JP2011169866A - 振動試験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来から知られている加振制御技術では、全ての周波数域にわたって信頼性が高い加速度応答を得ることができないので、正確な伝達関数を求めるのは困難であった。その結果として、たとえイタレーション処理によりアクチュエータの駆動信号を繰り返し補正していったとしても、常に適切な駆動信号を発生させることができなかった。
【解決手段】駆動信号に応じて振動台10を駆動するアクチュエータ12と、振動台10の変位量を検知して変位信号を出力する変位計14と、振動台10に載置されている供試体16の所定位置における加速度を検知して加速度信号を出力する加速度計18と、変位信号と加速度信号の両方に基づいて決定された伝達関数T(ω)を用いることにより、全て周波数域にわたって正確な伝達関数を同定することができる。その結果、初期駆動信号を繰り返し補正することにより、目標とする加速度信号を得ることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、供試体に試験力を繰り返し負荷する振動試験装置に関するものである。
従来から、実振動波形と等価な目標波形に逆伝達関数を乗じて生成した駆動信号でアクチュエータを駆動し、供試体に負荷を与えるようにした疲労試験機が知られている(特許文献1)。この種の疲労試験機では、供試体にランダム波形の試験力を負荷し、ランダム波形による供試体の変形量などを検出し、ランダム波形と検出波形との比から伝達関数を算出している。そして、目標波形に逆伝達関数を乗じて駆動信号波形を生成している。
また、振動台上に載置した加速度計測手段から加速度計測信号を帰還させることにより、加速度目標波形を再現させるようにした加振機も知られている(特許文献2)。
さらに、振動台伝達特性の変動を同定することにより、振動台伝達特性の変動を実時間で補償する制御装置が知られている(特許文献3)。
特開2004−53452号公報 再公表WO97/11344号公報 特開2002−156308号公報
しかしながら、加振周波数が低い周波数域では、目標とする変位駆動信号をアクチュエータに与えたとしても、供試体に取り付けた加速度センサから得られる加速度出力は波形再現性(コヒーレンス)が低いので、系の正確な伝達関数を同定することができないという問題があった。ここでいう波形再現性(コヒーレンス)とは、入力と出力との関連性・相関を示す指標であり、周波数領域において0と1の間の値を有する。すなわち、アクチュエータの駆動信号と加速度センサ出力との間に完全に相関がある場合にはコヒーレンスが1となり、全く相関がない場合には0となる。
このように、従来から知られている加振制御技術では、全ての周波数域にわたって信頼性が高い加速度応答を得ることができないので、正確な伝達関数を求めるのは困難であった。その結果として、たとえイタレーション処理によりアクチュエータの駆動信号を繰り返し補正していったとしても、適切な駆動信号に収束するには非常に時間がかかるか、まったく不可能であった。
請求項1に記載の振動試験装置は、駆動信号に応じて振動台を駆動するアクチュエータと、前記振動台の変位量を検知して変位応答情報を出力する変位検知手段と、前記振動台に載置されている供試体の所定位置における加速度を検知して加速度応答情報を出力する加速度検知手段と、前記変位応答情報および前記加速度応答情報に基づいて同定された伝達関数を用いることにより前記駆動信号を繰り返し補正し、目標とする加速度応答情報を得る駆動信号補正部とを備えている。このような構成を有する振動試験装置では、前記変位応答情報および前記加速度応答情報に基づいて伝達関数を同定しているので、波形再現性(コヒーレンス)が低い周波数域においても正確な伝達関数を同定することができる。
より具体的に述べると、前記駆動信号補正部は、前記駆動信号および前記加速度応答情報に基づいて算出される波形再現性が低い周波数域では前記変位応答情報を使用することにより系の伝達関数を同定し、前記波形再現性が高い周波数域では前記加速度応答情報を使用することにより系の伝達関数を同定することができる。
ここで、前記波形再現性とは、PSDランダム波形と、前記PSDランダム波形を表す駆動信号を前記アクチュエータに供給したとき得られる加速度応答波形とに基づいて算出されるコヒーレンス値である。
さらに、前記波形再現性が低い周波数域と前記波形再現性が高い周波数域との中間にある周波数域では、前記変位応答情報を使用することにより同定された伝達関数と、前記加速度応答情報を使用することにより同定された伝達関数とに対してそれぞれ相補的な重みづけを与えることにより系の伝達関数を同定することができる。
前記駆動信号補正部は、前記変位応答情報に基づいて算出された系の伝達関数に所定の換算処理を施すことにより、加速度変位情報に基づいて算出された伝達関数と等価な伝達関数を得ることができる。
なお、前記加速度検知手段は、前記供試体の所定位置における加速度に代えて、前記振動台の所定位置における加速度を検知することも可能である。
本発明による振動試験装置によれば、全ての加振周波数領域にわたって信頼性が高い伝達関数を得ることができるので、目標波を実現するための適切なアクチュエータ駆動信号を得ることができる。
本発明を適用した垂直1軸動電型の振動試験装置を示す全体構成図である。 制御装置40をより具体的に示したブロック図である。 アクチュエータ12に供給する駆動信号を繰り返し補正するための手順を示すフローチャートである。 図3における伝達関数同定ルーチンを示すフローチャートである。 PSDランダム波形と、伝達関数と、応答波形との関係を示した説明図である。 初期ドライブ波形信号を得るための演算過程を示した説明図である。 変位→加速度伝達関数Ta(ω)を求めるための加速度応答波形、および、変位→変位伝達関数Td(ω)を求めるための変位応答波形のそれぞれについて、波形再現性(コヒーレンスγ(ω))の演算結果を例示した線図である。 図4に示したステップS12,S13,S14を説明するための線図である。 変位→加速度伝達関数Ta(ω)および加速度換算伝達関数Tconv(ω)を強度と位相とに分けて例示した線図である。 図3に示した伝達関数同定ルーチンの実行結果を例示する線図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
<実施の形態>
図1は、本発明を適用した垂直1軸動電型の振動試験装置を示す全体構成図である。この振動試験装置は、振動台10を加振するアクチュエータ12と、振動台10の変位量を計測する変位計14と、振動台10に載置されている供試体16の所定の箇所に取り付けられている加速度計18と、アクチュエータ12の制御を行う制御系60とを備えている。変位計14からは、帰還信号としての変位信号が出力される。加速度計18からは、帰還信号としての加速度信号が出力される。
制御系60には、振動台10に与える実振動波形に対応した目標波形信号を発生する目標波形信号発生部30と、後に詳述するPSD(Power Spectrum Density:パワースペクトル密度)ランダム波形信号発生部32と、図3および図4のフローチャートに示す処理手順を実行する制御装置40と、制御装置40からアクチュエータ駆動信号を送出するためのD/A変換器42および増幅器44と、加速度計18から出力された加速度信号を制御装置40に導入するための加速度アンプ46およびA/D変換器48と、変位計14から出力された変位信号を制御装置40に導入するための変位アンプ52およびA/D変換器54が含まれている。
PSDランダム波形信号発生部32から発生されるPSDランダム波形とは、パワースペクトル値が各周波数成分で所定の値を有し、且つ各周波数成分における位相がランダムな波形をいう。本実施の形態では、PSDランダム波形のうち、DC成分を除く全周波数帯域で一定のスペクトル値を有するホワイトノイズ(図5参照)を使用する。
図2は、制御装置40をより具体的に示したブロック図である。本図では、本実施の形態に特有な機能を実行するブロックのみを示してある。この制御装置40は、アクチュエータ12,振動台10および供試体16を含む系の伝達関数(後に、図4を参照して詳述する)を同定する伝達関数演算部40Aと、アクチュエータ12に供給する最初の駆動信号を作成する初期ドライブ波形信号作成部40Bと、アクチュエータ12に供給する駆動信号を繰り返し補正する(後に詳述する)イタレーション処理部40Cと、サーボアンプを含んだ駆動信号出力部40Dと、加速度信号および変位信号のいずれか一方を応答信号として導入する検出信号選択部40Eとを備えている。
PSDランダム波形信号発生部32(図1参照)から発生されるPSDランダム波形信号は、伝達関数演算部40Aおよび駆動信号出力部40Dに入力される。目標波形信号発生部30(図1参照)から発生される目標波形信号は、初期ドライブ波形信号作成部40Bおよびイタレーション処理部40Cに入力される。これらの各要素40A〜40Eは、図示しないコントローラの制御により、図3および図4のフローチャートに示す手順に従ってそれぞれの処理を実行する。
図3は、アクチュエータ12に供給する駆動信号を逐次補正していく手順を示すフローチャートである。この図3に示す制御手順に従って、上記の各要素40A〜40Eにおける処理内容を具体的に説明していく。
まず、ステップS1における伝達関数同定処理について説明する。このステップS1では、アクチュエータ12,振動台10および供試体16を含む系の伝達関数を、伝達関数演算部40Aにより同定する。基本的には、PSDランダム波形(ホワイトノイズ)信号を駆動信号出力部40Dからアクチュエータ12に変位駆動信号として供給し、検出信号選択部40Eから得られた加速度応答信号の波形を検出する。
いま、変位制御を行うためのPSDランダム波形をX(ω)とし、加速度応答波形をY(ω)とし、その伝達関数をT(ω)とすると、図5に示した説明図から明らかなように、
PSDランダム波形X(ω)×伝達関数T(ω)=加速度応答波形Y(ω) (式1)
となる。ここで、ω=2πfである。したがって、(式1)から


(式2)
と変形することができる。この(式2)において、添え字の*は共役転置行列を表し、指数の−1は逆行列を表している。
このようにしてPSDランダム波形X(ω)から加速度応答波形Y(ω)への伝達関数T(ω)を得ることができる。本明細書では、この伝達関数のことを「変位→加速度伝達関数」Ta(ω)と呼ぶ。ここで、aは加速度(acceleration)を意味する添え字である。
ところが、PSDランダム波形X(ω)および加速度応答波形Y(ω)により定義される波形再現性(コヒーレンスγ(ω))を実際に演算してみると、周波数が低い領域ではコヒーレンスγ(ω)が1より小さな値を示す。換言すると、加振周波数が低い周波域では、加速度応答波形Y(ω)に信頼性がないことになるので、(式2)により算出された「変位→加速度伝達関数」Ta(ω)も正確なものでないことが判る。ここで、コヒーレンスγ(ω)は、次の(式3)により演算する。
γ2=0〜1(0:無相関、1:完全再現) (式3)
X(ω):PSDランダム波形、Y(ω):応答波形、 ̄:共役複素数である。
他方、変位制御情報であるPSDランダム波形X(ω)をアクチュエータ12に入力したとき、変位計14から変位応答波形Y(ω)が得られたときの伝達関数を、この明細書では、「変位→変位伝達関数」Td(ω)と呼ぶ。ここで、dは変位(displacement)を意味する添え字である。このPSDランダム波形X(ω)と変位応答波形Y(ω)について、(式3)に基づき波形再現性(コヒーレンスγ(ω))を演算してみると、加振周波数が低い周波数域でも、コヒーレンスγ(ω)はほぼ1であることが判る。換言すると、加振周波数が低い周波数域でも、変位応答波形Y(ω)には十分な信頼性あるので、(式2)により算出された「変位→変位伝達関数」Td(ω)も正確で信頼できることが判る。
図7は、「変位→加速度伝達関数」Ta(ω)を求めるための加速度応答波形、および、「変位→変位伝達関数」Td(ω)を求めるための変位応答波形のそれぞれについて、波形再現性(コヒーレンスγ(ω))を演算した一例である。既述の通り、コヒーレンスγ(ω)=1では完全再現、コヒーレンスγ(ω)=0では無相関である。この演算例では10Hz以下において、加速度応答波形の波形再現性(コヒーレンスγ(ω))が低くなっており、信頼性に欠けていることが判る。その結果として、10Hz以下で得られる「変位→加速度伝達関数」Ta(ω)は、信頼できない伝達関数であるといえる。
周波数の低い領域では、図1の18と16、10が一体となって動くので、14で検出された変位信号を加速度換算したものは、18での加速度値と等しいとみなすことができる。そこで、波形再現性(コヒーレンスγ(ω))が低くなる低周波数域では「変位→変位伝達関数」Td(ω)を同定した後に、周知の変位/加速度換算により、「変位→加速度伝達関数」Ta(ω)を算出すればよいことになる。
そこで、本実施の形態では、ステップS1のサブルーチンとして、図4に示す伝達関数同定ルーチンを実行する。以下、図4の各ステップを説明していく。
ステップS10では、「変位→加速度伝達関数」Ta(ω)の信頼性を判定するために、まずPSDランダム波形X(ω)および加速度応答波形Y(ω)により算出される波形再現性(コヒーレンスγ(ω))を(式3)に基づいて演算する。
ステップS11では、演算されたコヒーレンスγ(ω)の大きさを判定する。コヒーレンスγ(ω)が小さい周波数域では波形再現性が低いことになるので、「変位→加速度伝達関数」Ta(ω)には信頼性がないことになる。
そこでステップS12では、「変位→加速度伝達関数」T(ω)の波形再現性(コヒーレンスγ)が低くなる低周波域(0<ω<ω)において「変位→加速度伝達関数」Ta(ω)を使用せずに、「変位→変位伝達関数」Td(ω)を「変位→加速度伝達関数」Ta(ω)に変換するために、次の加速度換算演算を行う。
Tconv(ω)=−ω・Td(ω) (式4)
このようにして求めた換算値を「加速度換算伝達関数」Tconv(ω)と呼ぶ。ここで、convは換算(conversion)を意味する添え字である。
よって、求める伝達関数T(ω)は、低周波域(0<ω<ω)において、
T(ω)=Tconv(ω)
=−ω・Td(ω) (式5)
となる。図8の破線で示す部分がこの(式5)に対応する。
一方、コヒーレンスγ(ω)が大きくなる高周波域(ω<ω)では波形再現性が高いので、「変位→加速度伝達関数」Ta(ω)をそのまま信頼性ある伝達関数T(ω)として使用することができる。そこで、ステップS14では、高周波域(ω<ω)において、
T(ω)=Ta(ω) (式6)
とする。図8の2点鎖線で示す部分がこの(式6)に対応する。
上述した低周波域と高周波域の間にある中間周波域(ω<ω<ω)については、ステップS13に示す演算を行う。すなわち、「加速度換算伝達関数」Tconv(ω)と「変位→加速度伝達関数」Ta(ω)の両方を相補的に合成することにより、次式の「合成伝達関数」Tc(ω)を求め、T(ω)=「合成伝達関数」Tc(ω)とする。
Tc(ω)=Tconv(ω)×α(ω)+Ta(ω)×(1−α(ω)) (式7)
ここで、α(ω)は、周波数に依存して1〜0の値をとる係数である。図8の実線で示す部分がこの(式7)に対応する。
一例として、次の(式8)で定義される関数をα(ω)として用いことにより、「合成伝達関数」Tc(ω)を算出することができる。
ここで、a=ω、b=ωである。
図9は、「変位→加速度伝達関数」Ta(ω)および「加速度換算伝達関数」Tconv(ω)を強度と位相とに分けて例示した線図である。本図によれば、10Hz以下において、「変位→加速度伝達関数」Ta(ω)の強度および位相が共に大きく乱れていることが判る。そこで図10に示すように、加速度応答波形のコヒーレンスγ(ω)が所定値(例えば、0.98)となる周波数近辺(例えば、14ヘルツ前後)においては、ステップS13に基づいて「合成伝達関数」Tc(ω)を算出することにより、滑らかな曲線を得ている。また、上記周波数近辺より低い周波数域ではステップS12に基づいて、上記周波数近辺より高い周波数域ではステップS14に基づいて伝達関数T(ω)を得ている。
図4に示す伝達関数同定ルーチンが終了すると、図3のステップS2にリターンする。ステップS2では、初期ドライブ波形信号作成部40Bにより、アクチュエータ12に最初に供給する駆動信号(以下、初期ドライブ波形信号という)d(ω)を生成する。
図6は、この初期ドライブ波形信号を得るための演算過程を示した説明図である。この図6において、DFT(Discrete Fourier Transform)は離散フーリエ変換処理を、iDFT(inverse Discrete Fourier Transform)は逆離散フーリエ変換処理を示している。すなわち、図6の上方は時間領域の信号波形を、図6の下方は周波数領域の信号波形を模式的に示している。
伝達関数T(ω)は上記のステップS1で既に求めてあるので、その逆伝達関数T−1(ω)および目標波形信号t(ω)を利用することにより、初期ドライブ波形信号d(ω)を次式により求める。
(ω)=T−1(ω)・t(ω) (式9)
このようにして生成された初期ドライブ波形信号d(ω)は逆離散フーリエ変換されて時間軸信号に変換され、駆動信号出力部40Dを介してアクチュエータ12に供給される。そして、最初の駆動信号に対応した加速度信号が最初の応答信号として検出信号選択部40Eに戻ってくる。最初の応答信号は、イタレーション部40Cに入力される。イタレーション処理部40Cに入力された最初の応答信号については、ステップS4における最初の駆動信号補正処理(すなわち、1番目のイタレーション処理)が行われる。換言すると、ステップS4では最初の応答信号に基づいて、次のドライブ波形信号d(ω)を次式により生成する。
(ω)=di−1(ω)+T−1(ω)kδi−1(ω) (式10)
ここで、δは目標波形信号とイタレーションi番目の応答信号との偏差であり、kは補正倍率である。
(式10)から明らかなように、ドライブ波形信号自体をイタレーション処理(すなわち、繰り返し駆動信号補正)の度に変化させることにより、目標波形信号に含まれていない周波数成分までも補正することができる。例えば目標波信号に重畳した高周波ノイズ等を抑えることが可能である。
イタレーション処理部40Cから出力されたドライブ波形信号d(ω)は駆動信号出力部40Gに送られ、補正された駆動信号がアクチュエータ12に供給される。その結果として得られた応答信号は、再びイタレーション部40Cに入力され、次式に示す平均自乗誤差(RMS:Root Mean Square)が計算される。ドライブ波形信号d(ω)の応答信号について、(式11)の計算結果をSとする。
(式11)において、xは目標波形信号に含まれている各周波数成分値、μはxに対応した応答信号の周波数成分値、Nは周波数成分の個数である。
イタレーション処理部40Cには、初期ドライブ波形信号d(ω)に対する応答信号も入力されているので、(式11)による計算を行い、その計算結果をSとする。そして、ドライブ波形信号d(ω)の応答信号についての計算結果Sと、この計算結果をSとを比較する。比較の結果がS<Sであれば、イタレーション処理による駆動信号補正が有効であったことになるので、S<Sであることをイタレーション処理部40Cに知らせて2番目以降のイタレーション処理を順次行う。
ステップS6においてS<Si−1でないこと(NO)が判定された場合には、もはやイタレーション処理を継続したとしても応答信号が目標波形信号に近づかないので、イタレーション処理を終了する。
<本実施の形態による作用・効果>
本実施の形態によれば、以下のような作用・効果を奏することができる。
(1)駆動信号に応じて振動台10を駆動するアクチュエータ12と、振動台10の変位量を検知し変位信号を出力する変位計14と、振動台10に載置されている供試体16の所定位置における加速度を検知して加速度信号を出力する加速度計18と、上記の変位信号と加速度信号の両方に基づいて同定された伝達関数T(ω)を用いることにより駆動信号を繰り返し補正し、目標とする加速度信号を得る制御装置40とを備えているので、全ての周波数域にわたって正確な伝達関数を求めることができる。その結果として、その後のイタレーション処理によりアクチュエータの駆動信号を繰り返し補正することにより、適切な駆動信号に収束させることができる。
(2)制御装置40はイタレーション処理部40Cを備えており、駆動信号および加速信号に基づいて算出される波形再現性(コヒーレンス)が低い周波数域(0<ω<ω)では変位信号を使用することにより伝達関数T(ω)を換算演算し、上記の波形再現性(コヒーレンス)が高い周波数域(ω<ω)では加速度信号を使用することにより伝達関数T(ω)を決定するので、使用する加速度計の特性および供試体の特性に応じた伝達関数T(ω)を的確に同定することができる。
(3)上記の波形再現性(コヒーレンス)は、PSDランダム波形と、そのPSDランダム波形を表す駆動信号をアクチュエータ12に供給したとき得られる加速度信号とに基づいて算出されるコヒーレンス値であるので、コヒーレンス演算プログラムを予め用意しておくことにより、伝達関数T(ω)を同定するための切替周波数(ω,ω)を誤りなく決定することができる。
(4)さらに、上記の波形再現性(コヒーレンス)が低い周波数域(0<ω<ω)と波形再現性が高い周波数域(ω<ω)との中間にある周波数域(ω<ω<ω)では、加速度換算伝達関数」Tconv(ω)と、「変位→加速度伝達関数」Ta(ω)とに対してそれぞれ相補的な重みづけを与えることにより合成伝達関数Tc(ω)を得ることができる。その結果として、各周波数域のわたって滑らかな伝達関数を得ることができる。
(5)制御装置40では、変位信号に基づく「変位→変位伝達関数」Td(ω)を単に−ω倍すれば「変位→加速度伝達関数」Ta(ω)に換算することができるので、変位波形再現性が高い低周波域を有効に利用することができる。その結果として、正確な伝達関数の同定およびイタレーション処理の適正化を図ることができる。
<その他の変形例>
(1)これまで説明してきた加速度計18は、供試体16上の測定したい位置に載置することを前提としてきたが、振動試験の用途に応じて、振動台の所定位置(例えば、供試体のすぐ近く)に置くことも可能である。
(2)図2に示した制御装置40は、伝達関数演算部40A,初期ドライブ波形信号作成部40B,イタレーション処理部40C,駆動信号出力部40D,検出信号選択部40Eを独立した機能ブロックとして備えているが、一つのコンピュータおよび周辺装置により実現し得ることは勿論である。
(3)図1に示した振動試験装置は、垂直1軸の振動試験装置を示してあるが、水平1軸振動試験装置とすることも可能である。さらに、加振軸を2軸・3軸とすることにより、水平2軸振動試験装置、水平垂直同時3軸振動試験装置などを構成することも可能である。
(4)これまで説明してきた実施の形態では、アクチュエータ12として電磁アクチュエータを用いているが、電磁アクチュエータの替わりに油圧アクチュエータを用いる場合には、サーボ弁(図示せず)に駆動信号を入力すればよい。すなわち、動電型振動試験装置によれば、電磁力で駆動されるアクチュエータによって高い振動周波数と大きな加速度が得られるので、電子機器・電気製品・各種の電気部品および機械部品・機械製品の振動試験を行うことができる。他方、油圧サーボ式の振動試験機によれば、応答性に優れたサーボ弁を介して大きな油圧エネルギーを発生させることにより、大加振力を伴った加速度試験を行うことにより、試験用途の更なる拡大を図ることができる。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上述した実施の形態および変形例に限定されるものではない。
実施の形態と変形例の一つとを組み合わせること、もしくは、実施の形態と変形例の複数とを組み合わせることも可能である。
変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
さらに、本発明の技術的思想の範囲内で考えられる他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
10 振動台
12 アクチュエータ
14 変位計
16 供試体
18 加速度計
30 目標波形信号発生部
32 PSDランダム波形信号発生部
40 制御装置
40A 伝達関数演算部
40B 初期ドライブ波形信号作成部
40C イタレーション処理部
40D 駆動信号出力部
40E 検出信号選択部
60制御系

Claims (6)

  1. 駆動信号に応じて振動台を駆動するアクチュエータと、
    前記振動台の変位量を検知し、変位応答情報を出力する変位検知手段と、
    前記振動台に載置されている供試体の所定位置における加速度を検知し、加速度応答情報を出力する加速度検知手段と、
    前記変位応答情報および前記加速度応答情報に基づいて同定された伝達関数を用いることにより前記駆動信号を繰り返し補正し、目標とする加速度応答情報を得る駆動信号補正部とを備えたことを特徴とする振動試験装置。
  2. 請求項1に記載の振動試験装置において、
    前記駆動信号補正部は、
    前記駆動信号および前記加速度応答情報に基づいて算出される波形再現性が低い周波数域では前記変位応答情報を使用することにより系の伝達関数を同定し、前記波形再現性が高い周波数域では前記加速度応答情報を使用することにより系の伝達関数を同定することを特徴とする振動試験装置。
  3. 請求項2に記載の振動試験装置において、
    前記波形再現性は、
    PSDランダム波形と、前記PSDランダム波形を表す駆動信号を前記アクチュエータに供給したとき得られる加速度応答波形とに基づいて算出されるコヒーレンス値であることを特徴とする振動試験装置。
  4. 請求項2または3に記載の振動試験装置において、
    前記駆動信号補正部は、
    前記波形再現性が低い周波数域と前記波形再現性が高い周波数域との中間にある周波数域では、前記変位応答情報を使用することにより同定された伝達関数と、前記加速度応答情報を使用することにより同定された伝達関数とに対してそれぞれ相補的な重みづけを与えることにより系の伝達関数を同定することを特徴とする振動試験装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の振動試験装置において、
    前記駆動信号補正部は、
    前記変位応答情報に基づいて算出された系の伝達関数に所定の換算処理を施すことにより、加速度変位情報に基づいて算出された伝達関数と等価な伝達関数を得ることを特徴とする振動試験装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の振動試験装置において、
    前記加速度検知手段は、
    前記供試体の所定位置における加速度に代えて、前記振動台の所定位置における加速度を検知することを特徴とする振動試験装置。
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