JP2011165757A - 光電変換装置およびその製造方法 - Google Patents

光電変換装置およびその製造方法 Download PDF

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藤田  淳
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睦 津田
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Abstract

【課題】光電変換層として結晶化率および結晶配向性が高い良質な微結晶シリコン薄膜を備えた光電変換効率に優れた光電変換装置をより効率良く作製すること。
【解決手段】微結晶シリコン光電変換層をPCVD装置を用いて形成する条件として、(1)プラズマ電極と微結晶シリコン光電変換層の形成基板との対向面間の距離dが5mm〜7mm(2)形成基板の温度が200℃(3)製膜室内に導入される反応ガスの主成分としてシラン系ガスと水素ガスとを含み、且つ、製膜室内に導入される全ガスに対するシラン系ガスの濃度が1体積%(4)製膜室内の圧力pが1000Pa〜1500Pa(5)プラズマ電極に印加する高周波電圧の周波数が60MHzであり、且つ電力密度が0.28W/cm(6)製膜室内の圧力pと、プラズマ電極と形成基板との対向面間の距離dと、の積pdが7000Pa・mm≦pd<8000Pa・mmの条件を満たす。
【選択図】図2

Description

本発明は、光電変換装置およびその製造方法に関し、特に光電変換層に微結晶シリコンを用いた光電変換装置およびその製造方法に関するものである。
微結晶シリコン薄膜を光電変換装置の光電変換層として用いる場合には、その光吸収係数を考慮すると、充分に太陽光を吸収するためには2μm程度の膜厚が求められる。これは、アモルファスシリコン薄膜を光電変換層として用いる場合と比べて10倍以上厚い膜厚であり、製膜時間が長くなるため、製膜の高速化が望まれている。
微結晶シリコン薄膜は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって形成される。しかし、この手法ではプラズマ電極に供給する電力を上げることにより製膜速度を上げると膜質が低下するという問題がある。膜質の低下は光電変換効率の低下につながる。このため、他の製膜パラメータを変えることによって高品質な微結晶シリコン薄膜を高速に製膜する技術の開発が精力的に行われている。
従来の光電変換装置の製造方法では、微結晶シリコン光電変換層をプラズマCVD法によって製膜する条件として、下地温度を550℃以下とし、プラズマ反応室内に導入されるガスの主要成分としてシラン系ガスと水素ガスを含み、シラン系ガスに対する水素ガスの流量が50倍以上、プラズマ反応室内の圧力が3Torr以上としていた。これにより、微結晶シリコン薄膜の膜質の指標となる体積結晶化分率が80%以上、かつ、X線回折における(220)回折ピークに対する(111)回折ピークの強度比が0.2以下である微結晶シリコン薄膜を厚さ方向の製膜速度16nm/分以上で製膜していた(たとえば、特許文献1参照)。
なお、「体積結晶化分率80%以上」は、「ラマン分光におけるアモルファスシリコンピークに対する結晶シリコンピークの強度比(以下、結晶化率と称する)が4以上」に対応し、「X線回折における(220)回折ピークに対する(111)回折ピークの強度比が0.2以下」は、「X線回折における(111)回折ピークに対する(220)回折ピークの強度比(以下、結晶配向性と称する)が5以上」に対応する。また、「製膜速度16nm/分以上」は、「製膜速度約0.27nm/s以上」に対応する。
このような光電変換装置の製造方法にあっては、上述のようにプラズマ電極に供給する電力を上げることにより製膜速度を上げると膜質、すなわち結晶化率および結晶配向性が低下するというプラズマCVD法の特徴から、膜質を低下させずにさらに製膜速度を上げるためには、プラズマに供給する電力以外の製膜パラメータを変えなければならないという問題がある。
特開平11−145494号公報
しかしながら、上記の方法においては、下地温度、シラン系ガスに対する水素ガスの流量、プラズマ反応室内の圧力など数多くの製膜パラメータが存在し、これらは独立ではなく相互に関係している。したがって、1つの製膜パラメータを変えると他の製膜パラメータの最適値も変わる。また、高い結晶化率と高い結晶配向性を両立できる製膜パラメータの範囲が非常に狭い、という問題もある。このため、より高い結晶化率と結晶配向性を備える良質な微結晶シリコン薄膜を、より高速に製膜して光電変換効率に優れた光電変換装置を作製することは非常に困難なことであった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光電変換層として結晶化率および結晶配向性が高い良質な微結晶シリコン薄膜を備えた光電変換効率に優れた光電変換装置およびこの光電変換装置をより効率良く作製可能な光電変換装置の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる光電変換装置の製造方法は、異なる導電型を有する2つの半導体層間にシリコン系半導体薄膜からなる微結晶シリコン光電変換層が配置された光電変換ユニットを備えた光電変換装置の製造方法であって、前記微結晶シリコン光電変換層をプラズマCVD装置を用いて形成する条件として、(1)前記プラズマCVD装置のプラズマ電極と前記微結晶シリコン光電変換層の形成基板との対向面間の距離dが5mm〜7mm(2)前記形成基板の温度が200℃(3)前記プラズマCVD装置の製膜室内に導入される反応ガスの主成分としてシラン系ガスと水素ガスとを含み、且つ、前記製膜室内に導入される全ガスに対する前記シラン系ガスの濃度が1体積%(4)前記製膜室内の圧力pが1000Pa〜1500Pa(5)前記プラズマ電極に印加する高周波電圧の周波数が60MHzであり、且つ電力密度が0.28W/cm(6)前記製膜室内の圧力pと、前記プラズマ電極と前記形成基板との対向面間の距離dと、の積pdが7000Pa・mm≦pd<8000Pa・mmの条件を満たすこと、を特徴とする。
本発明によれば、結晶化率および結晶配向性が高い微結晶シリコン薄膜を、より高速に製膜することができる。これにより、高品質な微結晶シリコン光電変換装置をスループット良く製造できるため、コストを低減することができ、光電変換効率に優れた光電変換装置を効率良く安価に提供することができる、という効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる光電変換装置である微結晶シリコン光電変換装置の構成を模式的に示す斜視図である。 図2は、実施の形態1にかかる微結晶シリコン光電変換装置の製造工程の一例を説明するためのフローチャートである。 図3は、本発明の実施の形態1にかかる光電変換層の製膜を行う製膜装置の構成を模式的に示す断面図である。 図4は、本発明の実施の形態1にかかる微結晶シリコン光電変換装置の製造方法により作製した光電変換層であるi型微結晶シリコン薄膜を評価するための評価サンプルの構成を模式的に示す斜視図である。 図5は、プラズマ電極と基板との間の距離dを5mmとし、製膜室内の圧力pを変化させて製膜したi型微結晶シリコン薄膜の特性を示す特性図である。 図6は、プラズマ電極と基板との間の距離dを6mmとし、製膜室内の圧力pを変化させて製膜したi型微結晶シリコン薄膜の特性を示す特性図である。 図7は、プラズマ電極と基板との間の距離dを7mmとし、製膜室内の圧力pを変化させて製膜したi型微結晶シリコン薄膜の特性を示す特性図である。 図8は、本発明の実施の形態1におけるi型微結晶シリコン薄膜の膜質を評価した結果をまとめた表である。 図9は、積pdを変化させて製膜したi型微結晶シリコン薄膜の特性を示す特性図である。 図10は、本発明の実施の形態1にかかるi型微結晶シリコン薄膜を光電変換層に適用した微結晶シリコン光電変換装置の分光感度特性を示す特性図である。 図11は、本発明の実施の形態2にかかる光電変換装置であるタンデム型微結晶シリコン光電変換装置の構成を模式的に示す斜視図である。
以下に、本発明にかかる光電変換装置およびその製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる光電変換装置である微結晶シリコン光電変換装置1の構成を模式的に示す斜視図である。図1に示すように、本実施の形態にかかる微結晶シリコン光電変換装置1は、透光性絶縁基板2、透光性絶縁基板2上に形成され第1電極層となる透明電極層3、透明電極層3上に形成されたシリコン系薄膜からなる光電変換ユニット4、光電変換ユニット4上に形成された裏面透明導電膜5、裏面透明導電膜5上に形成された第2電極層となる裏面電極層6、が順次積層された構造を有する。この微結晶シリコン光電変換装置1においては、透光性絶縁基板2側が太陽光50の入射する光入射側である。
透光性絶縁基板2としては、ガラス、ポリイミドまたはポリビニルなどの耐熱性を有する有機フィルム(透光性樹脂)、またはこれらが積層されたものなどを適宜用いることができるが、光透過性が高く、太陽電池全体を構造的に支持し得るものであれば特に限定されない。また、これらの表面に、透過性の高い金属膜、透明導電膜、絶縁膜を製膜したものであっても良い。
透明電極層3は、透光性導電材料からなり、酸化錫(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、ITO等の透明導電性酸化物膜を用いることができる。なお、透明電極層3の膜中に微量の不純物が添加されていてもよい。また、透明電極層3は、これらの材料の積層膜であってもよい。透明電極層3は、スパッタリング法、常圧CVD(Chemical Vapor Deposition)法、減圧CVD法、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、電子ビーム蒸着法、ゾルゲル法、電析法、スプレー法等の公知の方法によって作製できる。
また、透明電極層3における光電変換ユニット4側の表面(透明電極層3と光電変換ユニット4との界面)には、透光性絶縁基板2から入射した光を効率良く後段の光電変換ユニット4に伝えるため、光散乱用のテクスチャ構造(図示せず)が形成されていることが好ましい。このテクスチャ構造により光の散乱・屈折が生じ、光電変換ユニット4内での光閉じ込め効果が得られ、短絡電流密度の向上を図ることができる。このテクスチャ構造の形成方法については特に限定されないが、透光性絶縁基板2または透明電極層3の表面にドライエッチング、またはウェットエッチングなどを施すことにより形成することができる。
光電変換ユニット4は、シリコン系薄膜からなる半導体光電変換層であり、たとえば受光面側(透光性絶縁基板2側)から順番に第1導電型であるp型半導体層10、光電変換層11、第2導電型であるn型半導体層12の各半導体層を有するpin接合構造またはp型半導体層とn型半導体層とのPN接合により構成される。ここで、シリコン系薄膜とは、シリコンを主成分とする薄膜である。
p型半導体層10、n型半導体層12としては、例えば、ボロン(B)が1×1018〜1×1020cm−3程度ドープされた膜厚5nm〜20nm程度のp型微結晶シリコン層、リン(P)が1×1018〜1×1020cm−3程度ドープされた膜厚10nm〜50nm程度のn型微結晶シリコン層などが用いられる。しかし、これらの半導体層は微結晶シリコンに限定されることはなく、多結晶シリコンやアモルファスシリコンでもよい。また、これらの半導体層はシリコンに限定されることはなく、シリコンカーバイドやシリコンゲルマニウム等を用いてもよい。
光電変換層11としては、ノンドープのi型(真性)微結晶シリコン薄膜が用いられる。しかし、光電変換層11はこれに限定されることはなく、充分な光電変換効率を備えていれば、弱いp型または弱いn型の微結晶シリコン薄膜でもよい。充分な光電変換効率を得るために、光電変換層11の膜厚は2μm程度以上とすることが好ましい。光電変換ユニット4の各層は、プラズマCVD法により形成される。
なお、本実施の形態では、光電変換層として、1つの光電変換ユニット4を備える例を示しているが、本発明において光電変換層の積層数は1つに限定されず、2つ以上の複数層を積層した構成とすることができる。この場合は、光電変換ユニットは受光面側から順番に第1光電変換ユニット、第2光電変換ユニット、第3光電変換ユニット・・・の順に、複数の光電変換ユニットが積層される。
裏面透明導電膜5は、透光性導電材料からなり、酸化錫(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、ITO等の透明導電性酸化物膜を用いることができる。なお、裏面透明導電膜5の膜中に微量の不純物が添加されていてもよい。また、裏面透明導電膜5は、これらの材料の積層膜であってもよい。裏面透明導電膜5は、スパッタリング法、常圧CVD(Chemical Vapor Deposition)法、減圧CVD法、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、電子ビーム蒸着法、ゾルゲル法、電析法、スプレー法等の公知の方法によって作製できる。
裏面電極層6は、裏面電極として機能するとともに、光電変換層で吸収されなかった光を反射して再度光電変換層に戻す反射層として機能するため、光電変換効率の向上に寄与する。したがって、裏面電極層6は、光反射率が大きく導電率が高い程好ましい。裏面電極層6は、たとえばチタン(Ti)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、プラチナ(Pt)などの金属材料、またはこれらの金属材料の合金、これらの金属材料の窒化物、これらの金属材料の酸化物などにより形成することができる。なお、これらの裏面電極層6の具体的材料は特に限定されるものではなく、周知の材料から適宜に選択して用いることができる。裏面電極層6は、蒸着法やスパッタリング法などの公知の方法によって作製できる。
上述した実施の形態1にかかる微結晶シリコン光電変換装置1においては、光電変換層11として高い結晶化率と高い結晶配向性とが両立されたi型微結晶シリコン薄膜が形成されている。具体的には、「ラマン分光におけるアモルファスシリコンピークに対する結晶シリコンピークの強度比(結晶化率)が15以上18以下、且つ、X線回折における(111)回折ピークに対する(220)回折ピークの強度比(結晶配向性)が5以上7以下である微結晶シリコン薄膜を光電変換層11に備える。これにより、実施の形態1にかかる微結晶シリコン光電変換装置1においては、従来よりも分光感度特性が向上した、光電変換効率に優れた微結晶シリコン光電変換装置が実現されている。
つぎに、上記のように構成された本実施の形態にかかる微結晶シリコン光電変換装置1の製造方法について説明する。図2は、実施の形態1にかかる微結晶シリコン光電変換装置1の製造工程の一例を説明するためのフローチャートである。
まず、透光性絶縁基板2を用意する。ここでは、透光性絶縁基板2として無アルカリガラス基板を用いて以下説明する。また、透光性絶縁基板2として安価な青板ガラス基板を用いてもよいが、この場合は、透光性絶縁基板2からのアルカリ成分の拡散を防止するためにプラズマCVD法などによりSiO膜を形成するのがよい。
つぎに、たとえば酸化スズ(SnO)膜をスパッタリング法により透光性絶縁基板2上に製膜し、表面に凹凸を有する透明電極層3を形成する(ステップS10)。透明電極層3を形成する方法として真空蒸着法,イオンプレーティング法などの物理的方法や、スプレー法,ディップ法,CVD法などの化学的方法を用いてもよい。また、結晶粒の大きさの制御や膜の移動度を向上させるために熱処理を行ってもよい。
つぎに、透明電極層3上に光電変換ユニット4をプラズマCVD法により形成する。光電変換層の形成は、まずp型半導体層10として例えばボロン(B)が1×1018〜1×1020cm−3程度ドープされた膜厚5nm〜20nm程度のp型微結晶シリコン層を透明電極層3上にプラズマCVD法により形成する(ステップS20)。つぎに、光電変換層11としてたとえば膜厚が2μm程度のノンドープのi型(真性)微結晶シリコン薄膜をp型半導体層10上にプラズマCVD法により形成する(ステップS30)。つぎに、n型半導体層12としてたとえばリン(P)が1×1018〜1×1020cm−3程度ドープされた膜厚10nm〜50nm程度のn型微結晶シリコン層を光電変換層11上にプラズマCVD法により形成する(ステップS40)。
ここで、光電変換層11としての膜厚が2μm程度のノンドープのi型(真性)微結晶シリコン薄膜の製膜手順について図3を参照して説明する。図3は、実施の形態1にかかる光電変換層11の製膜を行う製膜装置20の構成を模式的に示す断面図である。まず、一面上に透明電極層3およびp型半導体層10が形成された透光性絶縁基板2としてのガラス基板を絶縁筐体28に囲われた製膜室21内に搬入し、p型半導体層10の形成面を上にして基板ステージ22上に配置する。基板2の配置後、製膜室21内は真空ポンプ23によって真空排気され、所定の真空度で保たれる。また、透光性絶縁基板2は基板ステージ22に設置されたヒータ24によって所定の温度に保たれる。このとき、製膜室21の上部に配置されたプラズマ電極25と透光性絶縁基板2との間の距離dは所定の距離に設定される。ここで、距離dは、プラズマ電極25と透光性絶縁基板2との対向する面間の距離である。なお、基板ステージ22は電気的に接地されている。
次に、プラズマ電極25に設けられた空隙部を通して製膜室21内に反応ガスとしてプロセスガス供給部26からシラン(SiH)ガスと水素(H)ガスとの混合ガスを供給する。このとき、製膜室21内は所定の圧力pで保たれる。続いて、プラズマ電極25に高周波電源27から高周波電圧が印加されて所定の電力が供給されると、製膜室21内にSiH/H混合プラズマが生じ、透光性絶縁基板2のp型半導体層10上に光電変換層11としてi型微結晶シリコン薄膜が形成される。そして、所定時間経過後、プラズマ電極25への電力供給と製膜室21内へのガス供給とを停止して製膜を終了し、透光性絶縁基板2を製膜室21外に搬出する。以上により、透光性絶縁基板2のp型半導体層10上に光電変換層11としてi型微結晶シリコン薄膜を形成することができる。
また、このプラズマCVDによるi型微結晶シリコン薄膜の製膜は、複数の製膜パラメータ間の相互関係を考慮してそれぞれの製膜パラメータが適正な値とされた以下の特定条件(1)〜(6)を満たす条件で行う。
(1)プラズマ電極25と透光性絶縁基板2との対向面間の距離dが5mm〜7mm。
(2)透光性絶縁基板2の温度が200℃。
(3)製膜室21内に導入される反応ガスの主成分としてシラン系ガスと水素ガスとを含み、且つ、製膜室21内に導入される全ガスに対するシラン系ガスの濃度が1体積%。
(4)製膜室21内の圧力pが1000Pa〜1500Pa。
(5)プラズマ電極25に印加する高周波電圧の周波数が60MHzであり且つ電力密度が0.28W/cm
(6)製膜室21内の圧力pと、プラズマ電極25と基板との対向面間の距離dと、の積pdが7000Pa・mm≦pd<8000Pa・mm。
つぎに、光電変換ユニット4上に裏面透明導電膜5を公知の方法で形成する(ステップS50)。たとえば、光電変換ユニット4上に酸化亜鉛(ZnO)膜からなる裏面透明導電膜5をスパッタリング法により形成する。また、製膜方法として、CVD法などの他の製膜方法を用いてもよい。
続いて、裏面透明導電膜5上に裏面電極層6を公知の方法で形成する(ステップS60)。たとえば、裏面透明導電膜5上に高反射率を有する銀(Ag)膜からなる裏面電極層6をスパッタリング法により形成する。以上の処理により、図1に示す本実施の形態にかかる微結晶シリコン光電変換装置1が得られる。
上述した実施の形態1にかかる微結晶シリコン光電変換装置1の製造方法においては、上記のような特定条件(1)〜(6)を満たす条件下でプラズマCVDを実施することにより、高い結晶化率と高い結晶配向性とが両立されたi型微結晶シリコン薄膜を、0.27nm/s以上の製膜速度で製膜することができる。すなわち、製膜速度:0.5nm/s以上で結晶配向性:5以上、結晶化率:15以上の良質なi型微結晶シリコン薄膜を製膜することができる。これにより、従来はプラズマ電極に供給する電力を増加させることによってしか実現できていなかった早い製膜速度で微結晶シリコン薄膜を製膜することができる。また、プラズマ電極に供給する電力を増加させた場合には微結晶シリコン薄膜の膜質が低下していたが、本実施の形態の場合には、微結晶シリコン薄膜の膜質を低下させることなく、高い結晶化率と高い結晶配向性とが両立された微結晶シリコン薄膜の製膜が可能である。
つぎに、実施の形態1にかかる微結晶シリコン光電変換装置1の製造方法により光電変換層11を形成して評価した結果について説明する。光電変換層11の評価は評価サンプル15を用いて行った。まず、評価サンプル15の構成について説明する。図4は、実施の形態1にかかる微結晶シリコン光電変換装置1の製造方法により作製した光電変換層11であるi型微結晶シリコン薄膜16を評価するための評価サンプル15の構成を模式的に示す斜視図である。
評価サンプル15は、透光性絶縁基板2上に透明電極層3、光電変換層11であるi型微結晶シリコン薄膜16が順次積層されている。透光性絶縁基板2としてはガラス基板を使用した。透明電極層3は、i型微結晶シリコン薄膜16側の表面にテクスチャ構造を有して透光性絶縁基板2上に形成された厚さ800nmのSnO膜17と、SnO膜17上に形成された厚さ50nmのAlドープZnO膜18とからなる。そして、この透明電極層3上に、プラズマCVD法によってi型微結晶シリコン薄膜16が厚さ2μm狙いで形成されている。
次に、評価サンプル15の形成手順について説明する。まず、一面上に透明電極層3が形成された基板2としてのガラス基板を製膜室21内に搬入し、透明電極層3の形成面を上にして基板ステージ22上にセットする。基板2のセット後、製膜室21内は真空ポンプ23によって真空排気され、所定の真空度で保たれる。また、基板2は基板ステージ22に設置されたヒータ24によって所定の温度に保たれる。このとき、製膜室21の上部に配置されたプラズマ電極25と基板2との間の距離dは所定の距離に設定される。
次に、製膜室21内にプラズマ電極25を通してプロセスガス供給部26からシラン(SiH)ガスと水素(H)ガスとの混合ガスを供給する。このとき、製膜室21内は所定の圧力pで保たれる。続いて、プラズマ電極25に高周波電源27から高周波電圧が印加されて所定の電力が供給されると、製膜室21内にSiH/H混合プラズマが生じ、基板2の透明電極層3上にi型微結晶シリコン薄膜16が形成される。そして、所定時間経過後、プラズマ電極25への電力供給とガス供給とを停止して製膜を終了し、基板2を製膜室21外に搬出する。以上により、基板2の透明電極層3上にi型微結晶シリコン薄膜16を形成することができる。
つぎに、形成されたi型微結晶シリコン薄膜16について結晶化率を評価した。すなわち、ラマン分光法でスペクトルの結晶ピーク(520cm−1)とアモルファスピーク(480cm−1)との比を評価した。また、形成されたi型微結晶シリコン薄膜16について結晶配向性を評価した。すなわち、X線回折法でSi(220)ピークとSi(111)ピークとの比を評価した。さらに、形成されたi型微結晶シリコン薄膜16について製膜速度を評価した。
以下において、具体的な製膜条件および該製膜条件で製膜されたi型微結晶シリコン薄膜16を評価した結果について説明する。ここでは、プラズマ電極25に印加する高周波電圧の周波数:60MHzおよび電力密度:0.28W/cm、基板温度:200℃、製膜室21内に供給する反応ガスの主成分としてシラン系ガスと水素ガスとを含み且つ製膜室21内に導入される全ガスに対するシランガス濃度:1体積%は固定とし、他の条件を変えて製膜を行った場合について説明する。具体的には、プラズマ電極25と基板2との対向面間の距離dを、5mm、6mm、7mmに変化させて製膜を行った。
図5は、プラズマ電極25と基板2との間の距離dを5mmとし、製膜室21内の圧力pを変化させて製膜したi型微結晶シリコン薄膜16の特性を示す特性図であり、図5(a)は結晶配向性を示す特性図、図5(b)は結晶化率を示す特性図、図5(c)は製膜速度を示す特性図である。図5(a)〜図5(c)において、横軸は製膜室21内の圧力p(Pa)を示している。また、図5(a)において縦軸は結晶配向性を、図5(b)において縦軸は結晶化率を、図5(c)において縦軸は製膜速度を示している。
図5(a)より、結晶配向性については製膜室21内の圧力が1500Pa付近に、5を超える鋭いピークを持つことが分かる。図5(b)より、結晶化率については製膜室21内の圧力がいずれの場合も15を超えており、製膜室21内の圧力pへの依存性はあまり見られないことが分かる。また、図5(c)より、製膜速度については製膜室21内の圧力が1500Pa付近にピークを持ち、0.5nm/sを超えることが分かる。
図6は、プラズマ電極25と基板2との間の距離dを6mmとし、製膜室21内の圧力pを変化させて製膜したi型微結晶シリコン薄膜16の特性を示す特性図であり、図6(a)は結晶配向性を示す特性図、図6(b)は結晶化率を示す特性図、図6(c)は製膜速度を示す特性図である。図6(a)〜図6(c)において、横軸は製膜室21内の圧力p(Pa)を示している。また、図6(a)において縦軸は結晶配向性を、図6(b)において縦軸は結晶化率を、図6(c)において縦軸は製膜速度を示している。
図6(a)より、結晶配向性については製膜室21内の圧力が1200Pa付近に鋭いピークを持ち、5を超えることが分かる。図6(b)より、結晶化率については製膜室21内の圧力が1000Pa〜1200Paに15を超えるピークを持つことが分かる。また、図6(c)より、製膜速度については製膜室21内の圧力が1000Pa〜1500Paにおいて0.5nm/sを超えていることが分かる。
図7は、プラズマ電極25と基板2との間の距離dを7mmとし、製膜室21内の圧力pを変化させて製膜したi型微結晶シリコン薄膜16の特性を示す特性図であり、図7(a)は結晶配向性を示す特性図、図7(b)は結晶化率を示す特性図、図7(c)は製膜速度を示す特性図である。図7(a)〜図7(c)において、横軸は製膜室21内の圧力p(Pa)を示している。また、図7(a)において縦軸は結晶配向性を、図7(b)において縦軸は結晶化率を、図7(c)において縦軸は製膜速度を示している。
図7(a)より、結晶配向性については、製膜室21内の圧力が1000Pa付近に鋭いピークを持ち、5を超えていることが分かる。図7(b)より、結晶化率については、製膜室21内の圧力が800Pa〜1100Paにおいて15を超えていることが分かる。また、図7(c)より、製膜速度については、製膜室21内の圧力が900Pa〜1100Paにおいて0.5nm/sを超えていることが分かる。
上述の条件で製膜されたi型微結晶シリコン薄膜16の膜質を評価した結果のうち、結晶配向性5以上、結晶化率15以上、製膜速度0.5nm/s以上を全て満たす条件を図8に示す。図8は、実施の形態1におけるi型微結晶シリコン薄膜16の膜質を評価した結果をまとめた表である。図8に示されるように、プラズマ電極25と基板2との間の距離dが5mmの場合は製膜室21内の圧力pが1400Pa〜1500Pa、プラズマ電極25と基板2との間の距離dが6mmの場合は製膜室21内の圧力pが1200Pa、プラズマ電極25と基板2との間の距離dが7mmの場合は製膜室21内の圧力pが1000Pa〜1100Paの範囲で、結晶配向性5以上、結晶化率15以上、製膜速度0.5nm/s以上となっている。
ここで、製膜室21内の圧力pと、プラズマ電極25と基板2との間の距離dとの積pdに注目する。図9は、積pdを変化させて製膜したi型微結晶シリコン薄膜16の特性を示す特性図であり、図9(a)は結晶配向性を示す特性図、図9(b)は結晶化率を示す特性図、図9(c)は製膜速度を示す特性図である。図9(a)〜図9(c)において、横軸は製膜室21内の圧力pと、プラズマ電極25と基板2との間の距離dとの積pdを示している。また、図9(a)において縦軸は結晶配向性を、図9(b)において縦軸は結晶化率を、図9(c)において縦軸は製膜速度を示している。
図9(a)より、結晶配向性については、製膜室21内の圧力pと、プラズマ電極25と透光性絶縁基板2との対向面間の距離dとの積pdに対して依存性を示し、7000Pa・mm〜8000Pa・mmの範囲で5を超えるピークを持つことが分かる。図9(b)より、結晶化率については結晶配向性ほどの大きな依存性は示さないが、積pdが8000Pa・mm以下の範囲で概ね15を超えていることが分かる。また、図9(c)より、製膜速度については積pdに対して依存性を示し、6000Pa・mm〜8000Pa・mmの範囲で0.5nm/sを超えていることが分かる。
以上のように、図8および図9から、7000Pa・mm≦積pd<8000Pa・mmを満たす範囲では、結晶配向性:5以上、結晶化率:15以上、製膜速度:0.5nm/s以上を全て満たしていることが分かる。
つぎに、上述した条件で製膜されたi型微結晶シリコン薄膜16を光電変換層11に適用した微結晶シリコン光電変換装置1の特性について説明する。図10は、実施の形態1にかかるi型微結晶シリコン薄膜16を光電変換層11に適用した微結晶シリコン光電変換装置1の分光感度特性を示す特性図である。図10において横軸は微結晶シリコン光電変換装置に入射した光の波長、縦軸は量子効率を示している。図10において点線は、従来よく用いられていた製膜速度:0.5nm/s程度で結晶配向性:2程度、結晶化率:5〜10程度、のi型微結晶シリコン薄膜を光電変換層11に適用した微結晶シリコン光電変換装置(従来例)を示している。
また、図10において実線は、i型微結晶シリコン薄膜16を光電変換層11に適用した微結晶シリコン光電変換装置1(実施例)を示している。実施例にかかる微結晶シリコン光電変換装置1は、製膜速度:0.5nm/s以上で結晶配向性:5以上、結晶化率:15以上のi型微結晶シリコン薄膜16が光電変換層11として製膜されている。プラズマCVDにおけるi型微結晶シリコン薄膜16の詳細な製膜条件は、プラズマ電極25と透光性絶縁基板2との対向面間の距離d:5mm、透光性絶縁基板2の温度:200℃、製膜室21内に導入される反応ガスの主成分としてシラン系ガスと水素ガスとを含み、且つ、製膜室21内に導入される全ガスに対するシラン系ガスの濃度:1体積%、製膜室21内の圧力p:1500Pa、プラズマ電極25に印加する高周波電圧の周波数:60MHz且つ電力密度:0.28W/cm2、、製膜室21内の圧力pと、プラズマ電極25と基板との対向面間の距離dと、の積pd:7500Pa・mm、製膜速度:0.67nm/sである。
図10より、実施例の微結晶シリコン光電変換装置1では、従来例の微結晶シリコン光電変換装置よりも750nm以上の長波長側および550nm以下の短波長側の量子効率が向上しており、分光感度特性が向上していることが分かる。これにより、実施例の微結晶シリコン光電変換装置1では、従来例の微結晶シリコン光電変換装置よりも光電変換効率が向上していることがわかる。
上述したように、実施の形態1によれば、上記のような特定条件(1)〜(6)を満たす条件でプラズマCVDを実施することにより、製膜速度0.5nm/s以上の速い速度で結晶配向性5以上、結晶化率15以上の高い結晶化率と高い結晶配向性とが両立された良質なi型微結晶シリコン薄膜を製膜することができる。そして、このi型微結晶シリコン薄膜を微結晶シリコン光電変換装置1の光電変換層11に用いることにより、従来よりも分光感度特性が向上した、光電変換効率に優れた微結晶シリコン光電変換装置を効率良く作製することができる。
実施の形態2.
図11は、本発明の実施の形態2にかかる光電変換装置であるタンデム型微結晶シリコン光電変換装置35の構成を模式的に示す斜視図である。図11に示すように、本実施の形態にかかるタンデム型微結晶シリコン光電変換装置35は、透光性絶縁基板2、透明電極層3、透明電極層3上に形成されたアモルファスシリコン光電変換ユニット36、アモルファスシリコン光電変換ユニット36上に形成された光電変換ユニット4、光電変換ユニット4上に形成された裏面透明導電膜5、裏面電極層6が順次積層された構造を有する。
なお、図11において、図1と同じ符号を付けた部材は、実施の形態1にかかる微結晶シリコン光電変換装置1と同一または相当する構成を示しており、ここでは詳細な説明は省略する。すなわち、タンデム型微結晶シリコン光電変換装置35は、アモルファスシリコン光電変換ユニット36と光電変換ユニット4とを積層してタンデム型とした点で実施の形態1にかかる微結晶シリコン光電変換装置1と構成が相違している。また、このタンデム型微結晶シリコン光電変換装置35においては、透光性絶縁基板2側が太陽光50の入射する光入射側である。以下では、タンデム型微結晶シリコン光電変換装置35が微結晶シリコン光電変換装置1と異なる点について説明する。
アモルファスシリコン光電変換ユニット36は、p型アモルファスシリコン層37、i型アモルファスシリコン層38、n型アモルファスシリコン層39がプラズマCVD法により透明電極層3上に順次積層されて形成されている。アモルファスシリコンと微結晶シリコンとでは吸収できる光の中心波長が異なる。すなわち、アモルファスシリコンの吸収できる光の中心波長は短波長であり、微結晶シリコンが吸収できる光の中心波長は長波長である。このため、アモルファスシリコン光電変換ユニット36と光電変換ユニット4とを積層することにより、より広い波長域において多くの光を吸収し、光電変換効率を向上させることができる。また、上述した実施の形態1におけるi型微結晶シリコン薄膜16を用いた光電変換層11は、アモルファスシリコンが吸収できない長波長帯の分光感度特性が従来よりも向上しているため、タンデム型微結晶シリコン光電変換装置35に適していると言える。
したがって、実施の形態2によれば、実施の形態1において示した特定条件(1)〜(6)を満たす条件でプラズマCVDにより光電変換層11を形成することにより、タンデム型光電変換装置の光電変換効率を向上させることができ、従来よりも光電変換効率に優れたタンデム型光電変換装置を効率良く作製することができる。
なお、実施の形態2では、アモルファスシリコン光電変換ユニット36と光電変換ユニット4を積層した場合について説明したが、光電変換ユニットの積層形態はこれに限定されるものではなく、シリコン系半導体光電変換ユニットと光電変換層が微結晶シリコンからなる光電変換ユニットを積層してもよい。たとえば単結晶シリコンや多結晶シリコンで形成される光電変換ユニットと、光電変換層が微結晶シリコンからなる光電変換ユニットを積層してもよい。また、光電変換ユニットの構成材料もシリコンに限定されることはなく、シリコンカーバイドやシリコンゲルマニウムなどにより形成される光電変換ユニットと光電変換層が微結晶シリコンからなる光電変換ユニットを積層してもよい。さらに、光電変換ユニットの積層数は2層に限定されるものではなく、吸収する光の波長帯が互いに異なる光電変換ユニットを3層以上積層してもよい。
以上のように、本発明にかかる光電変換装置の製造方法は、光電変換層として結晶化率および結晶配向性が高い良質な微結晶シリコン薄膜を備えた光電変換効率に優れた光電変換装置を効率良く作製する場合に有用である。
1 微結晶シリコン光電変換装置
2 透光性絶縁基板
3 透明電極層
4 光電変換ユニット
5 裏面透明導電膜
6 裏面電極層
10 p型半導体層
11 光電変換層
12 n型半導体層
15 評価サンプル
16 i型微結晶シリコン薄膜
17 SnO膜膜
18 AlドープZnO膜
20 製膜装置
21 製膜室
22 基板ステージ
23 真空ポンプ
24 ヒータ
25 プラズマ電極
26 プロセスガス供給部
27 高周波電源
28 絶縁筐体
35 タンデム型微結晶シリコン光電変換装置
36 アモルファスシリコン光電変換ユニット
37 p型アモルファスシリコン層
38 i型アモルファスシリコン層
39 n型アモルファスシリコン層
50 太陽光

Claims (6)

  1. 異なる導電型を有する2つの半導体層間にシリコン系半導体薄膜からなる微結晶シリコン光電変換層が配置された光電変換ユニットを備えた光電変換装置の製造方法であって、
    前記微結晶シリコン光電変換層をプラズマCVD装置を用いて形成する条件として、
    (1)前記プラズマCVD装置のプラズマ電極と前記微結晶シリコン光電変換層の形成基板との対向面間の距離dが5mm〜7mm
    (2)前記形成基板の温度が200℃
    (3)前記プラズマCVD装置の製膜室内に導入される反応ガスの主成分としてシラン系ガスと水素ガスとを含み、且つ、前記製膜室内に導入される全ガスに対する前記シラン系ガスの濃度が1体積%
    (4)前記製膜室内の圧力pが1000Pa〜1500Pa
    (5)前記プラズマ電極に印加する高周波電圧の周波数が60MHzであり、且つ電力密度が0.28W/cm
    (6)前記製膜室内の圧力pと、前記プラズマ電極と前記形成基板との対向面間の距離dと、の積pdが7000Pa・mm≦pd<8000Pa・mm
    の条件を満たすこと、
    を特徴とする光電変換装置の製造方法。
  2. 前記光電変換ユニットとシリコン系半導体からなる他の光電変換ユニットとを積層形成すること、
    を特徴とする請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
  3. 前記他の光電変換ユニットがアモルファスシリコン光電変換ユニットであること、
    を特徴とする請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
  4. 透光性絶縁基板上に積層形成された透明導電膜と、異なる導電型を有する2つの半導体層間にシリコン系半導体薄膜からなる微結晶シリコン光電変換層が配置された光電変換ユニットと、裏面電極層とを備え、
    前記微結晶シリコン光電変換層は、ラマン分光におけるアモルファスシリコンピークに対する結晶シリコンピークの強度比が15以上18以下であり、且つX線回折における(111)回折ピークに対する(220)回折ピークの強度比が5以上7以下であること、
    を特徴とする光電変換装置。
  5. 前記透明導電膜と前記裏面電極層との間に、前記光電変換ユニットとシリコン系半導体からなる他の光電変換ユニットとが積層形成されていること、
    を特徴とする請求項4に記載の光電変換装置。
  6. 前記他の光電変換ユニットがアモルファスシリコン光電変換ユニットであること、
    を特徴とする請求項5に記載の光電変換装置。
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