JP2016052039A - 無線通信システムおよび無線通信方法 - Google Patents

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【課題】隠れ端末が存在する環境においても、RTS/CTS制御におけるRTSの衝突を低減し、隠れ端末が存在しない環境と同程度のスループットを実現する。【解決手段】基地局の配下の複数の端末局が、CSMA/CA方式によるランダムバックオフ制御とRTS/CTS制御により、データフレームの送信権を獲得して通信を行う無線通信システムにおいて、端末局は、ランダムバックオフ制御によるランダムバックオフ値が0になったときに、所定のRTS送信確率に応じてRTSの送信可否を判断し、送信可であればRTS/CTS制御に基づいてRTSを送信し、送信不可であればRTS送信を中止して待機モードに移行し、基地局から送信された他局宛のCTSを受信したとき、または該待機モードに移行して所定のタイムアウト時間が経過したときに、該待機モードから復帰する制御を行うアクセス制御手段を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、基地局と配下の複数の端末局で構成され、端末局のアクセス制御を行う無線通信システムおよび無線通信方法に関する。
IEEE802.11無線通信規格におけるアクセス制御では、各端末局は、キャリアセンスおよび衝突を回避するためのランダムバックオフ制御を行う。すなわち、パケットを送信する前にチャネルがDIFS時間だけアイドルになり、さらに乱数発生範囲(CW)の範囲から発生させたランダムバックオフ値が0になるまでチャネルがアイドルになった後に、パケットを送信するCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance) 方式が用いられている。ランダムバックオフ値が0になる前にチャネルがビジーになった場合はパケットを送信せず、次にチャネルがアイドルになったときに、残りのランダムバックオフ値の期間だけキャリアセンスを継続する。
一方、正常にパケットを受信した基地局は、その旨を送信元である端末局に通知するために、受信確認ACKを送信する。したがって、パケットの送信元である端末局は、所定時間内にACKを受信しない場合には、送信が失敗したと判断してCWmax を上限としてCWを拡大し、発生させたランダムバックオフ値に基づいて再送処理を行う。すなわち、再送回数が増えるごとにチャネルが混雑していると判断し、CWを拡大することによってランダムバックオフ値をばらつかせて衝突回避を行う。なお、パケットの送信が成功した場合には、CWをCWmin (例えば15)にリセットする。
ここで、無線通信では、無線局間の距離が離れていたり、無線局間に電波を通さない障害物などがあれば、互いの無線信号が到達しない状態(キャリアセンスが機能しない電波環境)が起こりうる。この場合、キャリアセンスが有効に機能しないため、ランダムバックオフ制御を行ってもフレームの衝突の頻度が増し、スループット特性を悪化させる原因になる。
そこで、IEEE802.11無線通信規格では、キャリアセンスが有効に機能しない環境、すなわち「隠れ端末が存在する環境」に対応するために、RTS(Request to Send )/CTS(Clear to Send )制御手順が備えられている。
図5は、従来のRTS/CTS制御手順例を示す。
図5において、端末局1,2と端末局3が隠れ端末の関係にあるものとする。端末局1,2,3はデータフレーム送信前にキャリアセンスを行い、DIFSを経て最初にランダムバックオフ値が0になった端末局1は、RTSをデータフレームの宛先である基地局0宛に送信する。端末局1と端末局2は互いにキャリアセンスできるため、端末局2は端末局1が送信するRTSを受信してバックオフカウンタを停止する。一方、端末局1と端末局3は互いにキャリアセンスできないため、端末局3は端末局1が送信するRTSを受信できず、バックオフカウンタを継続する。データフレームの宛先である基地局0は、RTS受信後にSIFSを経て端末局1宛にCTSを返す。端末局3は、基地局0が送信したCTSを受信するとバックオフカウンタを停止する。
ここで、RTSとCTSのフレームには、チャネルを使用する予定期間が記載されるデュレーションフィールドがあり、端末局2は端末局1が送信したRTSフレームに記載されている期間だけ予約信号(NAV)を設定することにより、送信を禁止して衝突を防止する。端末局3は、基地局0が送信したCTSフレームに記載されている期間だけ予約信号(NAV)を設定することにより、送信を禁止して衝突を防止する。RTSに対するCTSを受信した端末局1は、端末局2,3が送信を禁止している間にデータフレームを送信し、当該データフレームを受信した基地局0もACK信号を送信して通信を終了する。このように、端末局1と基地局0との間でRTS/CTSが正常に送受信されれば、以後は送受信が妨害されることなくデータフレームとACK信号が交換される。
IEEE Standard for Information technology Telecommunications and information exchange between systems Local and metropolitan area networks Specific requirements: Part 11: Wireless LAN Medium Access Control (MAC) andPhysical Layer (PHY) Specifications
ところで、基地局0のエリア内に多くの端末局が存在する環境では、複数の端末局が隠れ端末の関係になるケースが多くなる。そのような隠れ端末が存在する環境では、図5に示すようにRTS/CTS制御手順によりデータフレームの衝突回避は可能である。
しかし、隠れ端末の位置関係にある端末局1,2と端末局3では、互いにキャリアセンスが機能しないためRTS同士の衝突が起こりうる。例えば図5の後半に示すように、端末局3は、ランダムバックオフ値が0となりRTSを送信しても、端末局1,2がそのRTSを検知できないのでバックオフカウンタを継続し、端末局2のランダムバックオフ値が0となりRTSを送信すると、端末局2,3がそれぞれ送信するRTSが衝突するケースである。ただし、RTS衝突が起きても、それぞれCTSタイムアウト後にバックオフ制御を開始するので、データフレーム衝突よりも時間のロスは小さく、RTS/CTS制御手順によりスループット特性が改善されるメリットは大きい。
図6は、従来のRTS/CTS制御によるスループット特性の改善効果の一例を示す。 図6において、Aは、隠れ端末が存在しない環境で、標準のCSMA/CA制御(RTS/CTS制御なし)による場合のスループット特性を示す。RTS/CTS制御なしでも、CSMA/CA制御(ランダムバックオフ制御)により所定のスループット特性を実現できる。
Bは、すべての端末局が隠れ端末の位置関係にある環境で、標準のCSMA/CA制御(RTS/CTS制御なし)による場合のスループット特性を示す。CSMA/CA制御を行ってもキャリアセンスが機能していないので、データフレームの衝突が頻発してスループット特性が著しく低下する。
Cは、隠れ端末が存在しない環境で、RTS/CTS制御による場合のスループット特性を示す。CSMA/CA制御とRTS/CTS制御により、データフレームの衝突が確実に回避されて良好なスループット特性を実現できる。ただし、端末局数が少ない場合には、RTS/CTSフレームの送受信に伴うオーバヘッド分だけスループットの上限は抑えられる。
Dは、すべての端末局が隠れ端末の位置関係にある環境で、RTS/CTS制御による場合のスループット特性を示す。RTS/CTS制御によりデータフレームの衝突が回避されるので、RTS/CTS制御を行わないスループット特性Bより大幅にスループットを改善することができる。しかし、隠れ端末となる位置関係にある端末局がそれぞれ送信するRTSが衝突する可能性があるので、隠れ端末が存在しない環境のスループット特性A,Cよりスループットが低下する。
本発明は、隠れ端末が存在する環境においても、RTS/CTS制御におけるRTSの衝突を低減し、隠れ端末が存在しない環境と同程度のスループットを実現することができる無線通信システムおよび無線通信方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、基地局の配下の複数の端末局が、CSMA/CA方式によるランダムバックオフ制御とRTS/CTS制御により、データフレームの送信権を獲得して通信を行う無線通信システムにおいて、端末局は、ランダムバックオフ制御によるランダムバックオフ値が0になったときに、所定のRTS送信確率に応じてRTSの送信可否を判断し、送信可であればRTS/CTS制御に基づいてRTSを送信し、送信不可であればRTS送信を中止して待機モードに移行し、基地局から送信された他局宛のCTSを受信したとき、または該待機モードに移行して所定のタイムアウト時間が経過したときに、該待機モードから復帰する制御を行うアクセス制御手段を備える。
第1の発明の無線通信システムにおいて、アクセス制御手段は、RTSを送信して第1のタイムアウト時間内にCTSが返ってこない場合、またはデータフレームを送信して第2のタイムアウト時間内に受信確認ACKが返ってこない場合に、RTSの再送回数に応じて所定のRTS送信確率を低下させる設定であり、CTSが返ってきたとき、または受信確認ACKが返ってきたときにRTSの再送回数をリセットして所定のRTS送信確率を再設定する。また、アクセス制御手段は、所定のRTS送信確率として所定の下限値を設ける設定である。
第2の発明は、基地局の配下の複数の端末局が、CSMA/CA方式によるランダムバックオフ制御とRTS/CTS制御により、データフレームの送信権を獲得して通信を行う無線通信方法において、端末局のアクセス制御手段は、ランダムバックオフ制御によるランダムバックオフ値が0になったときに、所定のRTS送信確率に応じてRTSの送信可否を判断し、送信可であればRTS/CTS制御に基づいてRTSを送信し、送信不可であればRTS送信を中止して待機モードに移行し、基地局から送信された他局宛のCTSを受信したとき、または該待機モードに移行して所定のタイムアウト時間が経過したときに、該待機モードから復帰する制御を行う。
第2の発明の無線通信方法において、アクセス制御手段は、RTSを送信して第1のタイムアウト時間内にCTSが返ってこない場合、またはデータフレームを送信して第2のタイムアウト時間内に受信確認ACKが返ってこない場合に、RTSの再送回数に応じて所定のRTS送信確率を低下させる設定であり、CTSが返ってきたとき、または受信確認ACKが返ってきたときにRTSの再送回数をリセットして所定のRTS送信確率を再設定する。また、アクセス制御手段は、所定のRTS送信確率として所定の下限値を設ける設定である。
本発明は、CSMA/CA方式によるランダムバックオフ制御とRTS/CTS制御により、データフレームの送信権を獲得して通信を行う無線通信システムにおいて、ランダムバックオフ制御によるランダムバックオフ値が0になったときに直ちにRTSを送信せず、所定のRTS送信確率に応じてRTSの送信可否を判断し、送信不可であればRTS送信を中止して待機モードに移行する。これにより、ランダムバックオフ値が偶然に一致しても、また隠れ端末の位置関係にあって他局が送信するRTSを検出できなくても、RTS送信確率に応じてRTSの送信が制御されるので、RTSの衝突を回避してスループット特性を向上させることができる。
また、待機モードに入った端末局が他局宛のCTSを受信した場合には、待機モードから復帰して、通常モードに移行することができる。この場合には、CTSフレームに記載されている期間だけ予約信号(NAV)を設定する。
また、全ての端末局が待機モードに入り、基地局がCTSを送信しない場合でも、各端末局がそれぞれタイムアウト時間が経過した後に待機モードから復帰して、通常モードに移行することができる。この場合には、CSMA/CA方式によるランダムバックオフ制御を開始する。
本発明における端末局のアクセス制御手順例を示すフローチャートである。 本発明の実施例1の動作例を示すタイムチャートである。 本発明の実施例2の動作例を示すタイムチャートである。 本発明によるスループット特性の改善効果の一例を示す図である。 従来のRTS/CTS制御手順例を示すタイムチャートである。 従来のRTS/CTS制御によるスループット特性の改善効果の一例を示す図である。
本発明の無線通信システムは、隠れ端末間のRTS衝突を避けるために、各端末局はDIFSを経てランダムバックオフ値が0になった後に、所定のRTS送信確率に応じてRTSの送信可否を判断し、RTSの送信を中止した端末局は待機モードに入り、基地局から送信された他局宛のCTSを受信したときに待機モードから通常モードに復帰することを特徴とする。これにより、隠れ端末の関係にある端末局の一方が待機モードに入っている間に、他方の端末局がRTSを送信することができる。待機モードに入った端末局は、CTSの受信によって待機モードから通常モードに復帰し、CTSフレームに記載されている期間だけ予約信号(NAV)を設定する。
また、全ての端末局が待機モードになる場合も想定されるので、待機モードに入った端末局は、所定のタイムアウト時間が経過したときに待機モードから通常モードに復帰する制御を行う。これにより、全ての端末局が待機モードに入り、基地局がCTSを送信しない場合でも、各端末局がそれぞれタイムアウト時間が経過した後に通常モードに復帰し、CSMA/CA方式によるランダムバックオフ制御を開始する。
図1は、本発明における端末局のアクセス制御手順例を示す。
図1において、端末局は、DIFSを経てランダムバックオフ制御を行い(S1)、ランダムバックオフ値が0になったときに、所定のRTS送信確率に応じてRTSの送信可否を判断する(S2)。ここで、RTSが送信可となれば、通常のRTS/CTS制御に従ってRTSを送信し、自局宛のCTSが返ってくるのを待ってデータ送信を行う(S3)。ここで、RTSまたはデータの送信成功または失敗に応じてRTS送信確率の調整を行う(S4)が、詳しくは後述する。
一方、RTSが送信不可となれば、RTS送信を中止して待機モードに入り(S5)、他局宛のCTSを受信したときに通常モードに復帰する(S6)。例えば、CTSフレームに応じたNAV設定を行い、ステップS1に戻る。あるいは、待機モードになってから所定のタイムアウト時間が経過すれば、通常モードに復帰してステップS1に戻る(S7)。
図2は、本発明の実施例1の動作例を示す。
図2において、端末局1,2と端末局3が隠れ端末の関係にあるものとする。端末局1,2,3はデータフレーム送信前にキャリアセンスを行い、DIFSを経て最初にランダムバックオフ値が0になった端末局1は、所定のRTS送信確率に応じてRTSの送信可否を判断し、ここではRTSをデータフレームの宛先である基地局0宛に送信する。端末局1と端末局2は互いにキャリアセンスできるため、端末局2は端末局1が送信するRTSを受信してバックオフカウンタを停止し、RTSフレームに記載されている期間だけ予約信号(NAV)を設定する。
一方、端末局1と端末局3は互いにキャリアセンスできないため、端末局3は端末局1が送信するRTSを受信せず、バックオフカウンタを継続する。そして、端末局3はランダムバックオフ値が0になったときに、所定のRTS送信確率に応じてRTSの送信可否を判断し、ここではRTSの送信を中止して待機モードに入る。これにより、端末局1が送信したRTSは衝突せずに基地局0に受信される。なお、端末局3がRTSを送信してRTSの衝突が発生する場合もあるが、このときは次回のRTS送信確率を低下させる制御を行う。詳しくは後述する。
基地局0は、RTS受信後にSIFSを経て端末局1宛にCTSを返し、端末局1はCTSを受信する。端末局3も基地局0が送信したCTSを受信し、待機モードから通常モードに復帰してCTSフレームに記載されている期間だけ予約信号(NAV)を設定する。RTSに対するCTSを受信した端末局1は、端末局2,3が送信を禁止している間にデータフレームを送信し、当該データフレームを受信した基地局0もACK信号を送信して通信を終了する。
次のタイミングでは、DIFSを経て最初にランダムバックオフ値が0になった端末局2は、所定のRTS送信確率に応じてRTSの送信を中止して待機モードに入る。次に、ランダムバックオフ値が0になった端末局3は、所定のRTS送信確率に応じてRTSを基地局0宛に送信する。このとき、端末局1と端末局3は互いにキャリアセンスできないため、端末局1は端末局3が送信するRTSを受信せず、バックオフカウンタを継続し、ランダムバックオフ値が0になると、所定のRTS送信確率に応じてRTS送信可否を判断し、ここではRTSの送信を中止して待機モードに入る。これにより、端末局3が送信したRTSは衝突せずに基地局0に受信される。なお、端末局1がRTSを送信してRTSの衝突が発生する場合もあるが、このときは次回のRTS送信確率を低下させる制御を行う。詳しくは後述する。
基地局0は、RTS受信後にSIFSを経て端末局3宛にCTSを返し、端末局3はCTSを受信する。端末局1も基地局0が送信したCTSを受信し、待機モードから通常モードに復帰してCTSフレームに記載されている期間だけ予約信号(NAV)を設定する。端末局2は、待機モードのタイムアウト時間が経過して通常モードに復帰しており、ランダムバックオフ制御に入っているが、受信したCTSフレームに記載されている期間だけ予約信号(NAV)を設定する。RTSに対するCTSを受信した端末局3は、端末局1,2が送信を禁止している間にデータフレームを送信し、当該データフレームを受信した基地局0もACK信号を送信して通信を終了する。
図3は、本発明の実施例2の動作例を示す。
図3において、端末局1,2と端末局3が隠れ端末の関係にあるものとする。端末局1,2,3はデータフレーム送信前にキャリアセンスを行い、DIFSを経て最初にランダムバックオフ値が0になった端末局2は、所定のRTS送信確率に応じてRTSの送信可否を判断し、ここではRTSの送信を中止して待機モードに入る。次に、ランダムバックオフ値が0になった端末局1,3は、それぞれ所定のRTS送信確率に応じてRTSの送信を中止して待機モードに入る。すなわち、端末局1,2,3は一斉に待機モードに入る。この場合、基地局0からCTSが送信されないので、各端末局は所定のタイムアウト時間が経過したときに待機モードから通常モードに復帰する制御を行う。
通常モードになった端末局は、DIFSを経てランダムバックオフ制御を行い、ランダムバックオフ値が0になったときに、所定のRTS送信確率に応じてRTSの送信可否を判断する。ここでは、端末局1がRTSを基地局0宛に送信する。端末局2は端末局1が送信するRTSを受信してバックオフカウンタを停止し、RTSフレームに記載されている期間だけ予約信号(NAV)を設定する。端末局3は、端末局1が送信するRTSを受信せず、バックオフカウンタを継続してランダムバックオフ値が0になったときに、所定のRTS送信確率に応じてRTSの送信を中止して待機モードに入る。これにより、端末局1が送信したRTSは衝突せずに基地局0に受信される。
基地局0は、RTS受信後にSIFSを経て端末局1宛にCTSを返し、端末局1はCTSを受信する。端末局3も基地局0が送信したCTSを受信し、待機モードから通常モードに復帰し、CTSフレームに記載されている期間だけ予約信号(NAV)を設定する。RTSに対するCTSを受信した端末局1は、端末局2,3が送信を禁止している間にデータフレームを送信し、当該データフレームを受信した基地局0もACK信号を送信して通信を終了する。
ここで、RTS送信確率の設定および更新について説明する。
従来のランダムバックオフ制御では、端末局間でランダムバックオフ値が異なっていれば、一方の端末局が送信したRTSを他方の端末局が受信し、バックオフカウンタが停止するのでRTSの衝突は発生しない。しかし、隠れ端末の関係にある端末局間では、ランダムバックオフ値が異なっていても、キャリアセンスができないことからバックオフカウンタを継続してしまい、結局RTSが衝突してしまうことがあった。あるいは、端末局間のランダムバックオフ値が同じであれば、隠れ端末の有無にかかわらずRTSが衝突してしまうことがある。そこで、本発明のように、ランダムバックオフ値が0になったときにRTS送信確率に応じてRTSの送信可否を判断することにより、隠れ端末に起因するRTS衝突を低減し、RTS/CTS制御に基づくスループットの改善が期待できる。ただし、RTS送信確率に応じてRTSの送信可否を判断する際に、複数の端末局で送信可となれば、RTSの衝突は避けられない。
本発明は、RTSを送信してタイムアウト時間中にCTSが返ってこない場合、あるいはデータフレームを送信してタイムアウト時間中にACKが返ってこない場合に、RTS衝突あるいはデータ衝突が発生したものと判断し、次回のRTS送信確率を低下させる制御を行う。例えば、RTS送信確率を次のように設定する。
RTS送信確率=C・N-R
ここで、C,Nは定数であり、1≧C>0、N>1とし、RはRTSやデータの再送回数(初回送信は0)とする。したがって、RTS送信確率の初期値はCであり、再送回数Rの増加に伴いRTS送信確率が低下する。RTS送信確率が例えば 0.50 の場合は、所定の範囲内から乱数を引いて例えば奇数または偶数の場合に送信可と判断する。
再送回数Rについては、次のような場合に更新する。RTSに対するCTSがタイムアウト時間中に返ってこないとき、データを送信してタイムアウト時間中にACKが返ってこないときに、それぞれ衝突が発生して送信失敗したものと推定し、再送回数Rを1ずつ増加する。また、RTSに対するCTSが返ってきたとき、データを送信してACKが返ってきたときに、再送回数Rを初期値0にリセットする。RTS送信確率は、再送回数Rの更新直後に計算するものとする。
上記の設定式に基づいて設定されるRTS送信確率は、再送回数Rが増加するほど低下する。例えば、隠れ端末が多い場合、RTSの衝突が起こりやすく、再送回数Rが増加しやすい。そのような状況ではRTSの送信を控える必要があるため、上記の設定式に基づいてRTS送信確率を低くする。ただし、定数Nの値が大きくなるほど、再送回数Rの増加に伴うRTS送信確率の低下率が大きくなる。そのため、RTSの送信に失敗した端末局はRTSを送信する機会が減る一方で、RTSの送信に成功した端末局は常に高いRTS送信確率を維持してRTSを送信し続けるなど、端末局間の不公平が発生する。
このような不公平に対処するために、定数Nの値を例えば2,3,4程度とし、RTS送信確率の下限を設定するようにしてもよい。例えば、C=1、N=2の場合は、RTS送信確率は再送回数Rが増えるごとに、1,0.5 ,0.25,0.125 ,0.0625,0.03125 ,…と半減していくが、C=1、N=4の場合は、1,0.25,0.0625,0.015625,…と1/4になっていく。ここで、RTS送信確率の下限を例えば「0.03」とすると、N=2の場合は再送回数R=5のRTS送信確率0.03125 が下限となり、N=4の場合は再送回数R=2のRTS送信確率0.0625が下限となる。なお、RTS送信確率がRTSやデータの再送回数Rに応じて低下する特性であれば、上記のRTS送信確率の設定式に限るものではない。
ところで、再送回数Rが増えるごとに、ランダムバックオフ値を発生する乱数の範囲CWをCWmax の範囲内で倍増し、ランダムバックオフ値が一致する確率を低減する従来の手法と組み合わせことも有効である。この場合、再送回数Rをリセットするとき、あるいは再送回数Rが所定値を超えたときは、CWをCWmin にリセットするが、端末局数に応じてCWmin を最適制御することも有効である。
図4は、本発明によるスループット特性の改善効果の一例を示す。
図4において、C,Dは、図6に示す従来のスループット特性であり、Cは、隠れ端末が存在しない環境で、RTS/CTS制御による場合のスループット特性を示す。Dは、すべての端末局が隠れ端末の位置関係にある環境で、RTS/CTS制御による場合のスループット特性を示すが、RTSの衝突によりスループット特性Cよりスループットが低下している。
Eは、本発明により、すべての端末局が隠れ端末の位置関係にある環境で、RTS/CTS制御を実施するとともに、RTS送信確率に基づいてRTSの送信可否を判断することにより、従来のスループット特性Dよりも改善されたスループット特性を示す。本発明によるRTS送信確率に基づくRTSの送信制御は、隠れ端末がある状況でもRTSの衝突確率を低減し、かつ隠れ端末がない状況でもランダムバックオフ値の一致によるRTSの衝突を回避できるので、スループットの改善効果は大きい。
さらに、RTS送信確率に基づくRTSの送信制御に加えて、CSMA/CAのパラメータであるCWmin を端末局数に応じて最適制御することにより、さらなるスループット特性の改善を図ることができる。
0 基地局
1,2,3 端末局

Claims (6)

  1. 基地局の配下の複数の端末局が、CSMA/CA方式によるランダムバックオフ制御とRTS/CTS制御により、データフレームの送信権を獲得して通信を行う無線通信システムにおいて、
    前記端末局は、前記ランダムバックオフ制御によるランダムバックオフ値が0になったときに、所定のRTS送信確率に応じてRTSの送信可否を判断し、送信可であれば前記RTS/CTS制御に基づいてRTSを送信し、送信不可であればRTS送信を中止して待機モードに移行し、前記基地局から送信された他局宛のCTSを受信したとき、または該待機モードに移行して所定のタイムアウト時間が経過したときに、該待機モードから復帰する制御を行うアクセス制御手段を備えた
    ことを特徴とする無線通信システム。
  2. 請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
    前記アクセス制御手段は、前記RTSを送信して第1のタイムアウト時間内に前記CTSが返ってこない場合、またはデータフレームを送信して第2のタイムアウト時間内に受信確認ACKが返ってこない場合に、前記RTSの再送回数に応じて前記所定のRTS送信確率を低下させる設定であり、前記CTSが返ってきたとき、または前記受信確認ACKが返ってきたときに前記RTSの再送回数をリセットして前記所定のRTS送信確率を再設定する
    ことを特徴とする無線通信システム。
  3. 請求項2に記載の無線通信システムにおいて、
    前記アクセス制御手段は、前記所定のRTS送信確率として所定の下限値を設ける設定である
    ことを特徴とする無線通信システム。
  4. 基地局の配下の複数の端末局が、CSMA/CA方式によるランダムバックオフ制御とRTS/CTS制御により、データフレームの送信権を獲得して通信を行う無線通信方法において、
    前記端末局のアクセス制御手段は、前記ランダムバックオフ制御によるランダムバックオフ値が0になったときに、所定のRTS送信確率に応じてRTSの送信可否を判断し、送信可であれば前記RTS/CTS制御に基づいてRTSを送信し、送信不可であればRTS送信を中止して待機モードに移行し、前記基地局から送信された他局宛のCTSを受信したとき、または該待機モードに移行して所定のタイムアウト時間が経過したときに、該待機モードから復帰する制御を行う
    ことを特徴とする無線通信方法。
  5. 請求項4に記載の無線通信方法において、
    前記アクセス制御手段は、前記RTSを送信して第1のタイムアウト時間内に前記CTSが返ってこない場合、またはデータフレームを送信して第2のタイムアウト時間内に受信確認ACKが返ってこない場合に、前記RTSの再送回数に応じて前記所定のRTS送信確率を低下させる設定であり、前記CTSが返ってきたとき、または前記受信確認ACKが返ってきたときに前記RTSの再送回数をリセットして前記所定のRTS送信確率を再設定する
    ことを特徴とする無線通信方法。
  6. 請求項5に記載の無線通信方法において、
    前記アクセス制御手段は、前記所定のRTS送信確率として所定の下限値を設ける設定である
    ことを特徴とする無線通信方法。
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