JP2011173820A - 炭酸エステルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 炭酸エステルを分離する際に、エントレーナとして採用するアセトンの量を好適に制御することを可能とした炭酸エステルの製造方法を提供する。
【解決手段】 ケトンとアルコールとを反応させ、ケタールを得た後、該ケタールと二酸化炭素とを反応させて炭酸エステルを製造することを含む炭酸エステルの製造方法であって、ケタール生成反応における未反応のケトンをエントレーナとして、炭酸エステルを分離する際、ケトンとアルコールが共沸点組成を構成するように、蒸留塔へ供給する原料の組成を調整した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、炭酸エステルの製造方法に関する。
従来、ガソリンの燃焼性を向上させるガソリン添加剤、いわゆるオクタンブースターとしては、MTBE(Methyl Tertiary Butylether)が用いられていたが、その有害性等を理由に、米国では使用を規制する方向にある。
このようなMTBEの代替物質として、また、エンジニアリングプラスチックであるポリカーボネートの原料、あるいはカルボニル化剤、燃料電池用の原料等として用いることができる化合物として、DMC(Dimethyl Carbonate:以下、炭酸ジメチルともいう)等の炭酸エステルが注目されている。
ここで、炭酸ジメチルについて言及すると、炭酸ジメチルは、通常メタノール又はメタノール誘導体を原料として製造される。そのため、生成物中には原料であるメタノールと炭酸ジメチルが混合物として存在する。これらを分離しようとしても、メタノールと炭酸ジメチルはメタノール濃度80mol%で共沸するため、通常の蒸留塔では分離が不可能である。
このために、メタノールと炭酸ジメチルを分離する方法としては従来、i)共沸蒸留による方法、ii)加圧蒸留による方法、iii)抽出蒸留による方法等が知られている。
加圧蒸留による方法は,蒸留時の操作圧力を高くすることにより、共沸を回避する方法である。しかし、この方法は、設備費が多大となり,実プラントで使用は困難である。
また、抽出溶媒を使用した抽出蒸留による方法として、特開平6−16596号公報(特許文献1)、特開平9−20727号公報(特許文献2)に係るものが知られている。
特許文献1に係るものは、有機溶剤を抽出溶媒として加え,抽出蒸留を行っている。また、特許文献2に係るものは、炭酸ジメチルの合成過程で副生する蓚酸ジメチルを抽出溶媒として利用することとしている。
しかし、特許文献1で挙げている有機溶剤を抽出蒸留の抽出溶剤として用いる際は,炭酸ジメチルの合成そのものとは別のプラントでその試薬を生産する必要がある。また、特許文献2の方法は、炭酸ジメチルの収率そのものが悪くなるという欠点があった。
また、共沸蒸留を用いるものとして、特公昭62−8091号公報(特許文献3)に係るベンゼンをメタノールとの共沸物形成剤として用いている方法がある。しかし、この方法では、メタノールとベンゼンの分離をするプロセスを新たに設置する必要が生じる。
そこで、本発明者らは、他プラントで用意したエントレーナを供給することなく、メタノール等のアルコールと炭酸ジメチル等の炭酸エステルとを分離することができるようにした炭酸エステルの製造装置及びアルコールと炭酸エステルの分離方法を開発した[特願2007−258503(特許文献4: 特開2009−84237)]。
しかしながら、この技術においても、エントレーナとして採用するアセトンの量と、炭酸エステルと共沸を起こすメタノールの量を好適に制御する手法の開発が望まれていた。
特開平6−16596号公報 特開平9−20727号公報 特公昭62−8091号公報
本発明は、上記のような要請に応えるべくなされたものであり、炭酸エステルを分離する際に、エントレーナとして採用するアセトンの量と、炭酸エステルと共沸を起こすメタノールの量を好適に制御することを可能とした炭酸エステルの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ケトンとアルコールとを反応させ、ケタールを得た後、該ケタールと二酸化炭素とを反応させて炭酸エステルを製造することを含む炭酸エステルの製造方法であって、炭酸エステルを分離する蒸留塔において、ケタール生成反応における未反応のケトンをエントレーナとして、炭酸エステルを分離する際、ケトンとアルコールが共沸点組成を構成するように、蒸留塔へ供給する原料の組成を調整したことを特徴とする。
さらに、本発明はその実施の形態において、ケトンとアルコールとを反応させ、ケタールを得た後、該ケタールと二酸化炭素とを反応させて炭酸エステルを製造することを含む炭酸エステルの製造方法であって、ケタールを分離する蒸留塔において、ケタール生成反応における未反応のケトンをエントレーナとして、ケタールを分離する際、ケトンとアルコールとが共沸点組成を構成するように蒸留塔へ供給する原料の組成を調整したことを特徴とする。
本発明において、ケタールは、アセトンジメチルアセタールであることが好ましい。このとき、アルコールは、メタノールであり、ケトンは、アセトンである。
本発明によれば、炭酸エステルを分離する際に、エントレーナとして採用するアセトンと、炭酸エステルと共沸を起こすメタノールの量を好適に制御することを可能とした炭酸エステルの製造方法が提供される。
本発明に関し、メタノールと炭酸ジメチルの分離方法を実施する炭酸ジメチルの製造システムの一実施の形態を説明する概念図である。 炭酸ジメチル:メタノール:アセトンの存在比について、最適値を説明するグラフである。 アセトンジメチルアセタール:メタノール:アセトンの存在比について、最適値を説明するグラフである。 本発明に関し、メタノールと炭酸ジメチルの分離方法を実施する炭酸ジメチルの製造システムの他の実施の形態を説明する概念図である。
以下に、本発明に係る炭酸エステルの製造方法について、アルコールをメタノールとし、炭酸エステルを炭酸ジメチルとしたものに関し、実施の形態を参照しながらさらに詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る炭酸エステルの製造方法を実施する炭酸ジメチルの製造システム10について、一実施の形態を説明する図である。
この図1に示すように、炭酸ジメチルの製造システム10は、反応器20、CO2ストリッパ30、脱ガス塔40、DMC(炭酸ジメチル)精製塔50、ADA(アセトンジメチルアセタール)回収塔60、ADA(アセトンジメチルアセタール)生成器70、脱水塔80、油水分離器81を備えている。
反応器20には、例えば10〜30MPaという、常圧より高い圧力にコンプレサ21によって加圧された高圧状態の液体二酸化炭素と、同様に高圧状態のアセトンジメチルアセタールがライン22を介して事前に合流して混合され、導入される。
反応器20では、常圧より高い所定の圧力(第一の圧力)、例えば10〜30MPaの圧力下において、アセトンジメチルアセタールに、所定の触媒下で、反応溶媒としてメタノールを使用し、CO2を反応させる。このような触媒による反応で、反応器20では、炭酸ジメチル(化合物)が生成(合成)され、また副生物として、アセトンが生成される。
このような触媒としては、例えば、ジブチル錫触媒を用いることができる。しかし、ジブチル錫触媒は毒性が強く、比較的高価であり、反応条件も厳しいため、工業的に有利とは言えない。そこで、触媒としては、固体酸点を有する化合物からなる担体に、強酸を担持させてなるものを用いるのが好ましい。
このとき、固体酸点を有する化合物とは、種々の固体、特には金属の酸化物(Al23、V25等)、硫化物(ZnS等)、硫酸塩(NiSO4、CuSO4等)、リン酸塩(AlPO4、Tiリン酸塩等)、塩化物(AlCl3、CuCl2等)、粘土鉱質、ゼオライト等をいい、固体酸が酸塩基触媒作用を行うものをいう。本実施形態においては、特に、ZrO2、Al23、TiO2を用いることが好ましい。
また、担持させる強酸としては、SO4 2-又はPO4 3-を用いることが好ましい。しかし、これ以外にも強酸であれば、上記担体に担持させることができる。SO4 2-又はPO4 3-としては、H2SO4、H3PO4、(NH42SO4、(NH43PO4由来のものを用いることができる。
反応器20から排出された炭酸ジメチルとアセトンの混合物は、高圧状態のまま、CO2ストリッパ30に送り込まれる。このとき、反応器20で未反応のアセトンジメチルアセタール及び二酸化炭素が混在している。また、アセトンジメチルアセタールは、後述するように、メタノール及びアセトンを反応させて製造される。そのため、上記混合物中には、メタノール及びアセトンも含まれている。
CO2ストリッパ30では、常圧より高く、かつ反応器20で反応を行う圧力より低い所定の圧力(第二の圧力)、例えば4MPaの圧力下で、二酸化炭素を、混合物から分離する。
このようなCO2ストリッパ30は、液体を加熱する熱源を備えている。
CO2ストリッパは、いわゆる棚段方式又は充填物方式の蒸留塔と同様の構成を有するもので、高圧下で炭酸ジメチル、アセトン、アセトンジメチルアセタール、メタノール、二酸化炭素等の混合物を焚き上げることで、ガス成分である二酸化炭素だけが上昇する。そして、所定の圧力、例えば4MPaの圧力で、二酸化炭素だけを分離し、CO2ストリッパ30の上部から排出し、他の成分を液の状態のまま底部から排出して脱ガス塔40に送る。
なお、CO2ストリッパに代替してフラッシュタンクを用いることもできる。フラッシュタンクは、熱源を持たず、高圧の液体を減圧することにより、蒸発させ、低圧の蒸気と低圧の凝縮液に分離する装置であり、COストリッパと同様、二酸化炭素を分離し、炭酸ジメチル及びアセトン等を液の状態のまま脱ガス塔40に送る。
また、上記COストリッパでは、上部から排出されるCOガスには、他の軽質ガス(アセトン等)も微量に随伴されることがある。
脱ガス塔40は、常圧より高く、COストリッパより低い所定の圧力、例えば0.5MPaの圧力下で、底部を加熱し、130℃付近とし、軽質ガスを塔頂から排出する。軽質ガスにはCOが多く含まれることから、軽質ガスの一部を原料として、反応器20へ循環させることもできる。他のアセトンジメチルアセタール、アセトン、炭酸ジメチル及びメタノールを含む混合物は、液または気液混相の状態でDMC精製塔50に送られる。
DMC精製塔50には、いわゆる棚段方式又は充填物方式の蒸留塔を採用することができる。DMC精製塔50では、上記混合液を導入すると、塔底の混合液をリボイラで加熱し、DMC精製塔50に戻す。これにより、DMC精製塔50内の混合物のうち沸点の低い物質から蒸発し、塔内を上昇する。DMC精製塔50に新たに導入されて塔内を落下する混合液と、上昇する蒸気とが気液接触する。
加熱操作によって、DMC精製塔50の上部側では、混合液のうち沸点の低い物質であるアセトンジメチルアセタール、アセトン、及びメタノールの濃度が高くなり、下部側では沸点の高い物質である炭酸ジメチルの濃度が高くなるという濃度分布が生じる。そして、DMC精製塔50の上部から、アセトンジメチルアセタール、アセトン、及びメタノールの蒸気を排出し、排出された蒸気を、冷却器(コンデンサ)で凝縮させることで、これらを液体の状態とする。一方、DMC精製塔50の下部から、炭酸ジメチルを液体の状態で回収することができる。
このDMC精製塔50では、他で用意したエントレーナを加えることなく、炭酸ジメチルを100wt%又はそれに近い濃度で取り出すことができ、かつ排出される蒸気中にも炭酸ジメチルが残留しないようにすることができる。これは、未反応分であるアセトンがエントレーナの役割を果たすためである。これは、本発明の特徴部分であり、本発明では、この実施の形態のように、アセトンの分離工程を経ることなく炭酸ジメチルを分離することとしている。
なお、本明細書中及び特許請求の範囲の記載で、分離操作というときは、単離操作も含む概念である。
本実施の形態では、DMC精製塔50の塔頂で取り出されるアセトンとメタノールとが共沸点組成を構成するように制御する。共沸点組成とは、アセトンと、メタノールとの共沸点における組成、又はその近傍である(近傍とする範囲は、共沸点組成に対し±3mol%)。具体的には、DMC精製塔50の頂部で、メタノール:アセトンの混合比(モル比)が0.2:0.8である。
ここで、炭酸ジメチルと、メタノールにも共沸点がある。これを考慮すると、メタノール:炭酸ジメチルの存在比(モル比)は、0.8:0.2である。以上のことを、図2に示す三角図で表す。蒸留塔(DMC精製塔50)へ導入される組成比が、炭酸ジメチルとメタノールの共沸組成であった場合、この三角図に示されるように、炭酸ジメチル:メタノール:アセトンの存在比(モル比)が、0.05:0.19:0.76が蒸留塔へ導入するのに最適な存在割合となる。最適な存在割合は、その近傍も含む。(近傍とする範囲は、組成に対し±3mol%)なお、図2で、DMCは、炭酸ジメチル、MeOHは、メタノール、Acetoneは、アセトンを示す。
また、蒸留塔へ導入される組成が、炭酸ジメチルとメタノールの共沸組成比でなかった場合も、この三角図における炭酸ジメチルとメタノール組成を変更することにより、2つのラインの交点から、蒸留塔へ導入する炭酸ジメチル:メタノール:アセトンの最適な組成の割合を求めることができる。
以上のような存在比とするために、次の方法でDMC精製塔へ供給するメタノールとアセトンの量を調整することができる。
(1)DMCを合成する反応器20において、反応条件、原料組成を適正化することにより、副生するアセトン量を制御する。
(2)DMCを合成する反応器20へADA混合物を送る油水分離器81において、温度調整と供給水の調整を行うことにより、ADA混合物中のメタノールとアセトンの量を調整する。(詳細は後述する)
(3)脱ガス塔40の圧力調整と温度調整を行うことによって、脱ガス塔40の頂点から排出される軽質ガス(アセトン・メタノール)の量を調整する。
(4)アセトンが不足する場合には、別途導入することによって補うことができる。例えば、アセトンを多く含むガスとしては、脱ガス塔40の塔頂から排出される軽質ガス中のアセトンや脱水塔80の塔頂から排出されるリサイクルガス中のアセトンを利用することができる。
DMC精製塔50の塔頂で取り出される生成物がアセトンとメタノールの共沸点組成を構成するように制御することにより、DMC精製塔50のリボイラ負荷を軽減することができる。また、塔底から取り出される炭酸ジメチルの純度も向上し、塔頂から取り出されるガス中の炭酸ジメチル濃度をゼロに近い値まで希釈することができる。
そして、冷却器で冷却して得られるアセトンジメチルアセタール、アセトン、及びメタノールの混合物は、液体として、ADA回収塔60に送られる。ADA回収塔60では、DMC精製塔50と同様、いわゆる棚段方式又は充填物方式の蒸留塔を採用することができる。液状で回収したアセトンジメチルアセタールを反応器20にリサイクルする。ADA回収塔60の上部から、アセトン、及びメタノールの共沸点組成の蒸気を排出し、排出された蒸気を、冷却器で凝縮させることで、これらを液体の状態とする。
本実施の形態では、ADA回収塔60でも、アセトンとメタノールとが共沸点組成を構成するように制御する。共沸点組成とは、上記したようにアセトンと、メタノールとの共沸点における組成、又はその近傍である(近傍とする範囲は、共沸点組成に対し±3mol%)。具体的には、ADA回収塔60の頂部で、メタノール:アセトンの混合比(モル比)が0.2:0.8の範囲である。
ここで、アセトンジメチルアセタールと、メタノールにも共沸点がある。これを考慮すると、メタノール:アセトンジメチルアセタールの存在比(モル比)は、0.73:0.27の範囲である。
以上のことを、図3に示す三角図で表す。蒸留塔(ADA回収塔60)へ導入される組成比が、アセトンジメチルアセタールとメタノールの共沸組成であった場合、この三角図に示されるように、アセトンジメチルアセタール:メタノール:アセトンの存在比(モル比)が、0.07:0.18:0.75が最適な存在割合となる。最適な存在割合は、その近傍も含む。(近傍とする範囲は、組成に対し±3mol%)なお、図2で、ADAは、アセトンジメチルアセタール、MeOHは、メタノール、Acetoneは、アセトンを示す。
また、蒸留塔へ導入される組成が、アセトンジメチルアセタールとメタノールの共沸組成比でなかった場合も、この三角図におけるアセトンジメチルアセタールとメタノール組成を変更することにより、2つのラインの交点から、蒸留塔へ導入するアセトンジメチルアセタール:メタノール:アセトンの最適な組成の割合を求めることができる。
以上のような存在比とするために、過剰量のアセトンが想定される場合には、別途のアセトン除去のための除去塔を設けることによって除去する。
また、アセトンが不足する場合には、別途導入することによって補うことができる。例えば、アセトンを多く含むガスとしては、脱ガス塔40の塔頂から排出される軽質ガス中のアセトンや脱水塔80の塔頂から排出されるリサイクルガス中のアセトンを利用することができる。
ADA回収塔60の塔頂で取り出されるアセトンとメタノールとが共沸点組成を構成するように制御することにより、ADA回収塔60のリボイラ負荷を軽減することができる。また、塔底から取り出されるアセトンジメチルアセタールの純度も向上し、塔頂から取り出されるガス中のアセトンジメチルアセタール濃度をゼロに近い値まで希釈することができる。
ADA回収塔60から排出されたメタノール及びアセトンは、外部から供給されたメタノール及びアセトン、および、脱水塔から回収されたメタノール及びアセトンと混合され、ADA生成器70に導入される。ADA生成器70で、アセトンとメタノールを反応させるとことによって、アセトンジメチルアセタールと水が生成される。
ADA生成器70から排出されたアセトンジメチルアセタールと水の混合液は、油水分離器81で分離される。
水に溶けやすいメタノールとアセトンは水とともに油水分離器81から脱水塔80へ送り込まれる。水に溶けにくいアセトンジメチルアセタール(少量のメタノールとアセトンも含まれる)はライン22を介して反応器20へ送られる。脱水塔80にて、水は下部から排水として除去され、塔頂から排出されるメタノールとアセトンはADA反応器70へリサイクルされる。
また、油水分離器81では、水を供給することで、アセトンジメチルアセタールとメタノール・アセトン水溶液の分離効率を向上させることができ、同時にライン22に含まれるメタノールとアセトンの量も調整することができる。
また、CO2ストリッパ30から排出された高圧の二酸化炭素も、ライン22に循環される。
ここで二酸化炭素は、所定の圧力30MPaGまでコンプレッサ31により圧縮される。
図4は、本発明に係る炭酸ジメチルの製造方法を実施する炭酸ジメチルの製造システム10の他の実施の形態を説明する図である。
図1の実施の形態に対し、ADA回収塔60を省略し、DMC精製塔50で、アセトンジメチルアセタールも同時に分離するように構成している。
このDMC精製塔50にも、いわゆる棚段方式又は充填物方式の蒸留塔を採用することができる。DMC精製塔50では、図1について示したと同様の混合液を導入すると、塔底の混合液をリボイラで加熱し、DMC精製塔50に戻す。これにより、DMC精製塔50内の混合物のうち沸点の低い物質から蒸発し、塔内を上昇する。DMC精製塔50に新たに導入されて塔内を落下する混合液と、上昇する蒸気とが気液接触する。
加熱操作により、DMC精製塔50の上部側では、混合液のうち沸点の低い物質であるアセトンジメチルアセタール、アセトン、及びメタノールの濃度が高くなり、下部側では沸点の高い物質である炭酸ジメチルの濃度が高くなるという濃度分布が生じる。そして、DMC精製塔50の上部から、アセトン、及びメタノールの蒸気を排出し、排出された蒸気を、冷却器で凝縮させることで、これらを液体の状態とする。一方、DMC精製塔50の中段から、アセトンジメチルアセタールの蒸気を回収することができる。DMC精製塔50の下部から、炭酸ジメチルを液体の状態で回収することができる。
この実施の形態は、機器点数が少なくてすむという利点を有する。
なお、図4で示すDMC精製塔とADA回収塔60以外の要素は、実質的に同一の構成・作用・効果を有する。
実施例1
炭酸ジメチルを17,000ton/年生産する想定において、炭酸ジメチル合成反応でADA基準の転化率が30%の場合、DMC分離塔で炭酸ジメチルを分離する際、メタノールが10kgmol/h存在する場合、エントレーナ(アセトン)の量としては40kgmol/hが最適値であり、COストリッパと脱ガス塔におけるアセトン回収量は4〜5kgmol/hとなる。このように制御したときの、DMC分離塔のリボイラDutyは、2.8GJ/hとなる(蒸留塔段数80段、DMC純度99%)。
実施例2
実施例1において、DMC精製塔で分離したADA混合物からADAをADA回収塔で分離する場合、メタノールが10kgmol/h、エントレーナ(アセトン)の量としては40kgmol/hが最適値であり、ADA分離塔のリボイラDutyは、1.7GJ/hとなる(蒸留塔段数80段、ADA純度99.5%)。
10 炭酸ジメチルの製造システム
20 DMC(炭酸ジメチル)反応器
30 CO2ストリッパ
40 脱ガス塔
50 DMC(炭酸ジメチル)精製塔
60 ADA(アセトンジメチルアセタール)回収塔
70 ADA(アセトンジメチルアセタール)生成器
80 脱水塔
81 油水分離器

Claims (4)

  1. ケトンとアルコールとを反応させ、ケタールを得た後、該ケタールと二酸化炭素とを反応させて炭酸エステルを製造することを含む炭酸エステルの製造方法であって、炭酸エステルを分離する蒸留塔において、ケタール生成反応における未反応のケトンをエントレーナとして、炭酸エステルを分離する際、ケトンとアルコールが共沸点組成を構成するように、蒸留塔へ供給する原料の組成を調整したことを特徴とする炭酸エステルの製造方法。
  2. ケトンとアルコールとを反応させ、ケタールを得た後、該ケタールと二酸化炭素とを反応させて炭酸エステルを製造することを含む炭酸エステルの製造方法であって、炭酸エステルを分離する蒸留塔において、ケタール生成反応における未反応のケトンをエントレーナとして、ケタールを分離する際、ケトンとアルコールとが共沸点組成を構成するように蒸留塔へ供給する原料の組成を調整したことを特徴とする炭酸エステルの製造方法。
  3. 炭酸エステルを分離する際、単一の精製塔で、ケタールも分離することを特徴とする請求項1及び2のいずれかの炭酸エステルの分離方法。
  4. 上記ケタールがアセトンジメチルアセタールであり、上記アルコールがメタノールであり、上記ケトンがアセトンであり、上記炭酸エステルが炭酸ジメチルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかのアルコールと炭酸エステルの分離方法。
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