JP2011169664A - 測定システム及びその校正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 測定物の位置に関わらず、正しい演算結果が得られるように校正する作業を簡略化することができる測定システムを提供する。
【解決手段】 センサ出力から測定値y2を求める子機コントローラ30と、センサ出力から測定値y1を求める親機コントローラ20により構成される。親機コントローラ20は、測定値y1及びy2から測定物の厚さを示す演算値zを求め、第1及び第2校正用測定物の既知の厚さとして、第1及び第2目標値を記憶し、第1校正用測定物から得られた測定値y2を記憶する。そして、第1校正用測定物を測定軸方向に移動させて得られた測定値y2と測定値記憶部24a内の測定値y2との間の変化量に基づいて、測定値y1の校正を実行する。また、第1校正用測定物から算出された第1演算値を記憶し、第1及び第2目標値と第1演算値と第2校正用測定物から算出された第2演算値とに基づいて、演算値zの校正を実行する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、測定システム及びその校正方法に係り、さらに詳しくは、測定対象物までの距離、変位又は径等の物理量を測定する第1測定器及び第2測定器を備え、測定値から測定対象物の物理量を示す演算値を求める測定システム及びその校正方法の改良に関する。
測定対象物に向けて光を照射し、その反射光を受光して測定対象物までの距離又は基準位置から測定対象物までの距離を測定する2つの光学式センサを用いて、測定対象物の厚さなどの物理量を検出する測定システムが従来から知られている。測定対象物の厚さを検出する場合、各センサは、同じ直線を測定軸として対向配置され、測定対象物は、センサ間に配置される。通常、センサ出力xは、1次関数(y=ax+b)からなる換算式を用いて測定値yに変換され、表示値として表示される。上記換算式の傾きaは、スパンと呼ばれ、y切片bは、オフセットを表す。光学式センサとして、センサA1及びA2を用いる場合、厚さは、センサA1の測定値y1、センサA2の測定値y2から、所定の演算式、例えば、(y1+y2)を用いて求められる。
一般に、センサA1とセンサA2とでは、アライメントのバラツキなどの影響により、測定対象物が測定軸上のどこにあるかによって、厚さの演算結果が異なる場合がある。そこで、上述した測定システムでは、測定対象物が測定軸上のどこにあっても、正しい演算結果が得られるようにするために、換算式を一方の測距センサに合わせて補正したり、演算値を変換する必要がある。
図18(a)及び(b)は、上述した従来の測定システムを示した図であり、測定対象物が測定軸上のどこにあっても同じ演算結果が得られるように、換算式のスパンaを校正する場合が示されている。図18(a)には、測定物B1に対する1点目の測定が示され、図18(b)には、測定軸上の位置を1点目とは異ならせて配置された同じ測定物B1に対する2点目の測定が示されている。1点目の測定では、センサA1の測定値y1=4mm、センサA2の測定値y2=3mm、演算値(y1+y2)=7mmであるのに対し、2点目の測定では、センサA1の測定値y1=6mm、センサA2の測定値y2=0.5mm、演算値(y1+y2)=6.5mmとなっている。これは、センサA1及びA2間で換算式の傾きaが異なることに起因する。そこで、例えば、センサA1の換算式について、スパンaがセンサA2の換算式と一致するように、スパンaの補正が行われる。従来の測定システムでは、ユーザが、センサA2の測定値y2に関して、1点目の測定値を記憶し、1点目と2点目との間の変化量Δy2=0.5−3=−2.5を求め、センサA1についても同じ変化量となるように、2点目の測定値y1に対する目標値を(y1−Δy2)=4+2.5=6.5を求めて入力する。これにより、センサA1の換算式についてスパンaが補正され、測定対象物が測定軸上のどこにあっても同じ演算値が得られるようになる。
図19(a)及び(b)は、上述した従来の測定システムを示した図であり、正しい演算結果が得られるように、演算値を変換するための変換式を決定する場合が示されている。図19(a)には、測定物B1に対する1点目の測定が示され、図19(b)には、1点目とは異なる測定物B2に対する2点目の測定が示されている。1点目の測定では、センサA1の測定値y1=4mm、センサA2の測定値y2=3mm、演算値(y1+y2)=7mmであり、2点目の測定では、センサA1の測定値y1=4mm、センサA2の測定値y2=5.5mm、演算値(y1+y2)=9.5mmとなっている。演算値(y1+y2)は、センサA1及びA2間の距離やセンサA2のスパンによって変化することから、測定物B1及びB2に対して正しい演算値が得られるように、演算値の変換式(1次関数)が決定される。従来の測定システムでは、ユーザが、測定物B1及びB2に対する演算値の目標値をそれぞれ入力することにより、演算値の変換式が決定され、どのような測定対象物に対しても正しい演算値が得られるようになる。
上述した様な従来の測定システムの場合、測定対象物の位置に関わらず、正しい演算結果が得られるようにするには、換算式の補正を実行させるために2点を測定し、演算値の変換式を決定するために2点を測定しなければならないので、校正のための作業手順が多くて操作性が良くないという問題があった。特に、換算式の補正を実行させる際、ユーザは、センサの測定値から1点目と2点目との間の変化量を求め、測定値に対する目標値を求めて入力しなければならなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、測定対象物の位置に関わらず、正しい演算結果が得られるように校正する作業を簡略化することができる測定システム及びその校正方法を提供することを目的とする。特に、換算式を一方のセンサに合わせて補正し、かつ、演算値の変換式を決定する際の作業手順を減らすことができる測定システム及びその校正方法を提供することを目的とする。
第1の本発明による測定システムは、測定対象物までの距離、変位又は径等の物理量を測定する第1センサを有し、第1センサの出力から第1測定値を求める第1測定器と、上記測定対象物までの距離、変位又は径等の物理量を測定する第2センサを有し、第2センサの出力から第2測定値を求める第2測定器と、演算式を用いて、第1測定値及び第2測定値から、上記測定対象物の物理量を示す演算値を求める演算手段と、上記第1測定器及び第2測定器の測定軸方向に互いに異なる上記物理量を有する第1及び第2校正用測定物の既知の物理量として、第1及び第2目標値をそれぞれ記憶する目標値記憶手段と、上記第1校正用測定物を測定して得られた上記第1測定値を記憶する測定値記憶手段と、上記第1校正用測定物を上記測定軸方向に移動させた状態で上記第1校正用測定物を測定して得られた第1測定値と上記測定値記憶手段に保持されている第1測定値との間の変化量に基づいて、第2測定値の校正を実行する第1校正手段と、上記第1校正用測定物を測定して得られた上記第1測定値及び第2測定値に基づいて、上記演算手段により算出された第1演算値を記憶する演算値記憶手段と、上記目標値記憶手段に保持されている第1目標値及び第2目標値と、上記演算値記憶手段に保持されている第1演算値と、上記第2校正用測定物を測定して得られた上記第1測定値及び第2測定値から上記演算手段により算出された第2演算値とに基づいて、上記演算値の校正を実行する第2校正手段とを備えて構成される。
この測定システムでは、第1校正用測定物を測定して得られた第1測定値を記憶し、第1校正用測定物を測定軸方向に移動させた状態で第1校正用測定物を測定して得られた第1測定値との間の変化量に基づいて、第2測定値の校正が実行される。この様な構成によれば、第2測定器のスパンを第1測定器に合わせるために第2測定値の校正を実行させる際に、ユーザは、測定値の変化量を計算したり、測定値に対する目標値を求めて入力する必要がなく、測定値の校正作業を簡略化することができる。また、第1校正用測定物の測定結果から算出された演算値を第1演算値として記憶し、第1演算値、第1目標値及び第2目標値と、第2校正用測定物の測定結果から算出された第2演算値とに基づいて、演算値の校正が実行される。つまり、演算値の校正を実行させるための第1演算値が、測定値の校正を実行させるためのステップで測定された第1測定値及び第2測定値から算出されるので、換算式を一方のセンサに合わせて補正し、かつ、演算値の変換式を決定する際の作業手順を減らすことができる。
第2の本発明による測定システムは、上記構成に加え、上記第1校正手段が、更に、上記第1校正用測定物の測定結果から算出された演算値が上記第1目標値と一致するように上記演算値のオフセットを補正し、上記演算値記憶手段が、オフセットの補正後の演算値を第1演算値として記憶するように構成される。この様な構成によれば、測定値の校正を実行させる際に、第2測定器のオフセットを変更しなくても演算値を目標値に一致させることができる。これにより、基準点をずらすことがなく、より精度の高い位置で計測が可能となる。
第3の本発明による測定システムは、上記構成に加え、上記第1校正手段が、上記第1校正用測定物の上記測定軸方向への移動の前後で、上記演算値が一致するように測定値の校正を行うように構成される。この様な構成によれば、測定値の校正を実行させる際に、演算値のオフセットを変更しなくても第2測定器のスパンを第1測定器に合わせることができる。
第4の本発明による測定システムは、上記構成に加え、2つの表示領域を有し、一方の表示領域に上記第1及び第2校正用測定物の測定結果から算出された上記演算値を表示する表示手段を備えて構成される。この様な構成によれば、測定対象物を測定して得られた演算値を確認しながら校正作業を進行させることができる。
第5の本発明による測定システムは、上記構成に加え、上記表示手段が、一方の表示領域に上記演算値を表示し、他方の表示領域に測定値及び演算値の校正に係る測定ステップを表示するように構成される。この様な構成によれば、演算値の他に、測定値及び演算値の校正に係る測定ステップを確認しながら校正作業を進行させられるので、作業効率を向上させることができる。
第6の本発明による測定システムの校正方法は、測定対象物までの距離、変位又は径等の物理量を測定する第1センサの出力から、第1測定値を求める第1測定器と、上記測定対象物までの距離、変位又は径等の物理量を測定する第2センサの出力から、第2測定値を求める第2測定器とを備え、第1測定値及び第2測定値から、演算式を用いて上記測定対象物の物理量を示す演算値を求める測定システムの校正方法であって、第1校正用測定物を測定し、第1測定器によって求められた第1測定値を測定値記憶手段に記憶させる測定値記憶ステップと、上記測定値記憶ステップにおける測定時の位置から第1校正用測定物を第1測定器及び第2測定器の測定軸方向に移動させた状態で第1校正用測定物を測定し、第1測定器によって求められた第1測定値と上記測定値記憶手段に保持されている第1測定値との間の変化量に基づいて、第2測定値の校正を実行する第1校正ステップと、第1校正用測定物を測定して得られた第1測定値及び第2測定値から算出された第1演算値を演算値記憶手段に記憶させる演算値記憶ステップと、第1校正用測定物とは上記測定軸方向に異なる上記物理量を有する第2校正用測定物を測定し、第1測定器及び第2測定器によって求められた第1測定値及び第2測定値から算出された第2演算値と、上記演算値記憶手段に保持されている第1演算値と、第2校正用測定物の既知の物理量としての第1及び第2目標値とに基づいて、上記演算値の校正を実行する第2校正ステップとを備えて構成される。
第7の本発明による測定システムは、上記構成に加え、第1校正ステップでは、更に、第1校正用測定物の測定結果から算出された演算値が第1目標値と一致するように上記演算値のオフセットを補正し、上記演算値記憶ステップでは、オフセットの補正後の演算値を第1演算値として記憶させるように構成される。
第8の本発明による測定システムは、上記構成に加え、第1校正ステップでは、第1校正用測定物の上記測定軸方向への移動の前後で、上記演算値が一致するように測定値の校正を行うように構成される。
本発明による測定システム及びその校正方法によれば、第2測定器のスパンを第1測定器に合わせるために第2測定値の校正を実行させる際に、ユーザは、測定値の変化量を計算したり、測定値に対する目標値を求めて入力する必要がなく、測定値の校正作業を簡略化することができる。また、第1校正用測定物の測定結果から算出された演算値を第1演算値として記憶し、第1演算値、第1目標値及び第2目標値と、第2校正用測定物の測定結果から算出された第2演算値とに基づいて、演算値の校正が実行される。つまり、演算値の校正を実行させるための第1演算値が、測定値の校正を実行させるためのステップで測定された第1測定値及び第2測定値から算出されるので、換算式を一方のセンサに合わせて補正し、かつ、演算値の変換式を決定する際の作業手順を減らすことができる。従って、測定対象物の位置に関わらず、正しい演算結果が得られるように校正する作業を簡略化することができる。
本発明の実施の形態1による測定システム100の概略構成の一例を示したシステム図である。 図1の測定システム100の要部における構成例を示したブロック図であり、親機コントローラ20のCPU22内の機能構成の一例が示されている。 図1の測定システム100の動作の一例を模式的に示した説明図であり、親機側の換算式の補正前後の様子が示されている。 図1の測定システム100における校正時の動作の一例を模式的に示した説明図であり、換算式のスパン及び演算値のオフセットを補正する場合が示されている。 図1の測定システム100における校正時の動作の一例を模式的に示した説明図であり、演算値の変換式を決定する場合が状態#4として示されている。 図1の測定システム100の校正時の動作の一例を示したフローチャートである。 図1の測定システム100の校正時の動作の一例を示したフローチャートである。 図1の測定システム100の校正時の動作の一例を模式的に示した説明図であり、演算値や測定値を表示する表示部25の表示動作が状態ごとに示されている。 本発明の実施の形態2による測定システム100の要部における構成例を示したブロック図であり、CPU22内の機能構成の他の一例が示されている。 図9の測定システム100の動作の一例を模式的に示した説明図であり、親機側の換算式の補正前後の様子が示されている。 図9の測定システム100における校正時の動作の一例を模式的に示した説明図であり、親機側の換算式のスパンを補正する場合が示されている。 図9の測定システム100における校正時の動作の一例を模式的に示した説明図であり、演算値の変換式を決定する場合が状態#4として示されている。 図1の測定システム100における校正時の動作の他の一例を示した図であり、親機側の換算式を補正する場合が示されている。 図1の測定システム100における校正時の動作の他の一例を示した図であり、演算値の変換式を決定する場合が示されている。 図1の測定システム100の概略構成の他の一例を示したシステム図である。 図1の測定システム100の概略構成の他の一例を示したシステム図である。 図1の測定システム100の概略構成の他の一例を示したシステム図である。 従来の測定システムを示した図であり、測定物が測定軸上のどこにあっても同じ演算結果が得られるように、換算式のスパンaを校正する場合が示されている。 従来の測定システムを示した図であり、正しい演算結果が得られるように、演算値を変換するための変換式を決定する場合が示されている。
実施の形態1.
<測定システム>
図1は、本発明の実施の形態1による測定システム100の概略構成の一例を示したシステム図である。この測定システム100は、2つの測定ヘッド10、親機コントローラ20及び子機コントローラ30からなり、測定物までの距離を測定する各測定ヘッド10が親機コントローラ20及び子機コントローラ30にそれぞれ接続されている。測定システム100は、子機側の測定ヘッド10を介して得られた測定値などを子機コントローラ30から親機コントローラ20に転送させることができる。
測定ヘッド10は、センサ部11及び通信部12からなるヘッドユニットである。センサ部11は、反射型の光学式センサであり、検出光を出射する投光部と、検出光の測定物による反射光又は拡散光を受光し、入射角度に応じたセンサ出力を生成する受光部とからなる。通信部12は、通信ケーブルを介して接続された親機コントローラ20又は子機コントローラ30に対し、センサ出力を送信する。
ここでは、センサ部11として、基準位置から測定物までの距離を変位として測定する変位センサが用いられるものとする。変位センサは、検出光の光軸を測定軸とし、測定軸上において、投光部から所定の距離の位置に基準位置が設けられる。変位は、その様な基準位置から測定物までの距離であり、基準位置よりも近い側を正領域、遠い側を負領域とする。また、センサ出力は、センサ部11から一定時間ごとに繰返し生成される。
親機コントローラ20は、通信部21,26、CPU22、操作部23、メモリ24及び表示部25からなる制御ユニットであり、ユーザによる取込指示に基づいて取り込んだ測定値から測定物の物理量を示す演算値を求め、演算結果として出力する。通信部21は、通信ケーブルを介して接続された測定ヘッド10の通信部12と通信し、センサ出力を受信してCPU22へ出力する。
CPU22は、メモリ24内に保持されているプログラムに基づいて動作する演算部である。操作部23は、測定値の取り込みを指示したり、演算値の目標値を入力するための入力手段である。メモリ24には、測定値算出プログラム1、演算値算出プログラム2及び校正プログラム3が保持されている。
測定値算出プログラム1は、1次関数からなる換算式(y=ax+b)を用いて、センサ出力xから測定値y1を求めるためのプログラムである。演算値算出プログラム2は、親機側の測定ヘッド10のセンサ出力xから得られた測定値y1と、子機側の測定ヘッド10のセンサ出力xから得られ、子機コントローラ30から転送された測定値y2とから、所定の演算式を用いて、測定物の物理量を示す演算値zを求めるためのプログラムである。
校正プログラム3は、測定値や演算値の校正を実行するためのプログラムであり、測定値y1算出のための換算式のスパンaを子機側に合わせ、演算値zのオフセットや演算値zの変換式(w=Az+B)を決定する処理が行われる。
ここでは、測定物の物理量として、測定物の測定軸方向の厚さDが求められるものとする。この場合、演算値z算出のための演算式は、加算式、すなわち、z=y1+y2により表される。
また、メモリ24には、操作部23を介して入力された目標値4、ユーザによる取込指示に基づいて取り込まれた測定値y1,y2、算出された演算値zなどが保持される。目標値4は、演算値zの変換式を算出するための入力データであり、校正用の測定物の既知の厚さが目標値として指定される。
表示部25は、演算値zや測定値y1,y2を表示するための表示手段であり、例えば、2つの表示領域を有し、上段の表示領域に演算値zを表示し、下段の表示領域に測定値y1や校正に係る測定ステップが表示される。通信部26は、通信ケーブルを介して接続された子機コントローラ30の通信部36と通信し、測定値y2を受信してCPU22へ出力する。
子機コントローラ30は、通信部31,36、CPU32、操作部33、メモリ34及び表示部35からなる制御ユニットであり、センサ出力xから測定値y2を求め、測定結果として出力する。通信部31は、通信ケーブルを介して接続された測定ヘッド10の通信部12と通信し、センサ出力を受信してCPU32へ出力する。
CPU32は、メモリ34内に保持されているプログラムに基づいて動作する演算部である。操作部33は、測定値の取り込みを指示するための入力手段である。メモリ34には、測定値算出プログラム1が保持されている。
表示部35は、演算値zや測定値y2などを表示するための表示手段である。通信部36は、通信ケーブルを介して接続された親機コントローラ20の通信部26と通信し、センサ出力xから算出された測定値y2などを送信する。
なお、測定ヘッド10と親機コントローラ20との間や測定ヘッド10と子機コントローラ30との間、親機コントローラ20と子機コントローラ30との間の通信は、無線通信であっても良い。また、親機コントローラ20には、3以上の子機コントローラ30を接続することができる。
<親機の機能ブロック>
図2は、図1の測定システム100の要部における構成例を示したブロック図であり、親機コントローラ20のCPU22内の機能構成の一例が示されている。この図では、CPU22がメモリ24内のプログラムに基づいて動作する際の各機能がブロックによって示されている。
このCPU22は、測定値記憶部24a、演算値記憶部24b、目標値記憶部24c、測定値取込部41,45、第1校正部42、測定値算出部43、演算部46及び第2校正部47により構成される。測定値算出部43は、親機側の測定ヘッド10で得られたセンサ出力xに基づいて測定値y1を算出し、親機測定値として出力する。測定値y1は、センサ出力xから、換算式:y1=ax+bを用いて求められる。測定値y1は、必要に応じて表示部25の下段の表示領域に表示される。
測定値取込部41は、子機側の測定ヘッド10で得られたセンサ出力xから求められ、子機測定値として出力された測定値y2を操作部23からの取込指示に基づいて取り込み、測定値記憶部24a、第1校正部42及び演算部46へ出力する。測定値取込部45は、親機測定値として出力された測定値y1を操作部23からの取込指示に基づいて取り込み、演算部46へ出力する。
演算部46は、測定値y1及びy2に基づいて、測定物の厚さDを示す演算値zを算出する。演算値zは、測定値y1及びy2から、演算式:z=y1+y2を用いて求められる。演算値zは、表示部25の上段の表示領域に表示される。
測定値記憶部24aは、第1の校正用測定物を測定して得られる測定値であって、取込指示に基づいて取り込まれた子機側の測定値y2を第1測定値として記憶するメモリである。第1校正部42は、測定値算出部43内の換算式のスパンaを子機側に合わせるために、子機側の測定値y2の変化量に基づいて、測定値y1の校正を実行する。
具体的には、第1校正用測定物を第1測定値の測定時の位置から測定軸方向に所定距離だけ移動させた状態で、第1校正用測定物を測定して得られる測定値であって、取込指示に基づいて取り込まれた子機側の測定値y2と、測定値記憶部24aに保持されている測定値y2との間の変化量から子機側の換算式のスパンを求める。そして、親機側の換算式のスパンaが子機側と一致するように当該スパンが調整される。
演算値記憶部24bは、第1校正用測定物を測定して得られた測定値y1及びy2から演算部46により算出された演算値zを第1演算値として記憶するメモリである。目標値記憶部24cは、測定軸方向に互いに異なる厚さを有する第1及び第2校正用測定物の既知の厚さとして、第1及び第2目標値をそれぞれ記憶するメモリである。
第2校正部47は、目標値記憶部24cに保持されている第1目標値及び第2目標値に基づいて、演算値zの校正を実行する。具体的には、演算値記憶部24bに保持されている第1演算値と、第2校正用測定物を測定して得られる測定値であって、取込指示に基づいて取り込まれた測定値y1及びy2から演算部46により算出された第2演算値に対し、第1演算値が第1目標値に変換され、第2演算値が第2目標値に変換されるように、演算値zの変換式が決定される。
第1校正部42では、更に、第1校正用測定物の測定結果から算出された演算値zが第1目標値と一致するように演算値zのオフセットが補正される。演算値記憶部24bには、オフセットの補正後の演算値zが第1演算値として記憶される。この様に構成することにより、測定値y1の校正を実行させる際に、親機側の換算式のオフセットを変更しなくても演算値zを目標値に一致させることができる。
一般に、測定物からの反射光を集光レンズを介してCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化物半導体)イメージセンサなどの撮像素子により受光する光学式センサの場合、集光レンズに対する反射光の入射角に応じて、撮像素子上で受光スポットが移動する。この様な光学式センサを用いて測定物の変位を測定する場合には、測定軸上の基準位置の付近が最も精度が高い。上記構成では、測定値y1の校正を実行させる際に、換算式のオフセットを変更しなくても良いので、基準位置又は測定値y1のゼロ点を変えることなく、測定値y1の校正を行わせることができる。
<スパン補正>
図3は、図1の測定システム100の動作の一例を模式的に示した説明図であり、親機側の換算式の補正前後の様子が示されている。この図では、子機側の換算式について、換算式のスパンの符号を変えて表示されている。また、測定物を測定軸に沿ってx1からx2に移動させた場合に、測定物の位置ごとの測定値が直線により示されている。この直線は、センサ出力から測定値を求めるための換算式を表し、傾きが換算式のスパンである。さらに、補正前の換算式を表す直線が実線で示され、親機側の換算式について、スパンが子機側と一致するように補正した後の換算式を示す直線が破線で示されている。
具体的には、測定物の測定軸上の位置x1,x2に対し、親機側の測定値が、それぞれy11,y12であり、子機側の測定値が、それぞれy21,y22である。このとき、子機側の換算式のスパンが、(y22−y21)/(x2−x1)であるのに対し、親機側のスパンが、(y12−y11)/(x2−x1)である。
親機側の換算式のスパンが子機側と一致するように換算式を補正する場合、換算式のオフセット又は測定値のゼロ点が変化しないように、スパン補正が行われる。このため、スパン補正後の換算式を表す直線は、位置x2における測定値y13と原点を通る直線となっている。
<校正ステップ>
図4及び図5は、図1の測定システム100における校正時の動作の一例を模式的に示した説明図である。図4(a)〜(c)には、測定物B1の測定軸上の位置に関わらず同じ演算値zが得られ、しかもその演算値zが目標値と一致するように、親機側の換算式のスパン及び演算値zのオフセットを補正する場合が示されている。
図4(a)には、測定物B1に対する1点目の測定が状態#1として示されている。1点目の測定では、親機側の測定値y11=4mm、子機側の測定値y21=3mmが取得され、演算値(y11+y21)=7mmが算出される。このとき、測定物B1の厚さD1が既知であり、ユーザ操作により演算値zの目標値が10mmと指定されれば、仮のオフセット3.0mmが算出され、演算値zに加算される。
図4(b)には、測定軸に沿って測定物B1を親機側へ移動させた場合が状態#2として示されている。状態#2では、親機側の測定値y12=6mm、子機側の測定値y22=0.5mm、演算値(y12+y22+仮オフセット)=9.5mmである。
図4(c)には、同じ測定物B1に対する2点目の測定が状態#3として示されている。2点目の測定では、親機側の測定値y12=6mm、子機側の測定値y22=0.5mmが取得され、演算値(y12+y22+仮オフセット)=9.5mmが算出される。
このとき、子機側の測定値y21,y22の変化量Δy2=y22−y21=−2.5を算出し、親機側の換算式のスパンが子機側と一致するように、換算式が補正される。具体的には、親機のスパンを子機側と一致させるために親機の測定値y12にΔy2/(y11−y12)を乗算し、y13=7.5mmを算出する。また、演算値zが目標値10mmと一致するように演算値zのオフセットが3から2に補正される。この補正により、親機側の測定値y13=7.5mm、演算値(y13+y22+オフセット)=7.5+0.5+2.0=10.0mmとなる。この様に補正することにより、親機のオフセットを変更することなく、演算値を目標値に一致させることができる。
図5には、測定物B2に対しても演算値zが目標値と一致するように、演算値の変換式を決定する場合が状態#4として示されている。この3点目の測定では、親機側の測定値y14=5mm、子機側の測定値y23=5.5mmが取得され、演算値(y14+y23+2.0)=12.5mmが算出される。
このとき、測定物B2の厚さD2が既知であり、ユーザ操作により演算値zの目標値が13mmと指定されれば、2点目の測定時に得られた補正後の演算値10.0mmと、3点目の測定時に得られた演算値12.5mmと、目標値13mmとから、演算値zの変換式について、スパン及びオフセットが算出される。具体的には、演算値zの変換式が、w=1.2z+0.4と求められ、測定値及び演算値の校正処理が終了する。
<処理手順>
図6及び図7のステップS101〜S120は、図1の測定システム100の校正時の動作の一例を示したフローチャートである。まず、測定値及び演算値の校正モードでは、センサ出力に基づいて、測定値y1が一定時間ごとに繰返し算出される(ステップS101)。校正モードへの動作モードの切り替えは、例えば、設定メニューからシステム校正を選択し、セットボタンを操作することによって行われる。
校正モード時に目標値が入力されれば、当該目標値が演算値zを校正するための第1目標値として記憶される(ステップS102,S103)。このとき、1点目の取込指示があれば、測定軸上に配置されている測定物B1に対して測定された測定値y1,y2が取り込まれ、取り込んだ測定値に基づいて演算値zが算出される(ステップS104〜S106)。
次に、算出された演算値zと第1目標値とから仮オフセットを算出し、演算値zに加算することによって演算値zの補正が行われる(ステップS107,S108)。また、子機側の測定値y2が測定値記憶部24a内に格納される(ステップS109)。
次に、2点目の取込指示があれば、測定軸上に配置されている測定物B1に対して測定された測定値y1,y2が取り込まれ、取り込んだ測定値に基づいて演算値zが算出される(ステップS110〜S112)。そして、測定物B1の測定軸上の位置に関わらず同じ演算値zが得られ、しかもその演算値zが第1目標値と一致するように、換算式のスパン及び演算値zのオフセットが補正される(ステップS113)。スパンの補正は、測定値記憶部24aに保持されている測定値y2と、新たに得られた測定値y2とに基づいて行われる。補正後の演算値zが第1演算値として演算値記憶部24b内に格納される(ステップS109)。
次に、目標値が入力されれば、当該目標値が演算値zを校正するための第2目標値として記憶される(ステップS115,S116)。このとき、3点目の取込指示があれば、測定軸上に配置されている測定物B2に対して測定された測定値y1,y2が取り込まれ、取り込んだ測定値に基づいて演算値zが算出される(ステップS117〜S119)。そして、測定物B2に対して演算値zが第2目標値と一致するように、演算値zの変換式が決定され、測定値及び演算値の校正が完了する(ステップS120)。
<測定ステップの表示>
図8(a)〜(f)は、図1の測定システム100の校正時の動作の一例を模式的に示した説明図であり、演算値zや測定値y1を表示する表示部25の表示動作が状態ごとに示されている。この図では、上段の表示領域に演算値zが数値表示され、下段の表示領域に測定値y1や測定ステップを示す文字列が表示される。
図8(a)には、測定物B1に対する1点目の測定が確定する前の状態が状態#11として示されている。この状態では、調整前の演算値7.000が上段に表示され、下段には、1点目の測定を行っていることを示す文字列「SET1」と、演算値の目標値とが一定時間ごとに交互に表示される。
図8(b)には、測定物B1に対する1点目の測定が確定した状態が状態#12として示されている。この状態では、目標値が正しく表示され、目標値から算出された仮オフセットによって調整された演算値10.000が表示される。
図8(c)には、測定軸に沿って測定物B1を移動させてから2点目の測定が確定する前の状態が状態#2として示されている。この状態では、仮オフセットによって調整された演算値9.500が上段に表示され、下段には、2点目の測定を行っていることを示す文字列「SET2」と、演算値の目標値10.000とが一定時間ごとに交互に表示される。
図8(d)には、測定物B1に対する2点目の測定が確定した状態が状態#3として示されている。この状態では、換算式のスパンや演算値zのオフセットが調整された演算値10.000が表示される。
図8(e)には、測定物B2に対する1点目の測定が確定する前の状態が状態#41として示されている。この状態では、換算式のスパンや演算値zのオフセットの調整後の演算値12.500が上段に表示され、下段には、3点目の測定を行っていることを示す文字列「SET3」と、演算値の目標値13.000とが一定時間ごとに交互に表示される。
図8(f)には、測定物B2に対する1点目の測定が確定した状態が状態#42として示されている。この状態では、目標値から算出された演算値の変換式によって変換された演算値13.000が表示される。
本実施の形態によれば、親機側のスパンを子機側に合わせるために測定値y1の校正を実行させる際に、ユーザは、測定値の変化量を計算したり、測定値に対する目標値を求めて入力する必要がなく、測定値y1の校正作業を簡略化することができる。また、第1校正用測定物の測定結果から算出された演算値zを第1演算値として記憶し、第1演算値、第1目標値及び第2目標値と、第2校正用測定物の測定結果から算出された第2演算値とに基づいて、演算値zの校正が実行される。つまり、演算値zの校正を実行させるための第1演算値が、測定値y1の校正を実行させるためのステップで測定された測定値y1及びy2から算出されるので、換算式を一方のセンサに合わせて補正し、かつ、演算値zの変換式を決定する際の作業手順を減らすことができる。特に、測定値zの校正を実行させる際に、親機側の換算式のオフセットを変更しなくても演算値zを目標値に一致させることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、第1校正用測定物に対する1点目の測定及び2点目の測定間の子機側の測定値y2の変化量に基づいて測定値y1の校正を実行する際、第1校正用測定物の測定結果から算出された演算値zが第1目標値と一致するように演算値zのオフセットを補正する場合の例について説明した。これに対し、本実施の形態では、第1校正用測定物に対する1点目の測定及び2点目の測定間で演算値zが一致するように測定値y1の校正を行う場合について説明する。
図9は、本発明の実施の形態2による測定システム100の要部における構成例を示したブロック図であり、親機コントローラ20のCPU22内の機能構成の他の一例が示されている。このCPU22の第1校正部42では、第1校正用測定物の測定軸方向への移動の前後で、演算値zが一致するように測定値y1の校正が行われる。
図10は、図9の測定システム100の動作の一例を模式的に示した説明図であり、親機側の換算式の補正前後の様子が示されている。この図では、子機側の換算式について、換算式のスパンの符号を変えて表示されている。また、測定物を測定軸に沿ってx1からx2に移動させた場合に、測定物の位置ごとの測定値が直線により示されている。さらに、補正前の換算式を表す直線が実線で示され、親機側の換算式について、スパンが子機側と一致するように補正した後の換算式を示す直線が破線で示されている。
親機側の換算式のスパンが子機側と一致するように換算式を補正する場合、1点目の測定値y11が変化しないように、スパン補正が行われる。このため、スパン補正後の換算式を表す直線は、位置x2における測定値y13と、位置x1における測定値y11とを通る直線となっている。
図11及び図12は、図9の測定システム100における校正時の動作の一例を模式的に示した説明図である。図11(a)〜(c)には、測定物B1の測定軸上の位置に関わらず同じ演算値zが得られるように、親機側の換算式のスパンを補正する場合が示されている。
図11(a)には、測定物B1に対する1点目の測定が状態#1として示されている。1点目の測定では、親機側の測定値y11=4mm、子機側の測定値y21=3mmが取得され、演算値(y11+y21)=7mmが算出される。このとき、測定物B1の厚さが既知であり、ユーザ操作により演算値zの目標値が10mmと指定されれば、仮のオフセット3.0mmが算出され、演算値zに加算される。
図11(b)には、測定軸に沿って測定物B1を親機側へ移動させた場合が状態#2として示されている。状態#2では、親機側の測定値y12=6mm、子機側の測定値y22=0.5mm、演算値(y12+y22+仮オフセット)=9.5mmである。
図11(c)には、同じ測定物B1に対する2点目の測定が状態#3として示されている。2点目の測定では、親機側の測定値y12=6mm、子機側の測定値y22=0.5mmが取得され、演算値(y12+y22+仮オフセット)=9.5mmが算出される。
このとき、子機側の測定値y21,y22の変化量Δy2=y22−y21=−2.5を算出し、親機側の換算式のスパンが子機側と一致し、1点目及び2点目間で演算値が変化しないように、換算式が補正される。この補正により、親機側の測定値y13=6.5mm、演算値(y13+y22+オフセット)=6.5+0.5+3.0=10.0mmとなる。
図12には、測定物B2に対しても演算値zが目標値と一致するように、演算値の変換式を決定する場合が状態#4として示されている。この3点目の測定では、親機側の測定値y14=4mm、子機側の測定値y23=5.5mmが取得され、演算値(y14+y23+3.0)=12.5mmが算出される。
このとき、測定物B2の厚さが既知であり、ユーザ操作により演算値zの目標値が13mmと指定されれば、2点目の測定時に得られた演算値10.0mmと、3点目の測定時に得られた演算値12.5mmと、目標値13mmとから、演算値zの変換式について、スパン及びオフセットが算出され、w=1.2z+1.6となる。
本実施の形態によっても、測定対象物の位置に関わらず、正しい演算結果が得られるように校正する作業を簡略化することができる。特に、換算式を一方のセンサに合わせて補正し、かつ、演算値zの変換式を決定する際の作業手順を減らすことができる。
なお、実施の形態1及び2では、2つの測定ヘッド10を用いて測定対象物の厚さDを測定する場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、測定対象物の外径又は内径を測定する測定システムにも本発明は適用することができる。また、測定対象物の段差を測定する測定システムにも本発明は適用することができる。
図13及び図14は、図1の測定システム100における校正時の動作の他の一例を示した図である。図13(a)及び(b)には、測定物B11の測定軸上の位置に関わらず同じ演算値zが得られ、しかもその演算値zが目標値と一致するように、親機側の換算式のスパン及び演算値zのオフセットを補正する場合が示されている。
図13(a)には、測定物B11に対する1点目の測定の様子が示されている。測定物B11の段差を測定する場合、親機側及び子機側の各測定ヘッド10は、測定軸を同じ方向に向けて配置され、測定軸上に配置された測定物B11の測定軸方向の段差D11が測定される。この場合の演算式は、減算式、すなわち、z=y1−y2により表される。
図13(b)には、測定軸に沿って測定ヘッド10側へ移動させた測定物B11に対する2点目の測定の様子が示されている。図14には、測定物B21に対しても演算値zが目標値と一致するように、演算値の変換式を決定する場合が示されている。この3点目の測定では、測定軸上に配置された測定物B21の測定軸方向の段差D21が測定される。この様な測定システム100にも本発明は適用可能である。
また、実施の形態1及び2では、親機コントローラ20及び子機コントローラ30間の通信により子機側で算出された測定値y2が親機側に転送され、親機側で演算値zが算出される場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、親機側で算出された測定値y1を子機側に転送し、子機側で演算値zを算出するものであっても良い。また、コントローラに2以上の測定ヘッド10が接続された測定システムにも本発明は適用することができる。
図15は、図1の測定システム100の概略構成の他の一例を示したシステム図である。この測定システム100は、2つの測定ヘッド10と、各測定ヘッド10が接続されたコントローラ50とからなる。この様な測定システム100にも本発明は適用可能である。
また、実施の形態1及び2では、測定ヘッド10と親機コントローラ20又は子機コントローラ30とが通信ケーブルにより接続される場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、センサ部とコントローラ部とが一体となった測定システムにも本発明は適用することができる。
図16は、図1の測定システム100の概略構成の他の一例を示したシステム図である。この測定システム100は、通信ケーブルを介して接続された親機51及び子機52からなる。子機52は、測定対象物に対して距離を測定して測定値y2を算出する。親機51は、測定対象物に対して距離を測定して測定値y1を算出し、子機52から転送された測定値y2と測定値y1とから演算値zを算出する。親機側では、演算値zが表示される。この様な測定システム100にも本発明は適用可能である。
また、実施の形態1及び2では、反射型の光学式センサを用いて測定対象物の物理量を測定する場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、透過型の光学式センサを用いて測定対象物の外径などを測定する測定システムにも本発明は適用することができる。
図17(a)〜(c)は、図1の測定システム100の概略構成の他の一例を示したシステム図である。この測定システム100は、透過型の光学式センサを用いて測定対象物の外径を測定する寸法測定装置であり、親機及び子機の測定値から測定物B12,B22の外径D12,D22が求められる。図17(a)には、測定物B12に対する1点目の測定が示され、図17(b)には、同じ測定物B12に対する2点目の測定が示され、図17(c)には、測定物B12とは外径の異なる測定物B22に対して3点目の測定が行われる様子が示されている。この様な測定システムにも本発明は適用可能である。
また、実施の形態1及び2では、表示部25の上段に演算値zを表示し、下段に測定値y1や測定ステップ、目標値を表示する場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、表示部25の下段の表示領域に、親機側の測定値y1、子機側の測定値y2及び目標値を一定時間ごとに交互に表示しても良い。また、同じ表示領域に、演算値zや測定値、測定ステップ、目標値を表示しても良い。例えば、目標値と演算値とを交互に表示し、目標値の入力操作中には、目標値を表示し、その操作終了後には、目標値と演算値との交互表示を再開させる。或いは、演算値z、測定値y1,y2、測定ステップ、目標値などを一覧表示しても良い。
また、実施の形態1及び2では、第1及び第2目標値が1点目の測定時及び3点目の測定時にユーザによりそれぞれ入力される場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、目標値がデフォルトで設定されている校正用測定物を用いて測定値及び演算値の校正を実行させるようなケースでは、目標値を入力するステップや表示するステップを省略することができる。この様な場合には、ユーザは、測定値を取り込むタイミングをボタン操作によって指定するだけで、測定値及び演算値の校正が実行される。
また、実施の形態1及び2では、光学式センサを用いて測定対象物までの距離を非接触で測定する場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、接触子を測定対象物に接触させて距離を測定する接触式センサにも本発明は適用することができる。
1 測定値算出プログラム
2 演算値算出プログラム
3 校正プログラム
4 目標値
5 測定値
6 演算値
10 測定ヘッド
11 センサ部
12 通信部
20 親機コントローラ
21,26 通信部
22 CPU
23 操作部
24 メモリ
24a 測定値記憶部
24b 演算値記憶部
24c 目標値記憶部
25 表示部
30 子機コントローラ
31,36 通信部
32 CPU
33 操作部
34 メモリ
35 表示部
41,45 測定値取込部
42 第1校正部
43 測定値算出部
46 演算部
47 第2校正部
100 測定システム
B1,B2 測定物

Claims (8)

  1. 測定対象物までの距離、変位又は径等の物理量を測定する第1センサを有し、第1センサの出力から第1測定値を求める第1測定器と、
    上記測定対象物までの距離、変位又は径等の物理量を測定する第2センサを有し、第2センサの出力から第2測定値を求める第2測定器と、
    演算式を用いて、第1測定値及び第2測定値から、上記測定対象物の物理量を示す演算値を求める演算手段と、
    上記第1測定器及び第2測定器の測定軸方向に互いに異なる上記物理量を有する第1及び第2校正用測定物の既知の物理量として、第1及び第2目標値をそれぞれ記憶する目標値記憶手段と、
    上記第1校正用測定物を測定して得られた上記第1測定値を記憶する測定値記憶手段と、
    上記第1校正用測定物を上記測定軸方向に移動させた状態で上記第1校正用測定物を測定して得られた第1測定値と上記測定値記憶手段に保持されている第1測定値との間の変化量に基づいて、第2測定値の校正を実行する第1校正手段と、
    上記第1校正用測定物を測定して得られた上記第1測定値及び第2測定値に基づいて、上記演算手段により算出された第1演算値を記憶する演算値記憶手段と、
    上記目標値記憶手段に保持されている第1目標値及び第2目標値と、上記演算値記憶手段に保持されている第1演算値と、上記第2校正用測定物を測定して得られた上記第1測定値及び第2測定値から上記演算手段により算出された第2演算値とに基づいて、上記演算値の校正を実行する第2校正手段とを備えたことを特徴とする測定システム。
  2. 上記第1校正手段は、更に、上記第1校正用測定物の測定結果から算出された演算値が上記第1目標値と一致するように上記演算値のオフセットを補正し、
    上記演算値記憶手段は、オフセットの補正後の演算値を第1演算値として記憶することを特徴とする請求項1に記載の測定システム。
  3. 上記第1校正手段は、上記第1校正用測定物の上記測定軸方向への移動の前後で、上記演算値が一致するように測定値の校正を行うことを特徴とする請求項1に記載の測定システム。
  4. 2つの表示領域を有し、一方の表示領域に上記第1及び第2校正用測定物の測定結果から算出された上記演算値を表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の測定システム。
  5. 上記表示手段は、一方の表示領域に上記演算値を表示し、他方の表示領域に測定値及び演算値の校正に係る測定ステップを表示することを特徴とする請求項1に記載の測定システム。
  6. 測定対象物までの距離、変位又は径等の物理量を測定する第1センサの出力から、第1測定値を求める第1測定器と、上記測定対象物までの距離、変位又は径等の物理量を測定する第2センサの出力から、第2測定値を求める第2測定器とを備え、第1測定値及び第2測定値から、演算式を用いて上記測定対象物の物理量を示す演算値を求める測定システムの校正方法において、
    第1校正用測定物を測定し、第1測定器によって求められた第1測定値を測定値記憶手段に記憶させる測定値記憶ステップと、
    上記測定値記憶ステップにおける測定時の位置から第1校正用測定物を第1測定器及び第2測定器の測定軸方向に移動させた状態で第1校正用測定物を測定し、第1測定器によって求められた第1測定値と上記測定値記憶手段に保持されている第1測定値との間の変化量に基づいて、第2測定値の校正を実行する第1校正ステップと、
    第1校正用測定物を測定して得られた第1測定値及び第2測定値から算出された第1演算値を演算値記憶手段に記憶させる演算値記憶ステップと、
    第1校正用測定物とは上記測定軸方向に異なる上記物理量を有する第2校正用測定物を測定し、第1測定器及び第2測定器によって求められた第1測定値及び第2測定値から算出された第2演算値と、上記演算値記憶手段に保持されている第1演算値と、第2校正用測定物の既知の物理量としての第1及び第2目標値とに基づいて、上記演算値の校正を実行する第2校正ステップとを備えたことを特徴とする測定システムの校正方法。
  7. 第1校正ステップでは、更に、第1校正用測定物の測定結果から算出された演算値が第1目標値と一致するように上記演算値のオフセットを補正し、
    上記演算値記憶ステップでは、オフセットの補正後の演算値を第1演算値として記憶させることを特徴とする請求項6に記載の測定システムの校正方法。
  8. 第1校正ステップでは、第1校正用測定物の上記測定軸方向への移動の前後で、上記演算値が一致するように測定値の校正を行うことを特徴とする請求項6に記載の測定システムの校正方法。
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