JP2011158399A - 微分型電気移動度分級装置、粒子計測システム、及び粒子選別システム - Google Patents

微分型電気移動度分級装置、粒子計測システム、及び粒子選別システム Download PDF

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Abstract

【課題】分級可能な荷電粒子の粒径の上限値を大きくすることが容易で、かつ粒径が変化しうる荷電粒子を分析可能な微分型電気移動度分級装置等を提供すること。
【解決手段】DMA(微分型電気移動度分級装置)100は、それぞれ入口スリット102、スリット104、出口スリット106を有する入口電極103、中間電極105、及び出口電極107が、所定の間隔をおいて対向するように順次配置された分級槽101と、分級槽101にシースガスを供給するガス供給部と、対向する上記電極間に所定の電圧を印加する電圧源108・109と、を備え、分級槽101は、対向する上記電極間毎に形成される第1分級部10及び第2分級部20を有し、上記ガス供給部は、分級槽101に供給する上記シースガスの流量を第1分級部10及び第2分級部20で個別に制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は微分型電気移動度分級装置、当該装置を備えた粒子計測システム、及び当該装置を備えた粒子選別システムに関する。
近年、半導体製造プロセス中における粒子汚染の抑制、量子ナノ材料の開発、又は大気中の酸性雨及びスモッグの発生機構の解明などに関連して、気体雰囲気中に浮遊する粉塵及びミストなどの微粒子が注目を集めている。
ナノメートルスケールからマイクロメートルスケールの粒径を持つエアロゾル粒子を分級する方法としては、気流中における荷電粒子の電気移動度が粒径に依存する現象を利用した、微分型電気移動度分級装置(DMA、Differential Mobility Analyzer)が用いられ、中でも、円筒型の微分型電気移動度分級装置(CDMA、Cylindrical Differential Mobility Analyzer)が広く用いられてきた(非特許文献1参照)。DMAは、近年著しい発展を遂げ、分級可能な荷電粒子の粒径の下限は10ナノメートル以下の極小サイズとなり、また、減圧状態下でも稼動可能となった(特許文献1参照)。
ここで、図9に従来のCDMAの一例を示す。図9に示すように、CDMA800は、中心ロッド(内筒)1と、囲み体(外筒)2とからなる二重円筒構造を有する。囲み体2の内周面(外筒電極)と中心ロッド1の外周面(内筒電極)との間は可変電圧源により所定の電圧が印加されている。シースガスは、囲み体2の上方にある図示しない吐出口より、囲み体2と中心ロッド1との間の空間に、層流をなすように供給される。囲み体2の上部には、荷電粒子を装置内へ導入する環状の入口スリット3が設けられている。また、中心ロッド1の下部には、分級された荷電粒子を装置から排出する環状の出口スリット4が設けられている。
CDMA800において、粒子が分級される原理について説明する。なお、CDMA800では、充分なシースガス流量に対して、荷電粒子を含む試料ガスが、入口スリット3から所定の流量Qaで導入されかつ同じ流量Qaで出口スリット4から排気されるとき、シースガスの層流条件は影響を受けないものとする。荷電したエアロゾル粒子(荷電粒子)は、入口スリット3から装置内に入ると、囲み体2と中心ロッド1との間の空間で層流をなしているシースガスと共に、囲み体2の内面壁に沿うように中心軸方向下方に移動する。これと共に、可変電圧源によって囲み体2と中心ロッド1との間に形成される電場の影響(静電引力)により、一方の極性のエアロゾル粒子のみが、その電気移動度に応じた速度で中心ロッド1の方向に引き寄せられる。電気移動度は粒子の粒径に依存するため、特定の粒径のエアロゾル粒子のみが出口スリット4に到着し、出口スリット4から装置外部に排出される。
ここで、荷電粒子の電気移動度Zpは、以下の式(1)
Zp=Qs・ln(R2/R1)/(2・π・V・L)・・・(1)
により与えられる。図9に示すように、式(1)において、Qsはシースガスの流量であり、R2は囲み体2の半径であり、R1は中心ロッド1の半径である。Lは入口スリット3と出口スリット4と間の、中心軸方向に沿った距離である。Vは、囲み体2の内周面と中心ロッド1の外周面との間に印加されている印加電圧である。
また、荷電粒子の電気移動度Zpは、以下の式(2)
Zp=q・e・Cc/(3・π・μ・Dp)・・・(2)
によっても与えられる。式(2)において、qは荷電粒子の電荷量、eは電気素量定数、Ccはカニンガム補正係数、μはシースガスの粘性係数であり、Dpは荷電粒子の粒径である。
ここで、式(1)と式(2)とを連立することにより、以下の式(3)
Dp=(2・V・L・q・e・Cc)/(3・μ・Qs・ln(R2/R1)) ・・・(3)
が得られ、分級される荷電粒子の粒径Dpと、印加電圧Vの大きさとは比例関係にあることがわかる。
特開平11−264790(1999年9月28日公開) 特開平10−288600(1998年10月27日公開) 米国特許7521673 B2(特許日:2009年4月21日)
E.O.Knutson and K.T.Whitby,J.Aerosol Sci.6 p.443−451,1975 D.J.Rader and P.H.McMurry, J.Aerosol Sci.17 p.771−787,1986 J.P.Santos et al.,Atoms.Chem.Phys.,9pp.2419−2429,2009
従来のDMAの第一の課題として、分級可能な荷電粒子の粒径の上限値を大きくすることが容易ではない点が挙げられる。
例えば、上記式(3)より明らかな通り、DMAで分級可能な荷電粒子の粒径の上限を大きくするためには、電極間への印加電圧Vを大きくする方法が考えられる。しかし大きな電圧を印加した場合、電極間で絶縁破壊がおきる。すなわち、印加電圧Vの上限は絶縁破壊がおきる電圧Vmaxによって制約を受けるという問題がある。
あるいは、分級可能な荷電粒子の粒径の上限を大きくするために、入口スリットと出口スリットとの間の距離Lを大きくする方法が様々試みられている。例えば、特許文献2では、分級範囲を連続的に可変にするDMAが開示されている。特許文献2のDMAは、基部に対して伸縮体を介して移動自在に連結された囲み体と、基部に連結されるとともに、囲み体内部に向かって伸びる中心ロッドとを備えている。基部と囲み体とは移動自在に連結されているため、囲み体内部の密封状態を維持しつつ、囲み体を上下に移動させることにより、囲み体にある入口スリットと中心ロッドにある出口スリットとの間の距離を連続的に変化させることができる。
しかし、距離Lを変えるこれらの方法はいずれも構造的に複雑で実現が困難である。また、距離Lを変えることは、入口スリット及び出口スリットの少なくとも一方の位置を変更することであるから、DMAの前後に接続された他の装置(荷電装置、及び粒子回収装置等)の位置を移動させる必要が生じる。或いは、前後に接続された他の装置の位置を移動させない場合は、入口スリット又は出口スリットと他の装置との間に流路を補填する必要が生じる。流路を補填した場合、流路の管壁に対するエアロゾル粒子の拡散沈着が増大する。とりわけ、粒径の小さいエアロゾル粒子ほど拡散沈着等の粒径に依存する輸送効率低下の影響を受け易い。その結果、拡散沈着等による影響を補正しなければ、正確な粒度分布は得られないという問題がある。
また、従来のDMAの第二の課題として、例えば、揮発性のエアロゾル粒子等、分級の過程でその粒径が変化しうる荷電粒子を分析し難い点が挙げられる。
DMAでは、シースガスとして乾燥空気及び純窒素などの清浄ガスを使用することが多く、一般的にシースガスと試料ガスとは成分組成が異なる。加えて、比較的蒸気圧が高い物質mからなるエアロゾル粒子(揮発性のエアロゾル粒子)は、試料ガス中に飽和蒸気圧分含まれるガス状態の物質mとの間で、平衡状態にあることによりその粒径を保っている。かかる事情から、揮発性のエアロゾル粒子をDMAで分級する場合、シースガス中での蒸発による揮発性エアロゾル粒子の粒径減少は一般的に避けられない。特に、測定対象たるエアロゾル粒子の成分が未知である場合、その蒸気圧も未知であることが多い。よって、DMAを用いた分級において、当該エアロゾル粒子の粒径が変化しているかを判断することは出来ず、どのぐらい変化しているかも勿論判断出来ないという問題がある。
なお、非特許文献2では、二つのDMAを直列に繋いだタンデムDMA測定系を使用して、DMA内で揮発性のエアロゾル粒子が蒸発する程度を推測する方法が開示されている。しかし、二つのDMAを繋ぐ連結部にエアロゾル粒子が比較的長時間滞在するため、とりわけ揮発性の比較的高い物質に対しては結果の正確さが期待できないという問題がある。
また、最近は、平板状電極を用いた平行平板型DMAも使われ始めている(特許文献3、非特許文献3参照)。例えば、特許文献5の図3に示すDMAは、粒子を通過させるためのスリットを備えた複数枚の平板状電極を平行に並べた構成を有する。この構成では、粒子を複数の粒子通過スリットを通過させることにより、回収される粒子の分散を比較的小さくすることができると開示されている。しかし上記二件の課題については、解決されていない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、分級可能な荷電粒子の粒径の上限値を大きくすることが容易で、かつ粒径が変化しうる荷電粒子を分析可能な微分型電気移動度分級装置等を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る微分型電気移動度分級装置(DMA)は、帯電した粒子が通過するスリットを有するn個(nは3以上の整数)の面状の電極が、所定の間隔をおいて対向するように順次配置された分級槽と、上記分級槽にシースガスを供給するガス供給部と、上記分級槽内の対向する上記電極間に所定の電圧を印加する電圧供給部と、を備え、上記分級槽は、対向する上記電極間毎に形成される、帯電した粒子を分級する(n−1)段の分級部を有し、上記ガス供給部は、上記分級槽に供給する上記シースガスの流量を上記分級部毎に制御することを特徴としている。
上記の構成によれば、分級部毎にシースガスの流量を個別に制御可能であるため、分級槽の構成を実質的に変更することなく、分級部単位で比較的容易に分級条件を変更可能である。その結果、例えば、分級可能な荷電粒子の粒径の上限値を比較的容易に拡大可能となる。加えて、分級過程で粒径の変化する荷電粒子を分析することが容易となる。さらに、多段分級を行うことで、帯電した粒子を含む試料ガスからガス成分を効率的に除去し、特定粒径の粒子をより高純度で回収することができる。
本発明に係るDMAは、上記の構成において、上記分級部の少なくとも一つにおいて、対向する上記電極が有するスリット同士の、上記シースガスの流線方向における相対的な位置関係が、可変であることが好ましい。
上記の構成によれば、分級部単位で比較的容易に分級条件を変更可能である。とりわけ、帯電した粒子が分級槽に導入される入口スリットが形成された電極、及び当該粒子が分級槽から取り出される出口スリットが形成された電極を除く電極(両電極の間に位置する中間電極)においてスリットの位置を変更すれば、DMAの前後に接続される他の装置の位置を移動させる必要がない。もちろん、DMAと他の装置とを接続するための流路の補填も不要であるため、帯電した粒子の粒径に依存する拡散損失の効果を考慮する必要がないという利点もある。
本発明に係るDMAは、上記の構成において、少なくとも一組の隣り合う上記分級部間で、上記シースガスの流線方向が互いに逆向きであってもよい(対称型のDMA)。この構成によれば、装置長をコンパクトに維持したまま、より広い分級長を確保可能となる。その結果、装置長をコンパクトに維持したまま、より広範な粒径の粒子の多段分級を行うことができる。
本発明に係るDMAは、上記の構成において、上記電圧供給部は、対向する上記電極間毎に印加する電圧を制御する構成であってもよい。この構成によれば、分級部単位での分級条件の変更がより容易となる。
本発明に係るDMAは、上記の構成において、n個の上記電極は平板形状でありかつ互いに平行となるように上記分級槽内に配置されていることが好ましい。この構成によれば、平行平板型の多段分級DMAを提供可能となる。
本発明に係るDMAは、上記の構成において、上記スリットとして帯電した粒子を分級槽外に取出すためのものを有する上記電極が、複数個の上記スリットを当該電極における高さの異なる位置に有するものであってもよい。この構成によれば、目的に応じて、粒子を分級槽外に取り出すためのスリットを選択使用可能となる。そして、当該DMAを、いわゆる対称型のDMAとしても、非対称型のDMAとしても使用可能となる。
また、本発明に係るDMAは、上記スリットの選択使用を可能とするために、上記ガス供給部は、上記シースガスの流線方向を上記分級部毎に制御するものであってもよい。
また、本発明に係るDMAでは、上記ガス供給部は、上記分級部毎に、分級部からのシースガスの排出流量と実質的に同一の流量でシースガスを供給することが好ましい。
本発明はさらに、上記何れかの微分型電気移動度分級装置と、当該微分型電気移動度分級装置により分級された粒子の化学成分を分析する粒子成分計測装置とを備えた粒子計測システムを提供する。
本発明はさらに、上記何れかの微分型電気移動度分級装置と、当該微分型電気移動度分級装置により分級された特定粒径の粒子を選別して回収する粒子選別装置とを備える粒子選別システムを提供する。
本発明によれば、分級可能な荷電粒子の粒径の上限値を大きくすることが容易で、かつ粒径が変化しうる荷電粒子を分析可能な微分型電気移動度分級装置等を提供することができる。
(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係るDMAの概略構成を示す断面図である。 図1に示すDMAが有する分級部の概略構成を示す斜視図である。 (a)及び(b)は、本発明の他の実施形態に係るDMAの概略構成を示す断面図である。 (a)及び(b)は、本発明のさらに他の実施形態に係るDMAの概略構成を示す断面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係るDMAの概略構成を示す断面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係るDMAの概略構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る微粒子計測・選別システムを示す模式図である。 本発明の実施例に係る分析結果を示すグラフである。 従来技術に係る微分型電気移動度分級装置を示す模式図である。
〔実施形態1〕
本発明に係るDMAの一実施形態について、図1及び図2に基づいて説明すると以下の通りである。
(DMA100の構成)
初めに、図1を用いて、本発明に係るDMA100の構成の概要を説明する。図1は、各スリット(後述する)に垂直な平面でDMA100を切断した断面を模式的に示す断面図である。
図1中の(a)及び(b)に示すように、本実施形態に係るDMA100は、概略的には、帯電した粒子(荷電粒子)を電気移動度に応じて分級する装置であって、分級槽101と、シースガス供給装置110と、電圧源108・109とを備える。
分級槽101は、直方体形状の絶縁性の筐体である。分級槽101内には、入口電極103、中間電極105、及び出口電極107(3個の電極)が、所定の間隔をおいて互いに平行になるように順次配置されている。入口電極103、中間電極105、及び出口電極107は、スリットの形成位置の相違を除き同一形状をしており、何れも長方形状の平面電極である。入口電極103と出口電極107とは、分級槽101内の対向する内壁面上にそれぞれ形成されている。中間電極105は、入口電極103と出口電極107との間にこれら電極と対向するように設けられて、分級槽101内の空間を二つに仕切る。
分級槽101は、対向する電極間毎に形成される、帯電した粒子を分級する2(3−1)段の分級部を有する。すなわち、対向する入口電極103及び中間電極105と、分級槽101の筐体内壁(図2に示す壁部119a・119bに相当)とにより第1分級部10が形成される。また、対向する中間電極105及び出口電極107と、分級槽101の筐体内壁とにより第2分級部20が形成される。
第1分級部10及び第2分級部20の内部は何れも、帯電した粒子が通過する一対のスリット(後述する)を有する、密閉した分級空間を構成する。第1分級部10及び第2分級部20ではいずれも、分級部内でのシースガスの流線方向(流れ方向)上流側に入口スリットが、下流側に出口スリットが形成されている。また、DMA100では、隣り合う分級部同士(第1分級部10及び第2分級部20)は、中間電極105及び当該電極が有するスリット104を共有する。
第1分級部10は、第2分級部20より上流段の分級部である。荷電したエアロゾル粒子(荷電粒子)を含む試料ガスは、第1分級部10を構成する入口電極103に設けられた入口スリット(スリット)102を介して、第1分級部10内に導入される。第1分級部10内に導入された荷電したエアロゾル粒子の一部は、シースガスの流線方向下流側に位置するスリット104を介して下流段の第2分級部20内に導入される。次いで、第2分級部20内に導入された荷電したエアロゾル粒子の一部は、シースガスの流線方向下流側に位置する出口スリット106を介して第2分級部20外(分級槽101外)に取り出される。すなわち、中間電極105が有するスリット104は、第1分級部10の出口スリット、及び第2分級部20の入口スリットとして機能する。
なお、入口スリット102、スリット104、及び出口スリット106は、鉛直方向(シースガスの流線方向)に対して垂直な方向に開口した開口部であって、互いに平行に形成されている。
シースガス供給装置110は、清浄窒素ガス、又は清浄空気等の清浄ガスを分級槽101に対してシースガスとして供給する。なお、分級槽101内を通過して排気された清浄ガスを回収して循環利用(リサイクル利用)に供することもでき、その場合、シースガス供給装置110は、回収された清浄ガスをフィルタリングして純化する。
シースガス供給装置110と分級槽101とは、ガス供給管211・212を介して接続される。より具体的には、ガス供給管211は、シースガス供給装置110と第1分級部10のシースガス導入口5aとを接続して、第1分級部10内に清浄ガスをシースガスとして供給する。ガス供給管212は、シースガス供給装置110と第2分級部20のシースガス導入口5bとを接続して、第2分級部20内に清浄ガスをシースガスとして供給する。ガス供給管211は、マスフローコントローラー115(MFC115:ガス供給制御手段)を備える。ガス供給管212は、マスフローコントローラー116(MFC116:ガス供給制御手段)を備える。
MFC115及びMFC116は、第1分級部10及び第2分級部20それぞれに供給されるシースガスの質量を計測し、その計測結果に基づき各分級部へのシースガスの供給流量を自動制御する。すなわち、DMA100では、MFC115及び116を用いることで、第1分級部10及び第2分級部20へ供給するシースガスの流量を個別に制御可能な構成となっている。なお、DMA100では、シースガス供給装置110、ガス供給管211・212、及びMFC115・116が、ガス供給部を構成している。
分級槽101内を流れたシースガスは、ガス排出管213・214を介して分級槽101外に排気される。ガス排出管213は、第1分級部10下部のシースガス排気口6aと図示しない排気ポンプとを接続する。ガス排出管213には、流量調整バルブ161とマスフローメーター171(MFM171)とが設けられて、シースガスの排気量が自在に制御される。ガス排出管214は、第2分級部20下部のシースガス排気口6bと図示しない排気ポンプとを接続する。ガス排出管214には、流量調整バルブ162とマスフローメーター172(MFM172)とが設けられて、シースガスの排気量が自在に制御される。
DMA100を用いた分級動作に際しては、まず、外界に通じる全てのバルブ(すなわち、開閉弁111・131、流量調整バルブ161・162、マスフローコントローラー115・116)を閉じて、分級槽101を閉鎖系にする。次いで、各分級部においてシースガスの供給流量と排出流量とが一致して、各分級部内にシースガスの層流が形成されるように、流量調整バルブ161・162、及びマスフローコントローラー115・116を制御する。圧力計112は分級槽101内の圧力を監視し、当該圧力が目標値(例えば、試料ガスが存在する環境圧力)を維持するように、シースガスの供給流量と排出流量とが調整される。次いで、開閉弁111・131を開いて、試料ガスをDMA100内に導入して分級を行う。すなわち、DMA100では、上記の制御により、分級部それぞれでシースガスの供給流量と排出流量とが実質的に一致して、分級部毎にシースガスの層流が形成されるとともに、分級部間に実質的な圧力差がない状態が実現されている。
電圧源(電圧供給部)108は、第1分級部10を構成する入口電極103と中間電極105との間に所定の電圧を印加する。また、電圧源(電圧供給部)109は、第2分級部20を構成する中間電極105と出口電極107との間に所定の電圧を印加する。電圧源108・109は何れも印加する電圧を所望する値に変更可能な可変電圧源である。すなわち、DMA100では、各分級部(第1分級部10及び第2分級部20)に印加する電圧を独立して制御可能な構成となっている。
また、分級槽101の上方及び下方には、中間電極105の位置を調整する位置調整機構120・121が設けられている。位置調整機構120・121は、鉛直方向に中間電極105まで延伸したガイドレール122・123を備える。中間電極105は、ガイドレール122・123に沿って上下方向(シースガスの流線方向)に連続的に移動可能であり、かつ所望する位置で固定可能である。併せて、中間電極105が有するスリット104の位置も上下方向に連続的に移動可能である。すなわち、DMA100では、中間電極105を上下方向に移動させることで、第1分級部10が有する一対のスリットの相対的な位置関係、及び第2分級部20が有する一対のスリットの相対的な位置関係を変更することができる。
例えば、図1中の(b)は、中間電極105をガイドレール122・123に沿って移動することで、同図中の(a)と比較してスリット104の位置が下方に移動した様子を示す。図1中の(b)に示す状態では、(a)に示す状態と比較して、第1分級部10の分級長L10は増大し、かつ第2分級部20の分級長L20は減少している。
(DMA100の動作原理)
次に、図1及び図2を用いてDMA100の動作原理を説明する。なお、備える分級部の数に関わらず各分級部での分級の動作原理は共通するため、以下の説明では専ら第1分級部10での動作原理を説明する。
図2は、DMA100が備える一つの分級部(第1分級部10)の概略構成を示す斜視図である。エアロゾル粒子を含む試料ガスは、図示しない荷電装置により電荷を付与されて、荷電エアロゾル粒子を含んだ試料ガスとなる。この試料ガスは、入口スリット102から分級槽101内に導入され、第1分級部10内に入る。第1分級部10内では、充分な流量のシースガスが、シースガス導入口5aからシースガス排気口6aに向けて下向きに層流をなすように流れる。ここで、エアロゾル粒子が、入口スリット102より第1分級部10に入り、スリット104を経由して第1分級部10から出るまで、シースガスの層流条件は影響を受けないものとする。
ここで、入口電極103と中間電極105との間の距離はa10とする。入口スリット102及びスリット104の長さはb10とする。入口電極103と中間電極105との間に印加される電圧はV10とする。シースガスの流線方向に沿った、入口スリット102とスリット104との間の距離はL10とする(図2参照)。
第1分級部10に取り込まれた試料ガスは、シースガスの層流に従い、入口電極103の内面壁に沿うように下流に流されるが、入口電極103と中間電極105との間に電圧V10が印加されると、一方の極性を有する荷電エアロゾル粒子は静電引力により入口電極103から中間電極105側に移動する。この時の、荷電エアロゾル粒子の電気移動度Zpは式(4)の通りである。
Zp=Qs10・a10 /(b10・V10・L10) ・・・(4)
式(4)中、Qs10はシースガスの流量であり、a10、b10、V10、L10は上記説明の通りである。
また、荷電エアロゾル粒子の電気移動度Zpは、以下の式(5)
Zp=q・e・Cc/(3・π・μ・Dp)・・・(5)
によっても与えられる。式(5)において、qは荷電粒子の電荷量、eは電気素量定数、Ccはカニンガム補正係数、μはシースガスの粘性係数であり、Dpは荷電エアロゾル粒子の粒径である。
ここで、式(4)と式(5)とを連立して計算される粒径Dpを持つ荷電エアロゾル粒子のみが、スリット104を通過して、後段の第2分級部20に入る。
また、第2分級部20においても同様に、下記の式は成立する。
Zp=Qs20・a20 /(b20・V20・L20) ・・・(6)
そして、式(5)と式(6)とを連立して計算される粒径Dpを持つ粒子のみ、出口スリット106に到達して、出口スリット106からDMA100の外部に取り出される。なお、式(6)において、Qs20は第2分級部20内のシースガスの流量、a20は中間電極105と出口電極107との間の距離、b20はスリット104及び出口スリット106の長さ、V20は中間電極105と出口電極107との間に印加される電圧、L20はスリット104と出口スリット106との間の距離である。
(DMA100の主要な特徴)
特に限定されないが、DMA100の主要な特徴は以下の通りである。
(1)シースガス流量を分級部毎に個別制御
DMA100では、分級部毎(第1分級部10及び第2分級部20)に、シースガスの流量を個別に制御可能である。上記式(5)に示す通り、シースガスの流量は各分級部での分級条件を決定する1要因であり、DMA100では、分級槽101の構成を実質的に変更することなく、分級部単位で比較的容易に分級条件を変更可能である。
例えば、従来のDMAでは、分級可能な荷電粒子の粒径の上限値を大きくするために、分級部に印加される電圧を大きくすると絶縁破壊がおきるという問題を招来した。一方、DMA100では、各分級部に印加される電圧を絶縁破壊がおきる電圧未満に維持し、かつ各分級部でのシースガスの流量をより少量とすることで、分級可能な荷電粒子の粒径の上限値を比較的容易に拡大可能となる。
或いは、各分級部でのシースガスの流量をより大きくすることで、充分な分解能、及び荷電粒子とガスとの分離性能を得ることが可能となる。
また、第1分級部10又は第2分級部20のいずれか一方においてシースガスを流さず、その分級部を試料ガス又は分級された荷電粒子を含むガスの流路として用いることにより、DMA100を単層のDMAとしても使用することができる。
さらに、分級部単位での分級条件の変更が比較的容易なため、分級過程で粒径の変化する荷電粒子を分析することが容易となる。詳細は、下記(3)にて説明する。
(2)分級長が可変
DMA100では、中間電極105を上下方向に移動させることで、各分級部の分級長(シースガスの流線方向に沿ったスリット間距離)を変更可能である。上記式(5)に示す通り、分級長は各分級部での分級条件を決定する1要因であり、DMA100では、分級槽101の構成を実質的に変更することなく、分級部単位で比較的容易に分級条件を変更可能である。したがって、上記「(1)シースガス流量を分級部毎に個別制御」の欄に記載したものと同様の効果が得られる。
また、DMA100では、試料ガスを導入する入口スリット102を有する入口電極103の位置、及び分級された荷電粒子を取り出す出口スリット106を有する出口電極107の位置は固定されている。そして、入口電極103と出口電極107とで挟まれた中間電極105の位置のみを、シースガスの流線方向に可変としている。これにより、各分級部の分級条件を変更しても、入口スリット102及び出口スリット106の位置変更は伴わない。その結果、分級条件を変更しても、DMA100の前後に接続される他の装置(荷電装置、及び粒子回収装置等)の位置を移動させる必要がない。もちろん、入口スリット102及び出口スリット106と他の装置とを接続するための流路の補填も不要であるため、荷電粒子の粒径に依存する拡散損失の程度の変化を考慮する必要がないという利点も有する。
(3)効率的な多段分級が可能
DMA100では、第1分級部10と第2分級部20とを用いた多段分級を行う。第1分級部10と第2分級部20とは中間電極105を共有し、両分級部間の流路(スリット104)は実質的に無視できる程度の長さである。従って、連続する分級部間での輸送に際して、荷電粒子の拡散等による損失の影響を最小限に留めつつ多段分級を行うことができる。
例えば、図9に示す構造を有するCDMAでは、特定粒径の荷電粒子のみを分取しようとする場合には、共存する試料ガス成分の0.001〜0.01%以上が混入することが知られている(Aerosol Sci. and Tech., 39 pp.931-940(2005))。従って、従来構造のDMAを、試料ガス中のガス成分から荷電粒子を選別する装置として利用する方法(特開2001−239181号等参照)ではガスの除去能力が不十分であり、荷電粒子を選別しての利用及び組成分析において問題となりうる。
しかしながら、DMA100では、多段分級を行うことで、試料ガスの除去能力を高め(理論的には段数乗高まる)、特定粒径のエアロゾル粒子をより高純度で回収することができる。
(4)荷電粒子の粒径変化を分析可能
また、多段分級を行う他の利点として、分級過程における荷電粒子の粒径変化を分析可能な点も挙げられる。例えば、第1分級部10及び第2分級部20の分級条件を、同一粒径の荷電粒子が分級されるように設定した場合、荷電粒子の粒径の変化がなければ、当該荷電粒子は出口スリット106より取り出される。
一方で、当該荷電粒子が出口スリット106より取り出されない場合は、分級過程において荷電粒子の粒径変化が生じたと予測できる。また、この場合は、第2分級部20の分級条件を連続的に変化させることで、荷電粒子の粒径変化の程度を分析することができる。このような分析は、特に揮発性の荷電粒子の分析に有用である。
以下、DMA100を用いて荷電粒子の粒径変化を分析する一例を示す。なお、以下の説明にて用いる各符号の説明は、図1、及び上記の(DMA100の動作原理)の欄に記載の通りである。
DMA100では、第1分級部10及び第2分級部20に流れるシースガスの流量を、それぞれ個別に制御できる。初めに、所望の特定粒径を有する荷電粒子がスリット104を通過できるように、L10=L20、a10=a20、かつb10=b20の条件のもと、上記式(4)〜(6)に従い計算し、V10及びQs10を最適な値に設定する。次に、V10=V20、かつQs10=Qs20となるよう(すなわち分級部間の分級条件が同一となるよう)に設定して、荷電粒子を含む試料ガスを入口スリット102より導入する。このとき、第1分級部10内で分級され、スリット104を通過した特定粒径の荷電粒子は、出口スリット106より分級槽101から取出されるはずである。
所望の特定粒径の荷電粒子が出口スリット106から取出されない場合、第2分級部20において、荷電粒子の電気移動度が第1分級部10内と異なっていることが明らかになり、荷電粒子の粒径が変化していると判断出来る。このとき、適当なQ10及びQ20の下で、V10を固定してV20を連続的もしくは段階的に変化させる。そして、荷電粒子が出口スリット106から取出されたときのV20を記録し、式(4)〜(6)に従い計算することで、出口スリット106から取出された時点の荷電粒子の粒径を求めることが出来る。これによって、分級過程において、蒸発により、荷電粒子の粒径の減少が起きているか否か、または減少の程度を知ることが出来る。
DMA100では、従来のCDMA2台をタンデムに接続したシステムに比べ、DMA同士を繋ぐ流路での滞留時間が実質的に無い。そのため、分級過程(分級槽101内)における粒径の変化のみを特定することが出来る。また、第2分級部20で得られる粒径分布と第1分級部10で得られる粒径分布とを比べることにより、例えば有核成長の程度など、揮発性エアロゾル粒子の熱力学的な特徴に関する情報を得ることが出来る。
また、図1中の(b)において、第1分級部10の分級長L10を大きくして、第2分級部20の分級長L20を小さくすることにより、荷電粒子の粒径の減少が特に著しい場合においても、その粒径の分析が可能となる。さらに、L10及びL20を最適化するとともに、Qs10及びQs20を最適化することにより、分級槽101内部での荷電粒子の滞在時間を、所定の範囲内で最適化することも可能である。
〔実施形態2〕
本発明に係るDMAの他の実施形態について、図3に基づいて説明すると以下の通りである。図3中の(a)及び(b)は、各スリットに垂直な平面でDMA300を切断した断面を模式的に示す断面図である。なお、説明の便宜上、実施形態1に係るDMA100の構成要素と同様の機能を有する構成要素は同一の番号を付して、その説明を省略する。本実施形態では、主に実施形態1との相違点について説明する。
(DMA300の構成)
図3に示すように、DMA300は、実施形態1に係るDMA100に比べ、第2分級部及びその周辺構成のみが相違する。具体的には、DMA300では、DMA100における出口電極107に代えて、入口スリット102と同じ高さに形成された出口スリット106aを有する出口電極107aを備える。そして、対向する中間電極105及び出口電極107aと、分級槽101の筐体内壁とにより第2分級部20aが形成される。
DMA300では、隣り合う第1分級部10と第2分級部20とで、中間電極105及び当該電極が有するスリット104を共有する。また、中間電極105に対向する二枚の電極(入口電極103及び出口電極107a)が有するスリット(入口スリット102、及び出口スリット106a)は、共有されたスリット104に対して上方かつ同じ高さに位置する。すなわち、DMA300では、隣り合う分級部間で、入口側のスリットと出口側のスリットとの位置関係が逆転している。そのため、第1分級部10と第2分級部20aとでシースガスの流線方向(流れ方向)を互いに逆向きにする必要がある。従い、第2分級部20aに対しては、下方から上方に向かってシースガスが流れるように、第2分級部20aの下部にガス供給管212が、上部にガス排出管214が接続される。
なお、隣り合う第1分級部10と第2分級部20とのスリットの配置関係に着目し、以下、DMA300に類する構造を対称型のDMAと称する場合もある。また、実施形態1に示したDMA100に類する構造を非対称型のDMAと称する場合もある。
(DMA300の動作例)
DMA300では、荷電粒子を含む試料ガスが、入口スリット102から第1分級部10内に導入される。次いで、第1分級部10での分級の結果、所定の粒径を有する荷電粒子のみが、シースガスの流線方向下流側(下方)に位置するスリット104より第2分級部20a内に導入される。次いで、第2分級部20aでの分級の結果、所定の粒径を有する荷電粒子のみが、シースガスの流線方向下流側(上方)に位置する出口スリット106aより分級槽101外に取出される。
また、図3中の(a)及び(b)に示すように、DMA300では、中間電極105を上下方向に移動させた場合でも、第1分級部10での分級長(スリット間距離)と、第2分級部20aでの分級長とは常に等しい関係にある。
(DMA300の主要な特徴)
特に限定されないが、実施形態1で説明したDMA100と比較したDMA300の主要な特徴は以下の通りである。なお、DMA300は、DMA100が有する利点を全て共有しており、重複した説明は省略する。
(1)装置長をコンパクトに維持したまま広範な多段分級が可能
例えば、図1に示すDMA100において、第1分級部10及び第2分級部20で完全に同一の分級条件で多段分級を行うと仮定する。この場合、分級長L10=L20の関係を満たすように中間電極105の位置が設定される(図1中の(a)参照)。そのため、第1分級部10及び第2分級部20で確保可能な分級長の上限は、各分級部の長さの約1/2となる。
一方、DMA300では、中間電極105の位置に関わらず、第1分級部10及び第2分級部20aが確保可能な分級長は常に等しい。よって、第1分級部10及び第2分級部20aにおいて完全に同一の分級条件で多段分級を行うと仮定した場合でも、各分級部の長さと実質同長の分級長を確保可能である(図3(b)参照)。
すなわち、DMA300は、装置長をコンパクトに維持したままより広い分級長を確保可能とする。その結果、装置長をコンパクトに維持したまま、より広範な粒径の荷電粒子の多段分級を行うことができる。
〔実施形態3〕
本発明に係るDMAのさらに他の実施形態について、図4に基づいて説明すると以下の通りである。図4中の(a)及び(b)は、各スリットに垂直な平面でDMA400を切断した断面を模式的に示す断面図である。なお、説明の便宜上、実施形態1に係るDMA100の構成要素と同様の機能を有する構成要素は同一の番号を付して、その説明を省略する。本実施形態では、主に実施形態1及び実施形態2との相違点について説明する。
(DMA400の構成)
図4に示すように、DMA400は、実施形態1に係るDMA100に比べ、第2分級部及びその周辺構成のみが相違する。具体的には、DMA400では、DMA100における出口電極107に代えて、異なる高さに二つの出口スリット106a・106を有する出口電極107bを備える。そして、対向する中間電極105及び出口電極107bと、分級槽101の筐体内壁とにより第2分級部20bが形成される。
出口スリット106aは、入口スリット102と同じ高さに形成されている。出口スリット106は、出口スリット106aの下方に形成されている。出口スリット106aに接続された粒子取出管には開閉弁130が、出口スリット106に接続された粒子取出管には開閉弁131が設けられている。DMA400の使用時には、開閉弁130・131の何れか一方を開き、他方を閉じることで、出口スリット106a及び出口スリット106の何れか一方を選択的に使用する。
第2分級部20bの上部に位置する開口5cは、ガス供給管212を介してシースガス供給装置110に接続され、開口5dは、ガス排出管214aに接続されている。第2分級部20bの下部に位置する開口6cはガス排出管214に接続され、開口6dは、ガス供給管212aを介してシースガス供給装置110に接続されている。ガス排出管214aは、流量調整バルブ163とマスフローメーター173(MFM173)とを備え、第2分級部20bからのシースガスの排気量が制御される。ガス供給管212aは、マスフローコントローラー116aを備え、第2分級部20bへのシースガスの供給流量が制御される。
例えば、図4中の(a)に示すように、第2分級部20bの上方から下方へシースガスを流す場合は、ガス供給管212及びガス排出管214のみをシースガスの供給排出用に用いてDMA400を作動させる。一方、図4中の(b)に示すように、第2分級部20bの下方から上方へシースガスを流す場合は、ガス供給管212a及びガス排出管214aのみをシースガスの供給排出用に用いてDMA400を作動させる。
(DMA400の主要な特徴)
DMA400は、実施形態1で示すDMA100と、実施形態2で示すDMA300とのハイブリッド型のDMAであり、両者の利点を兼ね備える。
例えば、図4中の(a)は、開閉弁130を「閉」、開閉弁131を「開」として、出口スリット106を利用する状態を示す。すなわち、DMA400は、DMA100と同等の装置として機能している。一方、図4中の(b)は、開閉弁130を「開」、開閉弁131を「閉」として、出口スリット106aを利用する状態を示す。すなわち、DMA400は、DMA300と同等の装置として機能している。
〔実施形態4〕
本発明に係るDMAのさらに他の実施形態について、図5に基づいて説明すると以下の通りである。図5は、各スリットに垂直な平面でDMA500を切断した断面を模式的に示す断面図である。なお、説明の便宜上、実施形態1に係るDMA100の構成要素と同様の機能を有する構成要素は同一の番号を付して、その説明を省略する。本実施形態では、主に実施形態1との相違点について説明する。
(DMA500の構成)
図5に示すように、DMA500は、DMA100において、分級部を2段から3段へ増加させた構成である。この構成により、DMA100が有する利点に加えて、DMA100と比較して、ガス除去能力がより一層向上した効率的な多段分級が可能となる。
DMA500は、入口スリット102を有する入口電極103、出口スリット106を有する出口電極107の他に、二つの中間電極105a・105bを有する。中間電極105a・105bには、それぞれスリット104a・104bが設けられている。入口電極103、中間電極105a、中間電極105b、及び出口電極107は、それぞれ両側を分級槽101の筐体内壁に固定されて、密閉された第1分級部10c、第2分級部20c、及び第3分級部30cを形成する。
各分級部は、その上部にあるシースガス導入口において、導管を介して、シースガス供給装置110と接続されている。導管は、マスフローコントローラー115a・115b・115cを備えている。それぞれのマスフローコントローラー115a・115b・115cの開閉及び開閉の度合いによって、各分級部を流れるシースガスの流量を個別に制御することが出来る。
DMA500では、位置調整機構120・121は、鉛直方向に中間電極105aまで延伸したガイドレール122a・123aと、鉛直方向に中間電極105bまで延伸したガイドレール122b・123bとを備える。中間電極105a・105bは、ガイドレールに沿って上下方向(シースガスの流線方向)に連続的に移動可能であり、かつ所望する位置で固定可能である。中間電極105a・105bを同方向に同じ距離だけ移動させた場合は、第2分級部20cの分級長を変更することなく、第1分級部10cの分級長及び第3分級部30cの分級長のみを変更することもできる。
なお、各分級部は、その下部にあるシースガス排出口において、導管を介して、シースガス供給装置110に接続されている。すなわち、DMA500は、各分級部を通過したシースガスを、回収、及びフィルタリングした後に、再利用する構成をとっている。なお、図5では、シースガス排出側の流量制御機構に関して、図示を省略している。
〔実施形態5〕
本発明に係るDMAのさらに他の実施形態について、図6に基づいて説明すると以下の通りである。図6は、各スリットに垂直な平面でDMA600を切断した断面を模式的に示す断面図である。なお、説明の便宜上、実施形態2に係るDMA300の構成要素と同様の機能を有する構成要素は同一の番号を付して、その説明を省略する。本実施形態では、主に実施形態2との相違点について説明する。
(DMA600の構成)
図6に示すように、DMA600は、対称型のDMA300が備える分級槽と同等の構成を二つ直結して、分級部を2段から4段へ増加させた構成である。この構成により、DMA300が有する利点に加えて、DMA300と比較して、ガス除去能力がより一層向上した効率的な多段分級が可能となる。
微分型電気移動分級装置600は、入口スリット102を有する入口電極103、出口スリット106を有する出口電極107の他に、三つの中間電極105a・105b・105cを有する。中間電極105a・105b・105cには、それぞれスリット104a・104b・104cが設けられている。入口電極103、中間電極105a、中間電極105b、中間電極105c、及び出口電極107は、それぞれ両側を分級槽101の筐体内壁に固定されて、密閉された第1分級部10d、第2分級部20d、第3分級部30d、及び40dを形成する。
第1分級部10d及び第3分級部30dは、その上部にあるシースガス導入口において、導管を介して、シースガス供給装置110と接続されている。第2分級部20d及び第4分級部40dは、その下部にあるシースガス導入口において、導管を介して、シースガス供給装置110と接続されている。導管は、マスフローコントローラー115a・115b・115c・115dを備えている。それぞれのマスフローコントローラー115a・115b・115c・115dの開閉及び開閉の度合いによって、各分級部を流れるシースガスの流量を個別に制御することが出来る。
なお、DMA600では、位置調整機構120・121は、鉛直方向に中間電極105aまで延伸したガイドレール122a・123aと、鉛直方向に中間電極105bまで延伸したガイドレール122b・123bと、鉛直方向に中間電極105cまで延伸したガイドレール122c・123cとを備える。中間電極105a・105b・105cは、ガイドレールに沿って上下方向(シースガスの流線方向)に連続的に移動可能であり、かつ所望する位置で固定可能である。中間電極105a・105bの組合わせ、又は中間電極105b・105cの組合わせを同方向に同じ距離だけ移動させた場合は、第2分級部20d又は第3分級部30dの分級長を変更することなく、第1分級部10cの分級長及び第4分級部40dの分級長のみを変更することもできる。
また、例えば、第3分級部30dの下部に、粒子取出管(図示せず)を設けて、所望粒径の荷電粒子を分級槽101から排出させ、第4分級部40dを使用しないなど、必要に応じてDMA600の一部を使用することもできる。この場合は、第4分級部40d内へのシースガスの供給は不要である。
なお、DMA600は、実施形態5で示したDMA500と同様に、各分級部を通過したシースガスを、回収、及びフィルタリングした後に、再利用する構成をとっている。なお、図6では、シースガス排出側の流量制御機構に関して、図示を省略している。
〔実施形態6〕
次に、図7を用いて本発明に係る粒子計測・選別システム700について説明する。粒子計測・選別システム700は、DMA100(実施形態1参照)、荷電装置710、質量分析装置720、粒子数計測装置730、及び粒子収集装置740から構成される。
荷電装置710は、DMA100が有する入口スリット102と導管を介して接続されている。質量分析装置720、粒子数計測装置730、及び粒子収集装置740は、DMA100が有する出口スリット106と十字管を介してそれぞれ接続されている。
エアロゾルを含む試料ガスは、荷電装置710によって電荷を与えられ、荷電エアロゾルを含んだ試料ガスとなる。この試料ガスは、開閉弁111を開くことで、入口スリット102から分級槽101内に取り込まれ、第1分級部10と第2分級部20とにより荷電エアロゾルが分級される。所定粒径を有する荷電エアロゾルは出口スリット106から取出される。
出口スリット106から取出された荷電エアロゾルの質量分析を行いたい場合には、開閉弁702・703を閉じ、開閉弁131・701を開き、この荷電エアロゾルを質量分析装置720内に導入する。出口スリット106から取出された荷電エアロゾルの粒子数をカウントしたい場合には、開閉弁701・703を閉じ、開閉弁131・702を開き、この荷電エアロゾルを粒子数計測装置730内に導入する。また、開閉弁701・702を閉じ、開閉弁131・703を開くことにより、粒子収集装置740によって特定粒径の粒子を選別して、収集することが可能である。
以上、実施形態1〜6を用いて説明の通り、本発明に係るDMAは、1)帯電した粒子が通過するスリットを有するn個(nは3以上の整数)の面状の電極が、所定の間隔をおいて対向するように順次配置された分級槽と、2)上記分級槽にシースガスを供給するガス供給部と、3)上記分級槽内の対向する上記電極間に所定の電圧を印加する電圧供給部と、を備え、上記分級槽は、対向する上記電極間毎に形成される、帯電した粒子を分級する(n−1)段の分級部を有し、上記ガス供給部は上記分級槽に供給する上記シースガスの流量を上記分級部毎に制御するものである。
実施形態1〜6では、上記面状の電極として3個〜5個を備えたものを例示したが、面状の電極の個数は特にこれらに限定されず、6個以上であってももちろんよい。また、実施形態1〜6では、上記面状の電極として長方形状(平板形状)の電極を備えたものを好適例として示したが特にこれに限定されず、例えば曲面状の電極を用いることもできる。曲面状の電極として、特に具体的には、同心円状に配置されたn個(nは3以上の整数)の円筒状の電極が挙げられる。
また、本発明に係るDMAでは、少なくとも一組の隣り合う上記分級部間で、上記シースガスの流線方向が互いに逆向きであってもよい。この場合、本発明に係るDMAでは、隣り合う分級部は1つのスリットを共有し、他のスリット(一方の分級部の粒子の入口側スリットと他方の分級部の粒子の出口側スリット)は共有されたスリットに対して何れも上方、又は何れも下方に位置している(実施形態2及び5も参照)。
実施形態1〜6に示すDMAでは、位置調整機構を用いて面状の電極を上下方向に移動させることで、当該電極に形成されたスリットの位置を変更する。しかし、スリットの位置を変更する方法は特にこれに限定されず、例えば、スリットの形成位置が異なる複数の面状の電極を互いに取り外し交換が可能な構成として、スリットの位置を変更してもよい。
実施形態1〜6に示すDMAでは、各分級部におけるシースガスの供給流量はマスフローコントローラーにより自動制御し、シースガスの排出流量は手動で制御している。しかし、シースガスの排出流量もマスフローコントローラー等を用いて自動制御する構成としてもよい。また、本発明に係るDMAでは、全分級部におけるシースガスの供給流量と排出流量とを一括して自動制御する制御部を1つ設ける構成としてもよい。
本発明に係るDMAを用いた分級の対象となる粒子の粒径は特に限定されないが、ナノメートルスケールからマイクロメートルスケールの微粒子が特に好適である。
以下、実施例を用いて、本発明の一例をより具体的に説明する。
〔実施例1〕
本実施例では、実施形態1で示すDMA100(図1参照)と同じ構成を有し、L10=L20=25(mm)、a10=a20=5(mm)、b10=b20=100(mm)に設計したDMA100を製作した。そして、このDMA100を用いて、Q10=Q20=0又は10(std L/min)のシースガス流量条件にて、平均粒径30nmのポリスチレンラテックス(PSL)標準粒子を測定し、図8にその結果を纏めて示した。なお、符号L10、L20、a10、a20、b10、b20、Q10、及びQ20は、実施形態1にて説明の通りである。
溶液に分散されたPSL標準粒子はエレクトロスプレーイオン化装置にてエアロゾル化され、中和器にて平衡帯電状態にされたのち、DMA100の試料ガス取込み口(図1に示す入口スリット102)より導入された。なお、DMA100は上述の流量条件で、かつ、試料ガス取込み口と分級ガス取り出し口とを閉じたとき(図1に示す開閉弁111・131を閉じたとき)、内部の圧力が大気圧に保たれることを確認している。分級ガス取り出し口側(図1に示す出口スリット106の下流側)に凝縮式エアロゾル粒子計数装置(CPC)を接続し、流量1.5(L/min)でDMA100内に試料ガスを取込み、同流量の分級ガスをCPCに送って分級されたエアロゾル粒子を計数した。
Q10=10,Q20=0(std L/min)とし、第1分級部10のみで分級を行って得られた粒径分布と、Q10=0,Q20=10(std L/min)とし、第2分級部20のみで分級を行って得られた粒径分布はほぼ一致して30nmにピークを示した。これにより、各分級部がそれぞれ正常に標準粒子を分級することが出来ることが示された。結果は、図8中に、白抜きの四角形(第1分級部での結果)、及び白抜きの円形(第2分級部での結果)にて示す。
次に、Q10=Q20=10(std L/min)とし、第1分級部10の印加電圧を30nmの粒子が透過する電圧で固定し、第2分級部20で測定したエアロゾル粒子の粒径分布は、粒径30nmに第1分級部10で選別されたことにより分布幅の狭いピークを示した。これにより、第1分級部10と第2分級部20とは独立して同時に動作し、不揮発性のPSL標準粒子は分級による粒径の変化は起きないことが確認できた。結果は、図8中に、白抜きのひし形にて示す。
次に、Q10=Q20=10(std L/min)とし、第1分級部10及び第2分級部20が分級する粒径が常に同じになる電圧をそれぞれに印加した同時動作により得られたエアロゾル粒子の粒径分布は、30nmにピークを示した。これにより2つの分級部をもつDMAが一体としての分級性能を示すことが確認された。結果は、図8中に、黒丸にて示す。
本発明は、ガス中の粒子を分級し、分析する目的で利用可能である。
100・300・400・500・600 DMA(微分型電気移動度分級装置)
102 入口スリット(スリット)
104 スリット
106・106a・106b 出口スリット(スリット)
103 入口電極(面状の電極)
105・105a・105b・105c 中間電極(電極)
107・107a・107b 出口電極(電極)
101 分級槽
108・109 電圧源(電圧供給部)
10・10c・10d 第1分級部(分級部)
20・20a・20b・20c・20d 第2分級部(分級部)
30c・30d 第3分級部(分級部)
40d 第4分級部(分級部)
720 質量分析装置(粒子成分計測装置)
700 粒子計測・選別システム(粒子計測システム・粒子選別システム)
740 粒子収集装置(粒子選別装置)

Claims (10)

  1. 帯電した粒子を電気移動度に応じて分級する微分型電気移動度分級装置であって、
    帯電した粒子が通過するスリットを有するn個(nは3以上の整数)の面状の電極が、所定の間隔をおいて対向するように順次配置された分級槽と、
    上記分級槽にシースガスを供給するガス供給部と、
    上記分級槽内の対向する上記電極間に所定の電圧を印加する電圧供給部と、を備え、
    上記分級槽は、対向する上記電極間毎に形成される、帯電した粒子を分級する(n−1)段の分級部を有し、
    上記ガス供給部は、上記分級槽に供給する上記シースガスの流量を上記分級部毎に制御することを特徴とする微分型電気移動度分級装置。
  2. 上記分級部の少なくとも一つにおいて、対向する上記電極が有するスリット同士の、上記シースガスの流線方向における相対的な位置関係が、可変であることを特徴とする請求項1に記載の微分型電気移動度分級装置。
  3. 少なくとも一組の隣り合う上記分級部間で、上記シースガスの流線方向が互いに逆向きであることを特徴とする請求項1又は2に記載の微分型電気移動度分級装置。
  4. 上記電圧供給部は、対向する上記電極間毎に、印加する電圧を制御することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の微分型電気移動度分級装置。
  5. n個の上記電極は平板形状でありかつ互いに平行となるように上記分級槽内に配置されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか一項に記載の微分型電気移動度分級装置。
  6. 上記スリットとして帯電した粒子を分級槽外に取出すためのものを有する上記電極が、複数個の上記スリットを当該電極における高さの異なる位置に有することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の微分型電気移動度分級装置。
  7. 上記ガス供給部は、上記シースガスの流線方向を上記分級部毎に制御することを特徴とする請求項6に記載の微分型電気移動度分級装置。
  8. 上記ガス供給部は、上記分級部毎に、分級部からのシースガスの排出流量と実質的に同一の流量でシースガスを供給することを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の微分型電気移動度分級装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の微分型電気移動度分級装置と、当該微分型電気移動度分級装置により分級された粒子の化学成分を分析する粒子成分計測装置とを備えることを特徴とする粒子計測システム。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の微分型電気移動度分級装置と、当該微分型電気移動度分級装置により分級された特定粒径の粒子を選別して回収する粒子選別装置とを備えることを特徴とする粒子選別システム。
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