JP2011173378A - 印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、消費電力をより低減する印刷装置を提供することを目的とする。
【解決手段】印刷装置1は、ホスト機器15からパケットを受信すると、受信したパケットに印刷データが含まれているか否かを判断する。受信したパケットに印刷データが含まれているとした場合には、ホスト機器15とNIC12の間の通信速度を高速に設定して印刷要求を実行する。そして、印刷データを含むパケットの受信が終わると、即座に通信速度を低速に設定して、NIC12での処理速度を低下させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、消費電力を低減させる印刷装置に関する。
従来、印刷装置が外部のホスト機器(パーソナルコンピュータ等)との間でデータの通信を行う場合に、ホスト機器との間で相互の通信方式を一致させる必要がある。この通信方式を一致させる設定を自動で行う機能であるオートネゴシエーションと呼ばれる機能が、印刷装置やホスト機器に設けられたNIC(Network Interface Card)に備えられている。
ホスト機器と印刷装置との間におけるデータ通信の通信速度(以下、単に「通信速度」ともいう)が大きくなるほど印刷装置が処理すべきデータの量が大きくなるため、NICを動作させるプロセッサの駆動周波数が必然的に高くなる。そして、NICを動作させるプロセッサの駆動周波数が高くなると、NICの処理速度も速くなる。このため、通信速度が大きくなるほど、NICにおける消費電力が大きくなるので、印刷装置全体の消費電力も大きくなる。
ところで、LAN(Local Area Network)等に接続されている印刷装置では、日中はいつでも印刷が可能なように常に電源が入っている。そして、印刷装置の装置内部での電力供給制御の状態には、節電状態と、通常状態と、がある。
節電状態は、消費電力を低減するために、印刷装置が外部のホスト機器から受信した印刷データの処理状況に応じて印刷装置内の一部の回路に対して電力の供給を停止あるいは低減する状態である。
通常状態は、印刷処理が即座に実行出来るように印刷装置の各部に電力が供給されている状態である。通常状態には、スタンバイ状態と、印刷実行状態と、の2つの状態が含まれる。スタンバイ状態は、印刷装置がホスト機器からの印刷データの入力を待っている状態であって、印刷装置が実際には印刷処理を行っていない状態である。一方、印刷実行状態は、印刷装置がホスト機器から受け取った印刷データを処理して実際に印刷処理を行っている状態である。
図8は、従来における、印刷装置の電力供給状態と通信速度との関係を示す図である。同図においては、横軸において印刷装置の電力供給状態の遷移を示し、縦軸において通信速度を示している。
同図において、時刻t0から時刻t1までの間と、時刻t5以降とにおいては、印刷装置の電力供給状態が節電状態になり、時刻t1から時刻t5までの間においては、印刷装置の電力供給状態が通常状態になっている。
通常状態(時刻t1から時刻t5の間)において、印刷装置は、最高速の通信速度でホスト機器からデータを受け取り、受け取ったデータを処理する。通常状態ときは、上述の通り、通信速度が速くなっていることによりNICの処理速度も速くなっているため、NICの消費電力は大きくなる。
他方、節電状態(時刻t0から時刻t1までの間と、時刻t5以降)では、印刷装置がホスト機器からのデータの入力を待機している最中であり、印刷装置においてはデータの入力を検知するための必要最低限の回路にしか電力が供給されていない。
このように、従来の印刷装置は、節電状態では、使用しない回路への電力供給を遮断するなどして消費電力を抑えている。そして、印刷装置は、節電状態では、通信速度も図8に示すように低速に設定している。
このような印刷装置の消費電力を低減させるための工夫は他にもあり、例えば、省電力状態時の通信速度を低下させて消費電力を抑える印刷装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−142603号公報
しかしながら、図8に示す従来の印刷装置では、一般に、図8に示す通常状態においても、ホスト機器からの印刷データの供給が無い期間が頻繁に発生している。言い換えれば、スタンバイ状態と印刷実行状態とが交互に発生している。
そして、外部ホストから送信されるデータには、印刷データのような高速の処理を必要とするパケットのほかに、故障情報やトラフィック情報などのネットワーク管理のためのSNMP(Simple Network Management Protocol)パケットのように高速の処理を必要としないパケットもある。
スタンバイ状態においては、ホスト機器から印刷装置への印刷データの入力が無いとはいっても、必要に応じてホスト機器から印刷装置へSNMPパケットが入力される。
しかし、図8に示す従来の印刷装置における電力制御においては、通常状態ではスタンバイ状態と印刷実行状態とを区別することなく、常に最高速の通信速度が設定されている。
つまり、低速の通信速度でも処理は実行できるスタンバイ状態の処理においても、最高速の通信速度を実現するために、大きい電力がNICに供給されている。つまり、この部分で消費電力の無駄があるという問題がある。
上記の課題を解決するために、本発明は、消費電力をより低減できる印刷装置を提供することを目的とする。
本発明の印刷装置は、印刷処理が即座に実行可能なように各部に電力が供給されている通常状態において、外部のホスト機器から本印刷装置に送信される送信情報に印刷情報が含まれているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が前記送信情報に前記印刷情報が含まれていると判断した場合、前記通常状態において、前記ホスト機器と本印刷装置との間の通信速度を第1の速度に設定して、本印刷装置を、前記印刷処理を行っている印刷実行状態にさせる第1の設定手段と、前記判断手段が前記送信情報に前記印刷情報が含まれていないと判断した場合、前記通常状態において、前記第2の通信速度に設定して、本印刷装置を、前記印刷処理を行っていないスタンバイ状態にさせる第2の設定手段と、を有する。
本発明の印刷装置によれば、消費電力をより低減できる。
本発明の実施例1に係る印刷装置のハードウエアの構成を示す図である。 実施例1に係る印刷装置の設定レジスタの構成例を示す図である。 実施例1に係る印刷装置の印刷処理のメインフローチャートである。 図3の印刷処理のステップS2の省電力設定切替処理と受信処理を更に詳しく説明するフローチャートである。 実施例1に係る印刷装置の通常状態時の省電力効果を説明する図である。 本発明の実施例2に係る印刷装置のハードウエアの構成を示す図である。 実施例2に係る印刷装置の設定レジスタの構成例を示す図である。 従来の印刷装置における省電力の動作を説明する図である。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、実施例1に係る印刷装置のハードウエアの構成を示す図である。同図に示すように、本例の印刷装置1は、CPU(Central Processing Unit)2に対し、バス3を介して、ROM(Read Only Memory)4、RAM(Random Access Memory)5、タイマ6、I/O(入出力インタフェース)部7、画像処理部8、及び機構制御部9が接続されて構成される。
また、CPU2には、周波数変換回路(PLL)11が直接接続されている。I/O部7にはNIC12が通信インターフェースとして装着されている。
NIC12は、設定レジスタ13と全二重通信回路14を備えている。NIC12は、必要に応じて全二重通信により外部のホスト機器15と印刷命令や印刷データを受け取る通信を行い、さらにはホスト機器15に対し印刷データを要求する通信を行う。
全二重通信時の通信速度の切替えは、詳しくは後述するが、NIC12が備える設定レジスタ13に対してCPU2によって行われる通信速度の書き換え処理によって実行される。
CPU2は、更に、各種データの演算処理、各種プログラムの実行処理、及び各部の制御処理を行う。例えば、内蔵のプログラムカウンタによりROM4のアドレスを指定され、その指定されたアドレスのプログラムの命令をROM4から読み出し、読み出した命令に基づいて、RAM5やI/O部7との間でデータを読み書きし、プログラムの命令順に処理を実行する。
すなわち、CPU2は、所定の割込み信号を受け取ると、その信号に対応するプログラムを実行し、転送データや回路切替のための信号を所定の回路へ供給する。上記の割込み信号としてはI/O部7からの受信処理割込み信号、換作入力割込み信号、及びタイマ6からのタイマ割込み信号などがある。
ROM4は、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性メモリで構成される。ROM4には印刷装置1の各部を制御するためのプログラムとして、印刷制御用各種プログラム16、受信処理用各種プログラム17が格納されている。
そして、受信処理用各種プログラム17には、本発明の特徴である省電力設定切替プログラム18や、これらのプログラムが参照するデータなどが格納されている。
尚、本例において省電力設定とは、100BASEや10BASEで表される通信速度と、全2重や半2重で表される通信モードとの組み合わせに対応して行われる電力供給状態の中で、現在可能なより低い電力消費量に設定したり、その設定を解除する機能のことである。
RAM5は、例えばスタティックRAMなどの一時記憶用の揮発性メモリから成る。RAM5には、例えば1ページ分の印刷データを一時的に記憶するための受信バッファ領域19や、特には図示しないがプログラムの実行中に生成される中間データや結果データを一時的に記憶するワーク領域が設けられている。
タイマ6は、経過時間を計時するカウンタである。例えばCPU2からリセット信号を受け取ることにより計時を開始し、それから一定時間後にCPU2に対しタイマ割込み信号を供給する。
I/O部7は、各種入出力器用のインターフェースとCPU2との間において、信号入出力のタイミング調節や信号入出力対象機器の切り替えなどをする回路である。
各種入出力器用のインターフェースとしては、不図示の操作器用のインターフェースや不図示の表示器用のインターフェース、さらには図1に示すNIC12のように、ホスト機器15と通信するための通信インターフェースなどがある。
上記のNIC12は、印刷装置1がホスト機器15と通信を行うための各種機能を備えている。例えばホスト機器15との間でFLP(Fast Link Pulse)バーストと呼ばれるパルス信号をやり取りして、ホスト機器15と印刷装置1の通信速度と通信モードの設定を相互に一致させる。
また、NIC12は、ホスト機器15との間で各種のパケット(デジタルデータを一定の長さで区切って小分けした送信単位)を送受信する機能がある。パケットには、印刷データの他に、受信許可、ウエイト、再送要求、又は通信切断などの命令を示すパケットなどがある。
NIC12は、ホスト機器15から正常に受信したパケットについては、そのデータを上位装置へ供給するようにする。本例ではNIC12は上記のデータをI/O部7に供給する。
I/O部7は、CPU2へ受信処理割込み信号を供給して、その後、NIC12から受け取った上記のデータを上位のCPU2へ供給する。
また、画像処理部8は、CPU2の制御の下に、RAMにビットマップデータとして展開された1ページ分の印刷データをRAM5から読み出し、この読み出したビットマップデータに画像処理を施す。
機構制御部16は、CPU2の制御の下に、各機構部を制御して、上記画像処理を施されたビットマップデータの印刷データを、例えば用紙等の記録媒体上に出力する。
上記の各機構部を機能分けして成る各機能部は、情況に応じて変化する印刷装置1の通信速度と通信モードの設定状態に応じて、不図示の電源回路から選択的に電力の供給を受け、周波数変換回路(PLL)11からのクロック信号により動作する。
本例の周波数変換回路(PLL)11には、選択信号により逓倍率や分周率が変えられるものが採用されている。この周波数変換回路(PLL)11において不図示の水晶発振子の信号を基にクロック信号が生成される。
図2は、上記NIC12に設けられている設定レジスタ13の構成例を示す図である。同図には、2個の設定レジスタ13(13−1、13−2)を示している。設定レジスタ13−1は、16ビットのコントロールレジスタであり、設定レジスタ13−2は16ビットのステータスレジスタである。
コントロールレジスタ13−1は、通信方式の設定を選択するためのレジスタである。ステータスレジスタ13−2は、現在設定されている通信方式の設定の状態を保持するための通信方式設定保持用のレジスタである。
本例では、コントロールレジスタ13−1において、第0番目から第15番目までの全16ビットのうち、第13番目の1ビットを、通信速度の値を設定するための通信速度設定用のビットとしている。
ここでいう通信速度は、印刷装置1とホスト機器15との間におけるデータ通信の速度である。本例における通信速度には、前述した比較的高速な通信方式の100BASE(以下、高速通信ともいう)における通信速度と、比較的低速な通信方式である10BASE(以下、低速通信ともいう)における通信速度と、がある。
また、ステータスレジスタ13−2においては、第0番目から第15番目までの全16ビットのうち、第13番目の1ビットを、設定された通信速度の値を読取るための通信速度読取り用のビットとしている。
上記いずれの場合も、第13番目の1ビットにフラグ0がセットされると通信速度10Mbpsの低速通信(10BASE)が設定され、フラグ1がセットされると通信速度100Mbpsの高速通信(100BASE)が設定される。そして、フラグが変わるたびに、通信速度が切り替わるようになっている。
すなわち、コントロールレジスタ13−1へ通信速度を設定するフラグを立てると、そのフラグの値が「0」である場合は、周波数変換回路(PLL)11は分周率の大きい回路に切り替わる。これにより、通信速度が低速になるので、NIC12の処理速度が低くなり、省電力状態となる。
また、フラグの値が「1」である場合は、周波数変換回路(PLL)11は逓倍率の大きい回路に切り替わる。これにより、NIC12の処理速度が高くなり、省電力状態が解除される。
コントロールレジスタ13−1の第13番目のビットに設定される通信速度に対応するフラグの値は、通信速度の切替えに応じて「0」または「1」に切り替えられる。その切替えられた値は、NIC12に設定される通信速度の最新の情報として読取り用のステータスレジスタ13−2の第13番目のビットに反映されて更新される。
次に、印刷装置1における印刷処理の手順を説明する。以下の鋭明において印刷装置1はすでに起動されており、ホスト機器15との間ではオートネゴシエーション処理が行われて、共通の通信速度の設定で通信が確立されているものとする。
また、一定時間、操作部やホスト機器15から信号の供給がなく、I/O部7からCPU2への割込み信号が通知されない状態が続いているものとする。従って、印刷装置1は、タイマ6によりCPU2への割込み信号が通知されない状態が一定時間を継続したことを検知すると、節電状態となることになる。
図3は、実施例1に係る印刷装置1の印刷処理のメインフローチャートである。まず、NIC12は、ホスト機器15からパケットを受信すると、その受信したパケット(以下、「受信パケット」と呼ぶ)をCPU2に対し出力する(ステップS1)。
本例では、NIC12は、受信パケットのデータをI/O部7に供給し、I/O部7を介してCPUに割込み信号を通知することにより、CPU2へ受信パケットの処理を依頼する。
CPU2は、I/O部7から割込み信号を受け取ると、省電力設定切替プログラム18を起動して、後述する省電力設定切替処理と受信処理を開始する(ステップS2)。
そして、CPU2は、省電力切替設定処理と受信処理において印刷要求が発生すると、印刷制御処理各種プログラム16を起動して印刷処理を実行し(ステップS3)、全て処理が終わると割込み信号のフラグをOFFにして割込み前の処理に復帰する。
この印刷制御処理は、CPU2が省電力切替設定プログラム18を実行し、後述する印刷データの検出結果により、印刷制御処理各種プログラム16の開始アドレスが不図示のプログラムカウンタに指定されることにより、一時的に移行する処理である。
また、この印刷制御処理では、CPU2は、RAM5の受信バッファ19の所定領域に格納されている1ページ分の印刷データをビットマップ展開処理し、そのビットマップ展開処理した印刷データを画像処理部8へ転送する。そして、CPU2は、機構制御部9を制御して印刷データに従う印字を所定の用紙に対し施す。
この印刷制御処理が終了すると、省電力切替設定処理に戻って、続く受信パケットに対して処理を実行する。また、受信パケットが無い場合は省電力切替設定処理を終了し、割込み信号のフラグをOFFにして割込み前の処理に復帰する。
図4は、図3のメインフローチャートにおけるステップS2の省電力設定切替処理と受信処理の詳細を示すフローチャートである。
この処理では、CPU2は、先ずI/O部7がNIC12から受け取った受信パケットの宛先ポート番号部のデータを抽出し、宛先ポート番号が印刷データ処理のためのポート番号であるか否かを判別する(ステップS21)。
宛先ポート番号とデータ種別との対応表は、設定情報として予めROMに記録されている。CPU2は、宛先ポート番号を設定情報の対応表と比較することによりデータの宛先がどのデータ種別のものであるかを調べることにより、受信パケット内に印刷データがあるか否か、ある場合にはこれから印刷データの処理が行われると判断する。
なお、印刷データ処理のためのデータ種別には、例えばRAWポート、LPR (Line Printer Remote)ポート、FTP(File Transfer Protocol)ポートに送信されてくるデータが該当する。これらのポート以外のポートに送信されてくるデータは印刷データ以外のデータとして識別される。
CPU2は、ステップS21の判別処理で、印刷データ処理のためのポート番号であると判別すると(S21がYes)、I/O部7に保持されている受信パケットの後続のデータ部から印刷データを取り出し、RAM5の受信バッファ領域19に印刷データを格納する(ステップS22)。
他方、ステップS21の判別処理で、印刷データ処理のためのポート番号でないと判別すると(S21がNo)、I/O部7に保持されているデータを対象に該当するデータ種別に応じた処理を実行し、実行結果をI/O部7に出力する。
そして、続く受信パケットがあればそれをホスト機器15に要求して、ホスト機器15から受け取った受信パケットを対象にステップS21の判別処理を再び実行する。なお、I/O部7に出力された実行結果は、NIC12で送信パケットに組み立てられてホスト機器15へ返信される。
CPU2は、上記ステップS22で印刷データを受信バッファ領域19に格納した場合は、NIC12のステータスレジスタ13−2の設定値を読み出し、この値が省電力設定を示す値であるか否かを判別する(ステップS23)。
本例ではステータスレジスタ13−2の第13番目のビットの値(フラグ)を読み出して、フラグがON「1」である場合は高速通信(100BASE)が設定されていることを示しているため省電力設定でないと判別し、フラグがOFF「0」である場合は低速通信(10BASE)が設定されていることを示しているので省電力設定であると判別する。
ステップS23の判別処理において、CPU2は、省電力設定であると判別すると(S23がYes)、NIC12のコントロールレジスタ13−1の第13番目のビットのアドレスを指定して、そのビットを高速通信(100BASE)の値「1」に書き換える(ステップS24)。
この場合、CPU2は、例えば、受信バッファを増やしたり、クロック周波数として逓倍されたもの(通信速度100Mbpsに対応した周波数のクロック信号)を生成することにより、NIC12の処理速度を高速にさせる。
このクロック周波数の切替えは、CPU2から周波数変換回路(PLL)11へ分周から逓倍へ切り替える選択信号を供給することにより実施される。なお、NIC12の内部でクロック周波数を逓倍するようにして実施するようにしても良い。
上記に続いて、CPU2は、印刷要求を開始する(ステップS25)。このとき、通信速度の設定の切替は、例えば、ホスト機器15からのパケットの送信を一旦止めて、オートネゴシエーション処理を再度実行し、相互の通信速度の設定を再度確立することによりなされる。尚、以下の説明では、通信速度の設定を単に通信設定という。
オートネゴシエーションの際には、印刷装置1からホスト機器15へ通信設定の内容を示す情報(以下、「通信設定情報」と呼ぶ)を送信する。この通信設定情報にはNIC12のコントロールレジスタ13−1にセットした「高速通信」を示す情報が含まれる。そして、相互の通信設定が確立した段階でホスト機器15からのパケットの送信が再開される。
一方、上記のステップS23の判別処理で、CPU2は、省電力設定でないと判別すると(S23がNo)、ステップS24の処理をとばして直ちにステップS25の処理に移る。
ステップS25の印刷要求処理では、CPU2は、印刷制御用各種プログラム16の開始アドレスを、プログラムカウンタにセットし、図3で説明した印刷処理を実行する。
そして、上記印刷処理を終了すると、CPU2は、受信パケットが最終パケットであったかどうかを判別する(ステップS26)。この処理では、受信パケット内に含まれる最終パケットを示す情報の有無を読み取って最終パケットであるか否かが判別される。
そして、CPU2は、最終パケットでないと判別すると(S26がNo)、続いて回線が切断されたか否かを判別する(ステップS27)。
そして、回線が切断されていないと判別すると(S27がNo)、ステップS21の処理に戻って、ステップS21〜S27の処理を繰り返す。
また、ステップS26の判別で、最終パケットであると判別した場合は(S27がYes)、またはステップS27の判別で、回線が切断されていると判別した場合には(S26がYes)、コントロールレジスタ13−1の設定値を省電力設定値に変更する(ステップS28)。
省電力設定値の変更では、コントロールレジスタ13−1の第13番目のビットの値が低速通信(10BASE)の値「0」に書き換えられる。これにより、CPU2は、例えば、受信バッファを減らしたり、クロック周波数として分周された通信速度10Mbpsに対応した周波数のクロック信号を生成することにより、NIC12の処理速度を低速にさせる。
クロック周波数の上記のような切替えは、CPU2から、周波数変換回路(PLL)11へ逓倍から分周へ切り替える選択信号を供給することにより実行される。尚、これに限ることなく、NIC12の内部でクロック周波数を分周するようにしても良い。
この場合における通信設定の切替処理では、オートネゴシエーションの際に、印刷装置1からホスト機器15へ送信する通信設定情報として、NICのコントロールレジスタにセット13−1した、低速通信を示す「0」の情報が含まれる。
そして、ステップS21に処理が戻る。このように、印刷データの最終パケットに基づく印刷処理の終了後は、省電力設定切替プログラム18により省電力設定値が変更されてNIC12が省電力状態に移行する。この後、ステップS21において、ホスト機器15から印刷データを含む受信パケットを受け取るまで、スタンバイ状態が継続する。
図5は、印刷装置1の動作の様子の一例を示す図である。同図は、横軸において印刷装置1における電力供給状態の遷移を示し、縦軸において通信速度を示している。同図では、通信速度の時間的な変化が折れ線グラフで示されている。
本例では、時刻t0から時刻t1までの間の印刷装置1における電力供給状態と、時刻t5以降の印刷装置1における電力供給状態は、節電状態を示している。また。時刻t1から時刻t5までの間の印刷装置1における電力供給状態は、通常状態を示している。
なお、本例では説明を分かりやすくするために、印刷装置1が通常状態となる期間に、印刷装置1がホスト機器15から印刷データを2回受けとった場合の例を示している。本例においては、時刻t1から時刻t2までの間と、時刻t3から時刻t4までの間と、において、印刷装置1がホスト機器15から印刷データを受けとる。
同図においては、まず、時刻t0から時刻t1までの間においては、印刷装置1は外部ホスト15からパケットを受けとっていないので、通信速度が低速に設定される。このとき、印刷装置1の電力供給状態が節電状態となるので、NIC12の処理速度が抑えられている。
一方、時刻t1になると、印刷装置1はホスト15からパケットを受け取り、CPU2で割込み信号を検知する。これにより、印刷装置1は、それまで電力供給を遮断していた各機能部に対して電力供給を再開することにより、通常状態なに移行する。
ここで、時刻t1から時刻t5までの間においては、印刷装置1は通常状態となる。時刻t1から時刻t2までの間においては、印刷装置1がホスト機器15から1回目の印刷データを受け取ることにより印刷実行状態となるので、通信速度が高速となる。
時刻t2から時刻t3までの間においては、印刷装置1がホスト機器15から印刷データを受け取らないことによりスタンバイ状態となるので、通信速度が低速となる。
時刻t3から時刻t4までの間においては、印刷装置1がホスト機器15から2回目の印刷データを受け取ることにより再び印刷実行状態となるので、通信速度が再び高速となる。
時刻t4から時刻t5までの間においては、印刷装置1がホスト機器15から印刷データを受け取らないことにより再びスタンバイ状態となるので、通信速度が低速となる。
ここで、受信パケットに1回目の印刷データが含まれていた場合、印刷装置1は高速通信(100BASE)を設定し、ホスト機器15との間で採りうる最高速の通信速度を設定する。同図の折れ線グラフAで示す部分は、通信速度が最高速にあることを示している。
この後、印刷装置1は、1回目の印刷データに関する一連のパケットの最終パケットの受信を終えるまで、或いは最終パケットを受け取る前のホスト機器15との回路切断が検出されるまで、最高速の通信速度を維持して受信パケットを高速で処理することとなる。
時刻t2は、印刷装置1が1回目の印刷命令に関する最終パケットを受信し終えたタイミング又は回路切断を検出したタイミングである。このタイミングで、印刷装置1は、通信速度を高速から低速に切り替える。これにより、NIC12の処理速度も低下するので、NIC12の消費電力も低下する。
同図の折れ線グラフBで示す部分は、通信速度が低速となる状態を示している。時刻t2以降、印刷装置1は、ホスト機器15から印刷データではないパケットを受け取っても、その処理量が少ないので、低速となった処理速度で問題なく処理を実行できる。
そして、印刷装置1は、2回目の印刷データを受け取ると、通信速度を低速から高速に再び切り替え、受信パケットの最終パケットの処理を終える、又はホスト機器15との回線が切断されるまで、NIC12の処理速度を高速に設定して、受信パケットを高速で処理する。
従って、時刻t3から時刻t4までの間において、折れ線グラフAで示す部分は通信速度が高速に設定されている状態を示す。時刻t4で、印刷装置1は、2回目の印刷命令の最終パケットの処理を終える又はホスト機器15との回線切断を検知することにより、通信速度を高速から低速に切り替える、これにより、NIC12の処理速度も低下するので、NIC12の消費電力も低下する。
時刻t4以降は、印刷像地1はホスト機器15からの印刷データを受けとらないため、折れ線グラフBで示すように通信速度が低速に保たれる。これにより、時刻t4以降は、NIC12の処理速度も低速に保たれる。
そして、印刷装置1に対しホスト機器15からデータの入力がなく、つまりCPU2が割込み信号を検知することなく、タイマ6に設定された一定時間が経過すると、印刷装置1は、ホスト機器15からデータを受け取るための必要最低限の回路以外の回路への電力の供給を遮断する。これにより、印刷装置は、節電状態になるので、NIC12の処理速度も低速のままとなる。
以上述べたように、印刷装置1においては、通常状態時におけるスタンバイ状態においては通信速度を低速に設定する。これにより、スタンバイ状態において、NIC12の処理速度が低速となるので、NIC12の消費電力を低減できる。
この結果、印刷装置1は、消費電力をより低減できる。つまり、印刷装置1は、従来技術に比べて、図5の斜線部Cで示す部分に対応する消費電力を低減できる。
次に、本発明の実施例2に係る印刷装置について説明する。
実施例1の印刷装置1との違いは、省電力を実現するための構成として通信設定に通信モード(半二重通信/全二重通信)を更に加えている点にある。従って以下の説明では、実施例1と異なる点について詳しく説明する。
図6は、本発明の実施例2に係る印刷装置のハードウエアの構成を示す図である。尚、図6には、図1と同一構成部分には図1と同一の番号を付与して示している。同図に示す印刷装置20は、NIC12に、設定レジスタ13と全二重通信回路14の他に、半二重通信回路21を備えている。
NIC12は、各種の通信速度・通信モードに対応できるように各種のトランシーバやコントローラ等を備えている。NIC12による所定の通信速度・通信モードへの切替えは、設定レジスタ13へのフラグの書き換えによりソフト的に行うものである。
図7は、図6の印刷装置20のNIC12に設けられている設定レジスタ13の構成例を示す図である。図7には、2個の設定レジスタ13(13−3、13−4)を示している。設定レジスタ13−3は、16ビットのコントロールレジスタであり、設定レジスタ13−4は16ビットのステータスレジスタである。
実施例1との違いは、2つの設定レジスタ13それぞれの第12番目のビットを通信モードを設定するためのビットとしたことである。この第12番目のビットにフラグ「0」がセットされると半二重通信、フラグ「1」がセットされると全二重通信となる。
そして、コントロールレジスタ13−3へ上記のフラグで通信モードを設定すると、その設定が半二重通信(フラグ「0」)である場合は、NIC12は半二重通信に適した構成をとり、通信モードの設定が全二重通信(フラグ「1」)である場合は、NIC12は全二重通信に適した構成をとるようになっている。
なお、コントロールレジスタ13−3の第12番目のビットに設定したフラグの値は、NIC12の更新された通信設定情報としてステータスレジスタ13−4にも設定される。この設定レジスタ13へ書き換えられた情報は、その後のホスト機器15へ通信設定を示すための情報として使用される。
この印刷装置2の構成において、印刷処理の手順は、実施例1において図4に示したフローチャートで説明した処理と以下の点で異なる。
先ず、図4のステップS23の処理において、本例ではステータスレジスタ13−4の第12番目のビット及び第13番目のビットのフラグの値を読み出し、それぞれの値の組み合わせに応じて省電力設定であるか否かを判別する。
ステップS23において、省電力設定であると判別すると、NIC12のコントロールレジスタ13−3のアドレスを指定して通信速度が上位の設定値に切り替える(ステップS24)。
また、ステップS28において、コントロールレジスタ13−3のフラグの値を省電力設定値に替える場合は、現在の設定値よりも通信速度が下位の設定になるようにコントロールレジスタ13−3の第12番目のビットと第13番目のビットのフラグの値を書き換える。
この例では、第12番目のビットのフラグがON(=1、以下同様)且つ第13番目のビットのフラグがONである場合を組み合わせ1とし、第12番目のビットのフラグがON且つ第13番目のビットのフラグがOFF(=0、以下同様)である場合を組み合わせ2とする。
また、第12番目のビットのフラグがOFF且つ第13番目のビットのフラグがONである場合を組み合わせ3とし、第12番目のビットのフラグがOFF且つ第13番目のビットのフラグがOFFである場合を組み合わせ4とする。
このように、通信速度の設定値に対応するフラグの値と、通信モードの設定値に対応するフラグの値の組み合わせは、組み合わせ1、2、3及び4の4通りある。
そこで、組み合わせ4を省電力設定とし、それ以外(組み合わせ1から3)を省電力設定ではないとすることで、省電力設定であるか否かを判別できるようにする。
通信速度の上位の設定値としては、予め、組み合わせ1から3に、省電力効果の高いものから低いものに順番を付けておき、より省電力効果が低い設定値を使用する。通信速度が下位の設定値としては、組み合わせ4の設定値を使用する。
なお、省電力設定となる前にコントロールレジスタ13−3に設定されていた設定値を記憶しておき、省電力設定から通常状態に回復する際は、記憶した値を上位の設定値として使用するようにしてもよい。
コントロールレジスタ13−3への上記の設定により、通信速度及び通信モードを示す情報が印刷装置20の設定情報として登録され、ホスト機器15とのオートネゴシエーション処理において、上記の設定情報が印刷装置2からホスト機器15へ送信される。
この実施例2の効果は、図5を用いて説明された実施例1の効果とほぼ同様であるが、実施例2の場合は、通常状態時における印刷状態時の消費電力の設定を、各機能部の稼動情況に合わせて、より細かく選択できるという更なる効果が得られる。
本発明は、通常状態時における消費電力を抑制してより高い省エネを実現する印刷装置に利用することができる。
1 印刷装置
2 CPU(central processing unit)
3 バス
4 ROM(read only memory)
5 RAM(Random Access Memory)
6 タイマ
7 I/O部
8 画像処理部
9 機構制御部
11 周波数変換回路
12 NIC(Network Interface Card)
13 設定レジスタ
13−1、13−3 コントロールレジスタ
13−2、13−4 ステータスレジスタ
14 全二重通信回路
15 外部ホスト機器
16 印刷制御用各種プログラム
17 受信処理用各種プログラム
18 省電力設定切替プログラム
19 受信バッファ
20 印刷装置
21 半二重通信回路

Claims (1)

  1. 印刷処理が即座に実行可能なように各部に電力が供給されている通常状態において、外部のホスト機器から本印刷装置に送信される送信情報に印刷情報が含まれているか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段が前記送信情報に前記印刷情報が含まれていると判断した場合、前記通常状態において、前記ホスト機器と本印刷装置との間の通信速度を第1の速度に設定して、本印刷装置を前記印刷処理を行っている印刷実行状態にさせる第1の設定手段と、
    前記判断手段が前記送信情報に前記印刷情報が含まれていないと判断した場合、前記通常状態において、前記通信速度を前記第1の速度よりも遅い第2の通信速度に設定して、本印刷装置を前記印刷処理を行っていないスタンバイ状態にさせる第2の設定手段と、
    を有することを特徴とする印刷装置。
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