JP2011157461A - シリコーン樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】分子末端にアルコキシシリル基及び/又はシラノール基を有し、ゲルろ過法による重量平均分子量(Mw)が300〜6000であるシロキサン誘導体と、微粒子表面にシラノール基を有するシリカ微粒子とを反応させて得られるシリコーン樹脂に、金属酸化物微粒子が分散されてなる、シリコーン樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
〔1〕 分子末端にアルコキシシリル基及び/又はシラノール基を有し、ゲルろ過法による重量平均分子量(Mw)が300〜6000であるシロキサン誘導体と、微粒子表面にシラノール基を有するシリカ微粒子とを反応させて得られるシリコーン樹脂に、金属酸化物微粒子が分散されてなる、シリコーン樹脂組成物、
〔2〕 前記〔1〕記載のシリコーン樹脂組成物を基材の上に塗工して乾燥することにより得られる、ハードコート材、
〔3〕 前記〔1〕記載のシリコーン樹脂組成物を基材の上に塗工して乾燥することにより得られる、シリコーン樹脂シート、ならびに
〔4〕 前記〔1〕記載のシリコーン樹脂組成物を基材の上に塗工して乾燥することにより得られる、シリコーン樹脂フィルム
に関する。
で表わされる化合物、及び/又は、式(II):
で表わされる化合物を用いて得られる誘導体であることが好ましい。ここで、前記式(I)で表わされる化合物及び/又は式(II)で表わされる化合物を用いて得られる誘導体とは、式(I)で表わされる化合物のみ、式(II)で表わされる化合物のみ、あるいは式(I)で表わされる化合物と式(II)で表わされる化合物の混合物、を加水分解して縮重合させることにより得られ、組成は特に限定されない。
で表わされる化合物を用いることもできる。
で表わされる化合物が挙げられる。
で表わされる化合物も好適に用いられる。
ゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算にて求める。
内部標準物質を用いた1H−NMRによる定量及び示差熱熱重量分析による重量減少の値から算出する。
本明細書において、微粒子の平均粒子径とは一次粒子の平均粒子径を意味し、微粒子の粒子分散液について動的光散乱法で測定して算出される体積中位粒径(D50)のことである。
金属酸化物微粒子の分散溶液をサンプルとして、分光光度計(U-4100、日立ハイテク社製)を用いて、波長領域(300〜800nm)にてUVスペクトルを取得し、その最大吸収波長を測定する。
金属酸化物微粒子の分散溶液をサンプルとして、日立蛍光光度計(F4500)を用いて365nmの波長で励起させた際の蛍光スペクトルを取得し、その極大波長を測定する。
オートクレーブ用ガラス容器に、無水酢酸亜鉛1.54g(4mmol)、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン「KBM303」(信越化学社製、分子量246.4)8.97g〔36mmol、金属酸化物前駆体(無水酢酸亜鉛)100重量部に対して582重量部〕、テトラエチレングリコール80mLを加えた。オートクレーブ(耐圧ガラス社製)内にガラス容器を入れて、ガラス容器とオートクレーブの反応容器のギャップ間にテトラエチレングリコール30gを加えてから密封した。攪拌しながら20℃/分の速度で300℃まで昇温し、300℃で10分間保持した後、室温(25℃)までゆっくり冷却した。その後、得られた溶液を酢酸エチルにより析出させ、遠心分離機にて黄白色の固体(酸化亜鉛蛍光体微粒子)を回収した。なお、得られた微粒子は、2-プロパノール中に固形分濃度20重量%で再分散させた。また、平均粒子径は10nm、再分散溶液の最大吸収波長は370nm、発光極大波長は470nmであった。
オートクレーブ用ガラス容器に、無水酢酸亜鉛1.54g(4mmol)、分子末端に反応性のアルコキシシリル基を有するシロキサン誘導体「KC89」(信越化学社製、重量平均分子量400、分子量分布300〜500、有機官能基:メチル基、メトキシ基含有量46重量%)8.0g〔20mmol、金属酸化物前駆体(無水酢酸亜鉛)100重量部に対して519重量部〕、テトラエチレングリコール80mLを加えて、製造例1と同様にして反応を行った。得られた溶液はジエチルエーテルにより析出させ、遠心分離機にて黄白色の固体(酸化亜鉛蛍光体微粒子)を回収した。なお、得られた微粒子は、酢酸エチル中に固形分濃度10重量%で再分散させた。また、平均粒子径は11nm、再分散溶液の最大吸収波長は370nm、発光極大波長は470nmであった。
酢酸亜鉛・2水和物1.84g(4mmol)を無水エタノール100mLに溶解し、攪拌しながら0℃に冷却した。そこに、水酸化リチウム・1水和物0.58g(4mmol)を無水エタノール100mLに懸濁させた溶液を30分間かけて滴下混合した。0℃で5時間攪拌して反応後、メチルメトキシシラン「KBM13」(信越化学社製、分子量136.2)2.0g〔36mmol、金属酸化物前駆体(酢酸亜鉛・2水和物及び水酸化リチウム・1水和物)の総量100重量部に対して83重量部〕を無水エタノール2.0gに溶解した液を滴下し、滴下終了後、室温(25℃)まで暖めて、一晩攪拌した。溶媒を留去して、酸化亜鉛蛍光体微粒子を回収した。なお、得られた微粒子は、酢酸エチル中に固形分濃度10重量%で再分散させた。また、平均粒子径は12nm、再分散溶液の最大吸収波長は360nm、発光極大波長は460nmであった。
攪拌機、還流冷却機、及び窒素導入管を備えた容器に、平均粒子径8nmのコロイダルシリカ溶液(商品名「スノーテックス OS」、日産化学社製、固形分濃度20重量%)5.0g(シリコーン誘導体100重量部に対して20重量部)を入れ、2-プロパノール7.5g、2-メトキシエタノール5.0gを添加し、濃硝酸を加えて液のpHを2〜3に調整した。次いで、80℃に昇温し、そこに、分子末端にアルコキシシリル基を有するシロキサン誘導体「X-40-9225」(信越化学社製、重量平均分子量3000、分子量分布2000〜3000、メトキシ含有量24重量%)5.0gを2-プロパノール5.0gに溶解した液を、滴下ロートを用いて1時間かけて滴下して、80℃で2時間反応させた。その後、室温(25℃)まで冷却し、減圧下、溶媒を留去して得られた溶液とした。そこに、製造例1で得られた金属酸化物微粒子(微粒子B)を、固形分濃度で、シリコーン誘導体100重量部に対して5.0重量部になるように加え、攪拌して分散させて、シリコーン樹脂組成物を得た。
実施例1において用いる金属酸化物微粒子を、製造例2で得られた金属酸化物微粒子に変更する以外は、実施例1と同様にしてシリコーン樹脂組成物を得た。
実施例2において、「X-40-9225」5.0gを2-プロパノール5.0gに溶解した液を用いる代わりに、「X-40-9225」2.8gと分子末端にシラノール基を有するシロキサン誘導体「X-21-3153」(信越化学社製、重量平均分子量300、分子量分布200〜400)1.2gを2-プロパノール4.0gに溶解した液を用いる以外は、実施例2と同様にしてシリコーン樹脂組成物を得た。なお、シリカ微粒子の含有量は、シリコーン誘導体の総量100重量部に対して25重量部であり、金属酸化物微粒子の含有量は、シリコーン誘導体の総量100重量部に対して6.3重量部であった。
実施例2において、「X-40-9225」5.0gを2-プロパノール5.0gに溶解した液を用いる代わりに、分子末端にアルコキシシリル基を有するシロキサン誘導体「KR500」(信越化学社製、重量平均分子量1000、分子量分布1000〜2000、メトキシ含有量28重量%)3.2gを2-プロパノール5.0gに溶解した液を用いる以外は、実施例2と同様にしてシリコーン樹脂組成物を得た。なお、シリカ微粒子の含有量は、シリコーン誘導体100重量部に対して31重量部であり、金属酸化物微粒子の含有量は、シリコーン誘導体100重量部に対して7.8重量部であった。
実施例1と同様の装置を用いて、平均粒子径20nmのコロイダルシリカ溶液(商品名「スノーテックス O-40」、日産化学社製、固形分濃度40重量%)5.0g(シリコーン誘導体100重量部に対して36重量部)を入れ、メタノール10.0g、2-メトキシエタノール2.0gを添加し、60℃に昇温した。そこに、テトラエトキシシラン(分子量208.3)0.5gとジメチルメトキシシラン「KBM22」(信越化学社製、分子量120.3)1.0gをメタノール2.0gに溶解した液を、滴下ロートを用いて5分間かけて滴下して、60℃で15分間反応後、室温(25℃)に冷却し、減圧下、重さ約5gになるまで溶媒を留去した。次いで、2-プロパノール5.0g、テトラヒドロフラン5.0gを添加し、攪拌して均一な溶液としたところに、シロキサン誘導体「X-40-9225」4.0gを2-プロパノール4.0gに溶解した液を、滴下ロートを用いて20分間かけて滴下して、60℃で2時間反応させた。その後、室温(25℃)まで冷却し、減圧下、溶媒を留去後、製造例3で得られた金属酸化物微粒子(微粒子B)を、固形分濃度で、シリコーン誘導体の総量100重量部に対して5.0重量部になるように加え、攪拌して分散させて、シリコーン樹脂組成物を得た。
実施例1において、金属酸化物微粒子(微粒子B)の含有量がシリコーン誘導体100重量部に対して2.0重量部になるよう加える以外は、実施例1と同様にしてシリコーン樹脂組成物を得た。
実施例1において、金属酸化物微粒子(微粒子B)を添加しない以外は、実施例1と同様にしてシリコーン樹脂組成物を得た。なお、シリカ微粒子の含有量は、シリコーン誘導体100重量部に対して20重量部であった。
実施例1において、製造例1で得られた金属酸化物微粒子(微粒子B)を、固形分濃度で、シリコーン誘導体100重量部に対して5.0重量部になるように添加する代わりに、市販の紫外線吸収剤「チヌビン328」(チバ・ジャパン社製、ベンゾトリアゾール系)を固形分濃度でシリコーン誘導体100重量部に対して0.34重量部になるように添加する以外は、実施例1と同様にしてシリコーン樹脂組成物を得た。なお、シリカ微粒子の含有量は、シリコーン誘導体100重量部に対して20重量部であった。
酸化チタン粉末1.0g、シロキサン誘導体「X-40-9225」5.0g、及び2-プロパノール8.0gを37mL容のマヨネーズ瓶に加えた。そこに、直径0.2mmのジルコニアビーズ20gを加えて、ビーズミルにて2時間分散を行った。得られた溶液を、実施例1と同様の反応装置に移し、水1gを加えて、濃塩酸にてpHを2〜3に調整した。その後、60℃に昇温して、シロキサン誘導体「X-40-9225」3.0gをメタノール3.0gに溶解した液を、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下して、60℃で1時間反応させた。その後、室温(25℃)まで冷却し、減圧下、溶媒を留去して、シリコーン樹脂組成物を得た。なお、金属酸化物微粒子の含有量は、シリコーン誘導体100重量部に対して12.5重量部であった。
シロキサン誘導体「X-40-9225」5.0g、水1.0g、及び2-プロパノール5.0gを混合したものに、濃塩酸を用いてpH2〜3に調整して、重量平均分子量250のシロキサン誘導体含有溶液を得た。得られたシロキサン誘導体含有溶液を用いる以外は、実施例1と同様にしてシリコーン樹脂組成物を得た。
実施例1〜4、6及び比較例1〜2、4の組成物は、剥離処理を施したPET基材上に100μmの厚さに塗工し、150℃で1時間、次いで200℃で1時間加熱して、シート状の成形体(シリコーン樹脂シート)を調製した(厚み100μm)。比較例3の組成物は、加熱処理を100℃で1時間加熱に変更する以外は、実施例1と同様にしてシート状の成形体(シリコーン樹脂シート)を調製した(厚み100μm)。また、実施例5の組成物は、ガラス板上に10μmの厚さに塗工し、100℃で1時間、次いで200℃で1時間加熱して、シート状の成形体(シリコーン樹脂シート)を調製した(厚み10μm)。
分光光度計(U-4100、日立ハイテク社製)を用いて、300〜800nmの紫外線・可視光領域の透過スペクトルを測定し、300nm、450nm、600nmにおける透過率(%)を算出する。
得られたシリコーン樹脂シートを200℃の温風型乾燥機内に静置し、3時間経過後の外観を目視で観察し、保存前の状態から変色のないものを「○」、あるものを「×」とした。
得られたシリコーン樹脂シートに、市販の蛍光体(ローダミンB、発光極大波長543nm)をポリメチルメタクリレート(和光純薬社製)に3.1重量%で溶解したものを用いて調製したシート(厚み1μm)を保護層として積層したものを、実施例又は比較例のシートが上になるようにしてキセノンウェザーメーター(X-2、スガ試験機社製)内に静置し、2.5kWで24時間露光した。その後、シートを取り出し、日立蛍光光度計(F4500)を用いて、365nmの波長で励起させた際の発光極大波長543nmにおける発光強度を測定し、露光前の発光強度を100(%)とした際の発光強度残存率(%)を算出した。
Claims (10)
- 分子末端にアルコキシシリル基及び/又はシラノール基を有し、ゲルろ過法による重量平均分子量(Mw)が300〜6000であるシロキサン誘導体と、微粒子表面にシラノール基を有するシリカ微粒子とを反応させて得られるシリコーン樹脂に、金属酸化物微粒子が分散されてなる、シリコーン樹脂組成物。
- シロキサン誘導体1分子におけるアルコキシ基の含有量が10〜45重量%である、請求項1記載のシリコーン樹脂組成物。
- シロキサン誘導体が、分子の両末端にシラノール基を有し、ゲルろ過法による重量平均分子量が300〜3000であるジシラノール誘導体を含有してなる、請求項1又は2記載のシリコーン樹脂組成物。
- シリカ微粒子の平均粒子径が1〜100nmである、請求項1〜3いずれか記載のシリコーン樹脂組成物。
- 金属酸化物微粒子の平均粒子径が1〜100nmであり、最大吸収波長が250〜450nmである、請求項1〜4いずれか記載のシリコーン樹脂組成物。
- 金属酸化物微粒子が、酸化チタン、酸化亜鉛、及び酸化セリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属酸化物微粒子の表面を、分子末端にアルコキシシリル基を有し、ゲルろ過法による重量平均分子量(Mw)が100〜1000であるシラン誘導体で処理したものである、請求項1〜5いずれか記載のシリコーン樹脂組成物。
- シラン誘導体が、式(IV):
で表わされる化合物である、請求項6記載のシリコーン樹脂組成物。 - 請求項1〜7いずれか記載のシリコーン樹脂組成物を基材の上に塗工して乾燥することにより得られる、ハードコート材。
- 請求項1〜7いずれか記載のシリコーン樹脂組成物を基材の上に塗工して乾燥することにより得られる、シリコーン樹脂シート。
- 請求項1〜7いずれか記載のシリコーン樹脂組成物を基材の上に塗工して乾燥することにより得られる、シリコーン樹脂フィルム。
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