JP2008262809A - アルカリ二次電池用セパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】ガス透過性、保液性、正極と負極の短絡防止性などの特性を満たしたアルカリ二次電池用セパレータを提供することを課題とする。
【解決手段】熱可塑性繊維を主成分とする不織布からなるアルカリ二次電池用セパレータにおいて、該不織布が植物の柔細胞から得られた繊維を含有するアルカリ二次電池用セパレータ。植物の柔細胞から得られた繊維が、懸濁安定性が50%以上にフィブリル化されてなることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池、等のアルカリ二次電池に好適に使用できるアルカリ二次電池用セパレータに関する。
アルカリ二次電池は、充放電特性、過充放電特性に優れ、長寿命で繰り返し使用できるため、携帯電話、パソコン、オーディオ等の小型電子機器の他に、最近ではハイブリッド自動車、電動自転車等の大型機器にも広く使用されている。小型電子機器用途および大型機器用途のどちらにおいても、アルカリ二次電池の高容量化、小型化、軽量化、使用可能な温度領域の拡大化等が求められている。アルカリ二次電池用セパレータに求められる特性としては、正極と負極の短絡防止性、耐アルカリ性および耐酸化性、電解液の保持性、電極反応により生じるガスの透過性などが挙げられる。
アルカリ二次電池用セパレータとしては、熱可塑性繊維を主成分とする不織布が知られている。熱可塑性繊維は、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などの熱可塑性樹脂からなる繊維が用いられている(例えば、特許文献1〜9参照)。熱可塑性繊維を主成分とする不織布では、各種バインダー繊維を用いて、不織布の強度を向上させることが試みられている。バインダー繊維として、熱溶融性樹脂粒子などを用いた場合、不織布に目詰まりが生じて、ガスの透過性が妨げられる場合があった。目詰まりの起こりにくいバインダー繊維として、木材パルプをフィブリル化したミクロフィブリル化セルロースやバクテリアセルロースなどのセルロースが知られている。しかしながら、製造時にセルロースが脱落する場合があり、正極と負極とが短絡したり、保液性が低下したりする場合があった(例えば、特許文献10)。
特開昭56−3973号公報 特開昭58−175256号公報 特開平1−132042号公報 特開2005−183161号公報 特開平5−283054号公報 特開昭53−58636号公報 特開昭58−147956号公報 特開平9−259856号公報 特開2002−151041号公報 特開平10−144282号公報
本発明の課題は、ガス透過性、正極と負極の短絡防止性に優れ、保液性の高いアルカリ二次電池用セパレータを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、
(1)熱可塑性繊維を主成分とする不織布からなるアルカリ二次電池用セパレータにおいて、該不織布が植物の柔細胞から得られた繊維を含有することを特徴とするアルカリ二次電池用セパレータ、
(2)植物の柔細胞から得られた繊維が、懸濁安定性が50%以上にフィブリル化されている上記(1)記載のアルカリ二次電池用セパレータ、
を見出した。
本発明のアルカリ二次電池用セパレータ(1)は、熱可塑性繊維と、植物の柔細胞から得られた繊維とを含有した不織布からなり、従来のセパレータに比べて保液性に優れている。また、植物の柔細胞から得られた繊維は、皮膜を形成しないため、不織布のガス透過性を阻害することがない。さらに、植物の柔細胞から得られた繊維は、熱可塑性繊維と強固に絡み合うので、正極と負極との短絡防止を抑制することができる。
本発明のアルカリ二次電池用セパレータ(2)は、植物の柔細胞から得られた繊維が、懸濁安定性が50%以上にフィブリル化されている。植物の柔細胞から得られた繊維の懸濁安定性が50%以上の場合、該繊維は極めて細く、微小であるため比表面積が非常に大きく、従来のセパレータに比べて保液性、正極と負極との短絡防止性により優れたアルカリ二次電池用セパレータとなる。
以下、本発明のアルカリ二次電池用セパレータについて、詳説する。
本発明のアルカリ二次電池用セパレータは、熱可塑性繊維を主成分とする不織布からなるアルカリ二次電池用セパレータにおいて、該不織布が植物の柔細胞から得られた繊維を含有することを特徴とする不織布からなる。
本発明における植物の柔細胞から得られる繊維(以下、柔細胞繊維と表記する。)とは、植物の茎や葉、果実等に存在する柔細胞を主体とした部分を、アルカリで処理する等して得られるセルロースを主成分とし、水に不溶な非木材繊維である。柔細胞は、二次壁が発達していない特徴を有する。
本発明において、植物の柔細胞を得るためには、茎の内部柔組織や葉の葉肉、果実等を粉砕するなどすればよいが、工業的には食品加工工場や製糖工場等から排出される、果実からのジュースの搾り粕やサトウダイコン、サトウキビ等からの搾汁粕を用いるのが最適である。例えば、サトウダイコンの搾汁粕を利用する際には、粉砕した根を搾汁し、残さの粕をそのまま利用することができる。サトウキビの搾汁粕を利用する際には、搾り粕であるバガスを適当な大きさに粉砕し、目開き1〜2mmのふるいを通過させることにより柔細胞を多く含む部分を得ることができる。
本発明において、柔細胞から繊維を得るためには木材からパルプを製造する際のパルプ化処理を適用するのが良い。例えば、苛性ソーダ等のアルカリと混合、加熱してリグニンを分解除去するクラフトパルプ化法やソーダパルプ化法を用いることができる。詳細なパルプ化処理条件は、原料の性状や目的とする繊維の性状、収率等を鑑みて適宜決定すればよい。アルカリを洗浄後、必要に応じて漂白処理を行なう。漂白剤として過酸化水素、二酸化塩素、次亜塩素酸ソーダ、酸素、オゾン等を用いることができる。漂白後、洗浄して繊維の懸濁液を得ることができる。
パルプ化処理により得られた繊維は、そのままでも使用可能だが、フィブリル化処理することにより、比表面積が大きくなり、且つ均一性が高くなるため好ましい。フィブリル化処理には、リファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置、高速の回転刃によりせん断力を与える回転刃式ホモジナイザー、高速で回転する円筒形の内刃と固定された外刃との間でせん断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、繊維懸濁液に少なくとも20MPaの圧力差を与えて小径のオリフィスを通過させて高速度とし、これを衝突させて急減速することにより繊維にせん断力、切断力を加える高圧ホモジナイザー等を用いることができる。
柔細胞繊維の好ましいフィブリル化の目安は、懸濁安定性が50%以上である。ここで、懸濁安定性が50%以上とは、本発明における0.1質量%濃度の繊維懸濁液をメスシリンダーなどに入れて24時間静置したときに、繊維の沈降面より下の懸濁液の体積が全体の体積の50%以上になることである。この懸濁安定性は分散性と解釈することもでき、繊維の分散性が高く、懸濁液がより均一であるほど、懸濁安定性が高いと言える。この懸濁安定性は繊維の大きさと関係しており、フィブリル化が進行しているものほどその懸濁液の安定性は高い。懸濁安定性が50%未満では、不織布中での分布状態にむらができる場合があり、その結果、柔細胞繊維と熱可塑性繊維間の絡み合いが弱くなって、十分な短絡防止性が得られない場合がある。フィブリル化が進行すると柔細胞繊維の表面積も高くなることから、懸濁安定性が50%未満では、アルカリ二次電池用セパレータの保液性が低下してしまうこともある。
懸濁安定性を50%以上にするには、リファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置、回転刃式ホモジナイザー、高速ホモジナイザー、高圧ホモジナイザーなどを用いて処理条件を適正化することにより達成できる。
このような柔細胞繊維は、保液性、短絡防止性が向上するように、不織布に対して0.1質量%以上含んでいるのが好ましい。また、通気性が著しく低下しないように、30質量%以下であるのが好ましい。
本発明のアルカリ二次電池用セパレータに係わる熱可塑性繊維に用いられる樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂など)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂などの結晶性の熱可塑性樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリビニルアルコール系などの非晶性の熱可塑性樹脂などが挙げられる。これらは、単独または2種類以上を併用しても良い。これらの中でも、アルカリ二次電池用に使用する場合には、耐アルカリ性及び耐酸化性に優れているポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂から構成されている熱可塑性繊維が好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂(例えば、超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン共重合体など)、ポリプロピレン系樹脂(例えば、ポリプロピレン、プロピレン共重合体など)、ポリメチルペンテン系樹脂(例えば、ポリメチルペンテン、メチルペンテン共重合体など)などを挙げることができ、ポリアミド系樹脂としては、例えば、脂肪族ポリアミド系樹脂(例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12)、半芳香族ポリアミド系樹脂(ジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸等)であり、ジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミン(例えば、1,9−ノナンジアミン、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとの併用等)である半芳香族ポリアミド樹脂)などを挙げることができる。
上記の熱可塑性繊維を熱融着短繊維として用いる際は、従来の熱融着乾式不織布や熱融着湿式不織布に使用されている芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型、海島型、オレンジ型、多重バイメタル型の複合繊維、あるいは単一成分タイプなどが挙げられるが、高い引張強度を得るという点から特に芯鞘型融着繊維であることが好ましい。具体的な芯鞘型融着繊維としては、例えば、芯成分がポリプロピレン系樹脂と鞘成分がポリエチレン系樹脂との組み合わせ、芯成分が低密度ポリエチレンと鞘成分が高密度ポリエチレンとの組み合わせ、芯成分がナイロン6と鞘成分がナイロン66との組み合わせ、芯成分がナイロン612、610等の共重合ナイロンと鞘成分がナイロン6または66との組み合わせ、芯成分がポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂と鞘成分がポリアミド系樹脂との組み合わせが好適に用いられる。
上記の熱可塑性繊維を分割型複合短繊維として用いる際は、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、脂肪族ポリアミド系樹脂、半芳香族ポリアミド系樹脂のうち少なくとも2成分から選ばれる熱可塑性繊維が好適に用いられる。分割型複合短繊維は、割繊後の繊維断面が楔型や略台形型等の異形断面であり繊維の比表面積が大きいとともに、後述する水流交絡処理時に割繊と交絡が同時になされて、不織布厚み方向にも適度に繊維が配向し、強度および電解液浸透性が向上する。
本発明のアルカリ二次電池用セパレータに係わる熱可塑性繊維の繊度は特に限定するものではないが、0.06〜2.2dtexが好ましく、0.08〜1.0dtexがさらに好ましい。2.2dtexを超える場合、耐ショート性、吸液性、保液性が低下する傾向があり、0.06dtex未満の場合、通気性を阻害する傾向がある。また、本発明における繊度は繊維断面形状が円形である場合の繊度をいい、繊維断面形状が非円形である場合には、繊維断面形状を円形に換算した際の繊度をいう。
本発明のアルカリ二次電池用セパレータにおいて、不織布の製造方法としては、繊維ウェブを形成し、繊維ウェブ内の繊維を接着・融着・絡合させる方法を用いることができる。得られた不織布は、そのまま使用しても良いし、複数枚からなる積層体として使用することもできる。繊維ウェブの製造方法としては、例えば、カード法、エアレイ法等の乾式法、抄紙法等の湿式法、スパンボンド法、メルトブロー法等がある。このうち、湿式法によって得られるウェブは、均質かつ緻密であり、アルカリ二次電池用セパレータとして好適に用いることができる。湿式法は、繊維を水中に分散して均一な抄紙スラリーとし、この抄紙スラリーを円網、長網、傾斜式等のワイヤーの少なくとも1つを有する抄紙機を用いて、繊維ウェブを得る方法である。
繊維ウェブから不織布を製造する方法としては、水流交絡法、ニードルパンチ法、バインダー接着法等を使用することができる。特に前記湿式抄紙に分割型複合短繊維を用いる場合、水流交絡処理を施して繊維同士を交絡することが好ましい。水流交絡処理により、十分に割繊されていない分割型複合短繊維を割繊して、極細短繊維が形成される。
本発明のアルカリ二次電池用セパレータにおいて、湿式法で不織布を製造する場合、熱可塑性繊維の繊維長としては、2〜20mmが好ましい。繊維長が20mmを超えた場合、湿式法では繊維の分散が難しくなることがあり、地合不良等が発生し、良好な繊維ウェブの形成ができなくなるといった問題が生じることがある。一方、繊維長が2mm未満では、電池セパレータの機械的強度が小さくなることがある。
本発明のアルカリ二次電池用セパレータにおいて、さらに親水性を向上させるために、親水化処理を施しても良い。親水化処理としては、コロナ放電処理、大気圧プラズマ処理、グラフト処理、スルホン化処理、フッ素ガス処理、界面活性剤処理等を用いることができる。
コロナ放電処理は、高電圧発生機に接続した電極と、シリコンラバーなどでカバーした金属ロール間に適度の間隙を設け、高周波で数千〜数万Vの電圧をかけ、高圧コロナを発生させ、この間隔に上記の方法で得られた不織布を適度な速度で走らせ、該不織布面にコロナが生成したオゾン、あるいは、酸化窒素を反応させて、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ペルオキシド基を生成させることにより、電解液に対する不織布の親和性を向上させる表面改質法である。
大気圧プラズマ処理は、対向する電極の少なくとも一方の電極表面にポリイミド、雲母、セラミック、ガラス等の固体誘電体を配設した誘電体被覆電極を有するプラズマ反応装置に、ヘリウムおよびアルゴンと酸素から本質的になる気体組成物を導入し、大気圧下でプラズマ励起を行って、対向する電極の間に位置する不織布表面を酸化およびエッチングして電解液親和性を向上させる表面改質法である。
ビニルモノマーのグラフト重合としては、ビニルモノマーとして、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸などを挙げることができる。また、上記反応性モノマーは、単独または1種類以上を併用して使用することができる。
これらモノマーのグラフト重合処理の方法としては、例えばモノマーと重合開始剤を含む溶液に不織布を浸漬した後に加熱する方法、不織布にモノマーを塗布した後に放射線または電子線を照射する方法、不織布に放射線または電子線を照射した後にモノマーを接触させる方法、増感剤とモノマーを含む溶液に、不織布を浸漬し、次いで紫外線を照射する方法があるが、紫外線によるグラフト重合処理が繊維を劣化させることなく、効率的に表面改質できる。
スルホン化処理は、SO3ガス中にて不織布にスルホン基を導入する方法や、発煙硫酸、硫酸、三酸化硫黄、クロロ硫酸、または塩化スルフリルからなる溶液中に不織布を浸漬してスルホン酸基を導入する方法や、一酸化硫黄ガス、二酸化硫黄ガスあるいは三酸化硫黄ガスなどの存在下で放電を作用させて不織布にスルホン酸基を生成させる表面改質法である。
フッ素ガス処理は、窒素ガス、あるいはアルゴンガスなどで希釈したフッ素ガスと酸素ガス、二酸化炭素ガス、二酸化硫黄ガス等の一種類のガスとの混合ガスを不織布に接触させて、表面にカルボキシル基、カルボニル基、水酸基を生成させて電解液親和性を向上させる表面改質法である。
界面活性剤処理としては、ノニオン系界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、若しくはポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルなどの溶液中に不織布を含浸するか、この溶液を塗布、若しくはスプレーするかした後、乾燥して、不織布表面の電解液親和性を向上させる表面改質法である。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における、部は断りのない限り、すべて質量によるものである。
<柔細胞繊維1>
サトウダイコンの搾り粕からなる市販のビートパルプを10L容のオートクレーブに投入した。液比4L/kg、有効アルカリ添加率11〜14質量%となるように水酸化ナトリウムを混合し、保持温度120℃、保持時間30分の条件で処理した。ろ過による洗浄後、試料濃度8質量%とし、試料に対して有効塩素濃度2質量%となるように次亜塩素酸ナトリウムを加えて攪拌し、室温で8時間漂白した後、ろ過により洗浄した。これによりサトウダイコン柔細胞由来の柔細胞繊維が得られた。これを0.1質量%に調整して100mL容のメスシリンダーに入れて静置し、24時間後の柔細胞繊維の沈降体積を測定した結果、懸濁安定性は15%であった。以下、これを柔細胞繊維1又はJ1と表記する。
<柔細胞繊維2>
サトウキビの搾り粕からなるバガスを粉砕し、目開き1mmのふるいにかけて、ふるいを通過した分を収集した。これを<柔細胞繊維1>の製法と同様にして漂白と洗浄し、サトウキビ柔細胞由来の柔細胞繊維を得た。これを0.1質量%に調整して100mL容のメスシリンダーに入れて静置し、24時間後の柔細胞繊維の沈降体積を測定した結果、懸濁安定性は11%であった。以下、これを柔細胞繊維2又はJ2と表記する。
<フィブリル化柔細胞繊維1>
柔細胞繊維1を1質量%の懸濁液とし、回転刃式ホモジナイザー(オステライザー、オステライザー社製)を用いて、1Lの懸濁液を10000rpmで1分間処理して、フィブリル化柔細胞繊維を作製した。これを0.1質量%に調整して100mL容のメスシリンダーに入れて静置し、24時間後のフィブリル化柔細胞繊維の沈降体積を測定した結果、懸濁安定性は46%であった。以下、これをフィブリル化柔細胞繊維1又はFBJ1と表記する。
<フィブリル化柔細胞繊維2>
柔細胞繊維1を1質量%の懸濁液とし、回転刃式ホモジナイザー(オステライザー、オステライザー社製)を用いて、1Lの懸濁液を15700rpmで1分間処理した。次いで、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)を用いて、1Lの懸濁液を50MPaの圧力で45秒間循環処理してフィブリル化柔細胞繊維を作製した。これを0.1質量%に調整して100mL容のメスシリンダーに入れて静置し、24時間後のフィブリル化柔細胞繊維の沈降体積を測定した結果、懸濁安定性は51%であった。以下、これをフィブリル化柔細胞繊維2又はFBJ2と表記する。
<フィブリル化柔細胞繊維3>
柔細胞繊維1を1質量%の懸濁液とし、回転刃式ホモジナイザー(オステライザー、オステライザー社製)を用いて、1Lの懸濁液を15700rpmで1分間処理した。次いで、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)を用いて、1Lの懸濁液を50MPaの圧力で5分間循環処理してフィブリル化柔細胞繊維を作製した。これを0.1質量%に調整して100mL容のメスシリンダーに入れて静置し、24時間後のフィブリル化柔細胞繊維の沈降体積を測定した結果、懸濁安定性は100%であった。以下、これをフィブリル化柔細胞繊維3又はFBJ3と表記する。
<フィブリル化柔細胞繊維4>
柔細胞繊維1を1質量%の懸濁液とし、回転刃式ホモジナイザー(オステライザー、オステライザー社製)を用いて、1Lの懸濁液を15700rpmで1分間処理した。次いで、シングルディスクリファイナーを用いて処理し、フィブリル化柔細胞繊維を作製した。これを0.1質量%に調整して100mL容のメスシリンダーに入れて静置し、24時間後のフィブリル化柔細胞繊維の沈降体積を測定した結果、懸濁安定性は90%であった。以下、これをフィブリル化柔細胞繊維4又はFBJ4と表記する。
<フィブリル化柔細胞繊維5>
柔細胞繊維2を1質量%の懸濁液とし、回転刃式ホモジナイザー(オステライザー、オステライザー社製)を用いて、1Lの懸濁液を15700rpmで1分間処理した。次いで、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)を用いて、1Lの懸濁液を50MPaの圧力で10分間循環処理してフィブリル化柔細胞繊維を作製した。これを0.1質量%に調整して100mL容のメスシリンダーに入れて静置し、24時間後のフィブリル化柔細胞繊維の沈降体積を測定した結果、懸濁安定性は100%であった。以下、これをフィブリル化柔細胞繊維5又はFBJ5と表記する。
<バクテリアセルロース1>
サッカロース50g/L、酵母エキス5g/L、硫酸アンモニウム5g/L、リン酸二水素カリウム3g/L、硫酸マグネシウム0.5g/Lからなる組成の培地(pH5.0)50mLを容量200mLの三角フラスコに張り込み、120℃で20分間蒸気殺菌し、培養液を作製した。次いで、この培養液に酵母エキス5g/L、ヘプトン3g/L、マントニール25g/Lからなる組成の試験管斜面培地(pH6.0)で30℃、3日間生育させたアセトバクター・バストリアヌスATCC10821を1白金耳ずつ接種し、30℃で培養した。この条件で30日間培養したところ、培養液の上層に白色のバクテリアセルロースのゲルが形成された。バクテリアセルロースのゲルから培地を絞り出し、100℃の恒温乾燥機で乾燥し、室温中で1N水酸化ナトリウム水溶液に30分含浸し、流水中で30分洗浄し、フィルム状バクテリアセルロースを得た。バクテリアセルロースのフィルム10gに対して、水を990g加え、高速ミキサーで5000rpm、3分間離解を行い、バクテリアセルロース離解物の1.0%懸濁液を調整した。以下、これをバクテリアセルロース1又はBC1と表記する。
実施例1
芯成分を融点163℃のポリプロピレンとし、鞘成分を融点132℃の高密度ポリエチレンとして、複合比が50:50、繊度1.7dtex、繊維長10mmの同心円芯鞘型複合繊維(大和紡績社製、商品名:NBF(H))を99.9部と、FBJ3を0.1部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調成した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、140℃のシリンダードライヤーによって不織布強度を発現させ、坪量60.8g/m2、幅50cmの不織布を作製した。次に、ロール温度60℃でカレンダー処理を行い、さらに不織布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体(材質:ハイパロン(商品名、デュポンエラストマー社))3.2mmを用いてコロナ処理を施して、坪量60.8g/m2、厚さ153μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
実施例2
芯成分を融点163℃のポリプロピレンとし、鞘成分を融点132℃の高密度ポリエチレンとして、複合比が50:50、繊度1.7dtex、繊維長10mmの同心円芯鞘型複合繊維(大和紡績社製、商品名:NBF(H))を95部と、FBJ3を5部とを一緒に混合し、実施例1と同様の製造法を施して、坪量60.2g/m2、厚さ150μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
実施例3
芯成分を融点163℃のポリプロピレンとし、鞘成分を融点132℃の高密度ポリエチレンとして、複合比が50:50、繊度1.7dtex、繊維長10mmの同心円芯鞘型複合繊維(大和紡績社製、商品名:NBF(H))を90部と、FBJ3を10部とを一緒に混合し、実施例1と同様の製造法を施して、坪量60.5g/m2、厚さ148μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
実施例4
芯成分を融点163℃のポリプロピレンとし、鞘成分を融点132℃の高密度ポリエチレンとして、複合比が50:50、繊度1.7dtex、繊維長10mmの同心円芯鞘型複合繊維(大和紡績社製、商品名:NBF(H))を70部と、FBJ3を30部とを一緒に混合し、実施例1と同様の製造法を施して、坪量57.3g/m2、厚さ145μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
実施例5
芯成分を融点163℃のポリプロピレンとし、鞘成分を融点132℃の高密度ポリエチレンとして、複合比が50:50、繊度1.7dtex、繊維長10mmの同心円芯鞘型複合繊維(大和紡績社製、商品名:NBF(H))を65部と、FBJ3を35部とを一緒に混合し、実施例1と同様の製造法を施して、坪量58.0g/m2、厚さ150μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
実施例6
芯成分を融点163℃のポリプロピレンとし、鞘成分を融点132℃の高密度ポリエチレンとして、複合比が50:50、繊度1.7dtex、繊維長10mmの同心円芯鞘型複合繊維(大和紡績社製、商品名:NBF(H))を95部と、J1を5部とを一緒に混合し、実施例1と同様の製造法を施して、坪量58.7g/m2、厚さ155μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
実施例7
芯成分を融点163℃のポリプロピレンとし、鞘成分を融点132℃の高密度ポリエチレンとして、複合比が50:50、繊度1.7dtex、繊維長10mmの同心円芯鞘型複合繊維(大和紡績社製、商品名:NBF(H))を95部と、J2を5部とを一緒に混合し、実施例1と同様の製造法を施して、坪量58.5g/m2、厚さ152μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
実施例8
芯成分を融点163℃のポリプロピレンとし、鞘成分を融点132℃の高密度ポリエチレンとして、複合比が50:50、繊度1.7dtex、繊維長10mmの同心円芯鞘型複合繊維(大和紡績社製、商品名:NBF(H))を95部と、FBJ1を5部とを一緒に混合し、実施例1と同様の製造法を施して、坪量59.3g/m2、厚さ151μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
実施例9
芯成分を融点163℃のポリプロピレンとし、鞘成分を融点132℃の高密度ポリエチレンとして、複合比が50:50、繊度1.7dtex、繊維長10mmの同心円芯鞘型複合繊維(大和紡績社製、商品名:NBF(H))を95部と、FBJ2を5部とを一緒に混合し、実施例1と同様の製造法を施して、坪量59.4g/m2、厚さ150μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
実施例10
芯成分を融点163℃のポリプロピレンとし、鞘成分を融点132℃の高密度ポリエチレンとして、複合比が50:50、繊度1.7dtex、繊維長10mmの同心円芯鞘型複合繊維(大和紡績社製、商品名:NBF(H))を95部と、FBJ4を5部とを一緒に混合し、実施例1と同様の製造法を施して、坪量60.0g/m2、厚さ154μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
実施例11
芯成分を融点163℃のポリプロピレンとし、鞘成分を融点132℃の高密度ポリエチレンとして、複合比が50:50、繊度1.7dtex、繊維長10mmの同心円芯鞘型複合繊維(大和紡績社製、商品名:NBF(H))を95部と、FBJ5を5部とを一緒に混合し、実施例1と同様の製造法を施して、坪量58.9g/m2、厚さ147μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
実施例12
芯成分を融点163℃のポリプロピレンとし、鞘成分を変性ポリプロピレンとして、複合比が50:50、繊度1.7dtex、繊維長10mmの同心円芯鞘型複合繊維を95部と、FBJ3を5部とを一緒に混合し、実施例1と同様の製造法を施して、坪量58.3g/m2、厚さ155μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
実施例13
芯成分を融点163℃のポリプロピレンとし、鞘成分をエチレンビニルアルコール共重合体として、複合比が50:50、繊度2.2dtex、繊維長10mmの同心円芯鞘型複合繊維の芯鞘型複合繊維(大和紡績社製、商品名:UBF)を95部と、FBJ3を5部とを一緒に混合し、実施例1と同様の製造法を施して、坪量61.2g/m2、厚さ150μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
実施例14
芯成分を融点216℃のナイロン6とし、鞘成分を融点139℃のナイロン共重合体として、複合比が50:50、繊度2.2dtex、繊維長5mmの同心円芯鞘型複合繊維の芯鞘型複合繊維を95部と、FBJ3を5部とを一緒に混合し、実施例1と同様の製造法を施して、坪量58.1g/m2、厚さ146μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
実施例15
ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長10mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)80部と、エチレン含有量が44モル%、ケン化度99.6%、繊度0.6dtex、繊維長5mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維15部と、FBJ3を5部とを一緒に混合し、実施例1と同様の製造法を施して、坪量61.3g/m2、厚さ159μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
実施例16
ジカルボン酸成分の100モル%がアジピン酸、ジアミン成分の100モル%がヘキサメチレンジアミンからなる繊度0.6dtex、繊維長5mmの脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン66、融点260℃、ガラス転移点50℃、引張強度6.0cN/dtex)80部と、エチレン含有量が44モル%、ケン化度99.6%、繊度0.6dtex、繊維長5mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維15部と、FBJ3を5部とを一緒に混合し、実施例1と同様の製造法を施して、坪量60.4g/m2、厚さ152μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
実施例17
ε―カプロラクタムからなる繊度0.6dtex、繊維長5mmの脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン6、融点220℃、ガラス転移点50℃、引張強度4.0cN/dtex)80部と、エチレン含有量が44モル%、ケン化度99.6%、繊度0.6dtex、繊維長5mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維15部と、FBJ3を5部とを一緒に混合し、実施例1と同様の製造法を施して、坪量60.6g/m2、厚さ151μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
実施例18
融点163℃のポリプロピレンからなり、繊度0.8dtex、繊維長10mm、繊維強度5.7cN/dtexのポリプロピレン繊維(大和紡績社製、商品名:PZ)80部と、エチレン含有量が44モル%、ケン化度99.6%、繊度0.6dtex、繊維長5mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維15部と、FBJ3を5部とを一緒に混合し、実施例1と同様の製造法を施して、坪量59.8g/m2、厚さ150μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
実施例19
融点163℃のポリプロピレンからなり、繊度0.8dtex、繊維長10mm、繊維強度5.7cN/dtexのポリプロピレン繊維(大和紡績社製、商品名:PZ)35部と、芯成分を融点163℃のポリプロピレンとし、鞘成分を融点132℃の高密度ポリエチレンとして、複合比が50:50、繊度1.7dtex、繊維長10mmの同心円芯鞘型複合繊維(大和紡績社製、商品名:NBF(H))を60部と、FBJ3を5部とを一緒に混合し、実施例1と同様の製造法を施して、坪量61.0g/m2、厚さ154μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
実施例20
融点163℃のポリプロピレンからなり、繊度0.8dtex、繊維長10mm、繊維強度5.7cN/dtexのポリプロピレン繊維(大和紡績社製、商品名:PZ)65部と、芯成分を融点163℃のポリプロピレンとし、鞘成分を融点132℃の高密度ポリエチレンとして、複合比が50:50、繊度1.7dtex、繊維長10mmの同心円鞘芯型複合繊維(大和紡績社製、商品名:NBF(H))を30部と、FBJ3を5部とを一緒に混合し、実施例1と同様の製造法を施して、坪量59.2g/m2、厚さ143μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
実施例21
ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長10mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)35部と、芯成分を融点163℃のポリプロピレンとし、鞘成分を融点132℃の高密度ポリエチレンとして、複合比が50:50、繊度1.7dtex、繊維長10mmの同心円芯鞘型複合繊維(大和紡績社製、商品名:NBF(H))を60部と、FBJ3を5部とを一緒に混合し、実施例1と同様の製造法を施して、坪量60.7g/m2、厚さ157μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
実施例22
第1成分をエチレンビニルアルコール共重合体とし、第2成分を融点163℃のポリプロピレンとして、複合比が50:50、繊度3.3dtex、繊維長6mmの16分割型複合短繊維(大和紡績社製、商品名:DF−2)35部と、芯成分を融点163℃のポリプロピレンとし、鞘成分を融点132℃の高密度ポリエチレンとして、複合比が50:50、繊度1.7dtex、繊維長10mmの同心円芯鞘型複合繊維(大和紡績社製、商品名:NBF(H))を60部と、FBJ3を5部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調成した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて抄き上げ、坪量60.8g/m2、幅50cmのウェブを湿式抄造した。次に、このウェブを100メッシュのステンレスワイヤーである多孔質支持体上に積層して、適度な速度で搬送し、表1のノズルヘッドを用いて、柱状水流で交絡処理を行なった。同様の条件で、裏面からも水流交絡処理を行なった。水流交絡処理後の不織布をサクションスルードライヤーを用いて130℃で乾燥を行い、続いて、ロール温度60℃でカレンダー処理を行い、さらに不織布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施して、坪量57.8g/m2、厚さ144μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
Figure 2008262809
実施例23
第1成分を融点240℃のメチルペンテン共重合体とし、第2成分を融点163℃のポリプロピレンとして、複合比が50:50、繊度2.2dtex、繊維長6mmの8分割型複合短繊維(大和紡績社製、商品名:DF−3)35部と、芯成分を融点163℃のポリプロピレンとし、鞘成分を融点132℃の高密度ポリエチレンとして、複合比が50:50、繊度1.7dtex、繊維長10mmの同心円芯鞘型複合繊維(大和紡績社製、商品名:NBF(H))を60部と、FBJ3を5部とを一緒に混合し、実施例21と同様の製造法を施して、坪量57.2g/m2、厚さ151μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
実施例24
第1成分を融点132℃の高密度ポリエチレンとし、第2成分を融点163℃のポリプロピレンとして、複合比が50:50、繊度2.2dtex、繊維長6mmの8分割型複合短繊維35部と、芯成分を融点163℃のポリプロピレンとし、鞘成分を融点132℃の高密度ポリエチレンとして、複合比が50:50、繊度1.7dtex、繊維長10mmの同心円芯鞘型複合繊維(大和紡績社製、商品名:NBF(H))を60部と、FBJ3を5部とを一緒に混合し、実施例21と同様の製造法を施して、坪量57.9g/m2、厚さ145μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
実施例25
ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.08dtex、繊維長3mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃)15部と、芯成分を融点163℃のポリプロピレンとし、鞘成分を融点132℃の高密度ポリエチレンとして、複合比が50:50、繊度1.7dtex、繊維長10mmの同心円芯鞘型複合繊維(大和紡績社製、商品名:NBF(H))を80部と、FBJ3を5部とを一緒に混合し、実施例1と同様の製造法を施して、坪量61.2g/m2、厚さ150μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
実施例26
融点163℃のポリプロピレンからなり、繊度0.08dtex、繊維長3mm、のポリプロピレン繊維15部と、芯成分を融点163℃のポリプロピレンとし、鞘成分を融点132℃の高密度ポリエチレンとして、複合比が50:50、繊度1.7dtex、繊維長10mmの同心円芯鞘型複合繊維(大和紡績社製、商品名:NBF(H))を80部と、FBJ3を5部とを一緒に混合し、実施例1と同様の製造法を施して、坪量60.8g/m2、厚さ150μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
(比較例1)
芯成分を融点163℃のポリプロピレンとし、鞘成分を融点132℃の高密度ポリエチレンとして、複合比が50:50、繊度1.7dtex、繊維長10mmの同心円芯鞘型複合繊維(大和紡績社製、商品名:NBF(H))を95部と、ミクロフィブリル化セルロース(ダイセル化学工業社製、商品名:セリッシュ KY−100S、固形分25質量%)を5部とを一緒に混合し、実施例1と同様の製造法を施して、坪量58.0g/m2、厚さ145μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
(比較例2)
芯成分を融点163℃のポリプロピレンとし、鞘成分を融点132℃の高密度ポリエチレンとして、複合比が50:50、繊度1.7dtex、繊維長10mmの同心円芯鞘型複合繊維(大和紡績社製、商品名:NBF(H))を95部と、BC1を5部とを一緒に混合し、実施例1と同様の製造法を施して、坪量57.3g/m2、厚さ148μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
(比較例3)
芯成分を融点163℃のポリプロピレンとし、鞘成分を融点132℃の高密度ポリエチレンとして、複合比が50:50、繊度1.7dtex、繊維長10mmの同心円芯鞘型複合繊維(大和紡績社製、商品名:NBF(H))を100部、実施例1と同様の製造法を施して、坪量59.7g/m2、厚さ154μmの不織布を製造し、アルカリ二次電池用セパレータとした。
<評価>
実施例および比較例で得られたアルカリ二次電池用セパレータについて、下記の評価を行い、結果を表2に示した。
[通気度]
150mm×150mmの試料を、JIS L−1096に従い、フラジール型通気度試験機を用いて、試験片を通過する空気量を5回測定し、その平均値を示した。
[加圧保液量]
50mm×100mm(0.005m2)のセパレータ試料を20℃、31%KOH水溶液に5分間浸漬し、取り出した試料を吊るして30秒間液切りした後、100mm×150mmのろ紙(ADVANTEC社製No.26)に挟んだ状態で実験台に置き、約15kgの真鍮製ロールで10回プレスした。処理前の試験片の質量をW0(g)、処理後の質量をW1(g)とし、それぞれを測定し、次の式(1)により加圧保液量(g/m2)を求めた。
加圧保液量(g/m2)=(W1−W0)/0.005 (1)
[電池寿命試験]
電極の集電体として、発泡ニッケル基材を用いたペースト式水酸化ニッケル正極(40mm幅)と、ニッケルメッキパンチングメタル基材を用いた焼結式カドミウム負極(40mm幅)を1枚ずつ用い、これらの電極の間に、43mm幅の上記の実施例のアルカリ二次電池用セパレータまたは比較例のアルカリ二次電池用セパレータを介在させて、それぞれ電池構成機を用いて巻き取り、渦巻状電極群を作製した。該渦巻状電極群を円筒形の金属ケースに収納した後、1N水酸化リチウムを含む7N水酸化カリウム水溶液を主体とするアルカリ電解液を注入し、安全弁付きの封印蓋を取り付けて、公称容量が0.7Ahの単3形密閉式ニッケルカドミウム電池を20個作製した。電池の化成を行うために、25℃において、0.1Cで15時間充電し、1Cの電流で端子電圧が0.8Vになるまで放電するという充放電を4回繰り返した。
化成済みの残り10個の電池について、40℃において、0.2Cの電流で7時間充電し、1Cの電流で端末電圧が1.0Vになるまで放電するという充放電サイクルを繰り返し、電池の寿命を評価した。100サイクル未満を×、100サイクル以上300サイクル未満を△、300サイクル以上を○で表した。
Figure 2008262809
実施例で得られたアルカリ二次電池用セパレータは、熱可塑性繊維および柔細胞繊維を含有する不織布からなり、十分なガス透過性と高い加圧保液性を有するという良好な結果が得られた。また、実施例で得られたアルカリ二次電池用セパレータを用いたアルカリ二次電池は、電池寿命試験において、充放電サイクルを多回数繰り返すことができた。
一方、比較例1と2で得られたアルカリ二次電池用セパレータは、柔細胞繊維の代わりにミクロフィブリル化セルロースまたはバクテリアセルロースを配合しているが、不織布製造時にこれらセルロースの脱落が発生した。実施例のアルカリ二次電池用セパレータと比べて、比較例1で得られたアルカリ二次電池用セパレータは、通気度の増大と加圧保液性の低下が確認され、電池寿命試験では、寿命の低下が確認された。電池寿命試験終了後のアルカリ二次電池を分解したところ、正極と負極との間で短絡が起きていることが確認された。
実施例2、6〜11を比較すると、柔細胞繊維の懸濁安定性が50%以上である実施例2、8〜11では、加圧保液性が高く、電池寿命の長いアルカリ二次電池用セパレータとなった。
実施例1〜5、比較例3を比較すると、柔細胞繊維の含有量が不織布の0.1〜30質量%である実施例1〜4では、電池寿命試験では、300サイクル以上を達成した。柔細胞繊維の含有量が30質量%を超えている実施例5では、通気性が低下する傾向にあり、電池寿命が短くなっていた。これは、過充電時に正極側から発生する酸素ガスを速やかに負極側へ透過させることができなくなって、電池内圧上昇が起きたためと考えられる。また、柔細胞繊維の一部が分解する副反応が起こり、電池寿命が短くなったとも考えられる。
本発明のアルカリ二次電池用セパレータは、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−鉄電池、亜鉛−空気電池、ニッケル−水素電池等のアルカリ二次電池に好適に使用できる。

Claims (2)

  1. 熱可塑性繊維を主成分とする不織布からなるアルカリ二次電池用セパレータにおいて、該不織布が植物の柔細胞から得られた繊維を含有することを特徴とするアルカリ二次電池用セパレータ。
  2. 植物の柔細胞から得られた繊維が、懸濁安定性が50%以上にフィブリル化されている請求項1記載のアルカリ二次電池用セパレータ。
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JP2011165360A (ja) * 2010-02-05 2011-08-25 Mitsubishi Paper Mills Ltd 電池用セパレータ
JP2016072162A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 旭化成イーマテリアルズ株式会社 蓄電デバイス用セパレータ

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