JP2011169941A - 通線方法及び通線器 - Google Patents
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【解決手段】光ファイバ心線とテンションメンバとを外被により一括して被覆してなる細径低摩擦インドア光ファイバを管路内に通線する際に、細径低摩擦インドア光ファイバの一端側から外被を除去してテンションメンバを所定長だけ露出させる。このテンションメンバの露出部分に被覆材を接着させるとともに、被覆材の外形が当該細径低摩擦インドア光ファイバの外形と同等以下になるように加工する。そして、この加工された部分を先端として管路内に押し込むことにより細径低摩擦インドア光ファイバを通線する。
【選択図】図3
Description
このように、既設管路内にインドア光ファイバを布設する場合、既設ケーブルをかいくぐってインドア光ファイバを通線することとなるため、既設ケーブルとの摩擦抵抗が大きいと通線作業が極めて困難となる。そこで、既設管路内にインドア光ファイバを効率よく多条布設するために、細径化・低摩擦化を実現した細径低摩擦インドア光ファイバ(以下、細径低摩擦インドア)が提案されている(例えば非特許文献1)。
さらに、先端部の詰まりを回避するために、通線している細径低摩擦インドアを前後に動かす作業を行うと、折り返されていた先端面が既設ケーブルに接触して既設ケーブル表面を傷つけてしまう虞がある。また、折畳部分が既設ケーブルを挟み込むと、通線しようとしている細径低摩擦インドア自体の身動きが取れなくなり、管路内から取り除くことすらできなくなってしまう虞がある。
光ファイバ心線とテンションメンバとを外被により一括して被覆してなる細径低摩擦インドア光ファイバを管路内に通線する通線方法であって、
前記細径低摩擦インドア光ファイバの一端側から前記外被を除去して前記テンションメンバを所定長だけ露出させ、
このテンションメンバの露出部分に被覆材を接着させるとともに、前記被覆材の外形が当該細径低摩擦インドア光ファイバの外形と同等以下になるように加工し、
この加工された部分を先端として管路内に押し込むことにより通線することを特徴とする。
前記テンションメンバの露出部分に前記熱収縮チューブを挿通し、この熱収縮チューブを加熱して収縮させることにより前記テンションメンバの露出部分に接着させるとともに、この熱収縮チューブの外形が当該細径低摩擦インドア光ファイバの外形と同等以下になるように加工することを特徴とする。
テンションメンバが前記細径低摩擦インドア光ファイバと同様の外被により被覆されて構成された通線器の一端側から前記外被を所定長だけ除去して前記テンションメンバを露出させ、
このテンションメンバの露出部分に被覆材を接着させるとともに、前記被覆材の外形が当該通線器の外形と同等以下になるように加工し、
この加工された部分を先端として管路内に押し込むことにより、当該通線器の他端側に接続された細径低摩擦インドア光ファイバを通線することを特徴とする。
前記テンションメンバの露出部分に前記熱収縮チューブを挿通し、この熱収縮チューブを加熱して収縮させることにより前記テンションメンバの露出部分に接着させるとともに、この熱収縮チューブの外形が当該通線器の外形と同等以下になるように加工することを特徴とする。
テンションメンバが前記細径低摩擦インドア光ファイバと同様の外被により被覆されて構成され、
一端側から前記外被が所定長だけ除去され前記テンションメンバが露出した部分に被覆材が接着され、前記被覆材の外形が当該通線器の外形と同等以下になるように加工されていることを特徴とする。
前記テンションメンバの露出部分に挿通された熱収縮チューブが加熱され収縮することにより前記テンションメンバの露出部分に接着するとともに、この熱収縮チューブの外形が当該通線器の外形と同等以下になるように加工されていることを特徴とする。
また、請求項5又は9における「細径低摩擦インドア光ファイバと同様の外被」とは、細径低摩擦インドア光ファイバの外被と材質及び形状が同じということであり、摩擦係数等の外形による通線性が同程度になっていることを意味する。
図1,2は、細径低摩擦インドア光ファイバの一般的な構成を示す図である。なお、一般には、幅2.0mm、高さ1.6mmの略矩形断面の外形を有し、動摩擦係数が従来のインドア光ファイバの1/5程度としたものが細径低摩擦インドア光ファイバと称される。
図1,2に示すように、細径低摩擦インドア1は、光ファイバ心線11と、その両側に配置された2本のテンションメンバ(抗張力体)12,12とが、外被13により一括して被覆され構成されている。
テンションメンバ12は、例えばφ0.5mmの鋼線や繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)などで構成され、光ファイバ心線11に許容量以上の張力が加わるのを防止する。
外被13は、例えば難燃性樹脂で構成され、例えば滑剤を添加したり、摩擦係数の小さい樹脂などで形成したり、表面に小さな凸凹状を形成するなどして低摩擦化が図られている。また、外被13には、長手方向に沿ってノッチ13aが形成されており、布設時などに特殊な工具を使用することなく、光ファイバ心線11を取り出せるようになっている。
第1実施形態では、細径低摩擦インドア1自身を押込工法により既設管路内に通線する場合について説明する。第1実施形態のように押込工法を採用することで、通線器を用いた引込工法に比較して、通線工程が格段に簡略化される。
まず、図3(a)に示すように、細径低摩擦インドア1の一端側から外被13を除去して光ファイバ心線11及びテンションメンバ12を所定長だけ露出させる。露出させる長さは特に限定されないが、端末加工しやすい程度のテンションメンバ12を露出させるのが望ましい(例えば10mm)。
ここで、熱収縮チューブとは、所定の温度(収縮温度)で加工歪みがとれて、径方向(円周方向)に収縮するチューブである。例えば、収縮温度が70〜90℃のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA:Ethylence-Vinyl Acetate)等で構成される。本実施形態では、収縮前の外径が4.0mmで、収縮率が60%の熱収縮チューブを用いる。
なお、収縮後のチューブが温かいうちに、指先などで細径低摩擦インドア1の外形と同寸法程度に修正することで、より寸法精度を上げることができる。
そして、丸め加工された部分を先端として、押込工法により管路内に細径低摩擦インドア1を通線する。
また、管路内に潰れ部分があっても通線できる確率が格段に向上するので、細径低摩擦インドア1を効率よく多条布設することが可能となる。
このように極めて簡単な方法により細径低摩擦インドア1の先端加工を行うので、現場での作業効率が著しく低下することはない。
第2実施形態では、通線器を用いて細径低摩擦インドア1を既設管路内に通線する場合について説明する。この場合、通線器に細径低摩擦インドア1を接続する必要があり、第1実施形態で説明した押込工法に比較して工程は多くなるが、細径低摩擦インドア1よりも通線器の曲げ剛性は高いため、管路内の潰れ部分に通線できる確率が高くなる、すなわち管路内に効率よく多条布設できるという利点がある。
図4、5に示すように、通線器2は、3本のテンションメンバ(抗張力体)21,21,21が、外被23により一括して被覆され構成されている。
テンションメンバ21は、例えば鋼線や繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)などで構成される。テンションメンバ21の材質や本数などの構成は、通線器2の曲げ剛性が細径低摩擦インドア1より高くなるように、また適度に曲がるように、適宜選定される。
外被23は、細径低摩擦インドア1と同様に、例えば難燃性樹脂で構成され、例えば滑剤を添加したり、摩擦係数の小さい樹脂などで形成したり、表面に小さな凸凹状を形成するなどして低摩擦化が図られている。また、外被23の外形は細径低摩擦インドア1と同じとされ、通線器としては必須でないが長手方向に沿ってノッチ23aが形成されている。
すなわち、通線器2は、図1,2に示す細径低摩擦インドア1において、光ファイバ心線11をテンションメンバ21に置換した構成となっている。
第1実施形態のように、押込工法で細径低摩擦インドア1を通線する場合、細径低摩擦インドア1の先端部に余計な負荷が加わることが多く、細径低摩擦インドア1が損傷する可能性を否定できない。これに対して、第2実施形態の通線器を用いることで、通線時に予期せぬ負荷が加わり細径低摩擦インドア1が損傷する可能性は極めて低くなる。通線器2を通線する際に、既設管路内に細径低摩擦インドア1が通線し得る通線路が確実に形成されるためである。逆に、既設管路内に細径低摩擦インドア1を通線できるスペースがないことも簡単に判別できる。
まず、図6(a)に示すように、通線器2の一端側から外被23を除去してテンションメンバ21を所定長だけ露出させる。露出させる長さは特に限定されないが、端末加工しやすい程度のテンションメンバ21を露出させるのが望ましい(例えば10mm)。
熱収縮チューブ24は、第1実施形態と同様に、例えば、収縮温度が70〜90℃のEVA等で構成される。
なお、収縮後のチューブが温かいうちに、指先などで通線器2(細径低摩擦インドア1)の外形と同寸法程度に修正することで、より寸法精度を上げることができる。
そして、丸め加工された部分を先端として、押込工法により管路内に通線器2を通線する。通線器2の先端が管路の他端側に到達した後は、この通線器2を引っ張ることで、通線器2に接続された細径低摩擦インドア1を管路内に通線する。
また、管路内に潰れ部分があっても通線できる確率が格段に向上するので、細径低摩擦インドア1を効率よく多条布設することが可能となる。
このように極めて簡単な方法により通線器2の先端加工を行うので、現場での作業効率が著しく低下することはない。
第1、第2実施形態では、熱収縮チューブ14,24内に充填した接着性樹脂15,25により、熱収縮チューブ14、24とテンションメンバ12,21を接着するようにしているが、両者を接着する方法はこれに限定されない。
例えば、テンションメンバ12,21には外被13,23と強固に接着するために接着性樹脂からなる層(接着層)が予め形成されているので、この接着層を残して外被13,23を除去すればよい。この場合、熱収縮性チューブ14,24内にポリエチレン等の熱可塑性樹脂のペレットを充填しておけば、加熱によりポリエチレンと接着層が溶融結合し、ポリエチレンと熱収縮チューブ(EVA)が溶融結合するので、熱収縮チューブ14,24とテンションメンバ12,21が強固に接着することとなる。
また、熱収縮チューブ14,24に接着性を付与した樹脂を用いることにより、熱収縮チューブ14,24そのものがテンションメンバ12,21と接着するようにしてもよい。さらには、これらの接着手法を組み合わせて適用すれば、熱収縮チューブ14,24とテンションメンバ12,21とを、より強固に接着することができる。
第2実施形態のように通線器2を用いて細径低摩擦インドア1を既設管路内に通線する場合には、通線作業が行われる現場において通線器2の先端加工を行うようにしてもよいし、予め先端加工がなされた通線器2を用いるようにしてもよい。
また例えば、熱収縮チューブ14,24として、接着性を付与し、且つ該熱収縮チューブの肉厚を厚くしたものを用いることもできる。この場合、熱収縮チューブを収縮させることでテンションメンバと熱収縮チューブを強固に接着することができる。
11 光ファイバ心線
12 テンションメンバ
13 外被
14 熱収縮性チューブ
15 接着性樹脂
Claims (12)
- 光ファイバ心線とテンションメンバとを外被により一括して被覆してなる細径低摩擦インドア光ファイバを管路内に通線する通線方法であって、
前記細径低摩擦インドア光ファイバの一端側から前記外被を除去して前記テンションメンバを所定長だけ露出させ、
このテンションメンバの露出部分に被覆材を接着させるとともに、前記被覆材の外形が当該細径低摩擦インドア光ファイバの外形と同等以下になるように加工し、
この加工された部分を先端として管路内に押し込むことにより通線することを特徴とする通線方法。 - 前記被覆材の先端部に丸め加工を施すことを特徴とする請求項1に記載の通線方法。
- 前記被覆材は、所定の温度で径方向に収縮する熱収縮チューブで構成され、
前記テンションメンバの露出部分に前記熱収縮チューブを挿通し、この熱収縮チューブを加熱して収縮させることにより前記テンションメンバの露出部分に接着させるとともに、この熱収縮チューブの外形が当該細径低摩擦インドア光ファイバの外形と同等以下になるように加工することを特徴とする請求項1又は2に記載の通線方法。 - 前記熱収縮チューブと前記テンションメンバの間に接着性樹脂を配置することを特徴とする請求項3に記載の通線方法。
- 光ファイバ心線とテンションメンバとを外被により一括して被覆してなる細径低摩擦インドア光ファイバを管路内に通線する通線方法であって、
テンションメンバが前記細径低摩擦インドア光ファイバと同様の外被により被覆されて構成された通線器の一端側から前記外被を所定長だけ除去して前記テンションメンバを露出させ、
このテンションメンバの露出部分に被覆材を接着させるとともに、前記被覆材の外形が当該通線器の外形と同等以下になるように加工し、
この加工された部分を先端として管路内に押し込むことにより、当該通線器の他端側に接続された細径低摩擦インドア光ファイバを通線することを特徴とする通線方法。 - 前記被覆材の先端部に丸め加工を施すことを特徴とする請求項5に記載の通線方法。
- 前記被覆材は、所定の温度で径方向に収縮する熱収縮チューブで構成され、
前記テンションメンバの露出部分に前記熱収縮チューブを挿通し、この熱収縮チューブを加熱して収縮させることにより前記テンションメンバの露出部分に接着させるとともに、この熱収縮チューブの外形が当該通線器の外形と同等以下になるように加工することを特徴とする請求項5又は6に記載の通線方法。 - 前記熱収縮チューブと前記テンションメンバの間に接着性樹脂を配置することを特徴とする請求項7に記載の通線方法。
- 光ファイバ心線とテンションメンバとを外被により一括して被覆してなる細径低摩擦インドア光ファイバを管路内に通線するための通線器であって、
テンションメンバが前記細径低摩擦インドア光ファイバと同様の外被により被覆されて構成され、
一端側から前記外被が所定長だけ除去され前記テンションメンバが露出した部分に被覆材が接着され、前記被覆材の外形が当該通線器の外形と同等以下になるように加工されていることを特徴とする通線器。 - 前記被覆材の先端部に丸め加工が施されていることを特徴とする請求項9に記載の通線器。
- 前記被覆材は、所定の温度で径方向に収縮する熱収縮チューブで構成され、
前記テンションメンバの露出部分に挿通された熱収縮チューブが加熱され収縮することにより前記テンションメンバの露出部分に接着するとともに、この熱収縮チューブの外形が当該通線器の外形と同等以下になるように加工されていることを特徴とする請求項9又は10に記載の通線器。 - 前記熱収縮チューブと前記テンションメンバの間に接着性樹脂層を有することを特徴とする請求項11に記載の通線器。
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