JP2011159704A - 光トランシーバ - Google Patents

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【課題】外面に凹凸のある発熱部品とスライド嵌合される金属製カバーとを、効果的に熱結合させることによりバラツキのない安定した放熱機構を備えた光トランシーバを提供する。
【解決手段】光電変換と電気信号の授受を行う電子部品群が実装されている回路基板25の外側を、金属製カバー24のスライド嵌合により覆った光トランシーバであって、電子部品群のうち放熱を必要とする発熱部品(TOSA)21に対して、伝熱シート22を挟んで放熱ブロック23を装着し、放熱ブロック23の外面を金属製カバー24の内面に突出させた平坦な突出面24bに圧接させたことを特徴とする。なお、放熱ブロックの内面形状は発熱部品11の外面形状に対応した凹凸面を有し、伝熱シート22は弾性体で形成されていることが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、光通信のための送受信光サブアセンブリを備えた光トランシーバに関し、特にその発熱部品からの放熱構造に関する。
光トランシーバは、光信号を送受信する光通信に用いられるもので、光信号を送信する送信用光サブアセンブリ(TOSA:Transmitter Optical Sub-Assembly)と光信号を受信する受信用光サブアセンブリ(ROSA:Receiver Optical Sub-Assembly)が搭載されている。さらに、光トランシーバは、TOSAやROSAにより電気信号を授受するための集積回路等の電子部品が回路基板に実装されて搭載されている。
光トランシーバ内に搭載される光部品や電子部品からの発熱は、放熱部材や金属筐体等を利用して放熱される。例えば、特許文献1には、発光素子を駆動するドライバ素子(発熱部品)からの熱を放熱シートと放熱ブロックにより、金属製のカバーに伝えて放熱することが開示されている。また、特許文献2には、TOSA、ROSAからの熱を伝熱シートと放熱部材を介して外装用の金属製カバーの内面に面接触させて、放熱することが開示されている。
特許第3922152号公報 特開2007−227707号公報
特許文献1に開示の放熱形態は、図8に示すような模式図で表すことができる。発熱部品1を、例えば、TOSAとし、この発熱部品1に対して放熱シート(伝熱シートともいう)2を介して放熱ブロック3が配されるとする。そして、この発熱部品1および放熱ブロック3は、切起し片4aが設けられた金属製のカバー4内にスライド嵌合させて収納される。この場合の放熱形態は、切起し片4aのバネ性により放熱ブロック3の外面を押圧して接触し、放熱シート2を圧縮して発熱部品1からの熱をカバー4に伝導して放熱することとなる。このため、カバー4と放熱ブロック3間での熱伝導は、切起し片4aの先端部分による接触を通して行われるので、放熱特性にバラツキが生じ易く不安定であり、放熱も十分とは言えない。
また、特許文献2に開示の放熱形態では、放熱ブロックに相当する放熱部材は、金属板を折り返した形状であるため、金属製のカバーと面で熱的に接触させることはできる。しかし、発熱部品が平坦でない凹凸を有する形状の場合は、発熱部品と放熱部材との間に介在させる伝熱シートの厚さを厚くして、凹凸形状による放熱部材間の空隙を埋める必要がある。伝熱シートは、弾力性を有するゴムや樹脂性のもので形成されるため、熱伝導性は金属で形成する放熱部材と比べてかなり小さい。このため、伝熱シートはできるだけ薄いものを使用することが好ましいが、特許文献2の構成では発熱部品と放熱部材間での熱伝導にバラツキが生じ易く、上記と同様に放熱が十分とは言えない。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、外面に凹凸のある発熱部品とスライド嵌合される金属製カバーとを、効果的に熱結合させることによりバラツキのない安定した放熱機構を備えた光トランシーバの提供を目的とする。
本発明による光トランシーバは、光電変換と電気信号の授受を行う電子部品群が実装されている回路基板の外側を、金属製カバーのスライド嵌合により覆った光トランシーバであって、電子部品群のうち放熱を必要とする発熱部品に対して、伝熱シートを挟んで放熱ブロックを装着し、放熱ブロックの外面を金属製カバーの内面に突出させた平坦な突出面に圧接させたことを特徴とする。
上記の放熱ブロックの内面形状は発熱部品の外面形状に対応した凹凸面を有し、上記の伝熱シートは弾性体で形成されていることが好ましい。また、金属製カバーの突出面の段部、または、放熱ブロックが前記段部に当接する先端部の少なくとも一方が、滑らかな傾斜面で形成されていることが好ましい。
本発明によれば、放熱ブロックと金属製カバーの突出面とを面接触で確実に接触させることができ、かつ、上記の金属製カバーの突出面で伝熱シートを圧縮し、発熱部品と放熱ブロックとを効果的に熱結合させることができる。また、放熱ブロックの装着面を発熱部品の外面形状に対応した形状とすることにより、放熱特性にバラツキがなく、放熱性に優れた光トランシーバを実現することができる。
本発明の概略を説明する模式図である。 本発明による光トランシーバの一例を説明する図である。 図2の放熱機構の詳細を示す部分図である。 本発明の光トランシーバに用いるカバーの一例を示す図である。 本発明の光トランシーバに用いる放熱ブロックの一例を示す図である。 本発明の光トランシーバの放熱部の一例を説明する図である。 本発明の光トランシーバに用いる放熱ブロックの他の例を示す図である。 従来技術を説明する図である。
図1により本発明の概略を説明する。図中、10は光トランシーバ、11は発熱部品(TOSA)、12は伝熱シート、13は放熱ブロック、14はカバー、14aはカバー内面、14bは突出面、14cは段部、14dはガイド部を示す。
図1は、本発明による光トランシーバの放熱部を模式的に示したもので、発熱部品11は、例えば、発光素子(レーザダイオード)が実装されたTOSAに相当するものであり、カバー14は、光トランシーバの電子部品群が実装されている回路基板等の外側を覆う金属製カバーに相当するものである。
発熱部品(TOSA)11の発熱部近傍には、少なくとも厚み方向にエラストマのような弾性のある伝熱シート12を介して放熱ブロック13が装着され、発熱部品(TOSA)11からの熱は、金属あるいはセラミック等の熱伝導性のよい非弾性の放熱ブロック13に伝熱され、カバー14を放熱板として放熱される。このため、カバー14は放熱性のよい金属製で形成され、放熱ブロック13と面接触でかつ密接された状態で熱が伝導されるように、カバー内面14aに対して、内側に突出する平坦な突出面14bが設けられている。
また、カバー内面14aから突出面14b上に放熱ブロック13が容易に乗り上げることができるように、放熱ブロック13が当接する段部14cを滑らかに面(例えば、円弧状または傾斜状の面)とするのが好ましい。なお、段部14cに当接する放熱ブロック13側の先端部を滑らかな面としてもよい。さらに、カバー14の嵌合口は、放熱ブロック13がカバー14内にスムーズに案内されるように、拡開されたガイド部14dとされているのが好ましい。
上述の構成において、図1(A)の状態から、カバー14内に発熱部品(TOSA)11と共に伝熱シート12と放熱ブロック13を挿着する場合、図1(B)に示すように、放熱ブロック13は拡開されたガイド部14dに案内されて、カバー14内にスムーズに挿入される。この後、図1(C)に示すように、放熱ブロック13の外面(上面)は、カバー内面14aに接する状態で挿入される。次いで、更なる押し込みにより、図1(D)に示すように、伝熱シート12を圧縮して放熱ブロック13は突出面14bに乗り上げられる。
この結果、伝熱シート12は弾性的に発熱部品11と放熱ブロック13とに密接して、発熱部品11からの熱を放熱ブロック13に良好に伝熱する。そして、放熱ブロック13に伝導された熱は、カバー14の平坦な突出面14bとの密接した面接触と圧接とにより、カバー14から効率よく放熱される。
図2は、上記の放熱機構を適用した光トランシーバの一例を示し、図2(A)はカバー嵌合前の状態を示し、図2(B)はカバー嵌合後の状態を示す図である。図中、20は光トランシーバ、21は発熱部品(TOSA)、22、22’は伝熱シート、23は放熱ブロック、24はカバー、24aはカバー内面、24bは突出面、24cは段部、24dはガイド部、25は回路基板、26は放熱板、27はベース、28はタブ板、29はレセプタクル部を示す。
光トランシーバ20は、TOSA21とROSA(図示されず)を並列に並べて配置し、筐体の一部を形成するベース27、漏洩電波のシールド機能をもたせたタブ板28、光ケーブルコネクタとの接続を形成するレセプタクル部29等により位置決めして構成される。TOSAとROSAのリードピンは、フレキシブル回路基板(FPC)等により、回路基板25に電気的に接続される。回路基板25には、TOSA及びROSAとの電気信号の授受を行うための、集積回路素子(IC)やその他の電子部品等が実装されている。
実装部品であるTOSA,ROSA及びIC等の発熱部品からの熱は、光トランシーバの外周部を覆う金属製のカバー24やベース27に伝導されて放熱される。例えば、特に発熱量が大きいTOSA21に対しては、図1で説明したと同様な伝熱シート22と放熱ブロック23が用いてカバー24に伝熱される。また、必要に応じて伝熱シート22’によりベース27にも伝熱される。その他、回路基板上に実装されたIC等の発熱部品からの熱は、放熱板26等を用いてカバー24に伝熱させて放熱させることができる。なお、放熱板26は、例えば、金属製の板材を折り曲げて一体に形成されていて、回路基板25上の電子部品の発熱を、カバー24に伝熱する機能を備えている。
光トランシーバ20の金属製のカバー24は、TOSA、ROSAや回路基板の組付け後に、外装用として全体を覆うようにスライド嵌合するもので、その嵌合口のガイド部24dは、嵌合とスライド操作がスムーズに行えるようにテーパ状に形成される。なお、カバー24の先端部分には、レセプタクル部29等に係合させて嵌合をラッチさせるラッチ手段24e(図4参照)が設けられている。上記の放熱ブロック23や放熱板26が接触する部分は、カバー内面24aより内側に突出する突出面24bで形成される。また、この突出面24bの段部24cは、突出面24b上に放熱ブロック23あるいは放熱板26が乗り上げやすいように、滑らかな形状(例えば傾斜面、弧状面)で形成される。なお、放熱ブロック23あるいは放熱板26側において、その当接する先端部を滑らかな形状としてもよい。
図3は、特に、動作特性が温度依存性で発熱量が大きいTOSA21の放熱機構を拡大して示した図で、図3(A)→図3(C)の形態で、カバー24が組み付けられる。TOSA21の発熱部であるステム部近傍の上方の半周部に、後述する放熱ブロック23が伝熱シート22を介して装着される。なお、放熱ブロック23の装着は、カバー24が嵌合されていない状態では固定されておらず、仮保持の状態である。また、必要に応じてステム部近傍の反対側の下側にも伝熱シート22’を配し、ベース27から放熱させるようにしてもよい。
放熱ブロック23は、金属またはセラミック等の熱伝導性のよい硬質の材料で成形加工される。一方、伝熱シート22は、例えば、エラストマのような弾性を有するシリコーンゴムに、金属やセラミック粒子等の熱伝導性の微粒子を混入して熱伝導率を高めた弾力性を有する樹脂シートで形成される。伝熱シート22は、放熱ブロック23とTOSA21間の凹凸のある空隙を埋めるように弾性変形し、TOSA21からの熱を放熱ブロック23に良好に伝熱する。
カバー24は、図2で説明したように、その嵌合口のガイド部24dを拡開形状に形成して、スライド嵌合をスムーズに行えるようにし、図3(A)の状態から図3(B)の状態に移動させる。これにより、放熱ブロック23の外面は、カバー内面24aに接して外部への飛び出しが阻止されるようにして保持される。続いて、図3(B)の状態から図3(C)の状態に、カバー24の嵌合が進行されると、放熱ブロック23の外面は、カバー内面24aより内側に突出する突出面24bに乗り上げて、圧接力を伴って接触すると共に、伝熱シート22は弾性的に圧縮される。
図3(C)の状態では、カバーの平面状の突出面24bに放熱ブロック23の外面が乗り上げることにより、カバー24の突出面24bの押圧により放熱ブロック23の傾きが自動的に修正されて、密接した面接触で圧接される。この結果、放熱ブロック23とカバー24との間の熱結合する接触面積が増加すると共に、バラツキのない安定した接触で、良好な熱伝導が形成される。また、伝熱シート22は、カバー24の突出面24bの押圧により圧縮を受け、放熱ブロック23とTOSA21間の細かな空隙部分も埋めて、TOSA21と放熱ブロック23間の熱伝導をさらに良好にすることができる。
図4は、本発明の光トランシーバに用いるカバー24の一例を示す図である。カバー24は、金属板をプレス加工あるいは板金加工して形成され、放熱ブロックや放熱板が接触される壁側(例えば、上壁側)には、カバー内面から内側に突出する突出面24bが形成される。また、回路基板等が嵌合される嵌合口部分は、カバー24の嵌合装着がスムーズが行える拡開形状のガイド面24dで形成され、この他、カバーの嵌合装着を係止するラッチ手段24e等が形成されている。
図5は、本発明の光トランシーバに用いる放熱ブロック23の一例を示す図である。放熱ブロック23は、熱伝導性のよい金属(例えば、銅系金属、アルミニウム系金属)や熱伝導性のよいセラミックス(例えば、窒化アルミ、窒化珪素セラミックス)で形成される。放熱ブロック23は、光トランシーバのカバーに接する外面側と、実装される発熱部品と接する内面側とを有しているが、外面側は上記カバーの平面状の突出面に、直接に面接触する平坦面23aとされる。また、この平坦面23aの先端部23b(カバーの嵌合時に、突出面の段部と当接する端部)は、滑らかなテーパ状あるいは弧状の面とされる。
放熱ブロック23の内面側は、伝熱シートを挟んでTOSA(発熱部品)に熱結合されるが、TOSAの発熱部近傍は円形の外面で、しかも外径が異なる凹凸面を有している(図6参照)ため、平板状や矩形状の放熱ブロックでは均一な熱結合が難しい。このため、放熱ブロック23の内面側は、TOSAの外形の形状に見合った弧状の凹凸面23cで形成するのが好ましい。
なお、放熱ブロック23は、この凹凸面23cとTOSA21との間には圧縮可能な伝熱シートを挟んで装着されるので、凹凸面23cの加工精度はあまり高くなくてもよい。このため、放熱ブロック23は、ダイカストのような金型を用いた安価な方法で形成することができ、必要に応じて機械加工を行うこともできる。また、凹凸面23cの中心部分に基準面23dを設けて、伝熱シートの圧縮量や寸法を管理することにより、熱伝導のバラツキ等を低減するが好ましい。
この他、放熱ブロック23の側面には、その装着の前後方向が間違わないように誤装着防止用の突起23eを一体に設け、作業性を高めることができる。さらに、放熱ブロック23の後端部(レセプタクル側)には、組付け時に放熱ブロック23が円形状の装着面(例えば、TOSAのステム部近傍)上で回転しないように回転防止用の突起23fを設けておくようにしてもよい。
図6は、上述した放熱ブロック23を、伝熱シート22を介してTOSA21上に装着する状態を示している。TOSA21は、レーザダイオード等の発光素子が実装されたステムを含むパッケージ部21aと、レセプタクル部に保持され光コネクタとの接続を形成するスリーブ部21bを有している。伝熱シート22および放熱ブロック23は、パッケージ部21aの領域の上方側の半円周部分を覆うように装着され、放熱ブロック23とTOSA21間の空隙は、弾性を有する伝熱シート22で埋められる。
放熱ブロック23の内面側の凹凸面23cは、上述したように、TOSA21のパッケージ部21aの凹凸面に対応した形状とすることにより、発熱面との熱結合面積を増加(例えば、半円状とする)させることも可能となる。また、放熱ブロック23とTOSA21間の空隙を小さくすることが可能となり、この空隙に介在させる伝熱シート22は、薄いものを用いることが可能となる。なお、伝熱シート22の熱伝導率は、1〜2W/mK程度で、放熱ブロック23と比べるとかなり低い。したがって、上記のように、伝熱シート22の厚さは、可能な限り薄くし、放熱ブロック23で空隙を満たして熱結合面積を増加させる構成とすることで、放熱効率を高めることができる。
なお、図2〜図6においては、光トランシーバのTOSAの放熱例で説明したが、同様な放熱機構は、TOSAと並べて実装されるROSAについても同様な放熱構造で、放熱させることができる。ただ、ROSAの場合は、TOSAと比べて発熱量が少ないので、上述のような放熱機構は省略することもできる。
なお、図7は、TOSAとROSAを共に放熱する場合の放熱ブロックの一例を示す図である。この場合、TOSA側とROSA側のパッケージ部に整合する弧状の凹凸面23c’を共通の放熱ブロック23’の内面側に形成し、カバーと接触する平坦面23a’および先端部23b’を共通にした一体形状で形成する。
10,20…光トランシーバ、11,21…発熱部品(TOSA)、21a…パッケージ部、21b…スリーブ部、12,22,22’…伝熱シート、13,23,23’…放熱ブロック、23a,23a’…平坦面、23b,23b’…先端部、23c,23c’…凹凸面、23d…基準面、23e,23f…突起、14,24…カバー、14a,24a…カバー内面、14b,24b…突出面、14c,24c…段部、14d,24d…ガイド部、24e…ラッチ手段、25…回路基板、26…放熱板、27…ベース、28…タブ板、29…レセプタクル部。

Claims (3)

  1. 光電変換と電気信号の授受を行う電子部品群が実装されている回路基板の外側を、金属製カバーのスライド嵌合により覆った光トランシーバであって、
    前記電子部品群のうち放熱を必要とする発熱部品に対して、伝熱シートを挟んで放熱ブロックを装着し、前記放熱ブロックの外面を前記金属製カバーの内面に突出させた平坦な突出面に圧接させたことを特徴とする光トランシーバ。
  2. 前記放熱ブロックの内面形状は前記発熱部品の外面形状に対応した凹凸面を有し、前記伝熱シートは弾性体で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光トランシーバ。
  3. 前記金属製カバーの突出面の段部、または、前記放熱ブロックが前記段部に当接する先端部の少なくとも一方が、滑らかな傾斜面で形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光トランシーバ。
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