JP2011176164A - 積層型薄膜光電変換装置 - Google Patents

積層型薄膜光電変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶質ゲルマニウム光電変換層を含む積層型薄膜光電変換装置の曲線因子、長波長光に対する光電変換効率を改善する。
【解決手段】光入射側から透明電極層、一導電型層と実質的に真性半導体の光電変換層と逆導電型層を含む光電変換ユニットを複数組、裏面電極層を含む積層型薄膜光電変換装置において、相対的に光入射側から最も遠くに配置された光電変換ユニットが光電変換層に真性または弱n形の結晶質ゲルマニウム半導体を含む結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットであり、結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットの光入射側に隣接して配置された前方光電変換ユニット内の前記逆導電型層と、結晶質ゲルマニウム光電変換ユニット内の前記一導電型層とのうちの少なくとも一方が少なくともその一部に接合界面層を含み、前記接合界面層は酸素、炭素、窒素からなる群から選ばれる1以上の元素とシリコンを含む積層型薄膜光電変換装置とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層型薄膜光電変換装置の改善に関し、特に結晶質ゲルマニウム半導体を用いた長波長光の利用効率の改善した積層型薄膜光電変換装置に関する。なお、本願明細書における「結晶質」および「微結晶」の用語は、当該技術分野において用いられているように、部分的に非晶質を含む場合にも用いられている。
近年、半導体内部の光電効果を用いて光を電気に変換する光電変換装置が注目され、開発が精力的行われているが、その光電変換装置の中でもシリコン系薄膜光電変換装置は、低温で大面積のガラス基板やステンレス基板上に形成できることから、低コスト化が期待できる。
このようなシリコン系薄膜光電変換装置は、一般に透明絶縁基板上に順に積層された透明電極層と、1つ以上の光電変換ユニットと、及び裏面電極層とを含んでいる。ここで、光電変換ユニットは一般にp型層、i型層、及びn型層がこの順、またはその逆順に積層されてなり、その主要部を占めるi型の光電変換層が非晶質のものは非晶質光電変換ユニットと呼ばれ、i型層が結晶質のものは結晶質光電変換ユニットと呼ばれている。
光電変換層は、光を吸収して電子・正孔対を発生させる層である。一般に、シリコン系薄膜光電変換装置では、pin接合のうちi型層が光電変換層である。光電変換層であるi型層が、光電変換ユニットの主要な膜厚を占める。
i型層は、理想的には導電型決定不純物を含まない真性の半導体層である。しかし、微量の不純物を含んでいても、フェルミ準位が禁制帯のほぼ中央にあれば、pin接合のi型層として機能するので、これを実質的にi型の層と呼ぶ。一般に、実質的にi型の層は、導電型決定不純物を原料ガスに添加せずに作製する。この場合、i型層として機能する許容範囲で導電型決定不純物を含んでも良い。また、実質的にi型の層は、大気や下地層に起因する不純物がフェルミ準位に与える影響を取り除くために、微量の導電型決定不純物を意図的に添加して作製しても良い。
また、光電変換装置の変換効率を向上させる方法として、2つ以上の光電変換ユニットを積層した、積層型と呼ばれる構造を採用した光電変換装置が知られている。この方法においては、光電変換装置の光入射側に大きな光学的禁制帯幅を有する光電変換層を含む前方光電変換ユニットを配置し、その後ろに順に小さな光学的禁制帯幅を有する(たとえばSi−Ge合金などの)光電変換層を含む後方光電変換ユニットを配置することにより、入射光の広い波長範囲にわたる光電変換を可能にし、入射する光を有効利用することにより装置全体としての変換効率の向上が図られている。
たとえば非晶質シリコン光電変換ユニットと結晶質シリコン光電変換ユニットとを積層した2接合型薄膜光電変換装置の場合、i型の非晶質シリコン(a−Si)が光電変換し得る光の波長は長波長側において700nm程度までであるが、i型の結晶質シリコンはそれより長い約1100nm程度の波長の光までを光電変換することができる。ここで、光吸収係数の大きな非晶質シリコンからなる非晶質シリコン光電変換層では光電変換に充分な光吸収のためには0.3μm程度の厚さでも十分であるが、比較して光吸収係数の小さな結晶質シリコンからなる結晶質シリコン光電変換層では長波長の光をも十分に吸収するためには2〜3μm程度以上の厚さを有することが好ましい。すなわち、結晶質シリコン光電変換層は、通常は、非晶質シリコン光電変換層に比べて10倍程度の大きな厚さが必要となる。なお、この2接合型薄膜光電変換装置の場合、光入射側にある光電変換ユニットをトップセル、後方にある光電変換ユニットをボトムセルと呼ぶ事とする。
さらに、積層型薄膜光電変換装置の効率を向上させる技術として、薄膜光電変換ユニット間に、導電性を有しかつ薄膜光電変換ユニットを形成する材料よりも低い屈折率を有する材料からなる中間透過反射層を形成する方法がある。このような中間透過反射層を有することで、短波長側の光は反射し、長波長側の光は透過させる設計が可能となり、より有効に各薄膜光電変換ユニットでの光電変換が可能となる。たとえば、前方の非晶質シリコン光電変換ユニットと後方の結晶質シリコン光電変換ユニットからなるハイブリッド型光電変換装置に中間透過反射層を挿入した場合、非晶質シリコン光電変換層の膜厚を増やすことなく、その前方光電変換ユニットによって発生する電流を増加させることができる。また、中間透過反射層を含む場合には、それを含まない場合に比べて、同一の電流値を得るために必要な非晶質シリコン光電変換層の厚さを小さくし得ることから、非晶質シリコン層の厚さの増加に応じて顕著となる光劣化(Sraebler-Wronsky効果)による非晶質シリコン光電変換ユニットの特性低下を抑制することが可能となる。
さらに光電変換ユニット3つ備える3接合型薄膜光電変換装置も用いられる。本明細書では、3接合型薄膜光電変換装置の光電変換ユニットを光入射側から順にトップセル、ミドルセル、ボトムセルと呼ぶ事とする。3接合の積層型薄膜光電変換装置にすることによって、開放電圧(Voc)が高く、短絡電流密度(Jsc)が低くなり、2接合の場合に比べてトップセルの非晶質シリコン光電変換層の膜厚を薄くできる。このため、トップセルの光劣化を抑制することができる。また、ミドルセルの光電変換層のバンドギャップをトップセルより狭く、ボトムセルより広くすることによって、入射した光をより有効に利用することができる。
3接合の積層型薄膜光電変換装置の例として、ミドルセルの光電変換層に非晶質シリコンゲルマニウム(a−SiGe)を用いた、a−Si光電変換ユニット/a−SiGe光電変換ユニット/a−SiGe光電変換ユニットの順に積層した薄膜光電変換装置、あるいはa−Si光電変換ユニット/a−SiGe光電変換ユニット/結晶質シリコン光電変換ユニットの順に積層した薄膜光電変換装置が挙げられる。a−SiGeの膜中のGe濃度を適宜調整することによって、ミドルセルの光電変換層のi型a−SiGeのバンドギャップをトップセルとボトムセルの間の値に制御することができる。また、ミドルセルとボトムセルの両方にa−SiGe光電変換層を用いた場合、ミドルセルよりボトムセルのGe濃度が高くなるようにする。
しかし、a−Siに比べて、合金層であるa−SiGeは欠陥密度が高くて半導体特性が劣っており、また、光照射による欠陥密度の増加が大きいことがわかっている。このため、a−SiGeをミドルセルまたはボトムセルの光電変換層に用いた3接合の積層型薄膜光電変換装置は2接合の薄膜光電変換装置に比べて効率の向上が十分でない。また、a−SiGeの光劣化が大きいため、3接合の積層型薄膜光電変換装置にしたにもかかわらず、光劣化の抑制が十分でない問題がある。
ボトムセルにa−SiGe光電変換ユニットを用いた場合は光電変換し得る光の波長は長波長側において900nm程度まで、ボトムセルに結晶質シリコン光電変換ユニットを用いた場合光電変換し得る光の波長は長波長側において1100nm程度までで、長波長側の利用できる波長の限界は2接合の薄膜光電変換装置と同様の波長で改善されず、3接合の薄膜光電変換装置の変換効率の向上が十分でない課題がある。
(先行例1)
非特許文献1に、光電変換層に弱n型微結晶ゲルマニウムを用いた単接合の薄膜光電変換装置が開示されている。薄膜光電変換装置の構造は、ステンレス基板/n型非晶質シリコン/i型非晶質シリコン/微結晶シリコンゲルマニウムの組成傾斜層/弱n型微結晶ゲルマニウム光電変換層/微結晶シリコンゲルマニウムの組成傾斜層/p型微結晶シリコン層/ITOを順次積層した構造である。薄膜光電変換装置の特性は開放電圧Voc=0.22V、短絡電流密度Jsc=25mA/cm2、曲線因子FF=0.36、変換効率Eff=2.0%、長波長側で量子効率が10%となる波長は約1080nm、波長1300nmの量子効率は0.5%である。微結晶ゲルマニウム光電変換層はマイクロ波放電を用いたECRリモートプラズマCVD法で形成している。
(先行例2)
特許文献1に、低屈折率層の材料として、シリコン複合層を中間透過反射層として用いた積層型薄膜光電変換装置が開示されている。前記シリコン複合層はシリコンと酸素の非晶質合金母相中に分散したシリコン結晶相を含み、40原子%以上60原子%以下の膜中酸素濃度を含んでいて600nmの波長の光に対して1.7以上2.1以下の屈折率を有するとともに、20nmより大きく130nmより小さい厚さを有することを特徴とする。太陽電池の構造としては、p型非晶質炭化シリコン層/i型非晶質シリコン光電変換層/n型微結晶シリコン層/n型シリコン複合層/p型微結晶シリコン層/i型結晶質シリコン光電変換層/n型微結晶シリコン層を順次積層した構造が開示されている。
Xuejun Niu, Jeremy Booher and Vikran L. Dalal, "Nanocrystalline Germanium and Germanium Carbide Films and Devices", Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.862, A10.2 (2005).
特許第4063735号公報
2接合または3接合の積層型薄膜光電変換装置のボトムセルにa−SiGe光電変換ユニット、または結晶質シリコン光電変換ユニットを用いた薄膜光電変換装置の場合、長波長側で利用できる波長の上限は900〜1100nmで、長波長光の利用が十分でなく変換効率の向上が不十分な課題がある。
また、微結晶Geを光電変換層に用いた薄膜光電変換装置はFFが低く、変換効率が低い課題がある。また、光電変換可能な長波長光の波長の上限が約1080nmで十分な向上が得られない問題がある。
また、本発明者らが検討を行った結果、積層型薄膜型光電変換装置のボトムセルに、結晶質ゲルマニウム光電変換層を含む結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットを用いると、FFが低く、変換効率が低くなる課題を見出した。
上記を鑑み、本発明は開放電圧と曲線因子が高く、1100nm以上の長波長光を利用可能な特性の高い積層型薄膜光電変換装置を提供することを目的とする。
本発明による積層型薄膜光電変換装置は、光入射側から透明電極層、一導電型層と実質的に真性半導体の光電変換層と逆導電型層を含む光電変換ユニットを複数組、および裏面電極層を含む積層型薄膜光電変換装置において、相対的に光入射側から最も遠くに配置された光電変換ユニットが、光電変換層に真性または弱n形の結晶質ゲルマニウム半導体を含む結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットであり、結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットの光入射側に隣接して配置された前方光電変換ユニット内の前記逆導電型層と、結晶質ゲルマニウム光電変換ユニット内の前記一導電型層とのうちの少なくとも一方が少なくともその一部に接合界面層を含み、前記接合界面層は、酸素、炭素、窒素からなる群から選ばれる1以上の元素と、シリコンを含むことを特徴とすることによって課題を解決する。この理由は定かではないが、接合界面層を含むことによって、前方光電変換ユニットと結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットの間の格子不整合が緩和されて結晶質ゲルマニウム半導体の成長初期の欠陥が抑制されると考えられ、FFが向上して積層型薄膜光電変換装置の性能が向上する。
前記接合界面層は、酸素、炭素、窒素からなる群から選ばれる1以上の元素とシリコンからなる非晶質合金母相中に分散したシリコン結晶相を含むことがより望ましい。これはシリコン結晶相が非晶質合金で取り囲まれていることによって、シリコン結晶相の格子がひずんで格子定数が大きくなり、結晶質ゲルマニウム半導体との格子不整合が緩和されると考えられ、FFが向上して積層型薄膜光電変換装置の性能が向上するためである。
特に、接合界面層は、酸素とシリコンからなる非晶質合金母相中に分散したシリコン結晶相を含むことが望ましい。これは、酸素を含む場合にシリコン結晶相を容易に析出することが出来、FFが向上して積層型薄膜光電変換装置の性能が向上すると推定される。
本発明による積層型薄膜光電変換装置は、光入射側から順に光電変換層に実質的に真性な非晶質シリコン半導体を含む非晶質シリコン光電変換ユニット、光電変換層に実質的に真性な結晶質シリコン半導体を含む結晶質シリコン光電変換ユニット、結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットを配置し、結晶質シリコン光電変換ユニット内の前記逆導電型層と、結晶質ゲルマニウム光電変換ユニット内の前記一導電型層とのうちの少なくとも一方が少なくともその一部に接合界面層を含み、前記接合界面層は、酸素、炭素、窒素からなる群から選ばれる1以上の元素と、シリコンを含むことによって、構成することが出来る。
また、本発明の接合界面層は、暗導電率が10-7S/cm以上、10-1S/cm以下であることが望ましい。あるいは、本発明の接合界面層は、1000nmの光に対する屈折率が2.1以上3.0以下が望ましい。あるいはまた、本発明の接合界面層は、ラマン散乱で測定した非晶質成分に由来するピークに対する結晶シリコン成分のTOモードピークのピーク強度比が0.5以上4以下であることが望ましい。
結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットの光入射側に隣接して配置された前方光電変換ユニット内の前記逆導電型層と、結晶質ゲルマニウム光電変換ユニット内の前記一導電型層とのうちの少なくとも一方が少なくともその一部に、酸素、炭素、窒素からなる群から選ばれる1以上の元素と、シリコンを含む接合界面層を含むことによって、FFが向上して積層型薄膜光電変換装置の性能が向上する。また、結晶質ゲルマニウム半導体をボトムセルに用いた積層型薄膜光電変換装置を良好に構成することが可能となり、開放電圧が向上するとともに、1100nm以上の分光感度が向上することによりJscが増加し、積層型薄膜光電変換装置の性能が向上する。
本発明の1つの実施形態に係る3接合の積層型薄膜光電変換装置の模式的断面図 本発明の1つの実施形態に係る積層型接合界面層のラマン散乱スペクトル。 本発明の別の実施形態に係る3接合の薄膜光電変換装置の模式的断面図。 本発明のさらに別の実施形態に係る3接合の薄膜光電変換装置の模式的断面図 従来の技術に係る3接合の積層型薄膜光電変換装置の模式的断面図。 従来の技術に係る2接合の積層型薄膜光電変換装置の模式的断面図。 実施例1、6、7、8に関わる、接合界面層の波長1000nmの光の屈折率に対する積層型薄膜光電変換装置のEff. 実施例1、9、10、11に関わる、接合界面層の結晶シリコン成分と非晶質シリコン成分のラマンピーク強度比に対する積層型薄膜光電変換装置のEff。 多重干渉を考慮した中間透過反射層の反射率。
以下において本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお本願の各図において、厚さや長さなどの寸法関係については図面の明瞭化と簡略化のため適宜変更されており、実際の寸法関係を表してはいない。また、各図において、同一の参照符号は同一部分または相当部分を表している。
本発明者らは、従来のシリコン系薄膜光電変換装置では利用が十分ではない1000nmを超える長波長の光を効率的に光電変換するとともに、開放電圧Vocと曲線因子FFを向上するために、結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットをボトムセルに含む積層型薄膜光電変換装置の構造を検討した。
一般に、光電変換ユニットを1つだけ含む単接合型薄膜光電変換装置に比べて、2接合型または3接合型の積層型薄膜光電変換装置のFFは、高くなる。この理由は、単接合型に比べて、光電変換ユニットに流れる発電電流が2接合型薄膜光電変換装置は約1/2に、3接合型薄膜光電変換装置は約1/3に減るため、抵抗損失が減少し、FFが高くなる。
また、単接合型薄膜光電変換装置のFFが低い材料の光電変換ユニットを積層型薄膜光電変換装置が含む場合でも、単接合型薄膜光電変換装置のFFが高い材料の光電変換ユニットと組み合わせて適宜膜厚など設計することにより、積層型薄膜光電変換のFFを、FFが高い材料とほぼ同等に高くすることが出来る。例えば、a−SiGeを光電変換層に用いた単接合型薄膜光電変換装置のFFは、a−Siを光電変換層に用いた単接合型薄膜光電変換装置のFFより一般に低いが、a−Si/a−SiGeの2接合の積層型薄膜光電変換装置のFFは、a−SiGe単接合型薄膜光電変換装置のFFより高くなる。
しかしながら、本発明者らが結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットをボトムセルに含む積層型薄膜光電変換装置の試作を試みたところ、積層型薄膜光電変換装置のFFが著しく低くなり、積層型薄膜光電変換装置の特性が低くなる課題を見出した。本発明者らは、結晶質ゲルマニウムをボトムセルに用いた場合に特有のこの課題を鋭意検討したところ、結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットとそれに隣接する前方光電変換ユニットの境界部分に相当する一導電型層または逆導電型層のいずれかの少なくとも一部に接合界面層を含むことにより、FFが改善することを見出した。この接合界面層は酸素、炭素、窒素からなる群から選ばれる1以上の元素と、シリコンを含むことを特徴とする。
先行例1には、光電変換層に本願で指す結晶質ゲルマニウム光電変換層を用いた単接合型薄膜光電変換装置が開示されているが、薄膜光電変換装置の特性は開放電圧Voc=0.22V、短絡電流密度Jsc=25mA/cm2、曲線因子FF=0.36、変換効率Eff=2.0%、長波長側で量子効率が10%となる波長は約1080nm、波長1300nmの量子効率は0.5%である。先行例1では、結晶質ゲルマニウム光電変換層を用いて波長1300nmにおける量子効率がわずかにあることが示唆されるが、VocおよびFFが低く、Effは2.0%の低い値になっている。また、先行例1では、積層型薄膜光電変換装置は開示されておらず、本発明者らが見出した結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットをボトムセルに用いた積層型薄膜光電変換装置に特有のFF低下の課題は、当業者に想定することは困難である。
先行例2に、短波長の光を反射して長波長の光を透過して光閉じ込め効果を向上することを目的として、シリコン複合層を中間透明反射層として、非晶質シリコン光電変換ユニットと、結晶質シリコン光電変換ユニットの間に配置する例が開示されている。しかしながら、結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットをボトムセルに用いた積層型薄膜光電変換装置を検討する場合、結晶質ゲルマニウムの光入射側に隣接する中間透過反射層として有効であるためには、1000nm以上の波長の光を反射せずに透過することが必要である。1000nm以上の光を反射してしまうと、結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットに入射する光が減少するだけでなく、前方の光電変換ユニット、例えば非晶質シリコン光電変換ユニットや結晶質シリコン光電変換ユニットでは1000nm以上の光を吸収できず、光入射面から1000nm以上の光が出て反射損失として、変換効率が低くなってしまう。
図9に、結晶質シリコン光電変換ユニットと結晶質ゲルマニウムの界面に、厚さ60nmの中間透過反射層を配置した場合の、多重干渉を考慮した波長1000nmの反射率の計算値を示す。横軸は中間透過反射層の波長1000nmの光に対する屈折率、縦軸は反射率である。中間透過反射層の屈折率2.0、膜厚60nmのシリコン複合層を配置すると、1000nmの波長の光を約20%反射してしまう。すなわち、当業者ならば、結晶質ゲルマニウム光電変換層の光入射側にシリコン複合層などの中間透過反射層を配置しないであろう。しかしながら、発明者らが鋭意検討した結果、酸素、炭素、窒素からなる群から選ばれる1以上の元素と、シリコンを含むことを特徴とする接合界面層を結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットの近傍に配置すると、FFだけでなくVoc、Jscも増加して、課題を解決することが出来た。
図1に、本発明の実施形態の一例による積層型薄膜光電変換装置100の模式的断面図を示す。透明基板1上に、透明電極層2、トップセルである最前方光電変換ユニットとして非晶質シリコン光電変換ユニット3、ミドルセルである前方光電変換ユニットとして結晶質シリコン光電変換ユニット4、ボトムセルである結晶質ゲルマニウム光電変換ユニット5および裏面電極層6の順に配置されている。前方光電変換ユニットの逆導電型層の一部に接合界面層71を備えることを特徴としている。
基板側から光を入射するタイプの光電変換装置にて用いられる透明基板1には、ガラス、透明樹脂等から成る板状部材やシート状部材が用いられる。特に、透明基板1としてガラス板を用いれば、それが高い透過率を有しかつ安価であるので好ましい。
すなわち、透明基板1は薄膜光電変換装置の光入射側に位置するので、より多くの太陽光を透過させて光電変換ユニットに吸収させるために、できるだけ透明であることが好ましい。同様の意図から、太陽光の入射面における光反射ロスを低減させるために、透明基板1の光入射面上に無反射コーティングを設けることが好ましい。
透明電極層2はSnO2、ZnO等の導電性金属酸化物から成ることが好ましく、CVD、スパッタ、蒸着等の方法を用いて形成されることが好ましい。透明電極層2はその表面に微細な凹凸を有することにより、入射光の散乱を増大させる効果を有することが望ましい。
トップセルである最前方光電変換ユニットは、例えば非晶質シリコン光電変換ユニット3で構成することが望ましい。非晶質シリコン光電変換ユニット3は、プラズマCVD法によって、たとえばp型層、i型層、およびn型層の順に積層して形成される。具体的には、ボロンが0.01原子%以上ドープされた厚さ5から40nmのp型非晶質シリコンカーバイド層31、実質的にi型の厚さ50から400nmの非晶質シリコンの光電変換層32、およびリンが0.01原子%以上ドープされた厚さ5から40nmのn型微結晶シリコン層33がこの順に堆積される。
ミドルセルである前方光電変換ユニットは、例えば結晶質シリコン光電変換ユニット4で構成することが望ましい。結晶質シリコン光電変換ユニット4は、プラズマCVD法によって、たとえばp型層、i型層、およびn型層の順に積層して形成される。具体的には、ボロンが0.01原子%以上ドープされた厚さ5から40nmのp型微結晶シリコン層41、実質的にi型の厚さ0.5から5umの結晶質シリコン光電変換層42、リンが0.01原子%以上ドープされた厚さ1から40nmのn型微結晶シリコン層431および接合界面層71を積層したn型層43がこの順に堆積される。
ここで、本発明の実施形態の一例では結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットに隣接する前方光電変換ユニットの逆導電型層であるn型層43に接合界面層71を含むことを本発明の特徴とする。接合界面層71は、酸素、炭素、窒素からなる群から選ばれる1以上の元素と、シリコンを含むことが重要である。すなわち、SiOx、SiCx、SiNx、あるいは、SiOxCy、SiOxNy、SiCxNyなどが挙げられる。
接合界面層71は、酸素、炭素、窒素からなる群から選ばれる1以上の元素とシリコンからなる非晶質合金母相中に分散したシリコン結晶相を含むことが望ましい。特に酸素とシリコンからなる非晶質合金母相中に分散したシリコン結晶相を含むことが望ましい。
結晶質ゲルマニウム光電変換ユニット5は、プラズマCVD法によって、例えばp型層、結晶質ゲルマニウム光電変換層、およびn型層の順に積層して形成される。具体的には、例えば、ボロンが0.01原子%以上ドープされたp型微結晶シリコン層51、実質的にi型または弱n型の結晶質ゲルマニウム光電変換層52、およびリンが0.01原子%以上ドープされたn型微結晶シリコン層53がこの順に堆積される。
接合界面層によって、結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットをボトムセルに含む積層型薄膜光電変換装置のFFが改善する理由は明確ではないが、接合界面層を含むことによって、前方光電変換ユニットと結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットの間の格子不整合が緩和されて結晶質ゲルマニウム半導体の成長初期の欠陥が抑制されると考えられる。
結晶質シリコン光電変換層は0.5から5umと厚いので、シリコン結晶成分の格子間隔は単結晶シリコンの格子定数に近いものが出来ていると考えられる。また、結晶質ゲルマニウム光電変換層の格子間隔は単結晶に近いと欠陥が少なく太陽電池の特性を上げるために理想的と考えられる。単結晶シリコンの格子間隔は0.5420nmであるのに対して、単結晶ゲルマニウムの格子間隔は0.5646nmであるので、結晶質シリコン光電変換ユニットと結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットを隣接すると、結晶質ゲルマニウム光電変換層の格子間隔が単結晶ゲルマニウムの格子間隔より狭くなって、いわゆる格子不整合が発生して、欠陥が多くなり、積層型薄膜光電変換装置の特性が低くなると考えられる。
これに対して、酸素、炭素、窒素からなる群から選ばれる1以上の元素と、シリコンを含む界面接合層を配置することによって、接合界面層中のシリコンの原子間距離が長くなるため、あるいは接合界面層に隣接するn型微結晶シリコン層またはp型微結晶シリコン層の結晶シリコン成分の格子間隔が広るため、結晶質ゲルマニウム光電変換層の格子間隔に近くなり、格子不整合が緩和されると考えられる。
接合界面層71は、酸素、炭素、窒素からなる群から選ばれる1以上の元素とシリコンからなる非晶質合金母相中に分散したシリコン結晶相を含むことが望ましい。シリコン結晶相の周りが非晶質シリコン合金で囲まれることにより、シリコン結晶相の格子間隔が広がって、結晶質ゲルマニウムに近い格子間隔の種結晶になると考えられ、結晶質ゲルマニウム光電変換層の初期層から良好な結晶が成長すると推定される。また、接合界面層が非晶質合金層を含むことにより、結晶質シリコン側および結晶質ゲルマニウム側との格子不整合も緩和されると考えられる。
特に接合界面層は、酸素を含むシリコンからなる非晶質合金母相中に分散したシリコン結晶相を含むことが望ましい。本発明者らが検討した結果、酸素、炭素、窒素の元素の群のうち、酸素を含む場合に接合界面層中に結晶シリコン相を発生させることが最も容易にできたためである。次に炭素を含む場合が容易に結晶シリコン相を発生させることが出来、3種の元素の中では窒素を含む場合が結晶シリコン相を発生させるのが困難であった。
酸素を含む接合界面層SiOxは、反応ガスとして、SiH4、CO2、H2、PH3(またはB26)を用い、H2/SiH4比が大きいいわゆる微結晶作製条件でかつ、CO2/SiH4比が2〜10程度の範囲を用いてプラズマCVDで作製できることが実験によりわかった。このとき、プラズマの条件は、容量結合型の平行平板電極を用いて、電源周波数10〜100MHz、パワー密度50〜500mW/cm2、圧力50〜1000Pa、基板温度150〜250℃である。接合界面層がn型の場合はPH3/SiH4のガス流量比0.2〜20%、接合界面層がp型の場合はB26/SiH4のガス流量比0.1〜10%が好適である。CO2/SiH4比を増加させると膜中酸素濃度が単調に増加する。しかし、膜中炭素濃度はCO2/SiH4比を0〜4の範囲で変化させても1原子%以下であり、酸素に比べてほとんど膜に入らないことが実験によりわかった。膜中酸素濃度は、10原子%以上55原子%以下が好適であり、25原子%以上45原子%以下がさらに好適である。酸素濃度を25原子%以上とすることにより、接合界面層のシリコンの原子間隔あるいは格子間隔が広がると考えられ、積層型薄膜光電変換装置のFFが向上する。また、酸素濃度を55原子%以下とすることにより、接合界面層の暗導電率を高くして、接合界面層と隣接する層との接触抵抗を低減してFFを高くすることが出来る。また、酸素濃度を10原子%以上45原子%以下にすると、接合界面層のシリコンの原子間隔あるいは格子間隔を広げるのに十分な酸素濃度を含有するとともに、接合界面層中に容易にシリコン結晶相を含むことが出来るのさらに望ましい。
炭素を含む接合界面層SiCxは、SiOxの場合の反応ガスのうちCO2に代えて、炭化水素などの炭素含有ガスを用いることを除いて、SiOxと同様に作製できる。たとえば炭化水素としてCH4を用いる場合、CH4/SiH4の流量比0.01〜5にすると、SiCx層の接合界面層を作製することができる。膜中炭素濃度は、0.1原子%以上40原子%以下が好適である。炭素濃度を0.1原子%以上とすることにより、接合界面層のシリコンの原子間隔あるいは格子間隔が広がると考えられ、積層型薄膜光電変換装置のFFが向上する。また、炭素濃度を40原子%以下とすることにより、接合界面層の暗導電率を高くして、接合界面層と隣接する層との接触抵抗を低減してFFを高くすることが出来る。また、炭素濃度を0.2原子%以上25原子%以下にすると、接合界面層のシリコンの原子間隔あるいは格子間隔を広げるのに十分な炭素濃度を含有するとともに、接合界面層中に容易にシリコン結晶相を含むことが出来るのさらに望ましい。
窒素を含む接合界面層SiNxは、SiOxの場合の反応ガスのうちCO2に代えて、N2、アンモニアなどの窒素含有ガスを用いることを除いて、SiOxと同様に作製できる。たとえばNH3を用いる場合、NH3/SiH4の流量比0.001〜0.1にすると、SiNx層の接合界面層を作製することができる。膜中窒素濃度は、0.1原子%以上30原子%以下が好適であり、0.2原子%以上20原子%以下がさらに好適である。窒素濃度を0.1原子%以上とすることにより、接合界面層のシリコンの原子間隔あるいは格子間隔が広がると考えられ、積層型薄膜光電変換装置のFFが向上する。また、窒素濃度を20原子%以下とすることにより、接合界面層の暗導電率を高くして、接合界面層と隣接する層との接触抵抗を低減してFFを高くすることが出来る。また、窒素濃度を0.2原子%以上20原子%以下にすると、接合界面層のシリコンの原子間隔あるいは格子間隔を広げるのに十分な窒素濃度を含有するとともに、接合界面層中に容易にシリコン結晶相を含むことが出来るのさらに望ましい。
このほか、SiOxの場合のCO2に加えて、CH4を用いればSiOxCyが作製できる。あるいは、SiOxの場合のCO2に加えて、N2またはNH3を用いればSiOxNyが作製できる。あるいは、SiCxの場合のCH4に加えて、N2またはNH3を用いればSiCxNyが作製できる。
接合界面層の結晶シリコン相の有無は、積層型薄膜光電変換装置と同じ製膜条件で接合界面層をガラス基板上に作製し、ラマン散乱スペクトル、X線回折法、分光エリプソメトリーなどで検知することができる。
あるいは積層型薄膜光電変換装置にウェットエッチングあるいはプラズマエッチングを行い、接合界面層を露出させることによって結晶シリコン相を検知することができる。この場合、最表面に露出した接合界面層の結晶相の検知感度を上げるために、ラマン散乱スペクトルの測定の場合、短波長光のレーザー、例えば532nm以下の波長のレーザーを用いたレーザー顕微ラマン装置を用いる。あるいは、イン・プレーン法によるX線回折測定を行う。あるいは、分光エリプソメトリーを用いる。
あるいは積層型薄膜光電変換装置の透過型電子顕微鏡(TEM)の断面像からも結晶シリコン相の有無を検知することができる。TEMの断面像で20万倍から50万倍程度を撮影し、シリコン結晶相の有無を確認することが出来る。特に暗視野像を撮影すると、明るく見える部分が結晶相なので、容易にシリコン結晶相を確認できる。
接合界面層は、ラマン散乱で測定した波数520cm-1付近の結晶シリコン成分のTOモードのピーク強度(Ic)と、480cm-1付近の非晶質シリコン成分のTOモードのピーク強度(Ia)の強度比(Ic/Ia)が、0.5以上4.0以下が好ましい。Ic/Iaが0.5以上になると結晶シリコン相が確実に発生するので好ましい。Ic/Iaが4.0以下の場合、非晶質シリコン合金に囲まれた結晶シリコン相の格子間隔が広がりやすくなると考えられ、積層型薄膜光電変換装置の効率が高くなるので好ましい。より好ましくは、Ic/Iaが1以上3以下が結晶質ゲルマニウムを用いた3接合の積層型薄膜光電変換装置の効率が13%以上になるので好ましい。
接合界面層の暗導電率は、10-7S/cm以上、10-1S/cm以下であることが好ましい。接合界面層の暗導電率を10-7S/cm以上とすることで、接合界面層と隣接する層との接触抵抗を低減して、積層型薄膜光電変換装置のFFを高くすることが出来る。また、接合界面層の暗導電率を10-1S/cm以下とすることで、導電型決定不純物を減らすことが出来、光吸収損失を低減できるので望ましい。また、暗導電率を10-1S/cm以下とすることで、積層型薄膜光電変換装置をレーザースクライブなどで集積構造としたときに、リーク電流を抑制してFFが高くなり、光電変換装置の特性が高くなるので望ましい。
接合界面層の波長1000nmの光の屈折率は、2.1以上3.0以下が好ましく、2.35以上2.7以下がより好ましい。界面接合層の波長1000nmの屈折率が2.1以上の場合、1000nm以上の波長の反射率を低減して、結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットに入射する光が増加してJscが増加するので好ましい。また、屈折率が2.9以下の場合、十分な濃度の酸素または炭素または窒素が取り込まれて、接合界面層中の結晶シリコン相の格子間隔が広がって、結晶質ゲルマニウム光電変換層との格子不整合が抑制されてFFが向上するので好ましい。これらの理由で、接合界面層の1000nmの波長の屈折率が2.1以上2.9以下の場合、Effが13%以上の高い値になるので好ましい。また、接合界面層の1000nmの波長の屈折率が2.35以上2.7以下の場合、Effが14%以上のさらに高い値を示すので、より好ましい。接合界面層の波長1000nmの光の屈折率は分光エリプソメトリーで測定することが出来る。
結晶質ゲルマニウム光電変換層52は真性型または弱n型である。結晶質ゲルマニウム光電変換層を製膜時には、導電型決定不純物元素を含有するガスは用いない。それにもかかわらず、結晶質ゲルマニウムが弱n型になる場合があり、結晶質ゲルマニウムが酸素などの大気由来の不純物を膜中に取り込みやすいためといえる。光電変換層として利用可能な弱n型の指標としては、ホール効果測定で求めた結晶質ゲルマニウムのキャリア濃度が1017cm-3以下、移動度が1cm2/(V・s)以上が望ましい。キャリア濃度が高すぎると光電変換装置の暗電流が増大してリーク電流が増えて、光電変換装置のFFが低下する。
結晶質ゲルマニウム光電変換層32は波数935±5cm-1の赤外吸収ピークの吸収係数が0cm-1以上6000cm-1未満であることが好ましく、0cm-1以上5000cm-1未満がより好ましく、10cm-1以上2500cm-1未満がさらに好ましい。波数935±5cm-1の赤外吸収ピークの起源は同定されていないが、ポリマーまたはクラスター状の水素化ゲルマニウム、あるいは酸化ゲルマニウムに由来すると考えられ、この赤外吸収ピークを小さく抑えることによって緻密な結晶質ゲルマニウムが形成されて、薄膜光電変換装置の特性が向上すると推定される。結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットを含む単接合の薄膜光電変換装置の場合、波数935±5cm-1の赤外吸収ピークの吸収係数が6000cm-1未満になると、短絡電流密度(Jsc)および波長1300nmの量子効率が急激に増加して改善し、Jscは30mA/cm2以上の高い値、量子効率は5%以上の値を示すことができる。また、変換効率(Eff)が、吸収係数が6000cm-1以上では1%未満であるのに対して、吸収係数を6000cm-1未満にするとEffが急激に増加して、3%以上の高いEffを示す。また、波数935±5cm-1の赤外吸収ピークの吸収係数が5000cm-1未満になると、Effが3.5%を超えるのでより好ましい。波数935±5cm-1の赤外吸収ピークの吸収係数が10cm-1以上2500cm-1未満になると、Effが4.5%を超えるのでさらに好ましい。理想的には、波数935±5cm-1の赤外吸収ピークの吸収係数が0cm-1であることが好ましい。ただし、赤外の吸収係数を下げるために、結晶質ゲルマニウム半導体を製膜時の温度が高すぎると、電極層(透明電極層または裏面電極層)や導電型層(p型層またはn型層)からの不純物の拡散の影響が出る場合があるので、製膜時の温度を考慮すると、波数935±5cm-1の赤外吸収ピークの吸収係数は10cm-1以上が好ましい。
また、波数960±5cm-1の赤外吸収ピークの吸収係数が0cm-1以上3500cm-1未満であることが好ましく、0cm-1以上3000cm-1未満であることがより好ましく、10cm-1以上1300cm-1未満であることがさらに好ましい。960±5cm-1の赤外吸収ピークの起源も同定されていないが、上述と同様にポリマーまたはクラスター状の水素化ゲルマニウム、あるいは酸化ゲルマニウムに由来すると考えられ、この赤外吸収ピークを小さく抑えることによって緻密な結晶質ゲルマニウムが形成されて、薄膜光電変換装置の特性が向上するといえる。波数960±5cm-1の赤外吸収ピークの吸収係数が3500cm-1未満になると、結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットを含む単接合の薄膜光電変換装置の場合、短絡電流密度(Jsc)および波長1300nmの量子効率が急激に増加して改善し、Jscは30mA/cm2以上の高い値、量子効率は5%以上の値を示す。また、変換効率(Eff)が、吸収係数が3500cm-1以上では1%未満であるのに対して、吸収係数を3500cm-1未満にするとEffが急激に増加して、3%以上の高いEffを示す。また、波数935±5cm-1の赤外吸収ピークの吸収係数が3000cm-1未満になると、Effが3.5%を超えるのでより好ましい。波数935±5cm-1の赤外吸収ピークの吸収係数が1300cm-1未満になると、Effが4.5%を超えるのでより好ましい。理想的には、波数960±5cm-1の赤外吸収ピークの吸収係数の0cm-1であることが好ましい。ただし、赤外の吸収係数を下げるために、結晶質ゲルマニウム半導体を製膜時の温度が高すぎると、電極層(透明電極層または裏面電極層)や導電型層(p型層またはn型層)からの不純物の拡散の影響が出る場合があるので、製膜時の温度を考慮すると、波数960±5cm-1の赤外吸収ピークの吸収係数は10cm-1以上が好ましい。
赤外線の吸収スペクトルは、FTIR(Fourier Transform Infrared Spectroscopy)により測定することができる。また、ATR結晶を用いれば、ガラス基板や透明電極層、あるいは金属電極層上に製膜した結晶質ゲルマニウム膜の赤外線吸収スペクトルが得られる。あらかじめ結晶シリコン基板上の膜の透過スペクトルと、ATR結晶を用いたスペクトルの校正曲線を求めておけば、ATR結晶を用いて測定したスペクトルから、赤外線吸収係数を求めることができる。
結晶質ゲルマニウム光電変換層32はX線回折で測定した(220)ピークと(111)ピークの強度比が2以上であることが好ましい。(220)配向が強くなることによって、結晶質ゲルマニウムが基板に垂直方向に柱状の結晶を形成して、膜厚方向の結晶サイズが大きくなって、光電変換電流が流れやすくなって薄膜光電変換装置の特性が向上する。
ゲルマニウム光電変換層32は波長600nmの光に対する屈折率が4.0以上であることが望ましい。結晶質ゲルマニウム光電変換層の屈折率を増加すると、波長1300nmにおける量子効率(η@1300)、および短絡電流密度(Jsc)が増加し、屈折率が4.0以上になると、η@1300が5%以上に高くなり、1100nmまでの長波長光を発電に利用することができる。結晶質ゲルマニウム半導体は、波長600nm付近に屈折率が特徴的なピークを持つので、この波長の屈折率を用いると、膜特性の違いを感度よく判定することができる。
波長600nmの光に対する屈折率は、分光エリプソメトリーを用いることで測定することができる。光電変換装置と同一条件の結晶質ゲルマニウム半導体をガラスや結晶シリコンウエハに製膜して、分光エリプソメトリーによって、屈折率を測定できる。あるいは、光電変換装置をウェットエッチング、プラズマエッチングなどで裏面電極を除去して、分光エリプソメトリーで測定することができる。この場合、さらにエッチングして、最表面に結晶質ゲルマニウム半導体が露出した状態で測定することが、精度を向上させるために望ましい。
結晶質ゲルマニウム光電変換層は、反応ガスとしてたとえばGeH4、H2を用い、高周波プラズマCVD法で形成することが望ましい。このとき、H2/GeH4比を200〜5000の範囲にすることが望ましい。H2/GeH4比が200より小さいと結晶化率が低下して非晶質化して望ましくなく、逆にH2/GeH4比が5000より大きいと製膜速度が低下して生産性が低下する。良好な結晶性と工業的に許容できる製膜速度を得るためには、H2/GeH4比を500〜2000の範囲にすることが望ましい。
結晶質ゲルマニウム光電変換層を大面積に均一にプラズマCVD法で製膜するためには、2.45GHzなどのマイクロ波の周波数を用いるより、容量結合型平行平板電極を用い、10〜100MHzの周波数を用いることが望ましい。特に工業的に使用が認められている13.56MHz、27.12Mz、40MHzを用いることが好適である。高周波パワー密度は結晶化を促進するために200mW/cm2以上が望ましい。波数935±5cm-1の赤外吸収ピークの吸収係数を6000cm-1未満に容易にできるので、高周波パワー密度は550mW/cm2以上にすることがより望ましい。
結晶質ゲルマニウム光電変換層を製膜時の基板温度は、150℃以上250℃以下が望ましい。製膜時の粉の発生を抑制するために150℃以上にすることが望ましい。また、波数935±5cm-1の赤外吸収ピークの吸収係数を6000cm-1未満にするためいに、150℃以上にすることが望ましい。また、トップセル、ミドルセル、あるいは導電型層への熱ダメージを抑制するために、製膜温度は250℃以下が望ましい。
また、結晶質ゲルマニウム光電変換層を製膜時の圧力は40Pa以上2000Pa以下が良好な結晶性を持つために好ましい。また、200Pa以上1500Pa以下が大面積の均一性を向上するためにより好ましい。さらに、800Pa以上1330Pa以下が結晶性と高い製膜速度を両立する上でより好ましい。
裏面電極層6としては、Al、Ag、Au、Cu、PtおよびCrから選ばれる少なくとも一つの材料からなる少なくとも一層の金属層をスパッタ法または蒸着法により形成することが好ましい。また、光電変換ユニットと金属層との間に、ITO、SnO2、ZnO等の導電性酸化物からなる層を形成しても構わない(図示せず)。
図1では、前方光電変換ユニットの逆導電型層が接合界面層を含み、n型微結晶シリコン層/n型の接合界面層の順に積層した構造を示したが、n型の接合界面層/n型微結晶シリコン層の順で積層しても良いし、n型微結晶シリコン層/n型の接合界面層/n型微結晶シリコン層と3つの層を積層しても良い。あるいは前方光電変換ユニットの逆導電型層を全て接合界面層で構成しても良い。
あるいは、結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットの一導電型層に接合界面層を含んでも良い。この場合、例えば、p型の接合界面層/p型微結晶シリコン層の順に積層した構造でも良いし、p型微結晶シリコン層/p型の接合界面層の順に積層した構造でも良いし、p型微結晶シリコン層/p型の接合界面層/p型微結晶シリコン層と3つの層を積層しても良い。あるいはp型の接合界面層だけで結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットの一導電型層を構成しても良い。
ただし、同じ酸素濃度あるいは炭素濃度あるいは窒素濃度で比べた場合、n型の接合界面層のほうが、p型の接合界面層より暗導電率が高い、あるいは結晶相を含ませやすいので、望ましい。したがって、基板側から光を入射する構造の積層型薄膜光電変換装置の場合、結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットに隣接する前方光電変換ユニットの逆導電型層の一部にn型の接合界面層を含むことが望ましい。
なお、図1では3接合の薄膜光電変換装置を示したが、結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットを光入射側から最も遠い光電変換ユニットに配置すれば、2接合あるいは4接合以上の光電変換ユニットが積層された薄膜光電変換装置であってもよいことは言うまでもない。
また、図1では基板側から光を入射する薄膜光電変換装置を示したが、基板と反対側から光を入射する薄膜光電変換装置においても、本発明が有効であることは言うまでもない。基板と反対側から光を入射する場合、例えば、基板、裏面電極層、結晶質ゲルマニウム光電変換ユニット、前方光電変換ユニット、最前方光電変換ユニット、透明電極層の順に積層すればよい。この場合、結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットは、n型層、結晶質ゲルマニウム光電変換層、p型層の順に積層することが好ましく、前方光電変換ユニットは、n型の接合界面層を含むn型層、光電変換層、p型層の順に積層することが望ましい。
本発明はレーザーパターニングを用いて同一の基板上に直列接続構造を形成した集積型薄膜光電変換装置においても有効であることは言うまでもない。集積型薄膜光電変換装置の場合、レーザーパターニングが容易にできるので図1に示すように基板側から光入射する構造が望ましい。
以下、本発明による実施例と、従来技術による比較例に基づいて詳細に説明する。各図において同様の部材には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。また、本発明はその趣旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1として、図1に示す構造の3接合の積層型薄膜光電変換装置100を作製した。透明基板1は、厚さ0.7mmのガラス基板を用いた。透明基板1の上に、微小なピラミッド状の表面凹凸を含みかつ平均厚さ700nmのSnO2膜が熱CVD法にて透明電極層2を作製した。得られた透明電極層2のシート抵抗は約9Ω/□であった。またC光源で測定したヘイズ率は12%であり、表面凹凸の平均高低差dは約100nmであった。ヘイズ率はJISK7136に基づき測定した。
この透明電極層2の上に、13.56MHzの周波数の平行平板電極を備えた容量結合型の高周波プラズマCVD装置を用いて、最前方光電変換ユニットとして非晶質シリコン光電変換ユニット3、前方光電変換ユニットとして結晶質シリコン光電変換ユニット4、結晶質ゲルマニウム光電変換ユニット5を順次作製した。
非晶質シリコン光電変換ユニット3は、反応ガスとしてSiH4、H2、CH4及びB26を導入し一導電型層としてp型非晶質炭化シリコン層31を15nm形成後、反応ガスとしてSiH4を導入し非晶質シリコン光電変換層32を80nm形成し、その後反応ガスとしてSiH4、H2及びPH3を導入し逆導電型層としてn型微結晶シリコン層33を20nm形成することで作製した。
次に、結晶質シリコン光電変換ユニット4を作製した。反応ガスとしてSiH4、H2及びB26を導入し一導電型層としてp型微結晶シリコン層41を10nm形成後、反応ガスとしてSiH4とH2を導入し結晶質シリコン光電変換層42を1.5μm形成した。その後、反応ガスとしてSiH4、H2及びPH3を導入しn型微結晶シリコン層431を10nm形成し、つづいて、SiH4、H2、CO2及び、PH3を導入して酸素およびシリコンを含有するn型の接合界面層(SiOx層)71を60nm形成することで、逆導電型層であるn型層43を作製した。
n型のSiOx層71を製膜時のガスの流量比はSiH4/CO2/PH3/H2=1/3/0.02/200である。電源周波数は13.56MHz、パワー密度300mW/cm2、圧力200Pa、基板温度200℃で製膜した。このときn型のSiOx層71は、膜中酸素濃度が33原子%、600nmの光に対する屈折率は2.2、1000nmの光に対する屈折率は2.1、ラマン散乱で測定した非晶質シリコン成分のTOモードピークに対する結晶シリコン成分のTOモードピークのピーク強度比は1.1、暗導電率は3.1×10-6S/cmであった。
ラマン散乱ピーク強度比および暗導電率は、積層型薄膜光電変換装置のn型SiOx層71と製膜時間を長くしたことを除いて同じ条件で、ガラス基板上にn型SiOx層を200nm作製して測定した。また、暗導電率はガラス基板上のn型SiOx層に、Alのコプラナー型電極を作製して、電圧電流特性から求めた。膜中酸素濃度は光電子分光法(XPS)により測定した。
ラマン散乱ピーク強度比は波長532nmのレーザーを用いた顕微ラマン装置を用いて測定した。図2に実施例1のラマン散乱スペクトルを示す。波数480cm-1付近にブロードなピークをもつ非晶質シリコン成分のTOモードピークと、波数520cm−1付近に鋭いピークをもつ結晶シリコン成分のTOモードピークが観察され、接合界面層71が結晶シリコン相を含むことがわかる。接合界面層71の結晶シリコン成分のTOモードピークのピーク波数を詳細に見ると518.5cm-1で、単結晶シリコンの場合の520.5cm-1より2cm-1小さくなっている。ラマン散乱ピークが低波数側にずれる理由の一つとして、結晶シリコン相に引っ張り応力がある場合が良く知られている。この場合、結晶シリコン相の格子間隔は広がる。また、結晶SiO2に起因する波数204〜215cm-1のラマン散乱ピークは観察されなかった。
結晶質シリコン光電変換ユニット4につづいて、結晶質ゲルマニウム光電変換ユニット5を作製した。反応ガスとしてSiH4、H2及びB26を導入し一導電型層としてp型微結晶シリコン層31を10nm形成後、反応ガスとしてGeH4、H2を導入し結晶質ゲルマニウム光電変換層32を2.0μm形成した。このとき、H2/GeH4の流量比は2000倍とし、基板温度200℃、圧力700Pa、高周波パワー密度600mW/cm2とした。電極間隔(ES)は12mmとした。その後反応ガスとしてSiH4、H2及びPH3を導入し逆導電型層としてn型微結晶シリコン層53を30nm形成することで結晶質ゲルマニウム光電変換ユニット3を形成した。
ガラス基板上に上記と同一の条件で結晶質ゲルマニウム層を形成し、透過スペクトルおよび反射スペクトルから測定した波長1300nmにおける吸収係数は9200cm-1であり、長波長光に対する高い吸収係数を示した。また、θ―2θ法で測定したX線回折スペクトルは、(111)、(220)、(311)配向の鋭いピークが観察され、結晶化していることがわかる。また、(220)ピーク強度が最も強く、(220)/(111)のピーク強度比は12を示した。(220)ピークの半値幅から求めた結晶粒径は57nmであった。ラマン散乱スペクトルを測定したところ、300cm-1付近に結晶Ge−Ge結合のTOモードの鋭いピークが観察され、結晶化していることがわかった。また、ホール効果測定を行ったところ、結晶質ゲルマニウム層は弱n型を示し、キャリア密度が1.7×1016cm-3、移動度が3.2cm2/(V・s)であった。分光エリプソメトリーで測定した波長600nmの光に対する屈折率は5.2であった。
結晶シリコン基板上に上記の結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットと同一の条件で結晶質ゲルマニウム層を形成し、FTIRにより測定した赤外線吸収スペクトルは、560cm-1、755cm-1、860cm-1、935cm-1、960cm-1に吸収のピークまたはショルダーが認められる。560cm-1はGe−H結合、860cm-1は(Ge−O−Ge)n結合に由来する。755cm-1、935cm-1、960cm-1の吸収ピークは同定されていない。935cm-1、960cm-1の吸収ピークそれぞれの吸収係数は4350cm-1、1830cm-1であった。
その後、裏面電極層6として、厚さ30nmのAlドープされたZnO膜と厚さ300nmのAg膜がスパッタ法にて順次形成された。
裏面電極層6形成後、レーザースクライブ法によりSnO2膜2の上に形成された膜を部分的に除去して、1cm2のサイズに分離を行い、単接合の薄膜光電変換装置7(受光面積1cm2)を作製した。
以上のようにして得られた単接合の薄膜光電変換装置100(受光面積1cm2)にAM1.5の光を100mW/cm2の光量で照射して出力特性を測定したところ、表1の実施例1に示すように、開放電圧(Voc)が1.71V、短絡電流密度(Jsc)が11.37mA/cm2、曲線因子(FF)が0.68、そして変換効率(Eff)が13.2%であった。また、波長1300nmにおける量子効率は10.5%であった。
Figure 2011176164
(比較例1)
比較例1として図5に示す構造の3接合の積層型薄膜光電変換装置101を作製した。比較例1は、図1の界面接合層71が無いこと、結晶質シリコン光電変換ユニットのn型層43の膜厚を30nmとしたことを除いて、実施例1と同様の構造で同様に作製した。
表1に示すように、比較例1の光電変換装置の出力特性を実施例1と同様に測定したところ、Voc=1.29V、Jsc=7.30mA/cm2、FF=0.53、Eff=4.99%であった。また、波長1300nmにおける量子効率は0.8%であった。比較例1に比べて、実施例1はすべてのパラメータで向上し、Effが大幅に向上した。
(実施例2)
実施例2として図3に示す構造の3接合の積層型薄膜光電変換装置を作製した。実施例2は、結晶質シリコン光電変換ユニット4のn型層43として、厚さ60nmの界面接合層72、厚さ10nmのn型微結晶シリコン層432を透明基板1に近い側から順に配置したことを除いて、実施例1と同様の構造で同様に作製した。
表1に示すように、実施例2の光電変換装置の出力特性を実施例1と同様に測定したところ、Voc=1.70V、Jsc=11.12mA/cm2、FF=0.69、Eff=13.0%であった。また、波長1300nmにおける量子効率は10.4%であった。比較例1に比べて、実施例2はすべてのパラメータで向上し、Effが大幅に向上した。実施例2でも比較例1に比べてEffが向上したことから、前方光電変換ユニットである結晶質シリコン光電変換ユニットのn型層43を、基板に近い側からn型微結晶シリコン層/n型の接合界面層の順に配置しても良いし、n型の接合界面層/n型微結晶シリコン層の順に配置しても良いことがわかる。
(実施例3)
実施例3として、図4に示す構造の3接合の積層型薄膜光電変換装置を作製した。実施例3は、結晶質シリコン光電変換ユニット4のn型層43として、厚さ30nmのn型微結晶シリコン層43を用いたこと、および結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットのp型層51として、厚さ60nmのp型のSiOx層である接合界面層73、厚さ10nmのp型微結晶シリコン511をガラス基板1に近い側から順に配置したことを除いて、実施例1と同様の構造で同様に作製した。
p型のシリコンおよび酸素を含有する接合界面層73は、製膜時のガスの流量比SiH4/CO2/B26/H2=1/2.5/0.01/200、電源周波数は13.56MHz、パワー密度300mW/cm2、圧力200Pa、基板温度200℃で製膜した。このときp型のSiOx層73は、膜中酸素濃度が26原子%、600nmの光に対する屈折率は2.45、1000nmに対する屈折率は2.30、ラマン散乱で測定した非晶質シリコン成分のTOモードピークに対する結晶シリコン成分のTOモードピークのピーク強度比は1.0、暗導電率は4.7×10-7S/cmであった。
表1に示すように、実施例3の光電変換装置の出力特性を実施例1と同様に測定したところ、Voc=1.69V、Jsc=11.08mA/cm2、FF=0.67、Eff=12.5%であった。また、波長1300nmにおける量子効率は10.2%であった。比較例1に比べて、実施例3はすべてのパラメータで向上し、Effが向上した。実施例3は、実施例1、2に比べて、VocとFFがやや低くなっているが、これはp型の接合界面層の暗導電率が、n型の接合界面層の暗導電率より低いためといえる。
(実施例4)
実施例4として、図1に示す実施例1に類似の3接合の積層型薄膜光電変換装置を作製した。実施例4は、結晶質シリコン光電変換ユニット4の接合界面層71として、シリコンと炭素を含有するn型のSiCx層を用いたことを除いて、実施例1と同様の構造で同様に作製した。
n型のSiCx層を製膜時のガスの流量比はSiH4/CH4/PH3/H2=1/0.3/0.02/200である。電源周波数は13.56MHz、パワー密度300mW/cm2、圧力200Pa、基板温度200℃で製膜した。このときn型のSiCx層は、膜中炭素濃度が2.8原子%、600nmの光に対する屈折率は3.5、1000nmの光に対する屈折率は3.3、暗導電率は4.3×10-7S/cmであった。ラマン散乱で測定した非晶質シリコン成分のTOモードピークに対する結晶シリコン成分のTOモードピークのピーク強度比は0.82、結晶シリコン成分のTOモードピークの波数は519.0cm-1であった。また、結晶SiCに起因する波数766cm-1、788cm-1、796.5cm-1のラマン散乱ピークは観察されなかった。
表1に示すように、実施例4の光電変換装置の出力特性を実施例1と同様に測定したところ、Voc=1.63V、Jsc=10.88mA/cm2、FF=0.64、Eff=11.4%であった。また、波長1300nmにおける量子効率は8.9%であった。比較例1に比べて、実施例4はすべてのパラメータで向上し、Effが向上した。単結晶SiCは単結晶Siより格子間隔が狭いので、SiCxの界面層中のシリコン結晶相の格子間隔が狭くなることも予想されたが、膜中C濃度が低いこと、結晶シリコン相が非晶質SiCx中に分散していることから、接合界面層の結晶シリコン相の格子間隔が広くなって積層型薄膜光電変換装置のFFが向上したと考えられる。ただし、実施例4は実施例1に比べてVoc、FFが低いことによって、Effが低くなっており、接合界面層としてはSiOx層が、SiCx層より好ましいといえる。
(実施例5)
実施例5として、図1に示す実施例1に類似の3接合の積層型薄膜光電変換装置を作製した。実施例5は、結晶質シリコン光電変換ユニット4の接合界面層71として、シリコンと窒素を含有するn型のSiNx層を用いたことを除いて、実施例1と同様の構造で同様に作製した。
n型のSiNx層を製膜時のガスの流量比はSiH4/NH3/PH3/H2=1/0.05/0.02/200である。電源周波数は13.56MHz、パワー密度300mW/cm2、圧力200Pa、基板温度200℃で製膜した。このときn型のSiNx層は、膜中窒素濃度が6.7原子%、600nmの光に対する屈折率は3.4、1000nmの光に対する屈折率は3.1、暗導電率は1.5×10-7S/cmであった。ラマン散乱で測定した非晶質シリコン成分のTOモードピークに対する結晶シリコン成分のTOモードピークのピーク強度比は0.72、結晶シリコン成分のTOモードピークの波数は516.0cm-1であった。また、結晶Si34に起因する波数200〜205cm-1のラマン散乱ピークは観察されなかった。
表1に示すように、実施例5の光電変換装置の出力特性を実施例1と同様に測定したところ、Voc=1.68V、Jsc=10.75mA/cm2、FF=0.65、Eff=11.7%であった。また、波長1300nmにおける量子効率は9.7%であった。比較例1に比べて、実施例5はすべてのパラメータで向上し、Effが向上した。単結晶Si34は単結晶Siより格子間隔が広いので、SiNx層の接合界面層もSiOx層と同様に、FF、Effが向上したと考えられる。ただし、SiNx層の暗導電率はSiOx層より低いので、SiOx層のほうがSiNx層よりもFFが高く好ましいといえる。実施例1、4、5から、SiOx層、SiCx層、SiNx層の順に好ましいといえる。
(実施例6)
実施例6として、図1に示す実施例1に類似の3接合の積層型薄膜光電変換装置を作製した。実施例6は、接合界面層71の製膜時のガス流量比をSiH4/CO2を1/2.5に変更したことを除いて、実施例1と同様の構造で同様に作製した。
n型のSiOx層の接合界面層71は、膜中酸素濃度が30原子%、600nmの光に対する屈折率は2.53、1000nmに対する屈折率は2.35であった。
表1に示すように、実施例6の光電変換装置の出力特性を実施例1と同様に測定したところ、Voc=1.72V、Jsc=11.63mA/cm2、FF=0.70、Eff=14.0%であった。また、波長1300nmにおける量子効率は11.3%であった。
(実施例7)
実施例7として、図1に示す実施例1に類似の3接合の積層型薄膜光電変換装置を作製した。実施例7は、接合界面層71の製膜時のガス流量比をSiH4/CO2を1/2としたことを除いて、実施例1と同様の構造で同様に作製した。
n型のSiOx層の接合界面層71は、膜中酸素濃度が26原子%、600nmの光に対する屈折率は2.8、1000nmに対する屈折率は2.6であった。
表1に示すように、実施例7の光電変換装置の出力特性を実施例1と同様に測定したところ、Voc=1.71V、Jsc=11.89mA/cm2、FF=0.71、Eff=14.4%であった。また、波長1300nmにおける量子効率は12.4%であった。
(実施例8)
実施例8として、図1に示す実施例1に類似の3接合の積層型薄膜光電変換装置を作製した。実施例8は、接合界面層71の製膜時のガス流量比をSiH4/CO2を1/1.5としたことを除いて、実施例1と同様の構造で同様に作製した。
n型のSiOx層の接合界面層71は、膜中酸素濃度が18原子%、600nmの光に対する屈折率は3.3、1000nmに対する屈折率は3.0であった。
表1に示すように、実施例8の光電変換装置の出力特性を実施例1と同様に測定したところ、Voc=1.64V、Jsc=11.45mA/cm2、FF=0.66、Eff=12.4%であった。また、波長1300nmにおける量子効率は11.6%であった。
(比較例2)
比較例2として、図6に示す2接合の積層型薄膜光電変換装置102を作製した。比較例2は、実施例1の結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットがないこと、非晶質シリコン光電変換層32の厚さを300nmとしたこと、結晶質シリコン光電変換層の膜厚を2.5umとしたことを除いて、実施例1と同様の構造で同様に作製した。
表1に示すように、比較例2の光電変換装置の出力特性を実施例1と同様に測定したところ、Voc=1.36V、Jsc=11.13mA/cm2、FF=0.74、Eff=11.20%であった。また、波長1300nmにおける量子効率は0%であった。
(実施例1、6、7、8、比較例2のまとめ)
図7に、実施例1、6、7、8の接合界面層の波長1000nmの光の屈折率に対する、積層型薄膜光電変換装置のEffを示す。参考のために比較例2のEffも破線で示す。実施例1,6、7、8は、比較例2のEffより高くなっている。Effは接合界面層の1000nmの屈折率に対して極大値をもつ。接合界面層の1000nmの光に対する屈折率は、Effが13%以上の高い値を示すので、2.1以上3.0以下が望ましい。また、Effが14%以上のさらに高い値を示すので、2.35以上2.7以下がより望ましい。
(実施例1、9〜13)
実施例9〜13として、図1に示す実施例1に類似の3接合の積層型薄膜光電変換装置を作製した。実施例9〜13は、接合界面層71の製膜時のガス流量比をSiH4/H2を変更したことを除いて、実施例1と同様の構造で同様に作製した。
図8にn型のSiOx層の接合界面層71は、ラマン散乱の520cm-1付近の結晶シリコン成分のTOモードのピーク強度(Ic)と、480cm-1付近の非晶質シリコン成分のTOモードのピーク強度(Ia)との比(Ic/Ia)に対するEffを示す。参考のために比較例2のEffも破線で示す。
図8に示すように 実施例1、9〜13は、比較例2のEffより高くなっている。また、Effは接合界面層のIc/Iaに対して極大値をもつ。接合界面層の1000nmの光に対する屈折率は、比較例2よりEffが高くなって12%以上のEffを示すので、0.5以上4.0以下が望ましく、Effが13%以上の高い値を示すので、1以上3以下がさらに望ましい。
1 透明基板
2 透明電極層
3 非晶質シリコン光電変換ユニット
31 p型非晶質炭化シリコン層
32 実質的に真性な非晶質シリコン光電変換層
33 n型微結晶シリコン層
4 結晶質シリコン光電変換ユニット
41 p型微結晶シリコン層
42 実質的に真性な結晶質シリコン層の光電変換層
43 n型層
431 n型微結晶シリコン層
432 n型微結晶シリコン層
433 n型微結晶シリコン層
5 結晶質ゲルマニウム光電変換ユニット
51 p型微結晶シリコン層
52 結晶質ゲルマニウム光電変換層
53 n型微結晶シリコン層
71 接合界面層
72 接合界面層
73 接合界面層
100 積層型薄膜光電変換装置
101 3接合の積層型薄膜光電変換装置
102 2接合の積層型薄膜光電変換装置

Claims (7)

  1. 光入射側から透明電極層、一導電型層と実質的に真性半導体の光電変換層と逆導電型層を含む光電変換ユニットを複数組、および裏面電極層を含む積層型薄膜光電変換装置において、
    相対的に光入射側から最も遠くに配置された光電変換ユニットが、光電変換層に真性または弱n形の結晶質ゲルマニウム半導体を含む結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットであり、
    結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットの光入射側に隣接して配置された前方光電変換ユニット内の前記逆導電型層と、結晶質ゲルマニウム光電変換ユニット内の前記一導電型層とのうちの少なくとも一方が少なくともその一部に接合界面層を含み、
    前記接合界面層は、酸素、炭素、窒素からなる群から選ばれる1以上の元素と、シリコンを含むことを特徴とする積層型薄膜光電変換装置。
  2. 請求項1に記載の積層型薄膜光電変換装置において、前記接合界面層は、酸素、炭素、窒素からなる群から選ばれる1以上の元素とシリコンからなる非晶質合金母相中に分散したシリコン結晶相を含むことを特徴とする積層型薄膜光電変換装置。
  3. 請求項1または2に記載の積層型薄膜光電変換装置において、前記接合界面層は、酸素とシリコンからなる非晶質合金母相中に分散したシリコン結晶相を含むことを特徴とする積層型薄膜光電変換装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の積層型薄膜光電変換装置において、光入射側から順に光電変換層に実質的に真性な非晶質シリコン半導体を含む非晶質シリコン光電変換ユニット、光電変換層に実質的に真性な結晶質シリコン半導体を含む結晶質シリコン光電変換ユニット、結晶質ゲルマニウム光電変換ユニットを配置し、
    結晶質シリコン光電変換ユニット内の前記逆導電型層と、結晶質ゲルマニウム光電変換ユニット内の前記一導電型層とのうちの少なくとも一方が少なくともその一部に接合界面層を含み、
    前記接合界面層は、酸素、炭素、窒素からなる群から選ばれる1以上の元素と、シリコンを含むことを特徴とする積層型薄膜光電変換装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の積層型薄膜光電変換装置において、前記接合界面層は、暗導電率が10-7S/cm以上、10-1S/cm以下であることを特徴とする積層型薄膜光電変換装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の積層型薄膜光電変換装置において、前記接合界面層は、ラマン散乱で測定した非晶質成分に由来するピークに対する結晶シリコン成分のTOモードピークのピーク強度比が0.5以上4以下であることを特徴とする積層型薄膜光電変換装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の積層型薄膜光電変換装置において、前記接合界面層は、1000nmの波長の光に対する屈折率が2.1以上3.0以下であることを特徴とする積層型薄膜光電変換装置。
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