JP2011159137A - 位置制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】位置検出にインクリメンタルタイプのパルスエンコーダを使用すると、低速領域ではパルスが発生しなくなるため、低速領域では大きな速度変動が発生する。
【解決手段】位置制御装置のマイナーループに速度制御を持たない位置制御とし、
この位置制御部をPID制御器とし、入力θrefと出力θdet比のPID制御器の伝達関数を次式で求めた後、位置制御部のパラメータKPθ、KIθ、KDθを求めたものである。
θdet/θref=(KDθs2+KPθs+KIθ)/{Jdys3+(KDθ+Ddy)s2+KPθs+KIθ}
(ただし、KPθは比例要素、KIθは積分要素、KDθは微分要素、Jdyはモータ慣性、Ddyは回転損失、sはラプラス演算子)
【選択図】 図1
【解決手段】位置制御装置のマイナーループに速度制御を持たない位置制御とし、
この位置制御部をPID制御器とし、入力θrefと出力θdet比のPID制御器の伝達関数を次式で求めた後、位置制御部のパラメータKPθ、KIθ、KDθを求めたものである。
θdet/θref=(KDθs2+KPθs+KIθ)/{Jdys3+(KDθ+Ddy)s2+KPθs+KIθ}
(ただし、KPθは比例要素、KIθは積分要素、KDθは微分要素、Jdyはモータ慣性、Ddyは回転損失、sはラプラス演算子)
【選択図】 図1
Description
本発明は、位置制御装置に係り、特に速度制御にマイナーループを持たない位置制御に関するものである。
図4は位置制御装置の概略構成図を示したもので、1は位置制御部、2は速度制御部、3は電流制御部、4は被制御物である回転体機械特性を示したものである。位置制御部1は、角度指令値θref[rad]とフィードバックされた角度検出値θdet[rad]の偏差信号に基づき演算して角速度指令値ωref[rad/s]を算出する。算出された角速度指令値ωrefは、減算部5において角速度検出値ωdet[rad/s ]との差信号が算出され、その差信号は速度制御部2に入力されてトルク電流指令 Tdyが演算される。算出されたトルク電流指令Tdyにより電流制御部3を介して被制御物である機械特性部4を制御し、その時における機械特性部4の角速度検出値ωdetは減算部5へフィードバックされて角速度指令値ωrefとの差演算が実行される。また、機械特性部4の角度検出値θdet は減算部6へフィードバックされて角度指令値θrefとの差演算が実行される。
なお、上記のような位置制御を行うものとしては、特許文献1などが公知となっている。この特許文献1には、機械系の共振・反共振周波数等のパラメータがわからなくても機械系の振動を抑制するために振動抑制補償器を設け、演算により求めた速度指令と速度検出信号との偏差分を振動抑制補償器に入力して速度指令補償信号を生成し、この補償信号と速度指令基本信号との和を速度信号とすることが記載されている。
なお、上記のような位置制御を行うものとしては、特許文献1などが公知となっている。この特許文献1には、機械系の共振・反共振周波数等のパラメータがわからなくても機械系の振動を抑制するために振動抑制補償器を設け、演算により求めた速度指令と速度検出信号との偏差分を振動抑制補償器に入力して速度指令補償信号を生成し、この補償信号と速度指令基本信号との和を速度信号とすることが記載されている。
図4で示す電動機による位置制御では速度制御系をマイナーループに持ち、位置制御をメジャーループに持つ構成となっている。メジャーループの位置制御ではP(比例)制御にて位置を制御しおり、また、マイナーループの速度制御では、P(比例)I(積分)制御にて速度を制御している。
ところで、速度制御のための速度検出を、特許文献1のように位置検出信号を微分して用いる場合がある。その場合、位置検出にインクリメンタルタイプのパルスエンコーダを使用すると、被制御体であるモータが低速になるとパルス発生周期が長くなる。特に、零速度近辺などの低速領域ではパルスが発生しなくなるため、低速領域では大きな速度変動が発生する問題を有している。
そこで、本発明が目的とするところは、大きな速度変動の生じない位置制御装置を提供することにある。
ところで、速度制御のための速度検出を、特許文献1のように位置検出信号を微分して用いる場合がある。その場合、位置検出にインクリメンタルタイプのパルスエンコーダを使用すると、被制御体であるモータが低速になるとパルス発生周期が長くなる。特に、零速度近辺などの低速領域ではパルスが発生しなくなるため、低速領域では大きな速度変動が発生する問題を有している。
そこで、本発明が目的とするところは、大きな速度変動の生じない位置制御装置を提供することにある。
本発明の第1は、角度指令値と角度検出値による偏差信号を基に位置制御部でトルク電流指令値を演算し、算出されたトルク電流指令値を電流制御部に入力して電動機を制御するものにおいて、
前記位置制御部をPID制御器とし、入力θrefと出力θdet比のPID制御器の伝達関数を次式で求め、
θdet/θref=(KDθs2+KPθs+KIθ)/{Jdys3+(KDθ+Ddy)s2+KPθs+KIθ}
(ただし、KPθは比例要素、KIθは積分要素、KDθは微分要素、Jdyはモータ慣性、Ddyは回転損失、sはラプラス演算子)
上式の分母多項式が1+c1*s+c2*s2+c3*s3になるように係数比較を行って
KPθ=c1*Jdy/c3
KIθ=Jdy/c3
KDθ=(c2*Jdy/c3)−Ddy
となるよう位置制御部のパラメータKPθ、KIθ、KDθを求めることを特徴としたものである。
本発明の第2は、角度指令値を通過させるための目標値フィルタを設け、この目標フィルタの伝達関数構成を、前記位置制御部のPI−D(微分先行型PID制御)構造と等価になるよう次式としたことを特徴としたものである。
Gpi−d(s)={(KIθ+KPθ・s+KDθ・s2)/s}*{{(KIθ+KPθ・s)/(KIθ+KPθ・s+KDθ・s2)*θref}−θdet}
本発明の第3は、角度指令値を通過させるための目標値フィルタを設け、この目標フィルタの伝達関数構成を、前記位置制御部のI−PD(比例・微分先行型PID制御)構造と等価になるよう次式としたことを特徴としたものである。
Gi−pd(s)={(KIθ+KPθ・s+KDθ・s2)/s}*{{KIθ/(KIθ+KPθ・s+KDθ・s2)*θref}−θdet}
前記位置制御部をPID制御器とし、入力θrefと出力θdet比のPID制御器の伝達関数を次式で求め、
θdet/θref=(KDθs2+KPθs+KIθ)/{Jdys3+(KDθ+Ddy)s2+KPθs+KIθ}
(ただし、KPθは比例要素、KIθは積分要素、KDθは微分要素、Jdyはモータ慣性、Ddyは回転損失、sはラプラス演算子)
上式の分母多項式が1+c1*s+c2*s2+c3*s3になるように係数比較を行って
KPθ=c1*Jdy/c3
KIθ=Jdy/c3
KDθ=(c2*Jdy/c3)−Ddy
となるよう位置制御部のパラメータKPθ、KIθ、KDθを求めることを特徴としたものである。
本発明の第2は、角度指令値を通過させるための目標値フィルタを設け、この目標フィルタの伝達関数構成を、前記位置制御部のPI−D(微分先行型PID制御)構造と等価になるよう次式としたことを特徴としたものである。
Gpi−d(s)={(KIθ+KPθ・s+KDθ・s2)/s}*{{(KIθ+KPθ・s)/(KIθ+KPθ・s+KDθ・s2)*θref}−θdet}
本発明の第3は、角度指令値を通過させるための目標値フィルタを設け、この目標フィルタの伝達関数構成を、前記位置制御部のI−PD(比例・微分先行型PID制御)構造と等価になるよう次式としたことを特徴としたものである。
Gi−pd(s)={(KIθ+KPθ・s+KDθ・s2)/s}*{{KIθ/(KIθ+KPθ・s+KDθ・s2)*θref}−θdet}
以上のとおり、本発明によれば、モータ慣性Jdy、回転損失Ddy、および周波数応答設定wcを設定することで、マイナーループに従来のように速度制御部を持たなくとも、一意に位置制御部のKPθ、KIθ、KDθのパラメータ設定が可能となり、高応答、且つ安定な位置制御を可能としたものである。また、角度指令を通過させるための目標値フィルタを設けることで、目標値ステップ応答のオーバーシュート量を抑制した位置制御が可能となる。したがって、PIDの可調整パラメータと目標値パラメータを算出することで用途に応じた高応答な位置制御が可能となるものである。
本発明は、速度制御部の入力にマイナーループを持たない位置制御装置において、被制御機器の機械特性の伝達関数であるモータ慣性Jdy[kgm2]、回転損失Ddy[Nms/rad]、および周波数応答設定wcを設定することで、位置制御部のパラメータKPθ、KIθ、KDθの設定を可能としたものである。これにより、低速度領域での大きな速度変動の生じない安定な位置制御を可能としたものである。
また、位置制御用に用いられる制御器として、PID制御器、PI−D制御器(微分先行型PID制御)、及びI−PD制御器(比例・微分先行型PID制御)が用いられるが、各制御器の伝達関数構成が異なることから目標値のステップ状変化応答も異なっている。したがって、従来では被制御機器が要求するオーバーシュート量の抑制量により制御器の種類を選択している。このため、被制御機器が要求するオーバーシュート量に対応した位置制御部として個別に設計している。
また、位置制御用に用いられる制御器として、PID制御器、PI−D制御器(微分先行型PID制御)、及びI−PD制御器(比例・微分先行型PID制御)が用いられるが、各制御器の伝達関数構成が異なることから目標値のステップ状変化応答も異なっている。したがって、従来では被制御機器が要求するオーバーシュート量の抑制量により制御器の種類を選択している。このため、被制御機器が要求するオーバーシュート量に対応した位置制御部として個別に設計している。
本発明では、位置制御部のパラメータKPθ、KIθ、KDθの設定を可能としたことにより、位置制御部以降の回路構成の統一化を可能とし、要求されるオーバーシュート量の変化対応は、目標フィルタの伝達関数構成で対応できるようにしたものである。
以下、図に基づいて本発明の実施例を詳述する。
以下、図に基づいて本発明の実施例を詳述する。
図1は、本発明の実施例を示したもので、マイナーループに速度制御を持たない位置制御装置の概略構成図を示したものである。
10は位置制御部で、比例要素KPθ、積分要素KIθ、及び微分要素KDθよりなるPID演算器として構成される。角度指令θrefと角度検出θdetの差信号は位置制御部10においてPID演算が実行されてトルク電流指令Tdyを生成し、このトルク電流指令に基づき電流制御部3を介して機械特性4を制御する。
ここで、sはラプラス演算子である。
なお、PID演算器よりなる位置制御部10の伝達関数の構造を、入力をθrefとし、出力をθdetとすると
Gpid(s)={(KIθ+KPθ・s+KDθ・s2)/s}*(θref−θdet)
となっている。
10は位置制御部で、比例要素KPθ、積分要素KIθ、及び微分要素KDθよりなるPID演算器として構成される。角度指令θrefと角度検出θdetの差信号は位置制御部10においてPID演算が実行されてトルク電流指令Tdyを生成し、このトルク電流指令に基づき電流制御部3を介して機械特性4を制御する。
ここで、sはラプラス演算子である。
なお、PID演算器よりなる位置制御部10の伝達関数の構造を、入力をθrefとし、出力をθdetとすると
Gpid(s)={(KIθ+KPθ・s+KDθ・s2)/s}*(θref−θdet)
となっている。
電流制御部3は位置制御の周波数帯域に影響を与えない高応答特性とすれば、位置制御部10の出力Tdyを次式のようにする。
Tdy={KPθ+(KIθ/s)+(KDθ*s)}*(θref−θdet)…(1)
{(Jdy*s*s)+(Ddy*s}θdet=Tdy …(2)
上記(1),(2)式からθdet/θrefについて解くことにより
θdet/θref=(KDθs2+KPθs+KIθ)/{Jdys3+(KDθ+Ddy)s2+KPθs+KIθ} …(3)
となる。
(3)式の分母多項式は3次式であり、定数項KIθで分母多項式を割って定数項を1とした式の1次から3次の係数は、KPθ、KIθ、KDθに関して独立になっている。したがって、(3)式の分母多項式が1+c1*s+c2*s2+c3*s3になるように係数比較を行うと
KPθ=c1*Jdy/c3 …(4)
KIθ=Jdy/c3 …(5)
KDθ=(c2*Jdy/c3)−Ddy …(6)
となるようパラメータKPθ、KIθ、KDθを決定すればよい。例えば、全ての極がダンピング係数1となる二項計数型(s+1)3=1+3*s+3*s2+1*s3を求め、sをs/wsで置き換え、その係数をc1,c2とすると、二項計数型では、c1=3/wc、c2=3/wc2、c3=1/wc3となる。このc1〜c3に対して、(4)〜(6)式で示される位置制御部10のパラメータKPθ、KIθ、KDθを決定する。
したがって、この実施例によれば、モータ慣性Jdy、回転損失Ddy、および周波数応答設定wcを設定することで、マイナーループに従来のように速度制御部を持たなくとも、一意に位置制御部のKPθ、KIθ、KDθのパラメータ設定が可能となり、高応答、且つ安定な位置制御の実現が可能となるものである。
Tdy={KPθ+(KIθ/s)+(KDθ*s)}*(θref−θdet)…(1)
{(Jdy*s*s)+(Ddy*s}θdet=Tdy …(2)
上記(1),(2)式からθdet/θrefについて解くことにより
θdet/θref=(KDθs2+KPθs+KIθ)/{Jdys3+(KDθ+Ddy)s2+KPθs+KIθ} …(3)
となる。
(3)式の分母多項式は3次式であり、定数項KIθで分母多項式を割って定数項を1とした式の1次から3次の係数は、KPθ、KIθ、KDθに関して独立になっている。したがって、(3)式の分母多項式が1+c1*s+c2*s2+c3*s3になるように係数比較を行うと
KPθ=c1*Jdy/c3 …(4)
KIθ=Jdy/c3 …(5)
KDθ=(c2*Jdy/c3)−Ddy …(6)
となるようパラメータKPθ、KIθ、KDθを決定すればよい。例えば、全ての極がダンピング係数1となる二項計数型(s+1)3=1+3*s+3*s2+1*s3を求め、sをs/wsで置き換え、その係数をc1,c2とすると、二項計数型では、c1=3/wc、c2=3/wc2、c3=1/wc3となる。このc1〜c3に対して、(4)〜(6)式で示される位置制御部10のパラメータKPθ、KIθ、KDθを決定する。
したがって、この実施例によれば、モータ慣性Jdy、回転損失Ddy、および周波数応答設定wcを設定することで、マイナーループに従来のように速度制御部を持たなくとも、一意に位置制御部のKPθ、KIθ、KDθのパラメータ設定が可能となり、高応答、且つ安定な位置制御の実現が可能となるものである。
図2で示す実施例2は、図2で示すような伝達関数で構成された目標値フィルタ11を設け、角度指令θrefをこの目標値フィルタ11を通すことにより、目標値応答の特性を変えた場合の例で、他は図1と同様である。すなわち、位置制御部10は(4)〜(6)式で求められパラメータKPθ、KIθ、KDθとされて位置制御部10、電流制御部3の回路構成は変更されない。この状態で角度指令θrefがステップ状信号の場合、そのステップ応答は目標値フィルタ11が無い場合オーバーシュートが発生するが、このオーバーシュート量を小さくするために目標値フィルタ11が設けられる。
この実施例での目標値フィルタ11の構造は、位置制御部10のPI−D(微分先行型PID制御)構造と等価になるような構造とされ、次式のようになっている。
Gpi−d(s)={(KIθ+KPθ・s+KDθ・s2)/s)}*{{(KIθ+KPθ・s)/(KIθ+KPθ・s+KDθ・s2)*θref}−θdet}
したがって、この実施例によれば、モータ慣性Jdy、回転損失Ddy、および周波数応答設定wcを設定することで、マイナーループに従来のように速度制御部を持たなくとも、一意に位置制御部のKPθ、KIθ、KDθのパラメータ設定が可能となり、さらに、位置制御部10の回路構成を変更することなく、実施例1よりも目標値ステップ応答のオーバーシュート量を抑制した高応答、且つ安定な位置制御が可能となるものである。
この実施例での目標値フィルタ11の構造は、位置制御部10のPI−D(微分先行型PID制御)構造と等価になるような構造とされ、次式のようになっている。
Gpi−d(s)={(KIθ+KPθ・s+KDθ・s2)/s)}*{{(KIθ+KPθ・s)/(KIθ+KPθ・s+KDθ・s2)*θref}−θdet}
したがって、この実施例によれば、モータ慣性Jdy、回転損失Ddy、および周波数応答設定wcを設定することで、マイナーループに従来のように速度制御部を持たなくとも、一意に位置制御部のKPθ、KIθ、KDθのパラメータ設定が可能となり、さらに、位置制御部10の回路構成を変更することなく、実施例1よりも目標値ステップ応答のオーバーシュート量を抑制した高応答、且つ安定な位置制御が可能となるものである。
図3で示す実施例3は、図3で示すような伝達関数で構成された目標値フィルタ12を設け、角度指令θrefをこの目標値フィルタ12を通すことにより、目標値応答の特性を変えた場合の例で、他は図1と同様である。すなわち、角度指令θrefがステップ状信号の場合、そのステップ応答は目標値フィルタ12が無い場合ではオーバーシュートが発生するが、このオーバーシュート量を図2よりも更に小さくするために目標値フィルタ12を設けた場合の実施例である。
この実施例での目標値フィルタ11の構造は、位置制御部10のI−PD(比例・微分先行型PID制御)構造と等価になるような構造とされ、次式のようになっている。
Gi−pd(s)={(KIθ+KPθ・s+KDθ・s2)/s}*{{KIθ/(KIθ+KPθ・s+KDθ・s2)*θref}−θdet}
したがって、この実施例によれば、モータ慣性Jdy、回転損失Ddy、および周波数応答設定wcを設定することで、マイナーループに従来のように速度制御部を持たなくとも、一意に位置制御部のKPθ、KIθ、PDθのパラメータ設定が可能となり、実施例2よりもさらに目標値ステップ応答のオーバーシュート量を抑制した高応答、且つ安定な位置制御が可能となるものである。
この実施例での目標値フィルタ11の構造は、位置制御部10のI−PD(比例・微分先行型PID制御)構造と等価になるような構造とされ、次式のようになっている。
Gi−pd(s)={(KIθ+KPθ・s+KDθ・s2)/s}*{{KIθ/(KIθ+KPθ・s+KDθ・s2)*θref}−θdet}
したがって、この実施例によれば、モータ慣性Jdy、回転損失Ddy、および周波数応答設定wcを設定することで、マイナーループに従来のように速度制御部を持たなくとも、一意に位置制御部のKPθ、KIθ、PDθのパラメータ設定が可能となり、実施例2よりもさらに目標値ステップ応答のオーバーシュート量を抑制した高応答、且つ安定な位置制御が可能となるものである。
1、10… 位置制御部
2… 速度制御部
3… 電流制御部
4… 機械特性部
5、6… 減算部
11,12… 目標値フィルタ
2… 速度制御部
3… 電流制御部
4… 機械特性部
5、6… 減算部
11,12… 目標値フィルタ
Claims (3)
- 角度指令値と角度検出値による偏差信号を基に位置制御部でトルク電流指令値を演算し、算出されたトルク電流指令値を電流制御部に入力して電動機を制御するものにおいて、
前記位置制御部をPID制御器とし、入力θrefと出力θdetの比のPID制御器の伝達関数を次式で求め、
θdet/θref=(KDθs2+KPθs+KIθ)/{Jdys3+(KDθ+Ddy)s2+KPθs+KIθ} …(1)‘
(ただし、KPθは比例要素、KIθは積分要素、KDθは微分要素、Jdyはモータ慣性、Ddyは回転損失、sはラプラス演算子)
(1)‘式の分母多項式が1+c1*s+c2*s2+c3*s3になるように係数比較を行って
KPθ=c1*Jdy/c3 …(2)‘
KIθ=Jdy/c3 …(3)‘
KDθ=(c2*Jdy/c3)−Ddy …(4)‘
となるよう位置制御部のパラメータKPθ、KIθ、KDθを求めることを特徴とする電動機の位置制御装置。 - 前記角度指令を通過させるための目標値フィルタを設け、この目標フィルタの伝達関数構成を、前記位置制御部のPI−D(微分先行型PID制御)の伝達関数と等価になるよう次式としたことを特徴とする請求項1記載の電動機の位置制御装置。
Gpi−d(s)={(KIθ+KPθ・s+KDθ・s2)/s}*{{(KIθ+KPθ・s)/(KIθ+KPθ・s+KDθ・s2)*θref}−θdet} - 前記角度指令を通過させるための目標値フィルタを設け、この目標値フィルタの伝達関数構成を、前記位置制御部のI−PD(比例・微分先行型PID)の伝達関数と等価になるよう次式としたことを特徴とする請求項1記載の電動機の位置制御装置。
Gi−pd(s)={(KIθ+KPθ・s+KDθ・s2)/s}*{{KIθ/(KIθ+KPθ・s+KDθ・s2)*θref}−θdet}
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
CSNH200100110001; 中山 優 Yu Nakayama: 'PID-P制御による2慣性ねじれ軸系のトルク制御 A Torque Control Method of 2-Mass Torsional System' 東洋電機技報 第104号 TOYO DENKI REVIEW , 東洋電機製造株式会社 * |
JPN6014000524; 中山 優 Yu Nakayama: 'PID-P制御による2慣性ねじれ軸系のトルク制御 A Torque Control Method of 2-Mass Torsional System' 東洋電機技報 第104号 TOYO DENKI REVIEW , 東洋電機製造株式会社 * |
JPN7014000043; 川田昌克 西岡勝博: Matlab/Simulinkによるわかりやすい制御工学 第1版, 20010306, 第92頁〜第94頁, 森北出版 * |
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