特許文献1のように、通知灯の光が運転手側に向けて直接的に出射される構成の場合、夜間等の周囲が暗い状況では、運転手が光をまぶしく感じることがあった。しかし、通知灯の光量を落とした場合、昼間のように周囲が明るい状況では、通知灯の点灯状態を確認しにくくなってしまう。特に、屋根等の遮蔽物がない自動2輪では、周囲の明るさの影響が大きいため、ETC車載器の通知灯の防眩性及び視認性の両方の向上は、解決すべき重要な課題の1つであった。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車載通信装置において、視認性を確保しつつ、高い防眩性を実現できる簡素な構成を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の第1の観点によれば、無線通信を利用して情報をやり取りする車載通信装置において、以下の構成が提供される。即ち、車載通信装置は、透過部と、カバー部と、を有する通知灯を備える。前記透過部は、本体の内部に配置される光源の光を前記本体の外部に透過させるためのものである。前記カバー部は、光が前記透過部から前記本体の外部に出射されるときに通過する出射面の一部を覆うように構成される。そして、前記透過部の前記出射面と前記カバー部の間には、前記出射面に垂直な方向の隙間が形成されている。
これにより、カバー部と透過部の間にできる影の部分に光源からの光が照射されるので、明るい場所であっても、カバー部と透過部の間の隙間を見ることで、通知灯の点灯状態を容易に確認できる。また、カバー部に照射された光は、乱反射によって拡散しており、強い指向性を有しない。従って、通知灯の点灯状態を確認するために、カバー部と透過部の間の隙間を見ても目が眩むこともない。
前記の車載通信装置においては、前記透過部の出射面とカバー部の間の前記垂直な方向の隙間が0.5mm以上2.0mm以下になるように前記カバー部が構成されていることが好ましい。
これにより、出射面とカバーの隙間に入る直射日光等の光量を低減しつつ、カバーと出射面との間に形成される空間(隙間)で本体内部の光源からの光を効率的に乱反射させることができる。
前記の車載通信装置においては、前記カバー部は、前記本体の表面から突出していることが好ましい。
これにより、カバー部と透過部の間の空間が見易くなり、通知灯の視認性を一層高めることができる。
前記の車載通信装置においては、前記透過部は、前記本体の表面に形成される凹部に前記出射面が配置されていることが好ましい。
これにより、凹部を形成するという簡素な構成でカバー部を構成することができる。また、透過部の出射面が本体の表面よりも内側に配置されることになるので、防眩性をより高めることができる。
前記の車載通信装置においては、前記カバー部には、水抜き孔が形成されていることが好ましい。
これにより、雨天の場合でも、カバー部の内側に水が溜まって通知灯の視認性が低下する事態を防止できる。
前記の車載通信装置においては、以下のように構成されることが好ましい。前記本体は、車両の運転座席の前方に取り付けられる。前記カバー部には、前記車両の走行方向の後方を向いた開口部が形成されている。
これにより、運転手は、車両の運転をしている場合であっても、視線を大きく外すことなく、カバー部の開口から通知灯の点灯状態を容易に確認できる。
前記の車載通信装置においては、以下のように構成されることが好ましい。即ち、前記本体には、無線通信を利用してやり取りされる情報が記憶されるカードを挿入するための挿入口が配置されている。前記車載通信装置は、前記挿入口を照らす挿入口照明部を備える。
これにより、暗い場所で位置が確認しにくくなる挿入口に照明が当たるので、周囲の明るさに関係なく、カードの着脱作業をスムーズに行うことができる。
前記の車載通信装置においては、以下のように構成されることが好ましい。即ち、前記挿入口照明部は、前記挿入口に隣接して形成される領域に光を照射し、反射させることで前記挿入口に間接的に光を照らす。
これにより、間接的に挿入口が照らされるので、挿入口を正面から見た場合でも、目が眩んだりすることなく、カードの着脱を行うことができる。
本発明の第2の観点によれば、無線通信を利用して情報をやり取りする車載通信装置において、以下の構成が提供される。即ち、車載通信装置は、本体と、通知灯と、挿入口照明部と、を備える。前記本体は、無線通信を利用してやり取りされる情報が記憶されるカードを挿入するための挿入口を有する。前記通知灯は、前記本体の内部に配置される光源の光を前記本体の外部に透過させるための透過部と、光が前記透過部から前記本体の外部に出射されるときに通過する出射面の一部を覆うカバー部と、を有する。前記挿入口照明部は、前記挿入口を照らす。そして、前記通知灯の光源と前記挿入口照明部との光源が共通である。
これにより、カバー部と透過部の間にできる影の部分に光源からの光が照射されるので、明るい場所であっても、カバー部と透過部の間の隙間を見ることで、通知灯の点灯状態を容易に確認できる。また、カバー部に照射された光は、乱反射によって拡散しており、強い指向性を有しない。従って、通知灯の点灯状態を確認するために、カバー部と透過部の間の隙間を見ても目が眩むこともない。また、暗い場所で位置が確認しにくくなる挿入口に照明が当たるので、周囲の明るさに関係なく、カードの着脱作業をスムーズに行うことができる。更に、通知灯の光源と、挿入口照明部の光源と、が共通なので、車載通信装置に必要な光源の数を減らすことができ、製造コストの低減に寄与できる。
本発明の第3の観点によれば、無線通信を利用して情報をやり取りする車載通信装置において、以下の構成が提供される。即ち、車載通信装置は、本体と、通知灯と、を備える。前記本体は、車両の運転座席の前方に取り付けられる。前記通知灯は、本体の内部に配置される光源の光を前記本体の外部に透過させるための透過部を有する。そして、前記透過部は、第1出射面と、第2出射面と、を有する。前記第1出射面は、光が前記透過部から前記本体の外部に出射されるときに通過する面である。前記第2出射面は、前記第1出射面よりも光を拡散させるように構成されている。そして、前記第2出射面は前記車両の走行方向の後方を向くように配置されている。また、前記第1出射面は前記車両の走行方向の後方とは異なる方向を向くように配置されている。
これにより、第1出射面は運転座席側を向いていないので、運転座席側から第1出射面から出射される光を見ても運転手の目に直接的に光が入ることがない。また、第2出射面の光は第1出射面よりも拡散されており、運転座席側から第2出射面の光を見たときに運転手が受ける刺激が低減されている。また、通知灯の点灯を確認しにくい明るい場所では、第1出射面を覗き込むことで、第2出射面から出射される光よりも指向性の強い光によって、通知灯の点灯状態を確認することができる。このように、本発明によって、当該車載通信装置を正面から見た運転手の目の眩みを効果的に防止しつつ、通知灯の点灯状態を容易に確認できる構成が実現されている。
次に発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るETC車載器10の外観斜視図である。図2は、ETC車載器10の側面図である。図3は、カバー12が開放位置にあるときのETC車載器10の正面図である。図4は、ETC車載器10の内部構造を示した側面断面図である。
本実施形態のETC車載器10は、自動2輪に取り付けられて使用されるものであり、アンテナと一体型の車載通信装置である。このETC車載器10は、自動2輪のハンドルに適宜のステーを介して取り付けられることを想定して構成されている。自動2輪の運転手は、このETC車載器10にETCカード20を差し込むことで、ETCシステムを利用することができる。ETCカード20は、集積回路が組み込まれたICカードであり、通行料金の支払い者を特定するための識別情報が事前に記憶されている。以下に、本実施形態のETC車載器10の具体的な構成について説明する。
図1に示すように、ETC車載器10は、ETCカード20を挿入可能な本体11と、本体11に挿入されるETCカード20を保護するカバー12と、を備えている。図2に示すように、本体11の上部は、ETCカード20の挿入方向に進むに従って下方に近づく流線形に形成されている。これによって、本体11の上面を通過する空気の抵抗を低減できるとともに、ETC車載器10の上面に水が溜まりにくい構造が実現されている。
また、本体11の上面には、ETC車載器10の状態を表示するためのLEDランプ13が、運転手側から見たときに左右対称になるように2つ配置されている。2つのLEDランプ13の点灯、点滅等を組み合わせることで、電源のON/OFFやETCカード20の装着の有無等の各種の状態を運転手に通知することが可能になっている。なお、LEDランプ13の詳細な構成については後述する。
図3に示すように、カバー12は、本体11の正面側上部に配置される2つの回動軸15を介して本体11に支持されている。これによって、カバー12は、本体11に対して上下方向に回動可能になっている。また、ETC車載器10は、ロック機構50と、保持機構60と、を備えている。ロック機構50は、ETCカード20を保護する閉鎖位置でカバー12を固定するためのものである。保持機構60は、ETCカード20の着脱作業を行うことができる開放位置(図2の鎖線位置及び図3に示す位置)でカバー12を保持するためのものである。
図2の鎖線に示すように、カバー12を開放位置とした状態では、当該カバー12の端部は、カード挿入口14よりも上方であって、カード挿入口14よりも装置正面側(カード差込方向と反対側、本体11の外側)に位置している。また、本実施形態のカバー12は、開放位置では、その開口部が斜め下方を向いた状態になっている。従って、雨天時にカバーを開放位置で保持機構60によって保持したとしても、雨等がカバー12の内側に溜まりにくくなっている。
図4に示すように、ロック機構50は、レバー部51と、爪部52と、トーションスプリング53と、を備えており、カバー12に配置されている。レバー部51は、カバー12に対して回動可能に取り付けられている。爪部52は、レバー部51と一体的に構成されており、当該レバー部51と一体的に回動するようになっている。トーションスプリング53は、その一端がレバー部51(爪部52)に接続されるとともに、他端がカバー12に接続されている。このトーションスプリング53によって、レバー部51は、爪部52の先端部がカバー12の内側に近づく方向に付勢されている。
図2に示すように、本体11の下面には係止部55が形成されている。前記爪部52がこの係止部55に係止することで、カバー12が閉鎖位置でロックされる。ロック機構50のロックを解除する場合は、トーションスプリング53の付勢力に抗してレバー部51を引き上げるように回動させる。これによって、レバー部51と一体的に回動する爪部52が係止部55から離れる方向に移動し、爪部52と係止部55の係合(ロック)が解除される。
また、本体11の下面であって、前記係止部55の近傍には、作業用凹部56が形成されている。図4に示すように、作業用凹部56は係止部55に隣接して配置されており、カバー12が閉鎖位置にあるときは爪部52の上方に位置するようになっている。従って、運転手は、前記レバー部51を指で引き上げる方法のほか、作業用凹部56に指を差し入れて爪部52を直接引き下げることでも、爪部52と係止部55との係合を解除してロック機構50のロックを解除することができる。
次に、保持機構60について説明する。保持機構60は、カバー12に形成される開放位置用凹部及び回動用凹部と、本体11に形成される凸部と、によって構成されている。開放位置用凹部及び回動用凹部は、カバー12の一側の端部であって、回動軸15が挿通されている円筒状の部分(筒部12a)の周面に形成されている。一方、凸部は、本体11の上部であって、回動軸15の下方に形成されている。本実施形態では、カバー12が閉鎖位置及び回動状態にあるときは、前記凸部は前記回動用凹部に入った状態になる。一方、カバー12が開放位置にあるときは、前記凸部は開放位置用凹部に入った状態になる。この開放位置では、カバー12が自重によって下方に回転しようとしても、開放位置用凹部の内壁が凸部によって受け止められる形になり、カバー12のそれ以上の下方回動が規制される。
また、本実施形態のカバー12は、少なくとも、開放位置用凹部及び回動用凹部が形成される部分が、弾性変形可能な適宜の樹脂によって構成されている。本実施形態では、この弾性変形を利用することによって、閉鎖位置と開放位置の間をカバー12が移動できるようになっている。より具体的には、カバー12の移動時には、回動用凹部と開放位置用凹部の間で相対的に凸になっている部分が弾性変形し(あるいは本体11側の凸部が弾性変形し)、当該部分が凸部を乗り越える形になるのである。これによって、作業者は、カバー12を回動させたい方向に一定以上の力を加えることによって、開放位置用凹部と開放位置用凹部の間の部分に凸部を乗り越えさせて、カバー12を開放位置と閉鎖位置の間で移動させることができるようになっている。
なお、本実施形態のカバー12は、当該カバー12が自重によって開放位置から閉鎖位置側に自然落下しようとする力より、回動用凹部と開放位置用凹部の間の部分が凸部を乗り越えるために必要な力の方が若干大きくなるように構成されている。従って、カバー12が自然に閉じないように保持できる一方で、作業者がカバー12を手で開閉する場合のスムーズな操作性を確保することができる。
図3に示すように、本実施形態のETC車載器10は、カバー12を開放位置とすることで、ETCカード20を差し込むためのカード挿入口14が露出するようになっている。このカード挿入口14には、ガードパッキン34が配置されている。このガードパッキン34は、カード挿入口14の上部に配置されており、吸水性を有する弾性変形可能な素材によって構成されている。
図3の正面図に示すように、カード挿入口14は、その上側の一部がガードパッキン34によって覆われている。カード挿入口14の下部には、ガードパッキン34に覆われていない、横に細長い隙間が形成されている。この隙間の上下方向の大きさは、差し込まれるETCカードの高さ(厚み)よりも小さく、かつ、隙間の長手方向の長さはETCカード20の幅方向の長さよりも長くなるように、カード挿入口14の大きさ及びガードパッキン34の大きさが設定されている。
この構成で、ETCカード20をカード挿入口14に挿入すると、まずガードパッキン34がETCカード20の差込方向先頭部分によって挿入方向に押されることで、若干湾曲するように弾性変形する。更にETCカード20を押し込んでいくと、弾性変形しているガードパッキン34の下端部がETCカード20の上面に常に接触した状態で、当該ETCカード20が挿入方向奥側へ移動する。このとき、ETCカード20の上面に水分及び埃等が付着していても、水分は吸水性のあるガードパッキン34によって吸収され、埃等はその大半がガードパッキン34によって掻き取られる。また、隙間の高さがETCカード20の厚みよりも小さく構成されているので、ガードパッキン34の下端がETCカード20の上面に必ず当たるようになっている。加えて、カード挿入口14の開口面積の大部分がガードパッキン34によって覆われているので、カバー12が開放位置にあるときでも、雨や埃等が本体11の内部に入り込みにくくなっている。
次に、ETC車載器10の内部構造について説明する。図4に示すように、本体11は、ETCカードホルダ21と、制御基板22と、防水シート35と、スクレイパー(本体内接触部)36と、を備えている。また、本体11の底部には、水溜め部37と、空気孔38が形成されている。
ETCカードホルダ21は、ETCカード20の識別情報を読み取るための接点接触式のカードリーダ(読取部)を内部に有しており、このETCカードホルダ21にETCカード20の接点部分が差し込まれることで、ETCカード20の識別情報等が読み込まれる。
ETCカードホルダ21の内部には、ETCカード20の挿入方向側の縁(端面)が接触する図略のストッパが配置されている。本実施形態では、ETCカード20が前記ストッパに接触する位置がETCカードホルダ21の読取位置になっている。なお、ETCカードホルダ21の読取位置にセットされたETCカード20は、その一部が本体11よりも外側にはみ出た状態で、ETCカードホルダ21に保持される。
また、前記カードリーダは、読取位置のETCカード20の上方に位置するようにETCカードホルダ21内部で支持されている。従って、ETCカード20は、接点が配置される面を上方に向けた状態でカード挿入口14に挿入する必要がある。ETCカードホルダ21は、制御基板22に電気的に接続されており、ETCカードホルダ21が読み取った識別情報等は制御基板22に出力される。
制御基板22は、ETCカードホルダ21が読み取った前記識別情報に基づいて料金所のETCゲートの無線通信を行うための制御及びLEDランプ13の制御等、ETC車載器10の各種の制御を行うためのものである。制御基板22にはアンテナパターン(アンテナ部)がプリントされており、このアンテナパターンによって料金所のETCゲート(外部機器)との通信を行う。図4に示すように、制御基板22は、平面部分が上下方向を向くようにして本体11に適宜の固定手段で固定されている。
制御基板22の下面の一部には、防水シート35が固定されている。防水シート35は、本体11の内部に侵入した水分が制御基板22に接触することを防止するためのものであり、適宜の樹脂によって構成されている。この防水シート35は、カード挿入口14とETCカードホルダ21の間に配置されており、ネジ等によって制御基板22に固定されている。図4に示すように、ETCカード20を装着した状態では、前記防水シート35が当該ETCカード20の上方に位置するようになっている。なお、本実施形態の防水シート35は、光を透過させることができる素材によって構成されている。
スクレイパー36は、防水シート35の下面に固定されており、前記ETCカードホルダ21よりもカード挿入口14側に配置されている。このスクレイパー36は、下方に突出する突出壁36aを複数備えている。突出壁36aは、短手方向に延びる壁状に形成されており、その先端部分がETCカード20の上面に接触するように配置されている。なお、突出壁36aは、吸水性のある弾性変形可能な材料で構成されている。
カード挿入口14から挿入されたETCカード20は、その上面が複数の突出壁36aに接触した状態でETCカードホルダ21に差し込まれることになる。従って、ガードパッキン34によって除去しきれなかった水及び埃等があったとしても、それらの異物がETCカードホルダ21に到達するまでにスクレイパー36によって確実に除去することができる。また、スクレイパー36が有する複数の突出壁36aがETCカード20に対して上方から接触する構成となっているので、スクレイパー36はETCカード20を上下方向で位置決めする機能も有しているということができる。
水溜め部37は、本体11内に侵入した水や、スクレイパー36によってETCカード20から掻き落とされた水等が溜められる場所である。水溜め部37は、本体11下部の複数箇所に形成されている。図4に示すように、そのうちの1つは、スクレイパー36の下方に形成されている。そして、この水溜め部37を仕切る仕切り板37aの1つは、ETCカードホルダ21よりもカード挿入口14側に形成されている。
空気孔38は、ほぼ密閉に近い状態で構成される本体11の内部が気温の変化によって負圧にならないようにするためのものであり、本体11内部と外部を接続している。この空気孔38によって、本体11の内部が負圧になって、カード挿入口14や、本体11の隙間近傍に吸引力が発生し、水分や埃等が本体11の内側に吸引されてしまう事態を効果的に防止できる。
本実施形態においては、本体11側の空気孔38の口を覆うように防水透湿性素材で構成されたシート部材39が配置されている。シート部材39の防水透湿性素材としては、例えばゴアテックス(登録商標)を用いることができる。このように構成することで、空気孔38を通過しようとする水等が本体11の内部に侵入することを防止しつつ、空気のみが空気孔38を通過するようにすることができる。
次に、カバー12の内側に形成される防水構造30について説明する。防水構造30は、閉鎖位置のカバー12において、内壁からETCカード20の挿入方向に突出するように内部突出壁によって構成されている。図4に示すように、防水構造30は筒状に構成されており、その開口部は、角が丸められた略長方形状になっている。
また、図3に示すように、本体11の正面側の端面にはフロントパッキン32が配置されている。図3に示すように、フロントパッキン32は、正面視において、カード挿入口14及びガードパッキン34を囲う枠状に形成されている。このフロントパッキン32は、前記防水構造30の端面の形状に対応しており、閉鎖位置において、防水構造30の端面と、フロントパッキン32が対面接触するようになっている。従って、カバー12が閉鎖位置にあるときは、防水構造30及びフロントパッキン32によって、カバー12の内側に閉鎖された空間が形成される。前記フロントパッキン32は弾性変形可能な部材によって構成されており、カバー12が閉鎖位置にあるときは、防水構造30の端面と密着した状態になる。図4に示すように、この防水構造30によって、カード挿入口14から本体11外側にはみ出ているETCカード20の上下左右が覆われる形になっている。
また、本実施形態のフロントパッキン32は、本体11の正面側に形成される溝に嵌め込まれた状態で固定されている。なお、フロントパッキン32を固定する方法は、この方法に限定される訳ではない。例えば、リブ状に形成される突起部を本体11の正面側に形成し、この突起部にフロントパッキン32を支持させた状態で当該フロントパッキン32を本体11に適宜の手段で固定することもできる。また、上述した溝又はリブ等を形成せずに、本体11に直接的にフロントパッキン32を固定してもよい。
また、防水構造30の内側にカードクッション40が配置されている。カードクッション40は、本体11に装着されたETCカード20の振動を緩和するためのものである。このカードクッション40は、弾性変形可能な部材によって構成されており、カバー12の内側に配置されている。ETCカード20をカード挿入口14に挿入した状態で、カバー12を開放位置から閉鎖位置に回動させると、カードクッション40が、ETCカード20の挿入方向と反対側の縁(端面)に接触する。ここで、仮にETCカード20がカード挿入口14に完全に挿入されていなかった場合、ETCカード20は、閉鎖位置側に向かうカバー12の回動に伴って、カードクッション40を介して挿入方向に押し込まれる。従って、カバー12を閉鎖位置とすれば、ETCカード20の挿入方向側の縁がETCカードホルダ21内の前記ストッパに接触し、ETCカード20がETCカードホルダ21にセットされた状態になる。
次に、LEDランプ13の詳細な構成について説明する。図5は、LEDランプ13の近傍の拡大断面図である。図6は、LEDランプ13の拡大斜視図である。図7は、光が出射される様子を模式的に示したLEDランプ13の拡大正面図である。なお、2つのLEDランプ13は、点灯する色が異なる以外は同様の構成である。従って、以下の説明では左右のうちの1つに着目して説明する。
図5に示すように、LEDランプ13は、LED素子71と、ライトガイド72と、LEDカバー部73と、を備える。また、本実施形態のLEDカバー部73には、LEDカバー部73の内部に水が溜まらないように水抜き孔77が形成されている。以下にLEDカバー部73の各部について説明する。
LED素子71は、LEDランプ13の光源であり、制御基板22の上面に配置されている。LED素子71の点灯、点滅及び消灯等の動作は、制御基板22によって制御される。2つのLED素子71は適宜の色で発光するように構成されており、そのON/OFFを制御基板22によって個別に制御可能に構成されている。2つのLED素子71の点灯及び点滅等を組み合わせることで、各種の情報を運転手に通知できるようになっている。
ライトガイド(透過部)72は、LED素子71の光を目的の方向に導くためのものである。LED素子71の光は、このライトガイド72を通して本体11の外側に出射される。図6に示すように、ライトガイド72は、LED素子71の上方で本体11に固定されている。より具体的には、本体11の上面には、ライトガイド72を嵌め込むための嵌合孔がLEDランプ13ごとに形成されている。ライトガイド72は、この嵌合孔に嵌め込まれた状態で、ネジ等の固定手段を介して本体11の上部に固定される。本体11とライトガイドの隙間には、雨等の侵入を防止するための図略のシール部材が配置されている。
また、ライトガイド72は、その端部が平面状に構成されており、この平面部分を上方に向けた状態で本体11に固定される。図7に示すように、ライトガイド72は、側面視において、その殆どが本体11に埋まっており、上部が本体11の上面から若干はみ出す形で本体11に支持されている。
図6に示すように、LEDカバー部73は、ライトガイド72の上方に配置されている。LEDカバー部73は、2つの側壁部75と、天井部76と、を有しており、2つの側壁部75及び天井部76は本体11と一体的に形成されている。
2つの側壁部75は、略同じ形状であり、本体11の上面から突出するリブ状に形成されている。側壁部75は、その長手方向がETCカード20の挿入方向に沿うように配置されており、その上面は挿入方向に進むに従って本体11の表面(下方)に近づくように傾斜している。そして、2つの側壁部75は、天井部76によって、その上部の中央が接続されている。図8の正面視に示すように、このLEDカバー部73は、正面側の一部が開口した門形状になっている。
天井部76は、その下面がライトガイド72の出射面72aの一部と対面している。天井部76が対面しているライトガイド72の出射面72aは、挿入方向側の一部分である。従って、ライトガイド72の出射面72aは、平面視において、正面側の一部のみが見えるようになっている。なお、本実施形態では、天井部76の下面と出射面72aとの間の距離が0.5mm以上、2.0mm以下になるようにLEDカバー部73が構成されている。
水抜き孔77について説明する。平面視において、天井部76はライトガイド72の出射面72aと重なっており、天井部76の下面と前記出射面72aとの間には、隙間が形成されている。本実施形態では、この隙間が水抜き孔77として機能する。図5及び図6に示すように、水抜き孔77は、側壁部75の長手方向(鎖線の矢印)に貫通している。従って、天井部76とライトガイド72の間に雨水等が入り込んだとしても、雨水はLEDカバー部73の内側に留まることなく、挿入方向或いはその反対方向に流れていくことになる。また、上述したように、LEDカバー部73と、ライトガイド72の出射面72aと、の間の隙間が0.5mm以上に構成されているので、水がLEDカバー部73の内側に溜まりにくくなっている。
この構成で、制御基板22の制御によってLED素子71が発光すると、LED素子71から出射された光がライトガイド72の内部に入って反射を繰り返しながら進行し、やがて当該ライトガイド72の出射面72aから外部に放射される。本実施形態の出射面72aは、上方を向いているので、上方に多くの光が出射されることになる。
図7に示すように、ライトガイド72から出射された光の一部は、LEDカバー部73に向かい、LEDカバー部73に衝突することで光の乱反射が生じる。この乱反射によって、天井部76と出射面72aの間で影になっていた部分が光に照らされる。特に、本実施形態では、LEDカバー部73とライトガイド72の出射面72aとの隙間が2.0mm以下になっているので、直射日光が隙間に入射しにくくなっている。従って、直射日光によって乱反射の光が見えにくくなる事態が効果的に防止されている。更に、前記隙間が0.5mm以上のときは、光の乱反射が激しくなるので、視認性が向上する。また、この光(乱反射の光)は、LEDカバー部73に衝突し、拡散された光なので、正面側に強い指向性を有しない。従って、運転手が、正面側からこのLEDカバー部73を見ても、目が眩むことなく、LEDランプ13の点灯を容易に確認することができる。
上述したように、ETC車載器10は、自動2輪のハンドルに取り付けられており、カード挿入口14が配置される本体11の正面側が運転手を向いている。LEDカバー部73の開口は、自動2輪の進行方向(走行方向)の後方側(運転手側)を向いているので、運転手は容易にLEDランプ13の点灯状態の確認を行うことができる。
また、本実施形態のETC車載器10は、カード挿入口14の近傍に光を照射するための間接照明装置79を備えている。次に、この間接照明装置79について説明する。図8は、間接照明装置79の近傍の拡大断面図である。図8に示すように、間接照明装置79は、挿入口用LED素子81と、照明反射部80と、備える。
挿入口用LED素子81は、間接照明装置79の光源であり、照明反射部80に光を照射するためのものである。図8に示すように、制御基板22の平面部分の正面側には貫通孔82が形成されており、挿入口用LED素子81は、この貫通孔82に跨るように制御基板22の上面に配置されている。この挿入口用LED素子81は、そのON/OFFを制御するための制御基板22と電気的に接続されている。前述したように防水シート35は光を透過可能に構成されているので、挿入口用LED素子81の光は、貫通孔82を通過した後、防水シート35を透過して制御基板22の下方に照射される。
照明反射部80は、挿入口用LED素子81から照射された光を反射して、カード挿入口14を間接的に照明するための領域である。図3に示すように、照明反射部80はカード挿入口14の中央部の下方に平面状に形成されている。また、図8に示すように、照明反射部80は、正面側に進むに従って下方に傾斜している。
この構成で、制御基板22の制御によって挿入口用LED素子81が発光すると、挿入口用LED素子81から出射された光の一部が照明反射部80に当たる。照明反射部80は、正面側に近づくにつれて下方に近づくように傾斜しているので、照明反射部80に衝突した光は、正面側上方に反射される。これによって、カード挿入口14の周囲が照らされ、作業者(運転手)は、手元が暗い場合でも、照明を目印にしてETCカード20の着脱作業を容易に行うことが可能になっている。
以上に示したように、本実施形態のETC車載器10は、ライトガイド72と、LEDカバー部73と、を有するLEDランプ13を備える。ライトガイド72は、本体11の内部に配置されるLED素子71の光を本体11の外部に透過させるためのものである。LEDカバー部73は、光がライトガイド72から本体11の外部に出射されるときに通過する出射面72aの一部を覆うように構成される。そして、ライトガイド72の出射面72aとLEDカバー部73の間には、出射面72aに垂直な方向の隙間が形成されている。
これにより、LEDカバー部73とライトガイド72の間にできる影の部分に光源からの光が照射されるので、明るい場所であっても、LEDカバー部73とライトガイド72の間の隙間を見ることで、LEDランプ13の点灯状態を容易に確認できる。また、LEDカバー部73に照射された光は、乱反射によって拡散しており、強い指向性を有しない。従って、LEDランプ13の点灯状態を確認するために、LEDカバー部73とライトガイド72の間の隙間を見ても目が眩むこともない。
また、本実施形態のETC車載器10においては、ライトガイド72の出射面72aとLEDカバー部73の間の垂直な方向の隙間が0.5mm以上2.0mm以下になるようにLEDカバー部73が構成されている。
これにより、出射面72aとカバーの隙間に入る直射日光等の光量を低減しつつ、LEDカバー部73とライトガイド72の出射面72aとの間に形成される空間(隙間)で本体11内部のLED素子71からの光を効率的に乱反射させることができる。また、LEDカバー部73と出射面72aの間の隙間を小さくすることで、LEDカバー部73の強度を維持しつつ、運転手(作業者)の手や物等にLEDカバー部73が接触しにくい構成が実現されている。
また、本実施形態のETC車載器10は、LEDカバー部73は、本体11の上面(表面)から上方(本体11の外側)に突出するように構成される。
これにより、LEDカバー部73が本体11の上面から突出しているので、正面方向から見たときのLEDカバー部73とライトガイド72の間の空間が見易くなり、LEDランプ13の視認性を一層高めることができる。
また、本実施形態のETC車載器10は、LEDカバー部73には、水抜き孔77が形成されている。
これにより、雨天の場合でも、LEDカバー部73の内側に水が溜まってLEDランプ13の視認性が低下する事態を防止できる。また、本実施形態では、LEDカバー部と出射面72aとの間の隙間が0.5mm以上になっているので、水がLEDカバー部73の中で留まることなく、水抜き孔77からスムーズに抜けるようになっている。
また、本実施形態のETC車載器10においては、本体11は、自動2輪(車両)の運転座席の前方のハンドル近傍に取り付けられる。LEDカバー部73には、自動2輪の走行方向の後方を向いた開口部が形成されている。
これにより、運転手は、自動2輪(車両)の運転をしている場合であっても、視線を大きく外すことなく、LEDカバー部73の開口からLEDランプ13の点灯状態を容易に確認できる。
また、本実施形態のETC車載器10は、以下のように構成される。即ち、本体11には、料金を支払うための情報が記憶されるETCカード20を挿入するためのカード挿入口14が配置されている。ETC車載器10は、カード挿入口14を照らす間接照明装置79を備える。
これにより、暗い場所で位置が確認しにくくなるカード挿入口14に照明が当たるので、周囲の明るさに関係なく、ETCカード20の着脱作業をスムーズに行うことができる。
また、本実施形態のETC車載器10は、以下のように構成される。即ち、間接照明装置79は、カード挿入口14に隣接して形成される照明反射部80(領域)に光を照射し、反射させることでカード挿入口14に間接的に光を照らす。
これにより、間接的にカード挿入口14が照らされるので、カード挿入口14を正面から見た場合でも、目が眩んだりすることなく、ETCカード20の着脱を行うことができる。
次に、図9を参照して、上記実施形態の変形例について説明する。図9は、変形例のLEDランプ113の近傍の拡大断面図である。
図9に示すように、変形例のETC車載器は、本体11の上面に形成されたLED配置用凹部120に、LEDランプ113を配置したものである。なお、本変形例において、上記実施形態と同一及び類似する構成には、図面に同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
変形例のLEDランプ113について説明する。図9に示すように、変形例のLEDランプ113は、本体111の上面に形成されるLED配置用凹部120に配置されている。図9に示すように、ライトガイド72は、その出射面72aが、LED配置用凹部120の底面に位置するように、本体111に固定されている。そして、ライトガイド72の出射面72aの上方には、天井部121が形成されている。この天井部121は、LED配置用凹部120の背面側の上部から正面側(ETCカード20の挿入方向と反対の方向)に突出している。そして、上方を向く出射面72aの挿入方向側の一部が、この天井部121に対面している。
この構成で、LED素子71が点灯すると、上記実施形態と同様に、ライトガイド72の出射面72aから光が放出され、天井部121に衝突して乱反射する。LED配置用凹部120内で乱反射する光は、正面側に強い指向性を有していないので、LED配置用凹部120を正面から見ても運転手の目が眩むことなくLEDランプ113の点灯を容易に確認できる。
以上に示したように、変形例のETC車載器が備えるLEDランプ113は、本体11の上面(表面)に形成されるLED配置用凹部120にライトガイド72の出射面72aが配置されるように構成される。
これにより、LED配置用凹部120を形成するという簡素な構成でカバー部を構成することができる。また、ライトガイド72が本体111の上面よりも下方のLED配置用凹部120に配置されているので、防眩性をより高めることができる。また、図9に示すように、出射面72aを覆う天井部121が本体11の上面とほぼ同じ高さになっているので、運転手(作業者)の手や物等に接触しにくいカバー部の構成が実現されている。
次に、図10を参照して、間接照明装置のLED素子と、LEDランプのLED素子と、を共通化した変形例について説明する。図10は、変形例の間接照明装置279の拡大平面図である。なお、本変形例において、上記実施形態と同一及び類似する構成には、図面に同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
図10に示すように、変形例の間接照明装置279は、チューブ型のライトガイド271を備える。このライトガイド271は、制御基板22の上面に配置されている。図10に示すように、ライトガイド271は、入射面がLED素子71のうちの1つに対面するとともに、出射面72aが制御基板22の下面であって、照明反射部80に対面している。本体11の内部で、このようにライトガイド271が取り回されることによって、LED素子71の光を照明反射部80に照射できるようになっている。
この構成で、LED素子71が点灯すると、ライトガイド72に照射された光は、本体11の上方に出射され、ライトガイド271に照射された光は、照明反射部80に照射される。ライトガイド271を通過してきた光は、上記実施形態と同様に、照明反射部80によってカード挿入口14の前方に反射される。これによって、カード挿入口14の周囲が間接的に照らされる。
なお、ライトガイド271を配置するLED素子71としては、カード着脱作業時に点灯状態であるものを選ぶことが好ましい。例えば、電源がONになっていることを表示するLEDランプ13(いわゆる電源ランプ)のLED素子を選択することが考えられる。このLED素子71は、ETC車載器10の電源がONされている状態では常に点灯しているので、ETC車載器10の電源がONされていればカード挿入口14の周囲が常に光に照らされることになる。また、リミットスイッチ等、カバー12が開閉したことを検出するセンサを設け、このセンサの検出信号に基づいてLED素子71を点灯するように制御してもよい。
更に、上記変形例では、ライトガイド72とライトガイド271を別体として構成したが、2つのライトガイドを一体的に構成することもできる。また、間接照明装置79の挿入口用LED素子81の光をライトガイドによってLEDランプ13側に導く構成とすることもできる。
以上に示したように、本変形例のETC車載器10は、LEDランプ13の光源(LED素子71)と、間接照明装置279の光源と、が共通に構成されている。
これにより、LED素子71の数を減らすことができるので製造コストを低減できる。
また、変形例のETC車載器10は、LED素子71の光をLEDランプ13に導くライトガイド72と、LED素子71の光を間接照明装置279に導くためのライトガイド271と、を備える。
これにより、ライトガイド271を配置するという簡素な構成で、LEDランプ13と間接照明装置279の光源の共通化を実現することができる。
次に、図11を参照して、上面と、正面(運転手)側に出射面を有するLEDランプの変形例について説明する。図11は、変形例のLEDランプ313の拡大斜視図である。なお、本変形例において、上記実施形態と同一及び類似する構成には、図面に同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
図11に示すように、本変形例のLEDランプ313は、直方体形状のライトガイド372を備え、このライトガイド372は、本体311の正面側上部である本体311の角に配置されている。このライトガイド372は、上方を向く上面側出射面350と、正面方向を向く正面側出射面351と、を備えている。正面側出射面351は、機械的又は化学的に表面が荒らされており、上面側出射面350よりも光を拡散し易くなっている。即ち、LEDランプ13が点灯されたときに、ライトガイド372から出射される正面方向の光量が弱くなるように構成されている。なお、上面側出射面350の表面を荒らして、上面側出射面350も光を拡散し易くなるようにライトガイド372を構成することもできる。この場合、少なくとも上面側出射面350よりも正面側出射面351の方が光を拡散するようにそれぞれ機械的又は化学的加工を行うことになる。
以上に示すように、この変形例のETC車載器10は、以下のように構成される。即ち、ETC車載器10は、本体311と、LEDランプ313と、を備える。本体311は、自動2輪の運転座席の前方のハンドル近傍に取り付けられる。LEDランプ313は、本体311の内部に配置されるLED素子71の光を本体311の外部に透過させるためのライトガイド372を有する。そして、ライトガイド372は、上面側出射面(第1出射面)350と、正面側出射面(第2出射面)351と、を有する。上面側出射面350は、光がライトガイド372から本体311の外部に出射されるときに通過する面である。正面側出射面351は、本体311の外部に出射されるときに通過する面であって、上面側出射面350よりも光を拡散させるように表面が荒らされている。そして、正面側出射面351は本体311の正面側(車両の走行方向の後方)を向くように配置されている。また、上面側出射面350は本体311の正面方向(車両の走行方向の後方)とは異なる上方を向くように配置されている。
これにより、上面側出射面350は正面側を向いていないので、正面側から上面側出射面350の光を見ても運転手の目に直接的に光が入ることがない。また、正面側出射面351の光は拡散されており、正面側から正面側出射面351の光を見たときに運転手が受ける光の刺激が低減される。また、LEDランプ313の点灯を確認しにくい明るい場所では、上面側出射面350を覗き込むことで、正面側出射面351から出射される光よりも指向性の強い光によって、LEDランプ313の点灯状態を確認することができる。このように、本実施形態の構成によって、当該ETC車載器10を正面から見た運転手の目の眩みを効果的に防止しつつ、通知灯の点灯状態を上方からも容易に確認できる構成が実現されている。
以上に示したように、本実施形態及び変形例のETC車載器10に用いられる通知灯(LEDランプ13及びLEDランプ313)は、その正面方向に直交する方向である上方の光量を低減させることなく、運転手に向かう方向の光の指向性を弱める共通の技術的特徴を備えているのである。
以上に本発明の実施形態を説明したが、上記の構成は更に以下のように変更することができる。
LEDランプ13は、制御基板22によって輝度調整を行うことができるように構成してもよい。この場合、制御基板22による制御は、周囲が明るい場合にはLED素子71の光を強くし、周囲が暗い場合にはLED素子71の光を弱く制御することが好ましい。
LED素子71の光を自動的に制御する方法として、例えば、以下の方法を採用することができる。即ち、ETC車載器が周囲の明るさを検出する明度検出センサを備え、この明度検出センサの検出信号に基づいてLED素子71の光の強さを調節する。また、時刻によって、LED素子71の光の強さを調節してもよい。昼間の時間ならLED素子71の光を強くし、夜間の時間ならLED素子71の光を弱くするといった具合である。更に、自動2輪のヘッドライトに連動してLED素子71の光を調節してもよい。例えば、ヘッドライトが点灯されると、LED素子71の光を弱くするのである。
また、上記実施形態の構成に加えて、LEDランプ13とは別に、本体11の前面に向けて光を出射する構成の正面側LEDランプを備える構成にすることもできる。例えば、光が視認しにくくなる昼間は、正面側LEDランプを用い、光の刺激が強くなる夜は、上記実施形態のLEDランプ13を用いるのである。この正面側LEDランプとLEDランプ13の切替えは、上述した明度検出センサや、時刻、ヘッドライトと連動させる方法等によって、自動的に行うようにしてもよい。
また、間接照明装置79の構成は、以下のように変更することもできる。例えば、カード挿入口14の上側の一部を覆うガードパッキン34を光が透過する透明部材又は半透明部材で構成する。この構成により、挿入口用LED素子81の光がガードパッキン34を透過するので、カード挿入口14全体を明るくすることができる。
また、カード挿入口14の周囲の部材を挿入口用LED素子81の光が透過し易い部材及び色にすることで、カード挿入口14の周囲が光るように構成することもできる。例えば、カード挿入口14の周囲を白色にし、他の部分よりも薄肉状に構成する。この構成で、挿入口用LED素子81を点灯すると、薄肉状に構成した部分を光の一部が透過するので、カード挿入口14の周囲を明るくすることができる。
また、カバー12を透明又は半透明に構成することもできる。本実施形態のETC車載器10は、ETCカード20をカード挿入口14に装着した状態で、当該ETCカード20の一部がカード挿入口14から外部に(カバー12の内側に)突出する構成である。従って、カバー12を透明又は半透明な材質で構成することによって、カバー12を閉鎖した状態としても、ETCカード20の差し忘れ及び抜き忘れをカバー越しに確認することができる。
また、本実施形態のETC車載器10は、制御基板22に形成されるアンテナパターンによって無線通信を行うアンテナと一体型の構成であるが、アンテナを別体とするETC車載器に変更することができる。また、本実施形態のETC車載器10は、自動2輪以外の自動4輪等の車両に取り付けて使用することもできる。また、上記実施形態のLEDランプ13及び変形例のLEDランプ313は、本体の上面に限らず、下面、右側面及び左側面に配置することもできる。
また、本発明は上記実施形態のETC車載器10の構造に限定される訳ではない。無線通信を利用して情報をやり取りするシステムを利用するために車両に配置される車載通信装置であれば、本発明の構成を適用することができる。例えば、ETCカードを用いてETCシステムを利用する機能を有するカーナビゲーション装置に、本発明の構成を適用することができる。