JP2011166084A - 絶縁膜のダメージ回復方法及びダメージが回復された絶縁膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】層間絶縁膜のダメージ回復処理の際に、銅配線層などの配線材料上に回復剤が残留することがなく、かつドライプロセスによる処理が可能な、量産性に優れる絶縁膜のダメージ回復方法を提供する。
【解決手段】プラズマ処理によりダメージを受けた絶縁膜を、炭酸エステル系の化合物である回復剤と接触させてダメージ回復処理を行うことを特徴とする絶縁膜のダメージ回復方法を選択する。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁膜のダメージ回復方法及びダメージが回復された絶縁膜の改良に関するものである。
半導体装置の層間絶縁膜などの絶縁膜としては、長年、誘電率が3.9から4.0のSiO(二酸化珪素)膜が用いられてきたが、近年微細化が進み、高速化・高性能化が要求されるに及び、誘電率が3.0以下の膜が必要となり、炭化水素を有機基として導入した誘電率2.8のSiOCH系の低誘電率膜が使用されている。さらには、膜に空孔を導入(多孔質化)して誘電率を下げる試みも盛んに研究開発されている。
ところが、このような多孔質材料からなる低誘電率絶縁膜では、膜自体の機械的強度が低く、プラズマ耐性も低いと言う特性を有している。このため、この種の絶縁膜がCu/Low−k配線加工時におけるプラズマエッチング処理、プラズマアッシング処理またはプラズマ成膜処理などのプラズマ処理を受けた際に、Si系材料では、主に絶縁膜を構成するシロキサン結合のSi−O骨格に結合している有機基が切断される。このような膜構造の変質に伴い、例えば絶縁膜誘電率上昇といった電気的特性が劣化する現象が顕著に起こることが知られている。
半導体装置の電気的特性の劣化が起こるさらに詳しいメカニズムとして、上記のプラズマ処理によって有機基が切断され、誘電率の高いSiO骨格を主骨格とする変質層が生成すること、さらにはダメージを受けたSiの活性サイトに雰囲気中の微量な水分が結合することで生成したシラノール基によって、膜が疎水性から親水性へ変化する結果、さらなる水分の吸着が起こり、絶縁膜の誘電率の上昇やCu拡散に伴う電気的特性の劣化を引き起こすと考えられている。
このようなダメージを受けた絶縁膜をできるだけプラズマ処理前の状態に回復させる方法として、非特許文献1には、プラズマ処理によるダメージを受けた多孔質シロキサン系絶縁膜を1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)からなる回復剤の雰囲気中で400℃の加熱処理することが開示されている。
また、他の回復方法として、ダメージを受けた絶縁膜に液状の回復剤を塗布し、約350℃に加熱処理するTA処理方法が米国Honeywell社から提案されている。
しかしながら、第1の回復方法では、回復処理の際に回復剤が銅配線層上に残留する可能性があり、結果としてめっきにより銅を埋め込む際にコンタクト部の接触抵抗が増加し、電気的特性が低下する恐れがある。
第2の方法では、回復剤を塗布する工程が増えてデバイスの製造装置及び工程数が増加することになり、量産性に問題点がある。
また、第1および第2の回復方法とも、反応性が高い回復剤を用いるため、回復効果は膜表面での反応速度が速く膜表面での回復反応に限定され、リーク電流に代表される電気特性の改善が低いことが課題である。
「シリコンテクノロジー」 2005年、第71巻、第39〜42頁
よって、本発明における課題は、層間絶縁膜のダメージ回復処理の際に、銅配線層などの配線材料上に回復剤が残留することがなく、かつドライプロセスによる処理が可能な、量産性に優れる絶縁膜のダメージ回復方法を提供することにある。
同時に、ダメージ膜内部を回復することにより、リーク電流等のデバイスの信頼性に関する電気特性を改善するための絶縁膜のダメージ回復方法を提供することにある。
さらに、ダメージが回復された絶縁膜の構造について提供する。
かかる課題を解決するため、
請求項1に係る発明は、プラズマ処理によりダメージを受けた絶縁膜を、炭酸エステル系の化合物である回復剤と接触させてダメージ回復処理を行うことを特徴とする絶縁膜のダメージ回復方法である。
請求項2に係る発明は、前記ダメージ回復処理が、前記絶縁膜中のSi原子に、メチル基及びメトキシ基の両方を結合させることを特徴とする請求項1に記載の絶縁膜のダメージ回復方法である。
請求項3に係る発明は、前記ダメージ回復処理と同時に、又は、前記ダメージ回復処理の前後に、前記絶縁膜を、シリル化剤である疎水化剤と接触させて疎水化処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁膜のダメージ回復方法である。
請求項4に係る発明は、前記ダメージ回復処理が、500℃以下の処理温度で行なうことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の絶縁膜のダメージ回復方法である。
請求項5に係る発明は、前記ダメージ回復処理の処理温度よりも低い温度で前記疎水化処理を行なうことを特徴とする請求項3又は4に記載の絶縁膜のダメージ回復方法である。
請求項6に係る発明は、前記疎水化処理を行った後に昇温し、前記ダメージ回復処理を連続して行なうことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の絶縁膜のダメージ回復方法である。
請求項7に係る発明は、プラズマ処理によりダメージが生じた絶縁膜であって、SiO構造のSi原子に、メチル基とメトキシ基との両方が結合された構造を有することを特徴とするダメージが回復された絶縁膜である。
請求項8に係る発明は、プラズマ処理に曝された前記絶縁膜の表面から1nm以上の深さまで、前記構造を有するダメージ回復層が設けられていることを特徴とする請求項7に記載のダメージが回復された絶縁膜である。
請求項9に係る発明は、前記ダメージ回復層の下方に、SiO構造から構成されるダメージ未回復層が残存することを特徴とする請求項8に記載のダメージが回復された絶縁膜である。
本発明の絶縁膜のダメージ回復方法によれば、ダメージを受けた絶縁膜に炭酸エステルを反応させて回復処理することにより、プラズマ処理を受けて誘電率の高いSiO骨格となった変質層をメチル基およびメトシキ基が再びSiと結合した回復膜(ダメージが回復された絶縁膜)とすることができる。また、この回復膜にシリル化剤を反応させて膜表面を疎水化処理することにより、膜内部への大気水分の拡散を防止することができるため、回復効果をさらに向上させることができる。さらに、これらの回復処理及び疎水化処理はドライプロセスで行うことが可能であり量産性にも優れるものである。
本発明のダメージが回復された絶縁膜は、プラズマ処理によりダメージが生じた絶縁膜中のSiO構造のSi原子に、メチル基とメトキシ基との両方が結合された構造を有するため、リーク電流等のデバイスの信頼性に関する電気特性が改善された絶縁膜とすることができる。
実施例1におけるダメージ回復処理後に増加したTOF−SIMSマススペクトルである。 実施例1におけるダメージ回復処理後に減少したTOF−SIMSマススペクトルである。 実施例1における絶縁膜のダメージ回復の反応メカニズムを示す模式図である。 実施例1における結果を示す図である。 実施例1における結果を示す図である。 実施例3における結果を示す図である。 実施例3における結果を示す図である。
本発明におけるダメージ回復処理の対象となる絶縁膜は、半導体装置の製造に関わる一連のプロセスによって、膜の誘電率を構成する成分(電子分極、イオン分極および配向分極)のうちのいずれかが増加するような膜である。特に、プラズマCVD成膜、プラズマエッチング処理、プラズマアッシング処理などのプラズマ処理を受けた膜が対象となる。これらの絶縁膜は、半導体装置の多層配線構造を構築するための各種プラズマ処理によって、特にSi系材料からなる絶縁膜中のメチル基等の有機結合が切断・分離されてSiO骨格の変質層が形成し、膜中の分極成分が増加し、誘電率が上昇したものである。
また、処理対象絶縁膜は出発材料がシリコン(Si)系材料もしくは炭化水素系材料であればいかなるものでもよい。さらにCVD法とか塗布法といった形成方法にとらわれることはなく、膜が多孔質であってもなくてもよい。
また、上述のように、シリコン(Si)系材料からなる絶縁膜を構成するSiに結合しているメチル基などの有機基が切断されて脱離し、膜表面付近にシロキサン結合からなるSiO変質層が形成され、かつSiダングリングボンド等の活性サイトが形成されたもので、さらに雰囲気中の水分と結合してシラノール基が生成されることにより、疎水性から親水性に変性したものである。
このような絶縁膜のなかで回復処理の効果が最も顕著に得られるのは、多孔質のSiOCHなどのSi系材料からなる低誘電率絶縁膜であって、Si−O結合からなる変質層が形成された膜またはSiダングリングボンドが形成された状態のままで、雰囲気中の水分との結合によるシラノール基が生成しない前の状態の膜である。なお、図3(a)は、後述する具体例での絶縁膜の膜構造を示すものである。
この絶縁膜は、Siなどからなる基板上に半導体素子を構成するものとして成膜された厚さ10〜10000nmのものであって、ダメージ回復処理にあたっては、この基板が実際の処理対象物となる。
本発明の回復方法に用いられる回復剤は炭酸エステル化合物であり、さらに反応促進およびシラノール基の除去を目的としてシリル化剤を用いることもできる。
炭酸エステル化合物は、具体的には、以下の化学式(1)で示される化合物などである。
(CaHbO)(CcHdO)CO ・・・(1)
ここで、a=1〜6、b=3〜13、c=1〜6、d=3〜13のいずれも整数である。
上記化学式(1)で表される具体的な化合物名としては、例えば炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジフェニル、などである。
本発明のダメージ回復方法は、上記化学式(1)で表される化合物を、ダメージを受けた絶縁膜に接触させるものである。回復剤を接触させる方法は、気体もしくは液体のどちらでも良い。具体的には、回復処理対象となる絶縁膜が形成されたSi基板などの基板を、回復処理装置のチャンバー内に置き、このチャンバー内に上記化合物の蒸気を導入し、チャンバー内で絶縁膜にこの蒸気を接触させる方法が挙げられる。
上記化合物の蒸気圧が低い場合には、キャリアガスによるバブリングや気化器によりガス化したうえ、チャンバー内に供給する。この蒸気に供給量は、10〜1000sccm程度とされるが、この範囲に限定されることはなく、適宜変更できる。
チャンバー内の反応温度は、500℃以下、好ましくは20〜300℃とされ、500℃を越えると膜中のメチル基の脱離が促進される。また、チャンバー内の圧力は、100kPa以下、好ましくは1Pa〜8000Paとされ、1Pa〜8000Paを越えると量産時に回復プロセスの処理時間が問題となる。さらに処理時間は枚葉処理の場合には、0.1〜10分とされ、10分を超えると回復処理装置のスループットが問題となる。一方、バッチ処理の場合は一括処理枚数が多いためこの限りではない。
また、回復処理を促進させる接触方法は、加熱によるもの以外に、紫外線、赤外線または電子線の照射によるもの、高周波により発生させたプラズマによるものを使用することができる。回復反応は回復剤の分圧に依存するため、回復剤をHe,Ar、N等により希釈することが可能である。特に回復処理において誘電率の高いシロキサン結合の生成を抑えることで回復効果を向上することができる。
ここで、SiO化合物の生成反応は以下の式(2)で示される。
2SiOH → Si−O−Si + HO ・・・(2)
加熱によるもの以外の接触方法では、180℃または低圧環境で多くのシラノールの縮合反応が進行し、シロキサン結合を生成する。
そのため、回復反応は、回復温度を120℃以下、または回復圧力を50Torr以上の条件が好適である。
上記条件で回復反応を行なったダメージ膜は、シラノール基の縮合により生じるシロキサン結合が抑制され、Si−O結合の切断部がメチル基およびメトキシ基が結合したダメージが回復された絶縁膜(以下、「回復膜」と記す)となる。なお、図3(b)は、後述する具体例での回復膜の膜構造を示すものである。
ところで、ダメージが生じている絶縁膜は、上述したように、プラズマに曝された絶縁膜表面の有機基がなくなり、その表面から数十nmまでがSiOに変化している。そこで、本実施形態の回復膜は、プラズマ処理に曝されてダメージを受けた絶縁膜の表面から、少なくとも1nmの深さまで、好ましくは10nmの深さまで、回復膜構造を有するダメージ回復層が設けられていることが好ましい。さらに、ダメージを受けた絶縁膜の全てが回復膜となっていることがより好ましい。ダメージ回復層の深さ(厚さ)が、1nm未満であると、水分バリア性が低下するために好ましくない。
また、本実施形態の回復膜は、上記ダメージ回復層の下方に、SiO構造から構成されるダメージ未回復層が残存していてもよい。なお、本実施形態の回復方法によってダメージが回復された絶縁膜(回復膜)は、TOF−SIMSデプスプロファイル測定で明確に見分けることが可能である。
さらに、ダメージ回復処理と同時に、または、エーテル化合物の処理を行う前後にシリル化剤を用いた疎水化処理を行うことで、さらなるダメージ回復の向上が可能となる。
疎水化処理は、回復処理と同様の500℃以下、好ましくは20〜300℃の処理で使用される。シラノール基の縮合によりSi−O結合の生成を抑制するため180℃以下の温度で加熱処理することが好ましい。
シリル化剤の使用量は、回復剤や絶縁膜の組成に応じて適宜決められる。
シリル化剤は、ダメージ膜表面付近に存在する親水性のシラノールを除去し、膜表面を疎水性にする。そのため、大気中水分のバリア性が向上し、膜内部への誘電率上昇の原因となる水分の吸着を抑制し回復膜を安定な状態に維持することが可能となる。
このようなシリル化剤としては、トリメチルシリルイミダゾール(TMSI)、2,2,2−トリフルオロ−1−トリメチルシロキシ−N−トリメチルシリルエタンイミン(BSTFA)、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(BSA)、N−メチル−N−トリメチルシリルトリフルオロアセトアミド(MSTFA)、トリメチルシリルジメチルアミン(TMSDMA)、トリメチルシリルジエチルアミン(TMSDEA)、N−メチル−N−トリメチルシリルアセトアミド(MTMSA)、トリメチルクロロシラン(TMCS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等が好適である。
さらに、ダメージ回復処理に障害となる反応を抑制するために、回復温度以下で回復剤を膜内部に十分に拡散させたのち、回復処理温度に加熱することも、シロキサン結合を抑制する効果となる。
回復剤の供給からダメージ回復処理に至るまでの回復処理温度を2段以上のステップからなる昇温プログラムで処理を行うことより、効率的なダメージ回復処理の実行が可能である。
また、絶縁膜がプラズマ処理によりダメージを受けたのち、大気に触れることなく、引き続いてダメージ回復処理を行うことが望ましい。具体的には、プラズマ処理装置内でそのままダメージ回復処理を行う方法やプラズマ処理装置と回復処理装置とを気密に連結した装置を使用し、プラズマ処理後の基板を回復処理装置内に移送したのち、ダメージ回復処理を行う方法が採用できる。
この方法では、大気等の雰囲気に曝されることがない状態で回復処理が行われるので、Si系材料からなる絶縁膜の例では雰囲気中の水分との反応によって絶縁膜中にシラノール基が生成する前のSiダングリングボンド等の活性サイトにメチル基とメトキシ基の両方の有機基を導入でき、効率よく回復処理を行うことができる。
なお、この発明によるダメージ回復の度合いは、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)を用いた質量分析およびフーリエ変換型赤外分光光度計を用いた赤外分光分析による膜構造および不純物によって評価できる。
また、Hgプローブを用いたリーク電流および絶縁耐圧によっても評価することができる。
以下、具体例を示す。
(ダメージを与えた絶縁膜1の作成)
低誘電率膜として、CVD法によりSiウェーハー上にSiOCH系Low−k膜を厚さ150nmに成膜した膜を用いた。この膜の2MV/cmにおけるリーク電流を測定したところ8.60×10−10(A/cm)となり、耐圧は6.2MV/cmとなった。
この低誘電率膜にCF系ガスを用いてプラズマエッチング処理を施し、プラズマダメージを与えた絶縁膜1を製作した。
(絶縁膜2の作成)
プラズマCVD法によりTEOS酸化膜を50nm成膜して絶縁膜2を製作した。
(実施例1)
絶縁膜1に対して、炭酸ジメチル化合物を90秒間、基板温度120℃、100Torrの条件で接触させた。
接触の前後の絶縁膜をTOF−SIMSで測定(図1及び図2を参照)したところ、メチル化およびメトキシ化した膜構造であることを確認した(図3を参照)。
さらに、図4に示すFTIRスペクトルの結果から、メチル基およびメトキシ基の増加した膜であることを確認した。
したがって、回復膜は、Si原子にメチル基とメトキシ基を有する膜構造となった。
また、図6に示すTOF−SIMSスペクトルから回復膜のN化合物であるNH 、CN、NO が除去された膜となった。
さらに、回復膜のI−V特性を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2011166084
上記表1に示すように、この膜構造の2MV/cmにおけるリーク電流は8.90×10−10(A/cm)となり、ダメージ膜と比較すると約1桁リーク電流を低減することができ、耐圧は6.3MV/cmとダメージ膜よりも高い値となった。これらの電気特性から信頼性が大きく向上すると判断される。
(実施例2)
絶縁膜2に対して、炭酸ジメチル化合物を90秒間、基板温度120℃、100Torrの条件で接触させた。
接触の前後の絶縁膜をToF−SIMSで測定した結果を表2に示す。
Figure 2011166084
表2に示すように、接触後の絶縁膜は、メチル化およびメトキシ化した膜構造であることを確認した。
さらに、炭素化合物が低減されることを確認した。
絶縁膜はSiO膜であるため、Si−O結合が切断されて、メチル基およびメトキシ基を有する回復膜となった。だたし、表2に示すように、Si−O結合が切断されたまま、メチル化もしくはメトキシ化反応せずに残留する水酸基が存在し、回復処理後にシラノール基は増加した。
(実施例3)
絶縁膜1膜に対して、炭酸ジメチルおよびHMDSを90秒間、基板温度120℃、100Torrの条件で接触させた。
図6に示すように、DMCとHMDSを混合した混合液でダメージ回復処理を行うと、DMC単独よりも約2倍に回復率が向上した。
また、図7に示すように、膜表面の水酸基がHMDSにより除去され、接触角が向上した。
また、表1に示すように、リーク電流および耐圧の測定では、DMCとHMDS混合処理、DMCからHMDSへの連続処理およびHMDSからDMSへの連続処理のいずれもリーク電流が1×10−10(A/cm)台に低下し、耐圧もそれぞれ7.0、7.3および6.6(MV/cm)に向上した。
本発明は、LSIなどの半導体装置での多層配線構造で用いられる層間絶縁膜の処理方法に適用でき、特にエッチング処理・アッシング処理、その他のプラズマ処理によって膜にもたらされる電気的特性及び膜構造の劣化(ダメージ)をプラズマ処理前の状態に復帰させる絶縁膜のダメージ回復処理方法に適用できる。

Claims (9)

  1. プラズマ処理によりダメージを受けた絶縁膜を、炭酸エステル系の化合物である回復剤と接触させてダメージ回復処理を行うことを特徴とする絶縁膜のダメージ回復方法。
  2. 前記ダメージ回復処理が、前記絶縁膜中のSi原子に、メチル基及びメトキシ基の両方を結合させることを特徴とする請求項1に記載の絶縁膜のダメージ回復方法。
  3. 前記ダメージ回復処理と同時に、又は、前記ダメージ回復処理の前後に、
    前記絶縁膜を、シリル化剤である疎水化剤と接触させて疎水化処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁膜のダメージ回復方法。
  4. 前記ダメージ回復処理が、500℃以下の処理温度で行なうことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の絶縁膜のダメージ回復方法。
  5. 前記ダメージ回復処理の処理温度よりも低い温度で前記疎水化処理を行なうことを特徴とする請求項3又は4に記載の絶縁膜のダメージ回復方法。
  6. 前記疎水化処理を行った後に昇温し、前記ダメージ回復処理を連続して行なうことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の絶縁膜のダメージ回復方法。
  7. プラズマ処理によりダメージが生じた絶縁膜であって、
    SiO構造のSi原子に、メチル基とメトキシ基との両方が結合された構造を有することを特徴とするダメージが回復された絶縁膜。
  8. プラズマ処理に曝された前記絶縁膜の表面から1nm以上の深さまで、前記構造を有するダメージ回復層が設けられていることを特徴とする請求項7に記載のダメージが回復された絶縁膜。
  9. 前記ダメージ回復層の下方に、SiO構造から構成されるダメージ未回復層が残存することを特徴とする請求項8に記載のダメージが回復された絶縁膜。
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