(第1実施形態)
以下、本発明に係るナビゲーション装置の第1実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。
本実施形態におけるナビゲーション装置は、カーシェアリングに利用されるシェアカーやレンタカーのような貸出時間が定められた貸出車両に搭載されるものである。
図1に示すように、本実施形態におけるナビゲーション装置1は、大別して、ナビゲーションメインユニット2と、このナビゲーションメインユニット2にそれぞれ接続されたGPSレシーバ3、自律航法センサ4、交通情報受信装置5、操作部7、ディスプレイ8およびスピーカ10とによって構成されている。
ここで、GPSレシーバ3は、図示しないGPS衛星から配信されるGPS情報(時刻や軌道に関する情報)を受信し、受信したGPS情報をナビゲーションメインユニット2側に出力するようになっている。
また、自律航法センサ4は、貸出車両(自車)の車速、加速度(角速度)および方位等を検出し、検出結果をナビゲーションメインユニット2側に出力するようになっている。この自律航法センサ4は、車速センサやジャイロセンサ等からなるものであってもよい。
さらに、交通情報受信装置5は、交通情報の送信元(換言すれば、提供者)から送信された交通情報を受信し、受信した交通情報をナビゲーションメインユニット2側に出力するようになっている。なお、交通情報受信装置5としては、例えば、日本国内でのVICS(Vehicle Information and Communication System)(登録商標)による交通情報の提供に対応したビーコン受信機およびFM多重レシーバ、米国での衛星ラジオを利用した交通情報のリアルタイム配信に対応した衛星ラジオ受信機、または、RDS/TMC(Radio Data System/Traffic Message Channel)に対応したラジオ受信機等を挙げることができる。
さらにまた、操作部7は、ナビゲーション装置1に対する種々の入力操作に用いられるようになっている。この操作部7は、リモコン、ディスプレイ8のタッチパネル、リニアエンコーダ、ロータリエンコーダまたは音声入力用のマイク等であってもよい。
次に、ナビゲーションメインユニット2について詳述すると、図1に示すように、ナビゲーションメインユニット2は、システムバス11にそれぞれ接続されたナビCPU12、ハードディスクドライブ(HDD)14、フラッシュメモリ15、RAM16、ユーザインターフェース(I/F)17、画像インターフェース(I/F)18および音声インターフェース(I/F)19を有している。
ここで、ナビCPU12は、自車位置検出機能、地図表示機能、経路探索機能、経路誘導機能および検索機能等のナビゲーション装置1の各種の機能を実行するようになっている。
また、ハードディスクドライブ14には、地図データおよびナビCPU12の実行プログラムが記憶されている。なお、地図データには、道路を示す道路データ、河川や緑地等の道路以外の地形を示す背景データ、経路探索用の経路計算データ(道路ネットワークデータ等)および目的地等を検索するための検索データが含まれている。このうち、道路データは、リンク、リンクID、ノード、ノードID、通行条件および道路名称等をデータ構成要素としている。また、背景データは、点、ポリラインおよびポリゴン等をデータ構成要素としている。さらに、経路計算データは、リンク、ノードおよび通行条件等をデータ構成要素としている。さらにまた、検索データは、住所、郵便番号およびPOI(Point of Interest)情報等をデータ構成要素としている。なお、POI情報は、施設等のPOIの属性(例えば、名称、種別、住所およびPOIに紐付けられたリンクのリンクID等)を示す情報である。
さらに、フラッシュメモリ15には、ナビゲーション装置1の起動とともにナビCPU12によってハードディスクドライブ14から読み出されたナビCPU12の実行プログラムが格納されるようになっており、この格納された実行プログラムがナビCPU12によって適宜実行されることによって、ナビゲーション装置1の各種の機能が適宜実行されるようになっている。
さらにまた、RAM16は、ナビCPU12による処理結果等の各種のデータの一時的な保存等に用いられるようになっている。
また、ユーザインターフェース17、画像インターフェース18および音声インターフェース19には、操作部7、ディスプレイ8およびスピーカ10がそれぞれ接続されている。
次に、ナビCPU12について更に詳述すると、図2に示すように、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとして、車両位置検出手段としての自車位置算出部21を有しており、この自車位置算出部21には、GPSレシーバ3から出力されたGPS情報および自律航法センサ4から出力された検出結果が入力されるようになっている。そして、自車位置算出部21は、GPSレシーバ3側から入力されたGPS情報に基づいて、貸出車両の現在地としての自車位置を絶対座標として算出する衛星航法を行うようになっている。また、自車位置算出部21は、自律航法センサ4側から入力された検出結果に基づいて、自車位置を前回の測位位置からの変化分である相対位置として算出する自律航法を行うようになっている。さらに、自車位置算出部21は、ハードディスクドライブ14に記憶されている地図データを用いることによって、衛星航法または自律航法によって算出された自車位置を地図データにおける該当する道路上の位置に補正するマップマッチング処理を行うようになっている。そして、自車位置算出部21は、マップマッチング処理が適正に行われた場合には、マップマッチング処理後の自車位置を最終的な算出結果とするようになっている。
また、図2に示すように、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとしての地図描画部22を有している。この地図描画部22は、ハードディスクドライブ14に記憶されている地図データを用いることによって、例えば、自車位置算出部21によって算出された自車位置の周辺の所定領域内の地図をディスプレイ8に表示するようになっている。
さらに、図2に示すように、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとして、目的地設定手段としての目的地設定部23を有している。この目的地設定部23は、ナビゲーションの目的地を設定するための操作画面をディスプレイ8に表示した上で、この表示された操作画面に対する操作部7を用いた入力操作に応じた目的地を設定するようになっている。特に、本実施形態に特有の目的地設定動作の1つとして、目的地設定部23は、第1の返却場所としての貸出車両の貸出場所を目的地に設定するための入力操作に応じて、この貸出場所を目的地に設定するようになっている。ここで、貸出場所を目的地に設定するための入力操作は、ユーザが貸出車両の貸出開始以後から返却前までの期間のうちのいずれの時点においても行うことができる。
なお、貸出場所を目的地に設定するための入力操作を貸出場所(すなわち、貸出直後)において行う場合には、経路誘導開始直後に後述する経路誘導部25による目的地到着判定がなされないように、目的地設定の際に、貸出車両を利用してユーザが立ち寄りたい地点を入力し、入力された地点をナビCPU12側で経由地として設定すればよい。
あるいは、ユーザが立ち寄りたい地点を目的地とした経路誘導を行った後に、立ち寄り地点における用事を済ませたユーザが、立ち寄り地点において、改めて貸出場所を目的地に設定するようにしてもよいことは勿論である。この場合には、立ち寄り地点までの経路誘導は、後述する警告画面の表示や乗り捨て場所情報の提示といった本実施形態に特有の動作をともなわない通常の経路誘導を行えばよい。このとき、本実施形態に特有の動作をともなう経路誘導を行うか、または、通常の経路誘導を行うかは、目的地として貸出場所が設定されたか否かに基づいてナビCPU12側で判断すればよい。
さらにまた、図2に示すように、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとして、経路探索手段としての経路探索部24を有している。この経路探索部24は、ハードディスクドライブ14に記憶されている地図データ(経路計算データ)に基づいて、自車位置算出部21によって算出された自車位置から目的地設定部23によって設定された目的地までの予め設定された経路計算条件に応じた最適経路を探索するようになっている。経路計算条件は、デフォルトで設定されているものであってもよいし、ユーザが操作部7を用いた入力操作によって設定したものであってもよい。具体的な経路計算条件としては、例えば、目的地までの所要時間が最短となる経路を計算する旨の条件、目的地までの距離が最短となる経路を計算する旨の条件、一般道を優先的に走行する経路を計算する旨の条件、道幅が広い道路を優先的に走行する経路を計算する旨の条件等の種々の条件を考えることができる。経路計算条件には、更に、交通情報受信装置5によって受信された交通情報を考慮する旨の条件を含めることができる。ここで、経路計算には、経路計算条件、リンク長および道路種別等に応じた道路や交差点の通過し難さを数値化したコストに基づいた公知のコスト計算が用いられるようになっている。この経路計算の過程では、自車位置から目的地までの想定される多数の経路の中から、設定された経路計算条件の下で経路のコストが相対的に小さくなるような複数の経路が最適経路の候補として算出されるようになっている。そして、経路計算においては、算出された複数の経路のうち、経路のコストが最小となるような1つの候補を、最適経路として算出するようになっている。このとき、経路計算条件に交通情報を考慮する旨の条件が含まれている場合には、例えば、渋滞や混雑の発生しているリンクに対応するコストを大きな値に設定することによって、そのリンクを通り難くして(すなわち、そのリンクを含む経路が最適経路として選ばれ難くして)、渋滞や混雑を回避する最適経路が探索されることになる。そして、経路探索部24は、このようにして探索された最適経路を、ディスプレイ8への表示によって誘導経路の候補としてユーザに提示するようになっている。特に、本実施形態に特有の経路探索動作の1つとして、経路探索部24は、目的地設定部23によって目的地に設定された貸出場所までの最適経路を探索してユーザに提示するようになっている。
また、図2に示すように、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとして、経路誘導手段としての経路誘導部25を有している。この経路誘導部25は、経路探索部24によって提示された最適経路を誘導経路に設定するための操作部7を用いた入力操作が行われると、この最適経路を誘導経路に設定するようになっている。誘導経路の設定は、例えば、誘導経路に関する情報(リンク、ノードおよび目的地等)をRAM16等に保存することによって行うようにしてもよい。そして、経路誘導部25は、誘導経路の設定の後に、設定された誘導経路にしたがった経路誘導を開始するようになっている。経路誘導は、交差点拡大図をディスプレイ8に表示することや、スピーカ10を介して交差点右左折案内用の音声を出力すること等によって行われるようになっている。特に、本実施形態に特有の経路誘導動作の1つとして、経路誘導部25は、経路探索部24によって探索された貸出場所までの最適経路を誘導経路とした経路誘導を行うようになっている。
さらに、図2に示すように、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとして、交通情報取得手段としての交通情報取得部27を有しており、この交通情報取得部27には、交通情報受信装置5から出力された交通情報が入力されるようになっている。そして、交通情報取得部27は、入力された交通情報に基づいて、経路誘導部25によって設定された貸出場所までの誘導経路上における自車位置前方の交通情報(換言すれば、誘導経路上における自車が未通過の地点もしくは区間の交通情報)を取得可能とされている。このような貸出場所までの誘導経路上の交通情報を取得するための具体的な構成の一例としては、まず、交通情報取得部27が、交通情報受信装置5から入力された交通情報から、これに含まれる交通情報に対応付けられたリンクIDを抽出するようにする。また、このとき、交通情報取得部27が、RAM16等に保存された貸出場所までの誘導経路に関する情報から、当該誘導経路を構成する各リンクのリンクIDを抽出するようにする。次いで、交通情報取得部27が、交通情報から抽出されたリンクIDと、貸出場所までの誘導経路に関する情報から抽出されたリンクIDとを比較することによって、交通情報の中から、貸出場所までの誘導経路を構成するリンクのリンクIDに該当する交通情報を絞り込むようにする。そして、絞り込まれた交通情報の中から、更に、自車位置算出部21の算出結果に基づいて、自車位置が未通過の地点もしくは区間に該当するとみなされる交通情報を、貸出場所までの誘導経路上の自車位置前方の交通情報として絞り込む。ただし、本発明は、このような構成に限定されるものではなく、例えば、交通情報取得部27が、貸出場所までの誘導経路における自車位置前方の経路を構成するリンクのリンクIDを交通情報の送信元に通信を介して送信し、これに応答して、交通情報の送信元が、交通情報取得部27から送信されたリンクIDのみに該当する交通情報をナビゲーション装置1に返信するようにしてもよい。
さらにまた、図2に示すように、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとして、返却/到着時刻設定手段としての返却/到着時刻設定部29を有している。この返却/到着時刻設定部29は、貸出車両を返却すべき返却時刻または貸出場所に到着すべき到着時刻を選択的に設定するための操作画面をディスプレイ8に表示した上で、この操作画面に対する操作部7を用いた入力操作に対応した返却時刻または到着時刻を選択的に設定するようになっている。返却/到着時刻設定部29は、返却時刻または到着時刻を設定するための操作画面の表示を、目的地設定部23によって貸出場所が目的地に設定された直後に行うようにしてもよい。
また、図2に示すように、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとして、現在時刻取得手段としての現在時刻取得部30を有している。この現在時刻取得部30は、GPSレシーバ5から入力されたGPS情報や図示しない車載ラジオ受信機によって受信されたラジオの時報等に基づいて、現在の時刻を取得するようになっている。
さらに、図2に示すように、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとして、第1の到着予想時刻算出手段としての第1の到着予想時刻算出部31を有している。この第1の到着予想時刻算出部31は、自車位置算出部21によって算出された自車位置と、現在時刻取得部30によって取得された現在の時刻と、経路誘導部25によって設定された貸出場所までの誘導経路と、交通情報取得部27によって取得された当該誘導経路上における自車位置前方の交通情報とに基づいて、自車位置から貸出場所までの到着予想時刻を算出するようになっている。より具体的には、第1の到着予想時刻算出部31は、例えば、貸出場所までの誘導経路上における現在の自車位置から貸出場所までの経路区間を構成する各リンクに設定されている制限速度(通行条件)と、各リンクのリンク長と、交通情報に基づいて適宜加算される各リンクのコストとに基づいて各リンクの通行に要する所要時間を求め、求められた所要時間の合算値を現在の時刻に加算することによって、貸出場所までの到着予想時刻を算出してもよい。このような第1の到着予想時刻算出部31による到着予想時刻の算出は、前回の到着予想時刻の算出から所定時間が経過する度に定期的に行うようにしてもよいし、あるいは、誘導経路上の交通情報が所定の変化を示した場合(例えば、渋滞の区間が増加した)場合に行うようにしてもよい。また、第1の到着予想時刻算出部31による最初の到着予想時刻の算出は、貸出場所までの誘導経路の設定時に行うようにしてもよい。
さらにまた、本実施形態において、図1に示したハードディスクドライブ14は、第1の記憶手段としての機能を有しており、このハードディスクドライブ14には、貸出車両を返却可能な複数の返却場所に関する情報(以下、返却場所情報と称する)が記憶されている。この返却場所情報は、複数の返却場所のそれぞれの位置(経緯度)、住所および名称を含む情報であってもよい。返却場所情報が示す返却場所には、貸出車両が貸し出された貸出場所も含まれている。また、返却場所情報は、地図データの一部(例えば、POI情報)であってもよいことは勿論である。
また、本実施形態において、図1に示したハードディスクドライブ14は、第2の記憶手段としての機能を有しており、このハードディスクドライブ14には、複数の公共交通機関に関する情報(以下、公共交通機関情報と称する)が記憶されている。公共交通機関情報には、複数の公共交通機関のそれぞれの乗り場に関する情報(以下、乗り場情報と称する)が含まれている。乗り場情報は、これに対応する公共交通機関の種別、乗り場の位置(経緯度)、住所および名称を含む情報であってもよい。また、公共交通機関情報は、例えば、電車またはバスの別といった大きな種別で分類され、さらに、路線名別に細分類された情報であってもよい。なお、公共交通機関が電車の場合には、乗り場は駅であり、バスの場合には、停留所となる。
図2に戻って、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとして、返却場所検索手段としての乗り捨て場所検索部32を有している。この乗り捨て場所検索部32は、第1の到着予想時刻算出部31によって算出された貸出場所への最新の到着予想時刻が、返却/到着時刻設定部29によって設定された時刻よりも遅い時刻である場合に、第2の返却場所としての自車位置の近辺の所定領域内に存在する貸出車両の乗り捨て場所を検索するようになっている。このとき、乗り捨て場所検索部32は、第2の返却場所として、自車位置の近辺の所定領域内(例えば、自車位置を中心とした半径が所定距離の円形領域内)に存在する公共交通機関の乗り場に最寄りの乗り捨て場所を検索するようになっている。このような乗り捨て場所の検索の際には、例えば、自車位置情報、乗り場情報および返却場所情報に基づいて、前記自車位置の近辺の所定領域内に存在する公共交通機関の乗り場および返却場所を検索した後、検出された返却場所のうち、検出された公共交通機関の乗り場までの距離が最短となるような返却場所を乗り捨て場所として検出してもよい。この場合、返却場所から乗り場までの距離は、単純な地図データ上の直線距離であってもよいし、また、地図データにおけるリンク情報を用いて求めた最短の道程であってもよい。なお、乗り捨て場所検索部32は、第1の到着予想時刻算出部31によって算出される貸出場所への最新の到着予想時刻を監視して、この到着予想時刻と返却/到着時刻設定部29によって設定された時刻との大小関係を判定する必要があるが、この判定は、第1の到着予想時刻算出部31によって最新の到着予想時刻が算出されることに同期して行ってもよい。
また、図2に示すように、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとして、返却場所情報提示手段としての乗り捨て場所情報提示部34を有している。この乗り捨て場所情報提示部34は、乗り捨て場所検索部32によって乗り捨て場所が検出された場合には、この検出された乗り捨て場所に関する情報(以下、乗り捨て場所情報と称する)を、当該乗り捨て場を新たな目的地に設定するための操作部7を用いた操作が可能な状態としてユーザに提示するようになっている。具体的には、乗り捨て場所情報提示部34は、例えば、乗り捨て場所検索部32によって検出された乗り捨て場所を新たな目的地に設定するための操作部7を用いた入力操作が可能とされた操作画面上に、乗り捨て場所情報としての当該乗り捨て場所の地図および名称を表示することによって、乗り捨て場所情報の提示を行うようにしてもよい(図3(b)参照)。また、乗り捨て場所情報の提示は、必要に応じて音声出力をともなうものであってもよい。
さらに、図2に示すように、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとして、警告出力部35を有している。この警告出力部35は、第1の到着予想時刻算出部31によって算出された貸出場所への最新の到着予想時刻が、返却/到着時刻設定部29によって設定された時刻よりも遅い時刻である場合に、返却/到着時刻設定部29によって設定された時刻までの貸出場所への貸出車両の返却に遅れそうである旨の警告を、ディスプレイ8への警告画面の表示によって行うようになっている。このとき、警告出力部35は、必要に応じて音声出力を併用した警告の出力を行ってもよい。なお、警告出力部35は、警告の出力を、乗り捨て場所検索部32による乗り捨て場所の検索の完了を待って、乗り捨て場所情報の提示と同時に行うようにしてもよい(図3(a)参照)。
さらにまた、本実施形態において、公共交通機関情報には、各公共交通機関の各利用区間ごとの運賃に関する情報(以下、運賃情報と称する)が含まれている。なお、公共交通機関が電車の場合には、利用区間は、各駅間となり、公共交通機関がバスの場合には、利用区間は、各停留所間となる。
また、本実施形態において、図1に示したハードディスクドライブ14は、第3の記憶手段としての機能を有しており、このハードディスクドライブ14には、貸出車両の利用料金に関する情報(以下、利用料金情報と称する)が記憶されている。利用料金情報は、車種、貸出時間または走行距離等の各細目ごとの利用料金を示す情報であってもよい。また、本実施形態において、利用料金情報には、貸出時間を超過して貸出車両を利用した場合における超過料金を示す情報(以下、超過料金情報と称する)が含まれている。この超過料金は、超過時間(時間帯)や車種等の各細目ごとに異なる料金であってもよい。さらに、本実施形態におけるナビゲーション装置1を、乗り捨て場所において乗り捨て料金が課されるような貸出車両の貸出サービスに適用する場合には、利用料金情報に、乗り捨て料金を示す乗り捨て料金情報も含めればよい。この乗り捨て料金情報は、予め登録された貸出場所と乗り捨て場所との対応関係(対応表)に基づいて一義的に規定される各乗り捨て料金を示す情報であってもよい。
さらに、図2に示すように、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとして、運賃算出手段としての運賃算出部36を有している。この運賃算出部36は、乗り捨て場所検索部32によって乗り捨て場所が検出された場合に、この乗り捨て場所に最寄りの公共交通機関の乗り場から、貸出場所に最寄りの公共交通機関の降り場(駅や停留所)までの公共交通機関の運賃を算出するようになっている。この運賃の算出は、目的地設定部23によって目的地に設定された貸出場所の情報、乗り捨て場所検索部32の検索結果、乗り場情報および運賃情報に基づいて行われるようになっている。なお、乗り捨て場所検索部32によって検出された乗り捨て場所に最寄りの公共交通機関の乗り場から、貸出場所に最寄りの公共交通機関の降り場まで、必ずしも同一の公共交通機関(例えば、同一路線の電車)のみを利用して到達することができるとは限らない。したがって、運賃算出部36によって算出される運賃は、複数の交通機関を乗り継いだ場合の合計運賃であってもよい。この合計運賃は、互いに異なる路線の電車を乗り継いだ運賃であってもよいことは勿論のこと、電車とバスとを乗り継いだ運賃であってもよい。また、運賃算出部36は、貸出場所に最寄りの公共交通機関の降り場としては、例えば、貸出場所からの地図データ上の直線距離が最短となる公共交通機関の降り場を特定してもよい。さらに、このような運賃算出部36の機能は、例えば、公共交通機関情報に基づいて路線の運賃を検索することが可能とされた公知のアプリケーションを利用すること等によって実現することができる。
さらにまた、図2に示すように、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとして、超過料金算出手段としての超過料金算出部38を有している。この超過料金算出部38は、第1の到着予想時刻算出部31によって算出された貸出場所への最新の到着予想時刻が、返却/到着時刻設定部29によって設定された時刻よりも遅い時刻である場合に、貸出車両の貸出時間を超過して貸出場所まで貸出車両を利用する場合の超過料金を算出するようになっている。この超過料金の算出は、超過料金情報に基づいて行われるようになっている。より具体的には、超過料金算出部38は、第1の到着予想時刻算出部31によって算出された貸出場所への最新の到着予想時刻から返却/到着時刻設定部29によって設定された時刻を減じることによって超過時間を求め、この超過時間に対応する超過料金を超過料金情報から抽出するようにしてもよい。このとき、超過料金算出部38は、予め登録された貸出車両の車種情報を、超過時間とともに超過料金情報からの超過料金の抽出に用いてもよい。
また、図2に示すように、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとして、超過料金表示手段としての超過料金表示処理部39を有している。この超過料金表示処理部39は、到着予想時刻算出部48によって算出された超過料金を、ディスプレイ8に表示するようになっている。この超過料金の表示は、警告出力部35によって表示される警告画面と同一画面上に行うようにしてもよい(図3(a)参照)。また、この超過料金の表示は、貸出時間を超過して貸出場所まで貸出車両を利用することを選択するための操作部7を用いた入力操作が可能とされた操作画面上に行うようにしてもよい(図3(a)参照)。
さらに、本実施形態において、乗り捨て場所情報提示部34は、乗り捨て場所情報の提示として、乗り捨て場所情報の1つとしての運賃算出部36によって算出された運賃を、超過料金表示処理部39によって表示される超過料金との比較が可能な表示態様(例えば、同一画面上への表示)でディスプレイ8に表示する処理を行うようになっている。このとき、乗り捨て場所情報提示部34は、運賃算出部36によって算出された運賃を、乗り捨て場所検索部32によって検出された乗り捨て場所を新たな目的地に設定するための操作部7を用いた入力操作(画面操作)が可能な表示態様で表示するようになっている。具体的には、乗り捨て場所情報提示部34は、例えば、乗り捨て場所検索部32によって検出された乗り捨て場所を新たな目的地に設定するための操作部7を用いた入力操作が可能とされた操作画面上に、運賃算出部36によって算出された運賃を表示してもよい。ただし、当該操作画面は、乗り捨て場所を新たな目的地に設定するための最終画面に限定されるものではなく、当該最終画面に移行するための操作が可能とされた操作画面であってもよい。このような運賃算出部36によって算出された運賃の表示は、警告出力部35によって表示される警告画面と同一画面上に行うようにしてもよい(図3(a)参照)。
なお、運賃算出部36によって算出された運賃は、乗り捨て場所の地図や名称のような乗り捨て場所に固有の情報ではないものの、乗り捨て場所に最寄りの公共交通機関の乗り場からの公共交通機関の運賃というかたちで乗り捨て場所に関連した情報ということができる。したがって、本発明においては、運賃算出部36によって算出された運賃を乗り捨て場所情報に含めて扱っている。
さらにまた、本実施形態において、乗り捨て場所情報提示部34は、乗り捨て場所検索部32によって検出された乗り捨て場所において貸出車両の乗り捨て料金が課される場合には、乗り捨て場所情報の提示として、乗り捨て場所情報の1つとしての乗り捨て料金を、運賃算出部36によって算出された運賃と同時にディスプレイ8に表示する処理を行うようになっている。なお、乗り捨て料金については、利用料金情報における乗り捨て料金情報から取得すればよい。なお、乗り捨て料金の取得に際しては、貸出場所の名称と乗り捨て場所の名称とに対応する乗り捨て料金を、乗り捨て料金情報から抽出するようにしてもよい。
また、本実施形態において、公共交通機関情報には、各公共交通機関の乗り場ごとの時刻表が含まれている。
さらに、図2に示すように、ナビCPU12は、その機能ブロックの1つとして、第2の到着予想時刻算出手段としての第2の到着予想時刻算出部41を有している。この第2の到着予想時刻算出部41は、乗り捨て場所検索部32によって検出された乗り捨て場所に最寄りの公共交通機関の乗り場から貸出場所に最寄りの公共交通機関の降り場まで公共交通機関を利用する場合における当該降り場への到着予想時刻を算出するようになっている。この到着予想時刻の算出は、現在時刻取得部30によって取得された現在の時刻および公共交通機関情報における乗り場情報ならびに時刻表に基づいて行われるようになっている。このような第2の到着予想時刻算出部41による到着予想時刻のより具体的な算出方法としては、例えば、次のような方法を用いることができる。すなわち、まず、乗り捨て場所検索部32によって検出された乗り捨て場所を仮の目的地として、この乗り捨て場所までの最適経路を経路探索部24の経路探索機能を用いて探索する。次いで、この最適経路を構成する各リンクのそれぞれのリンク長に換算された実世界上の距離を、各リンクに設定された制限速度(通行条件)で除することによって、自車位置から乗り捨て場所までの所要時間を算出する。そして、この算出された自車位置から乗り捨て場所までの所要時間を現在の時刻に加算することによって、乗り捨て場所への到着予想時刻を算出する。次いで、乗り捨て場所から最寄りの公共交通機関の乗り場までの距離を地図データのリンク情報等に基づいて求め、この求められた距離を、予め設定された徒歩の速度で除することによって、乗り捨て場所から最寄りの公共交通機関の乗り場までの所要時間を算出する。ただし、乗り捨て場所から最寄りの公共交通機関の乗り場までの距離が所定距離以下(例えば、200m以下)の場合には、乗り捨て場所から最寄りの公共交通機関の乗り場までの所要時間は0分と擬制してもよい。そして、算出された乗り捨て場所から最寄りの公共交通機関の乗り場までの所要時間を前述した乗り捨て場所への到着予想時刻に加算することによって、最寄りの公共交通機関の乗り場への到着予想時刻を算出する。次いで、前述した最寄りの公共交通機関の乗り場への到着予想時刻以後の当該到着予想時刻に最も近い出発時刻を時刻表から抽出し、この出発時刻から公共交通機関(複数であってもよい)を利用して貸出場所に最寄りの公共交通機関の降り場に向かう場合における当該降り場への到着時刻を時刻表から抽出する。このようにして、貸出場所に最寄りの公共交通機関の降り場への到着予想時刻を算出することができる。
さらにまた、本実施形態において、乗り捨て場所情報提示部34は、乗り捨て場所情報の提示として、乗り捨て場所情報の1つとしての第2の到着予想時刻算出部41によって算出された到着予想時刻をディスプレイ8に表示する処理を行うようになっている。このとき、乗り捨て場所情報提示部34は、第2の到着予想時刻算出部41によって算出された到着予想時刻を、乗り捨て場所検索部32によって検出された乗り捨て場所を新たな目的地に設定するための操作部7を用いた入力操作(画面操作)が可能な表示態様で表示するようになっている。具体的には、乗り捨て場所情報提示部34は、例えば、乗り捨て場所検索部32によって検出された乗り捨て場所を新たな目的地に設定するための操作部7を用いた入力操作が可能とされた操作画面上に、第2の到着予想時刻算出部41によって算出された到着予想時刻を表示してもよい。ただし、当該操作画面は、乗り捨て場所を新たな目的地に設定するための最終画面に限定されるものではなく、当該最終画面に移行するための操作が可能とされた操作画面であってもよい。このような到着予想時刻の表示は、警告出力部35によって表示される警告画面と同一画面上に行うようにしてもよい(図3(a)参照)。
なお、第2の到着予想時刻算出部41によって算出された到着予想時刻は、乗り捨て場所の地図や名称のような乗り捨て場所に固有の情報ではないものの、乗り捨て場所に最寄りの公共交通機関の乗り場から公共交通機関を利用する場合の到着予想時刻というかたちで乗り捨て場所に関連した情報ということができる。したがって、本発明においては、第2の到着予想時刻算出部41によって算出された到着予想時刻を乗り捨て場所情報に含めて扱っている。
そして、このようにして乗り捨て場所情報提示部34によって乗り捨て場所情報が提示された上で、当該乗り捨て場所を新たな目的地として設定するための操作部7を用いた入力操作が行われた場合には、目的地設定部23は、当該乗り捨て場所を貸出場所に代わる新たな目的地に設定するようになっている。また、このような乗り捨て場所の新たな目的地への設定が行われた上で、経路探索部24は、当該乗り捨て場所までの最適経路を探索し、探索された最適経路を新たな誘導経路の候補としてユーザに提示するようになっている。さらに、このようにして提示された当該乗り捨て場所までの最適経路を新たな誘導経路に設定するためのユーザ操作を待って、経路誘導部25は、当該乗り捨て場所までの最適経路を新たな誘導経路に設定し、設定された当該乗り捨て場所までの誘導経路にしたがった経路誘導を開始するようになっている。
ここで、図3は、本実施形態のナビゲーション装置1による画面の表示例を示している。すなわち、図3(a)は、警告出力部35によって表示される警告画面42を示している。この警告画面42には、返却/到着時刻設定部29によって設定された時刻に遅れそうである旨の警告メッセージ「返却/到着時刻に遅れそうです!!」が、当該時刻「22:30」および第1の到着予想時刻算出部31によって算出された貸出場所への最新の到着予想時刻「23:12」とともに表示されている。また、警告画面42には、超過料金表示処理部39により、超過料金算出部38によって算出された超過料金「2000円」が、貸出時間を超過して貸出場所まで貸出車両を利用することを選択するための入力操作が可能とされた操作ボタン(以下、貸出時間超過選択ボタンと称する)43と位置的に対応付けられた状態(並列状態)で表示されている。なお、図3(a)においては、貸出時間超過選択ボタン43上に「延長する」という文字を表記しているが、貸出時間を超過することが分かる表現であれば、これ以外の文字を表記してもよい。
さらに、警告画面42には、乗り捨て場所情報提示部34により、運賃算出部36によって算出された運賃「560円」、乗り捨て料金「1050円」および第2の到着予想時刻算出部41によって算出された到着予想時刻「22:10」が、乗り捨て場所を新たな目的地に設定するための最終画面に遷移するための入力操作が可能とされた操作ボタン(以下、乗り捨て選択ボタンと称する)45と位置的に対応付けられた状態(並列状態)で表示されている。すなわち、警告画面42は、当該最終画面に遷移するための入力操作が可能とされた操作画面ということができる。なお、図3(a)においては、乗り捨て選択ボタン45上に「近くの駅に最寄りのレンタカー案内」と表記しているが、自車位置の近くの公共交通機関の乗り場に最寄りの乗り捨て場所の案内に移行することが分かる表現であれば、これ以外の文字を表記してもよい。その他、警告画面42には、地図描画部22によって、自車位置の周辺の地図46が表示されている。なお、乗り捨て場所検索部32によって乗り捨て場所が検出されなかった場合には、警告画面42には、乗り捨て選択ボタン45、運賃算出部36によって算出された運賃および乗り捨て料金は表示されず、貸出時間超過選択ボタン43および超過料金のみが表示されることになる。
このような図3(a)の画面が表示されることにより、ユーザは、自車位置に近い公共交通機関の乗り場から公共交通機関を利用した方が、貸出車両の貸出時間を超過して貸出車両を利用する場合に比べて料金が安上がりであることを確認した上で、乗り捨て場所を新たな目的地に設定する操作へと移行することができる。また、このような図3(a)の画面が表示されることにより、ユーザは、自車位置に近い公共交通機関の乗り場から公共交通機関を利用すれば、定刻までに貸出場所に最寄りの公共交通機関の降り場に到着し得ることを確認した上で、乗り捨て場所を新たな目的地に設定する操作へと移行することができる。
そして、このような図3(a)の警告画面42において、操作部7を用いて乗り捨て選択ボタン45が操作された場合には、乗り捨て場所情報提示部34によって、図3(b)に示す画面(以下、乗り捨て場所詳細情報画面と称する)47に遷移する。
図3(b)に示すように、乗り捨て場所詳細情報画面47には、警告画面42に表示された乗り捨て場所情報に加えて、さらに詳細な乗り捨て場所情報として、乗り捨て場所の名称「○○駅前レンタカー」および乗り捨て場所の地図48がそれぞれ表示されている。また、乗り捨て場所詳細情報画面47には、より詳細な乗り捨て場所情報として、最寄り駅の名称「○○駅」、利用する路線名「○○本線、△△モノレール」および貸出場所に最寄りの駅名「A空港」がそれぞれ表示されている。さらに、乗り捨て場所詳細情報画面47には、乗り捨て場所である「○○駅前レンタカー」を新たな目的地に設定するための入力操作が可能とされた操作ボタン(以下、目的地変更ボタンと称する)50が表示されている。すなわち、乗り捨て場所詳細情報画面47は、乗り捨て場所を新たな目的地に設定するための最終画面である。この他にも、乗り捨て場所詳細情報画面47には、警告画面42に戻るための入力操作を受け付ける操作ボタン52や、乗り捨て場所から最寄り駅までの経路(図3(b)破線部参照)が示されている。
そして、このような乗り捨て場所詳細情報画面47において、操作部7を用いて目的地変更ボタン50が操作された場合には、目的地設定部23によって、「○○駅前レンタカー」が新たな目的地に設定されることになる。
一方、仮に、操作部7を用いて貸出時間超過選択ボタン43が操作された場合には、経路誘導部25によって、現在設定されている貸出場所を目的地とした誘導経路にしたがった経路誘導が開始または継続されることになる。
次に、本実施形態の作用の一例について、図4を参照して説明する。
なお、以下の説明では、便宜上、ユーザが貸出場所で貸し出された貸出車両を利用して所望の立ち寄り先に経路誘導または自走によって立ち寄った後に、貸出場所に戻るために、立ち寄り先において貸出場所を目的地として設定して貸出場所までの経路誘導を受けようとする場合の動作について説明する。
すなわち、まず、ステップ1(ST1)に示すように、目的地設定部23により、目的地設定用の操作画面に対する操作部7を用いたユーザの入力操作にしたがって、貸出車両の貸出場所を目的地に設定する。
次いで、ステップ2(ST2)において、返却/到着時刻設定部29により、貸出車両を返却すべき返却時刻または貸出場所に到着すべき到着時刻を選択的に設定するための操作画面に対する操作部7を用いたユーザの入力操作にしたがった時刻T1を設定する。
次いで、ステップ3(ST3)において、自車位置算出部21によって算出された自車位置からステップ1(ST1)において目的地に設定された貸出場所までの最適経路を経路探索部24によって探索し、探索された最適経路を誘導経路の候補として提示した上で、経路誘導部25により、提示された最適経路を、ユーザ操作を待って貸出場所までの誘導経路に設定する。
次いで、ステップ4(ST4)において、第1の到着予想時刻算出部31により、前述した手法によって、第1回目の貸出場所までの到着予想時刻T2の算出を行う。
次いで、ステップ5(ST5)において、乗り捨て場所検索部32により、ステップ4(ST4)において算出された到着予想時刻T2がステップ2(ST2)において設定された時刻T1よりも遅い時刻となるか否かを判定する。そして、ステップ5(ST5)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ6(ST6)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ14(ST14)に進む。
ここで、ステップ6(ST6)以後の処理について先に説明すると、まず、ステップ6(ST6)においては、乗り捨て場所検索部32によって乗り捨て場所の検索を行うとともに、超過料金算出部38によって超過料金の算出を行う。
次いで、ステップ7(ST7)において、乗り捨て場所検索部32により、ステップ6(ST6)における検索によって乗り捨て場所が検出されたか否かを判定する。そして、ステップ7(ST7)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ8(ステップ8)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ13(ST13)に進む。
ここで、ステップ8(ST8)に進んだ場合には、このステップ8(ST8)において、前述した手法により、運賃算出部36による運賃の算出、第2の到着予想時刻算出部41による到着予想時の算出および乗り捨て場所情報提示部34による乗り捨て料金の取得を行ってステップ9(ST9)に進む。
次いで、ステップ9(ST9)において、警告出力部35による警告画面の表示、超過料金表示処理部39による超過料金の表示および乗り捨て場所情報提示部34による乗り捨て場所情報の提示を行ってステップ10(ST10)に進む。ここでの乗り捨て場所情報の提示は、図3(a)に示したような警告画面42上への乗り捨て選択ボタン45、運賃算出部36によって算出された運賃、乗り捨て料金および第2の到着予想時刻算出部41によって算出された到着予想時刻の表示と、図3(b)に示した乗り捨て場所詳細情報画面47の表示のような複数の画面を段階的に表示する処理であってもよい。また、ここでの超過料金の表示は、図3(a)に示した貸出時間超過選択ボタン43を含む警告画面42のような貸出時間を超過した貸出車両の利用を選択するための入力操作が可能とされた操作画面上に行う。
一方、ステップ7(ST7)からステップ13(ST13)に進んだ場合には、このステップ13(ST13)において、警告出力部35による警告画面の表示および超過料金表示処理部39による超過料金の表示のみを行ってステップ10(ST10)に進む。
次いで、ステップ10(ST10)において、目的地設定部23および経路誘導部25により、ステップ9(ST9)において乗り捨て場所情報が提示された乗り捨て場所を新たな目的地に設定するための入力操作(図4における目的地変更操作)または貸出時間を超過した貸出車両の利用を選択するための入力操作(図4における貸出時間超過選択操作)のいずれが行われたかを判定する。ただし、ここでの目的地変更操作は、例えば、図3(a)に示した警告画面42において乗り捨て選択ボタン45を操作し、次いで、図3(b)に示した乗り捨て場所詳細情報画面47において目的地変更ボタン50を操作するといった一連の操作であってもよい。また、貸出時間超過選択操作は、図3(a)に示した警告画面42における貸出時間超過選択ボタン43の操作であってもよい。そして、ステップ10(ST10)において、目的地変更操作が行われた場合には、ステップ11(ST11)に進み、貸出時間超過選択操作が行われた場合には、ステップ19(ST19)に進む。
ここで、ステップ11(ST11)に進んだ場合には、このステップ11(ST11)において、目的地設定部23により、ステップ9(ST9)において乗り捨て場所情報が提示された乗り捨て場所を新たな目的地に設定してステップ12(ST12)に進む。
次いで、ステップ12(ST12)において、ステップ11(ST11)において目的地に設定された乗り捨て場所までの最適経路を経路探索部24によって探索し、探索された最適経路を新たな誘導経路の候補として提示した上で、経路誘導部25により、提示された最適経路を、ユーザ操作を待って新たな誘導経路に設定する。その上で、設定された新たな誘導経路にしたがった乗り捨て場所までの経路誘導を行って処理を終了する。
次に、ステップ14(ST14)以後の処理について説明すると、まず、ステップ14(ST14)において、経路誘導部25により、貸出場所までの誘導経路にしたがった経路誘導を開始してステップ15(ST15)に進む。
次いで、ステップ15(ST15)において、第1の到着予想時刻算出部31により、第2回目以降のT2の算出として、所定のタイミングでのT2の再度の算出を行ってステップ16(ST16)に進む。ここで、所定のタイミングとしては、例えば、前回のT2の算出から所定時間が経過した時点または誘導経路上の交通情報が所定の変化を示した(例えば、渋滞の区間が増加した)時点を挙げることができる。
次いで、ステップ16(ST16)において、所定の判定タイミングで、ステップ15(ST15)において算出された最新のT2を対象として、ステップ5(ST5)と同様の判定を行う。そして、このステップ16(ST16)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ6(ST6)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ17(ST17)に進む。
次いで、ステップ17(ST17)において、経路誘導部25により、貸出場所までの誘導経路にしたがった経路誘導を継続してステップ18(ST18)に進む。
次いで、ステップ18(ST18)において、経路誘導部25により、目的地である貸出場所に到着したか否かを判定し、この判定において肯定的な判定結果が得られた場合には、処理を終了し、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ15(ST15)に戻る。
なお、ステップ10(ST10)からステップ19(ST19)に進んだ場合には、このステップ19(ST19)において、経路誘導部25により、貸出場所までの誘導経路にしたがった経路誘導を行って処理を終了する。
以上述べたように、本実施形態によれば、貸出場所への設定された返却時刻または到着時刻までの貸出車両の到着が間に合いそうにない場合には、乗り捨て場所情報提示部34により、乗り捨て場所情報を、当該乗り捨て場所を新たな目的地に設定するための操作が可能な状態としてユーザに提示した上で、当該乗り捨て場所までの誘導経路にしたがった経路誘導を行うことができるので、貸出時間内に貸出車両を返却場所に返却する可能性を高めることができる。
なお、本実施形態において、乗り捨て場所検索部32によって、互いに異なる複数の公共交通機関の乗り場にそれぞれ最寄りの複数の乗り捨て場所が検出される場合もある。この場合には、検出された複数の乗り捨て場所のそれぞれの乗り捨て場所情報を、各乗り捨て場所を択一的に新たな目的地に設定可能な状態で提示すればよい。
また、本発明は、現在の貸出場所までの誘導経路上の交通情報の変化に応じて貸出場所までの最適経路を再探索する公知のダイナミックルートガイダンスにも適用することができる。この場合には、第1の到着予想時刻算出部31は、ダイナミックルートガイダンスによって貸出場所までの新たな誘導経路が設定された時点を、貸出場所への到着予想時刻を算出するタイミングの1つに含めてもよい。
さらに、地図データおよび返却場所情報に応じては、貸出場所の名称が、貸出場所に最寄りの公共交通機関の降り場の名称と一致もしくは類似する場合があってもよいことは勿論である。
さらにまた、第2の到着予想時刻算出部48は、貸出場所に最寄りの公共交通機関の降り場への到着予想時刻に、この降り場から貸出場所までの徒歩による所要時間を地図データ等を用いて求め、この所要時間を当該降り場への到着予想時刻に加算することによって、貸出場所への公共交通機関を利用した場合の到着予想時刻を算出してもよい。この場合には、乗り捨て場所情報提示部34は、乗り捨て場所情報として、貸出場所への公共交通機関を利用した場合の到着予想時刻を表示すればよい。
(第2実施形態)
次に、本発明に係るナビゲーション装置の第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心として説明する。
本実施形態においては、第1実施形態とは異なり、乗り捨て場所情報提示部34が、料金判定手段として機能するようになっている。すなわち、本実施形態において、乗り捨て場所情報提示部34は、少なくとも、運賃算出部36によって算出された運賃および超過料金算出部38によって算出された超過料金に基づいて、料金判定を行うようになっている。ただし、料金判定とは、乗り捨て場所検索部32によって検索された乗り捨て場所に最寄りの公共交通機関の乗り場から貸出場所に最寄りの公共交通機関の降り場まで公共交通機関を利用した方が、貸出車両の貸出時間を超過して貸出場所まで貸出車両を利用する場合に比べて料金が安いか否かの判定のことをいう。なお、乗り捨て場所検索部32によって検出された乗り捨て場所において乗り捨て料金が課される場合には、乗り捨て場所情報提示部34は、この乗り捨て料金を、料金判定に加味するようになっている。
そして、本実施形態において、乗り捨て場所情報提示部34は、料金判定において肯定的な判定結果が得られた場合にのみ、乗り捨て場所情報の提示を行うようになっている。一方、料金判定において否定的な判定結果が得られた場合には、例えば、図3(a)に示した警告画面42のうち、乗り捨て選択ボタン45、運賃算出部36によって算出された運賃、乗り捨て料金および第2の到着予想時刻算出部41によって算出された到着予想時刻は表示されないことになり、また、これにともなって、図3(b)に示した乗り捨て場詳細情報画面47への遷移も行われないことになる。
図5は、このような本実施形態のナビゲーション装置1の作用の一例を示したものである。
本実施形態においては、図5のステップ20(ST20)に示すように、図4に示したステップ8(ST8)とステップ9(ST9)との間において、前記料金判定を行う。
そして、ステップ20(ST20)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ9(ST9)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ13(ST13)に進む。
本実施形態によれば、料金判定において肯定的な判定結果が得られることを、乗り捨て場所情報を提示するための条件とすることにより、貸出場所まで安い料金で行くことができるか否かをユーザが自己判断する手間を省くことができるので、ユーザが貸出場所まで超過料金よりも安い料金で行くことを優先させたい場合における利便性を更に高めることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係るナビゲーション装置の第3実施形態について、第1実施形態との相違点を中心として説明する。
本実施形態において、乗り捨て場所情報提示部34は、第1実施形態とは異なり、第2の到着予想時刻算出部41によって算出された貸出場所に最寄りの公共交通機関の降り場への到着予想時刻が、返却/到着時刻設定部29によって設定された前記時刻よりも早い時刻となる場合に、乗り捨て場所検索部32によって検出された乗り捨て場所情報の提示を行うようになっている。一方、乗り捨て場所情報の提示を行わない場合には、例えば、図3(a)に示した警告画面42のうち、乗り捨て選択ボタン45、運賃算出部36によって算出された運賃、乗り捨て料金および第2の到着予想時刻算出部41によって算出された到着予想時刻は表示されないことになり、また、これにともなって、図3(b)に示した乗り捨て場詳細情報画面47への遷移も行われないことになる。
図6は、このような本実施形態のナビゲーション装置1の作用の一例を示したものである。
本実施形態においては、図6のステップ21(ST21)に示すように、乗り捨て場所情報提示部34により、第2の到着予想時刻算出部41によって算出された貸出場所に最寄りの公共交通機関の降り場への到着予想時刻が、返却/到着時刻設定部29によって設定された時刻T1よりも早い時刻であるか否かを判定する時刻判定を行う。
そして、ステップ21(ST21)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ9(ST9)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ13(ST13)に進む。
本実施形態によれば、時刻判定において肯定的な判定結果が得られることを、乗り捨て場所情報を提示するための条件とすることにより、返却/到着時刻設定部29によって設定された時刻までに貸出場所に最寄りの公共交通機関の降り場に到着し得るか否かをユーザが自己判断する手間を省くことができるので、ユーザが貸出場所に定刻までに到着することを優先させたい場合における利便性を更に高めることができる。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限度において種々変更することができる。例えば、返却/到着時刻設定部29によって返却時刻が設定された合には、第2の実施形態に示した料金判定によって肯定的な判定結果が得られることを、乗り捨て場所情報提示部34による乗り捨て場所情報の提示の条件とし、返却/到着時刻設定部29によって到着時刻が設定された場合には、第3の実施形態に示した時刻判定によって肯定的な判定結果が得られることを、乗り捨て場所情報提示部34による乗り捨て場所情報の提示の条件とするように構成してもよい。
また、第2実施形態における料金判定および第3実施形態における時刻判定の双方において肯定的な判定結果が得られることを、乗り捨て場所情報提示部34による乗り捨て場所情報の提示の条件としてもよい。