JP3503931B2 - 微分型電気移動度分析器および微粒子処理装置 - Google Patents
微分型電気移動度分析器および微粒子処理装置Info
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Description
析器(DMA:differential mobility analyzer)に係
り、とりわけ、粒径が1nm程度の微粒子(ナノ粒子)
の分析および分級に適した微分型電気移動度分析器およ
びそれを用いた微粒子処理装置に関する。
移動速度(電気移動度)の相違を利用して微粒子の粒径
を分析する装置として、微分型電気移動度分析器が知ら
れている(文献1(Knutson, E.O. and Whitby, K.T.
(1975). “Aerosol Classification by Electric Mobil
ity: Apparatus, Theory, and Applications,” J. Aer
osol Sci., vol.6, pp.453-460.)参照)。このような
微分型電気移動度分析器においては、微粒子の粒径を分
析する他、微粒子を粒径ごとに分級することも可能であ
り、粒径の揃った微粒子を堆積させて薄膜等を形成する
ことができる。現在、大規模な微粒子群の特性が粒径ご
とに研究されており、粒径が1nm程度の微粒子を用い
て良好な特性を有する新たな材料を生成することが期待
されている。
上記文献1に記載されたものの他、現在までに各種のも
のが提案されている(文献2(Winklmayr, W., Reisch
l, G.P., Lindner, A.O., and Berner, A. (1991). “A
new electromobility spectrometer for the measurem
ent of aerosol size distributions in the size rang
e from 1 to 1000 nm,” J. Aerosol Sci., vol.22, p
p.289-296.)、文献3(Chen, D.-R., Pui, D.Y.H., Hu
mmes, D., Fissan, H., Quant, F.R. and Sem, G.J. (1
998). “Design and evaluation of a nanometer aeros
ol differentialmobility analyzer (Nano-DMA),” J.
Aerosol Sci., vol.29, pp.497-509.)、文献4(Seto,
T., Nakamoto, T., Okuyama, K., Adachi, M., Kuga,
Y. and Takeuchi, K. (1997). “Size Distribution Me
asuremento of Nanometer-Sized Aerosol Particles Us
ing DMA Under Low-Pressure Conditions,” J. Aeroso
l Sci., vol.28, pp.193-206.)、文献5(de Juan, L.
and Fernandez de la Mora, J. (1998). “High resol
ution size analysis of nanoparticles and ions:runn
ing a Vienna DMA of near optimal length at Reynold
s numbers up to 5000,” J. Aerosol Sci., vol.29, p
p.617-626.)、および文献6(Okuyama, K.,Shimada,
M., Okita, A., Otani, Y. and Cho, S.-J. (1998).
“Performanceevaluation of cluster-DMA with integr
ated electrometer and its application to ion mobil
ity measurements,” J. Aerosol Res. Japan, Vol.13,
pp.83-93.)参照)。
た従来の微分型電気移動度分析器ではいずれも、微粒子
の粒径が1nm程度となると、(1)分級後に得られる
微粒子の量(スループット)、(2)分級後の微粒子の
粒径のばらつき(解像度)、(3)分級から処理(堆積
等)までの間での微粒子の損失等に関する性能が悪化
し、微粒子を用いて薄膜等を形成することができなくな
るという問題がある。
径が1nm程度の微粒子を用いて薄膜等の形成を可能に
する条件について研究を重ねた結果、上述したスループ
ットおよび解像度の問題に関して、微分型電気移動度分
析器の形状を規定する設計パラメータ(後述するR2−
R1,R1,L)を所定条件の下で適切に選択すること
により解決できることを見出した。
型電気移動度分析器による分級後の微粒子の取出し手法
を改良することにより、微粒子の損失を格段に少なくで
きることを見出した。
たものであり、高スループット、高解像度および低損失
の分級および処理(堆積等)を実現し、粒径が1nm程
度の微粒子を用いて薄膜形成等の手法により新たな材料
を生成することを可能にする、微分型電気移動度分析器
および微粒子処理装置を提供することを目的とする。
に、内側電極3および外側電極2からなる二重円筒構造
を有し、外側電極2の内周面(半径R2)と内側電極3
の外周面(半径R1)との間には所定電圧Vが印加され
ている。また、外 側電極2には帯電した微粒子(帯電
微粒子)を内部に導入するための第1スリット4が設け
られ、内側電極3には第1スリット4から導入された帯
電微粒子を外部に取り出すための第2スリット5が設け
られている。なお、第1スリット4と第2スリット5と
は軸方向に所定距離(距離L)だけ離間して配置されて
いる。さらに、外側電極2の内周面と内側電極3の外周
面との間の空間には上方からシースガス(流量Qsh)
が供給され、下方から余剰ガス(流量Qe)が排出され
る ようになっている。
量Qa)のガスとともに外側電極2の第1スリット4か
ら導入されると、この導入された帯電微粒子は上方から
供給されるシースガスとともに軸方向下方に移動すると
ともに、外側電極2の内周面と内側電極3の外周面との
間に形成される電場の影響を受けて個々の帯電微粒子が
電気移動度Zpに応じた速度で外側電極2側から内側電
極3側へ引き寄せられ る。そして、印加電圧Vに対応
する所定粒径の帯電微粒子のみが所定の軌跡を描いて内
側電極3の第2スリット5へ到達し、所定流量(流量Q
s)のガスととも に外部に取り出される。なお、全て
の微粒子が同一の電荷を有している場合には、取り出さ
れた微粒子の粒径が分級され、個々の微粒子は粒径Dp
(±ΔDp)を有することとなる。
器1の形状を規定する設計パラメータR2−R1,
R1,Lを適切に選択するための選択条件を与えること
により、粒 径が1nm程度の微粒子の場合でもスルー
プットおよび解像度を向上させることも可能である。こ
の選択条件は、空間電荷の影響を表すパラメータSc
と、ブラウン拡散の影響を表すパラメータσという2つ
のパラメータを導入することにより得られる。
ついて詳細に説明する。なお、以下の説明において、N
は微粒子の数密度、eは電気素量、ε0は誘電率、νは
気体動粘性率、Reはレイノルズ数、Zp(Dp)は電気
移動度、D(Dp)は微粒子拡 散率、Dpは微粒子の
粒径、Vは印加電圧である。また、Qaは第1スリット
から導入されるガスの流量、Qsは第2スリットから取
り出されるガスの流量、Qeは余剰ガスの流量、Qsh
はシースガスの流量である。
を表すパラメータScについて説明する。
の代表的な方法は、基板上に微粒子を堆積させる方法で
ある。この方法において、微粒子を基板上の所定領域
(面積A)に1層分だけ堆積させるのに必要とされる時
間tは、次式(7)により与えられる。
10nmの微粒子を直径1mmの円形領域にQs=1S
LM(standard liter per minute)のガスとともに導
入する場合を想定すると、図4のように表される。図4
に示すように、微粒子の典型的な数密度であるN=10
4cm−3では、微粒子の粒径Dp=10nmの微粒子
を1層分だけ形成する場合でも数日が必要とされ、より
小さな粒径の微粒子では数週間が必要とされることが分
かる。このような期間は現実的ではなく、実用上は数層
分の堆積を数時間(できれば数分)で行う必要がある。
このため、微粒子の数密度Nはかなり大きくする必要が
あり、具体的には107cm−3以上(好ましく は1
09cm−3以上)とする必要がある。
析器では、微粒子の数密度Nを大きな値とすることがで
きず、微粒子の数密度Nを必要以上に大きくすると装置
が正確に動作しなくなり、信頼性のある分級を行うこと
ができなくなる。これは、微粒子の数密度Nを大きくす
ると、帯電した微粒子自体が形成する電場(空間電荷電
場)が大きくなり、印加電圧Vにより与えられる外部電
場に対して無視できない値となるためである。
表すパラメータとして、外部電圧に対する空間電荷電場
の比に相当するパラメータScを導入する。このパラメ
ータScは、物理的な現象を詳細に記述するものではな
いが、微粒子の数密度Nの大きさを高めることができる
微分型電気移動度分析器の設計パラメータを求める上で
は非常に有用なものである。
二重円筒型の微分型電気移動度分析器の場合には、次式
(8)(9)により与えられる。
圧Vおよびシースガスの流量Qshは設計パラメータR
1,R2,Lに依存している(次式(10)(11)参
照)。
(8)(9)に代入すると、パラメータScは最終的に
次式(12)により与えられることとなる。
響を表すパラメータσについて説明する。
微粒子の解像度はブラウン拡散の影響を受けることが知
られている(文献7(Kousaka, Y., Okuyama, K., Adac
hi,M. and Mimura, T. (1986). “Effect of Brownian
diffusion on electrical classification of ultrafin
e aerosol particles in differential mobility analy
zer,” J. Chem. Eng. Japan, vol.19, pp.401-407.)
参照)。
ブラウン拡散の影響を考慮する単純なモデルはStolzenb
urgにより与えられている(文献8(Stolzenburg, M.R.
(1988). “in An Ultrafine Aerosol Size Distributi
on Measuring System,” Ph.D. Thesis, University of
Minnesota.)参照)。このモデルについては多数の実
験が行われており、粒径が1nm程度の微粒子において
も妥当するモデルであることが分かっている(上記文献
8および文献9(Zhang, S.-H. and Flagan, R.C., (19
96). “Resolution of the radial differential mobil
ity analyzer,” J. Aerosol Sci., vol.27, pp.1179-1
200.)参照)。
気移動度
式(13)(14)(15)により与えられる。
エラー関数erf(x)を用いて次式(16)により求められ
る。
パラメータσは、微分型電気移動度分析器により分級さ
れる微粒子の解像度の影響を表している。このパラメー
タσは、図3に示すような二重円筒型の微分型電気移動
度分析器の場合には、次式(17)により与えられる
(文献10(Flagan, R.C., (1999). “Resolution ofa
n Ideal Differential Mobility Analyzer,” J. Aeros
ol Sci. in press.)参照)。
Sc,σはそれぞれ、上式(12)(17)により与え
られる。ここで、高スループットの分級を実現するため
には、上式(12)で与えられるパラメータScの値を
所定値以下に保って空間電荷効果の影響による電場の乱
れを抑えつつ、微粒子の数密度Nを上げる必要がある。
また、高解像度の分級を実現するためには、上式(1
7)で与えられるパラメータσの値を空気力学的な制限
の下で可能な限り小さくする必要がある。
子の分級において高スループットを達成する場合にはS
c≦0.05(=Sc0)であることが好ましく、高解
像度 を達成する場合にはσ≦0.05(=σ0)であ
ることが好ましい。
(12)を解くと、設計パラメータR 2−R1,R1,
Lが満たすべき範囲として、次式(18)(19)(2
0)が得られる。
を解くと、R2−R1,R1,Lが満たすべき範囲とし
て、次式(21)(22)(23)が得られる。
1nm、β=0.1の場合を想定すると、上式(18)
(19)(20)は次式(24)(25)のようにな
り、上式(21)(22)(23)は次式(26)(2
7)のようになる。なお、次式(24)(25)(2
6)(27)の長さの単位はmmである。
(26)(27)の関係を示す図であり、このうち図5
(a)はLとR2−R1との関係を表す全体図、図5
(b)は図5(a)に示すIIb部分の拡大図である。図
5(a)(b)において、領域A1は上式(24)(2
5)の関係を満足する領域であり、この領域でN≧10
9 cm−3の高スループットが達成される。また、領
域A2は上式(26)(27)の関係を満足する領域で
あり、この領域で高解像度(粒径の偏差ΔDpが4%以
下)が達成される。なお、領域A3は領域A1および
領域A2が重なり合った領域であり、この領域で高スル
ープットおよび高解像度の両方が達成される。なお、こ
の領域A3は次式(28)(29)により表すことがで
きる。
の実施の形態では、図1に示す微分型電気移動度分析器
(HT−DMA(High Throughput DMA))において、
その設計パラメータをR1=25.0mm、R2−R1
=2.5mm、L=2.4mmと した(図5(b)の
HT−DMAのプロット参照)。なお、図5(a)
(b)においては、比較のために、図1に示す微分型電
気移動度分析器(HT−DMA)とともに、従来の他の
微分型電気移動度分析器、すなわちKnutson & Whitby
DMA(上記文献1参照)、Reishl DMA(上記文献2参
照)、nano-DMA(上記文献3参照)、RIKEN DMA
(上記文献4参照)、de la Mora DMA(上記文献5
参照)、cluster DMA(上記文献6参照)の6つの微
分型電気移動度分析器の 設計パラメータを同時にプロ
ットしている。
のであり、その第1の解決手段として、帯電した微粒子
を内部に導入するための第1スリットを有する筒状の外
側電極と、前記外側電極内にて前記外側電極と同心軸状
に延びるとともに微粒子を外部に取り出すための第2ス
リットを有する筒状の内側電極とを備え、前記外側電極
と前記内側電極との間には帯電した微粒子が前記外側電
極側から前記内側電極側へ移動するよう所定電圧が印加
され、前記外側電極の前記第1スリットから導入された
微粒子はシースガスとともに移動し、その一部が前記内
側電極の前記第2スリットから取り出されるとともに残
りが余剰ガスとして排出され、前記外側電極および前記
内側電極はそれぞれ円形の断面を有する内周面および外
周面を有し、前記内周面および前記外周面の断面半径を
それぞれR2,R1とし、前記第1スリットと前記第2
スリットとの間の軸方向の距離をLとしたときに、前記
R2−R1,R1,Lが、空間電荷の影響を表すパラメ
ータSc0の下で、次式(30)(31)(32)の関
係、すなわち、
誘電率、νは気体動粘性率、Reはレイノルズ数、Zp
は電気移動度、Qaは前記第1スリットから導入される
ガスの流量、Qsは前記第2スリットから取り出される
ガスの流量、Q eは余剰ガスの流量、Qshはシースガ
スの流量である)の関係を満足するよう設定されている
ことを特徴とする微分型電気移動度分析器を提供する。
前記パラメータSc0はその値が0.05以下であるこ
とが好ましい。また、前記R2−R1,R1,Lが、ブ
ラウン 拡散の影響を表すパラメータσ0の下で、前記
式(1)(2)(3)の関係とと もに次式(33)
(34)(35)の関係、すなわち
よう設定されていることが好ましい。なお、前記パラメ
ータσ 0はその値が0.05以下であることが好まし
い。
電した微粒子を内部に導入するための第1スリットを有
する筒状の外側電極と、前記外側電極内にて前記外側電
極と同心軸状に延びるとともに微粒子を外部に取り出す
ための第2スリットを有する筒状の内側電極と、前記内
側電極の前記第2スリットから取り出された微粒子を捕
集する捕集器とを備え、前記外側電極と前記内側電極と
の間には帯電した微粒子が前記外側電極側から前記内側
電極側へ移動するよう所定電圧が印加され、前記外側電
極の前記第1スリットから導入された微粒子はシースガ
スとともに移動し、その一部が前記内側電極の前記第2
スリットから取り出されるとともに残りが余剰ガスとし
て排出され、前記内側電極は前記第2スリットと連通す
るとともに前記内側電極と同心軸状に延びる微粒子取出
管を有し、前記捕集器は前記微粒子取出管の吹出口の直
下に配置された微粒子捕集部を有し、前記微粒子取出管
はその吹出口にガスの流れを絞り込むためのノズル部を
有し、このノズル部の先端部と前記微粒子捕集部との間
の距離が0.5〜1.5mm程度に設定されていること
を特徴とする微粒子処理装置を提供する。
て、前記微粒子取出管と前記微粒子捕集部との間には前
記第2スリットから取り出された微粒子が前記ノズル部
を介して前記微粒子捕集部まで移動するよう所定電圧が
印加されていることが好ましい。
ば、微分型電気移動度分析器の形状を規定する設計パラ
メータR2−R1,R1,LがパラメータSc0(およ
びパラメータσ0)の下で適切に設定されているので、
粒径が1nm程度の微粒子の場合で も、高スループッ
トおよび高解像度の分級を実現することができる。
内側電極と同心軸状に延びる微粒子取出管の直下に微粒
子補集部が配置されているので、微粒子取出管で集めら
れた分級後の微粒子を短時間にかつ直線的に移動させる
ことができ、移動経路中での微粒子の損失を最小限に抑
えることができる。
合でも粒径が揃った微粒子を効率良く処理(堆積等)さ
せることが可能となり、薄膜形成等の手法により新たな
材料を生成することができる。
施の形態について説明する。図1は本発明による微分型
電気移動度分析器および微粒子処理装置の一実施の形態
を示す図である。
微分型電気移動度分析器21と、微分型電気移動度分析
器21により分級された微粒子を捕集して基板20上に
堆積させる静電捕集器22とを備えている。
は、帯電した微粒子(帯電微粒子)を内部に導入するた
めの第1スリット4を有する外側電極2と、外側電極2
内にて外側電極2と同心軸状に延びるとともに帯電微粒
子を外部に取り出すための第2スリット5を有する内側
電極3とを備えている。ここで、第1スリット4は外側
電極2の内周面(半径R2)に沿って環状に設けられ、
第2スリット5は内側電極3の外周面(半径R1)に沿
って環状に設けられている。なお、第1スリット 4と
第2スリット5とは軸方向に所定距離(距離L)だけ離
間して配置されている。なおここでは、上述した原理に
従って、ε0=8.854×10−12F/m、ν=
1.424×10−5m2/s、Re=2200、Dp
=1nm、β=0.1の下で、R1,R2,Lを選択
し、R1=25.0mm、R2−R1=2.5mm、L
=2.4mmとした。
6が接続されており、外部に設けられた微粒子源(図示
せず)から帯電微粒子が供給されるようになっている。
また、第2スリット5には微粒子取出管12が接続され
ている。なお、微粒子取出管12は内側電極2と同心軸
状に延びており、その吹出口にガスの流れを絞り込むた
めのノズル部12aを有している。
の内周面と内側電極3の外周面との間の空間にシースガ
スを供給するためのシースガス導入管7が設けられると
ともに、シースガスの流れを整えるとともに不純物を除
去するための二枚の整流フィルタ8,8が取り付けられ
ている。なお、外側電極2の第1スリット4から導入さ
れた帯電微粒子はシースガス導入口7から供給されたシ
ースガスとともに軸方向下方に移動し、その一部が内側
電極2の第2スリット5から取り出されるとともに残り
が外側電極2の下部に設けられた余剰ガス排出管9から
余剰ガスとして排出されるようになっている。
もに導体からなり、外側電極2が接地された状態で、内
側電極3には第1高圧源10が接続されている。これに
より、外側電極2と内側電極3との間に所定電圧V1が
印加され、帯電微粒子が外筒電極2側から内筒電極3側
へ移動するようになっている。
取出管13が接続されており、外部に設けられた計数計
(図示せず)により分級後の微粒子の一部についてその
粒子数が計数されるようになっている。なお、このよう
な計数は、静電捕集器22における基板20上での微粒
子の堆積に伴って行われ、分級後の微粒子の数密度等を
測定することにより、校正やオンライン監視等が行われ
る。なお、モニタ用ガス取出管13へのガスの取出し
は、基板20上での微粒子の堆積と同時に行うことがで
きる他、基板20上での微粒子の堆積が行われていない
タイミングで行うことも可能である。
度分析器21の微粒子取出管12に接続されている。静
電捕集器22は、基板20を保持する基板保持部14を
有し、この基板保持部14は基板20を載置する載置台
(微粒子捕集部)14aと、この載置台14aの下面を
支持する直線状の支持部14bとを有している。このう
ち、基板20が載置される載置台14aは、微粒子取出
管12のノズル部12aの吹出口の直下に配置されてお
り、基板20は微粒子取出管12のノズル部12aから
導入された分級後の微粒子の流れに対して略直交するよ
う配置されている。
上下方向に移動するマニピュレータ15に接続されてお
り、微粒子取出管12のノズル部12aに対して基板保
持部14の載置台14aの上下方向の位置を位置決めす
ることができる。なおここでは、粒径が1nm程度の微
粒子の堆積の場合にはノズル部12aの先端部と載置台
14aとの距離は、例えば0.5〜1.5mm程度に設
定することが好ましい。
板保持部14には第1高圧源10よりも高圧な所定電圧
V2を印加することができる第2高圧源11が接続され
ている。これにより、基板保持部14の載置台14aと
微粒子取出管12のノズル部12aとの間に所定電圧V
2−V1が印加され、第2スリット5から取り出された
帯電微粒子がノズル部12aを介して載置台14aまで
移動するようになっている。なお、載置台14aとノズ
ル部12aとの間の電位差V2−V1は、基板20上で
の微粒子の堆積時の流れの条件、圧力および微粒子の粒
径に応じて例えば100〜1000Vの範囲で任意に設
定することができる。
堆積済みガス排出管16を介して外部に排出されるよう
になっている。
構成からなる本実施の形態の作用について説明する。な
お、図2は図1に示す微粒子処理装置の作用を説明する
ための模式図である。
を介して供給された帯電微粒子は、外側電極2に設けら
れた第1スリット4を介して、外側電極2の内周面と内
側電極3の外周面との間の空間に導入される。この導入
された帯電微粒子は、シースガス導入口7から供給され
るシースガスとともに軸方向下方に移動し、その一部が
内側電極2の第2スリット5から取り出されるとともに
残りが余剰ガス排出管9から余剰ガスとして排出され
る。
周面と内側電極3の外周面との間の空間にて第1高圧源
10により印加される電圧により形成される電場の影響
を受けて個々の微粒子が電気移動度Zpに応じた速度で
外側電極2側から内側電極3へ引き寄せられる。そし
て、印加電圧V1に対応する所定粒径の微粒子のみが所
定の軌跡を描いて内側電極3の第2スリット5へ到達
し、外部に取り出される。
スリット5から取り出された帯電微粒子は、微粒子取出
管12内を軸方向下方に落下し、ノズル部12aを介し
て静電捕集器22に導入される。なお、静電捕集器22
に導入された帯電微粒子は、第2高圧源11および第1
高圧源10により印加される電圧V2−V1により形成
される電場の影響を受けてノズル部12aから基板保持
部14の載置台14aまで移動し、載置台14a上に載
置された基板20上に堆積する。なお、静電捕集器22
に導入されたガスは堆積済みガス排出管16を介して外
部に排出される。
電気移動度分析器21の形状を規定する設計パラメータ
R2−R1,R1,Lが上述した原理に従って適切に設
定され ているので、粒径が1nm程度の微粒子の分級
において、高スループットおよび高解像度の分級を実現
することができる。具体的には、スループットを10 9
粒 子/cm3以上にすることが可能となり、解像度
(粒径の偏差ΔDp)を4%以下とすることが可能とな
る。
同心軸状に延びる微粒子取出管12のノズル部12の直
下に載置台14aが配置されているので、微粒子取出管
12で集められた分級後の微粒子を基板20上まで短時
間にかつ直線的に移動させることができ、移動経路中で
の微粒子の損失を最小限に抑えることができる。具体的
には、粒径が1nm程度の微粒子の場合でも、分級後の
微粒子の移動時間を50ms程度(従来の1/20程
度)にすることが可能となり、微粒子の損失を50%以
下に抑えることが可能となる。
nm程度の微粒子の場合でも粒径が揃った微粒子を効率
良く基板20上に堆積させることが可能となり、薄膜形
成等の手法により新たな材料を生成することができる。
分型電気移動度分析器21を静電捕集器22とともに用
いているが、これに限らず、微粒子の粒径を分析する等
の目的のためにファラデーカップ電流計等の測定器と組
み合わせて用いることも可能である。また、上述した実
施の形態においては、静電捕集器22にて微粒子を基板
20上に堆積させているが、これに限らず、微粒子を用
いた各種の処理を行うことが可能である。
分型電気移動度分析器の形状を規定する設計パラメータ
R2−R1,R1,LがパラメータSc0(およびパラ
メータσ0 )の下で適切に設定されているので、粒径
が1nm程度の微粒子の分級において、高スループット
および高解像度の分級を実現することができる。また、
内側電極と同心軸状に延びる微粒子取出管の直下に微粒
子補集部が配置されているので、微粒子取出管で集めら
れた分級後の微粒子を短時間にかつ直線的に移動させる
ことができ、移動経路中での微粒子の損失を最小限に抑
えることができる。このため、粒径が1nm程度の微粒
子の場合でも粒径が揃った微粒子を効率良く処理(堆積
等)させることが可能となり、薄膜形成等の手法により
新たな材料を生成することができる。
粒子処理装置の一実施の形態を示す概略断面図。
めの模式図。
の図。
るための微分型電気移動度分析器の設計パラメータの範
囲を示す図。
Claims (6)
- 【請求項1】帯電した微粒子を内部に導入するための第
1スリットを有する筒状の外側電極と、 前記外側電極内にて前記外側電極と同心軸状に延びると
ともに微粒子を外部に取り出すための第2スリットを有
する筒状の内側電極とを備え、 前記外側電極と前記内側電極との間には帯電した微粒子
が前記外側電極側から前記内側電極側へ移動するよう所
定電圧が印加され、前記外側電極の前記第1スリットか
ら導入された微粒子はシースガスとともに移動し、その
一部が前記内側電極の前記第2スリットから取り出され
るとともに残りが余剰ガスとして排出され、 前記外側電極および前記内側電極はそれぞれ円形の断面
を有する内周面および外周面を有し、前記内周面および
前記外周面の断面半径をそれぞれR2,R1とし、前記
第1スリットと前記第2スリットとの間の軸方向の距離
をLとしたときに、前記R2−R1,R1,Lが、空間
電荷の影響を表すパラメータSc0の下で、次式(1)
(2)(3)の関係、すなわち、 【数1】 (ここで、Nは微粒子の数密度、eは電気素量、ε0は
誘電率、νは気体動粘性 率、Reはレイノルズ数、Z
pは電気移動度、Qaは前記第1スリットから導入され
るガスの流量、Qsは前記第2スリットから取り出され
るガスの流量、Qeは余剰ガスの流量、Qshはシース
ガスの流量である)の関係を満足するよう設定されてい
ることを特徴とする微分型電気移動度分析器。 - 【請求項2】前記パラメータSc0はその値が0.05
以下であることを特徴とする請求項 1記載の微分型電
気移動度分析器。 - 【請求項3】前記R2−R1,R1,Lが、ブラウン拡
散の影響を表すパラメータσ0の下で、前記式(1)
(2)(3)の関係とともに次式(4)(5)(6)の
関係、すなわち 【数2】 (ここで、Dは微粒子拡散率である)の関係を満足する
よう設定されていることを特徴とする請求項1または2
記載の微分型電気移動度分析器。 - 【請求項4】前記パラメータσ0はその値が0.05以
下であることを特徴とする請求項3 記載の微分型電気
移動度分析器。 - 【請求項5】帯電した微粒子を内部に導入するための第
1スリットを有する筒状の外側電極と、 前記外側電極内にて前記外側電極と同心軸状に延びると
ともに微粒子を外部に取り出すための第2スリットを有
する筒状の内側電極と、 前記内側電極の前記第2スリットから取り出された微粒
子を捕集する捕集器とを備え、 前記外側電極と前記内側電極との間には帯電した微粒子
が前記外側電極側から前記内側電極側へ移動するよう所
定電圧が印加され、前記外側電極の前記第1スリットか
ら導入された微粒子はシースガスとともに移動し、その
一部が前記内側電極の前記第2スリットから取り出され
るとともに残りが余剰ガスとして排出され、 前記内側電極は前記第2スリットと連通するとともに前
記内側電極と同心軸状に延びる微粒子取出管を有し、前
記捕集器は前記微粒子取出管の吹出口の直下に配置され
た微粒子捕集部を有し、 前記微粒子取出管はその吹出口にガスの流れを絞り込む
ためのノズル部を有し、このノズル部の先端部と前記微
粒子捕集部との間の距離が0.5〜1.5mm程度に設
定されていることを特徴とする微粒子処理装置。 - 【請求項6】前記微粒子取出管と前記微粒子捕集部との
間には前記第2スリットから取り出された微粒子が前記
ノズル部を介して前記微粒子捕集部まで移動するよう所
定電圧が印加されていることを特徴とする請求項5記載
の微粒子処理装置。
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---|---|---|---|
JP22176099A JP3503931B2 (ja) | 1999-08-04 | 1999-08-04 | 微分型電気移動度分析器および微粒子処理装置 |
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JP22176099A JP3503931B2 (ja) | 1999-08-04 | 1999-08-04 | 微分型電気移動度分析器および微粒子処理装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2001050886A JP2001050886A (ja) | 2001-02-23 |
JP3503931B2 true JP3503931B2 (ja) | 2004-03-08 |
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Family Applications (1)
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CN103499516B (zh) * | 2013-10-22 | 2015-04-22 | 东南大学 | 一种高压密相气力输送煤粉流动状态的检测方法 |
CN109991133B (zh) * | 2019-05-17 | 2020-11-13 | 中国科学院化学研究所 | 一种纳米颗粒物化学组分检测系统及检测方法 |
-
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- 1999-08-04 JP JP22176099A patent/JP3503931B2/ja not_active Expired - Fee Related
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