JP2011173471A - 助手席用エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】搭載車種が変更されても、容易に対処して、膨張完了時のエアバッグの後部側の上方移動を抑制できる助手席用エアバッグ装置を提供すること。
【解決手段】助手席用エアバッグ装置Mのエアバッグ20は、膨張完了時の前端部に、インパネ1におけるケース6の前方側の上面2aに当接させる支持膨張部35を配設させて、エアバッグの後部20a側の上方移動を抑制する。エアバッグ20は、バッグ本体21と、バッグ本体内に配設される整流布41と、を備える。整流布41は、流入用開口25から流入する膨張用ガスGを前後に流す流出用開口42,44を有して、流入用開口25の上方を覆うように、配設される。整流布41は、エアバッグの膨張完了時、前側流出用開口42の周縁43を、支持膨張部35の内周面36の全周に、接触させる。
【選択図】図11

Description

本発明は、エアバッグが、助手席前方のインストルメントパネルの上面側に配置されたケースに折り畳まれて収納され、膨張用ガスの流入時、ケースから突出して、インストルメントパネルの上面側から後方へ展開膨張する構成の助手席用エアバッグ装置に関する。
従来の助手席用エアバッグ装置では、膨張を完了させたエアバッグが、前面をウインドシールドに支持させることなく、乗員を受け止めることができるように構成されるものがあった(例えば、特許文献1参照)。このエアバッグ装置のエアバッグでは、膨張完了時の前端部に、インストルメントパネルにおけるケースの前方側の上面に当接させる支持膨張部を配設させて、構成されていた。このエアバッグでは、膨張完了時、前進移動する乗員がエアバッグの後面に当たり、ケースへの取付部位を回転中心として、エアバッグの後部側が、上方移動しようとしても、支持膨張部が、インストルメントパネルにおけるケースの前方側の上面に当接しているため、エアバッグの後部側の上方移動が抑制されていた。すなわち、このエアバッグ装置では、ウインドシールドに前面側を支持させること無く、支持膨張部を設けるだけで、エアバッグの後部側の上方移動を抑制できることから、ウインドシールドに支持させるように、前方側へ膨らませる容積を省けて、エアバッグの容積を低減できた。
また、他の助手席用エアバッグ装置では、エアバッグの内圧を調整して、ウインドシールドに支持させること無く、エアバッグの後部側の上方移動を抑制するものもあった(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−308088号公報 特開2009−173165号公報
しかし、従来の特許文献1に記載のエアバッグ装置では、エアバッグが、支持膨張部の前面壁を、膨張完了時に、圧縮変形し難い三角錐形状に形成できるように、一枚板状とし、かつ、前面壁の上端を、ケースの軸心の直上付近に、配置させるように、構成されていた。すなわち、上記のエアバッグ装置では、エアバッグの前面壁とケースの軸心とを対応させ、そして勿論、エアバッグの前面壁自体が、インストルメントパネルの上面側に収納された状態から展開膨張しても、ウインドシールドに接触しないように設定する必要があった。そのため、エアバッグ装置を搭載する車種が変更されて、エアバッグ装置を配置させるインストルメントパネルの上面側の傾斜角度等が変更されれば、ウインドシールドに対するエアバッグの形状等の設定だけでなく、エアバッグを収納するケースの軸心を含めたケースの形状や搭載状態の設定も必要となり、簡便に、対処できなかった。
同様に、特許文献2のエアバッグ装置でも、インストルメントパネルの上面側に収納された状態から展開膨張しても、ウインドシールドに接触しないように、エアバッグの形状を設定するとともに、さらに、そのエアバッグだけの設定に終わらず、所定の内圧を確保できるように、エアバッグの容積に応じて、膨張用ガスを供給するインフレーターの出力も設定する必要があった。そのため、このエアバッグ装置でも、搭載車種が変更される場合、エアバッグだけの設定で対処できず、簡便に、対処できなかった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、搭載車種が変更されても、容易に対処して、膨張完了時のエアバッグの後部側の上方移動を抑制できる助手席用エアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明に係る助手席用エアバッグ装置は、エアバッグが、
助手席前方のインストルメントパネルの上面側に配置されたケースに、取り付けられるとともに、折り畳まれて収納され、
膨張用ガスの流入時、ケースから突出して、ウインドシールドの下方のインストルメントパネルの上面側から後方へ展開膨張する構成とし、さらに、
膨張完了時の前端部に、インストルメントパネルにおけるケースの前方側の上面に当接させる支持膨張部を配設させて、エアバッグの後部側の上方移動を抑制する構成の助手席用エアバッグ装置であって、
エアバッグが、外周壁を構成するバッグ本体と、バッグ本体内に配設されて、バッグ本体内に流入する膨張用ガスの流れを制御する整流布と、を備えて構成され、
バッグ本体が、膨張完了時の後端に配置されて、乗員を受け止める拘束壁部と、前端を閉塞させて拘束壁部の外周縁から前方に筒状に延びる筒状壁部と、を備え、
筒状壁部が、膨張完了時の前端側下面に、膨張用ガスを流入させるための流入用開口を有し、かつ、流入用開口の周縁を、ケースに取り付ける取付部位として、支持膨張部を、流入用開口の前方側の前端部側に、配設させて、構成され、
整流布が、流入用開口から流入する膨張用ガスを、前側を含んだ複数の方向に流すように、それぞれ、流出用開口を有して、流入用開口の上方を覆うように、流入用開口の周縁に取り付けられ、
整流布が、エアバッグの膨張完了時、前側の流出用開口の周縁を、支持膨張部における筒状壁部の下面側から左右の側面を経た上面側にかける全周に、接触可能に、構成されていることを特徴とする。
本発明に係る助手席用エアバッグ装置では、膨張用ガスが流入用開口からバッグ本体内に流入すれば、整流布の複数の流出用開口から流出される膨張用ガスにより、バッグ本体が、ケースから突出しつつ、ウインドシールドの下方のインストルメントパネルの上面側から後方へ展開膨張する。そして、膨張を完了させたエアバッグでは、バッグ本体の支持膨張部が、筒状壁部の下面側から左右の側面を経た上面側にかける全周に、整流布の前側の流出用開口の周縁を接触させており、支持膨張部の内圧を整流布内と同等とし、整流布の外周側における支持膨張部以外のバッグ本体の部位より、内圧を高めた状態として、整流布とともにインナバッグのように膨らんで、ケースより前方のインストルメントパネルの上面に対して、強く圧接される。なお、整流布内では、エアバッグが膨張完了状態となっても、流入用開口から膨張用ガスが流入されることから、膨張用ガスの流入が続く限り、整流布の部位より膨張用ガスの下流側となるバッグ本体の部位に比べて、内圧を高く維持できる。
勿論、支持膨張部以外のバッグ本体の部位は、整流布における前側の流出用開口以外の流出用開口から流出される膨張用ガスにより、円滑に膨張を完了させ、周壁に張力を発揮させて、ある程度の形状保持性を有することとなる。
その後、膨張を完了させたエアバッグが、拘束壁部によって前進移動する乗員を受け止めれば、ケースへの取付部位を回転中心として、後部側を上方移動させるように、筒状壁部が、回転しようとする。しかし、このエアバッグでは、前端側の支持膨張部が、整流布内と同様に、ケース前方のインストルメントパネルの上面側に対し、他の部位より高い内圧として、圧接されており、支持膨張部の周壁が縮まず、かつ、インストルメントパネルからの大きな反力を受けることができて、エアバッグの後部側を上方移動させる回転を、確実に規制することができる。
なお、本発明に係るエアバッグ装置のエアバッグでは、整流布の前側の流出用開口が、支持膨張部の内周面自体に、固着されている訳ではないことから、支持膨張部が膨張を完了させる前、あるいは、膨張完了後の支持膨張部の内圧が高すぎる場合等には、支持膨張部内の膨張用ガスは、整流布の前側の流出用開口周縁と支持膨張部の内周面との間から、漏れて、整流布の外表面側における筒状壁部の内周面に沿って、筒状壁部の後部側に流れ、円滑にエアバッグの膨張を促進させたり、あるいは、支持膨張部の急激な内圧上昇を防止できる。
そして、本発明に係るエアバッグ装置では、搭載車種が変更されても、ウインドシールドやインストルメントパネルに対する支持膨張部を含めたバッグ本体の形状と、支持膨張部の内周面に接触するような前側の流出用開口の周縁の形状と、のエアバッグ自体の設定で行えることから、エアバッグの上方移動の抑制に関し、簡便に対処することができる。
したがって、本発明に係る助手席用エアバッグ装置では、搭載車種が変更されても、容易に対処して、膨張完了時のエアバッグの後部側の上方移動を抑制することができる。
また、本発明に係る助手席用エアバッグ装置のエアバッグでは、筒状壁部の上面側をウインドシールドに支持させなくともよいことから、ウインドシールドに当接させる前部側の容積を省くことができ、小容積として構成できる。
そして、本発明に係る助手席用エアバッグ装置では、整流布における前側の流出用開口の周縁の長さを、前側の流出用開口周縁の接触する部位の支持膨張部の内周面の長さより、長くするように、構成することが望ましい。このような構成では、エアバッグの膨張時、整流布における前側の流出用開口の周縁が、確実に、支持膨張部の内周面に接触するため、整流布内の膨張用ガスを、支持膨張部内に貯留させるようにすることができて、安定して、支持膨張部の内圧を、整流布内と同等に、高めることができる。
また、本発明に係る助手席用エアバッグ装置では、整流布は、流入用開口から流入する膨張用ガスを、前後両側の2方向に流すように、前側流出用開口と後側流出用開口とを設けて、前後方向に延びる筒形状とし、エアバッグの膨張完了時、前後方向の中間部位の開口面積より、後側流出用開口を絞った形状とすることが望ましい。
このような構成では、バッグ本体の流入用開口から整流布内に流入した膨張ガスは、後側流出用開口から流出する際、絞られた後側流出用開口を経て流出するため、整流布内の内圧を的確に高めることとなる。そのため、前側流出用開口の周縁を内周面に接触させている支持膨張部も、整流布内と同様に、円滑に、内圧を上昇させて、インストルメントパネル上面に圧接させることができる。また、このような構成では、後側流出用開口から流出する膨張用ガスが、ケース後方のインストルメントパネルの上面に沿って後向きに、バッグ本体内に流出することから、バッグ本体が、インストルメントパネルの上面に沿って展開膨張して、乗員側に部分的に突出することを、抑制できる。
さらにこの場合、整流布は、エアバッグの膨張完了時、前側流出用開口の開口面の向きと後側流出用開口の開口面の向きとを略直交させて、後側流出用開口の開口面の向きを、斜め後下方側に向けるように、配設することが望ましい。このような構成では、整流布の前側流出用開口と後側流出用開口とから流出する膨張用ガスの方向が直交するように交差し、かつ、後側流出用開口から流出する膨張用ガスの方向が、流入用開口から整流布内に流入する膨張用ガスの向きと反転するように構成されており、後側流出用開口から流出しようとする膨張用ガスが、整流布内で流動抵抗を受ける状態となって、整流布内の内圧を容易に高めることができ、前側流出用開口の周縁を内周面に接触させている支持膨張部も、整流布内と同様に、一層、円滑に、内圧を上昇させることができ、インストルメントパネル上面に圧接させることができる。さらに、後側流出用開口から流出する膨張用ガスが、ケース後方のインストルメントパネルの上面から後面に沿うように、斜め後下方側に向いて、バッグ本体内に流出することから、バッグ本体が、インストルメントパネルの上面から後面に沿って展開膨張して、一層、乗員側に部分的に突出することを、抑制できる。
本発明の一実施形態である助手席用エアバッグ装置の車両搭載状態の前後方向の縦断面図である。 実施形態の助手席用エアバッグ装置に使用するエアバッグを単体で膨張させた状態の後方側から見た斜視図である。 実施形態に使用するエアバッグを単体で膨張させた状態の前後方向に沿った縦断面図であり、図2のIII−III部位に対応する。 実施形態のエアバッグを単体で膨張させた状態での、整流布の前側流出口付近の左右方向に沿った概略端面図であり、図3のIV−IV部位に対応する。 実施形態のエアバッグを単体で膨張させた状態での、整流布の上方から見た概略横断面図であり、図3のV−V部位に対応する。 実施形態のエアバッグを構成する部材を示す平面図である。 実施形態のエアバッグを構成する側面側パネルを示す平面図である。 実施形態のエアバッグの製造途中を示す平面図である。 実施形態の助手席用エアバッグ装置の作動時を示す車両の側方から見た図である。 実施形態の助手席用エアバッグ装置の作動時を示す車両の後方から見た図である。 実施形態の助手席用エアバッグ装置の作動時における乗員頭部を受け止めた状態を示す車両の側方から見た図である。 実施形態の助手席用エアバッグ装置の作動時を示す車両の側方から見た拡大図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態の助手席用エアバッグ装置(以下、単に、エアバッグ装置とする)Mは、図1に示すように、インストルメントパネル(以下、インパネとする)1の上面2側における後面3の近傍に配置されるトップマウントタイプとしている。なお、このエアバッグ装置Mは、インパネ1の上面2側における上面2と後面3との屈曲したコーナ部4付近に配置されていることから、後面3側に配置されるミッドマウントタイプと近似して、セミトップマウントタイプともいえる。そして、このエアバッグ装置Mは、折り畳まれたエアバッグ20と、エアバッグ20に膨張用ガスを供給するインフレーター10と、エアバッグ20及びインフレーター10を収納保持するケース6と、エアバッグ20をケース6に取り付けるためのリテーナ14と、折り畳まれたエアバッグ20を覆うエアバッグカバー12と、を備えて構成されている。
なお、本明細書での上下、前後、及び、左右の方向は、車両の直進状態における車両の上下、前後、及び、左右の方向に一致するものである。
エアバッグカバー12は、合成樹脂製のインパネ1と一体的に形成されて、エアバッグ20の展開膨張時に、前後二枚の扉部12a,12bをエアバッグ20に押されて開くように構成されている。また、エアバッグカバー12の扉部12a,12bの周囲には、ケース6と連結される連結壁部12dが、形成されている。なお、各扉部12a,12bは、インテグラルヒンジからなるヒンジ部12cを回転中心として、膨張するエアバッグ20に押し開かれることとなる。
インフレーター10は、複数のガス吐出口10bを有した略円柱状の本体部10aと、インフレーター10をケース6に取り付けるためのフランジ部10cと、を備えて構成されている。
ケース6は、上端側に長方形状の開口を有した板金製の略直方体形状に形成され、インフレーター10を下方から挿入させて取り付ける略長方形板状の底壁部7と、底壁部7の外周縁から上方に延びてエアバッグカバー12の連結壁部12dと連結される周壁部8と、を備えて構成されている。ケース6には、底壁部7の部位に、車両のボディ側に連結される図示しないブラケットが、配設されている。また、周壁部8は、前後に対向するように配置される前壁8aと後壁8bとを備えるとともに、左右で対向する側壁8cを備えて構成されている。前壁8aと後壁8bとには、エアバッグカバー12の連結壁部12dを係止して、連結壁部12dを、前壁8aや後壁8bと一体的に連結して、折り畳んだエアバッグ20を収納するケース6の前壁8aや後壁8bと同様な機能を発揮させるための複数の係止フック8dが、形成されている。
なお、エアバッグ20とインフレーター10とは、エアバッグ20内に配設される四角環状のリテーナ14の複数(実施形態では四本)のボルト14aが、エアバッグ20の後述する取付部位26の取付孔27、ケース6の底壁部7、及び、インフレーター10のフランジ部10c、を貫通して、ナット15止めされることにより、ケース6に取り付けられている。
エアバッグ20は、図1〜5に示すように、外周壁22を構成するバッグ本体21と、バッグ本体21内に配設されて、バッグ本体21内に流入する膨張用ガスGの流れを制御する整流布41と、を備えて構成されている。
バッグ本体21は、膨張完了時の後端に、上縁23a側を下縁23b側より前方に位置させた前傾状態として配置されて、乗員Pの頭部PH(図9〜11参照)を受け止める拘束壁部23と、前端24eを閉塞させて、拘束壁部23の外周縁から前方に、先細りの略四角錐状の筒状に延びる筒状壁部24と、を備えて構成されている。
筒状壁部24は、膨張完了時の前端24e側の下面24bに、膨張用ガスGを流入させるための円形に開口した流入用開口25を有し、かつ、流入用開口25の周縁を、リテーナ14を利用してケース6の底壁部7に取り付ける取付部位26としている。そのため、取付部位26は、リテーナ14の平面形状と同形状として配設され、取付部位26には、リテーナ14の各ボルト14aを挿通させる取付孔27が貫通されている。なお、筒状壁部24の左側面24cと右側面24dとには、円形に開口したベントホール39が配設されている。
整流布41は、前後方向に延びる略筒状として、流入用開口25からバッグ本体21内に流入する膨張用ガスGを、前側を含んだ複数の方向に流すように、複数の流出用開口を有して(実施形態の場合には、前後両側に流すように、前側流出用開口42と後側流出用開口44とを有して)、流入用開口25の上方を覆うように、流入用開口25の周縁の取付部位26に取り付けられている。
そして、実施形態の場合、車両搭載状態でエアバッグ20の膨張を完了させて、整流布41が流入用開口25からの膨張用ガスGを流入させて膨らんだ際、図9に示すように、インパネ1の上面2から上方へ離れた部位において、整流布41は、後側流出用開口44の開口面積BAが、前後方向の中間部位41cの開口面積MAより、狭まるように、絞られる形状としている。なお、この状態では、前側流出用開口42と後側流出用開口44とは、相互の開口面積FA,BAを略等しくしている。また、前側流出用開口42は、その開口面42aを斜め前下方向FDに向けて、前後方向に延びた略楕円形とし、後側流出用開口44は、その開口面44aを斜め後下方向BDに向けて、前後方向に延びた略楕円形としている。そして、エアバッグ20の膨張完了時、前側流出用開口42の開口面42aの向きFDと後側流出用開口44の開口面44aの向きBDとは、略直交している。
さらにまた、整流布41には、前部41a側の左右両側に、膨張用ガスGの流出時の反力を利用して整流布41の左右のぶれを防止するガス流出口46,46が、配設されている。これらのガス流出口46は、前側流出用開口42や後側流出用開口44より小さな円形の開口としている。
また、この整流布41では、エアバッグ20の膨張完了時、前側流出用開口42の周縁43が、筒状壁部24の前端24e側の下面24b側から左側面24cと右側面24dを経た上面24a側にかける全周に、接触するように、設定されている。特に、実施形態の場合には、図4に示すように、前側流出用開口42の周縁43が、安定して接触するように、前側流出用開口42の周縁43の長さ寸法OLが、前側流出用開口42の周縁43の接触するバッグ本体21の部位(支持膨張部)35の内周面36の長さ寸法ILより、1〜3割程度(実施形態では2割)、長くするように、設定されている。
前側流出用開口42の周縁43の接触するバッグ本体21の部位は、エアバッグ20の膨張完了時、ケース6の前方のインパネ1の上面(前側上面)2aに圧接される支持膨張部35の後縁35aの内周面36としている。
なお、整流布41は、図6,8に示すように、二枚の整流布用素材70(70L,70R)から構成されている。これらの整流布用素材70は、バッグ本体21を構成する側面側パネル50(50L,50R)や後面側パネル65と同様に、ポリアミドやポリエステル等の合成繊維の糸を平織り等で織って形成した織布から形成されている。そして、二枚の整流布用素材70(70L,70R)は、相互に、左右対称形として、バッグ本体21の内周に重ねられて、バッグ本体21とともに、流入用開口25と取付孔27を設けられる取付部位26とを形成される円板状の開口形成部位72と、開口形成部位72の前後から延びる前縁71及び後縁73と、前縁71,後縁73相互を連結する上縁74と、を備えた扇状としている。そして、整流布41は、バッグ本体21の製造時、左右の整流布用素材70L,70Rの開口形成部位72,72相互が、側面側パネル50L,50R相互の重ねられた開口形成部位54,54に、さらに重ねられた後、縫製によって側面側パネル50L,50Rの開口形成部位54に結合される。その後、孔明け加工によって、開口形成部位54,54とともに、流入用開口25と取付孔27とが設けられ、その後に、上縁74,74相互を縫製して、形成されている。そして、整流布41の前側流出用開口42の周縁43は、整流布用素材70L,70Rの前縁71相互が重なったりせず、かつ、縫合代とならない部位71a、から構成され、整流布41の後側流出用開口44の周縁45は、整流布用素材70L,70Rの後縁73相互が重なったりせず、かつ、縫合代とならない部位73a、から構成されている。
一方、バッグ本体21は、その外周壁22を、図2,3に示すように、二枚の側面側パネル50(50L,50R)と、二枚の側面側パネル50の後縁50eに対して、左右両縁となる左縁65cと右縁65dとをそれぞれ結合させて、拘束壁部23を形成可能な後面側パネル65と、から構成している。二枚の側面側パネル50L,50Rは、バッグ本体21の筒状壁部24の大部分を形成するもので、筒状壁部24を左右で二分割するように、相互に左右対称形に形成されている。
二枚の側面側パネル50L,50Rは、図6〜8に示すように、筒状壁部24の前端24eに配置される前端50aから上端50cまで延ばす上縁50fと、前端50aから後端50bまで延ばす下縁50dと、上端50cと後端50bとを結ぶ後縁50eと、を備えた略三角板状として、上縁50fと下縁50dとに、側面側パネル50L,50R相互を、縫製によって結合させる上縁側結合部位51と下縁側結合部位52とを、配設させている。
そして、下縁側結合部位52は、前側から順に、前結合部位53、開口形成部位54、後結合部位55を配設させて構成されている。
前結合部位53は、図7に示すように、筒状壁部24の下面24bにおける流入用開口25の中心を基点とした前方に延びる前中央線CLFに沿って、筒状壁部24の前端24eから流入用開口25の前縁(リテーナ14に押えられる取付部位26の前縁)26a付近まで、直線状に延びるように配設されている。また、この前結合部位53は、エアバッグ20を取り付けたケース6の底壁部7から、ケース6の前方のインパネ1の上面(前側上面)2a側まで、の高さ寸法HF(図1参照)より、前後方向に長い長さ寸法FL(図7参照)としている。そのため、長さ寸法FLの高さ寸法HFより長い長さ分、エアバッグ20の膨張完了時には、筒状壁部24の前端24e側に、ケース6の前方のインパネ1の前側上面2aに圧接される略三角錐状の支持膨張部35が、形成されることとなる(図9参照)。
なお、二枚の側面側パネル50L,50Rの前結合部位53相互の結合により、膨張完了時のエアバッグ20の筒状壁部24の下面24b側における流入用開口25の前方側には、ケース6の前壁8aや連結壁部12d、あるいは、ケース6の前方側のインパネ1の前側上面2aに、当接する前側支持面29が、形成されることとなる(図12参照)。この前側支持面29は、詳しくは、開いた扉部12aの裏面12aaを含んだインパネ1の前側上面2a側から反力を受ける前部側の前側インパネ当接部29aと、ケース6の前壁8aや連結壁部12dから反力を受ける後部側の前壁当接部29bと、から構成され、前側インパネ当接部29aは、支持膨張部35の下面側を構成している。
開口形成部位54は、図7,8に示すように、流入用開口25の周囲を同心的に囲むように、整流布用素材70L,70Rとともに、略円環状に縫製される縫合部54a,54b,54cを設けて構成されている。これらの縫合部54a,54b,54cは、前結合部位53相互と後結合部位55相互とを縫製した側面側パネル50L,50Rの上縁50f側を、開いて、開口形成部位54に、二枚の整流布用素材70L,70Rの開口形成部位72を重ねて、縫製することにより、形成されている。また、縫合部54b,54cの一部は、側面側パネル50の下縁50dが、流入用開口25の周縁の後縁26b付近に、切欠き50gを設けられており、側面側パネル50L,50R相互を縫合してはいない。
なお、このエアバッグ20では、側面側パネル50L,50Rの開口形成部位54に、二枚の整流布用素材70L,70Rの開口形成部位72を重ねて、縫合部54a,54b,54cを設けて縫製した後、孔明け加工によって、開口形成部位54,54,72,72に、流入用開口25と取付孔27とが設けられている。
後結合部位55は、筒状壁部24の下面24bにおける流入用開口25の中心を基点として後方に延びる後中央線CLBに沿って、筒状壁部24の流入用開口25の後縁26bから後端50b付近まで、略直線状に延びるように、配設されている。また、この後結合部位55は、エアバッグ20を取り付けたケース6の底壁部7から、ケース6の後方のインパネ1の上面(後側上面2b)側まで、の高さ寸法HB(図1参照)より、前後方向に長い長さ寸法BL(図7参照)として、流入用開口25の後縁26b近傍に、後中央線CLBより上端50c側の内側へ凹むV溝部57を設けて、形成されている。
具体的には、図7に示すように、V溝部57の前後には、後中央線CLBに沿う前直線部56と後直線部58とが配設され、前直線部56は、流入用開口25の後縁26b付近の切欠き50gから後中央線CLBの部位まで延びるスリット50hから後方に延びるように、配設されている。
V溝部57は、前直線部56の後端から内側に傾斜して延びる前側傾斜部57aと、後直線部58の前端から傾斜して内側の上端50c側に延びる後側傾斜部57bと、の間に、最も内側に凹んだ頂部57cを設けて構成されている。そして、後結合部位55における流入用開口25の後縁(リテーナ14に押えられる取付部位26の後縁)26aからV溝部57の最も凹んだ頂部57cまでの前後方向の長さ寸法VLが、エアバッグ20を取り付けたケース6の底壁部7から、ケース6の後方のインパネ1の上面(後側上面2b)側まで、の高さ寸法HBと、同等に設定されている。詳しくは、前後方向の長さ寸法VLは、ケース6の底壁部7から、開いた後方側の扉部12bの厚さ寸法を含んだインパネ1の後側上面2b側まで、の高さ寸法HBより、若干大きく設定されて、実施形態のエアバッグ20が膨張を完了させた際、V溝部57の頂部57cが、ケース6近傍のインパネ1の後側上面2b側における開いた後方側の扉部12bの裏面12baの上方に、換言すれば、扉部12bの裏面12ba側のヒンジ部12cの上方に、配置されるように、さらに換言すれば、ケース6の後壁8bとインパネ1の後側上面2bとの交差部位(インパネ1の後側上面2bの前端)2cに、配置されるように、設定されている(図12参照)。
なお、実施形態の場合、V溝部57の頂部57cの後中央線CLBからの凹み量d0が、60mmとし、V溝部57における頂部57cの前後に配置される前側傾斜部57aと後側傾斜部57bとの相互の交差角度αが、105°としている(図7参照)。
さらに、実施形態の場合、V溝部57の頂部57cは、後結合部位55の前後方向の中央より前方に配置されるとともに、V溝部57自体の前後方向の中央より、前側に接近するように、偏って配設されている。
そして、二枚の側面側パネル50L,50Rの後結合部位55相互の結合により、膨張完了時のエアバッグ20の筒状壁部24の下面24b側における流入用開口25の後方側には、連結壁部12dを含めたケース6の後壁8bや、あるいは、ケース6の後方側の後側上面2bに、当接する後側支持面30が、形成されることとなる(図12参照)。この後側支持面30は、詳しくは、連結壁部12dを含めたケース6の後壁8bから反力を受ける前部側の後壁当接部31と、開いた扉部12bの裏面12baを含んだインパネ1の後側上面2b側から反力を受ける後部側の後側インパネ当接部33と、から構成されている。後壁当接部31と後側インパネ当接部33との間には、側面側パネル50L,50RのV溝部57の頂部57cを設けた屈曲部32が配設されている。
二枚の側面側パネル50L,50Rの上縁側結合部位51は、相互に縫製して、筒状壁部24の上面24a側を形成することとなり、実施形態の場合、前端50aから上端50cまで、直線状に形成されている。そしてさらに、膨張完了時や乗員頭部PHの拘束時に筒状壁部24の上面24aがウインドシールド5と接触しないように、上縁側結合部位51は、下縁側結合部位52の前結合部位53との開き角度θが、設定されている。実施形態の場合、開き角度θは、約65°としている。
二枚の側面側パネル50L,50Rの後縁側結合部位60は、それぞれ、後面側パネル65の左縁65cと右縁65dとに、縫製されるように、後方へ膨らんだように形成されている。さらに、この後縁側結合部位60は、二枚の側面側パネル50L,50Rを重ねて、上端50cと後端50bとを結ぶ折線Y(図7参照)によって、後縁側結合部位60相互を開いた形状を、後面側パネル65の平面形状と一致させている。そのため、後面側パネル65は、折線Yで開いた二枚の側面側パネル50L,50Rの後縁側結合部位60,60に対して、単に重ねて、容易に、平面縫製できるように、構成されている。
後面側パネル65は、拘束壁部23と、筒状壁部24の後端24fの下面24d側と、を構成するもので、上下方向に長軸を配置させた楕円板形状としている。そして、後面側パネル65は、左縁65cと右縁65dとの結合部位66(66L,66R)を、二枚の側面側パネル50L,50Rの後縁側結合部位60に対応させて、上端65a側から上下方向の中間部位を超える変曲点68まで、外膨らみの曲線形状の膨出曲線部67とし、上下方向の中間部位を超えた変曲点68から下端65bまで、相互に接近するような直線状の直線部69を形成して、構成している。そして、対応する側面側パネル50L,50Rの後縁側結合部位60も、膨出曲線部67に対応して、上端50c側から変曲点62まで、外方に曲線状に膨らむ膨出曲線部61を配設させ、直線部69に対応して、変曲点62から後端50bまで、直線状の直線部63を配設させている。
そして、実施形態の場合、エアバッグ20が車両搭載状態で膨張を完了させた際、図9,10に示すように、後面側パネル65の左縁65cと右縁65dとを外膨らみの膨出曲線部67としている上部エリア65eは、拘束壁部23を構成している。一方、後面側パネル65の左縁65cと右縁65dとを直線状の直線部69としている下部エリア65fは、乗員Pの胸部PB付近から斜め下前に離れるように、拘束壁部23の下縁23bから斜め前下方向へ延びて、筒状壁部24の後端24fの下面24b側を構成している。
このエアバッグ20は、二枚の側面側パネル50L,50Rの下縁側結合部位52における前結合部位53相互と後結合部位55相互とを縫合して結合し、ついで、側面側パネル50L,50Rの開口形成部位54,54に開口形成部位72,72を重ねて、縫合部54a,54b,54cを縫製により形成して、流入用開口25と取付孔27とを形成する(図7参照)。ついで、二枚の側面側パネル50L,50Rの上縁側結合部位51相互を縫合して結合し、さらに、折線Yで折って、後縁側結合部位60,60と後面側パネル65の結合部位66とを縫合して結合する。その後、縫い代が、エアバッグ20の外表面側に表われないように、流入用開口25を利用して、縫合したエアバッグ20を裏返し、そして、流入用開口25から整流布用素材70L,70Rの上縁74を引き出して、上縁74相互を縫合して、整流布41を形成し、縫合した上縁74を、流入用開口25を経て、エアバッグ20内に収納させれば、エアバッグ20を製造することができる。
その後、各取付孔27からボルト14aを突出させるようにして、内部にリテーナ14を配設させた状態で、エアバッグ20を折り畳み、さらに、折り崩れしないように、折り畳んだエアバッグ20の周囲を、破断可能な図示しないラッピングシートによりくるむ。そして、各ボルト14aをケース6の底壁部7から突出させるようにして、折り畳んだエアバッグ20を、ケース6の底壁部7に載置させる。ついで、インフレーター10の本体部10aを、底壁部7の下方からケース6内に挿入させるとともに、底壁部7から下方に突出している各ボルト14aを、インフレーター10のフランジ部10cに挿通させる。その後、インフレーター10のフランジ部10cから突出した各ボルト14aにナット15を締結させれば、ケース6の底壁部7に対して、折り畳んだエアバッグ20とインフレーター10とを取り付けることができる。
そして、車両に搭載されたインパネ1におけるエアバッグカバー12の連結壁部12dに、ケース6の周壁部8を係止させ、ケース6の図示しない所定のブラケットを、車両のボディ側の部位に固定させれば、実施形態の助手席用のエアバッグ装置Mを車両に搭載することができる。
エアバッグ装置Mの車両への搭載後、車両の前面衝突時、インフレーター10の各ガス吐出口10bから膨張用ガスが吐出されれば、エアバッグ20が、膨張して図示しないラッピングシートを破断するとともに、エアバッグカバー12の扉部12a,12bを図9,10に示すように押して開かせることとなる。そして、エアバッグ20は、エアバッグカバー12の扉部12a,12bが開いて形成された開口から、上方へ突出するとともに、インパネ1の上面2側から後面3を超えた後方側へ展開膨張して、膨張を完了させることとなる。換言すれば、実施形態のエアバッグ装置Mでは、インフレーター10の各ガス吐出口10bからの膨張用ガスGが流入用開口25からバッグ本体21内に流入すれば、整流布41の複数の流出用開口(実施形態では前側流出用開口42と後側流出用開口44)から流出される膨張用ガスG(GF,GB)により、バッグ本体21が、扉部12a,12bを押し開きつつケース6から突出して、ウインドシールド5の下方のインパネ1の上面2側から後方へ展開膨張する。
そして、膨張を完了させたエアバッグ20では、バッグ本体21の支持膨張部35が、筒状壁部24の下面24b側から左側面24cや右側面24dを経た上面24a側にかける全周に、整流布41の前側流出用開口42の周縁43を接触させており、支持膨張部35の内圧を整流布41内と同等とし、整流布41の外周側における支持膨張部35以外のバッグ本体21の部位より、内圧を高めた状態として、整流布41とともにインナバッグのように膨らんで、ケース6より前方のインパネ1の前側上面2aに対して、強く圧接される。なお、整流布41内では、エアバッグ20が膨張完了状態となっても、流入用開口25から膨張用ガスGが流入されることから、膨張用ガスGの流入が続く限り、整流布41の部位より膨張用ガスGの下流側となるバッグ本体21の部位に比べて、内圧を高く維持できる。
勿論、支持膨張部35以外のバッグ本体21の部位は、整流布41における前側流出用開口42以外の後側流出用開口44から流出される膨張用ガスGBにより、円滑に膨張を完了させ、外周壁22に張力を発揮させて、ある程度の形状保持性を有することとなる。
その後、膨張を完了させたエアバッグ20が、図11に示すように、拘束壁部23によって前進移動する乗員Pの頭部PHを受け止めれば、ケース6への取付部位26を回転中心として、後部20a側を上方移動させるように、筒状壁部24が、回転しようとする。しかし、このエアバッグ20では、前端24e側の支持膨張部35が、整流布41内と同様に、ケース6の前方のインパネ1の前側上面2aに対し、他の部位より高い内圧として、圧接されており、支持膨張部35の周壁が縮まず、かつ、扉部12aの裏面12aaを含めたインパネ1の前側上面2aからの大きな反力を受けることができて、エアバッグ20の後部20a側を上方移動させる回転を、確実に規制することができる。
なお、実施形態のエアバッグ装置Mのエアバッグ20では、整流布41の前側流出用開口42が、支持膨張部35の内周面36自体に、固着されている訳ではないことから、支持膨張部35が膨張を完了させる前、あるいは、膨張完了後の支持膨張部35の内圧が高すぎる場合等には、支持膨張部35内の膨張用ガスGは、整流布41の前側流出用開口42の周縁43と支持膨張部35の内周面36との間から、漏れて、整流布41の外表面側における筒状壁部24の内周面に沿って、筒状壁部24の後部側に流れ、円滑にエアバッグ20の膨張を促進させたり、あるいは、支持膨張部35の急激な内圧上昇を防止できる。
そして、実施形態のエアバッグ装置Mでは、搭載車種が変更されても、ウインドシールド5やインパネ1に対する支持膨張部35を含めたバッグ本体21の形状と、支持膨張部35の内周面36に接触するような前側流出用開口42の周縁43の形状と、のエアバッグ20自体の設定で行えることから、エアバッグ20の上方移動の抑制に関し、簡便に対処することができる。
したがって、実施形態のエアバッグ装置Mでは、搭載車種が変更されても、容易に対処して、膨張完了時のエアバッグ20の後部20a側の上方移動を抑制することができる。
また、実施形態のエアバッグ装置Mのエアバッグ20では、筒状壁部24の上面24a側をウインドシールド5に支持させなくともよいことから、ウインドシールド5に当接させる前部側の容積を省くことができ、小容積として構成できる。
ちなみに、実施形態のエアバッグ20では、図9,10に示すように、ウインドシールド5に支持させていた従来のエアバッグPAに比べて、ウインドシールド5に当接させる前部側の容積FV分を、省くことができる。さらに、実施形態のエアバッグ20では、後面側パネル65の下部エリア65f側の左右の縁を、側面側パネル50を対応させつつ、下端65b側にかけて、先狭まりの直線状(直線部69)として、筒状壁部24の下面24d側の後端24f付近を、拘束壁部23の下縁23bから斜め前下方向へ延ばして、乗員Pの胸部PB付近から斜め下前に離すように、構成されており、従来のエアバッグPAに比べて、乗員Pの胸部PB付近より下方の容積DV分が、省かれており、極力、コンパクトに構成することができる。ちなみに、従来のエアバッグPAは、容積を80リットルとしていたが、実施形態のエアバッグ20では、容積を50リットルに低減させている。
そして、実施形態のエアバッグ装置Mでは、整流布41における前側流出用開口42の周縁43の長さ寸法OLを、前側流出用開口42の周縁43の接触する部位の支持膨張部35の内周面36の長さ寸法ILより、長くするように、構成されている(図4参照)。そのため、実施形態では、エアバッグ20の膨張時、整流布41における前側流出用開口42の周縁43が、確実に、支持膨張部35の内周面36に接触するため、整流布41内の膨張用ガスGを、支持膨張部35内に貯留させるようにすることができて、安定して、支持膨張部35の内圧を、整流布41内と同等に、高めることができる。
また、実施形態のエアバッグ装置Mでは、整流布41が、流入用開口25から流入する膨張用ガスGを、前後両側の2方向(GF,GB)に流すように、前側流出用開口42と後側流出用開口44とを設けて、前後方向に延びる筒形状とし、エアバッグ20の膨張完了時、前後方向の中間部位41cの開口面積MAより、後側流出用開口44の開口面積BAを絞った形状としている(図9参照)。
そのため、バッグ本体21の流入用開口25から整流布41内に流入した膨張用ガスGは、後側流出用開口44から流出する際、絞られた後側流出用開口44を経て流出するため、整流布41内の内圧を的確に高めることとなる。そして、前側流出用開口42の周縁43を内周面36に接触させている支持膨張部35も、整流布41内と同様に、円滑に、内圧を上昇させて、インパネ1の前側上面2aに圧接させることができる。また、このような構成では、後側流出用開口44から流出する膨張用ガスGBが、ケース6の後方のインパネ1の後側上面2bに沿って後向きに、バッグ本体21内に流出することから、バッグ本体21が、インパネ1の後側上面2bに沿って展開膨張して、乗員P側に部分的に突出することを、抑制できる。
なお、上記の点を考慮しなければ、整流布の流出用開口は、前側流出用開口の他、後部側で左右両側に流すように、流出用開口を設けてもよい。
さらに、実施形態では、整流布41が、エアバッグ20の膨張完了時、前側流出用開口42の開口面42aの斜め前下向きFDと後側流出用開口44の開口面44aの向きBDとを略直交させて、後側流出用開口44の開口面44aの向きを、斜め後下方側BDに向けるように、配設させている。そのため、このような構成では、整流布41の前側流出用開口42と後側流出用開口44とから流出する膨張用ガスGF,GBの方向が直交するように交差し、かつ、後側流出用開口44から流出する膨張用ガスGBの方向が、流入用開口25から整流布41内に流入する膨張用ガスGの上向きの方向と反転するように構成されており、後側流出用開口44から流出しようとする膨張用ガスGBが、整流布41内で流動抵抗を受ける状態となって、整流布41内の内圧を容易に高めることができ、前側流出用開口42の周縁43を内周面36に接触させている支持膨張部35も、整流布41内と同様に、一層、円滑に、内圧を上昇させることができ、インパネ1の前側上面2aに圧接させることができる。さらに、後側流出用開口44から流出する膨張用ガスGBが、ケース6の後方のインパネ1の後側上面2bから後面3に沿うように、斜め後下方側に向いて、バッグ本体21内に流出することから、バッグ本体21が、インパネ1の後側上面2bから後面3に沿って展開膨張して、一層、乗員P側に部分的に突出することを、抑制できる。
さらにまた、実施形態では、エアバッグ20の後側支持面30が、ケース6の後壁8b付近に当接させる後壁当接部31と、ケース6の後方のインパネ1の後側上面2bから後面3側にかけて当接する後側インパネ当接部33と、を有することとなる。そして、それらの後壁当接部31と後側インパネ当接部33とは、相互に略直交するケース6の後壁8bとインパネ1の後側上面2bとに当接することとなる。しかし、筒状壁部24の下面24b側を形成する二枚の側面側パネル50L,50Rが、相互に結合する下縁側結合部位52の後結合部位55における流入用開口25の後縁26bから、V溝部57の最も凹んだ頂部57cまで、の前後方向の長さ寸法VL(図7参照)を、エアバッグ20を取り付けたケース6の底壁部7から、ケース6の後方のインパネ1の後側上面2bまで、の高さ寸法HB(図1参照)と、同等に設定しており、ケース6の後壁8bとインパネ1の後側上面2bとの交差部位2cには、二枚の側面側パネル50L,50Rの下縁側結合部位52相互を結合したV溝部57の凹んだ頂部57cが、嵌るように配置される(図12参照)。そのため、ケース6の後壁8bとインパネ1の後側上面2bとの交差部位2cから後方の部位となる後側インパネ当接部33が、極力、ケース6の後壁8bに当接している後壁当接部31の前上方に作用する反力の影響を受けずに、交差部位2cの近傍から、広い接触面積を確保して、インパネ1の後側上面2bから後面3にかけて当接支持される。すなわち、インパネ1が、ケース6の後方に、略水平方向に沿う上面2側から、下方へ屈曲して、略鉛直方向に沿う後面3を配設させていても、膨張完了時のエアバッグ20は、広い面積でインパネ1の後側上面2bから後面3側にかけて当接する後側支持面31の後側インパネ当接部33によって、ケース6への取付部位26を回転中心とした後方への揺動を、的確に抑制できて、拘束壁部23を、迅速に、所定位置に配置させることができる(図9,10参照)。そしてさらに、エアバッグ20の拘束壁部23が乗員Pの頭部PHを受け止める際にも、後側インパネ当接部33が、インパネ1の後面3に広い面積で接触しており、迅速に反力を確保して、エアバッグ20が、乗員Pの頭部PHを、クッション性よく、受け止めることができる。
勿論、上記の点を考慮しなければ、二枚の側面側パネル50L,50Rの下縁側結合部位52には、V溝部57を設けなくともよい。
さらに、本発明のエアバッグ装置Mでは、インパネ1のコーナ部4近傍の上面2側に搭載した場合を示したが、コーナ部4から前方に離れたインパネ1の上面2に、搭載させるトップマウントタイプとして、構成してもよい。
1…(インストルメントパネル)インパネ、
2…上面、
5…ウインドシールド、
6…ケース、
20…エアバッグ、
20a…(エアバッグの)後部、
21…バッグ本体、
22…(エアバッグの)外周壁、
23…拘束壁部、
24…筒状壁部、
24a…(筒状壁部の)上面、
24b…(筒状壁部の)下面、
24c…(筒状壁部の)左側面、
24d…(筒状壁部の)右側面、
24e…(筒状壁部の)前端、
25…流入用開口、
26…取付部位、
35…支持膨張部、
36…(支持膨張部の)内周面、
41…整流布、
41c…(前後方向の)中間部位、
42…前側流出用開口、
43…(前側流出用開口の)周縁、
44…後側流出用開口、
OL…(前側流出口の周縁の)長さ寸法、
IL…(支持膨張部の内周面の)長さ寸法、
FD…(前側流出口の開口面の)向き、
BD…(後側流出口の開口面の)向き、
MA…(中間部位の)開口面積、
BA…(後側流出用開口の)開口面積、
G…膨張用ガス、
P…乗員、
M…(助手席用)エアバッグ装置。

Claims (4)

  1. エアバッグが、
    助手席前方のインストルメントパネルの上面側に配置されたケースに、取り付けられるとともに、折り畳まれて収納され、
    膨張用ガスの流入時、前記ケースから突出して、ウインドシールドの下方の前記インストルメントパネルの上面側から後方へ展開膨張する構成とし、さらに、
    膨張完了時の前端部に、前記インストルメントパネルにおける前記ケースの前方側の上面に当接させる支持膨張部を配設させて、前記エアバッグの後部側の上方移動を抑制する構成の助手席用エアバッグ装置であって、
    前記エアバッグが、外周壁を構成するバッグ本体と、該バッグ本体内に配設されて、前記バッグ本体内に流入する前記膨張用ガスの流れを制御する整流布と、を備えて構成され、
    前記バッグ本体が、膨張完了時の後端に配置されて、乗員を受け止める拘束壁部と、前端を閉塞させて前記拘束壁部の外周縁から前方に筒状に延びる筒状壁部と、を備え、
    該筒状壁部が、膨張完了時の前端側下面に、前記膨張用ガスを流入させるための流入用開口を有し、かつ、該流入用開口の周縁を、前記ケースに取り付ける取付部位として、前記支持膨張部を、前記流入用開口の前方側の前端部側に、配設させて、構成され、
    前記整流布が、前記流入用開口から流入する膨張用ガスを、前側を含んだ複数の方向に流すように、それぞれ、流出用開口を有して、前記流入用開口の上方を覆うように、前記流入用開口の周縁に取り付けられ、
    前記整流布が、前記エアバッグの膨張完了時、前側の前記流出用開口の周縁を、前記支持膨張部における前記筒状壁部の下面側から左右の側面を経た上面側にかける全周に、接触可能に、構成されていることを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
  2. 前記整流布が、前側の前記流出用開口の周縁の長さを、前側の前記流出用開口周縁の接触する部位の前記支持膨張部の内周面の長さより、長くするように、構成されていることを特徴とする請求項1に記載の助手席用エアバッグ装置。
  3. 前記整流布が、
    前記流入用開口から流入する膨張用ガスを、前後両側の2方向に流すように、前記前側流出用開口と後側流出用開口とを備えて、前後方向に延びる筒形状とし、
    前記エアバッグの膨張完了時、前後方向の中間部位の開口面積より、前記後側流出用開口を絞った形状としていることを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載の助手席用エアバッグ装置。
  4. 前記整流布が、前記エアバッグの膨張完了時、前記前側流出用開口の開口面の向きと前記後側流出用開口の開口面の向きとを略直交させて、前記後側流出用開口の開口面の向きを、斜め後下方側に向けるように、配設されていることを特徴とする請求項3に記載の助手席用エアバッグ装置。
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