JP2011168556A - 5−アリール−3−アミノ−2−アルコキシカルボニルチオフェン化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】医薬品等に有用な5−アリール−3−アミノ−2−アルコキシカルボニルチオフェン化合物を簡便に高収率で製造する方法を提供する。
【解決手段】ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ニトロ基またはトリフルオロメチル基で置換されていても、いなくてもよいアセトフェノン化合物とN−置換ホルムアミド、塩素化剤およびヒドロキシルアミン化合物とを反応させて、前記のごとく置換されていても、いなくてもよいアリール基を有する3−クロロ−3−アリールアクリロニトリル化合物を得たのち、引き続き、塩基存在下、チオグリコール酸またはチオグリコール酸エステル化合物と反応させる式(4):
で表される5−アリール−3−アミノ−2−アルコキシカルボニルチオフェン化合物の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ニトロ基またはトリフルオロメチル基で置換されていても、いなくてもよいアセトフェノン化合物とN−置換ホルムアミド、塩素化剤およびヒドロキシルアミン化合物とを反応させて、前記のごとく置換されていても、いなくてもよいアリール基を有する3−クロロ−3−アリールアクリロニトリル化合物を得たのち、引き続き、塩基存在下、チオグリコール酸またはチオグリコール酸エステル化合物と反応させる式(4):
で表される5−アリール−3−アミノ−2−アルコキシカルボニルチオフェン化合物の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、例えば、種々の医薬品用途に用いられる製造用中間体に有用な5−アリール−3−アミノ−2−アルコキシカルボニルチオフェン化合物の製造方法に関する。
3−アミノ−5−フェニルチオフェン化合物の製造方法としては、例えば、下式に示すような方法(非特許文献1)が知られている。
BIOORG.MED.CHEM.LETT.2006,16,4723−4727
非特許文献1に記載の方法によると、3−クロロ−3−アリールアクリロニトリルを単離した後、チオフェン構造を構築して、5−アリール−3−アミノ−2−アルコキシカルボニルチオフェンを得て、再度、単離することになるため、処理工程が多くなり、工業的に有利でなく高い収率が得られにくい。
本発明は、5−アリール−3−アミノ−2−アルコキシカルボニルチオフェン化合物を簡便に高収率で製造する方法を提供することにある。
本発明は、以下に示す通りの5−アリール−3−アミノ−2−アルコキシカルボニルチオフェン化合物の製造方法に関する。
式(1):
式(1):
本発明によれば、医薬品等の合成中間体等に有用な5−アリール−3−アミノ−2−アルコキシカルボニルチオフェン化合物を簡便に高収率で製造することができる。
本発明に用いられるアセトフェノン化合物は式(1):
R1で示されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子等が、炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基等が、炭素数1〜4のアルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基およびブトキシ基等を挙げることができる。
前記アセトフェノン化合物の具体例としては、例えば、アセトフェノン、o−クロロアセトフェノン、m−クロロアセトフェノン、p−クロロアセトフェノン、o−ブロモアセトフェノン、m−ブロモアセトフェノン、p−ブロモアセトフェノン、o−メチルアセトフェノン、m−メチルアセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、o−エチルアセトフェノン、m−エチルアセトフェノン、p−エチルアセトフェノン、o−メトキシアセトフェノン、m−メトキシアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、o−エトキシアセトフェノン、m−エトキシアセトフェノン、p−エトキシアセトフェノン、o−ニトロアセトフェノン、m−ニトロアセトフェノン、p−ニトロアセトフェノン、o−トリフルオロメチルアセトフェノン、m−トリフルオロメチルアセトフェノンおよびp−トリフルオロメチルアセトフェノン等が挙げられる。
本発明においては、前記式(1)で表されるアセトフェノン化合物とN−置換ホルムアミド、塩素化剤およびヒドロキシルアミン化合物とを反応させて、式(2):
本発明に用いられるN−置換ホルムアミドとしては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−N−フェニルホルムアミド等を挙げることができる。中でも、入手性、経済的の観点から、N,N−ジメチルホルムアミドであることが好ましい。
前記N−置換ホルムアミドの使用割合は、アセトフェノン化合物1モルに対して、1.0〜50.0モルであることが好ましく、5.0〜30.0モルであることがより好ましい。
本発明において、反応溶媒は使用しなくてもよいし、使用してもよい。反応溶媒を使用しない場合は、前記N−置換ホルムアミドが溶媒の働きを兼ねてもよい。N−置換ホルムアミドが5.0モル未満の場合、粘性が高くなり攪拌しにくくなるおそれがあり、50.0モルを超える場合、容積効率が悪化するおそれがある。
本発明に用いられる塩素化剤としては、例えば、塩化チオニル、オキシ塩化燐、五塩化燐および三塩化燐が挙げられる。中でも、反応性の観点から、オキシ塩化燐であることが好ましい。
前記塩素化剤の使用割合は、アセトフェノン化合物1モルに対して、1.0〜10.0モルであることが好ましく、3.0〜5.0モルであることがより好ましい。塩素化剤の使用割合が、1.0モル未満の場合、反応が完結せず収率が低下するおそれがあり、10.0モルを超える場合、使用量に見合う効果がなく経済的に有利でない。
本発明に用いられるヒドロキシルアミン化合物としては、例えば、ヒドロキシルアミン塩酸塩およびヒドロキシルアミン硫酸塩等を挙げることができる。
前記ヒドロキシルアミン化合物の使用割合は、アセトフェノン化合物1モルに対して、1.0〜10.0モルであることが好ましく、1.0〜4.0モルであることがより好ましい。ヒドロキシルアミンの使用割合が、1.0モル未満の場合、反応が完結せず収率が低下するおそれがあり、10.0モルを超える場合、使用量に見合う効果がなく経済的に有利でない。
本発明において、反応溶媒は使用しなくてもよいが、使用する場合の反応溶媒としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン、ニトロトルエンおよびニトロベンゼン等が挙げられる。反応溶媒の使用量は、前記N−置換ホルムアミドの使用割合によっても異なるが、アセトフェノン化合物100重量部に対して、5000重量部以下であることが好ましい。5000重量部を超える場合、容積効率が悪化するおそれがある。
前記アセトフェノン化合物と塩素化剤およびヒドロキシルアミン化合物とを反応させる反応温度は、20〜100℃であることが好ましく、50〜100℃であることがより好ましい。反応温度が20℃未満の場合、反応速度が遅く反応に長時間を要するおそれがあり、100℃を超える場合、副反応が起こり収率が低下するおそれがある。反応時間は、反応温度により異なるが、通常、5〜20時間である。
前記反応混合物の後処理としては、水および有機溶媒を添加し、分液することにより3−クロロ−3−アリールアクリロニトリル化合物を有機溶媒で抽出することが好ましい。
前記水の使用量は、特に限定されず、例えば、アセトフェノン化合物100重量部に対して、500〜50000重量部であることが好ましい。前記水の使用量が500重量部未満の場合、不溶分が存在し分液性が悪化するおそれがあり、50000重量部を超える場合、容積効率が悪化するおそれがある。
前記有機溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、塩化メチレンおよびクロロホルム等を挙げることができる。中でも、溶解性、環境面の観点から、tert−ブチルメチルエーテルであることが好ましい。
前記有機溶媒の使用量は、特に限定されず、例えば、アセトフェノン化合物100重量部に対して、500〜50000重量部であることが好ましい。前記溶媒の使用量が500重量部未満の場合、不溶分が存在し分液性が悪化するおそれがあり、50000重量部を超える場合、容積効率が悪化するおそれがある。
本発明にかかる3−クロロ−3−アリールアクリロニトリル化合物の具体例としては、例えば、3−クロロ−3−フェニルアクリロニトリル、3−クロロ−3−(o−クロロフェニル)アクリロニトリル、3−クロロ−3−(m−クロロフェニル)アクリロニトリル、3−クロロ−3−(p−クロロフェニル)アクリロニトリル、3−クロロ−3−(o−ブロモフェニル)アクリロニトリル、3−クロロ−3−(m−ブロモフェニル)アクリロニトリル、3−クロロ−3−(p−ブロモフェニル)アクリロニトリル、3−クロロ−3−(o−トルイル)アクリロニトリル、3−クロロ−3−(m−トルイル)アクリロニトリル、3−クロロ−3−(p−トルイル)アクリロニトリル、3−クロロ−3−(o−エチルフェニル)アクリロニトリル、3−クロロ−3−(m−エチルフェニル)アクリロニトリル、3−クロロ−3−(p−エチルフェニル)アクリロニトリル、3−クロロ−3−(o−メトキシフェニル)アクリロニトリル、3−クロロ−3−(m−メトキシフェニル)アクリロニトリル、3−クロロ−3−(p−メトキシフェニル)アクリロニトリル、3−クロロ−3−(o−エトキシフェニル)アクリロニトリル、3−クロロ−3−(m−エトキシフェニル)アクリロニトリル、3−クロロ−3−(p−エトキシフェニル)アクリロニトリル、3−クロロ−3−(o−ニトロフェニル)アクリロニトリル、3−クロロ−3−(m−ニトロフェニル)アクリロニトリル、3−クロロ−3−(p−ニトロフェニル)アクリロニトリル、3−クロロ−3−(o−トリフルオロメチルフェニル)アクリロニトリル、3−クロロ−3−(m−トリフルオロメチルフェニル)アクリロニトリルおよび3−クロロ−3−(p−トリフルオロメチルフェニル)アクリロニトリル等が挙げられる。
本発明においては、前記式(2)で表される3−クロロ−3−アリールアクリロニトリルを得たのち、これを単離することなく、引き続き、塩基存在下、式(3):
式(3)においてR2で示される炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基等が挙げられる。
前記チオグリコール酸エステル化合物としては、例えば、チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸エチル、チオグリコール酸プロピルおよびチオグリコール酸ブチル等を挙げることができる。
チオグリコール酸エステル化合物の使用割合は、アセトフェノン化合物1モルに対して、1.0〜10.0モルであることが好ましく、1.0〜2.0モルであることがより好ましい。チオグリコール酸エステル化合物の使用割合が、1.0モル未満の場合、反応が完結せず収率が低下するおそれがあり、10.0モルを超える場合、使用量に見合う効果がなく経済的に有利でない。
前記塩基としては、例えば、ナトリウムメチラートメタノール溶液およびナトリウムエチラートエタノール溶液等を挙げることができる。
前記塩基の使用割合は、アセトフェノン化合物1モルに対して、1.0〜10.0モルであることが好ましく、1.0〜2.0モルであることがより好ましい。塩基の使用割合が、1.0モル未満の場合、反応が完結せず収率が低下するおそれがあり、10.0モルを超える場合、使用量に見合う効果がなく経済的に有利でない。
前記3−クロロ−3−アリールアクリロニトリル化合物と、塩基存在下、チオグリコール酸エステル化合物とを反応させる反応温度は、20〜80℃であることが好ましく、50〜80℃であることがより好ましい。反応温度が20℃未満の場合、反応速度が遅く反応に長時間を要するおそれがあり、80℃を超える場合、副反応が起こり収率が低下するおそれがある。反応時間は、反応温度により異なるが、通常、0.5〜5.0時間である。
かくして得られる5−アリール−3−アミノ−2−アルコキシカルボニルチオフェン化合物を単離および精製する方法としては、特に限定されるものではなく、常法通り、そのまま晶析させる方法や、抽出して再結晶させる方法等を挙げることができる。
本発明における5−アリール−3−アミノ−2−アルコキシカルボニルチオフェン化合物の具体例としては、例えば、5−フェニル−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−フェニル−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル、5−フェニル−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル、5−(o−クロロフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−(o−クロロフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル、5−(o−クロロフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル、5−(m−クロロフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−(m−クロロフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル、5−(m−クロロフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル、5−(p−クロロフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−(p−クロロフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル、5−(p−クロロフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル、5−(o−ブロモフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−(o−ブロモフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル、5−(o−ブロモフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル、5−(m−ブロモフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−(m−ブロモフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル、5−(m−ブロモフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル、5−(p−ブロモフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−(p−ブロモフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル、5−(p−ブロモフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル、5−(o−トルイル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−(o−トルイル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル、5−(o−トルイル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル、5−(m−トルイル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−(m−トルイル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル、5−(m−トルイル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル、5−(p−トルイル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−(p−トルイル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル、5−(p−トルイル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル、5−(o−エチルフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−(o−エチルフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル、5−(o−エチルフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル、5−(m−エチルフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−(m−エチルフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル、5−(m−エチルフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル、5−(p−エチルフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−(p−エチルフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル、5−(p−エチルフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル、5−(o−メトキシフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−(o−メトキシフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル、5−(o−メトキシフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル、5−(m−メトキシフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−(m−メトキシフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル、5−(m−メトキシフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル、5−(p−メトキシフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−(p−メトキシフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル、5−(p−メトキシフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル、5−(o−エトキシフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−(o−エトキシフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル、5−(o−エトキシフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル、5−(m−エトキシフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−(m−エトキシフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル、5−(m−エトキシフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル、5−(p−エトキシフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−(p−エトキシフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル、5−(p−エトキシフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル、5−(o−ニトロフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−(o−ニトロフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル、5−(o−ニトロフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル、5−(m−ニトロフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−(m−ニトロフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル、5−(m−ニトロフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル、5−(p−ニトロフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−(p−ニトロフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル、5−(p−ニトロフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル、5−(o−トリフルオロメチルフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−(o−トリフルオロメチルフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル、5−(o−トリフルオロメチルフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル、5−(m−トリフルオロメチルフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−(m−トリフルオロメチルフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル、5−(m−トリフルオロメチルフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル、5−(p−トリフルオロメチルフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、5−(p−トリフルオロメチルフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチルおよび5−(p−トリフルオロメチルフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸プロピル等が挙げられる。
本発明の5−アリール−3−アミノ−2−アルコキシカルボニルチオフェン化合物の製造方法では、アセトフェノン化合物とN−置換ホルムアミド、塩素化剤およびヒドロキシルアミン化合物とを反応させることにより得られる3−クロロ−3−アリールアクリロニトリル化合物を単離することなく、引き続き、塩基存在下、チオグリコール酸エステル化合物と反応させるため、極めて安価で容易に5−アリール−3−アミノ−2−アルコキシカルボニルチオフェン化合物を得ることができる。
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
攪拌機、温度計、冷却管および滴下漏斗を備えた1L容の四つ口フラスコに、p−クロロアセトフェノン148.0g(0.93モル)、オキシ塩化燐569.7g(3.72モル)およびN,N−ジメチルホルムアミド1114.8gを仕込み、60℃に昇温して5時間保持した後、硫酸ヒドロキシルアミン269.5g(1.64モル)を添加し、90℃に昇温して3時間反応させた。反応終了後、水836.0gとtert−ブチルメチルエーテル928.9gを添加して有機層を分液し、粗3−クロロ−3−(p−クロロフェニル)アクリロニトリルの溶液を得た。得られた粗3−クロロ−3−(p−クロロフェニル)アクリロニトリルの溶液は一部溶媒留去により脱水した後、メタノール1114.8gを添加し、引き続き、28重量%ナトリウムメチラートメタノール溶液233.0g(1.21モル)、98重量%チオグリコール酸メチル244.0g(1.21モル)を滴下した。滴下後、さらに60℃に昇温して1時間反応させた。
攪拌機、温度計、冷却管および滴下漏斗を備えた1L容の四つ口フラスコに、p−クロロアセトフェノン148.0g(0.93モル)、オキシ塩化燐569.7g(3.72モル)およびN,N−ジメチルホルムアミド1114.8gを仕込み、60℃に昇温して5時間保持した後、硫酸ヒドロキシルアミン269.5g(1.64モル)を添加し、90℃に昇温して3時間反応させた。反応終了後、水836.0gとtert−ブチルメチルエーテル928.9gを添加して有機層を分液し、粗3−クロロ−3−(p−クロロフェニル)アクリロニトリルの溶液を得た。得られた粗3−クロロ−3−(p−クロロフェニル)アクリロニトリルの溶液は一部溶媒留去により脱水した後、メタノール1114.8gを添加し、引き続き、28重量%ナトリウムメチラートメタノール溶液233.0g(1.21モル)、98重量%チオグリコール酸メチル244.0g(1.21モル)を滴下した。滴下後、さらに60℃に昇温して1時間反応させた。
反応終了後、室温まで冷却し、水1114.7g添加した後、析出した結晶を濾別し、得られた結晶をメタノールと水の混合液で洗浄した後、乾燥して5−(p−クロロフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル(融点:140〜141℃)149.2gを得た。得られた5−(p−クロロフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチルの収率はチオアニソールに対して60%であった。得られた5−(p−クロロフェニル)−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチルの純度は、高速液体クロマトグラフィーで分析した結果、99.8%であった。
Claims (1)
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