JP3487729B2 - 微粒子分析装置およびその方法 - Google Patents

微粒子分析装置およびその方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気等の雰囲気中
に浮遊する粉塵(dust)やミスト(mist)等の微粒子を
対象とする分析技術に係り、とりわけ粒径が約0.00
1ミクロン(μm)〜約数ミクロンの範囲にある微粒子
の粒径や粒子数、成分等を測定する微粒子分析装置およ
びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体製造プロセスにおける粒子
汚染の抑制、大気中における酸性雨やスモッグ等の発生
機構の解明、および量子ナノ(nano)材料の開発等に関
連して、大気等の雰囲気中に浮遊する粉塵やミスト等の
微粒子が注目を集めている。
【0003】このような微粒子を対象とする従来の分析
方法としては、(1)雰囲気中に浮遊する微粒子を一旦
フィルタ等に捕集させ、このようにして収集された個々
の微粒子をミクロ分析する方法、および(2)雰囲気中
に浮遊する微粒子を浮遊状態のままで(in situ )ミク
ロ分析する方法がある(文献1(M.V.Johnston and A.
S.Wexler:“MS of Individual Aerosol Particles”,An
alytical Chemistry,1995,67,721A-726A )参照)。
【0004】このうち、上記(1)の分析方法において
は、雰囲気中に浮遊する微粒子を一旦フィルタ等に捕集
させ、このようにして収集された個々の微粒子を、X線
マイクロアナリシス(EPMA:electron probe micro
analysis)や発光分析(emission spectrochemical ana
lysis )、二次イオン質量分析法(SIMS:secondar
y ion mass spectrometry )、レーザマイクロプローブ
質量分析法(LAMMS:laser microprobe mass spec
trometry)等によりミクロ分析している。このうち例え
ば、発光分析によりミクロ分析を行う場合には、フィル
タ等に収集された個々の微粒子を順次取り出してプラズ
マ発光させ、その強度および発光波長に基づいて大きさ
および成分を同定するとともに、その取出し回数から粒
子数を算定している。
【0005】これに対し、上記(2)の分析方法におい
ては、雰囲気中に浮遊する微粒子を浮遊状態のままで連
続的にミクロ分析する。このような分析方法としては例
えば、雰囲気中に浮遊する個々の微粒子をイオン化加熱
源に衝突させ、この衝突により生じたイオン群を質量分
析計に導入して分析する方法が知られている。
【0006】また、雰囲気中にある微粒子をキャピラリ
やノズル等を介して真空中に引き込むとともに、引き込
まれた個々の微粒子をエキシマレーザで励起させてイオ
ン化(レーザ脱離イオン化)し、このようにしてイオン
化された微粒子の粒径や成分を飛行時間型質量分析計
(TOF−MS:time-of-flight mass spectrometry)
により分析する方法や、雰囲気中に浮遊する微粒子を高
周波誘導結合プラズマ(大気圧プラズマ)により分解、
励起およびイオン化し、このようにしてイオン化された
微粒子の成分を4重極型質量分析計等により分析する方
法(高周波誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−M
S:inductively coupled plasma mass spectrometr
y))が知られている(文献2(T.Nomizu et al.:“Det
ermination of Femto-gram Amounts of Zinc and Lead
in Individual Airborne Particles by Inductively Co
upled Plasma Mass Spectrometry with Direct Air-Sam
ple Introduction ”,Analytical Sciences,1993,Vol.
9,843 )参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、微粒
子を対象とする分析方法は従来から各種のものが開発さ
れている。しかしながら、従来の分析方法はいずれも、
粒径の小さな微粒子に対する感度が十分でなく、特にナ
ノメータ(nm)以下の粒径を有するナノ(nano)粒子
やクラスタ等の微粒子についてはその粒径や粒子数、成
分等を定量的に求めることができないという問題があ
る。
【0008】本発明はこのような点を考慮してなされた
ものであり、ナノメータオーダの微粒子の粒径や粒子
数、成分等を定量的に求めることができる微粒子分析装
置およびその方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、雰囲気中に浮
遊する微粒子を分析する微粒子分析装置において、雰囲
気中から引き込まれた微粒子を帯電させる荷電装置と、
前記荷電装置にて帯電した微粒子を電気移動度に応じて
粒径毎に分級する微分型電気移動度分級器と、前記微分
型電気移動度分級器により分級された微粒子毎にその成
分および量を測定する質量分析計とを備えたことを特徴
とする微粒子分析装置を提供する。
【0010】また本発明は、上述した微粒子分析装置に
おいて、前記分級器により分級された微粒子毎にその粒
子数を計数する計数計をさらに備え、前記質量分析計に
導入される微粒子の粒子数を算出するようにしたことを
特徴とする微粒子分析装置を提供する。
【0011】 さらに本発明は、雰囲気中に浮遊する微
粒子を分析する微粒子分析方法において、雰囲気中から
微粒子を引き込む工程と、引き込まれた個々の微粒子を
帯電させる工程と、帯電した微粒子を電気移動度に応じ
て粒径毎に分級する工程と、分級された微粒子毎に質量
分析を行ってその成分および量を測定する工程とを備え
たことを特徴とする微粒子分析方法を提供する。
【0012】本発明によれば、分級器により分級された
特定粒径の微粒子を質量分析計に導入して質量分析を行
うようにしたので、粒径の揃った微粒子を質量分析計に
大量に導入することができる。このため、特定粒径に対
応する微粒子の成分および量を質量分析計の測定値に基
づいて正確に求めることができる。
【0013】また、質量分析計に導入される微粒子の粒
子数を計数計により校正しているので、質量分析と同時
に微粒子の粒子数を測定することができるとともに、質
量分析計における微粒子の質量分析を絶対量に基づいて
定量的に行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1乃至図4は本発明によ
る微粒子分析装置の一実施の形態を示す図である。
【0015】図1に示すように、微粒子分析装置は、大
気雰囲気中に浮遊するパーティクルやクラスタ、ミスト
等の微粒子を引き込むサンプリング装置1と、引き込ん
だ個々の微粒子をコロナ放電またはアメリシウム同位体
241 Am)等の放射線源により帯電させる荷電装置2
と、帯電した微粒子を電気移動度に応じて粒径毎に分級
する微分型電気移動度分級器(DMA:differential m
obility analyzer)3と、分級された微粒子毎にその成
分および量を測定する高周波誘導結合プラズマ質量分析
計(ICP−MS)4と、分級された微粒子の粒子数を
計数するファラデーカップ電流計(FCE:faraday cu
p electrometer、計数計)5とを備えている。
【0016】ここで、高周波誘導結合プラズマ質量分析
計4とファラデーカップ電流計5とは、微分型電気移動
度分級器3に分岐部6を介して並列に接続されている。
なお分岐部6は、機械的、電気的または磁気的な方法に
より微粒子の進行方向を選択的に切り替えるものであ
り、微分型電気移動度分級器3により分級された微粒子
は、分岐部6を介して高周波誘導結合プラズマ質量分析
計4またはファラデーカップ電流計5のいずれかに選択
的に導入されるようになっている。
【0017】次に、図2乃至図4により、図1に示す微
粒子分析装置を構成する微分型電気移動度分級器3、高
周波誘導結合プラズマ質量分析計4およびファラデーカ
ップ電流計5の詳細について説明する。
【0018】まず、図2により、微分型電気移動度分級
器3について説明する。なお微分型電気移動度分級器
は、帯電した微粒子を電気移動度の違いを利用して粒径
毎に分級して取り出すものである(詳細については例え
ば文献3(E.O.Knutson and K.T.Whitby: “Aerosol Cl
assification by Electric Mobility: Apparatus, Theo
ry, and Applications”, J.Aerosol Sci.,1975,Vol.6,
pp.443-451)参照)。図2に示すように、微分型電気移
動度分級器3は、テフロン材等の絶縁体からなる基部1
0と、基部10に連結されるとともに分級後の微粒子を
排出する環状のスリット13を有する中心ロッド11
と、基部10に連結されるとともに微粒子を導入する環
状のスリット14を有する囲み体12とを備えている。
【0019】ここで、中心ロッド11および囲み体12
は導体からなり、中心ロッド11は高電圧源17に接続
され、囲み体12は接地されている。また、囲み体12
の上部には、囲み体12内を循環するシースエアの吐出
口15が設けられるとともに、シースエアに含まれる不
純物を除去するためのフィルタ16が取り付けられてい
る。
【0020】図2において、荷電装置2にて帯電した微
粒子は囲み体12に設けられたスリット14から導入さ
れる。そして、スリット14から導入された微粒子は囲
み体12の吐出口15から吐出されたシースエアととも
に軸方向下方に移動し、また中心ロッド11の外周面と
囲み体12の内周面との間に形成される電場の影響を受
けて個々の微粒子の電気移動度に応じた速度で中心軸方
向に引き寄せられる。そして、所定の軌跡を描いて中心
ロッド11のスリット13に到達した微粒子のみが外部
へ取り出される。
【0021】ここで、中心ロッド11に設けられたスリ
ット13に到達する微粒子の電気移動度Zp は、次式
(1)により算出される。 Zp =q・ln(r2 /r1 )/(2・π・V・L) … (1)
【0022】上式(1)において、qは微分型電気移動
度分級器3に導入されるシースエアの流量、r1 ,r2
はそれぞれ中心ロッド11の外周面の半径,囲み体12
の内周面の半径である。また、Vは中心ロッド11の外
周面と囲み体12の内周面との間に印加される電圧、L
はスリット13とスリット14との間の距離である。
【0023】また、微粒子の電気移動度Zp と粒径Dp
との間には次式(2)により表される関係がある。 Zp =n・e・Cm /(3・π・μ・Dp ) … (2)
【0024】上式(2)において、nは微粒子の電荷
量、eは電気素量(1.6×10-19クーロン)、Cm
はカニンガムの補正係数、μは導入されるシースエアの
粘性係数である。
【0025】なお、上式(1)(2)から、微分型電気
移動度分級器3から取り出される微粒子の粒径Dp がシ
ースエアの流量qおよび印加電圧Vに基づいて決定され
る。
【0026】次に、図3により、高周波誘導結合プラズ
マ質量分析計4について説明する。図3に示すように、
高周波誘導結合プラズマ質量分析計4は、微分型電気移
動度分級器3(図1および図2参照)により分級された
微粒子を分解およびイオン化する高周波誘導結合プラズ
マ部20と、分解およびイオン化された微粒子を後述す
る4重極マスフィルタ23に引き込むためのインタフェ
ース部21およびレンズ部22と、直流電圧および高周
波電圧が印加される電極を有する4重極マスフィルタ2
3と、4重極マスフィルタ23内を通過した微粒子を検
出する検出器24とを備えている。
【0027】ここで、インタフェース部21、レンズ部
22および4重極マスフィルタ23は真空ポンプ25に
接続されており、これによりインタフェース部21、レ
ンズ部22および4重極マスフィルタ23の内部は測定
中常に真空に保たれるようになっている。また、高周波
誘導結合プラズマ部20および4重極マスフィルタ23
はそれぞれRF発振器27,28に接続されており、所
定の高周波電圧が高周波誘導結合プラズマ部20内の高
周波コイルおよび4重極マスフィルタ23内の電極にそ
れぞれ印加されるようになっている。なお、RF発振器
27,28および真空ポンプ25は、コンピュータ29
に接続されたシステムコントローラ26により制御され
るようになっている。
【0028】図3において、微分型電気移動度分級器3
(図1および図2参照)により分級され分岐部6を介し
て導入された微粒子は高周波誘導結合プラズマ部20に
引き込まれ、高周波誘導結合プラズマ部20により分解
およびイオン化がなされる。分解およびイオン化がなさ
れた微粒子は、インタフェース部21およびレンズ部2
2を介して4重極マスフィルタ23の中心軸に沿って入
射される。このとき、4重極マスフィルタ23の電極に
は直流電圧および高周波電圧が印加され、この電圧印加
により4重極マスフィルタ23内に電場が形成されてい
る。なお、この印加電圧は、システムコントローラ26
により掃引され、このような印加電圧、4重極電極間の
距離および周波数等によって決まる条件の下で特定の質
量(質量数/電荷量)の微粒子のみが4重極マスフィル
タ23内を通過して検出器24において検出される。そ
して、検出された結果に基づいてシステムコントローラ
26に接続されたコンピュータ29によりデータ解析が
行われ、所定時間Tの間に導入された所定粒径Dp の微
粒子についての質量分析が行われる。
【0029】次に、図4により、ファラデーカップ電流
計5について説明する。図4に示すように、ファラデー
カップ電流計5は、微粒子を捕集するファラデーカップ
30と、ファラデーカップ30において捕集された微粒
子の帯電量を測定するエレクトロメータ40とからなっ
ている。
【0030】ここでファラデーカップ30は、外部容器
31と内部容器32とからなる二重の金属容器として構
成されている。外部容器31および内部容器32には、
外部から微粒子を導入するための導入部33が設けら
れ、また内部容器32には導入部33から導入された微
粒子を沈積させるためのフィルタ34が取り付けられて
いる。なおフィルタ34は、リード線35を介してファ
ラデーカップ30の外部に設けられたエレクトロメータ
40に接続されている。
【0031】図4において、微分型電気移動度分級器3
(図1および図2参照)により分級され分析部6を介し
て導入された微粒子はファラデーカップ30の導入部3
3を介して導入され、このようにして導入された微粒子
は内部容器32内に取り付けられたフィルタ34上に沈
積する。そして、フィルタ34上に沈積した微粒子の帯
電量は、リード線35に流れる電流値としてエレクトロ
メータ40により測定される。
【0032】ここで、測定された電流値iと微粒子の個
数濃度Nとの間には次式(3)により表される関係があ
る。 N=i/(n・e・q) … (3)
【0033】上式(3)において、nは微粒子の電荷
量、eは電気素量(1.6×10-19クーロン)、qは
導入される気体の流量である。
【0034】なお、上式(3)から、所定時間Tの間に
導入された所定粒径Dp の微粒子の粒子数が分級後の粒
子とともに導入される気体の流量qに基づいて決定され
る。
【0035】次に、このような構成からなる本実施の形
態の作用について図1乃至図4により説明する。
【0036】まず、図1に示すように、大気雰囲気中に
浮遊するパーティクルやクラスタ、ミスト等の微粒子を
サンプリング装置1により引き込んだ後、引き込んだ微
粒子を荷電装置2に移送するとともに移送された個々の
微粒子を荷電装置2により帯電させる。
【0037】次に、帯電した個々の微粒子を荷電装置2
から微分型電気移動度分級器3へ移送し、微分型電気移
動度分級器3により、所定粒径Dp を有する微粒子のみ
を取り出す。すなわち、所定のシースエアの流量qおよ
び印加電圧Vの下で微粒子を分級し、上式(1)(2)
に従って決定される粒径Dp を有する微粒子のみを中心
ロッド11のスリット13から外部へ取り出す。
【0038】そして、微分型電気移動度分級器3から外
部へ取り出された分級後の微粒子は、図1に示すよう
に、分岐部6を介して高周波誘導結合プラズマ質量分析
計4またはファラデーカップ電流計5に所定の時間間隔
で交互に導入される。すなわち、ある所定時間Tの間
は、分級後の微粒子に対して高周波誘導結合プラズマ質
量分析計4によりその質量分析が行われ、続く時間T
(高周波誘導結合プラズマ質量分析計4に微粒子が導入
される時間と同一の時間)の間は、分級後の微粒子に対
してファラデーカップ電流計5によりその粒子数が測定
される。
【0039】ここで、高周波誘導結合プラズマ質量分析
計4とファラデーカップ電流計5とには、微分型電気移
動度分級器3により分級された微粒子が同一量ずつ導入
されているので、ファラデーカップ電流計5により測定
された粒子数に基づいて高周波誘導結合プラズマ質量分
析計4の結果を校正することができ、これにより高周波
誘導プラズマ質量分析計4に導入された微粒子の質量分
析を絶対量に基づいて定量的に行うことができる。
【0040】このように本実施の形態によれば、微分型
電気移動度分級器3により分級された特定粒径Dp の微
粒子を高周波誘導結合プラズマ質量分析計4に導入して
質量分析を行うようにしたので、粒径の揃った微粒子を
高周波誘導結合プラズマ質量分析計4に大量に導入する
ことができる。このため、特定粒径に対応する微粒子の
成分および量を高周波誘導結合プラズマ質量分析計4の
測定値に基づいて正確に求めることができる。
【0041】この場合、特定粒径に対する微粒子の成分
および量を予め予測しておくことにより、特定粒径に対
応する微粒子の成分および量を高周波誘導結合プラズマ
質量分析計4により求めた後、この予測値に基づいて高
周波誘導結合プラズマ質量分析計4の測定結果のうち明
らかに誤った値を排除することができる。この結果とし
て、質量分析が可能な微粒子の粒径範囲の下限を一桁程
度向上させることができる(具体的には粒径が約0.0
01ミクロン〜数ミクロンの微粒子についての質量分析
が可能となる)。
【0042】また、高周波誘導結合プラズマ質量分析計
4に導入される微粒子の粒子数をファラデーカップ電流
計5により校正しているので、質量分析と同時に微粒子
の粒子数を測定することができるとともに、高周波誘導
結合プラズマ質量分析計4における微粒子の質量分析を
絶対量に基づいて定量的に行うことができる。
【0043】さらに、微粒子をイオン化するために高周
波誘導結合プラズマを利用しているので、イオン化効率
を向上させるとともに、装置を簡素化することができ
る。
【0044】なお、上述した実施の形態においては、荷
電装置2にて微粒子をコロナ放電または放射線源により
帯電させているが、荷電装置2における帯電の方法はこ
のようなものに限定されるものではなく、微粒子を帯電
させるための既存の各種の方法を採用することができ
る。
【0045】また、上述した実施の形態においては、微
分型電気移動度分級器3により分級された微粒子は、分
岐部6を介して高周波誘導結合プラズマ質量分析計4ま
たはファラデーカップ電流計5に所定の時間間隔で交互
に導入されるようにしたが、これ以外にも、例えば分級
された微粒子が高周波誘導結合プラズマ質量分析計4お
よびファラデーカップ電流計5の両方にあらかじめ決め
られた所定の割合(例えば1:1)で分配されるように
してもよい。ここで、高周波誘導結合プラズマ質量分析
計4およびファラデーカップ電流計5に分配される微粒
子の割合は、1:1に限定されるものではなく、例えば
2:1や3:1のような任意のものを採用することがで
きる。なお、この場合には、分配の割合を考慮してファ
ラデーカップ電流計5により計数された粒子数から高周
波誘導結合プラズマ質量分析計4に導入される微粒子の
粒子数を算出する。
【0046】さらに、上述した実施の形態においては、
微粒子の質量分析は高周波誘導結合プラズマ質量分析計
4により行われているが、これ以外にも、必要に応じて
上述したような従来から広く知られた各種の質量分析法
を用いることができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、分
級器により分級された特定粒径の微粒子を質量分析計に
導入して質量分析を行うようにしたので、粒径の揃った
微粒子を質量分析計に大量に導入することができる。こ
のため、特定粒径に対応する微粒子の成分および量を質
量分析計の測定値に基づいて正確に求めることができ
る。
【0048】また、質量分析計に導入される微粒子の粒
子数を計数計により校正しているので、質量分析と同時
に微粒子の粒子数を測定することができるとともに、質
量分析計における微粒子の質量分析を絶対量に基づいて
定量的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による微粒子分析装置の一実施の形態を
示す図である。
【図2】図1に示す微分型電気移動度分級器(DMA)
の詳細を示す図である。
【図3】図1に示す高周波誘導結合プラズマ質量分析計
(ICP−MS)の詳細を示す図である。
【図4】図1に示すファラデーカップ電流計(FCE)
の詳細を示す図である。
【符号の説明】
1 サンプリング装置 2 荷電装置 3 微分型電気移動度分級器(DMA) 4 高周波誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−M
S) 5 ファラデーカップ電流計(FCE) 6 分岐部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阪 田 健 一 東京都国立市富士見台2−2−5 サン フォーレ国立302号 (56)参考文献 特開 平7−55689(JP,A) 特開 昭62−43540(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 15/00 - 15/14 G01N 57/62 - 27/70 H01J 49/00 - 49/48

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】雰囲気中に浮遊する微粒子を分析する微粒
    子分析装置において、 雰囲気中から引き込まれた微粒子を帯電させる荷電装置
    と、 前記荷電装置にて帯電した微粒子を電気移動度に応じて
    粒径毎に分級する微分型電気移動度分級器と、 前記微分型電気移動度分級器により分級された微粒子毎
    にその成分および量を測定する質量分析計とを備えたこ
    とを特徴とする微粒子分析装置。
  2. 【請求項2】前記微分型電気移動度分級器により分級さ
    れた微粒子毎にその粒子数を計数する計数計をさらに備
    え、前記質量分析計に導入される微粒子の粒子数を算出
    するようにしたことを特徴とする請求項1記載の微粒子
    分析装置。
  3. 【請求項3】前記微分型電気移動度分級器により分級さ
    れた微粒子は、前記質量分析計または前記計数計に時間
    的に切り替えられて導入されることを特徴とする請求項
    2記載の微粒子分析装置。
  4. 【請求項4】前記微分型電気移動度分級器により分級さ
    れた微粒子は、前記質量分析計および前記計数計に所定
    の割合で分配されることを特徴とする請求項2記載の微
    粒子分析装置。
  5. 【請求項5】前記質量分析計は、分級された微粒子をプ
    ラズマにより分解およびイオン化して微粒子の成分およ
    び量を測定する高周波誘導結合プラズマ質量分析計であ
    ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の微
    粒子分析装置。
  6. 【請求項6】前記計数計は、分級された微粒子の粒子数
    を計数するファラデーカップ電流計であることを特徴と
    する請求項2記載の微粒子分析装置。
  7. 【請求項7】雰囲気中に浮遊する微粒子を分析する微粒
    子分析方法において、 雰囲気中から微粒子を引き込む工程と、 引き込まれた個々の微粒子を帯電させる工程と、 帯電した微粒子を電気移動度に応じて粒径毎に分級する
    工程と、 分級された微粒子毎に質量分析を行ってその成分および
    量を測定する工程とを備えたことを特徴とする微粒子分
    析方法。
  8. 【請求項8】分級された微粒子毎にその粒子数を計数す
    る工程をさらに備えたことを特徴とする請求項7記載の
    微粒子分析方法。
JP09732097A 1997-04-15 1997-04-15 微粒子分析装置およびその方法 Expired - Fee Related JP3487729B2 (ja)

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