JP4911414B2 - 気体中浮遊粒子の有効密度測定方法 - Google Patents

気体中浮遊粒子の有効密度測定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4911414B2
JP4911414B2 JP2008083146A JP2008083146A JP4911414B2 JP 4911414 B2 JP4911414 B2 JP 4911414B2 JP 2008083146 A JP2008083146 A JP 2008083146A JP 2008083146 A JP2008083146 A JP 2008083146A JP 4911414 B2 JP4911414 B2 JP 4911414B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particle
density
value
particles
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008083146A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009236684A (ja
Inventor
博 櫻井
研正 榎原
敬三 齊藤
明 矢部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2008083146A priority Critical patent/JP4911414B2/ja
Publication of JP2009236684A publication Critical patent/JP2009236684A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4911414B2 publication Critical patent/JP4911414B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)

Description

本発明は、個数濃度基準計測法による気体中浮遊粒子の質量や(有効)密度などを計測し、工業ナノ粒子の特性評価、大気環境研究やモニタリング、粉体の品質管理などに供する気体中浮遊粒子の有効密度測定方法に関する。
従来、エンジン等において燃焼により生成され排出される粒子状物質の排出量は、フィルター法などの重量法(フィルターに採取してその重さを天秤で量り重量濃度を求める方法)により測定するのが一般的であったが、最近では排出濃度の低下やナノ粒子による健康への影響等が懸念されるようになってきたことから粒子の個数をカウントする個数基準の測定法が併用されるようになってきた。
しかし、排気の規制や低減対策のための研究、技術開発を行う上では両者の方法で得られた測定値の相関を知ることが重要で、一般的には粒子を全て球形と仮定し、粒径の値から体積を求めそれに予め定義したあるいは文献値等から引用した粒子の密度(例えばディーゼル排気微粒子などの場合には粒径に依らず例えば1g/cm3一定の値が一般的に用いられる)を用いて質量濃度を求めることが行われてきた。
しかし、ここで用いた(仮定された)密度値を用いて算出された質量濃度はフィルター法で得られた質量濃度と相関がないあるいは大きな相違のあることが指摘されてきた。そのため、粒径毎に粒子の質量あるいは(有効)密度を知りその値を使って個数濃度から質量濃度に変換する必要があったが、従来は粒径毎の質量あるいは(有効)密度を求める方法がなかった。
しかし、最近になって開発されたエアロゾル粒子質量装置(APM)によりこれが可能となった(特許文献1参照)。このAPMは、帯電粒子を含む気体を、同軸二重円筒状の内側電極と外側電極間の作動空間内に導入し、回転に伴う外向き遠心力と内向きの静電気力を作用させ、2つの力が釣り合う粒子のみを作動空間から取り出して粒子の質量測定を行うものである。
特許第2517872
エアロゾル粒子質量装置(APM)では、これまで経験的に回転数を一定に維持したまま内側電極と外側電極間の電圧値を変化させて測定を行うのが通例であった。
しかしながら、APM分級特性の一つの指標である分解能は、電極電圧とAPM回転数で一義的に決定される分解能パラメーターλに依存し、電圧変化による測定方法では、ある一つの測定における低電圧域(即ち粒子質量の小さい領域)と高電圧域(即ち粒子質量の大きい領域)で分級特性、即ちAPM分解能が異なってしまうことが余儀なくされていた。その結果は、正確な質量分布の測定に支障をきたすとともに測定精度の悪化にも繋がってきた。
図2は、分解能パラメーターλがAPM質量分布測定の結果に及ぼす影響を理論的に考察した例を示したものである。λの値が小さい場合は分解能が低下し、幅の広いスペクトルとなっているのに対し、λの値が大きい場合はAPMにおける粒子の透過率が低下してくるため、ピークの高さが低くなる傾向が見られるものの、ピークの形が鋭くなり分解能が上がっていることが分かる。
本発明は、上記問題点を解決することを目的するものであり、APMを使って粒径毎の質量あるいは(有効)密度を求めるための装置の運転制御に関し、APMによる粒子質量分布の測定あるいは他の粒径測定手段から求めた粒径値(有効径)と粒子質量とで求められる粒子の有効密度の測定等において、分解能を一定かつ実用的に十分高い分解能を維持した状態で測定を行えるようにする方法を実現することを課題とする。
本発明は上記課題を解決するために、共に同じ速度で回転する同軸二重円筒状の内側電極と外側電極の間に、帯電粒子を導入して、該帯電粒子に作用する遠心力と静電気力の平衡を利用したエアロゾル粒子質量分析装置を使用した粒子の質量を計測する方法であって、エアロゾル粒子質量分析装置の分級特性の指標であり、下記数式1で表現される分解能パラメーターλを、前記内側電極と外側電極の間に印加する電圧値Vと、内側電極と外側電極の回転数Rを制御することによって、分級特性を一定に保った状態で、エアロゾル粒子質量分析装置を動作させることを特徴とする粒子の質量を計測する方法を提供する。
ここで、τは粒子緩和時間、ωは電極の回転角速度、Lは作動空間の軸方向の長さ、νは作動空間を通過する平均流速である。
前記分解能パラメーターλと、粒子のターゲット粒径Dpと、スキャンすべき密度の下限値ρe min及び上限値ρe maxとから、前記エアロゾル粒子質量分析装置においてρe min〜ρe maxに対応するエアロゾル粒子質量分析装置の回転数R及び電極印加電圧V値をそれぞれ求め、該求められた回転数R及び電極印加電圧Vを連続的に制御して粒子の質量を求めるようにしてもよい。但し、スキャンすべき密度の下限値ρe min及び上限値ρe maxは、物性値から求まる粒子密度ρの値から推定される測定対象粒子の有効密度ρcに対して、スキャンすべき密度の下限値、上限値であり、ρe min< ρe<ρe maxである。
前記分解能パラメーターλ、粒子のターゲット粒径Dp及び粒子密度ρの値からエアロゾル粒子質量分析装置の動作パラメーターである回転数R及び電極印加電圧Vの値を求め、それの全ての値をプロットした図表を作成し、エアロゾル粒子質量分析装置を用いて粒子有効密度を測定するようにしてもよい。
本発明によれば、分解能パラメーターλを最適値に一定に維持しながらスペクトル測定を行うことにより、低電圧域(即ち小質量域)においては分解能低下による粒子質量測定の誤差の増大を防ぎ、また、高電圧域(即ち大質量域)では低透過率が原因の濃度値の低下と、それによる粒子質量測定誤差の増大を防ぐことが可能となり、より正確な粒子質量分布の測定を行えるようになる。
分解能パラメーターλ値の違いにより電圧がゼロに近づく部分においても粒子濃度がゼロに下がってこない、即ち低電圧域で分解能が低下していることや、電圧が高いところではピークは鋭くなるが高さが低い即ち分解能は高いが透過率が低くなる等の現象が確認できる。
本発明に係る気体中浮遊粒子の有効密度測定方法を実施するための最良の形態を実施例に基づいて図面を参照して、以下に説明する。
図1(a)は、エアロゾル粒子質量分析装置(APM)1の概要を説明する図である。エアロゾル粒子質量分析装置(APM)1は、共に同じ速度で回転する同軸二重円筒状の内側電極3と外側電極4を備えており、それぞれブラシ3’、4’を介して電圧Vが印加されている。
測定すべき微粒子を含む試料気体を粒子荷電装置2を通して、微粒子に帯電させる。この帯電粒子を含む気体を、共に同じ速度で回転する同軸二重円筒状の内側電極3と外側電極4間の作動空間5内に導入する。
導入された帯電粒子6は、図1(b)に示すように、外向きの遠心力と内向きの静電気力が作用し、重い粒子は遠心力外側電極4側に飛ばされて外側電極4の内面に付着し、軽い粒子は静電気力で内側電極3側に引き寄せられ、2つの力が釣り合う粒子のみが作動空間5を通過し外部に取り出される。
このようなAPMを、既存の粒子計数器(例えば光散乱式粒子計数器あるいは凝縮核式粒子計数器)と組合せて、APM電極を通過する粒子の割合(粒子通過率)を電極印加電圧Vの関数N(V)として実験的に求め、これから粒子質量分布N(m)を求めることがこれまで行われている。
なお、N(V)からN(m)への変換は、質量m、帯電数nの粒子に働く遠心力と静電気力の平衡を表す次の数式2により行うことができる。
(数式2)
mrω=neV/rIn(r/r
ここで、rは粒子の動径座標、ωは電極の回転角速度、nは粒子が帯びる電荷の数、eは電荷素量、Vは電極印加電圧、rとrは、それぞれ内側電極の外側半径、外側電極の内側半径である。
APMを用いた粒子質量分布測定においては、従来は、APMの電極回転角速度即ちAPM回転数を時間的に一定の値に固定し、一方で電極電圧を段階的に変化させることにより質量スペクトルを得る方法が用いられていた。しかし、本発明では、測定時間の短縮化のために、当該装置の電極に印加する電圧を時間的に連続的に掃引することにより、従来よりも短時間で効率的に粒子質量分布を推定することができる。
即ち、APMを用いた粒子質量分布測定において、従来は、図7(a)に示すように、APM回転数及び電極電圧を時間的に一定の値に固定した状態でAPMを動作させ、その値を目標粒径に対応して階段状(Step動作)に繰り返し操作を行うことにより粒径区分毎の質量/電荷比スペクトルを求め、その結果から対象とする粒子の質量分布を測定していた。
このようなStep動作の場合は、電極電圧を時間的に一定の値に固定した状態で粒子通過率を求めるという操作を行い、これを、数段から数十段の電圧に対して繰り返すが、一段の電圧での粒子通過率の測定に、アイドリング時間と粒子計数時間を含めておよそ1分から2分程度を要するため、例えば20段階スペクトルを得るために、20分から40分程度の長い時間を要する。
本発明では、APMを用いた粒子質量分布測定において、図7(b)に示すように、APM回転数及び電極電圧を連続的に変化(Scan動作)させながら操作を行うことにより粒径区分毎の質量/電荷比スペクトルを求め、その結果から対象とする粒子の質量分布を測定する。このようなScan動作の場合は、電極に印加する電圧を時間的に連続に走査し、より迅速に測定を行うようにしたものである。
また、上記の繰り返し操作においては、時間応答性や変化の容易性等から、APM回転数は一定に維持したまま電圧値のみを変化させて測定を行う場合がある。
しかしながら、APM分級特性の一つの指標である分解能は、電極電圧とAPM回転数で一義的に決定される分解能パラメーターλに依存し、電圧変化による測定方法では、ある一つの測定における低電圧域(即ち粒子質量の小さい領域)と高電圧域(即ち粒子質量の大きい領域)で分級特性、即ちAPM分解能が異なってしまうことが余儀なくされていた。その結果は、正確な質量分布の測定に支障をきたすとともに測定精度の悪化にも繋がってきた。
図2は、分解能パラメーターλがAPM質量分布に及ぼす影響を理論的に考察した例を示したものである。λの値が小さい場合は分解能が低下し、幅の広いスペクトルとなっているのに対し、λの値が大きい場合は分解能が上がり鋭いピークとなるがAPMにおける粒子の透過率が低下してくるため、ピークの高さが低くなる傾向が見られる。
以上の理由から、APMによる粒子質量分布の測定あるいは他の粒径測定手段から求めた粒径値(有効径)と粒子質量とで求められる粒子の有効密度の測定等においては、分解能を一定かつ実用的に十分高い分解能を維持した状態で測定が行える必要がある。
このような問題を解決するために、本発明では次のような手段を採用しようとするものである。エアロゾル粒子質量分析装置において分解能パラメーターは、測定対象となる粒子がAPM作動空間の動径方向を横切るのに要する時間と、軸方向の作動空間を通過するのに要する平均時間との比として、次の数式3で定義される。
ここで、τは粒子緩和時間、ωは電極の回転角速度、Lは作動空間の軸方向長さである。即ち、上記式(3)で定義されるλはAPM装置の分解能と透過率に直接関係するパラメータとなる。
さらに、前出の数式2を上記式3で定義したλを使ってAPM回転数R及びAPMの電極印加電圧Vに関する数式4及び数式5に変形しておけば、所望する分解能即ち分解能パラメーターλの値を経験則により適当な値に設定することにより、設定したλの値並びに測定対象とする粒子の粒径及びその粒子の密度を物性値等から仮定し代入すれば、実際のAPM回転数RとAPMの電極印加電圧Vを計算でのみ決定することができる。
(数式4)
R=Cλ1/2ρ−1/2Dp−1Cc−1/2
(数式5)
V=CρDp/CR
従って、ここで求めたAPM回転数とAPM電極印加電圧の値に基づいてAPMを運転操作すればAPM分解能を実用的かつ十分に高分解能を維持した状態での粒子質量測定を行うことが可能となる。
APM装置(エアロゾル粒子質量分析装置)は、粒子の有効密度を測定するシステムに組み込まれて利用されることが多い。例えば、APM装置の上流側に粒径を特定することのできる分級器を備え、APM装置下流側にはAPM装置を通過した粒子の個数を計数することのできる粒子計数装置を備えることで、粒径値(一般には有効径)と質量値から粒子の有効密度を求めることが可能となる。
具体的には、上流側の分級器としては微分型微粒子分級装置(DMA:Differential Mobility Analyzer)を、下流側の計数器として凝縮核粒子カウンター(CPC:Condensation Particle Counter)を用いた図3の構成は知られている(以下、DMA-APM-CPCシステムと略称する)。
このようなシステムで粒子の有効密度を測定する場合に、APM分解能を実用的かつ十分に高分解能を維持した状態で運転操作すれば、粒子質量測定誤差の増大を防ぎ、より正確な有効密度の測定を行えることになる。
以下に、その具体的な実施例を説明する。上記数式4にAPM分解能を実用的かつ十分に高分解能を維持できる範囲のλ値を与え、かつターゲット粒径(D)及びその粒子の物性値から推定した粒子密度ρの値を入力すればAPM回転数Rが与えられ、また上記で求めたAPM回転数Rの値を上記数式5に用いればAPMの電極印加電圧Vを求めることができる。
ここで、Ccはすべり補正係数(粒径に依存)、Cは装置形状で規定される物理常数や物性値等を定数として纏めた値である。
なお、上記で求めたR、Vの値は物性値から仮定した粒子密度を用いて計算しているため、実際の有効密度の測定では前記仮定値の前後の密度値をスキャンして正確な有効密度を求める操作が必要となる。
そのため、求めるべき有効密度をρe、スキャンすべき密度の下限値をρemin、上限値をρemaxとして( ρemin< ρe<ρemax)、上記数式4及び数式5よりρemin〜ρemaxに対応するR、Vの値を求め、この値をAPMに与え連続的に変化制御することで密度値に対するAPM透過粒子数のスペクトルを得ることができる。即ち、そのピーク位置での密度値が求めるべき対象粒子の有効密度の値となる。
本発明では、上記のようにAPM分解能パラメーターλ、ターゲット粒径Dp及び密度下限値、上限値を初期値として与え、これから ρemin〜ρemaxに対応するR、Vの値を計算で求め、この値にしたがってAPMの電極印加電圧及び回転数を連続的に操作して有効密度を求めることを可能とする。
さらに、APM分解能パラメーターλ、ターゲット粒径Dp及び粒子密度ρの値からAPMの動作パラメーターであるAPM回転数R、APM電極印加電圧Vを計算し、それら全ての値をプロットした図4に示す図表(APMナビと略称)を作成した。
このAPMナビによれば、APM装置を種々操作モードで測定する際のルックアップテーブルとして利用することができるため、APM装置を用いた粒子質量分布の測定や粒子有効密度の測定を行う際に、実用的かつ十分な高分解能を保証することが可能となる。そして、このAPMナビを使用すれば、比較的(APMの操作に)未経験な者が使うような場面であっても、視覚的にかつ簡便にその運転パラメーターである電圧値や回転数を設定することができる。
本発明に係る気体中浮遊粒子の有効密度測定方法よれば、分解能パラメーターλを最適値に一定に維持しながらスペクトル測定を行うことにより、低電圧域(即ち小質量域)においては分解能低下による粒子質量測定の誤差の増大を防ぎ、また、高電圧域(即ち大質量域)では低透過率が原因の信号強度の低下と、それによる粒子質量測定誤差の増大を防ぐことが可能となり、より正確な粒子質量分布の測定を行えるようになる。
図5は、本発明に係る気体中浮遊粒子の有効密度測定方法による測定結果を示すグラフである。各グラフについて、横軸はAPM電圧Vを無次元化した値であり、縦軸はAPM通過粒子数を無次元化した値である。夫々APM電圧V/APM電圧の幾何平均値、及びAPM単位通過粒子数/全APM入口粒子数で求めた値である。また、各グラフの上部に記載された数値は測定対象粒子の粒径即ちターゲット粒径の値である。
図5に示す測定では、分解能λを、λ=0.22とλ=0.49に設定して、それぞれについて、APM電極印加電圧Vを45V、149V、378Vについてそれぞれ測定を行った。
図5左側の図はλの値が小さい(0.22)すなわち分解能が低い場合であり、右側はλの値がそれよりやや大きい(0.49)すなわち分解能が高い条件で測定を行った例である。分解能が低いとピークの形がなだらか過ぎて、ピーク位置から質量(正確には質量/電荷比)を求める本測定手法の場合正確なピーク位置すなわち質量の値を特定することが難しくなってくる。
これに対し、分解能が高ければピークの形も鋭く質量(質量/電荷比)の値も特定しやすくなってくるが、逆に透過率が下がってくるため濃度が低くなってきた場合にはノイズが大きくなり(S/N比が悪くなり)、やはり正確な測定が困難になる場合がある。従って、最適なλの値を設定し測定する必要がある。
このように、λ値の違いにより電圧がゼロに近づく部分においても粒子濃度がゼロに下がってこない。即ち、低電圧域で分解能が低下していることや、電圧が高いところではピークがあっても、高さが低い。即ち、分解能は高いが、透過率が低くなる等の現象が確認できる。
本発明に係る気体中浮遊粒子の有効密度測定方法は以上のとおりであるが、具体的には、上記一連の処理は、該処理を行う制御プログラムに基づいて、コンピュータによって行われる。これを、図6に基づいて説明する。
即ち、ターゲット粒径Dpと所望の分解能λ、及びスキャンすべき密度の下限値ρemin、上限値ρemaxの値をコンピュータに入力する。コンピュータは、ターゲット粒径Dpと分解能及び下限値ρeminの値、分解能と上限値の値ρemaxを基に、回転数R及びAPM電極印加電圧V算出手段(具体的には制御プログラムに)基づいて、下限値ρemin〜上限値ρemaxにおける、回転数R及びAPM電極印加電圧Vを算出する。
そして、回転数R及びAPM電極印加電圧データをAPMの制御装置に入力すれば、APMは、下限値ρemin〜上限値ρemax内に相当する回転数R及びAPM電極印加電圧Vに応じて順次APMを動作させることが可能となる。
以上、本発明に係る気体中浮遊粒子の有効密度測定方法を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術的事項の範囲内で、いろいろな実施例があることは言うまでもない。
本発明に係る気体中浮遊粒子の有効密度測定方法は、以上のような構成であるから、気体中浮遊粒子を計測し、工業ナノ粒子の特性評価、大気環境研究やモニタリング、粉体の品質管理などに供する気体中浮遊粒子の有効密度測定方法に適用可能である。
(a)はエアロゾル粒子質量分析装置(APM)の概要を説明する図であり、(b)はその動作原理を説明する図である。 質量分布測定に及ぼす分解能パラメーターの影響を説明する図である。 粒子有効密度の測定例を示す図である。 APMナビ図表の例を示す図である。 分解能λの値を変化した測定結果例を示す図である。 本発明に係る気体中浮遊粒子の有効密度測定方法をコンピュータで実施する概略を説明する図である。 APMによる粒子質量分布N(m)の測定における電圧印加法を示す時間と電極印加電圧との関係を示す図であり、(a)はステップ法であり、(b)は本発明で採用するスキャン法を示している。
符号の説明
1 エアロゾル粒子質量分析装置(APM)
2 粒子帯電装置
3 内側電極
3’、4’ ブラシ
4 外側電極
5 作動空間
6 帯電粒子

Claims (4)

  1. 共に同じ速度で回転する同軸二重円筒状の内側電極と外側電極の間に、帯電粒子を導入して、該帯電粒子に作用する遠心力と静電気力の平衡を利用したエアロゾル粒子質量分析装置を使用した粒子の質量を計測する方法であって、
    エアロゾル粒子質量分析装置の分級特性の指標であり、下記数式1で表現される分解能パラメーターλを、前記内側電極と外側電極の間に印加する電圧値Vと、内側電極と外側電極の回転数Rを制御することによって、分級特性を一定に保った状態で、エアロゾル粒子質量分析装置を動作させることを特徴とする粒子の質量を計測する方法。
    ここで、τは粒子緩和時間、ωは電極の回転角速度、Lは作動空間の軸方向の長さ、νは作動空間を通過する平均流速である。
  2. 前記分解能パラメーターλと、これから測定しようとする粒子のターゲット粒径Dpと、その粒子の有効密度を求めるために、物性値から得られる密度値前後の密度値範囲をスキャンすべき密度として、その下限値ρe min及び上限値ρe maxとから、前記エアロゾル粒子質量分析装置においてρe min〜ρe maxに対応するエアロゾル粒子質量分析装置の回転数R及び電極印加電圧V値をそれぞれ求め、
    該求められた回転数R及び電極印加電圧Vを連続的に制御して粒子の質量を求めることを特徴とする請求項1記載の粒子の質量を計測する方法。
    但し、スキャンすべき密度の下限値ρe min及び上限値ρe maxは、物性値から求まる粒子密度ρの値から推定される測定対象粒子の有効密度ρcに対して、スキャンすべき密度の下限値、上限値であり、ρe min<ρe<ρe maxである。
  3. 前記分解能パラメーターλ、粒子のターゲット粒径Dp及び粒子密度ρの値からエアロゾル粒子質量分析装置の動作パラメーターである回転数R及び電極印加電圧Vの値を求め、前記分解能パラメーターλ、粒子のターゲット粒径Dp、粒子密度ρ、回転数R及び電極印加電圧Vの値をプロットした図表を作成し、エアロゾル粒子質量分析装置を用いて粒子有効密度を測定することを特徴とする請求項1記載の粒子の質量を計測する方法。
  4. 前記図表は、測定対象によってあるDp、ρ、の範囲があって、所望のλがあって、それに対応するRとVの範囲を切り出すことができる図表であることを特徴とする請求項3記載の粒子の質量を計測する方法。
JP2008083146A 2008-03-27 2008-03-27 気体中浮遊粒子の有効密度測定方法 Expired - Fee Related JP4911414B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008083146A JP4911414B2 (ja) 2008-03-27 2008-03-27 気体中浮遊粒子の有効密度測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008083146A JP4911414B2 (ja) 2008-03-27 2008-03-27 気体中浮遊粒子の有効密度測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009236684A JP2009236684A (ja) 2009-10-15
JP4911414B2 true JP4911414B2 (ja) 2012-04-04

Family

ID=41250821

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008083146A Expired - Fee Related JP4911414B2 (ja) 2008-03-27 2008-03-27 気体中浮遊粒子の有効密度測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4911414B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114839122B (zh) * 2022-07-04 2022-09-09 山东省煤田地质局第五勘探队 一种环境颗粒物取样测量装置及其测量方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2517872B2 (ja) * 1993-08-16 1996-07-24 工業技術院長 エアロゾル粒子質量分析方法
JP3487729B2 (ja) * 1997-04-15 2004-01-19 理化学研究所 微粒子分析装置およびその方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009236684A (ja) 2009-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5975519B2 (ja) 粒径別粒度分布測定装置、及び、粒径別粒度分布測定方法
Järvinen et al. Calibration of the new electrical low pressure impactor (ELPI+)
WO2018110540A1 (ja) 分類分析方法、分類分析装置および分類分析用記憶媒体
Sarangi et al. Aerosol effective density measurement using scanning mobility particle sizer and quartz crystal microbalance with the estimation of involved uncertainty
JP2005502044A (ja) 粒子分布の特性の測定方法
CN106796207A (zh) 传感器系统和感测方法
EP2823284A1 (en) Apparatus and process for particle mass concentration measurement and use of an apparatus for particle mass concentration measurement
Utry et al. Mass-specific optical absorption coefficients and imaginary part of the complex refractive indices of mineral dust components measured by a multi-wavelength photoacoustic spectrometer
US7174767B2 (en) Particulate matter analyzer and method of analysis
JP5658244B2 (ja) 粒子分級器
JP4911414B2 (ja) 気体中浮遊粒子の有効密度測定方法
Onischuk et al. Aerosol diffusion battery: The retrieval of particle size distribution with the help of analytical formulas
CN113874707A (zh) 用于确定气溶胶的粒径分布的方法和气溶胶测量设备
Schläfle et al. Influence of Load Condition, Tire Type, and Ambient Temperature on the Emission of Tire–Road Particulate Matter
JP6858135B2 (ja) 粒子センサ及び検知方法
US10254209B2 (en) System and method for detecting particles
JP2008128739A (ja) 微小粒子の粒子数計測方法及び装置
Friehmelt et al. Calibration of a white-light/90° optical particle counter for “aerodynamic” size measurements—experiments and calculations for spherical particles and quartz dust
Asbach Exposure measurement at workplaces
KR20110091708A (ko) 기류 내에 전기적으로 대전된 부유 입자들의 크기 분포의 시간에 따른 전개를 특징짓기 위한 디바이스
JP5057453B2 (ja) エンジンからの過渡粒子質量排出濃度の計測方法
CN103026201A (zh) 散射光测量方法
Mark Occupational exposure to nanoparticles and nanotubes
JP6362669B2 (ja) 粒子状物質の浮遊特性測定方法及び浮遊特性測定装置
EP3392644A1 (en) Particle characterization apparatus and method

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100726

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120104

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120106

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4911414

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150127

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees