優先権出願
本出願は、2018年10月24日に提出された米国仮出願第62/750,092号の優先権及び利益を主張し、その開示全体は、あらゆる目的のために、当該参照により本明細書に組み込まれる。
技術分野
本明細書に記載の特定の構成は、例えば真空ポンプなどの真空装置で使用できる粒子フィルタに関するものである。幾つかの例では、粒子フィルタが存在するか、または、別の装置もしくはシステムの圧力を低下させるように設計された真空システムの一部である。
背景技術
存在する微粒子は、1または複数の真空ポンプに到達する可能性がある。真空ポンプを保護するために、ある種の固体濾過媒体を備えるフィルタが追加されている。この濾過媒体は、当該濾過媒体に微粒子が詰め込まれると、システム全体のコンダクタンスを変更する可能性がある。
概要
真空ポンプを保護するために微粒子を除去するように設計された粒状物フィルタまたは粒子フィルタの特定の態様、特徴、例、構成及び実施形態が説明される。場合によっては、粒子フィルタは、濾過媒体を含まない粒子フィルタであり得る。他の例では、当該フィルタは、粒子を濾過するときに、システムの真空マニホールドを通る流体コンダクタンスを経時的に変更しないまたは変化させないことが望ましい。粒子フィルタ、粒子フィルタの入口及び出口、並びに、それらの部分または領域、の正確な構成、形状、寸法、及び幾何学的配置は、様々なものであり得て、例示的な構成は、以下により詳細に説明される。
一態様では、粒子フィルタについて説明される。特定の例において、粒子フィルタは、システム内の圧力を大気圧よりも低くすることができる真空ポンプに提供される流体供給物から粒子を除去するように構成され得る。幾つかの例では、粒子フィルタをシステムと真空ポンプの入口との間に位置付け、いかなる濾過媒体も使用することなく、流体が真空ポンプの入口に入る前に、システム内の流体から粒子を除去され得る。
特定の実施形態では、粒子フィルタは、サイクロン粒子分離器を備える。他の実施形態では、サイクロン粒子分離器は、入口、出口、及び、入口を出口に流体の流れのために結合するチャンバ、を有し、粒子フィルタの入口は、サイクロン粒子分離器の出口とは異なる断面形状を有する。幾つかの例では、サイクロン粒子分離器は、入口、出口、及び、入口を出口に流体の流れのために結合するチャンバ、を有し、粒子フィルタの入口は、サイクロン粒子分離器の出口と同様の断面形状を有する。他の例では、粒子フィルタは、静電スクリーンを有する。さらなる例では、粒子フィルタは、ベンチュリスクラバを有する。幾つかの例では、粒子フィルタは、質量分析器と質量分析計の粗引きポンプとの間でインラインになるように構成されている。他の実施形態では、粒子フィルタに流体の流れのために結合され、粒子フィルタと直列に位置付けられた第2粒子フィルタが存在することができる。幾つかの例では、粒子フィルタに流体の流れのために結合され、流体から濾過された粒子を受容するように構成されたレセプタクルが存在し得る。他の例では、バルブがレセプタクルと粒子フィルタの間に存在することができ、当該バルブは、システム内の真空を破壊することなく、レセプタクルを空にすることを可能にする。
別の態様では、方法が、装置と真空ポンプとの間に位置付けられた粒子フィルタを通して装置から流体をポンプ圧送することにより、真空ポンプに流体の流れのために結合された装置内の圧力を低下させる工程を含み、粒子フィルタは、流体中の粒子をサイクロン的に分離することにより、流体が真空ポンプに入る前に、ポンプ圧送される流体中の粒子を除去するように構成されている。
特定の実施形態では、前記装置は、質量分析器である。他の実施形態では、前記装置は、真空蒸着チャンバである。場合によっては、前記装置は、凍結乾燥機である。他の例では、流体中の粒子をサイクロン的に分離する工程は、サイクロン粒子分離器を使用する工程を備える。
追加の態様では、方法が、装置と真空ポンプとの間に位置付けられた粒子フィルタを通して装置から流体をポンプ圧送することにより、システムに流体の流れのために結合された真空ポンプを使用して、装置内の圧力を低下させる工程を含み、粒子フィルタは、実質的に粒子が存在しなくなるように流体中の粒子を濾過することにより、流体が真空ポンプに入る前に、いかなる濾過媒体も使用することなく、ポンプ圧送される流体中の粒子を除去するように構成されている。
幾つかの例では、当該方法は、濾過された粒子を、粒子フィルタに流体の流れのために結合されたレセプタクルに収集する工程を更に含む。幾つかの例では、当該方法は、装置内の真空を破壊することなく、収集された粒子をレセプタクルから排出する工程を含む。他の例では、当該方法は、サイクロン粒子分離器を使用して流体中の粒子をサイクロン的に分離する工程を含む。幾つかの例では、当該方法は、静電スクリーンまたはベンチュリスクラバを使用して流体中の粒子を分離する工程を含む。
別の態様では、真空ポンプと、真空ポンプの入口の上流にある粒子フィルタと、を備える真空システムが開示される。幾つかの構成では、真空システムの粒子フィルタは、流体が真空ポンプに入る前に、流体中の粒子を除去するように構成されている。幾つかの例では、粒子フィルタは、いかなる濾過媒体も使用することなく、粒子を除去するように構成されている。特定の実施形態では、粒子フィルタは、サイクロン粒子分離器を備える。他の実施形態では、サイクロン粒子分離器の入口が、サイクロン粒子分離器の出口の内径と実質的に同様の内径を有する。さらなる例では、粒子フィルタは、静電スクリーンを備える。幾つかの例では、粒子フィルタは、ベンチュリスクラバを備える。
別の態様では、真空システムは、真空ポンプと、真空ポンプの入口の上流にある粒子フィルタと、を備え、粒子フィルタは、流体が真空ポンプに入る前に流体中の粒子を除去するように構成され、粒子フィルタは、サイクロン粒子分離器を備える。特定の実施形態では、真空システムは、サイクロン粒子分離器に流体の流れのために結合されたレセプタクルを備え、レセプタクルは、除去された粒子を受容するように構成されている。他の実施形態では、真空システムは、サイクロン分離器及びレセプタクルに流体の流れのために結合されたバルブを備え、バルブは、開位置と閉位置との間で作動するように構成され、閉位置において、レセプタクルは、真空システム内の真空を破壊することなく取り外すことができる。追加の実施形態では、真空ポンプは、ダイアフラムポンプまたはロータリーベーンポンプとして構成されている。幾つかの例では、粒子フィルタの出口が、介在する流体ラインなしに、真空ポンプの入口に直接結合されている。
追加の態様では、真空マニホールドに流体の流れのために結合され、真空マニホールドから流体をポンプ圧送して真空マニホールド内の圧力を低下させるように構成された真空ポンプを備える質量分析計について説明される。幾つかの構成では、質量分析計は、流体が真空ポンプに入る前に流体中の粒子を除去するように構成された粒子フィルタを備え、当該粒子フィルタは、いかなる濾過媒体も使用することなく、粒子を除去するように構成され、当該粒子フィルタは、当該粒子フィルタの入口を通して真空マニホールドに流体の流れのために結合され、当該粒子フィルタの出口を通して真空ポンプに流体の流れのために結合されている。特定の例では、粒子フィルタは、除去された粒子を受容するように構成されたレセプタクルを更に有している。他の例では、真空ポンプは、粗引き真空ポンプとして構成されている。場合によっては、粒子フィルタの入口の内径が、粒子フィルタの出口の内径と実質的に同様の(または同じ)寸法であり、第1期間にわたって真空マニホールドを通る実質的に一定の流体コンダクタンスを提供する。特定の例では、粒子フィルタの入口及び粒子フィルタの出口の各々が、入口の内径及び出口の内径を変更して、真空マニホールドを通る選択可能な流体コンダクタンスを可能にするように構成されたバルブを有する。他の例では、粒子フィルタは、サイクロン粒子分離器と、サイクロン粒子分離器に流体の流れのために結合されたレセプタクルと、を有し、レセプタクルは、除去された粒子を受容するように構成されている。場合によっては、質量分析計は、サイクロン粒子分離器及びレセプタクルに流体の流れのために結合されたバルブを備え、当該バルブは、真空マニホールド内の真空圧力の実質的な変化なしにレセプタクルの除去を可能にするために閉位置に作動するように構成されている。幾つかの例では、粒子フィルタは、質量分析計のハウジングの外部に位置付けられている。他の実施形態では、質量分析計は、粒子フィルタに流体の流れのために結合された第2粒子フィルタを備える。幾つかの例では、粒子フィルタは、静電スクリーンまたはベンチュリスクラバとして構成されている。
別の態様では、キットが、システム内の圧力を大気圧未満に低下させることができる真空ポンプに提供される流体供給物から粒子を除去するように構成された粒子フィルタであって、システムと真空ポンプの入口との間に位置付けられて、いかなる濾過媒体も使用することなく、流体が真空ポンプの入口に入る前にシステム内の流体から粒子を除去する粒子フィルタと、質量分析計のポンプに粒子の流体が供給される前に、質量分析計で前記粒子フィルタを使用して流体を濾過するための書面上のまたは電子的な指示と、を備える。幾つかの例では、粒子フィルタは、真空マニホールドと粗引きポンプとの間をインラインで結合するように構成されている。
別の態様では、質量分析計で使用するための粒子フィルタについて説明される。例えば、質量分析計は、真空マニホールドに流体の流れのために結合され、真空マニホールドから流体をポンプ圧送して真空マニホールド内の圧力を低下させるように構成された1または複数の真空ポンプを備え得る。質量分析計は、流体が真空ポンプに入る前に流体中の粒子を除去するように構成された粒子フィルタを備えることができる。幾つかの例では、粒子フィルタは、いかなる濾過媒体も使用することなく、粒子を除去するように構成されている。他の例では、粒子フィルタは、粒子フィルタの入口を通して真空マニホールドに流体の流れのために結合され、粒子フィルタの出口を通して真空ポンプに流体の流れのために結合されている。
特定の実施形態では、粒子フィルタは、除去された粒子を受容するように構成されたレセプタクル、例えば、取り外す及び洗浄する/空にすることができるレセプタクル、を更に備える。他の実施形態では、真空ポンプは、粗引き真空ポンプとして構成される。
幾つかの例では、粒子フィルタの入口の内径は、粒子フィルタの出口の内径と実質的に同様の(または同じ)寸法であり、第1期間にわたって真空マニホールドを通して実質的に一定の流体コンダクタンスを提供する。
他の例では、粒子フィルタの入口及び粒子フィルタの出口の各々が、当該入口の内径及び当該出口の内径を変更して、真空マニホールドを通る選択可能な流体コンダクタンスを可能にするように構成されたバルブを有する。
幾つかの実施形態では、粒子フィルタは、サイクロン粒子分離器と、サイクロン粒子分離器に流体の流れのために結合されたレセプタクルと、を備え、レセプタクルは、除去された粒子を受容するように構成されている。他の例では、サイクロン粒子分離器及びレセプタクルに流体の流れのために結合されたバルブが存在し得て、当該バルブは、真空マニホールド内の真空圧力の実質的な変化なしにレセプタクルの除去を可能にするために閉位置に作動するように構成されている。
幾つかの例では、粒子フィルタは、例えば、関連する粒子レセプタクルの容易な取り外し及び洗浄を促進するために、質量分析計のハウジングの外部に位置付けられている。
特定の実施形態では、第2粒子フィルタが存在し得て、粒子フィルタに流体の流れのために結合され得る。
幾つかの例では、粒子フィルタは、静電スクリーンまたはベンチュリスクラバとして構成され得る。
特定の例において、質量分析計は、サンプル導入装置、イオン化源/装置、反応/衝突セル、1または複数の質量分析器、及び、検出器を備え得て、サンプル導入装置は、イオン化源に流体の流れのために結合され、イオン化源は、差動圧送されるインターフェース及びイオン集束光学系を通して質量分析器に流体の流れのために結合され、質量分析器は、検出器に流体の流れのために結合され、質量分析器(複数可)、反応/衝突セル、検出器、及び、他の集束光学系は、真空マニホールドまたはチャンバ内に収容されている。
特定の実施形態では、イオン化装置は、誘導結合プラズマを有する。他の実施形態では、質量分析器は、少なくとも1つの四重極を有する。幾つかの例では、検出器は、電子増倍管を有する。
幾つかの実施形態では、真空マニホールドは、粗引き真空ポンプ及びターボ分子ポンプに流体の流れのために結合され、粒子フィルタは、真空マニホールドと粗引き真空ポンプとの間のフォアラインに存在する。
幾つかの例では、粒子フィルタは、サイクロン粒子分離器の入口を通して真空マニホールドに流体の流れのために結合され、サイクロン粒子分離器の出口を通して粗引き真空ポンプの入口に流体の流れのために結合されたサイクロン粒子分離器を備え、当該サイクロン粒子分離器の入口は、サイクロン粒子分離器の出口の内径と実質的に同様の内径を有する。
他の例では、粒子フィルタは、静電スクリーンを備える。
特定の例では、粒子フィルタは、ベンチュリスクラバを備える。
追加の例では、質量分析計の検出器は、飛行時間型装置を備える。
別の態様では、真空ポンプと、真空ポンプの入口の上流にある粒子フィルタと、を備える真空システムについて説明される。場合によっては、粒子フィルタは、流体が真空ポンプに入る前に、流体中の粒子を除去するように構成され得る。幾つかの実施形態では、粒子フィルタは、いかなる濾過媒体も使用することなく、粒子を除去するように構成されている。
特定の例では、粒子フィルタは、サイクロン粒子分離器を備える。例えば、サイクロン粒子分離器の入口は、当該サイクロン粒子分離器の出口の内径と実質的に同様の内径を有することができる。他の例では、粒子フィルタは、静電スクリーンを備える。さらなる例では、粒子フィルタは、ベンチュリスクラバを備える。
追加の態様では、真空システムは、真空ポンプと、当該真空ポンプの入口の上流にある粒子フィルタと、を備え得て、当該粒子フィルタは、流体が真空ポンプに入る前に流体中の粒子を除去するように構成され、サイクロン粒子分離器を備える。
幾つかの例では、真空システムは、サイクロン粒子分離器に流体の流れのために結合されたレセプタクルを備え得て、当該レセプタクルは、除去された粒子を受容するように構成されている。
他の例では、真空システムは、サイクロン分離器及びレセプタクルに流体の流れのために結合されたバルブを備え得て、当該バルブは、開位置と閉位置との間で作動するように構成され、当該閉位置において、レセプタクルは、真空システム内の真空を破損することなく取り外すことができる。
幾つかの実施形態では、真空ポンプは、ダイアフラムポンプまたはロータリーベーンポンプとして構成されている。
他の実施形態では、粒子フィルタの出口は、介在する流体ラインなしに、真空ポンプの入口に直接結合されている。
別の態様では、方法が、装置と真空ポンプとの間に位置付けられた粒子フィルタを通して前記装置から流体をポンプ圧送することにより、前記装置に流体の流れのために結合された1または複数の真空ポンプを使用して前記装置内の圧力を低下させる工程を含み、前記粒子フィルタは、流体中の粒子をサイクロン的に分離することにより、例えば、流体の他の構成要素から粒子を分離することにより、流体が真空ポンプに入る前に、ポンプ圧送される流体中の粒子を除去するように構成されている。
追加の態様では、方法が、質量分析計と真空ポンプとの間に位置付けられた粒子フィルタを通して前記質量分析計から流体をポンプ圧送することにより、前記質量分析計に流体の流れのために結合された1または複数の真空ポンプを使用して前記質量分析計内の圧力を低下させる工程を含み、前記粒子フィルタは、流体中の粒子をサイクロン的に分離することにより、例えば、流体の他の構成要素から粒子を分離することにより、流体が真空ポンプに入る前に、ポンプ圧送される流体中の粒子を除去するように構成されている。幾つかの例では、粒子フィルタは、粗引き真空ポンプと質量分析計との間に存在する。
別の態様では、方法が、装置と真空ポンプとの間に位置付けられた粒子フィルタを通して前記装置から流体をポンプ圧送することにより、前記装置に流体の流れのために結合された1または複数の真空ポンプを使用して前記装置内の圧力を低下させる工程を含み、粒子フィルタは、流体中の粒子を濾過する静電スクリーンを使用して、流体が真空ポンプに入る前に、ポンプ圧送される流体中の粒子を除去するように構成されている。
追加の態様では、方法が、質量分析計と真空ポンプとの間に位置付けられた粒子フィルタを通して前記質量分析計から流体をポンプ圧送することにより、前記質量分析計に流体の流れのために結合された1または複数の真空ポンプを使用して前記質量分析計内の圧力を低下させる工程を含み、粒子フィルタは、流体中の粒子を濾過する静電スクリーンを使用して、流体が真空ポンプに入る前に、ポンプ圧送される流体中の粒子を除去するように構成されている。幾つかの構成では、粒子フィルタは、粗引き真空ポンプと質量分析計との間に存在する。
別の態様では、方法が、装置と真空ポンプとの間に位置付けられた粒子フィルタを通して前記装置から流体をポンプ圧送することにより、前記装置に流体の流れのために結合された1または複数の真空ポンプを使用して前記装置内の圧力を低下させる工程を含み、粒子フィルタは、流体中の粒子を濾過する静電スクリーンを使用して、流体が真空ポンプに入る前に、ポンプ圧送される流体中の粒子を除去するように構成されている。
追加の態様では、方法が、質量分析計と真空ポンプとの間に位置付けられた粒子フィルタを通して前記質量分析計から流体をポンプ圧送することにより、前記質量分析計に流体の流れのために結合された1または複数の真空ポンプを使用して前記質量分析計内の圧力を低下させる工程を含み、粒子フィルタは、流体中の粒子を濾過するベンチュリスクラバを使用して、流体が真空ポンプに入る前に、ポンプ圧送される流体中の粒子を除去するように構成されている。幾つかの例では、粒子フィルタは、粗引き真空ポンプと質量分析計との間に存在する。
別の態様では、質量分析計内の1または複数の真空ポンプの保護を促進する方法が提供される。例えば、当該方法は、真空ポンプによって質量分析計からポンプ圧送される流体中の粒子を除去するように構成された粒子フィルタを提供する工程であって、当該粒子フィルタは濾過媒体を含まない工程と、前記粒子フィルタを使用して真空ポンプを保護するための指示を提供する工程と、を含む。幾つかの実施形態では、指示を提供する工程は、粗引き真空ポンプで粒子フィルタを使用するための指示を提供する工程を含む。
追加の態様では、質量分析計内の1または複数の真空ポンプの保護を促進する方法は、真空ポンプによって質量分析計からポンプ圧送される流体中の粒子を除去するように構成された粒子フィルタを提供する工程であって、当該粒子フィルタはサイクロン粒子分離器を備える工程と、前記粒子フィルタを使用して質量分析計の動作中に真空ポンプを保護するための指示を提供する工程と、を含む。特定の例では、指示を提供する工程は、粗引き真空ポンプで粒子フィルタを使用するための指示を提供する工程を含む。
別の態様では、質量分析計内の1または複数の真空ポンプの保護を促進する方法は、真空ポンプによって質量分析計からポンプ圧送される流体中の粒子を除去するように構成された粒子フィルタを提供する工程であって、当該粒子フィルタは静電スクリーンを備える工程と、前記粒子フィルタを使用して質量分析計の動作中に真空ポンプを保護するための指示を提供する工程と、を含む。幾つかの実施形態では、指示を提供する工程は、粗引き真空ポンプで粒子フィルタを使用するための指示を提供する工程を含む。
追加の態様では、質量分析計内の真空ポンプの保護を促進する方法は、真空ポンプによって質量分析計からポンプ圧送される流体中の粒子を除去するように構成された粒子フィルタを提供する工程であって、当該粒子フィルタはベンチュリスクラバを備える工程と、前記粒子フィルタを使用して質量分析計の動作中に真空ポンプを保護するための指示を提供する工程と、を含む。幾つかの例では、指示を提供する工程は、粗引き真空ポンプで粒子フィルタを使用するための指示を提供する工程を含む。
別の態様では、流体が1または複数の真空ポンプ、例えば質量分析計の真空ポンプ、に入る前に、流体中の粒子を除去するように構成された粒子フィルタが開示される。幾つかの実施形態では、粒子フィルタは、インライン及び真空ポンプの入口の上流に位置付けられた、サイクロン粒子分離器、静電スクリーン、またはベンチュリスクラバ、のうちの1または複数を備える。幾つかの例では、粒子フィルタは、流体が真空ポンプの入口に入る前に当該流体から粒子を除去するように構成されている。
追加の機能、構成、例、及び構成について、以下で詳しく説明する。
図面の簡単な説明
ある特定の構成が、添付の図を参照して説明される。
幾つかの構成による、真空ポンプに流体の流れのために結合された粒子フィルタのブロック図である。
幾つかの構成による、真空ポンプに流体の流れのために結合された2つの粒子フィルタのブロック図である。
幾つかの構成による、粒子フィルタがレセプタクルを備える場合の、真空ポンプに流体の流れのために結合された粒子フィルタのブロック図である。
幾つかの実施形態による、サイクロン分離器を備える粒子フィルタの図である。
幾つかの構成による、静電フィルタを備える粒子フィルタの図である。
特定の例による、ベンチュリスクラバを備える粒子フィルタの図である。
幾つかの実施形態による、粗引きポンプまたはフォアラインポンプ、ターボ分子ポンプ、及び質量分析器、を示すブロック図である。
特定の実施形態による、質量分析計の特定の構成要素を示すブロック図である。
特定の実施形態による、機器ハウジングの外部に位置付けられた粒子フィルタを示す図である。
特定の構成による、真空蒸着システムのブロック図である。
幾つかの例による、凍結乾燥装置のブロック図である。
幾つかの例による、本明細書に記載の粒子フィルタをどのように使用できるかを示すフローチャートである。
幾つかの例による、サイクロンチャンバ、バルブ、及びレセプタクルを備える粒子フィルタの図である。
図13Aは、幾つかの実施形態による、粒子フィルタの図である。
図13Bは、図13Aの粒子フィルタの断面図である。
図14A、図14B、図14C及び図14Dは、幾つかの例による、粒子フィルタと異なる平均粒径を有する粒子とを使用して実行されたシミュレーションの図である。
図14A、図14B、図14C及び図14Dは、幾つかの例による、粒子フィルタと異なる平均粒径を有する粒子とを使用して実行されたシミュレーションの図である。
図14A、図14B、図14C及び図14Dは、幾つかの例による、粒子フィルタと異なる平均粒径を有する粒子とを使用して実行されたシミュレーションの図である。
図14A、図14B、図14C及び図14Dは、幾つかの例による、粒子フィルタと異なる平均粒径を有する粒子とを使用して実行されたシミュレーションの図である。
本開示の利点を考慮すると、当業者であれば、図中の構成要素が必ずしも一定の縮尺で示されているわけではなく、任意のシステムまたは装置に存在する可能性のある全ての構成要素を示すものと解釈されることを意図していないことを認識する。特定の例示的な図及び概略図は、本明細書に記載の技術の新規で発明性のある属性及び特徴の幾つかを説明するために示され、多くの構成要素は、明確性を高め、様々な構成のより使用者にとって容易に理解される説明を提供するために省略され得る。
詳細な説明
特定の構成において、本明細書に記載の粒子フィルタは、流体の流れのために結合された真空ポンプを、流体の流れ中の粒子の少なくとも一部または全てを受け取ることから有利に保護して、真空ポンプの構成要素を保護することができる。「流体の流れのために結合された」という用語は、流体が1つの構成要素から他の構成要素に流れることができるように何らかの方法で接続された2つ以上の構成要素を指す。必須ではないが、典型的な流体カップリングには、2つの構成要素を物理的に接続する流体ラインが含まれる。場合によっては、粒子フィルタは、濾過媒体を含まないが、代わりに、物理的な力を使用して流体の流れから粒子を除去するように構成されている。粒子フィルタの様々な例について、以下で詳しく説明する。粒子フィルタは、ある装置から引き出されている、及び、例えば、真空ポンプなどの真空装置へと引き入れられている、液体または気体などの流体中に存在(例えば、浮遊または同伴)する可能性のある、粒子、粒子状物質、及び他の固体または半固体の物質を除去するように設計することができる。直径10ミクロン未満及び直径10ミクロン超の粒子を含む多くの異なる寸法の粒子を流体から除去することができる。粒子フィルタ、粒子フィルタの入口、粒子フィルタの出口、及び、粒子フィルタの他の構成要素または領域、の全体的な寸法(サイズ)、形状、及び幾何学的配置は、必要に応じて、または、流体からの特定の寸法または寸法範囲の粒子の除去に基づいて、様々なものであり得る。質量分析のコンテキストでは、真空ポンプによってポンプ圧送される流体は、典型的には、分析対象物のイオン/原子及び他の種を含み得る気体である。
特定の実施形態では、様々な装置からポンプで排出される流体は、下流で他の分子と結合して沈殿する塩を生成することができる酸性または塩基性の材料を含み得る。例えば、幾つかの分析アプリケーションでは、強酸性サンプルの分析は、特定の陰イオンを高濃度でシステムに導入することができる。これらの陰イオンは、例えば界面(インタフェース)でまたは真空マニホールド内で、システムの他の部分に存在する陽イオンと結合して、沈殿する塩を生成することができる。塩の生成は、システムを通る流体の流れ、例えば流体コンダクタンス、を変更し得て、また、塩が真空ポンプ自体に到達し得る。
幾つかの例では、図1Aを参照して、真空ポンプ120に流体の流れのために結合された粒子フィルタ110の簡略化されたブロック図が示されている。示されるように、流体の流れは、典型的には、入口112を通って粒子フィルタ110に入り、出口114を通って粒子フィルタ110を出る。ポンプ120の入口122は、粒子フィルタ110の出口114に流体の流れのために結合されている。真空ポンプ120は、流体が真空ポンプ120に提供される前に最初に粒子フィルタ110に入るという点で、粒子フィルタ110の下流にある。同様に、粒子フィルタ110は、流体がポンプ120に提供される前にまずフィルタ110に入るので、真空ポンプ120の上流にある。粒子フィルタ110の使用において、流体は、真空ポンプ120によって提供される負圧の結果として、入口112を通って(矢印105によって示されるように)粒子フィルタ110に入るように引き込まれる。粒子フィルタ110に入る流体は、経時的に真空ポンプ120に入り損傷させる可能性のある、粒子、粒子状物質、または浮遊固体物質、を含み得る。粒子フィルタ110は、流体が真空ポンプ120の入口122に引き込まれ、次いで真空ポンプ120の出口(示されている)を通して排出される前に、当該流体中の粒子の少なくとも一部、例えば粒子の実質的に全て、を除去するように構成されている。真空ポンプ120の上流に位置付けられた粒子フィルタ110を使用することにより、真空ポンプ120に入る流体は、真空ポンプ120を保護するために、実質的に粒子を含まないことが可能である。特定の例では、粒子フィルタ110は、いかなる濾過媒体も使用することなく、粒子を除去するように構成され得る。他の例では、所望の寸法または寸法範囲の粒子、例えば、特定の平均粒径超または特定の平均粒径未満または平均粒径範囲内の粒子が、粒子フィルタ110によって除去され得る。
特定の例では、入口112の内径は、出口114の内径とほぼ同じ寸法及び/または形状または幾何学的配置とすることができる。特定の理論または特定の具体的構成に拘束されることを望まずに、粒子フィルタの入口及び粒子フィルタの出口の内径をほぼ同じ寸法にすることにより、粒子フィルタに流体の流れのために結合されたシステムを通るコンダクタンスは、実質的に経時的に変化しない。対照的に、アルミノケイ酸塩またはゼオライトまたは他の材料などの濾過媒体を使用する従来のフィルタでは、当該濾過媒体が粒子で詰め込まれる時、流体コンダクタンスが経時的に変化する。このコンダクタンスの変化は、イオンを測定/検出するための質量分析計に粒子フィルタが存在する場合、特に望ましくない場合がある。他の例では、入口112及び出口114の形状、寸法、及び/または幾何学的配置は、異なっていてもよい。例えば、特定の寸法の粒子を濾過するのを助けるために、または、粒子フィルタ110への粒子の導入をよりよく制御するために、入口112について、出口114とは異なる形状を有することが望ましい場合がある。例示的な入口及び出口の断面形状は、独立して、円形、正方形、長方形、楕円形、三角形、四面体、台形、五角形、六角形、または他の形状、を含むが、これらに限定されない。
特定の例では、必要に応じて、2つ以上の粒子フィルタを直列または並列に配置して、濾過効率を高めることができる。入口132及び出口134を備える第2粒子フィルタ130が、粒子フィルタ110及び真空ポンプ120と一列に示された一例が、図1Bに示されている。粒子フィルタ110、130は、同じであっても異なっていてもよい。場合によっては、粒子フィルタの各々は、同じ分離方法を使用して、例えば、サイクロン粒子分離を使用して、動作することができるが、寸法が異なっていてもよい。幾つかの例では、粒子フィルタ110、130の各々は、いかなる濾過媒体も使用することなく、粒子を分離または濾過することができる。しかしながら、必要に応じて、粒子フィルタ110、130のうちの1つは、濾過媒体を含むことができる。
特定の実施形態では、粒子フィルタは、濾過された粒子を受容することができるレセプタクルまたは他の容器もしくは装置を備え得る。図2を参照すると、フィルタの出口214及び真空ポンプ220の入口222を通して真空ポンプ220に流体の流れのために結合された粒子フィルタ210のブロック図が示されている。粒子フィルタ210はまた、ポート216を通して粒子フィルタ210に結合されたレセプタクル230を備える。粒子フィルタ210の使用において、流体は、矢印205によって示されるように、入口212を通してフィルタ210に入ることができる。粒子フィルタ210は、例えば、いかなる濾過媒体も使用することなく、粒子を除去し、残留流体が入口222を通して真空ポンプ220に入るのを可能にするように構成されている。除去された粒子は、沈降するか、さもなければ、ポート216を通してレセプタクル230に提供され得る。以下により詳細に記載されるように、レセプタクル230は、濾過された粒子を除去するために定期的に取り外され得る。必要に応じて、バルブまたは他の装置がポート216に存在し得るか、または、ポート216に流体の流れのために結合され得て、レセプタクル230をフィルタ210から閉じることができる。この閉鎖により、システム内の真空を破壊することなく、空にする/洗浄するためにレセプタクル230を取り外すことができる。システムの真空を破壊することなく粒子フィルタが洗浄できることは、重要な属性である。従来の濾過媒体フィルタは、濾過媒体を取り外して補充するために、真空を破壊する必要がある。真空の破壊は、特に、質量分析計、真空蒸着装置、イオン注入装置、並びに、一部の構成要素またはステージが大気圧よりも低い圧力で動作し得る他の装置及びシステムなどの、低圧システムにおいて、かなりの(有意な)ダウンタイム及び機械的取り組みを必要とする。幾つかの実施形態では、レセプタクル230は、自動化された方法での任意の粒子の除去を可能にするために、例えば、洗浄液及びバルブを制御するプロセッサを使用して、自動的に空にするまたは洗浄することができる。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載の粒子フィルタは、サイクロン分離または渦分離を使用して粒子を分離するように構成され得る。例えば、粒子フィルタは、渦分離を使用して流体中の粒子を除去することができるサイクロン粒子分離器を備え得る。液体から粒子状物質を除去する場合、液体サイクロンを使用することができ、気体から粒子を除去する場合、ガスサイクロンを使用することができる。特定の理論または特定の具体的構成に拘束されることを望まずに、サイクロン粒子分離は、回転効果及び場合によっては重力を使用して、流体から粒子を濾過することができる。ある構成では、高速回転する空気の流れが、サイクロンと呼ばれる円筒形または円錐形の容器内に提供される。空気は、入口から始まって出口に到達するまで、らせん状に流れる。流体は、除去された粒子の少なくとも一部を除いて、サイクロンの中心を通して上部(または分離器の他の位置)からまっすぐな流れでサイクロンを出ることができる。回転する流れの中のより大きな(より密度の高い)粒子は、一般に慣性が大きすぎて、空気流れの鋭い曲がりに沿うことができず、したがって分離器の外壁にぶつかる。次に、これらの粒子は、サイクロンの底に落下または降下し、そこで除去することができ、例えば、図2に示されるレセプタクル230などのチャンバまたはリザーバに収集することができる。
幾つかの例では、サイクロン粒子分離器の一例が図3に示されている。サイクロン分離器300は、入口310及び出口320を備えるサイクロンチャンバ305を備える。本明細書に記載されるように、入口310の内径は、実質的に一定の流体コンダクタンスが存在するように、出口320の内径とほぼ同じであり得る。図示されていないが、入口310と出口320の一方または両方は、入口310または出口320あるいはその両方の全体の内径を変更することができるバルブまたは他のアクチュエータを備え得る。入口310の内径が変更される場合、対応する方法で出口320の内径を変更することが望ましい場合がある。サイクロンチャンバ305は、濾過媒体を使用することなく、入口310に入る流体から粒子の少なくとも一部または実質的に全てを除去するために使用することができる。図3の破線によって示されるように、出口320は、サイクロンチャンバ305の円錐部分に延在して、より少ない粒子、例えば実質的に無粒子が、出口320を通してサイクロンチャンバ305を出ることを確実にする。単一のサイクロンチャンバ305が図3に示されているが、2つ以上のサイクロンチャンバを互いに流体の流れのために結合して、流体中の粒子濾過を強化することができる。例えば、異なる角度に位置付けられた、または、異なる寸法または形状のサイクロンチャンバを使用して、広い寸法分布を有する粒子を除去することができる。場合によっては、チャンバは、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の異なる分離のステージを含み得て、下流のステージは上流のステージよりも小さい粒子を除去するように寸法決定及び配置される。異なるステージで異なる寸法の粒子を除去することにより、流体が真空ポンプに入る前に、流体の流れ中の実質的により多くの粒子を除去することができる。
幾つかの例では、粒子フィルタは、流体の流れから粒子を除去することができる静電スクリーンまたは静電集じん器を備え得る。特定の構成に拘束されることを望まないが、電気集じん器は、典型的には、複数の細い垂直ワイヤと、それに続く垂直に向けられた大きな平らな金属プレートのスタックと、を備える。正確なプレート間隔は、約1cm~約18cmの典型的な値で変化させることができる。流体の流れは、ワイヤ間のスペースを水平に流れ、プレートのスタックを通過する。ワイヤとプレートとの間に数千ボルトの負電圧を供給することができる。印加電圧が十分に高い場合、電気コロナ放電が電極の周囲の空気をイオン化し、それが流体の流れの中の粒子を帯電させる。帯電した粒子は、静電力により、接地されたプレートに向けられる。粒子は、収集プレート上に蓄積し、流体の流れから除去される。場合によっては、真空ポンプに悪影響を与え得るオゾンなどの不所望な反応生成物の生成を最小限に抑えることができる2ステージの設計(収集セクションの前に別個の帯電セクション)が存在し得る。幾つかの実施形態では、電気集じん器をサイクロン分離器と組み合わせて使用して、流体の流れ中の粒子の除去を強化することができる。図4を参照すると、静電フィルタの簡略図が示されている。静電フィルタは、一連のプレート422、424、426にそれぞれ隣接して配置されたワイヤ412、414、416を備える。プレート422、424、426とワイヤ412、414、416との間の電圧差により、粒子がプレート422、424、426上に蓄積し、これにより、流入する流体の流れから粒子が除去される。ワイヤ及びプレートの正確な寸法及び形状は、様々なものであり得て、図4の図に示されるそれらの寸法及び形状に限定されない。例えば、円形、正方形、楕円形または他の形状のプレートを使用することができる。同様に、ワイヤ412、414、416は、コイル状であるか、中実であるか、または必要に応じて開口または穴を有し得る。
他の例では、本明細書に記載の粒子フィルタは、流体から粒子を除去するように構成された1または複数のベンチュリスクラバを備え得る。ベンチュリスクラバは、典型的には、導入気体の流れからのエネルギーを使用して、当該気体の流れを洗浄するために使用される液体を噴霧するように設計されている。ベンチュリスクラバの一例を図5に示す。ベンチュリスクラバ500は、収束セクション510、スロートセクション520、及び発散セクション530、を含む3つのセクションを備える。導入流体の流れ505は、収束セクション510に入り、領域が減少するにつれて、気体の速度が増加する。液体は、スロートセクション520または収束セクション510への入口のいずれかで導入される。導入流体は、小さなスロートセクション520内で非常に高速に移動するように強制され、その壁から剪断して、膨大な数の非常に小さな液滴を生成する。粒子の除去は、導入気体の流れが小さな液滴の霧と混合するときに、発散セクション530で起こり得る。次に、導入流れは、発散セクション530を通って出て、矢印555によって示されるように装置500を出る前に減速する。幾つかの例では、噴霧された液体は、粒子が衝突して除去されるための表面を提供する。粒子を組み込んだこれらの液滴は、例えば、サイクロン分離器を使用して出力流れから除去することができ、粒子が少ないかまたは全く存在しない結果としての流体の流れが、真空ポンプに入ることを許容され得る。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載の粒子フィルタは、容積式ポンプ、運動量伝達ポンプ、再生ポンプ、溜め込み式ポンプ、または他のタイプの真空ポンプ、を含む多くの異なるタイプの真空ポンプで使用することができるが、これらに限定されない。
幾つかの例では、真空ポンプは、ダイアフラムポンプとして構成されている。ダイアフラムポンプは、屈曲するダイアフラムの往復運動を使用して流体をポンプチャンバに出し入れする容積式ポンプである。屈曲するダイアフラムは、チャンバの入口に真空を提供し、当該真空が流体をチャンバに引き込む。
他の例では、真空ポンプは、ロータリーベーンポンプとして構成される。一例では、ロータリーベーンポンプは、より大きな円形空洞内で回転する円形ロータを備える。これらの2つの円の中心はオフセットされており、偏心をもたらす。ベーンは、ロータの内外に摺動することができ、全てのエッジをシールして、ポンピングを提供するベーン室を提供する。ポンプの吸気側では、ベーン室の容積が増加している。これらの増加する容積のベーン室は、導入圧力によって押し込まれる流体で満たされる。ポンプの吐出側では、ベーン室の容積が減少し、流体がポンプから押し出される。ベーンの動作により、回転するたびに、同じ量の流体が排出される。必要に応じて、ロータリーベーンポンプは、多段ロータリーベーン真空ポンプとして構成され得る。
別の例では、真空ポンプがピストンポンプとして構成され得る。ピストンポンプは、クランクシャフトによって駆動されるピストンを使用して高圧でガスを供給する容積式ポンプである。吸入気体は、サクションマニホールドに入り、圧縮シリンダに流れ込み、クランクシャフトを介して往復運動するピストンによって圧縮され、排出される。
さらなる例では、真空ポンプは、液体リングポンプとして構成され得る。液体リングポンプは、円筒形のケーシング内に偏心して配置されたベーン付きインペラを回転させることにより、気体を圧縮することができる。液体(通常は水)がポンプ内に供給され、遠心加速によって、ケーシングの内側に対して移動する円筒形のリングを形成する。この液体リングは、圧縮チャンバを形成するインペラベーン間のスペースに一連のシールを生成する。インペラの回転軸とケーシングの幾何学的軸との間の偏心により、ベーンとリングで囲まれた容積が周期的に変化する。気体は、ケーシングの端にある入口ポートからポンプ内に引き込むことができる。気体は、インペラベーンと液体リングによって形成される圧縮チャンバに閉じ込められる。インペラの回転による容積の減少により気体が圧縮され、当該気体がケーシングの端にある排出ポートに供給される。
他の例では、真空ポンプは、1または複数のスクロールを備え得る。ある構成では、スクロールポンプは、液体及び気体などの流体をポンプ輸送、圧縮、または加圧するための2つのインターリーブスクロールを備える。ベーンの幾何学的配置は、インボリュート、アルキメデススパイラル、ハイブリッドカーブ、または他の形状、であり得る。典型的な構成では、スクロールの1つは固定され、他のスクロールは回転せずに偏心して周回する。この動作は、スクロールの間に流体のポケットをトラップしてポンプ圧送するように機能する。圧縮運動を発生させるための別の構成は、同期運動であるが回転の中心がオフセットされた、共回転するスクロールである。相対運動は、軌道を回っている場合と同じである。別のバリエーションは、アルキメデススパイラルが蠕動ポンプとして機能するフレキシブルチューブを備える。
別の構成では、真空ポンプがルーツ型ポンプとして構成され得る。ルーツ型ポンプは、引き伸ばされた歯車のセットに似た一対の噛み合うローブで流体をポンプ圧送することによって動作する容積式ローブポンプである。流体は、ローブを囲むポケットにトラップされ、吸気側から排気側に運ばれる。
特定の実施形態では、本明細書に記載の粒子フィルタは、ステージまたは構成要素のうちの1または複数が大気圧より低い圧力で作動するシステムにおいて、1または複数の真空ポンプ用の粒子フィルタとして使用することができる。例えば、本明細書に記載の粒子ファイラーは、質量分析計システムと共に使用することができ、例えば、粗引きポンプまたはフォアラインポンプと共に使用することができる。多くのMSシステムの真空システムは、「粗引き」真空を確立するフォアラインポンプと、質量分析器本体上に位置して質量対電荷(m/z)比の測定に使用される高レベルの真空を確立する、ターボ分子ポンプ、拡散ポンプ、クライオポンプ、などの1または複数の高真空ポンプと、を含む差動ポンプシステムを備える。いずれかの構成に拘束されることを望まずに、フォアラインまたは粗引きポンプは、典型的には、高真空ポンプ(複数可)が所望の質量分析器の圧力を確立する前に、質量分析計の特定の領域内の圧力を約1パスカル(10-2トル)に低下させるように、機能する。粗引きポンプは、本明細書に記載されるものなどの、多くの異なるタイプの真空ポンプ、例えば、ばね付きベーンによってシールされた圧縮チャンバ内で回転する偏心駆動シャフト上のピストンを備えるオイルシール式ロータリーベーンポンプ、として構成され得て、気体を入口側から排気ポートに移動させ得る。スキマー後の領域、例えばスキマーの下流で質量分析計の選択ステージに近い領域、で生成される高真空は、典型的には、ターボ分子ポンプを使用して実現できる。当該ターボ分子ポンプは、多くの様々な方法で構成され得るが、多くの場合、存在する分子を圧縮し、それらをスタックを通して徐々に引き下げ、ベントポートを介して引き出すための、角度が付けられた複数の回転フォイルまたはブレードを備えるポンプとして、構成され得る。ターボ分子ポンプは、多くの場合、非常に高いrpm、例えば60,000rpm以上、で回転する。ターボ分子ポンプは、例えば、必要に応じて、油拡散ポンプ、油を含まない拡散ポンプ、または低温ポンプ、として構成することもできる。必要に応じて、質量分析器の圧力の制御を支援するために、システム内に2つ以上のターボ分子ポンプが存在し得る。
特定の実施形態では、図6を参照して、質量分析計の特定の構成要素の簡略図が示されている。質量分析器610は、典型的には、入口612を通して当該質量分析器に入るイオン/原子を分離及び/または選択するための1または複数のステージまたは構成要素(以下で更に説明する)を備える。選択されたイオン/原子は、出口614を通して検出器などの下流の構成要素に提供され得る。真空が質量分析器内に存在し、真空圧力は一般に質量分析器610の入口612から出口614に向かって減少する。真空圧は、フォアラインポンプ640と、1または複数の高真空ポンプ、例えば、拡散ポンプ、クライオポンプ、またはポンプ620などのターボ分子ポンプ、とを使用して提供され得る。フォアラインポンプ640及びターボ分子ポンプ620は、典型的には、それぞれ、異なるポートで真空マニホールドに流体の流れのために結合されている。例えば、フォアラインポンプ640は、フォアライン605を通して質量分析器610に流体の流れのために結合することができる。図6に示す構成要素の使用において、フォアラインポンプ640は、典型的には、一定レベル、例えば10-2トル、に質量分析計システム内の圧力を低下させる。次に、ターボ分子ポンプ620と真空マニホールドとの間に存在する1または複数のバルブを開いて、例えば10-6トル以下に、更にポンプを用いて圧力を下げることを可能にすることができる。フォアラインポンプ640は、必要に応じて、真空マニホールドと当該フォアラインポンプ640との間のバルブを閉じることによって、真空マニホールドからの流体の流れのために結合を切り離すことができる。次に、ターボ分子ポンプ620は、質量分析器610の下流のステージで使用される高真空を提供し得て、m/z比に基づいてイオンを選択することができる。フォアラインポンプ640はまた、典型的には、フォアラインポンプ640をターボ分子ポンプ620に流体の流れのために結合する流体ライン615を通してターボ分子ポンプ620を「補助」するために使用される。例えば、流体ライン615内のバッキングバルブ(図示せず)が、フォアラインポンプ640とターボ分子ポンプ620との間に存在し得て、フォアラインポンプ640がシステムの流体ライン内の圧力を低下させることを可能にするために開放され得る。図6には具体的に示されていないが、バッキングバルブは、典型的には、粒子フィルタ630の上流にある。本明細書に記載の粒子フィルタ630は、流体がフォアラインポンプ640に入る前に流体から粒子を除去するために、フォアラインポンプ640と質量分析器610との間に存在することができる。本明細書で論じられるように、粒子フィルタ630は、サイクロン粒子分離器、静電フィルタ、ベンチュリスクラバ、または、いかなる濾過媒体も備えていない他の粒子分離装置、のうちの1または複数を備え得る。必要に応じて、濾過媒体を備える装置を粒子フィルタ630と共に使用してもよい。
特定の実施形態では、本明細書に記載の粒子フィルタは、多くの異なる構成要素またはステージを備える質量分析計システムに存在し得る。質量分析計700が、サンプル導入装置710、イオン化装置720、質量分析器730、及び検出器740を備えた一例が、図7に示されている。本明細書に記載のように、粒子フィルタ732は、例えば、質量分析器730またはシステム700の他の構成要素もしくは領域を通してシステム700に、並びに真空ポンプ734に、流体の流れのために結合されて、流体が真空ポンプ734に入る前に流体中の粒子を除去することができる。
特定の例では、サンプル導入装置710は、誘導ネブライザー、非誘導ネブライザー、もしくはその2つのハイブリッド、または、同心型、クロスフロー型、エントレイン型、V溝型、平行経路型、改良平行経路型、フローブラー型、もしくは圧電型のネブライザー、スプレーチャンバ、ガスクロマトグラフィ装置などのクロマトグラフィ装置、またはイオン化装置720にサンプルを提供することができる他の装置、として構成され得る。
幾つかの構成では、イオン化装置/源720は、サンプル導入装置710から流体を受け取り、流体サンプル中の分析対象物をイオン化/噴霧することができる、多くの異なるタイプの装置を備え得る。幾つかの例では、イオン化装置720は、トーチ及び誘導装置を使用して発生させることができる誘導結合プラズマ、容量結合プラズマ、電子イオン化装置、化学イオン化装置、電界イオン化源、例えば、高速原子衝撃、場脱離、レーザ脱離、プラズマ脱離、熱脱離、電気流体力学的イオン化/脱離などのために構成されたそれらの源のような脱離源、サーモスプレーもしくはエレクトロスプレーイオン化源、または他のタイプのイオン化源、を含み得る。多くの異なるタイプのイオン化装置/源720を使用できるにもかかわらず、イオン化装置/源720は、通常、サンプル中の分析物イオンをイオン化し、質量分析器730への下流の流体ビーム内にそれらを提供し、質量分析器730において様々な質量対電荷比に基づいて当該イオン/原子が分離/選択され得る。様々なタイプのイオン化装置/源及び関連するコンポーネントが、例えば、同一出願人である米国特許第10,096,457号、第9,942,974号、第9,848,486号、第9,810,636号、第9,686,849号、及び、PerkinElmer Health Sciences、Inc.(米国マサチューセッツ州ウォルサム)またはPerkinElmer Health Sciences Canada、Inc.(カナダ、ウッドブリッジ)が現在所有している他の特許、に記載されている。
幾つかの例では、質量分析器730は、概してサンプルの性質や所望の分解能などに応じて多数の形態をとり得て、例示的な質量分析器は、例えば、四重極または他のロッドアセンブリなどの1または複数のロッドアセンブリを備え得る。質量分析器730は、イオン化装置/源720から受信した入射ビームをサンプリングするために使用できる、1または複数のコーン、例えば、スキマーコーン、サンプリングコーン、インターフェース、イオンガイド、衝突セル、レンズ、及び他の構成要素を備え得る。干渉種を除去し、光子を除去し、さもなければ当該イオンを含む流入流体から所望のイオンを選択するのを助けるために、様々な構成要素が選択され得る。幾つかの例では、質量分析器730は、飛行時間型装置であり得るか、またはそれを含み得る。場合によっては、質量分析器730は、それ自体の高周波発生器を備え得る。特定の例では、質量分析器730は、走査型質量分析器、磁気セクター分析器(例えば、シングル及びダブルフォーカシングMS装置で使用するため)、四重極質量分析器、イオントラップ分析器(例えば、サイクロトロン、四重極イオントラップ)、飛行時間分析器(例えば、マトリックス支援レーザ脱離イオン化飛行時間分析器)、及び、質量対電荷比が異なる種を分離できる他の適切な質量分析器、であり得る。必要に応じて、質量分析器730は、イオン化装置/源720から受信されるイオンを選択及び/または識別するために、直列に配置された2つ以上の異なる装置、例えば、タンデムMS/MS装置またはトリプル四重極装置、を備え得る。本明細書に記載されるように、質量分析器730は、粒子フィルタ732を通して真空ポンプ734に流体の流れのために結合され得て、質量分析器730の様々なステージでイオンを選択するために使用される真空を提供することができる。真空ポンプ734は、典型的には、本明細書に記載されているように、粗引きポンプまたはフォアラインポンプである。粒子フィルタ732は、サイクロン粒子分離器、静電フィルタ、ベンチュリスクラバ、またはいかなる濾過媒体も備えていない他の粒子分離装置、のうちの1または複数を備え得る。必要に応じて、濾過媒体を備える装置を粒子フィルタ732と共に使用してもよい。質量分析器730に存在することができる様々な構成要素は、例えば、同一出願人である米国特許第10,032,617号、第9,916,969号、第9,613,788号、第9,589,780号、第9,368,334号、第9,190,253号、及び、PerkinElmer Health Sciences, Inc.(米国マサチューセッツ州ウォルサム)またはPerkinElmer Health Sciences Canada、Inc.(カナダ、ウッドブリッジ)が現在所有している他の特許、に記載されている。
幾つかの例では、検出器740は、既存の質量分析計、例えば、電子増倍管、ファラデーカップ、コーティングされた写真乾板、シンチレーション検出器、マルチチャネルプレートなど、と共に使用され得る任意の適切な検出装置、及び、当該開示の利益を考慮して当業者によって選択されるであろう他の適切な装置、であり得る。質量分析計で使用できる例示的な検出器は、例えば、同一出願人である米国特許第9,899,202号、第9,384,954号、第9,355,832号、第9,269,552号、及び、PerkinElmer Health Sciences、Inc.(米国マサチューセッツ州ウォルサム)またはPerkinElmer Health Sciences Canada、Inc.(カナダ、ウッドブリッジ)が現在所有している他の特許、に記載されている。
特定の例において、質量分析計システムはまた、プロセッサ750を含み得る。これは、典型的には、マイクロプロセッサ及び/またはコンピュータ、並びに、質量分析計700に導入されたサンプルの分析のための適切なソフトウェア、の形態をとる。プロセッサ750は、質量分析計700内、または質量分析計700の外側、に存在し得る。プロセッサ750は、質量分析器730及び検出器740に電気結合されているように示されているが、システム700の異なる構成要素を一般に制御または操作するために、図7に示されているその他の構成要素にも電気結合され得る。幾つかの実施形態では、プロセッサ750は、例えばコントローラ内に、またはスタンドアロンプロセッサとして、存在し得て、システム700を使用する様々な動作モードのためにシステム700の動作を制御及び調整することができる。この目的のために、プロセッサは、システム700の構成要素の各々、例えば、1または複数のポンプ、1または複数の電圧源、ロッドなど、並びに、システム700に含まれる任意の他の電圧源、に電気結合され得る。必要に応じて、プロセッサ750はまた、粒子フィルタ732に電気結合されて、存在する任意のバルブを操作して、システム700内の真空を破壊することなく、フィルタ732の任意の粒子レセプタクルの排出/洗浄を可能にすることができる。
特定の構成では、プロセッサ750は、1または複数のコンピュータシステム及び/または共通のハードウェア回路内に存在し得て、例えば、当該システムを操作するための、例えば、イオン源、ポンプ、質量分析器、検出器などの電圧を制御するための、マイクロプロセッサ及び/または適切なソフトウェアを含む。幾つかの例では、システム700の任意の1または複数のコンポーネントは、それ自体のそれぞれのプロセッサ、オペレーティングシステム、及び、当該構成要素の動作を可能にする他の機能、を備え得る。プロセッサは、システムに統合され得て、または、システムの構成要素に電気結合された1または複数のアクセサリボード、プリント回路基板、またはコンピュータ上に存在し得る。プロセッサは、典型的には、1または複数のメモリユニットに電気結合されて、システムのその他の構成要素からデータを受信し、必要に応じてまたは要望に応じて様々なシステムパラメータを調整できるようにする。プロセッサは、Unix(登録商標)、Intel PENTIUM(登録商標)タイプのプロセッサ、Motorola PowerPC、Sun UltraSPARC、Apple Aシリーズプロセッサ、Hewlett-Packard PA-RISCプロセッサ、または任意の他のタイプのプロセッサ、をベースにしたものなどの汎用コンピュータの一部であり得る。技術の様々な実施形態によれば、任意のタイプのコンピュータシステムのうちの1または複数を使用し得る。更に、当該システムは、単一のコンピュータに接続され得るか、または、通信ネットワークによって接続された複数のコンピュータに分散され得る。ネットワーク通信を含む他の機能を実行することができ、当該技術は任意の特定の機能または機能のセットを有することに限定されないことを理解されたい。汎用コンピュータシステムで実行される特殊なソフトウェアとして、様々な態様を実装し得る。コンピュータシステムは、ディスクドライブ、メモリ、またはデータを格納するための他の装置、などの1または複数のメモリ装置に接続されたプロセッサを含み得る。メモリは、典型的には、混合ガスを使用しての様々なモードでのシステムの動作中に、プログラム、キャリブレーション、及びデータを保存するために使用される。コンピュータシステムの構成要素は、1または複数のバス(例えば、同じマシン内に統合される構成要素間)及び/またはネットワーク(例えば、別々の個別のマシンに存在する構成要素間)を含み得る相互接続装置によって結合され得る。相互接続装置は、システムの構成要素間でやり取りされる通信(例えば、信号、データ、命令)を提供する。コンピュータシステムは、典型的には、ある処理時間内、例えば、数ミリ秒、数マイクロ秒、またはそれ以下、でコマンドを受信及び/または発信し得て、システム700の迅速な制御を可能にすることができる。例えば、真空圧を制御し、粒子フィルタと関連するレセプタクルとの間に存在する任意のバルブを開閉することなどのために、コンピュータ制御が実装され得る。プロセッサは、典型的には、例えば、直流電源、交流電源、電池、燃料電池、もしくは他の電源、または電源の組み合わせ、であり得る電源に電気結合される。電源は、システムの他の構成要素と共有することができる。システムはまた、1または複数の入力装置、例えば、キーボード、マウス、トラックボール、マイクロフォン、タッチスクリーン、手動スイッチ(例えば、オーバーライドスイッチ)、及び、1または複数の出力装置、例えば、印刷装置、ディスプレイスクリーン、スピーカー、を含み得る。更に、システムは、コンピュータシステムを通信ネットワークに接続する1または複数の通信インターフェースを含み得る(相互接続装置に加えて、またはその代替として)。システムはまた、当該システムに存在する様々な電気装置から受信した信号を変換するための適切な回路を含み得る。そのような回路は、プリント回路基板上に存在し得る、あるいは、適切なインターフェース、例えば、シリアルATAインターフェース、ISAインターフェース、PCIインターフェースなど、または、1または複数のワイヤレスインターフェース、例えばBluetooth、Wi-Fi、近距離無線通信、または他のワイヤレスプロトコル及び/またはインターフェースなど、を介してプリント回路基板に電気結合される別個のボードまたは装置上に存在し得る。
特定の実施形態では、本明細書に記載のシステムで使用されるストレージシステムは、典型的には、プロセッサによって実行されるプログラムによって、または、当該プログラムによって処理される媒体上もしくは媒体中に記憶された情報によって、使用され得るコードが記憶され得るコンピュータ可読及び書込可能な不揮発性記録媒体を含む。当該媒体は、例えば、ハードディスク、ソリッドステートドライブまたはフラッシュメモリであり得る。典型的には、動作中、プロセッサは、データを不揮発性記録媒体から別のメモリに読み取らせ、前記媒体よりもプロセッサによる当該情報へのより高速なアクセスを可能にする。このメモリは、典型的には、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)またはスタティックメモリ(SRAM)などの揮発性のランダムアクセスメモリである。それは、ストレージシステム内またはメモリシステム内に配置され得る。プロセッサは、通常、集積回路メモリ内のデータを操作し、処理が完了した後にデータを前記媒体にコピーする。前記媒体と集積回路メモリ要素との間のデータ移動を管理するための様々なメカニズムが知られており、当該技術はそれに限定されない。また、当該技術は、特定のメモリシステムまたはストレージシステムに限定されない。特定の実施形態では、当該システムはまた、特別にプログラムされた、特別な目的のハードウェア、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、を含み得る。当該技術の態様は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせ、で実装され得る。更に、そのような方法、動作、システム、システム要素、及び、それらのコンポーネントは、上記のシステムの一部として、または独立したコンポーネントとして、実装され得る。特定のシステムが、当該技術の様々な態様が実践され得る1つのタイプのシステムとして例として説明されているが、態様は、説明されたシステムに実装されたものに限定されないことを理解されたい。異なるアーキテクチャまたはコンポーネントを有する1または複数のシステム上で、様々な態様が実践され得る。当該システムは、高水準コンピュータプログラミング言語を使用してプログラム可能な汎用コンピュータシステムを備え得る。当該システムは、また、特別にプログラムされた特別な目的のハードウェアを使用して実装され得る。当該システムでは、プロセッサは、典型的には、Intel Corporationから入手可能な有名なPentium(登録商標)クラスのプロセッサなどの市販のプロセッサである。他の多くのプロセッサも市販されている。このようなプロセッサは通常、オペレーティングシステムを実行する。オペレーティングシステムは、例えば、Microsoft Corporationから入手可能な、Windows 95、Windows 98、Windows NT、Windows 2000(Windows ME)、Windows XP、Windows Vista、Windows 7、Windows 8、もしくはWindows10のオペレーティングシステム、Appleから入手可能な、MAC OS X、例えば、Snow Leopard、Lion、Mountain Lion、もしくは他のバージョン、Sun Microsystemsから入手可能な、Solarisオペレーティングシステム、または、様々なソースから入手可能なUNIX(登録商標)もしくはLinux(登録商標)オペレーティングシステム、であり得る。他の多くのオペレーティングシステムを使用することができ、特定の実施形態では、コマンドまたは命令の単純なセットがオペレーティングシステムとして機能し得る。
特定の例では、プロセッサとオペレーティングシステムとは一緒になって、高水準プログラミング言語のアプリケーションプログラムが書かれ得るプラットフォームを定義し得る。当該技術は、特定のシステムプラットフォーム、プロセッサ、オペレーティングシステム、またはネットワークに限定されないことを理解されたい。また、本開示の利点を考慮して、本技術が特定のプログラミング言語またはコンピュータシステムに限定されないことは、当業者にとって明らかであるはずである。更に、他の適切なプログラミング言語及び他の適切なシステムも使用できることを理解されたい。特定の例では、ハードウェアまたはソフトウェアは、認知アーキテクチャ、ニューラルネットワーク、または他の適切な実装態様、を実装するように構成され得る。必要に応じて、コンピュータシステムの1または複数の部分が、通信ネットワークに結合された1または複数のコンピュータシステムに分散され得る。これらのコンピュータシステムはまた、汎用コンピュータシステムであり得る。例えば、様々な態様は、1または複数のクライアントコンピュータにサービス(例えば、サーバー)を提供するように構成された、または、分散システムの一部として全体的なタスクを実行するように構成された1または複数のコンピュータシステムに分散され得る。例えば、様々な態様は、様々な実施形態による様々な機能を実行する1または複数のサーバシステム間で分散されたコンポーネントを含むクライアントサーバまたは多層システム上で実行され得る。これらのコンポーネントは、通信プロトコル(例えば、TCP/IP)を使用して通信ネットワーク(例えば、インターネット)を介して通信する実行可能な中間(例えば、IL)またはインタープリットされた(例えば、Java)コードであり得る。また、当該技術は、特定のシステムまたはシステムのグループでの実行に限定されないことも理解されたい。また、当該技術は、特定の分散アーキテクチャ、ネットワーク、または通信プロトコルに限定されないことを理解されたい。
場合によっては、様々な実施形態が、例えば、SQL、SmallTalk、Basic、Java、Javascript、PHP、C++、Ada、Python、iOS/Swift、Ruby on Rails、またはC#(Cシャープ)などのオブジェクト指向プログラミング言語を使用して、プログラミングされ得る。他のオブジェクト指向プログラミング言語も使用され得る。あるいは、機能的、スクリプト化、及び/または、論理型、のプログラミング言語が使用され得る。様々な構成が、プログラムされていない環境(例えば、HTML、XML、または、ブラウザプログラムのウィンドウで表示したときに、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)の態様をレンダリングしたり、他の機能を実行したりする他の形式、で作成されたドキュメント)で実装され得る。特定の構成は、プログラムされた要素、プログラムされていない要素、またはそれらの任意の組み合わせ、として実装され得る。場合によっては、当該システムは、モバイル装置、タブレット、ラップトップコンピュータ、または、有線もしくは無線インターフェースを介して通信して必要に応じてシステムのリモート操作を可能にする、他のポータブル装置、に存在するようなリモートインターフェースを備え得る。
幾つかの例では、本明細書に記載のフィルタは、質量分析計(または他のシステムもしくは装置)のハウジングの外部に存在して、フィルタの粒子レセプタクルを容易に洗浄/空にすることを許容する。質量分析計システム800が粒子フィルタ810を通して粗引きポンプ820に流体の流れのために結合されている、簡略化された図が図8に示されている。粗引きポンプ820及び粒子フィルタ810は、質量分析計800のハウジング802の外部に位置付けられている。必要に応じて、粒子フィルタ810は、粗引きポンプ820の入口に直接取り付けることができる。バルブ815が、粒子レセプタクル830と粒子フィルタ810との間に存在して、レセプタクル830が洗浄/空にされているときにシステム内の真空を維持することを可能にすることができる。粒子フィルタ810をハウジング802の外側に位置付けることにより、レセプタクル830を容易に洗浄/空にすることができる。必要に応じて、レセプタクル830のみをハウジング802の外側に位置付けることができ、他の構成要素をハウジング802内に存在させることができる。
特定の実施形態では、粒子フィルタは、周囲温度で動作させることができ、あるいは、冷却または加熱して、所望の効果を提供し得る。例えば、粒子フィルタのチャンバを冷却して、コールドトラップとして機能させ、粒子速度を遅くして流体からの粒子の除去を高めたり、及び/または、ポンプに損傷を与える可能性のある不要な煙または蒸気を凝縮してトラップしたりすることができる。同様に、チャンバを加熱して粒子速度を上げ、粒子とチャンバの内面との衝突を促進することができる。温度制御は、チャンバまたは他の装置及び方法に熱結合された、例えば、熱電冷却器/加熱器、加熱ガス、加熱ストリップ、加熱または冷却流体ジャケット、を使用して提供することができる。
特定の例では、本明細書に記載の粒子フィルタを1または複数の真空ポンプと組み合わせて使用して、真空ポンプに流体の流れのために結合された装置内の圧力を低下させることができる。例えば、真空ポンプは、流体をポンプ圧送して装置から排出して、装置内の圧力を低下させることができる。ポンプ圧送される流体は、真空ポンプを汚染し、その寿命を潜在的に短縮し、及び/または真空ポンプの油交換または他の整備の必要性を増大する可能性がある、粒子、粒子状物質または他の種を含み得る。粒子フィルタを使用して、流体が真空ポンプの入口に入る前の流体中の粒子の少なくともいくらか、例えば、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、98%以上、99%以上、または実質的に全て、を除去することができる。粒子フィルタは、サイクロン粒子分離器、静電スクリーン、ベンチュリスクラバ、及びそれらの組み合わせ、のうちの1または複数を備え得る。必要に応じて、濾過媒体を含む粒子フィルタを、いかなる濾過媒体も含まない粒子フィルタと組み合わせて使用することができる。様々な粒子フィルタ及びそれらの組み合わせは、質量分析計または他の高真空装置及びシステムで使用することができる。更に、粒子フィルタは、流体を受け取り、それを溶媒システムに提供して、当該流体中の特定の酸性または塩基性のガス種を除去することができる、溶媒トラップなどの追加のトラップまたはフィルタとともに使用することができる。
特定の実施形態では、本明細書に記載の粒子フィルタは、質量分析計以外のシステムで使用することができる。例えば、粒子フィルタは、真空蒸着システムと組み合わせて使用することができる。図9を参照すると、流体ライン905を通して堆積チャンバ912に流体の流れのために結合された材料源902を備える真空蒸着装置900のブロック図が示されている。堆積チャンバ912は、粒子フィルタ922並びに流体ライン915、925を介して真空ポンプ932に流体の流れのために結合されている。使用の際、材料源902からの材料が気化されて、堆積チャンバ912内の基板(図示せず)に提供され得る。当該材料は、一般に、当該材料と基板との間の「視線」軌道を介して基板上に蒸着され得る。例示的な材料源には、当該材料源902からの材料の放出を強制するために加熱されるまたはエネルギーで衝撃を受けることができる金属ワイヤコイル、例えば、タングステンまたは他の金属、が含まれるが、これらに限定されない。放出された材料は、真空ポンプ932によって引かれた真空の結果として、堆積チャンバ912内に引き込まれる。いくらかの粒子または他の材料が、堆積チャンバ912を介して引き込まれるかもしれないが、粒子フィルタ922によって濾過されて真空ポンプ932を保護することができる。真空ポンプ932を使用して、堆積前に残留ガス分子を除去するためにシステムをポンプダウンすることもでき、この場合、放出された材料が基板の表面に堆積される可能性が高くなる。
別の構成では、本明細書に記載の粒子フィルタは、凍結乾燥装置、例えば凍結乾燥機、で使用することができる。凍結乾燥機は、いずれか1つの構成に拘束されることを望まずに、真空ポンプ、例えば油ベースのロータリーベーンポンプまたはハイブリッド/コンビネーション真空ポンプ、を使用して、真空チャンバ内に置かれた材料から水(または他の溶媒または液体)を除去することができる。固形水は昇華し、残りの固体材料から除去されることになる。残りの固体材料は、一般に水を含まない可能性があり、それを保存するために、例えば、窒素下などの不活性環境下で保存され得る。分析サンプルは、保存、その後の分析、または他の理由で、冷凍及び凍結乾燥され得る。図10に示されるように、本明細書に記載の粒子フィルタ1022は、固体材料が真空ポンプ1032に到達しないことを確実にするために、食品サンプル1012と真空ポンプ1032との間に配置され得る。
特定の例において、本明細書に記載の粒子フィルタは、別の装置またはシステムの圧力を低下させるプロセスで使用することができる。粒子フィルタ1120が、装置1110及び真空ポンプ1130に結合されて、アセンブリ1140を提供する場合のフローチャートが図11に示されている。真空が、粒子フィルタを通して真空ポンプ1130によって提供され得て、装置内の圧力を第1圧力p1から第2圧力p2に低下させることができる。装置/システム1110から引き出された流体中の粒子は、流体が真空ポンプ1130に入る前に、粒子フィルタ1120によって濾過され得る。本明細書に記載されるように、レセプタクル(非図示)が、粒子フィルタに流体の流れのために結合され得て、濾過された粒子を収集するために使用され得る。装置/システム1110は、質量分析計、真空蒸着チャンバ、凍結乾燥機、または大気圧より低い圧力で動作する他の装置及びシステム、であり得る。粒子フィルタ1120は、サイクロン粒子分離器、静電スクリーン、ベンチュリスクラバ、または他の粒子分離器、のうちの任意の1または複数であり得る。真空ポンプ130は、本明細書に記載されているポンプのいずれか、または他の適切な真空ポンプ、であり得る。装置/システム1110の性質及び所望の最終結果に応じて、追加のステップも実行され得る。
幾つかの例では、本明細書に記載の粒子フィルタは、エンドユーザが既存の装置または機器に粒子フィルタを後付けすることを可能にするようにキットにパッケージ化され得る。例えば、キットは、システム内の圧力を大気圧未満に低下させることができる真空ポンプに提供される流体供給物から粒子を除去するように構成された粒子フィルタであって、システムと真空ポンプの入口との間に位置付けられて、いかなる濾過媒体も使用することなく、流体が真空ポンプの入口に入る前に、システム内の流体から粒子を除去する粒子フィルタと、装置またはシステムで当該粒子フィルタを使用するための書面上のまたは電子的な指示と、を備える。幾つかの例では、書面上のまたは電子的な指示は、流体が質量分析計のポンプに提供される前に、質量分析計の粒子フィルタを使用して粒子の流体を濾過するように設計され得る。幾つかの例では、粒子フィルタは、真空マニホールドと粗引きポンプとの間でインラインで結合するように構成されている。キットはまた、必要に応じて、異なる粒子フィルタまたは異なる寸法の粒子フィルタを備え得る。
粒子フィルタの特定の構成を以下に説明して、本明細書に記載の技術の追加の特徴及び態様を示す。
実施例1
サイクロン粒子分離器、バルブ、及びレセプタクルを備える粒子フィルタを製造し、質量分析計の真空システムで使用することができる。図12を参照すると、粒子フィルタ1200は、入口1202及び出口1204を備える。チャンバ1205が存在し、漏斗形状部分に結合されたほぼ円筒形の部分を備える。バルブ1210が存在し、チャンバ1205の漏斗形状部分の末端と粒子レセプタクル1220との間に位置付けられている。バルブ1210は、ニードルバルブ、電磁バルブ、ボールバルブ、または他の形態をとり得る。本明細書に記載されるように、バルブ1220は、粒子フィルタが存在するシステムの真空を破壊することなく、レセプタクル1220の取り外しを可能にするために閉じることができる。入口1202は、粒子フィルタが存在するシステム全体にわたって実質的に同様の流体コンダクタンスを維持するために、出口1204とほぼ同じ寸法を含むように寸法決定及び配置することができる。
実施例2
粒子フィルタ1300(図13Aを参照)及び粒子フィルタ1300の断面(図13Bを参照)が示されている。台形形状の断面を有する入口1302(入口1302の側面から見たとき)が示されているが、本明細書に記載されているように、入口の正確な形状及び寸法は様々なものであり得る。出口1304は、概して円形/円筒形を有するものとして示されているが、他の形状も可能である。この台形の入口を有する粒子フィルタを使用して、以下の例に記載されているように、フィルタ1300を使用する粒子の濾過をシミュレートした。
実施例3
ANSYS Fluentソフトウェア(ペンシルバニア州キャノンズバーグのAnsysから市販されている)を使用して、図13A及び図13Bに示す粒子フィルタを使用する粒子濾過をシミュレートした。当該シミュレーションでは、7×10-5kg/sの入口質量流量と3トルの出口圧力を使用した。50ミクロンの平均粒径までの大きさを有する粒子が、出口1304を通してフィルタを出るそれらの能力について、シミュレートされた。
結果は、平均粒径30ミクロン(以上)までの全ての粒子を除去できる粒子フィルタで一致していた。例えば、図14Aは、平均直径が50ミクロンの粒子のシミュレーションの結果を示している。粒子は、出口1304に行き着かない。図14Bは、平均直径が40ミクロンの粒子のシミュレーションの結果を示している。粒子は、出口1304に行き着かない。図14Cは、平均直径が30ミクロンの粒子のシミュレーションの結果を示している。粒子は、出口1304に行き着かない。図14Dは、平均直径が25ミクロンの粒子のシミュレーションの結果を示している。25ミクロンの粒子の幾つかは、出口1304に引き込まれ始めている。必要に応じて、入口、出口及び/またはフィルタの幾何学的配置や寸法の調整により、または、複数の粒子フィルタを直列に使用することにより、寸法が25ミクロン未満の粒子をフィルタ除去することができる。
本明細書に開示される実施例の要素を導入するときに、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「said」は、1または複数の要素が存在することを意味することを意図している。「comprising(含む)」、「including(含む)」及び「having(有する)」という用語は、オープンエンドであり、列記された要素以外の追加的な要素が存在し得ることを意味することを意図している。当業者であれば、本開示の利点を考慮して、実施例の様々な構成要素が、他の実施例における様々な構成要素と交換または置換され得ることを認識するであろう。
特定の態様、実施例、及び実施形態を上で説明してきたが、当業者であれば、本開示の利点を考慮して、開示された例示的な態様、実施例、及び実施形態の追加、置換、修正、及び変更が可能であることを認識するであろう。