通信システムの構成は、上記実施の形態1と同様であり、中継装置12、基地局11および端末13の構成も実施の形態1と同様である。
以下、実施の形態3の動作を、上記実施の形態1との相違点を中心に、具体的に説明する。
(中継装置12の相違点)
上述した実施の形態1では、中継装置12が特段にスキャン方式を意識した処理を示していない。
一方、実施の形態3では、中継装置12がアクティブスキャンに対応するように第二通信部22には予めSSIDとして「SSID1」が設定されている。
したがって、第二通信部22はSSIDが含まれる接続要求信号(Probe Request)をアンテナ13bから得ると、自身に設定されたSSIDと比較し、自身に設定されたSSIDと同じである場合は、設定されているSSIDを含めた接続応答信号(Prove Response)を送出する。
なお、接続応答信号は、本発明における「制御信号」に相当する。
また、接続応答信号は、本発明における「通信データ」の一例である。
また、SSIDは、本発明における「ネットワーク識別子」に相当する。
また、上述した実施の形態1では、制御部25がメッセージ生成の処理S55において生成する無線LANのメッセージが図9に示す構成であった。
一方、本実施の形態3では図16に示す構成である。
ここで、図16に示す無線LANのメッセージは、図9に示す構成と同様にMACヘッダ61とフレームボディー63とから構成されるが、図9に示す構成と比べると、フレーム制御フィールド62がフレーム制御フィールド162に変更され、ビーコン情報要素64が接続応答(Prove Response)情報要素164に変更され、バッテリー残量減少情報65がバッテリー残量減少情報131に変更されている。
したがって、図16に示す無線LANのメッセージは、MACヘッダ61とフレーム制御フィールド162とフレームボディー63と接続応答(Prove Response)情報要素164とバッテリー残量減少情報131とから構成されている。
具体的には、図16に示すように、フレームの種別を接続応答(Prove Response)と設定(Type value = 00,Subtype value = 0101)したフレーム制御フィールド162を含むMACヘッダ61を設定する。また、接続応答(Prove Response)として必要な情報を設定した接続応答情報要素164を含むフレームボディー63を設定する。そして、MACヘッダ61およびフレームボディー63を合わせて接続応答(Prove Response)のフレームを形成し、さらにフレームボディー63にバッテリー残量減少情報131を含める拡張をしたフレームを生成する。
ここで、本実施の形態3における図16のバッテリー残量減少情報131は、上記実施の形態2における図13のバッテリー残量減少情報131と同様である。
なお、実施の形態3の中継装置12で生成するWiMAXのメッセージは実施の形態1となんら変更されていない。
(端末13の相違点)
上記実施の形態1では、端末13が特段にスキャン方式を意識した処理を示していない。
一方、本実施の形態3では、端末13がアクティブスキャンに対応するように通信部81には予めSSID「SSID1」が設定されている。
したがって、通信部81は自身に設定されたSSIDを含む接続要求(Probe Request)をアンテナ13bから送出する。
また、通信部81はSSIDを含めた接続応答(Prove Response)をアンテナ13bから得ると、自身に設定されたSSIDと比較し、自身に設定されたSSIDと同じである場合は、当該接続応答(Prove Response)を送出する中継装置12(アクセスポイント)に接続処理を行う。
また、本実施の形態3では、制御部82はアンテナ13bから得る無線LANの通信が接続応答(Prove Response)である場合、接続応答情報要素164の後にバッテリー残量減少情報131が含まれているか判断し、バッテリー残量減少情報131が含まれているときには拡張された接続応答(Prove Response)のフレームであると判断してバッテリー残量減少情報131の情報を取得する。
そして制御部82は、上記実施の形態2と同様に、バッテリー残量減少情報131の情報を、端末13のOSで取り扱える情報である図14に示すウィンドウに変換した後に表示部83に与える。
したがって、実施の形態3では実施の形態2と同様に図14に示すウィンドウに変換する。
次に、中継装置12によるバッテリー残量減少情報の通知動作の具体例と、基地局11、中継装置12、および端末13の通信動作のシーケンスについて、上記実施の形態1との相違点を中心に説明する。
(通信動作のシーケンス)
図17は実施の形態3に係る無線通信システムの動作のシーケンスを示す図である。
以降、図に基づき説明する。なお、上記実施の形態1と同一の動作には同一のステップ番号を付する。
まず、図8を参照する。
中継装置12はバッテリー24から電気を供給されると動作を開始する。
このときバッテリー24のバッテリー残量は90%以上であるとする。
中継装置12が動作を開始すると、実施の形態1で説明したS51〜S54の処理を行う。
このとき中継装置12が送出する接続応答(Prove Response)にはSSID「SSID1」が設定されている。
具体的にはMACフレームのMACヘッダ中にSSID「SSID1」が設定されている。
中継装置12が動作を続けるとバッテリー24の残量が減少していく。
中継装置12が動作を続けるあいだ、制御部25がバッテリー残量取得の処理S52からを繰り返している。
あるとき、バッテリー24の残量が20%になる。
このとき、制御部25はバッテリー24における端子での測定電圧を測定し、測定電圧「3.5V」を取得し、バスで記憶部23と接続し残量対比データを参照し、測定電圧「3.5V」が合致する範囲が「3.5〜3.9」であると判断することで対応するバッテリー残量「20%」を取得している。
つづいて、制御部25はバッテリー残量判断の処理S53において、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データのバッテリー残量条件31「20%」とバッテリー残量取得の処理S52で取得した残量「20%」とを照合し一致するか判断する。
この場合、一致するので、メッセージ生成の処理S55において、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データのメッセージタイプ36「無線LAN」のメッセージを生成し、さらに条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データの通信部35「第二通信部22」にメッセージを与える。
このとき、メッセージ生成の処理S55で生成するメッセージは「無線LAN」のメッセージタイプなので、図16に示すように、フレームの種別を接続応答(Prove Response)と設定(Type value = 00,Subtype value = 0101)したフレーム制御フィールド162を含むMACヘッダ61を設定する。また、接続応答(Prove Response)として必要な情報を設定した接続応答情報要素164を含むフレームボディー63を設定する。そして、MACヘッダ61およびフレームボディー63を合わせて接続応答(Prove Response)のフレームを形成し、さらにフレームボディー63にバッテリー残量減少情報131の「中継装置のバッテリーの残量が減少しています,connected_selection」の文字列を含める拡張をしたフレームである。
なお、MACヘッダ61にはSSID「SSID1」が設定されている。
このとき、第二通信部22はアンテナ12bで送出する接続要求信号(Probe Request)を、上記のメッセージに置き換えて送出するようになる。
以降、中継装置12は、上記実施の形態1と同様に通信閉塞の処理S57と次バッテリー残量条件判断の処理S58とを行う。
(S1701)
図17を参照する。
ここで、利用者によって端末13が起動することで、SSID「SSID1」を含む接続要求(Probe Request)をアンテナ13bから送出する。
また、利用者によって端末13が移動することで無線エリアBに存在するようになると、端末13から送出された接続要求(Probe Request)の電波はやがて無線エリアB内に存在し、端末13とのあいだで通信が確立されていない(端末13が帰属していない)中継装置12に到達する。
(S1702)
このとき、中継装置12の第二通信部22は、アンテナ12bで送出する接続応答(Prove Response)を制御部25から与えられたメッセージに置き換えて送出する。
端末13は通信部81の電波の送受の制御でアンテナ13bで無線LANの通信を得て、制御部82で拡張された接続応答(Prove Response)であるかを判断する。
この場合、接続応答(Prove Response)情報要素164の後にバッテリー残量減少情報131が含まれているので、拡張された接続応答(Prove Response)のフレームであると判断してバッテリー残量減少情報131「中継装置のバッテリーの残量が減少しています,connected_selection」の情報から「,」以前の「中継装置のバッテリーの残量が減少しています」を取得し表示部83に与える。
このとき、制御部82はバッテリー残量減少情報131「中継装置のバッテリーの残量が減少しています,connected_selection」の情報から「,」以降の「connected_selection」に基づいて、「connected_selection」の命令部分に基づいて、「通信を継続しますか?」の情報、通信を継続するか否かを選択する「はい(Y)」ボタンおよび「いいえ(N)」ボタンを追加した、帰属し通信を行うか否かを選択させるウィンドウに変換した後に表示部83に与えている。
(S1703)
端末13の表示部83は制御部82から与えられたバッテリー残量減少情報131「中継装置のバッテリーの残量が減少しています」の情報をLCDに表示する。
このとき、端末13の表示部83のLCDには図14のようなウィンドウが表示される。
こうして中継装置12に帰属(通信を確立)していない端末13の表示部83で「中継装置のバッテリーの残量が減少しています」の情報が表示されるので、端末13の利用者は中継装置12のバッテリー24の残量が減少していることを知ることができる。
さらに、中継装置12に帰属していない端末13の利用者は、中継装置12のバッテリーの電気が減少していることを知りつつ、端末13を中継装置12に帰属させ、中継装置12を介しての通信を行うか否かを予め選択できるようになる。
ここで、端末13が得たメッセージにはSSID「SSID1」が設定されており、端末13自身に設定されたSSIDと同じであるから、端末13はメッセージを送出する中継装置12に対して接続処理が行える。
(S1704)
利用者がLCDにポップアップ表示されたメッセージに対して、中継装置12を介しての通信を確立する操作(「はい(Y)」を選択)をすると、端末13は中継装置12とのあいだで接続処理を開始し、通信を確立する(帰属する)。
一方、利用者がLCDにポップアップ表示されたメッセージに対して、中継装置12を介しての通信を確立しない操作(「いいえ(N)」を選択)をすると、端末13と中継装置12とのあいだで接続処理は行われない。
また、利用者が通信を確立する操作または通信を確立しない操作を行うまで、端末13は中継装置12との接続処理を保留状態にしておく。
以上のように本実施の形態においては、バッテリー24の残量が所定の条件を満たすとき、接続応答信号(Prove Response)に、バッテリー残量が減少した旨を示す情報と、端末13により実行され中継装置12と通信を行うか否かを選択させる命令とを付与し、無線LANに送出する。
このため、端末13が中継装置12との通信を確立する以前に、バッテリー残量不足の情報を通知することができる。
よって、中継装置12に帰属していない端末13の利用者は、中継装置12のバッテリー24の電気が減少していることを知った後、端末13を中継装置12に帰属させて中継装置12を介しての通信を行うか否かを選択できるようになる。
実施の形態4.
無線LANでは、無線局(無線LAN端末(STA)や無線LANアクセスポイント(AP))の送受信の間合いを規定する媒体アクセス制御(MAC:Media Access Control)として、分散的制御のDCF(Distributed Coordination Function)が知られている。DCFではCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)の手順が適用されている。
CSMA/CAとは、フレームの送出を試みようとする無線局が、通信を開始する前に一度受信を試みて無線チャネルの使用状況を確認し(キャリアセンス(Carrier Sense))、他の無線局から通信を受信せず他の無線局が通信していないとわかると送出を開始し(Multiple Access)、他の無線局から通信を受信して他の無線局が通信していることがわかると送出を見合わせ待機(アイドル(idel))して衝突を回避した後に再送を試みる(Collision Avoidance)ものである。
ところで、無線通信を行う無線局は、電波の送受信を行っており、一般的には、電波の受信処理より送信処理が多くの電力を必要とする。いいかえると、無線局で電波の送出を頻繁に行うと電力を消費する。
CSMA/CAでは、アイドルのときに電波を送出していない。
したがって、中継装置12の無線LANの通信において、アイドルを増大させることで電力の消費を抑えることができる。
例えば、100を単位時間とすると、1〜100のうち30(1〜30)がアイドルとなるときは70(31〜100)で送出となる可能性があり、一方、1〜100のうち70(1〜70)がアイドルとなるときは30(71〜100)で送出となる可能性がある。
CSMA/CAのアイドルは、IFS(Inter Frame Space)時間とバックオフ(backoff)時間とをあわせた時間と規定されている。
IFSはフレームの送出を試みようとする無線局が最低限の送出見合わせ時間であり、バックオフ時間はランダム時間(可変)である。
したがって、無線LAN端末(STA)や無線LANアクセスポイント(AP)は、IFS時間経過後、さらにバックオフ時間経過した後にフレームの送出を試みる。
なお、バックオフ時間は無線局ごとに異なるバックオフ時間を生成するようにするから、送出の衝突を回避する確率を高め、衝突を低減する。
無線局ごとに生成するバックオフ時間は、乱数発生範囲であるCW(Contention Window)の範囲(0〜CW)で整数の乱数値を発生させ、この乱数値に一定時間を掛けることで導出する。この一定時間をスロットタイムといい、CWとスロットタイムは、無線LANにおいては、例えば、CW=15〜1023、スロットタイム=9μs(マイクロ秒)などと規定されている。この場合のバックオフ時間は、「バックオフ時間=15〜1023の範囲の乱数値×9μs」で導出する。
また、CSMA/CAでは、送出が衝突した場合に、CWの値が2倍に増加する2進指数バックオフが適用され、衝突するたびに送出の再衝突を回避する確率を高め、再衝突を低減する。
したがって、CWの範囲を調整(可変)することでバックオフ時間を制御することが可能で、ある無線局でバックオフ時間が増大する確率を高め、アイドル(IFS時間+バックオフ時間)を増大することができる。
つまり、無線局でアイドル時間を増大することで、電波の送出しない時間が増え、結果として電波の送出の回数を減らすことができる。
上記実施の形態1では、中継装置12と端末13とのあいだで、中継装置12がバッテリー残量減少情報を無線エリアBに送出し端末13に通知し、無線LANおよび/またはWiMAXの通信を閉塞することで通信を行わないようにしてバッテリー24の電気の消費を抑えた。
本実施の形態4では、中継装置12と端末13とのあいだで、中継装置12がバッテリー残量減少情報を無線エリアBに送出し端末13に通知し、無線LANの送信回数を減らすようにしてバッテリー24の電気の消費を抑える形態について説明する。
なお、送信回数とは、中継装置12がバッテリー24から電気を供給されて動作を開始してから、バッテリー24から給電がなくなるまでのあいだの送信回数である。
なお、本実施の形態4における無線通信システムの構成は、上記実施の形態1と同様であり、中継装置12、基地局11および端末13の構成も実施の形態1と同様である。
以下、本実施の形態4の動作について、上記実施の形態1との相違点を中心に、具体的に説明する。
なお、実施の形態4における中継装置12(図2)および端末13(図5)の無線LANはDCFの媒体アクセス制御に対応し、CSMA/CAの媒体アクセス制御方式に対応するものとして説明する。
なお、本発明の媒体アクセス制御方式はこれに限定されるものではない。
なお、アイドル(IFS時間+バックオフ時間)は、本発明における「送信待機時間」に相当する。
また、IFS時間は、本発明における「所定の固定時間」に相当する。
また、CWの範囲にスロットタイムを乗じた時間範囲が、本発明における「所定の時間範囲」に相当する。
(中継装置12の相違点)
上記実施の形態1では、中継装置12が特段にCSMA/CAを意識した処理を示していない。
一方、本実施の形態4では、中継装置12の第二通信部22は、アンテナ12bとバスで接続されアンテナ12bで送受する電波をCSMA/CAに基づいて制御する。
例えば、第二通信部22には、初期値として、CW=15〜1023、スロットタイム=9μsと予め設定され、この設定に基づいてフレームの送出を試みる。
つまり、第二通信部22は、キャリアセンスによって無線チャネルの空き状態を検出した後、送信待機時間を経過したとき、フレーム(通信データ)の送出が可能な状態となる。
また、後述する動作により、第二通信部22は制御部25から新たなCWが設定される。
第二通信部22は新たなCWが設定されると、新たなCWに基づいてフレームの送出を試みる。
具体的な動作は後述する。
図18は実施の形態4に係るバッテリー残量減少情報の通知動作および通信の制御動作を示す図である。
上記実施の形態1では、中継装置12が通信閉塞の処理S57で無線LANおよび/またはWiMAXの通信を閉塞することで通信を行わないようにしてバッテリー24の電気の消費を抑えた。
一方、実施の形態4では、図18に示すように、中継装置12で通信閉塞の処理S57の代わりに、CW設定の処理S181を行うように変更されている。
なお、図18に示すバッテリー残量減少情報の通知の動作において、S51〜S56およびS58は実施の形態1と同様である。
図19は実施の形態4に係るチェック条件データの構成図である。
また、実施の形態1では、中継装置12の記憶部23において、通信閉塞の処理S57で取り扱うデータを含むチェック条件データ(図3)を記憶していたが、実施の形態4では、中継装置12の記憶部23で図19に示すチェック条件データを記憶する。
図19において、本実施の形態4に係るチェック条件データは、バッテリー残量条件31のデータと、通信を開始する通信部32のデータと、CWmin191のデータと、CWmax192のデータと、メッセージを送信する通信部35のデータと、メッセージタイプ36のデータとから構成される。
CWmin191は乱数発生範囲CWの最小値(CWmin)を示し、CWmax192は乱数発生範囲CWの最大値(CWmax)を示すものである。
図19のCWmin191およびCWmax192はバッテリー残量に応じてバックオフ時間が増大する確率を高める乱数発生範囲CW(CWmin〜CWmax)となっている。
例えば、図19の上段ではCWmin191を「255」と設定し、CWmax192を「1023」と設定している。図19の下段ではCWmin191を「767」と設定し、CWmax192を「1023」と設定している。
なお、図19に示すバッテリー残量減少情報の通知の動作において、バッテリー残量条件31、通信を開始する通信部32、メッセージを送信する通信部35およびメッセージタイプ36は実施の形態1と同様である。
チェック条件データは適宜に設定・変更が可能である。
図19のチェック条件データは上段と下段の二つの条件が設定されているが、これに限定されるものではなく、さらに複数の条件を設定してもよい。
なお、無線LANにおいて、初期値としてCW=15〜1023と規定されている場合であっても、CWmin191とCWmax192はCW=15〜1023の範囲に合致する必要はなく、例えば、CWmin191を「120」と設定し、CWmax192を「8184」と設定することも可能である。
なお、CWmin191にスロットタイムを乗じた値が、本発明における「所定の時間範囲の下限値」に相当する。
ここで、本実施の形態4における、中継装置12のCW設定の処理S181(図18)を説明する。
まず、実施の形態1で説明したとおり、制御部25でS51〜S56を行う。
なお、実施の形態4の条件呼出の処理S51において呼び出すチェック条件データは図19である。
つづいて、CW設定の処理S181において、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データのCWmin191およびCWmax192で設定してあるデータを新たなCWとして直ちに第二通信部22に設定する。
なお、実施の形態1の通信閉塞の処理S57では、通信を閉塞する通信部33で設定された通信部を、閉塞するタイミング34で設定されたタイミングで閉塞したが、実施の形態4のCW設定の処理S181では、新たなCWを直ちに第二通信部22に設定する。
次に、中継装置12によるバッテリー残量減少情報の通知動作の具体例と、基地局11、中継装置12、および端末13の通信動作のシーケンスについて、上記実施の形態1との相違点を中心に説明する。
(通信動作のシーケンス)
図20は実施の形態4に係る無線通信システムの動作のシーケンスを示す図である。
以降、図18と図20を参照して説明する。なお、上記実施の形態1と同一の動作には同一のステップ番号を付する。
中継装置12はバッテリー24から電気を供給されると動作を開始し、実施の形態1の動作で説明したとおりS51〜S54の処理をする。
通信開始の処理S54において、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データの、通信を開始する通信部32「第二通信部22および第一通信部21」で適宜に通信を始めるようになると、第二通信部22はCW=15〜1023(初期値)、スロットタイム=9μsの設定に基づき、「15〜1023の範囲の乱数値×9μs」からバックオフ時間を導出してアイドルし、フレームの送出を試みる。
以降、実施の形態1の動作で説明したとおりS1101〜S1104の動作をする。
あるとき、バッテリー24の残量が20%になる。
このとき、制御部25はS52〜S56の処理を行い、S1105〜S1106の動作をする。
つづいて、制御部25はCW設定の処理S181において、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データのCWmin191「255」およびCWmax192「1023」を新たなCWとして直ちに第二通信部22に設定する。
(S2001)
第二通信部22は、新たなCW(CWmin191「255」およびCWmax192「1023」)を設定されたことで、CW=255〜1023、スロットタイム=9μsの設定に基づき、「255〜1023の範囲の乱数値×9μs」からバックオフ時間を導出してアイドルし、フレームの送出を試みる。
こうして、中継装置12のCW設定の処理S181で、第二通信部22に対してバックオフ時間が増大する確率を高めるCWを設定し、アイドル(IFS時間+バックオフ時間)を増大させることが可能となる。
つまり、CWの下限値を初期値「15」からCWmin191「255」に増加させて、CSMA/CAの媒体アクセス制御を行うことで、初期値のときと比較して、単位時間当たりにおけるアイドルの割合を増加させることが可能となる。
よって、無線LANの送信回数を減らすことができ、バッテリー24の電気の消費を抑えることができる。
つづいて、制御部25は上記実施の形態1と同様に、次バッテリー残量条件判断の処理S58の処理を行う。
あるとき、バッテリー24の残量が10%になる。
このとき、制御部25はS52〜S56の処理を行い、S1107〜S1108の動作をする。
(S2002)
つづいて、制御部25はCW設定の処理S181において、条件呼出の処理S51で呼び出したチェック条件データのCWmin191「767」およびCWmax192「1023」を新たなCWとして直ちに第二通信部22に設定する。
第二通信部22は、新たなCW(CWmin191「767」およびCWmax192「1023」)を設定されたことで、CW=767〜1023、スロットタイム=9μsの設定に基づき、「767〜1023の範囲の乱数値×9μs」からバックオフ時間を導出してアイドルし、フレームの送出を試みる。
こうして、中継装置12のCW設定の処理S181で、第二通信部22に対してバックオフ時間が増大する確率を高めるCWを設定し、アイドル(IFS時間+バックオフ時間)を増大させることが可能となる。
つまり、CWの下限値をCWmin191「255」からCWmin191「767」に増加させて、CSMA/CAの媒体アクセス制御を行うことで、残量が20%のときと比較して、単位時間当たりにおけるアイドルの割合を、さらに増加させることが可能となる。
よって、無線LANの送信回数を、さらに減らすことができ、バッテリー24の電気の消費をさらに抑えることができる。
つづいて、制御部25は上記実施の形態1と同様に、次バッテリー残量条件判断の処理S58の処理を行う。
別のチェック条件データがない場合は、動作を終了する。
以降、中継装置12はバッテリー24から動作に必要な電気の供給が続く限り動作を続け、やがてバッテリー24からの給電がなくなると停止する。
以上のように本実施の形態においては、キャリアセンスによって無線チャネルの空き状態を検出した後、少なくとも、送信待機時間を経過したとき、フレーム(通信データ)の送出を可能な状態にする媒体アクセス制御を行い、バッテリー24の残量が所定の条件を満たすとき、単位時間当たりにおけるアイドルの割合を増加させる。
このため、中継装置のバッテリーの残量が減少した際に、フレームを送出しないアイドル時間を増加させることができ、結果としてフレームの送出の回数を減らすことができる。
よって、中継装置12のバッテリー24の残量が減少した際に、バッテリー24の電気の消費を抑えることができる。
また、バッテリー24の残量が所定の条件を満たすとき、媒体アクセス制御における所定の時間範囲の下限値を増加させる。
このため、単位時間当たりにおけるアイドルの割合を増加させることが可能となる。
よって、無線LANの送信回数を減らすことができ、バッテリー24の電気の消費をさらに抑えることができる。
また、バッテリー24の残量が少ない程、媒体アクセス制御における所定の時間範囲の下限値を増加させる。
このため、バッテリー24の残量が少ない程、アイドル時間を増加することができる。
よって、バッテリー24の残量が少ない程、無線LANの送信回数を減らすことができ、バッテリー24の電気の消費をさらに抑えることができる。
実施の形態5.
本実施の形態5では、実施の形態4と同様に、中継装置12と端末13とのあいだで、中継装置12がバッテリー残量減少情報を無線エリアBに送出し端末13に通知し、無線LANの送信回数を減らすようにしてバッテリー24の電気の消費を抑える形態について説明する。
上記実施の形態4では、具体的には、バッテリー残量に応じて、予め設定しておいたバックオフ時間が増大する確率を高める乱数発生範囲CWを用いてバックオフ時間を導出しフレームの送出を試みた。
一方、本実施の形態5では、バッテリー残量に応じて、バックオフ時間が増大する確率を高める乱数発生範囲CWを算出しバックオフ時間を導出しフレームの送出を試みる。
なお、本実施の形態5における無線通信システムの構成は、上記実施の形態4と同様であり、中継装置12、基地局11および端末13の構成も実施の形態4と同様である。
以下、上記実施の形態4と、本実施の形態5との相違点を具体的に説明する。
本実施の形態5では、実施の形態4のように、バッテリー残量に応じて、予め設定しておいたバックオフ時間が増大する確率を高める乱数発生範囲CWを用いてバックオフ時間を導出しない。
よって、図19で示すチェック条件データからCWmin191とCWmax192を除いたチェック条件データを中継装置12の記憶部23で記憶する。
つまり、本実施の形態5に係るチェック条件データは、バッテリー残量条件31のデータと、通信を開始する通信部32のデータと、メッセージを送信する通信部35のデータと、メッセージタイプ36のデータとから構成される。
また、本実施の形態5では、実施の形態4のように、中継装置12は図18と同様の動作をするが、CW設定の処理S181での処理が実施の形態4と相違する。
以下、本実施の形態5の動作について、上記実施の形態4との相違点を説明する。
まず、実施の形態4で説明したとおり、制御部25でS51〜S56を行う。
なお、実施の形態5の条件呼出の処理S51において呼び出すチェック条件データは図19で示すチェック条件データからCWmin191とCWmax192を除いたものである。
つづいて、CW設定の処理S181において、「CW値−(CW値×バッテリー残量)=CWmin」によりCWminを算出し、新たなCWminの値として直ちに第二通信部22に設定する。
ここで、CW値とはCWmaxの値からCWminの値を差し引いた値である。
より具体的にCWminの算出について説明する。
制御部25は第二通信部22に設定されている現在のCW設定を呼出し、CWmaxの値とCWminの値を減算(CWmax−CWmin)してCW値を算出する。
次に、バッテリー残量取得の処理S52で得たバッテリー残量(%)に100を除算し、さらに算出したCW値を乗算(CW値×バッテリー残量)して乱数発生範囲絞込値を算出する。
そして、算出したCW値から乱数発生範囲絞込値を減算(CW値−(CW値×バッテリー残量))してCWminを算出する。
なお、乱数発生範囲絞込値を算出した結果が実数である場合は小数点以下を四捨五入し整数化してからCWminを算出する。
このようにCWminを算出することで、バッテリー24の残量が少ない程、CWminが大きくなる。
つまり、バッテリー24の残量が少ない程、バックオフ時間の下限値を増加させることができる。
なお、算出するCWminの値をより増大するために、制御部25が第二通信部22に設定されている現在のCW設定を呼出し、現在のCW設定を所定倍してから、CWminを算出することもできる。
具体的には、第二通信部22にCW=15〜1023と予め設定されているときにおいて、制御部25は第二通信部22に設定されている現在のCW設定を呼出し、例えば所定倍(2倍)(15×2〜1023×2)し、CWmaxの値とCWminの値を減算(CWmax−CWmin=(1023×2)−(15×2))してCW値を算出する。
次に、バッテリー残量取得の処理S52で得たバッテリー残量(%)に100を除算しさらに算出したCW値を乗算(CW値×バッテリー残量)し、乱数発生範囲絞込値を算出する。
そして、算出したCW値から乱数発生範囲絞込値を減算(CW値−(CW値×バッテリー残量))してCWminを算出する。
乱数発生範囲絞込値を算出した結果が実数である場合は小数点以下を四捨五入し整数化してからCWminを算出する。
この場合、CW設定の処理S181において、算出したCWminと、所定倍したCWmaxとを新たなCWminおよびCWmaxの値として直ちに第二通信部22に設定するようになる。
次に、中継装置12によるバッテリー残量減少情報の通知動作の具体例と、基地局11、中継装置12、および端末13の通信動作のシーケンスについて、上記実施の形態1との相違点を中心に説明する。
(通信動作のシーケンス)
以降、図18と図20を参照して説明する。なお、上記実施の形態1と同一の動作には同一のステップ番号を付する。
中継装置12はバッテリー24から電気を供給されると動作を開始し、実施の形態1の動作で説明したとおりS51〜S54の処理をする。
以降、実施の形態1の動作で説明したとおりS1101〜S1104の動作をする。
あるとき、バッテリー24の残量が20%になる。
このとき、制御部25はS52〜S56の処理を行い、S1105〜S1106の動作をする。
つづいて、制御部25はCW設定の処理S181において、制御部25は第二通信部22に設定されている現在のCW設定(CW=15〜1023)を呼出し、CWmaxの値とCWminの値を減算(1023−15)してCW値(1008)を算出する。また、バッテリー残量取得の処理S52で得たバッテリー残量(%)に100を除算しさらに算出したCW値を乗算(20(%)÷100×1008)し乱数発生範囲絞込値(202(201.6の小数点以下を四捨五入))を算出する。そして、CW値から乱数発生範囲絞込値を減算(1008−202)してCWmin=806を算出する。
制御部25は算出したCWmin=806を、新たなCWminの値として直ちに第二通信部22に設定する。
(S2001)
第二通信部22は、新たなCWmin(CWmin=806)を設定されたことで、CW=806〜1023、スロットタイム=9μsの設定に基づき、「806〜1023の範囲の乱数値×9μs」からバックオフ時間を導出してアイドルし、フレームの送出を試みる。
こうして、中継装置12のCW設定の処理S181で、第二通信部22に対してバックオフ時間が増大する確率を高めるCWを設定し、アイドル(IFS時間+バックオフ時間)を増大させることが可能となる。
つまり、CWmin=15から、CWmin=806に増加させて、CSMA/CAの媒体アクセス制御を行うことで、CWmin=15のときと比較して、単位時間当たりにおけるアイドルの割合を増加させることが可能となる。
よって、無線LANの送信回数を減らすことができ、バッテリー24の電気の消費を抑えることができる。
つづいて、制御部25は上記実施の形態1と同様に、次バッテリー残量条件判断の処理S58の処理を行う。
あるとき、バッテリー24の残量が10%になる。
このとき、制御部25はS52〜S56の処理を行い、S1107〜S1108の動作をする。
(S2002)
つづいて、制御部25はCW設定の処理S181において、制御部25は第二通信部22に設定されている現在のCW設定(CW=806〜1023)を呼出し、CWmaxの値とCWminの値を減算(1023−806)してCW値(217)を算出する。また、バッテリー残量取得の処理S52で得たバッテリー残量(%)に100を除算しさらに算出したCW値を乗算(10(%)÷100×217)し、乱数発生範囲絞込値(22(21.7の小数点以下を四捨五入))を算出する。そして、CW値から乱数発生範囲絞込値を減算(1008−22)してCWmin=986を算出する。
制御部25は算出したCWmin=986を、新たなCWminの値として直ちに第二通信部22に設定する。
第二通信部22は、新たなCWmin(CWmin=986)を設定されたことで、CW=986〜1023、スロットタイム=9μsの設定に基づき、「986〜1023の範囲の乱数値×9μs」からバックオフ時間を導出してアイドルし、フレームの送出を試みる。
こうして、中継装置12のCW設定の処理S181で、第二通信部22に対してバックオフ時間が増大する確率を高めるCWを設定し、アイドル(IFS時間+バックオフ時間)を増大させた。
つまり、CWの下限値をCWmin=806からCWmin=986に増加させて、CSMA/CAの媒体アクセス制御を行うことで、残量が20%のときと比較して、単位時間当たりにおけるアイドルの割合を、さらに増加させることが可能となる。
よって、無線LANの送信回数を、さらに減らすことができ、バッテリー24の電気の消費をさらに抑えることができる。
つづいて、制御部25は上記実施の形態1と同様に、次バッテリー残量条件判断の処理S58の処理を行う。
別のチェック条件データがない場合は、動作を終了する。
以降、中継装置12はバッテリー24から動作に必要な電気の供給が続く限り動作を続け、やがてバッテリー24からの給電がなくなると停止する。
以上のように本実施の形態においては、キャリアセンスによって無線チャネルの空き状態を検出した後、少なくとも、送信待機時間を経過したとき、フレーム(通信データ)の送出を可能な状態にする媒体アクセス制御を行い、バッテリー24の残量が所定の条件を満たすとき、単位時間当たりにおけるアイドルの割合を増加させる。
このため、中継装置のバッテリーの残量が減少した際に、フレームを送出しないアイドル時間を増加させることができ、結果としてフレームの送出の回数を減らすことができる。
よって、中継装置12のバッテリー24の残量が減少した際に、バッテリー24の電気の消費を抑えることができる。
また、バッテリー24の残量が所定の条件を満たすとき、媒体アクセス制御における所定の時間範囲の下限値を増加させる。
このため、単位時間当たりにおけるアイドルの割合を増加させることが可能となる。
よって、無線LANの送信回数を減らすことができ、バッテリー24の電気の消費をさらに抑えることができる。
また、バッテリー24の残量が少ない程、媒体アクセス制御における所定の時間範囲の下限値を増加させる。
このため、バッテリー24の残量が少ない程、アイドル時間を増加することができる。
よって、バッテリー24の残量が少ない程、無線LANの送信回数を減らすことができ、バッテリー24の電気の消費をさらに抑えることができる。
なお、上記実施の形態4および5では、CWの範囲の下限値(CWmin)を増加させる場合を説明したが、本発明はこれに限るものではなく、単位時間当たりにおける送信待機時間(アイドル)の時間の割合を増加させるものであればよい。
例えば、CWの範囲の上限値(CWmax)を増加させることによっても、バックオフ時間が長くなる期待値が大きくなるため、単位時間当たりのアイドル時間を増加することができる。
また、残量が少ないほど、スロットタイムを増加させるようにしても良い。
また、残量に応じてCW値を累乗または任意の値を乗算して、残量が少ないほどCW値(上限値および/または下限値)が大きくなるようにしても良い。
なお、上記実施の形態4および5では、上記実施の形態1と同様の構成・動作により、バッテリー残量減少情報の通知動作を行う場合を説明したが、本発明はこれに限るものではなく、バッテリー残量減少情報の通知動作を行わずに、媒体アクセス制御においてアイドル時間をさせる動作のみを行うようにしても良い。
具体的には、図18に示す処理において、ステップS55、S56を省略し、図20に示す処理において、ステップS1105〜S1110を省略するようにしても良い。
このような動作によっても、中継装置12のバッテリー24の残量が減少した際に、バッテリー24の電気の消費を抑えることができる。
11 基地局、11a アンテナ、11b アンテナ、12 中継装置、12a アンテナ、12b アンテナ、13 端末、13b アンテナ、21 第一通信部、22 第二通信部、24 バッテリー、25 制御部、31 バッテリー残量条件、32 通信を開始する通信部、33 通信を閉塞する通信部、34 閉塞するタイミング、35 メッセージを送信する通信部、36 メッセージタイプ、41 電圧範囲、42 バッテリー残量、61 MACヘッダ、62 フレーム制御フィールド、63 フレームボディー、64 ビーコン情報要素、65 バッテリー残量減少情報、71 一般MACヘッダ、72 ペイロード、73 マネジメントメッセージタイプ、74 マネジメントメッセージペイロード、81 通信部、82 制御部、83 表示部、91 第一通信部、92 第二通信部、93 制御部、101 ASN、102 CSN、103 ASP、131 バッテリー残量減少情報、162 フレーム制御フィールド、164 接続応答情報要素、191 CWmin、192 CWmax、A 無線エリア、B 無線エリア、a WiMAX端末。

Claims (13)

  1. バッテリーにより動作し、無線通信方式がそれぞれ異なる第一のネットワークと第二のネットワークとの間の通信を中継する中継装置であって、
    前記第一のネットワークに接続され、第一の無線通信方式により無線通信を行う第一通信部と、
    前記第二のネットワークに接続され、第二の無線通信方式により無線通信を行う第二通信部と、
    前記バッテリーの残量を検出するバッテリー残量検出手段と、
    無線通信方式に応じた通信データを生成し、前記第一通信部および前記第二通信部の少なくとも一方に与える制御部と
    を備え、
    前記制御部は、
    前記バッテリーの残量が所定の条件を満たすとき、前記通信データにバッテリー残量が減少した旨を示す情報を付与し、
    前記第一通信部および前記第二通信部の少なくとも一方は、
    前記バッテリー残量が減少した旨を示す情報が付与された通信データを、対応するネットワークに送出する
    ことを特徴とする中継装置。
  2. 前記制御部は、
    前記バッテリーの残量が所定の条件を満たすとき、
    前記第一通信部および前記第二通信部の少なくとも一方の通信動作を停止させる
    ことを特徴とする請求項1記載の中継装置。
  3. 前記制御部は、
    前記バッテリーの残量が所定の条件を満たし、所定の時間経過したとき、
    前記第一通信部および前記第二通信部の少なくとも一方の通信動作を停止させる
    ことを特徴とする請求項1または2記載の中継装置。
  4. 前記制御部は、
    前記バッテリーの残量が所定の条件を満たすとき、前記第一通信部の通信動作を停止させ、
    前記第二通信部は、
    前記第二のネットワークに帰属する端末からの通信データを、前記第二のネットワークに帰属する他の端末に中継する
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の中継装置。
  5. 前記第一通信部および前記第二通信部の少なくとも一方は、
    当該中継装置を捕捉するための制御信号を、対応するネットワークに送出し、
    前記制御部は、
    前記バッテリーの残量が所定の条件を満たすとき、前記通信データとしての前記制御信号に、
    バッテリー残量が減少した旨を示す情報と、
    前記制御信号を受信した端末により実行され、当該中継装置と通信を行うか否かを選択させる命令とを付与する
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の中継装置。
  6. 前記第一通信部および前記第二通信部の少なくとも一方は、
    前記制御信号に当該中継装置を識別するネットワーク識別子の情報を含め、定期的に、対応するネットワークに送出する
    ことを特徴とする請求項5記載の中継装置。
  7. 前記第一通信部および前記第二通信部の少なくとも一方は、
    当該中継装置と通信を確立するための接続要求信号を受信したとき、
    前記制御信号に当該中継装置を識別するネットワーク識別子の情報を含め、対応するネットワークに送出する
    ことを特徴とする請求項5記載の中継装置。
  8. 前記第一通信部および前記第二通信部の少なくとも一方は、
    キャリアセンスによって無線チャネルの空き状態を検出した後、少なくとも、所定の時間範囲から選択した送信待機時間を経過したとき、通信データの送出を可能な状態にする媒体アクセス制御を行い、
    前記制御部は、
    前記バッテリーの残量が所定の条件を満たすとき、単位時間当たりにおける前記送信待機時間の割合を増加させる
    ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の中継装置。
  9. 前記第一通信部および前記第二通信部の少なくとも一方は、
    前記媒体アクセス制御において、所定の固定時間に、前記所定の時間範囲からランダムに選択した時間を加えた時間を、前記送信待機時間とし、
    前記制御部は、
    前記バッテリーの残量が所定の条件を満たすとき、前記媒体アクセス制御における所定の時間範囲の下限値を増加させる
    ことを特徴とする請求項8記載の中継装置。
  10. 前記制御部は、
    前記バッテリーの残量が少ない程、前記媒体アクセス制御における所定の時間範囲の下限値を増加させる
    ことを特徴とする請求項8または9記載の中継装置。
  11. 前記第一の無線通信方式は、IEEE802.16−2004規格またはIEEE802.16e規格に準拠した無線通信方式であり、
    前記第二の無線通信方式は、IEEE802.11規格に準拠した無線通信方式である
    ことを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の中継装置。
  12. 前記制御部が生成する、前記バッテリー残量が減少した旨を示す情報が付与された通信データは、
    第一通信部に与える通信データとしては、IEEE802.11規格で規定される無線LANのプロトコルを拡張したメッセージであり、
    第二通信部に与える通信データとしては、IEEE802.16−2004規格またはIEEE802.16e規格で規定されるWiMAXのプロトコルを拡張したメッセージである
    ことを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の中継装置。
  13. バッテリーにより動作し、無線通信方式がそれぞれ異なる第一のネットワークと第二のネットワークとの間の通信を中継する中継装置の制御方法であって、
    前記バッテリーの残量を検出するステップと、
    前記バッテリーの残量が所定の条件を満たすとき、バッテリー残量が減少した旨を示す情報を付与した通信データを生成するステップと、
    前記バッテリー残量が減少した旨を示す情報が付与された通信データを、前記第一のネットワークおよび前記第二のネットワークの少なくとも一方に送出するステップと
    を有する
    ことを特徴とする中継装置の制御方法。
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