JP2011164363A - 光学シート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性が高く、適度な弾性を有するとともに、成形性及び生産性にも優れる光学シートを提供する。
【解決手段】光学シートをウレタン(メタ)アクリレートを含む重合性組成物の硬化物で構成する。前記硬化物は、電子線を照射して得られた光硬化物であり、実質的に重合開始剤を含有しない硬化物であってもよい。前記ウレタン(メタ)アクリレートは2〜3官能のポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。前記重合性組成物は、さらにポリC3−4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。本発明の光学シートは、導光シート又は反射シートとして適している。
【選択図】なし

Description

本発明は、電気・電子機器又は光学機器の導光シートなどに利用される光学シート及びその製造方法に関する。
近年の光学・電子機器の小型化や高度化に伴って、導光シート又はフィルム(又は導光板)などの光学シートは、用途に応じて、種々の特性が要求され、例えば、携帯電話などに用いられる導光シートでは、手などで押圧されて撓むための弾力性及び柔軟性が要求される。さらに、携帯電話などのモバイル機器では、夜間や暗所において端末を使用するための照光式キーが採用されている。
例えば、近年の薄型化された携帯電話の照光式キーのスイッチ構造は、図1に示すように、薄型化のために操作面の側部からLED光源6などで照光するタイプも開発されている。このスイッチ構造の内部では、フレキシブルプリント配線板5の上に、金属などで構成されたバネ部材であるクリックドーム4が形成され、このクリックドーム4の上に、前記光源6からの光を案内するための導光シート3が形成されている。さらに、前記導光シート3の上には、照光式キーの操作盤(操作面)として、エンボス加工されたキートップシート1とキーマットシート2とが積層されており、キートップシート1の表面をクリックすることにより、キートップシート1の裏面に積層されたキーマットシート2が導光シート3と接触してクリックドーム4が押圧される構造となっている。すなわち、このスイッチ構造では、キートップシート1、キーマットシート2及び導光シート3は、クリックにより撓む必要がある。さらに、光源6からの光は、導光シート3により案内されて、キーマットシート2及びキートップシート1を通過するため、これらのシートには透明性が要求される。
このような用途に使用される光学シートとして、特開平8−112822号公報(特許文献1)には、絞り加工を施したポリエチレンテレフタレートからなる薄肉部およびベース部と、ショアD硬度が40度以上である高硬度樹脂からなるキートップ部を一体化してなる押釦スイッチ用カバー部材が開示されている。この文献には、高硬度樹脂は、シリコーン系、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系、PET系などの一般的な樹脂から選択すればよいと記載されている。
また、特開平10−172379号公報(特許文献2)には、モールドにより成形された熱可塑性物からなるキートップ本体の上面側に、同形状に湾曲させた表示部を印刷したフィルムが一体形成されてなる押し釦スイッチのシート状キートップにおいて、フィルムが2層以上の複層弾性フィルムであり、その複層弾性フィルムのキートップ本体側に表示部が印刷されて表示部印刷層が形成されてなるシート状キートップ構造が開示されている。この文献には、各種の熱可塑性エラストマーで構成された弾性フィルムと、各種の硬質熱可塑性樹脂で構成された基材とを積層させた複層弾性フィルムが開示されており、実施例では、ポリエステル系熱可塑性エラストマーフィルムの両面にナイロンをラミネートしたキートップシートが記載されている。
しかし、これらのシートでは、柔軟性、透明性、耐久性(耐熱性、耐候性、耐水性など)、成形性の両立が困難である。例えば、キートップシートとして汎用されているシリコーン系樹脂やウレタン系樹脂では、シリコーン系樹脂で構成されたシートは成形性や透明性が低く、ウレタン系樹脂で構成されたシートは耐熱性、耐水性、耐加水分解性、成形性が充分でない。さらに、熱可塑性プラスチック又はエラストマーでは、耐熱性及び透明性が充分でない上に、押出加工により成形されるため、薄肉のフィルムや表面が平滑なフィルムの製造が困難である。
一方、熱硬化性樹脂で構成されたシートとして、特開2008−62217号公報(特許文献3)には、基材上に放射線硬化性シリコーン化合物を含む放射線硬化性塗料を塗布して塗膜を形成する工程と、塗膜の表面をシリコーン処理面を有する剥離基材でシリコーン処理面が塗膜に接するように覆う工程と、剥離基材で覆われた塗膜に放射線を照射し、塗膜を硬化させる工程と、硬化塗膜から剥離基材を剥離する工程とを有する硬化塗膜の形成方法が開示されている。この文献には、放射線硬化性シリコーン化合物として、シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレートが記載されている。さらに、得られた硬化膜は、耐汚染性、耐摩耗性、透明性を要求される物品、例えば、壁紙;家具、浴室、台所、家電製品(エアコン、テレビ、冷蔵庫等)の化粧シート又は化粧材;自動車用の内装材;光ディスク等の保護層;ディスプレイ(液晶ディスプレイなど)の保護フィルムとして利用されることが記載されている。
特開平8−112822号公報(請求項1、段落[0012]) 特開平10−172379号公報(請求項1〜3、段落[0012]、実施例) 特開2008−62217号公報(特許請求の範囲、段落[0029][0058])
従って、本発明の目的は、透明性が高く、適度な弾性を有するとともに、成形性及び加工性にも優れる光学シート及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、耐熱性や耐候性(難黄変性)などの耐久性に優れる光学シート及びその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、吸湿安定性に優れるとともに、高い柔軟性を有する光学シート及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、光学シートをウレタン(メタ)アクリレートを含む重合性組成物の硬化物で構成すると、透明性が高く、適度な弾性を有するとともに、成形性及び加工性にも優れることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の光学シートは、ウレタン(メタ)アクリレートを含む重合性組成物の硬化物で構成されている。前記ウレタン(メタ)アクリレートはポリエステル型又はポリエーテル型ウレタン(メタ)アクリレート(特に2〜3官能のポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレート)であってもよい。また、前記ウレタン(メタ)アクリレートは、2〜3官能のポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレートに加えて、さらに4〜8官能のポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。前記ウレタン(メタ)アクリレートのガラス転移温度は−20℃〜100℃(特に−20℃〜40℃)程度であってもよい。前記重合性組成物は、さらにポリC3−4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを含む重合性ビニル系成分を含んでいてもよい。前記ポリC3−4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートは、オキシC3−4アルキレン単位の平均繰り返し数が5〜9モルであるポリC3−4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。前記ウレタン(メタ)アクリレートと重合性ビニル系成分との割合(重量比)は、前者/後者=90/10〜10/90程度である。なお、本発明では、重合成分として、ウレタン(メタ)アクリレートに加えて重合性ビニル系成分を含んでいてもよいが、ウレタン(メタ)アクリレート単独であってもよい。特に、前記ポリC3−4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートが、オキシC3−4アルキレン単位の平均繰り返し数が2〜4モルであるポリC3−4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを含む場合、ウレタン(メタ)アクリレートとこのポリC3−4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとの割合(重量比)は、前者/後者=90/10〜70/30程度であってもよい。前記重合性組成物の硬化物のガラス転移温度は−20℃〜10℃程度であってもよい。前記重合性組成物の硬化物は、光硬化物(特に、電子線を照射して得られた光硬化物であり、実質的に重合開始剤を含有しない硬化物)であってもよい。本発明の光学シートは、引張弾性率40〜230MPa程度であってもよい。本発明の光学シートは、ヘーズが5%以下であり、全光線透過率90%以上であってもよい。本発明の光学シートは、導光シート又は反射シートとして利用できる。
本発明には、基材の上に重合性組成物を塗布する塗布工程、塗布された重合性組成物に活性エネルギー線を照射して硬化する硬化工程、及び重合性組成物の硬化物を前記基材から剥離する剥離工程を含む前記光学シートの製造方法も含まれる。
本発明では、光学シートがウレタン(メタ)アクリレートを含む重合性組成物の硬化物で構成されているため、透明性が高く、適度な弾性を有するとともに、成形性及び生産性にも優れている。また、耐熱性や耐候性などの耐久性に優れている。さらに、ウレタン(メタ)アクリレートとして、2〜3官能のポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレートを含むウレタン(メタ)アクリレートを用いると、吸湿安定性に優れると共に、柔軟性も向上できる。
図1は、薄型化された携帯電話の照光式キーのスイッチ構造を示す概略図である。 図2は、実施例9で得られた光学シートの動的粘弾性と温度との関係を示すグラフである。 図3は、実施例10で得られた光学シートの動的粘弾性と温度との関係を示すグラフである。 図4は、比較例1で得られた光学シートの動的粘弾性と温度との関係を示すグラフである。
[光学シート]
本発明の光学シートは、ウレタン(メタ)アクリレートを含む重合性組成物の硬化物で構成されている。重合性組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートを必須成分として含んでいればよく、さらに重合性ビニル系成分などを含んでいてもよい。
(ウレタン(メタ)アクリレート)
ウレタン(メタ)アクリレートは、ポリイソシアネート類[又はポリイソシアネート類とポリオール類との反応により生成し、遊離のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー]に活性水素原子を有する(メタ)アクリレート[例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなど]を反応させることにより得られたウレタン(メタ)アクリレートで構成されている。
ポリイソシアネート類としては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する限り特に制限されず、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、複素環式ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートの誘導体などが挙げられる。これらのうち、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、ポリイソシアネートの誘導体などを用いる場合が多い。
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、ジイソシアネート[例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)などのC2−16アルカンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、リジンジイソシアネート(LDI)など]、分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(例えば、リジンエステルトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネートメチルオクタンなどのC6−20アルカントリイソシアネートなど)などが挙げられる。
前記脂環族ポリイソシアネートとしては、ジイソシアネート(例えば、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、水添キシリレンジイソシアネート、水添ビス(イソシアナトフェニル)メタン、ノルボルナンジイソシアネートなど)、分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(例えば、1,3,5−トリメチルイソシアナトシクロヘキサン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンなどのトリイソシアネートなど)などが挙げられる。
前記芳香族ポリイソシアネートとしては、ジイソシアネート(例えば、フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−トルイジンジイソシアネート(TODI)、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトフェニル)プロパンなど)、分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(例えば、1,3,5−トリイソシアナトメチルベンゼン、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネートなどのトリイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどのテトライソシアネートなど)などが挙げられる。
ポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、前記ポリイソシアネートのダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート、炭酸ガスと上記ポリイソシアネート単量体との重合物である2,4,6−オキサジアジントリオン環を有するポリイソシアネート、カルボジイミド、ウレットジオンなどが挙げられる。
これらのポリイソシアネート類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのポリイソシアネート類のうち、HDIなどの脂肪族ジイソシアネート、IPDI、水添XDIなどの脂環族ジイソシアネート、XDIなどの芳香脂肪族ジイソシアネート、TDI、MDI、NDIなどの芳香族ジイソシアネートなどを用いる場合が多く、高い耐候性が要求される場合には、非芳香族ポリイソシアネート、例えば、HDIなどの脂肪族ジイソシアネート、IPDI、水添XDIなどの脂環族ジイソシアネートなどの無黄変タイプのジイソシアネート又はその誘導体(イソシアヌレート環を有するトリマーなど)を用いてもよい。
前記ポリオール類としては、例えば、脂肪族ジオール[アルカンジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレンエーテルグリコール、1,3−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールなどのC2−10アルカンジオール)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなど]、脂環族ジオール(1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのシクロアルカンジオール類、水添ビスフェノールAなどの水添ビスフェノール類、又はこれらのC2−4アルキレンオキサイド付加体など)、芳香族ジオール(キシリレングリコールなどの芳香脂肪族ジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなどのビスフェノール類、又はこれらのC2−4アルキレンオキサイド付加体など)などのジオール類、トリオール類(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリエタノールアミンなど)、テトラオール類(ペンタエリスリトール、ソルビタン又はこれらの誘導体など)、ヘキサオール類(ジペンタエリスリトール類など)、ポリマーポリオール類などが挙げられる。
前記ポリマーポリオール類には、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルアミドポリオール、アクリル系ポリマーポリオールなどのポリマーポリオールなどが含まれる。
前記ポリエステルポリオールは、例えば、ポリカルボン酸(又はその無水物)とポリオールとの反応生成物、開始剤に対してラクトン類を開環付加重合させた反応生成物であってもよい。
ポリカルボン酸としては、ジカルボン酸類[例えば、芳香族ジカルボン酸又はその無水物(テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸など)、脂環族ジカルボン酸又はその無水物(テトラヒドロ無水フタル酸、無水ヘット酸、無水ハイミック酸など)、脂肪族ジカルボン酸又はその無水物(コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などのC4−20アルカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸など)など]、多価カルボン酸類(例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸など)、又はこれらのカルボン酸類のアルキルエステルなどが例示できる。これらのポリカルボン酸のうち、脂肪族ジカルボン酸又はその無水物(アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などのC6−20アルカンジカルボン酸など)が好ましい。これらのポリカルボン酸は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ポリオールとしては、前記脂肪族ジオール、前記脂環族ジオール、前記芳香族ジオールなどが挙げられる。これらのポリオールは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ラクトン類としては、例えば、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、エナントラクトン(7−ヒドロキシヘプタン酸ラクトン)などのC3−10ラクトンなどが挙げられる。これらのラクトン類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのラクトン類のうち、バレロラクトンやカプロラクトンなどのC4−8ラクトンが好ましい。
ラクトン類に対する開始剤としては、例えば、水、オキシラン化合物(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフランなどのC2−6アルキレンオキシドなど)の単独又は共重合体[例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)など]、低分子量ポリオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサメチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールAなど)、アミノ基を有する化合物(例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミンなどのジアミン化合物、ジエチレントリアミンなどのポリアミン化合物など)などが挙げられる。これらの開始剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、前記オキシラン化合物の開環重合体(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのポリC2−4アルキレングリコールなど)などが挙げられる。
前記ポリエーテルエステルポリオールとしては、例えば、前記ジカルボン酸(芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸など)又はこれらのジアルキルエステルと、前記ポリエーテルポリオールとの重合物であるポリエーテルエステルポリオールなどが挙げられる。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、グリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルカンジオール;ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの(ポリ)オキシアルキレングリコール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環族ジオール;ビスフェノールAなどのビスフェノール類、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加体などの芳香族ジオールから選択された一種又は二種以上のグリコール)とカーボネート(ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、ジフェニルカーボネートなど)又はホスゲンなどとの重合体などが挙げられる。
前記ポリエステルアミドポリオールとしては、前記ポリエステルポリオールの反応(ジカルボン酸とジオールとの重合など)において、末端カルボキシル基含有ポリエステルとジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアミノ基を有する脂肪族ジアミンなど)とを反応成分とするポリエステルアミドポリオールなどが挙げられる。
前記アクリルポリオールとしては、ヒドロキシル基を有する重合性単量体(例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなど)と、ヒドロキシル基を含まない(メタ)アクリル系単量体(例えば、(メタ)アクリル酸、又はそのエステル)との重合物であるアクリルポリオールなどが挙げられる。
これらのポリオール類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのポリオール類のうち、柔軟性及び汎用性などの点から、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオールが好ましい。なかでも、柔軟性などの点から、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールが好ましく、吸湿安定性に優れる点から、ポリエステルポリオールが特に好ましい。
ポリウレタンプレポリマーとしては、例えば、前記ポリイソシアネート類の多量体、前記ポリイソシアネート類のビュレット変性多量体、前記ポリイソシアネート類と前記ポリオール類とのアダクト体、前記ポリオール類に対して過剰量の前記ポリイソシアネート類を反応させて得られたポリウレタンプレポリマーなどが挙げられる。これらのプレポリマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
好ましいポリウレタンプレポリマーは、例えば、前記ポリイソシアネート類の多量体(三量体、五量体、七量体など)、前記ポリイソシアネート類のビュレット多量体(ビュレット変性体)、前記ポリイソシアネート類とポリオール類(グリセリン、トリメチロールプロパンなどのトリオール類)とのアダクト体、前記ジイソシアネートとポリエステルポリオールとのポリウレタンプレポリマー、前記ジイソシアネートとポリエーテルポリオールとのポリウレタンプレポリマー、特に、前記ジイソシアネートとポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールとのポリウレタンプレポリマーなどが好ましい。
活性水素原子を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシC2−6アルキル(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、プロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのC2−6アルカングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルコキシC2−6アルキル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートの1分子中における(メタ)アクリロイル基の数は、1〜10個程度の範囲から選択でき、例えば、2〜8個、好ましくは2〜6個、さらに好ましくは2〜4個(特に2〜3個)程度である。
特に、ウレタン(メタ)アクリレートは、光学シートの柔軟性を向上させる点から、2〜3官能のポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。さらに、ウレタン(メタ)アクリレートは、光学シートの柔軟性と機械的強度とを両立させる点から、2〜3官能(特に2官能)のポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレートと4〜8官能(好ましくは5〜8可能、さらに好ましくは6官能)のポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレートとを組み合わせてもよい。例えば、光学シートの柔軟性と機械的強度とのバランスを調整するために、両者の割合(重量比)を、2〜3官能のポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレート/4〜8官能のポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレート=50/50〜90/10程度の範囲から選択してもよい。
さらに、光学シートの中でも、携帯電話の導光シートなど、高い柔軟性が要求される用途では、通常、2個の(メタ)アクリロイル基を有する2官能ウレタン(メタ)アクリレートが使用され、3官能以上の多官能(メタ)アクリレートの割合は、ウレタン(メタ)アクリレート全体に対して、例えば、50モル%以下、好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下程度である。
ウレタン(メタ)アクリレートのガラス転移温度(Tg)は、最終物である重合性組成物のガラス転移温度が所定の範囲になればよく、他の重合成分の存在によっても変わるが、例えば、−30℃〜100℃(例えば、−20℃〜100℃)程度の範囲から選択でき、例えば、−20℃〜90℃、好ましくは−20℃〜80℃、さらに好ましくは−20℃〜70℃(特に−20℃〜40℃)程度である。なお、Tgは、実施例で記載された方法で測定できる。
本発明のウレタン(メタ)アクリレートは、ポリイソシアネート類と活性水素原子を有する(メタ)アクリレートとを、通常、イソシアネート基と活性水素原子が略当量となる割合(イソシアネート基/活性水素原子=0.8/1〜1.2/1程度)で組み合わせて製造される。なお、これらのウレタン(メタ)アクリレートの製造方法について、特開2008−74891号公報などを参照できる。3官能以上の多官能ウレタン(メタ)アクリレートは、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどのポリオール類を利用して得られたウレタン(メタ)アクリレートであってもよい。
ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)において、ポリスチレン換算で、500〜10000、好ましくは600〜9000、さらに好ましくは700〜8000程度であってもよい。
(重合性ビニル系成分)
重合性ビニル系成分としては、主として、重合性組成物の軟性(ガラス転移温度)を制御するために配合され、α,β−エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(硬化性化合物)である限り、特に限定されない。α,β−エチレン性不飽和二重結合[特に(メタ)アクリロイル基]の数は、1分子中に1以上(例えば、1〜20、好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜10程度)であってもよい。
ビニル系成分は、モノマーであっても、オリゴマー(又はプレポリマー)であってもよく、モノマー及びオリゴマーを組み合わせて使用してもよい。
ビニル系モノマーには、単官能ビニル系モノマー[単官能(メタ)アクリレート(又はモノ(メタ)アクリレート)類など]、二官能ビニル系モノマー[二官能(メタ)アクリレート(又はジ(メタ)アクリレート)類など]、3官能以上のビニル系モノマー[3官能以上の多官能(メタ)アクリレート(又はポリ(メタ)アクリレート)類など]が含まれる。
単官能ビニル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのC1−24アルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート;ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートなどの橋架け環式(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレートなどのアリール(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレートなどのアラルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシC2−10アルキル(メタ)アクリレート又はC2−10アルカンジオールモノ(メタ)アクリレート;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレートなどのフルオロC1−10アルキル(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどのアリールオキシアルキル(メタ)アクリレート;フェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのアリールオキシ(ポリ)アルコキシアルキル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;グリセリンモノ(メタ)アクリレートなどのアルカンポリオールモノ(メタ)アクリレート;2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基を有する(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレートなどが例示できる。
二官能ビニル系モノマーとしては、例えば、アリル(メタ)アクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどのアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;グリセリンジ(メタ)アクリレートなどのアルカンポリオールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンなどのビスフェノール類(ビスフェノールA、Sなど)のC2−4アルキレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート;脂肪酸変性ペンタエリスリトールなどの酸変性アルカンポリオールのジ(メタ)アクリレート;トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートなどの橋架け環式ジ(メタ)アクリレートなどが例示できる。
多官能ビニル系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどのアルカンポリオール(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパン、グリセリンなどのアルカンポリオールのC2−4アルキレンオキサイド付加体のトリ(メタ)アクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレートなどのトリアジン環を有するトリ(メタ)アクリレートなどが例示できる。
これらのモノマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ビニル系オリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート[例えば、多価カルボン酸とポリオールと(メタ)アクリル酸及び/又はヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの反応により生成するポリエステル(メタ)アクリレートなど];アルキド樹脂;エポキシ(メタ)アクリレート[例えば、複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物(多価アルコール型、多価カルボン酸型、ビスフェノールA、F、Sなどのビスフェノール型、ノボラック型などのエポキシ樹脂)に(メタ)アクリル酸が開環付加したエポキシ(メタ)アクリレートなど];ポリアクリル(メタ)アクリレート[例えば、(メタ)アクリル系単量体とグリシジル(メタ)アクリレートとの共重合体に(メタ)アクリル酸をエポキシ基に開環付加したポリアクリル(メタ)アクリレートなど];ポリエーテル(メタ)アクリレート;ポリブタジエン系(メタ)アクリレート;メラミン(メタ)アクリレート;ポリアセタール(メタ)アクリレートなどが例示できる。これらのオリゴマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのビニル系成分のうち、二官能ビニル系モノマー、例えば、(ポリ)C2−6アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが汎用される。さらに、(ポリ)C2−6アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの中でも、柔軟性などの点から、ポリC2−6アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましく、柔軟性に加えて、皮膚刺激性も少ない点から、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリC3−4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。オキシC3−4アルキレン単位の平均繰り返し数は、分子1分子当たり1.2〜30モル程度の範囲から選択でき、例えば、1.5〜20モル、好ましくは2〜15モル、さらに好ましくは3〜10モル(特に5〜9モル)程度であってもよい。
ウレタン(メタ)アクリレートと、ビニル系重合成分(例えば、ポリC3−4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート)との割合(重量比)は、目的の軟性(ガラス転移温度)などに応じて、前者/後者=100/0〜1/99程度の範囲から選択でき、例えば、前者/後者=100/0〜10/90(例えば、99/1〜10/90)、好ましくは95/5〜20/80、さらに好ましくは90/10〜30/70(特に80/20〜50/50)程度であってもよい。なお、本発明では、重合成分がウレタン(メタ)アクリレートのみで構成されていてもよい。
さらに、2〜3官能(特には2官能)のポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレートを用いた場合でも、ウレタン(メタ)アクリレートの分子構造によっては、機械的強度が不足する場合があるが、この場合には、ポリC3−4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート[特に、オキシC3−4アルキレン単位の平均繰り返し数が5〜9モルであるポリC3−4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート]と組み合わせることにより、柔軟性を保持しながら、機械的強度を改善できる。
また、ウレタン(メタ)アクリレートと、ポリC3−4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとを混合したシートの強度が不足する場合には、オキシC3−4アルキレン単位の平均繰り返し数が2〜4モルであるポリC3−4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを用いることにより、強度を改良できる。ウレタン(メタ)アクリレートと、オキシC3−4アルキレン単位の平均繰り返し数が2〜4モルであるポリC3−4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとの割合は、例えば、前者/後者=90/10〜70/30、好ましくは85/15〜75/25程度である。
(重合開始剤)
重合性組成物には、重合開始剤が含まれていてもよい。重合開始剤は、熱重合開始剤(ベンゾイルパーオキサイドなどの過酸化物などの熱ラジカル発生剤)であってもよく、光重合開始剤(光ラジカル発生剤)であってもよい。好ましい重合開始剤は、光重合開始剤である。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン類(ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類など)、フェニルケトン類[例えば、アセトフェノン類(例えば、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノンなど)、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノンなどのアルキルフェニルケトン類;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのシクロアルキルフェニルケトン類など]、アミノアセトフェノン類{2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノアミノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1など}、アントラキノン類(アントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンなど)、チオキサントン類(2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなど)、ケタール類(アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなど)、ベンゾフェノン類(ベンゾフェノンなど)、キサントン類、ホスフィンオキサイド類(例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなど)などが例示できる。これらの光重合開始剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
重合開始剤の割合は、重合成分(ウレタン(メタ)アクリレート及び重合性ビニル系成分の合計)100重量部に対して0.1重量部〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部、さらに好ましくは1〜10重量部(特に3〜8重量部)程度であってもよい。
なお、光重合開始剤は、光増感剤と組み合わせてもよい。光増感剤としては、慣用の成分、例えば、第3級アミン類[例えば、トリアルキルアミン、トリアルカノールアミン(トリエタノールアミンなど)、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸アミルなどのジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーズケトン)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンなどのビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノンなど]、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類、N,N−ジメチルトルイジンなどのトルイジン類、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどのアントラセン類などが挙げられる。光増感剤は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。
光増感剤の割合は、前記光重合開始剤100重量部に対して、例えば、0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜80重量部、さらに好ましくは1〜50重量部程度であってもよい。
重合開始剤(特に光重合開始剤及び光増感剤)は、電子線を照射して重合性組成物を硬化する場合には、実質的に含有しないのが好ましい。重合開始剤を含有しない場合、耐候性、特に、長期間の使用に対する難黄変性が向上する。
重合性組成物は、柔軟性や透明性を損なわない範囲で、重合開始剤以外にも、慣用の添加剤、例えば、酸化防止剤、熱安定剤などの安定化剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤などを含有していてもよい。
さらに、重合性組成物は、有機溶媒、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサンなど)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(ベンゼンなど)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタンなど)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチルなど)、水、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなど)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブなど)、セロソルブアセテート類、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)などを含有していてもよい。
(光学シートの特性及び製造方法)
本発明の光学シートは、基材の上に前記重合性組成物を塗布する塗布工程、塗布された重合性組成物に活性エネルギー線を照射して硬化する硬化工程、及び重合性組成物の硬化物を前記基材から剥離する剥離工程を経て製造される。
塗布工程において、基材としては、硬化物の表面を平滑に形成できれば特に限定されず、平滑な表面を有し、かつ剥離性が高いシート、例えば、プラスチックシート(例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系シート、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系シート、ポリスチレンなどのスチレン系シート、ポリアミド6やポリアミド66などのポリアミドシート、ビスフェノールA型ポリカーボネートなどのポリカーボネート系シートなど)、離型紙(例えば、シリコーン化合物などの離型剤で表面処理された紙又は前記プラスチックシートなど)などであってもよい。これらの基材のうち、簡便に光学シートの表面平滑性を向上できる点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系シート、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系シートなどが汎用される。
重合性組成物の塗布方法としては、慣用の方法、例えば、ロールコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、リバースコーター、バーコーター、コンマコーター、ディップ・スクイズコーター、ダイコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、シルクスクリーンコーター法、ディップ法、スプレー法、スピナー法などが挙げられる。これらの方法のうち、バーコーター法やグラビアコーター法などが汎用される。
重合性組成物が有機溶媒を含有する場合など、塗布後は、必要に応じて乾燥を行ってもよい。乾燥は、例えば、50〜150℃、好ましくは60〜140℃、さらに好ましくは70〜130℃程度の温度で行ってもよい。
硬化工程において、重合性組成物は、重合開始剤の種類に応じて加熱して硬化させてもよいが、通常、活性エネルギー線を照射することにより硬化できる。活性エネルギー線として、熱及び/又は光エネルギー線を利用でき、特に光エネルギー線を利用するのが有用である。光エネルギー線としては、放射線(ガンマー線、X線など)、紫外線、可視光線、電子線(EB)などが利用でき、通常、紫外線、電子線である場合が多い。特に、重合開始剤を使用せずに重合ができ、高い耐候性を有するシートを製造する場合には、電子線で照射してもよい。
光源としては、例えば、紫外線の場合は、Deep UV ランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、レーザー光源(ヘリウム−カドミウムレーザー、エキシマレーザーなどの光源)などを用いることができる。照射光量(照射エネルギー)は、塗膜の厚みにより異なるが、例えば、50〜10000mJ/cm、好ましくは70〜7000mJ/cm、さらに好ましくは100〜5000mJ/cm程度であってもよい。
電子線の場合は、電子線照射装置などの露光源によって、電子線を照射する方法が利用できる。照射量(線量)は、塗膜の厚みにより異なるが、例えば、1〜200kGy(グレイ)、好ましくは5〜150kGy、さらに好ましくは10〜100kGy(特に20〜80kGy)程度である。加速電圧は、例えば、10〜1000kV、好ましくは50〜500kV、さらに好ましくは100〜300kV程度である。
なお、活性エネルギー線(特に電子線)の照射は、必要であれば、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなど)雰囲気中で行ってもよい。
剥離工程では、基材から重合性組成物の硬化物が剥離されるが、基材として表面が平滑なシートを使用することにより、容易に表面が平滑な硬化物を得ることができる。
得られた重合性組成物の硬化物(光学シート)のガラス転移温度(Tg)は、最終物である重合性組成物のガラス転移温度が所定の範囲になればよく、他の重合成分の存在によっても変わるが、例えば、−30℃〜40℃程度の範囲から選択でき、例えば、−30℃〜30℃、好ましくは−30℃〜20℃(−30℃〜10℃)、さらに好ましくは−20℃〜10℃(特に−10℃〜5℃)程度である。ガラス転移温度が20℃近辺よりも低温側にある場合、すなわち使用する温度よりも低温側にある場合には、使用温度域で柔軟性がより柔らかくなり、かつこの物性が安定する。
光学シートの引張弾性率は、JIS K 7113に準拠して、例えば、10〜1500MPa(例えば、20〜1000MPa)程度の範囲から選択でき、例えば、30〜500MPa、好ましくは40〜230MPa、さらに好ましくは50〜220MPa(特に60〜180MPa)程度である。
光学シートは、高い透明性を有しており、JIS K7361−1に準拠して測定した全光線透過率が、例えば、80%以上(例えば、80〜100%)、好ましくは85%以上(例えば、85〜99%)、さらに好ましくは90%以上(例えば、90〜98%)程度である。JIS K7361−1に準拠して測定したヘーズは、例えば、5%以下(例えば、0.1〜5%)、好ましくは3%以下(例えば、0.2〜3%)、さらに好ましくは2.5%以下(例えば、0.5〜2.5%)程度である。
光学シートは色味も少なく、JIS K7105に準拠した透過モードで測定したb*値は、例えば、1以下(例えば、0.01〜1)、好ましくは0.8以下(例えば、0.03〜0.8)、さらに好ましくは0.5以下(例えば、0.1〜0.5)程度である。さらに、本発明の光学シートは耐候性にも優れており、長期間に亘り、過酷な条件で紫外線などに照射されても黄変が抑制される。例えば、ウェザーメーター(スガ試験機(株)製、スーパーキセノンウェザーメーター、「SX2−75」)を用いて、JIS K7350−2に準拠した暴露試験を行った後のb*値は、例えば、3以下(例えば、0.05〜3)、好ましくは2以下(例えば、0.1〜2)、さらに好ましくは1.5以下(例えば、0.3〜1.5)程度である。
光学シートの厚みは、用途に応じて選択でき、例えば、1〜500μm程度の範囲から選択でき、例えば、3〜300μm、好ましくは5〜200μm、さらに好ましくは10〜100μm(特に20〜100μm)程度である。
本発明の光学シートは、表面処理が施されていてもよい。表面処理には、耐熱性などの各種特性を付与するための表面コーティングの他、印刷処理(スクリーン印刷やスプレー印刷などの熱又は活性エネルギー線を用いた印刷処理など)などが含まれる。さらに、本発明の光学シートは、打ち抜き加工や切断加工などにより二次成形してもよく、他のプラスチックシートと(必要に応じて接着層を介して)積層してもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、得られた光学シートの引張試験、動的粘弾性、全光線透過率及びヘーズ、色相及び耐候性は、以下の方法で測定した。
(引張試験)
得られたシートを用いて、JIS K 7113に準拠し、7号形ダンベル試験片に打ち抜き、温度25℃、湿度50%RHの試験環境にて、引張圧縮試験機(オリエンテック(株)製、テンシロンUCT−5T)を用い、引張り速度2mm/分の条件で測定した応力−ひずみ曲線を得た。得られた応力−ひずみ曲線から、弾性率を求めた。
(動的粘弾性)
得られたシートについて、動的粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製、RSA−III)を用い、昇温速度及び角周波数の条件で、貯蔵弾性率(E′)を測定した。
(ガラス転移温度(Tg))
得られたシートについて、動的粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製、RSA−III)を用い、昇温速度及び角周波数の条件で、損失弾性率(E′´)を測定した。E´´の極大から、ガラス転移温度を求めた。
(ヘーズ及び全光線透過率)
得られたシートについて、JIS K7361−1に準拠して、ヘーズメーター(日本電色工業(株)製、NDH−5000W)を用いて、ヘーズ(HZ)及び全光線透過率(TT)を測定した。
(色相:b*値)
分光光度計((株)日立ハイテクフィールディング製、「U−3300」)を用い、JIS K7105に準拠して透過モードにてb*値を測定した。
(ウェザーメーターによる暴露試験)
スーパーキセノンウェザーメーター(スガ試験機(株)製、「SX2−75」)を用い、JIS K7350−2に準拠して、下記の条件で150時間(比較例2のみ、80時間)の暴露試験を行った。
放射照度:180W/m
暴露サイクル:102分照射後、18分照射及び水噴霧
槽内ブラックスタンダード温度:65℃、相対湿度:50%。
実施例1
ウレタンアクリレート(東亜合成(株)製、「アロニックスM−1700」、2官能、ガラス転移温度82℃)50重量部、アクリルモノマー(ダイセル・サイテック(株)製、「TPGDA」、ポリプロピレングリコールジアクリレート、プロピレンオキシド付加モル数:約3モル)50重量部、光重合開始剤(チバ・ジャパン(株)製、「イルガキュア(Irgacure)184」)6重量部を秤量して遮光瓶に入れて混合した。この溶液を、ワイヤーバー#55を用いて、基材フィルム(PETフィルム、東レ(株)製、厚み100μm)上に流延した後、紫外線照射装置(ウシオ電機(株)製、高圧水銀ランプ、紫外線照射量:600mJ/cm)を用いて、約9秒間紫外線を照射し、厚み76μmの硬化物を得た。得られた硬化物を基材フィルムから剥がして、光学シートを得た。
実施例2
ウレタンアクリレート(アロニックスM−1700)100重量部、光重合開始剤(Irgacure 184)6重量部を秤量して遮光瓶に入れて混合した。この溶液を、ワイヤーバー#55を用いて、基材フィルム上に流延した後、紫外線照射装置を用いて高圧水銀灯からの紫外線を約9秒間照射し、厚み76μmの硬化物を得た。得られた硬化物を基材フィルムから剥がして光学シートを得た。
実施例3
ウレタンアクリレート(東亜合成(株)製、「アロニックスM−1200」、2官能、ガラス転移温度35℃)50重量部、アクリルモノマー(TPGDA)50重量部、光重合開始剤(Irgacure 184)6重量部を秤量して遮光瓶に入れて混合した。この溶液を、ワイヤーバー#55を用いて基材フィルム上に流延した後、紫外線照射装置を用いて高圧水銀灯からの紫外線を約9秒間照射し、厚み82μmの硬化物を得た。得られた硬化物を基材フィルムから剥がして光学シートを得た。
実施例4
ウレタンアクリレート(アロニックスM−1200)100重量部、光重合開始剤(Irgacure 184)6重量部を秤量して遮光瓶に入れて混合した。この溶液を、ワイヤーバー#55を用いて基材フィルム上に流延した後、紫外線照射装置を用いて高圧水銀灯からの紫外線を約9秒間照射し、厚み54μmの硬化物を得た。得られた硬化物を基材フィルムから剥がして光学シートを得た。
実施例5
ウレタンアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製、「EBECRYL8402」、2官能、ガラス転移温度14℃)50重量部、アクリルモノマー(TPGDA)50重量部、光重合開始剤(Irgacure 184)6重量部を秤量して遮光瓶に入れて混合した。この溶液を、ワイヤーバー#55を用いて基材フィルム上に流延した後、紫外線照射装置を用いて高圧水銀灯からの紫外線を約23秒間照射し、厚み90μmの硬化物を得た。得られた硬化物を基材フィルムから剥がして光学シートを得た。シートのガラス転移温度は38℃であった。
実施例6
ウレタンアクリレート(EBECRYL8402)100重量部、光重合開始剤(Irgacure 184)6重量部を秤量して遮光瓶に入れて混合した。この溶液を、ワイヤーバー#55を用いて基材フィルム上に流延した後、紫外線照射装置を用いて高圧水銀灯からの紫外線を約18秒間照射し、厚み79μmの硬化物を得た。得られた硬化物を基材フィルムから剥がして光学シートを得た。
実施例7
ウレタンアクリレート(EBECRYL8402)80重量部、アクリルモノマー(TPGDA)20重量部、光重合開始剤(Irgacure 184)6重量部を秤量して遮光瓶に入れて混合した。この溶液を、ワイヤーバー#55を用いて基材フィルム上に流延した後、紫外線照射装置を用いて高圧水銀灯からの紫外線を約23秒間照射し、厚み86μmの硬化物を得た。得られた硬化物を基材フィルムから剥がして光学シートを得た。シートのガラス転移温度は28℃であった。
実施例8
ウレタンアクリレート(EBECRYL8402)50重量部、アクリルモノマー(TPGDA)50重量部を秤量して遮光瓶に入れて混合した。この溶液を、ワイヤーバー#55を用いて基材フィルム上に流延した後、窒素雰囲気中で、電子線照射装置((株)NHVコーポレーション(株)製、「EBC300−60」)を用いて、加速電圧200kV、線量50kGyの条件で電子線を照射し、厚み83μmの硬化物を得た。得られた硬化物を基材フィルムから剥がして光学シートを得た。
実施例9
ウレタンアクリレート(EBECRYL8402)50重量部、アクリルモノマー(東亜合成(株)製、「PPGDA」、ポリプロピレングリコールジアクリレート、プロピレンオキシド付加モル数:約7モル)50重量部を秤量して遮光瓶に入れて混合した。この溶液を、ワイヤーバー#55を用いて基材フィルム上に流延した後、窒素雰囲気中で加速電圧200kV、線量50kGyの条件で電子線を照射し、厚み90μmの硬化物を得た。得られた硬化物を基材フィルムから剥がして光学シートを得た。シートのガラス転移温度は13℃であった。得られた光学シートの動的粘弾性を測定した結果を図2に示す。図2から明らかなように、50℃を超えても粘弾性を保持しており、熱安定性に優れている。
実施例10
ウレタンアクリレート(EBECRYL8402)20重量部、アクリルモノマー(PPGDA)80重量部を秤量して遮光瓶に入れて混合した。この溶液を、ワイヤーバー#55を用いて基材フィルム上に流延した後、窒素雰囲気中で加速電圧200kV、線量50kGyの条件で電子線を照射し、厚み78μmの硬化物を得た。得られた硬化物を基材フィルムから剥がして光学シートを得た。シートのガラス転移温度は−2℃であった。得られた光学シートの動的粘弾性を測定した結果を図3に示す。図3から明らかなように、50℃を超えても粘弾性を保持しており、熱安定性に優れている。
実施例11
ウレタンアクリレート(EBECRYL8402)80重量部、アクリルモノマー(PPGDA)20重量部を秤量して遮光瓶に入れて混合した。この溶液を、ワイヤーバー#55を用いて基材フィルム上に流延した後、窒素雰囲気中で加速電圧200kV、線量50kGyの条件で電子線を照射し、厚み71μmの硬化物を得た。得られた硬化物を基材フィルムから剥がして光学シートを得た。
実施例12
ウレタンアクリレート(アロニックスM−1200)50重量部、アクリルモノマー(PPGDA)50重量部を秤量して遮光瓶に入れて混合した。この溶液を、ワイヤーバー#55を用いて基材フィルム上に流延した後、窒素雰囲気中で加速電圧200kV、線量50kGyの条件で電子線を照射し、厚み70μmの硬化物を得た。得られた硬化物を基材フィルムから剥がして光学シートを得た。
実施例13
ウレタンアクリレート(アロニックスM−1700)50重量部、アクリルモノマー(PPGDA)50重量部を秤量して遮光瓶に入れて混合した。この溶液を、ワイヤーバー#55を用いて基材フィルム上に流延した後、窒素雰囲気中で加速電圧200kV、線量50kGyの条件で電子線を照射し、厚み68μmの硬化物を得た。得られた硬化物を基材フィルムから剥がして光学シートを得た。
比較例1
無黄変タイプの熱可塑性ポリウレタン(日本ポリウレタン(株)製)を、押出機(スクリュー径40mm)によって、シリンダー温度200℃で溶融混練した後、T−ダイよりダイ温度200℃でシート状に押し出した。このシート状物を冷却ロールによって冷却して、引き取り速度を調節することによって厚み100μmのシートを成形した。得られた硬化物を基材フィルムから剥がして光学シートを得た。得られた光学シートの動的粘弾性を測定した結果を図4に示す。図4から明らかなように、50℃を超えると粘弾性が低下し、熱安定性が充分でない。
比較例2
市販の難黄変タイプの熱可塑性ポリウレタンフィルムについて各種評価を行った。
実施例及び比較例で得られた光学シートの評価結果を表1に示す。
Figure 2011164363
表1の結果から明らかなように、実施例の光学シートは、引張弾性率が高く、透明であり、耐候性に優れている。これに対して、比較例1の光学シートでは、図2〜4の比較結果から、熱安定性が低い。さらに比較例2の光学シートでは、耐候性が低い。
本発明の光学シートは、各種の電気・電子機器又は光学機器、例えば、携帯機器、家電機器、制御機器などに利用される光学シートとして利用できる。具体的には、高度な透明性及び柔軟性を要求される用途、例えば、携帯電話、遊技機器、モバイル機器、カーナビゲーションシステム、時計、電卓、テレビ、パーソナルコンピュータなどの押しボタンスイッチ(又は操作盤)、メンブレンスイッチ、センサースイッチ又はタッチパネルなどのシート状部材として利用できる。このようなシート状部材は、スイッチ又は操作盤を構成するためのキートップシート、キーマットシート、導光板、反射板、位相差板、偏光板、視野角拡大板、拡散板、配向膜、輝度向上板などであってもよい。これらのうち、携帯電話、遊戯機器、モバイル機器、タッチパネルなどの操作盤に用いられる導光シート又は反射シート、例えば、携帯電話のキートップシートの裏側に配設され、クリックによりキートップシートの裏面と接触し(又は押圧され)、かつLED光源などの光源からの光をキートップ面(操作面)に案内又は反射するためのシートに有効に利用できる。
1…キートップシート
2…キーマットシート
3…導光シート
4…クリックドーム
5…フレキシブルプリント配線板
6…光源

Claims (12)

  1. ウレタン(メタ)アクリレートを含む重合性組成物の硬化物で構成された光学シート。
  2. ウレタン(メタ)アクリレートが、2〜3官能のポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレートを含む請求項1記載の光学シート。
  3. ウレタン(メタ)アクリレートのガラス転移温度が−20℃〜100℃である請求項1又は2記載の光学シート。
  4. ウレタン(メタ)アクリレートのガラス転移温度が−20℃〜40℃である請求項1〜3のいずれかに記載の光学シート。
  5. 重合性組成物が、さらにポリC3−4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを含む重合性ビニル系成分を含む請求項1〜4のいずれかに記載の光学シート。
  6. ポリC3−4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートが、オキシC3−4アルキレン単位の平均繰り返し数が5〜9モルであるポリC3−4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを含む請求項5記載の光学シート。
  7. ウレタン(メタ)アクリレートと重合性ビニル系成分との割合(重量比)が、前者/後者=90/10〜10/90である請求項5又は6記載の光学シート。
  8. ポリC3−4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートが、オキシC3−4アルキレン単位の平均繰り返し数が2〜4モルであるポリC3−4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを含み、かつウレタン(メタ)アクリレートと前記ポリC3−4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとの割合(重量比)が、前者/後者=90/10〜70/30である請求項5記載の光学シート。
  9. 重合性組成物の硬化物のガラス転移温度が−20℃〜10℃である請求項1〜8のいずれかに記載の光学シート。
  10. 光硬化物が、電子線を照射して得られた光硬化物であり、実質的に重合開始剤を含有しない請求項9記載の光学シート。
  11. 引張弾性率40〜230MPaである請求項1〜10のいずれかに記載の光学シート。
  12. 導光シート又は反射シートである請求項1〜11のいずれかに記載の光学シート。
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