JP2011165360A - 電池用セパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池等のアルカリ二次電池に好適で、高温時の自己放電抑制効果に優れた不織布にスルホン化処理を施した電池用セパレータを提供する。
【解決手段】ポリオレフィン系繊維を含有する不織布をスルホン化処理した電池用セパレータにおいて、スルホン化処理前の不織布の油剤含有率が0.40質量%以下であることを特徴とする電池用セパレータ。
【選択図】なし

Description

本発明は、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池等のアルカリ二次電池に好適に使用できる電池用セパレータに関する。
ニッケル−カドミウム電池やニッケル−水素電池等のアルカリ二次電池は、充放電特性、過充放電特性に優れ、長寿命で繰り返し使用できるため、コードレス電話、ノートパソコン、オーディオ機器等の小型電子機器の他、電動工具、電動自転車等の小型動力用途、ハイブリッド自動車、電気自動車等の大型動力用途等にも広く使用されている。このアルカリ二次電池に用いられている電池用セパレータの役割としては、正極と負極の分離、短絡の防止、電解液(高濃度アルカリ性水溶液)の吸液及び保持、また電極反応により生じるガスの透過等が挙げられる。
従来から、電池用セパレータとしては、一般に不織布が用いられてきた。ニッケル−カドミウム電池では、電解液に濡れやすく、その保液量が大きく、しかも電解液を含んだ状態で電気抵抗の低いポリアミド系繊維からなる不織布が使用されてきた。しかし、ニッケル−水素電池では、ポリアミド系繊維の加水分解による分解生成物が自己放電を促進してしまうために、耐アルカリ性及び耐酸化性に優れたポリオレフィン系繊維を主体とする不織布が主として使用されている。
一方、ポリオレフィン系繊維を主体とする不織布は親水性が低いため、スルホン化処理、親水性単量体のグラフト処理、コロナ放電処理、界面活性剤付与処理等が施されるのが一般的である。
このうち、スルホン化処理は発煙硫酸や濃硫酸によって不織布にスルホン酸基を導入する方法である(例えば、特許文献1〜3参照)。スルホン化処理を施した不織布は電解液の吸液性や保液性が優れると共に、電池の自己放電反応を抑制する効果が見られる。
ここで電池の自己放電反応が促進される原因として、電池内に不純物として存在する含窒素化合物が分解され、生成したアンモニアが正極上で酸化されて硝酸イオンとなり、この硝酸イオンが移動し、負極上で還元されてアンモニアとなる繰り返し反応(シャトル機構)が生じて自己放電を加速するという説が提唱されている。スルホン化処理を施した不織布からなる電池用セパレータをこの電池内に導入することにより、繊維に導入されたスルホン酸基が生成するアンモニアを捕捉し、電池の自己放電反応を抑制すると考えられている。
スルホン化処理に用いられる不織布としては、乾式不織布又は湿式不織布が用いられるが、これらの不織布を構成する繊維の表面には、紡糸性やカッティング性を高めたり、帯電防止効果を付与したり、親水性や分散性をコントロールするために、油剤が添加されている。繊維に添加された油剤は、乾式不織布では製造後もほとんど減少せずに残存し、湿式不織布においても、抄造時に一部流出するものの、抄造後でも繊維表面に残存することが知られている。繊維表面に油剤が残存した不織布にスルホン化処理を施した場合、繊維だけではなく、残存する油剤も同時にスルホン化されるため、見かけ上スルホン化処理が進んだとしても、実質的なスルホン酸基導入量が少なくなってしまうと考えられる。スルホン化された油剤は、充放電時の電池内部の温度上昇によって分解が進み、繊維から遊離するため、自己放電反応の抑制効果が低下するという問題を有していた。
特開昭58−175256号公報 特開昭64−57568号公報 特開平6−140018号公報
本発明の課題は、不織布にスルホン化処理を施した電池用セパレータに関し、高温時の自己放電抑制効果に優れる電池用セパレータを提供することにある。
本発明者らは、この課題を解決するために鋭意検討を行った結果、スルホン化処理前の不織布に残存している油剤の含有量を抑制することにより、上記課題を満足する電池用セパレータを提供できることを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、少なくともポリオレフィン系繊維を含有する不織布をスルホン化処理した電池用セパレータにおいて、スルホン化処理前の不織布の油剤含有率を0.40質量%以下に制御したことを特徴とする電池用セパレータである。
さらに、少なくともポリオレフィン系繊維を含有する不織布が湿式不織布であることが好ましい。
本発明の電池用セパレータは、スルホン化処理前の不織布の油剤含有率を0.40質量%以下に制御することによって、繊維表面に残留する油剤のスルホン化を抑制することができ、効率的なスルホン化処理が可能となる。また、高温時の自己放電抑制効果の低下を抑制して、電池容量を長期にわたって維持することができる。また、湿式不織布を用いることにより、油剤含有率を低減させることができると共に、均一性に優れた電池用セパレータを得ることができる。
本発明における電池用セパレータは、ポリオレフィン系繊維を含有する不織布にスルホン化処理を施したものであり、スルホン化処理前の不織布の油剤含有率を0.40質量%以下に制御したものである。
ポリオレフィン系繊維としては、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等の単一成分からなる繊維や、2種類以上の異なるオレフィンの共重合体からなる共重合ポリオレフィン繊維や、ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリオレフィン等の樹脂を適宜組み合わせた、芯鞘型、サイドバイサイド型、偏芯型あるいは分割性複合繊維が挙げられる。これらのポリオレフィン系繊維の繊維長、繊維径は特に限定されないが、不織布強度と製造性等とから、繊維径は1μm以上20μm以下が好ましく、繊維長は1mm以上20mm以下が好ましい。また、分割繊維を水流交絡やリファイナーにより細分化して使用することもできる。繊維長が1mm未満の場合には、不織布の十分な機械的強度が得られない場合がある。繊維長が20mmを超えた場合、地合不良となり、良好な不織布が形成できなくなる場合がある。特に、湿式不織布では、分散時の繊維同士の異常な絡みが発生し、均一な分散状態にならず、地合不良となる場合がある。
本発明の電池用セパレータにおいて、ポリオレフィン系繊維と共に用いることのできる繊維としては、脂肪族ポリアミド繊維、芳香族ポリアミド繊維、半芳香族ポリアミド繊維、エチレン−ビニルアルコール共重合体繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリアクリロニトリル繊維等が挙げられる。ポリオレフィン系繊維と共に用いることのできるこれらの繊維の繊維長、繊維径は特に限定されないが、不織布強度と製造性等から、繊維径は1μm以上20μm以下が好ましく、繊維長は1mm以上20mm以下が好ましい。繊維長が1mm未満の場合には、不織布の十分な機械的強度が得られない場合がある。繊維長が20mmを超えた場合、地合不良となり、良好な不織布が形成できなくなる場合がある。特に、湿式不織布では、分散時の繊維同士の異常な絡みが発生し、均一な分散状態にならず、地合不良となる場合がある。
本発明の電池用セパレータに用いる不織布の製造方法としては、一般的な不織布の製造方法が何れも使用でき、繊維ウェブを形成し、繊維ウェブ内の繊維を接着・融着・絡合させることにより製造することができる。繊維ウェブの製造方法としては、例えば、湿式抄造法、カード法、エアレイド法等の乾式法等が挙げられる。しかしながら、カード法、エアレイド法等の乾式法は、繊維長の長い繊維を用いることができるが、均一な繊維ウェブの形成が困難で、地合が悪く、透過光で観察すると斑点模様が見られる。このため、短絡を防ぐために必要な空隙径を得るには、不織布の目付を高くしなければならないという問題がある。
一方、湿式抄造法は、生産速度が乾式法に比べて速く、同一装置で繊維径の異なる繊維や複数の種類の繊維を任意の割合で混合できる利点がある。即ち、繊維の形態もステープル状、パルプ状等と選択の幅は広く、使用可能な繊維径も極細繊維から太い繊維まで使用可能で、他の方法に比べ、良好な地合の繊維ウェブが得られる。また繊維を水中に離解、分散することにより、繊維紡糸時に付与されている油剤をある程度洗浄することができる。これらのことから、本発明の電池用セパレータに用いる不織布は湿式抄造法によって得られた湿式不織布が好ましい。
繊維ウェブから不織布を製造する方法としては、水流交絡法、ニードルパンチ法、バインダー接着法等を使用することができる。特に、均一性を重視して前記湿式抄造法を用いる場合、熱融着繊維を不織布に含有させて、バインダー接着法により接着することが好ましく、これにより均一な不織布が形成される。
本発明の電池用セパレータは、油剤含有率を0.40質量%以下に制御して、スルホン化処理を施し、繊維の表面から内部にスルホン酸基を導入する。スルホン化処理としては、二酸化硫黄ガス、三酸化硫黄ガス等による気相処理法や熱濃硫酸、発煙硫酸、又はクロロ硫酸等による液相処理法等を使用することができる。本発明の電池用セパレータにおいては、気相処理法によるスルホン化処理が好ましい。液相処理法によるスルホン化処理は反応条件の設定が難しく、反応時間を長くし過ぎた場合や温度を高くし過ぎた場合に、不織布が炭化、収縮、フィルム化しやすいという問題がある。また、多量の強酸性廃液が出るという問題がある。
一般的に繊維製造時に付与される油剤は、静電気の防止、繊維摩擦の低下、不織布親水性の制御を目的としており、繊維に対して0.5から2.0質量%程度付与されている。使用される油剤は、一般的に親油性の高い油脂類と親油性と親水性を有する界面活性剤を主として含有し、さらに、帯電防止剤やその他の添加剤の混合物からなる。親油性の高い油脂類としては、鉱物油、ヤシ油、ナタネ油等の天然油脂、ブチルステアレート、トリデシルステアレート、ラウリルオレエート等の一価アルコールと一価カルボン酸とのエステル、トリメチロールプロパントリラウレート、グリセリントリオレエート等の多価アルコールと一価カルボン酸とのエステル、ジオレイルアジペート、ジオクチルセバケート等の一価アルコールと多価カルボン酸とのエステル、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸が挙げられる。親油性と親水性を有する界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤に分類されるポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンリノールエーテル、ポリオキシエチレンリノレンエーテル等のポリオキシエチレンアルキレンエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエテレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールエステルが挙げられ、さらに、陰イオン性界面活性剤に分類されるアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、長鎖脂肪酸塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、特殊芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤等が挙げられる。
本発明の電池用セパレータに使用される繊維の油剤含有率は、繊維10gをメタノール/ヘキサン混合溶剤(容量比1/1)500mLを用いて3時間ソックスレー抽出を行い、溶剤を留去し、残存した油剤の質量を測定し、油剤抽出後に絶乾した繊維の質量に対する残存した油剤の質量を百分率(%)で表したものである。
本発明の電池用セパレータに使用される不織布の油剤含有率は、不織布10gをメタノール/ヘキサン混合溶剤(容量比1/1)500mLを用いて3時間ソックスレー抽出を行い、溶剤を留去し、残存した油剤の質量を測定し、油剤抽出後に絶乾した不織布の質量に対する残存した油剤の質量を百分率(%)で表したものである。本発明においては、スルホン化処理を施す前の不織布の油剤含有率が0.40質量%以下であり、より好ましくは0.20質量%以下であり、さらに好ましくは0.10質量%以下である。
スルホン化処理前の不織布の油剤含有率を低減する方法としては、使用する繊維の油剤付着量を低減する方法、製造後の不織布を適当な媒体で洗浄する方法が挙げられる。使用する繊維の油剤付着率を低減する方法としては、繊維製造時の油剤付与量を減らしたり、使用前に繊維を洗浄したり、湿式抄造時に分散媒体である水中に移行しやすい油剤を使用する方法等が挙げられる。一方、製造後に不織布を適当な媒体で洗浄する方法としては、水、アルコール類、ケトン類、炭化水素系溶剤及びその混合物等で洗浄する方法が挙げられる。洗浄する方法としては、スプレー噴霧やジェット噴射、媒体中への浸漬、あるいはこれらの組合せにより、油剤含有量を低減することができる。
本発明の電池用セパレータにおいては、電解液と親和性を向上させるために、スルホン化処理後の不織布に界面活性剤を付与することが好ましい。用いられる界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、長鎖脂肪酸塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、特殊芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレン誘導体類、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は、含浸、塗布、スプレーした後、乾燥することにより不織布に付与することができ、界面活性剤の付与量は、スルホン化処理後の不織布に対して、0.1質量%以上1.0質量%以下が好ましい。
本発明の電池用セパレータにおいては、必要に応じて、スーパーカレンダーや熱カレンダー処理により、厚みを調整して用いられる。本発明の電池用セパレータの目付は、30g/m以上100g/m以下の範囲が好ましく、厚みは、60μm以上250μm以下の範囲が好ましい。電池用セパレータの目付及び厚みは、適用する電池の特性に応じて、適宜選択できる。ここで目付は、JIS P 8124に規定されている坪量を表し、厚みはJIS P 8118に規定される厚さを表す。また、本発明の電池用セパレータの最大細孔径は1.0μm以上50.0μm以下の範囲が好ましい。最大細孔径が50.0μmを超えて大きくなると、短絡しやすくなり電池製造時の不良率が大きくなる場合がある。また、最大細孔径が1.0μm未満では、酸素ガス透過性やイオン導電性が低下する場合がある。ここで、最大細孔径はJIS K 3832に規定されるバブルポイント法による最大細孔径を表す。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
芯成分がポリプロピレンで鞘成分がポリエチレンである芯鞘複合繊維(繊度0.8dtex、繊維長5mm)100質量部を、パルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで30分間緩やかに撹拌してスラリーを調製した。このスラリーを濾過し、再度パルパーで離解、分散させ、アジテーターで緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造し、135℃に設定されたヤンキードライヤーと併設されている熱風フードにより乾燥させると共に、芯鞘繊維の鞘部分を熱溶融させて、目付51.4g/m、幅500mmの不織布を作製した。抄造に使用した繊維は、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル系非イオン性界面活性剤を主成分とする油剤が繊維に対して0.82質量%含有されていたが、スルホン化処理前の不織布の油剤含有率は、0.15質量%であった。この不織布を硫黄含有率が1.0質量%になるまで、三酸化硫黄ガスを含む乾燥空気中でスルホン化処理を行い、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、イオン交換水で洗浄し、次いで、界面活性剤として、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムをスルホン化処理後の不織布に対して0.4質量%となるようにスプレー塗布し、乾燥後、スーパーカレンダーにて、120μmに厚み調整して、電池用セパレータを得た。
(実施例2)
芯成分がポリプロピレンで鞘成分がポリエチレンである芯鞘複合繊維(繊度0.8dtex、繊維長5mm)70質量部とポリプロピレンからなる単一繊維(繊度0.8dtex、繊維長5mm)30質量部とを混合し、パルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで30分間緩やかに撹拌してスラリーを調製した。このスラリーを濾過し、再度パルパーで離解、分散させ、アジテーターで緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造し、135℃に設定されたヤンキードライヤーと併設されている熱風フードにより乾燥させると共に、芯鞘繊維の鞘部分を熱溶融させて、目付51.6g/m、幅500mmの不織布を作製した。抄造に使用した繊維は、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル系非イオン性界面活性剤を主成分とする油剤が繊維に対して0.92質量%含有されていたが、スルホン化処理前の不織布の油剤含有率は、0.18質量%であった。この不織布を硫黄含有率が1.0質量%になるまで、三酸化硫黄ガスを含む乾燥空気中でスルホン化処理を行い、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、イオン交換水で洗浄し、次いで、界面活性剤として、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムをスルホン化処理後の不織布に対して0.4質量%となるようにスプレー塗布し、乾燥後、スーパーカレンダーにて、120μmに厚み調整して、電池用セパレータを得た。
(実施例3)
芯成分がポリプロピレンで鞘成分がポリエチレンである芯鞘複合繊維(繊度0.8dtex、繊維長5mm)60質量部とポリプロピレンからなる単一繊維(繊度0.8dtex、繊維長5mm)30質量部とポリプロピレンからなる極細単一繊維(繊度0.08dtex、繊維長3mm)10質量部とを混合し、パルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで30分間緩やかに撹拌してスラリーを調製した。このスラリーを濾過し、再度パルパーで離解、分散させ、アジテーターで緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造し、135℃に設定されたヤンキードライヤーと併設されている熱風フードにより乾燥させると共に、芯鞘繊維の鞘部分を熱溶融させて、目付51.2g/m、幅500mmの不織布を作製した。抄造に使用した繊維は、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル系非イオン性界面活性剤を主成分とする油剤が繊維に対して0.65質量%含有されていたが、スルホン化処理前の不織布の油剤含有率は、0.17質量%であった。この不織布を硫黄含有率が1.0質量%になるまで、三酸化硫黄ガスを含む乾燥空気中でスルホン化処理を行い、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、イオン交換水で洗浄し、次いで、界面活性剤として、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムをスルホン化処理後の不織布に対して0.4質量%となるようにスプレー塗布し、乾燥後、スーパーカレンダーにて、120μmに厚み調整して、電池用セパレータを得た。
(実施例4)
芯成分がポリプロピレンで鞘成分がポリエチレンである芯鞘複合繊維(繊度0.8dtex、繊維長5mm)80質量部と半芳香族ポリアミド繊維(商品名:A−590、クラレ(株)、繊度0.7dtex、繊維長10mm)20質量部とを混合し、パルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで30分間緩やかに撹拌してスラリーを調製した。このスラリーを濾過し、再度パルパーで離解、分散させ、アジテーターで緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造し、135℃に設定されたヤンキードライヤーと併設されている熱風フードにより乾燥させると共に、芯鞘繊維の鞘部分を熱溶融させて、目付50.8g/m、幅500mmの不織布を作製した。抄造に使用した繊維は、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル系非イオン性界面活性剤を主成分とする油剤が繊維に対して0.73質量%含有されていたが、スルホン化処理前の不織布の油剤含有率は、0.16質量%であった。この不織布を硫黄含有率が1.0質量%になるまで、三酸化硫黄ガスを含む乾燥空気中でスルホン化処理を行い、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、イオン交換水で洗浄し、次いで、界面活性剤として、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムをスルホン化処理後の不織布に対して0.4質量%となるようにスプレー塗布し、乾燥後、スーパーカレンダーにて、120μmに厚み調整して、電池用セパレータを得た。
(実施例5)
芯成分がポリプロピレンで鞘成分がポリエチレンである芯鞘複合繊維(繊度0.8dtex、繊維長5mm)100質量部をパルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで30分間緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造し、135℃に設定されたヤンキードライヤーと併設されている熱風フードにより乾燥させると共に、芯鞘繊維の鞘部分を熱溶融させて、目付51.5g/m、幅500mmの不織布を作製した。この不織布をエタノールとイオン交換水で洗浄後、乾燥して、スルホン化処理用不織布を作製した。抄造に使用した繊維は、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル系非イオン性界面活性剤を主成分とする油剤が繊維に対して0.82質量%含有されていたが、スルホン化処理前の不織布の油剤含有率は、0.05質量%であった。この不織布を硫黄含有率が1.0質量%になるまで、三酸化硫黄ガスを含む乾燥空気中でスルホン化処理を行い、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、イオン交換水で洗浄し、次いで、界面活性剤として、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムをスルホン化処理後の不織布に対して0.4質量%となるようにスプレー塗布し、乾燥後、スーパーカレンダーにて、120μmに厚み調整して、電池用セパレータを得た。
(実施例6)
芯成分がポリプロピレンで鞘成分がポリエチレンである芯鞘複合繊維(繊度0.8dtex、繊維長5mm)70質量部とポリプロピレンからなる単一繊維(繊度0.8dtex、繊維長5mm)30質量部をパルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで30分間緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造し、135℃に設定されたヤンキードライヤーと併設されている熱風フードにより乾燥させると共に、芯鞘繊維の鞘部分を熱溶融させて、目付51.8g/m、幅500mmの不織布を作製した。この不織布をエタノールとイオン交換水で洗浄後、乾燥して、スルホン化処理用不織布を作製した。抄造に使用した繊維は、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル系非イオン性界面活性剤を主成分とする油剤が繊維に対して0.92質量%含有されていたが、スルホン化処理用不織布の油剤含有率は、0.06質量%であった。この不織布を硫黄含有率が1.0質量%になるまで、三酸化硫黄ガスを含む乾燥空気中でスルホン化処理を行い、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、イオン交換水で洗浄し、次いで、界面活性剤として、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムをスルホン化処理後の不織布に対して0.4質量%となるようにスプレー塗布し、乾燥後、スーパーカレンダーにて、120μmに厚み調整して、電池用セパレータを得た。
(実施例7)
芯成分がポリプロピレンで鞘成分がポリエチレンである芯鞘複合繊維(繊度0.8dtex、繊維長5mm)100質量部をパルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで30分間緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造し、135℃に設定されたヤンキードライヤーと併設されている熱風フードにより乾燥させると共に、芯鞘繊維の鞘部分を熱溶融させて、目付51.5g/m、幅500mmの不織布を作製した。この不織布をイオン交換水で洗浄後、乾燥して、スルホン化処理用不織布を作製した。抄造に使用した芯鞘複合繊維は、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル系非イオン性界面活性剤を主成分とする油剤が繊維に対して0.82質量%含有されていたが、スルホン化処理前の不織布の油剤含有率は、0.28質量%であった。この不織布を硫黄含有率が1.0質量%になるまで、三酸化硫黄ガスを含む乾燥空気中でスルホン化処理を行い、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、イオン交換水で洗浄し、次いで、界面活性剤として、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムをスルホン化処理後の不織布に対して0.4質量%となるようにスプレー塗布し、乾燥後、スーパーカレンダーにて、120μmに厚み調整して、電池用セパレータを得た。
(実施例8)
芯成分がポリプロピレンで鞘成分がポリエチレンである芯鞘複合繊維(繊度0.8dtex、繊維長5mm)100質量部をパルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで30分間緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造し、135℃に設定されたヤンキードライヤーと併設されている熱風フードにより乾燥させると共に、芯鞘繊維の鞘部分を熱溶融させて、目付51.2g/m、幅500mmの不織布を作製した。抄造に使用した繊維は、ポリオキシエチレンオレイルエーテル系非イオン性界面活性剤20質量%、ミリスチン酸20質量%、ラウリン酸40質量%、ラウリルアルコール10質量%、2−プロパノール10質量%からなる油剤が繊維に対して0.74質量%含有されていたが、スルホン化処理前の不織布の油剤含有率は、0.10質量%であった。この不織布を硫黄含有率が1.0質量%になるまで、三酸化硫黄ガスを含む乾燥空気中でスルホン化処理を行い、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、イオン交換水で洗浄し、次いで、界面活性剤として、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムをスルホン化処理後の不織布に対して0.4質量%となるようにスプレー塗布し、乾燥後、スーパーカレンダーにて、120μmに厚み調整して、電池用セパレータを得た。
(実施例9)
芯成分がポリプロピレンで鞘成分がポリエチレンである芯鞘複合繊維(繊度0.8dtex、繊維長5mm)100質量部をパルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで30分間緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造し、135℃に設定されたヤンキードライヤーと併設されている熱風フードにより乾燥させると共に、芯鞘繊維の鞘部分を熱溶融させて、目付51.0g/m、幅500mmの不織布を作製した。抄造に使用した繊維は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系非イオン性界面活性剤50質量%、ラウリン酸40質量%、2−プロパノール10質量%からなる油剤が繊維に対して0.72質量%含有されていたが、スルホン化処理前の不織布の油剤含有率は、0.08質量%であった。この不織布を硫黄含有率が1.0質量%になるまで、三酸化硫黄ガスを含む乾燥空気中でスルホン化処理を行い、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、イオン交換水で洗浄し、次いで、界面活性剤として、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムをスルホン化処理後の不織布に対して0.4質量%となるようにスプレー塗布し、乾燥後、スーパーカレンダーにて、120μmに厚み調整して、電池用セパレータを得た。
(実施例10)
芯成分がポリプロピレンで鞘成分がポリエチレンである芯鞘複合繊維(繊度0.8dtex、繊維長5mm)100質量部をパルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで30分間緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造し、135℃に設定されたヤンキードライヤーと併設されている熱風フードにより乾燥させると共に、芯鞘繊維の鞘部分を熱溶融させて、目付51.4g/m、幅500mmの不織布を作製した。抄造に使用した繊維は、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム系陰イオン性界面活性剤30質量%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系非イオン性界面活性剤30質量%、オレイン酸30質量%、2−プロパノール10質量%からなる油剤が繊維に対して0.73質量%含有されていたが、スルホン化処理前の不織布の油剤含有率は、0.05質量%であった。この不織布を硫黄含有率が1.0質量%になるまで、三酸化硫黄ガスを含む乾燥空気中でスルホン化処理を行い、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、イオン交換水で洗浄し、次いで、界面活性剤として、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムをスルホン化処理後の不織布に対して0.4質量%となるようにスプレー塗布し、乾燥後、スーパーカレンダーにて、120μmに厚み調整して、電池用セパレータを得た。
(実施例11)
芯成分がポリプロピレンで鞘成分がポリエチレンである芯鞘複合繊維(繊度0.8dtex、繊維長5mm)100質量部を用い、エアレイド法にてウェブを作り、135℃のスルーエアー熱処理機及び熱ロールを通過させて、芯鞘繊維の鞘部分を熱溶融させて、目付51.5g/m、幅500mmの不織布を作製した。この不織布をイオン交換水で洗浄後、乾燥して、スルホン化処理用不織布を作製した。使用した繊維は、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル系非イオン性界面活性剤を主成分とする油剤が、繊維に対して0.82質量%含有されていたが、スルホン化処理前の不織布の油剤含有率は、0.28質量%であった。この不織布を硫黄含有率が1.0質量%になるまで、三酸化硫黄ガスを含む乾燥空気中でスルホン化処理を行い、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、イオン交換水で洗浄し、次いで、界面活性剤として、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムをスルホン化処理後の不織布に対して0.4質量%となるようにスプレー塗布し、乾燥後、スーパーカレンダーにて、120μmに厚み調整して、電池用セパレータを得た。
(実施例12)
芯成分がポリプロピレンで鞘成分がポリエチレンである芯鞘複合繊維(繊度1.7dtex、繊維長10mm)70質量部とポリプロピレンからなる単一繊維(繊度0.8dtex、繊維長5mm)30質量部を用い、エアレイド法にてウェブを作り、135℃のスルーエアー熱処理機及び熱ロールを通過させて、芯鞘繊維の鞘部分を熱溶融させて、目付51.7g/m、幅500mmの不織布を作製した。この不織布をイオン交換水で洗浄後、乾燥して、スルホン化処理用不織布を作製した。使用した繊維は、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル系非イオン性界面活性剤を主成分とする油剤が、繊維に対して0.92質量%含有されていたが、スルホン化処理前の不織布の油剤含有率は、0.35質量%であった。この不織布を硫黄含有率が1.0質量%になるまで、三酸化硫黄ガスを含む乾燥空気中でスルホン化処理を行い、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、イオン交換水で洗浄し、次いで、界面活性剤として、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムをスルホン化処理後の不織布に対して0.4質量%となるようにスプレー塗布し、乾燥後、スーパーカレンダーにて、120μmに厚み調整して、電池用セパレータを得た。
(比較例1)
実施例1において、パルパーの水中で離解、分散させたスラリーを濾過しない以外は同様にして、電池用セパレータを作製した。ここでスルホン化処理前の不織布の油剤含有率は0.45質量%であり、得られた電池用セパレータの目付は51.2g/mであった。
(比較例2)
実施例4において、パルパーの水中で離解、分散させたスラリーを濾過しない以外は同様にして、電池用セパレータを作製した。ここでスルホン化処理前の不織布の油剤含有率は0.42質量%であり、得られた電池用セパレータの目付は51.6g/mであった。
(比較例3)
実施例12において、スルホン化処理用不織布のイオン交換水洗浄を実施しなかった以外は同様にして、電池用セパレータを作製した。ここでスルホン化処理前の不織布の油剤含有率は0.70質量%であり、得られた電池用セパレータの目付は51.4g/mであった。
<評価>
実施例及び比較例で得られた電池用セパレータについて、下記の評価を行い、結果を表1に示した。
[硫黄含有率]
スルホン化処理された電池セパレータから直径35mmの試料を採取し、イオン交換水200mL中で10分間、2回洗浄し、60℃で10分間乾燥して測定用試料を作製した。この試料をホルダーにセットして、リガク製の蛍光X線装置(装置名:ZSX Primus II、Rhターゲット、50kV−50mA)で全元素測定を行った。硫黄含有率は、測定値を半定量分析法であるSQX計算することで算出し、スルホン化処理量を質量%で見積もった。
[最大細孔径の評価]
電池用セパレータについて、JIS K 3832に規定されるバブルポイント法により最大細孔径を求めた。
[電池製造時の不良率]
電極の集電体として、発泡ニッケル基材を用いたペースト式水酸化ニッケル正極(40mm幅)と、ニッケルメッキパンチングメタル基材を用いた水素吸蔵合金負極(40mm幅)を1枚ずつ用い、これらの電極の間に、43mm幅の実施例及び比較例で得られた電池用セパレータを介在させて、電池構成機を用いて巻き取り、渦巻状極板群を作製した。該渦巻状極板群を円筒形の金属ケースに収納した後、1N水酸化リチウムを含む7N水酸化カリウム水溶液を主体とするアルカリ電解液を一定量注入した後、安全弁付きの封印蓋を取り付けて、公称容量が1.7Ahの単3形密閉式ニッケル水素電池を10000個作製した。その後、正極と負極との間に240Vの電圧を印加し、電気抵抗が1kΩ以下のものを不良とみなし、電池製造時の不良率とした。0.05%未満を◎、0.05%以上0.1%未満を○、0.1%以上0.15%未満を△、0.15%以上を×として評価した。
上記のようにして製造した電池のうち、正常な電池を各電池用セパレータについて30個選別した。電池の化成のため、25℃において、170mA(0.1C)の電流で15時間充電し、1.7A(1C)の電流で端子電圧が0.8Vになるまで放電するという充放電を4回繰り返した。
[自己放電特性]
上記のようにして得られた化成済みの電池10個を用い、25℃で、1.7A(1C)の電流で充電し、満充電に達した後、電池電圧が10mV低下した時点で充電を1時間休止させ、次に340mA(0.2C)の電流で終止電圧が1.0Vになるまで放電させたときの放電容量を測定しC1とする。そして、同様に1.7A(1C)の電流で充電してから、60℃の恒温槽中にて7日間保存し、その後25℃で6時間放冷し、同様に340mA(0.2C)の電流で放電させたときの放電容量を測定してC2とし、次の式(1)から容量維持率を算出した。容量維持率の値が大きいほど、自己放電特性が優れることを示す。
容量維持率(%)=C2/C1×100 (1)
Figure 2011165360
実施例で得られた電池用セパレータは、ポリオレフィン系繊維を含有する不織布にスルホン化処理を施したものであり、スルホン化処理前の不織布の油剤含有率を0.40質量%以下に制御することにより、高温時においても高い自己放電抑制効果を維持している。
実施例1〜6、8〜10はスルホン化処理前の不織布の油剤含有率が0.20質量%以下であり、高温時の自己放電抑制効果が優れている。中でも、実施例5、6、8、9、10はスルホン化処理前の不織布の油剤含有率が0.10質量%以下とより低く、高温時の自己放電抑制効果がさらに優れている。また、実施例3では、極細繊維が配合されており、最大細孔径が小さく、電池製造時の不良率は、他の実施例より優れている。
実施例11及び12は、乾式不織布を用いた場合であるが、不織布の油剤含有率がやや高く、他の実施例に比べ、高温時の自己放電抑制効果がやや劣る。また、最大細孔径も大きいために、電池製造時の不良率が、湿式不織布を用いた場合より劣る傾向にある。
一方、比較例で得られた電池用セパレータは、本発明の条件を満足しておらず、高温時の自己放電抑制効果は、実施例に比べ劣る結果となった。
本発明の活用例としては、アルカリ二次電池用セパレータに好適に用いられ、その他にはアンモニア捕捉膜としても用いることができる。

Claims (2)

  1. 少なくともポリオレフィン系繊維を含有する不織布をスルホン化処理した電池用セパレータにおいて、スルホン化処理前の不織布の油剤含有率が0.40質量%以下であることを特徴とする電池用セパレータ。
  2. 少なくともポリオレフィン系繊維を含有する不織布が湿式不織布である請求項1記載の電池用セパレータ。
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