JP3487756B2 - 微分型電気移動度測定器 - Google Patents
微分型電気移動度測定器Info
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Description
の微粒子(エアロゾル)を測定する微分型電気移動度測
定器(DMA:differential mobility analyzer)に係
り、とりわけ微粒子の粒径を低圧条件下で精度良く測定
することができる微分型電気移動度測定器に関する。
汚染の抑制や量子ナノ材料の開発等に関連して、雰囲気
中に浮遊するナノ粒子等の微粒子が注目を集めている。
このような微粒子の測定装置としては従来から、帯電し
た微粒子の電場中での移動速度(電気移動度)の違いを
利用して微粒子の粒径を測定する微分型電気移動度測定
器が知られている。ここで、このような微分型電気移動
度測定器の原理について図8により説明する。
器1は、中心ロッド(内筒)3および囲み体(外筒)2
からなる二重円筒構造を有し、囲み体2の内周面と中心
ロッド3の外周面との間には可変電圧源10により所定
電圧が印加されている。また、囲み体2には帯電した微
粒子(帯電粒子)を内部に引き込むためのスリット4が
設けられ、また中心ロッド3にはスリット4から引き込
まれた帯電粒子を外部に取り出すためのスリット5が設
けられている。さらに、囲み体2の内周面と中心ロッド
3の外周面との間の空間には囲み体2の上部からシース
ガスが供給されるようになっている。
ット4から引き込まれると、この引き込まれた帯電粒子
は囲み体2の上部から供給されるシースガスとともに中
心軸方向下方に移動するとともに、囲み体2の内周面と
中心ロッド3の外周面との間に形成される電場の影響を
受けて個々の微粒子が電気移動度に応じた速度で囲み体
2側から中心ロッド3側へ引き寄せられる。そして、所
定の軌跡を描いて中心ロッド3のスリット5に到達した
微粒子のみが外部に取り出される。
する微粒子の電気移動度Zpは、次式(1)により算出
される。 Zp=Q・ln(r2/r1)/(2・π・V・L) … (1) 上式(1)において、Qはシースガス流量、r1,r2は
それぞれ中心ロッド3の外周面の半径,囲み体2の内周
面の半径である。また、Vは囲み体2の内周面と中心ロ
ッド3の外周面との間に印加される電圧、Lはスリット
4およびスリット5間の距離である。
の間には次式(2)により表される関係がある。 Zp=n・e・Cm/(3・π・μ・Dp) … (2) 上式(2)において、nは微粒子の電荷量、eは電気素
量(1.6×10-19クーロン)、Cmはカニンガムの補
正係数、μは供給されるシースガスの粘性係数である。
部に取り出される微粒子の粒径Dpは上式(1)(2)
に基づいて決定され、操作条件であるシースガス流量Q
および印加電圧Vに対応する所定粒径Dpの微粒子のみ
が外部に取り出される。
に示す微分型電気移動度測定器1においては、囲み体2
のスリット4から引き込まれた帯電粒子をシースガスと
ともに中心軸方向下方へ移動させるとともに、囲み体2
の内周面と中心ロッド3の外周面との間に形成される電
場により個々の微粒子を囲み体2側から中心ロッド3側
へ移動させ、所定の軌跡を描いて中心ロッド3のスリッ
ト5に到達した所定粒径Dpの微粒子のみを外部に取り
出している。
定器においては最近、低圧条件下の雰囲気中に浮遊する
微粒子を測定することが強く望まれている。しかしなが
ら、従来の微分型電気移動度測定器では、シースガスの
整流性および圧力の安定性を向上させることが難しく、
シースガスおよび分級後の微粒子の排出量を適切に制御
することができないので、低圧条件下では微粒子の粒径
を精度良く測定することができないという問題がある。
なお、微粒子の粒径Dpを精度良く測定するためにはシ
ースガス流量の変動を約1%以下に抑える必要があるこ
とが知られている(文献(G.P.Reischl,et.al.: " Perf
ormance of Vienna Type DifferentialMobility Analyz
er at 1.2-20 Nanometer ," Aerosol Science and Tech
nology27, P.651(1997))参照)。
ものであり、微粒子の粒径を低圧条件下で精度良く測定
することができる微分型電気移動度測定器を提供するこ
とを目的とする。
子を内部に引き込むための一方のスリットを有する囲み
体と、前記囲み体の内部に延びるとともに前記帯電した
微粒子を外部に取り出すための他方のスリットを有する
ロッドとを備え、前記囲み体と前記ロッドとの間には前
記帯電した微粒子を前記囲み体側から前記ロッド側へ移
動させるよう所定電圧が印加され、前記囲み体内には前
記帯電した微粒子を前記ロッドが延びる方向に沿って移
動させるようシースガスが供給され、前記帯電した微粒
子が取り出される前記他方のスリットの下流側には前記
シースガスに流体抵抗を与えるための流体抵抗手段が設
けられており、前記流体抵抗手段は前記囲み体と前記ロ
ッドとの間の流路断面積を減少させるオリフィス部材で
あって、前記囲み体側から前記ロッド側へ向けて突出す
る環状の突起部として構成されたオリフィス部材からな
ることを特徴とする微分型電気移動度測定器を提供す
る。
に引き込むための一方のスリットを有する囲み体と、前
記囲み体の内部に延びるとともに前記帯電した微粒子を
外部に取り出すための他方のスリットを有するロッドと
を備え、前記囲み体と前記ロッドとの間には前記帯電し
た微粒子を前記囲み体側から前記ロッド側へ移動させる
よう所定電圧が印加され、前記囲み体内には前記帯電し
た微粒子を前記ロッドが延びる方向に沿って移動させる
ようシースガスが供給され、前記帯電した微粒子が取り
出される前記他方のスリットの下流側には前記シースガ
スに流体抵抗を与えるための流体抵抗手段が設けられて
おり、前記流体抵抗手段は前記囲み体と前記ロッドとの
間の流路断面積を減少させる部材からなり、この部材は
前記流路断面積を可変に調節するための調節機構を有し
ていることを特徴とする微分型電気移動度測定器を提供
する。
される他方のスリットの下流側にシースガスに流体抵抗
を与えるための流体抵抗手段が設けられているので、流
体抵抗手段の上流側におけるシースガスの整流性および
圧力の安定性を向上させることができ、また流体抵抗手
段の前後で圧力差が生じるので、シースガスの排出量と
分級後の微粒子の排出量とを適切に制御することがで
き、このため低圧条件下でも微粒子の粒径を精度良く測
定することができる。また、囲み体と中心ロッドとの間
の流路断面積を可変に調節できるようにした場合には、
圧力条件に応じた最適な流路断面積を選択することがで
き、このため流体抵抗手段における圧力損失を最小限に
抑えつつ上述した作用効果を奏することができる。
する。図1および図2は本発明による微分型電気移動度
測定器の第1の実施の形態を示す図である。ここで、図
1は微分型電気移動度測定器を示す縦断面図、図2は図
1に示す微分型電気移動度測定器のI−I線に沿った断
面図である。
移動度測定器1は、帯電した微粒子(帯電粒子)を内部
に引き込むための一方のスリット4を有する囲み体2
と、囲み体2の内部に延びるとともに帯電粒子を外部に
取り出すための他方のスリット5を有する中心ロッド3
とを備えている。なお、一方のスリット4は囲み体2の
内周面に沿って環状に設けられ、また他方のスリット5
は中心ロッド3の外周面に沿って環状に設けられてい
る。
れたサンプリング装置等に接続される引込口6と連通し
ている。また他方のスリット5は、連通管12を介して
ファラデーカップ電流計(FCE:Faraday cup electr
ometer)13に接続され、分級後の微粒子(分級粒子)
の粒子数が計数されるようになっている。なお、ファラ
デーカップ電流計13により粒子数が計数された分級粒
子は吐出口14からポンプ等により外部に排出されるよ
うになっている。
に導体からなり、囲み体2と中心ロッド3との間に接続
された可変電圧源10により所定電圧Vが印加されるよ
うになっている。
内周面と中心ロッド3の外周面との間の空間にシースガ
スを供給するための引込口7が設けられるとともに、シ
ースガスの流れを整えるとともに不純物を除去するため
のフィルタ8が取り付けられている。なお、囲み体2の
引込口7から供給されたシースガスは囲み体2の下部に
設けられた吐出口9からポンプ等により排出されるよう
になっている。
ト5の下流側には、囲み体2の吐出口9から排出される
シースガスに流体抵抗を与えるためのオリフィス部材
(流体抵抗手段)11が設けられている。ここでオリフ
ィス部材11は、図1および図2に示すように、囲み体
2の中心ロッド3との間の流路断面積を減少させるよう
囲み体2側から中心ロッド3側へ向けて突出する環状の
突起部として構成されている。
1の実施の形態の作用について図1および図2により説
明する。
が引き込まれると、この引き込まれた帯電粒子は、囲み
体2の吐出口7から供給されるシースガスとともに中心
軸方向下方(中心ロッド3が延びる方向)に移動すると
ともに、囲み体2の内周面と中心ロッド3の外周面との
間で可変電圧源10により印加される電圧Vにより形成
される電場の影響を受けて個々の微粒子が電気移動度に
応じた速度で囲み体2側から中心ロッド3側へ引き寄せ
られる。そして、所定の軌跡を描いて距離Lだけ進み、
中心ロッド3の他方のスリット5に到達した所定粒径の
微粒子のみが外部に取り出される。
るシースガスは中心ロッド3の他方のスリット5を越え
て下方に移動して囲み体2の吐出口9から排出される
が、他方のスリット5の下流側にはオリフィス部材11
が設けられているので、シースガスの流れが妨げられて
オリフィス部材11の前後で圧力差が生じる。
れば、帯電粒子が取り出される他方のスリット5の下流
側に囲み体2と中心ロッド3との間の流路断面積を減少
させるオリフィス部材11が設けられているので、オリ
フィス部材11の上流側におけるシースガスの整流性お
よび圧力の安定性を向上させることができる。また、オ
リフィス部材11の前後で圧力差が生じるので、シース
ガスの排出量と分級粒子の排出量とを適切に制御するこ
とができる。このため、低圧条件下でも微粒子の粒径を
精度良く測定することができる。
は、流体抵抗手段として、囲み体2側から中心ロッド3
側へ向けて突出する環状の突起部として構成されたオリ
フィス部材11を用いているが、突起部の形状は図1お
よび図2に示すようなものに限らず、例えば図3に示す
ようなカール状の突起部としてもよく、これにより突起
部に起因するシースガスの乱れを最小限に抑えることが
できる。
図2に示すようなオリフィス部材11に限らず、例えば
図4に示すような篩状の網部材や、図5に示すような多
孔板(多孔質部材)を用いるようにしてもよい。なお、
多孔質部材としては例えば多数の孔を有する海綿状また
はスポンジ状の多孔体を用いてもよい。
気移動度測定器の第2の実施の形態について説明する。
本発明の第2の実施の形態は、流体抵抗手段が流路断面
積を可変に調節するための調節機構を有している点を除
いて、他は図1乃至図5に示す第1の実施の形態と略同
一である。本発明の第2の実施の形態において、図1乃
至図5に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号
を付して詳細な説明は省略する。
部を示す図2と同様な図、図6(b)は図6(a)に示
す微分型電気移動度測定器のII−II線に沿った断面図で
ある。図6(a)(b)に示すように、中心ロッド3の
他方のスリット5の下流側には、囲み体2の吐出口(図
示せず)から排出されるシースガスに流体抵抗を与える
ための一対のオリフィス部材(流体抵抗手段)17,1
8が設けられている。ここで各オリフィス部材17,1
8はそれぞれ、複数の開口17a,17bが等ピッチで
設けられた同一形状の環状の部材からなり、各オリフィ
ス部材17,18を円周方向に相対的に移動させること
により、囲み体2と中心ロッド3との間の流路断面積を
可変に調節できるようになっている。
れば、囲み体2と中心ロッド3との間の流路断面積を可
変に調節することができるので、圧力条件に応じた最適
な流路断面積を選択することができ、このためオリフィ
ス部材17,18における圧力損失を最小限に抑えつ
つ、上述した第1の実施の形態の作用効果を奏すること
ができる。
は、流路断面積を可変に調節するための調節機構とし
て、複数の開口17a,17bが等ピッチで設けられた
同一形状の環状のオリフィス部材17,18を用いてい
るが、これに限らず、絞り機構のような既存の任意の調
節機構を用いることができる。
度測定器の具体的実施例について述べる。図7(a)
(b)は図1および図2に示す微分型電気移動度測定器
1に連結されたファラデーカップ電流計13により検出
された信号強度(分級粒子の粒子数に対応)の時間変化
を示したものであり、このうち図7(a)は図1および
図2に示す微分型電気移動度測定器を用いた実験結果を
示す図、図7(b)は従来の微分型電気移動度測定器
(図1および図2に示す微分型電気移動度測定器でオリ
フィス部材11を省略したもの)を用いた実験結果を示
す図である。
に、図1および図2に示す微分型電気移動度測定器で
は、得られた信号値が大きく、かつその時間推移も安定
していた(図7(a)参照)。これに対し、従来の微分
型電気移動度測定器では、信号値が半減し、かつその時
間推移も不安定であった(図7(b)参照)。
体抵抗手段の上流側におけるシースガスの整流性および
圧力の安定性を向上させることができ、またシースガス
の排出量と分級後の微粒子の排出量とを適切に制御する
ことができ、このため低圧条件下でも微粒子の粒径を精
度良く測定することができる。また、圧力条件に応じた
最適な流路断面積を選択することができ、このため流体
抵抗手段における圧力損失を最小限に抑えることができ
る。
実施の形態を示す縦断面図。
に沿った断面図。
を示す図。
の一変形例を示す図2と同様の図。
の別の変形例を示す図2と同様の図。
実施の形態の要部を示す図。
す図。
の図。
Claims (3)
- 【請求項1】帯電した微粒子を内部に引き込むための一
方のスリットを有する囲み体と、 前記囲み体の内部に延びるとともに前記帯電した微粒子
を外部に取り出すための他方のスリットを有するロッド
とを備え、 前記囲み体と前記ロッドとの間には前記帯電した微粒子
を前記囲み体側から前記ロッド側へ移動させるよう所定
電圧が印加され、前記囲み体内には前記帯電した微粒子
を前記ロッドが延びる方向に沿って移動させるようシー
スガスが供給され、前記帯電した微粒子が取り出される
前記他方のスリットの下流側には前記シースガスに流体
抵抗を与えるための流体抵抗手段が設けられており、 前記流体抵抗手段は前記囲み体と前記ロッドとの間の流
路断面積を減少させるオリフィス部材であって、前記囲
み体側から前記ロッド側へ向けて突出する環状の突起部
として構成されたオリフィス部材からなることを特徴と
する微分型電気移動度測定器。 - 【請求項2】前記オリフィス部材を構成する前記突起部
はカール状をなしていることを特徴とする、請求項1に
記載の微分型電気移動度測定器。 - 【請求項3】帯電した微粒子を内部に引き込むための一
方のスリットを有する囲み体と、 前記囲み体の内部に延びるとともに前記帯電した微粒子
を外部に取り出すための他方のスリットを有するロッド
とを備え、 前記囲み体と前記ロッドとの間には前記帯電した微粒子
を前記囲み体側から前記ロッド側へ移動させるよう所定
電圧が印加され、前記囲み体内には前記帯電した微粒子
を前記ロッドが延びる方向に沿って移動させるようシー
スガスが供給され、前記帯電した微粒子が取り出される
前記他方のスリットの下流側には前記シースガスに流体
抵抗を与えるための流体抵抗手段が設けられており、 前記流体抵抗手段は前記囲み体と前記ロッドとの間の流
路断面積を減少させる部材からなり、この部材は前記流
路断面積を可変に調節するための調節機構を有している
ことを特徴とする微分型電気移動度測定器。
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JP06742198A JP3487756B2 (ja) | 1998-03-17 | 1998-03-17 | 微分型電気移動度測定器 |
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---|---|---|---|
JP06742198A JP3487756B2 (ja) | 1998-03-17 | 1998-03-17 | 微分型電気移動度測定器 |
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JPH11264790A JPH11264790A (ja) | 1999-09-28 |
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ID=13344438
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP06742198A Expired - Fee Related JP3487756B2 (ja) | 1998-03-17 | 1998-03-17 | 微分型電気移動度測定器 |
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KR100991023B1 (ko) | 2008-02-21 | 2010-10-29 | 한국표준과학연구원 | Dma를 이용한 입자측정기 |
KR100974166B1 (ko) | 2008-04-10 | 2010-08-04 | 금오공과대학교 산학협력단 | Dma 성능 최적화 장치 및 방법 |
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1998
- 1998-03-17 JP JP06742198A patent/JP3487756B2/ja not_active Expired - Fee Related
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