JP2011157412A - 重縮合物を用いた低複屈折性透明樹脂 - Google Patents

重縮合物を用いた低複屈折性透明樹脂 Download PDF

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Abstract

【課題】 固有複屈折率が低く、かつ耐熱性に優れた透明樹脂組成物および光学成形品、光学フィルムを提供すること
【解決手段】 正の固有複屈折率(Δn0A)を有し重量平均分子量が10,000以下であって分子内に芳香環を有する重縮合体である熱可塑性樹脂(A)と、負の固有複屈折率(Δn0B)を有する熱可塑性樹脂(B)を必須成分として含有することにより、その固有複屈折率(Δn)の絶対値が1×10−2以下でかつ荷重撓み温度が70℃以上である耐熱性に優れた透明樹脂組成物及び光学成形品、光学フィルムが提供される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、複屈折率が低く、かつ耐熱性に優れた透明樹脂組成物に関するものである
近年、液晶ディスプレイなどによる情報の画面表示、光ディスクによる情報記録、レーザー光学系による光ディスクへの書き込み・消去、レーザープリンターなどによる情報印刷、光ファイバーによる情報伝送など多くの分野で光学部品が使用されている。従来から光学部品に使用されているガラス系材料に比べ、軽量性や耐衝撃性、成形性に優れることから、光学部品の材料として光学樹脂材料が用いられてきている。しかし、成型時に起きる分子配向により複屈折が生じ、光学部品としての機能を損なう場合がある。さらに、電子機器の小型化、軽量化に伴い光学部品と熱を発生する駆動部が密になるため、光学部品には耐熱性も要求される。そのため、低複屈折かつ高温条件に耐える透明樹脂材料が望まれている。
複屈折の低い樹脂として、例えばスチレン―ブタジエン系ブロック共重合体とスチレン―(メタ)アクリル酸エステル共重合体との混合物(例えば特許文献1)が挙げられる。
特開2007−224221号公報
しかし、特許文献1の技術では光学成形品や光学フィルム用途に必要な耐熱性が不十分という課題を有している。
本発明の目的は、複屈折が低く、かつ耐熱性に優れた透明樹脂組成物、およびそれを使用して成形した光学成形品、光学フィルムを提供するものである。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、正の固有複屈折率(Δn0A)を有し重量平均分子量が10,000以下であって分子内に芳香環を有する重縮合体である熱可塑性樹脂(A)と、負の固有複屈折率(Δn0B)を有する熱可塑性樹脂(B)を必須成分として含有する樹脂組成物であって、その固有複屈折率(Δn)の絶対値が1×10−2以下であることを特徴とする透明樹脂組成物(C)である。
本発明の透明樹脂組成物は熱可塑性であり、これを成形して得られる光学成形品や光学フィルムは複屈折が低く、且つ耐熱性に優れているため、駆動部付近など高温となる場所に適用可能であるため有用である。
本発明の透明樹脂組成物は、正の固有複屈折率(Δn0A)を有し重量平均分子量が10,000以下であって分子内に芳香環を有する重縮合体である熱可塑性樹脂(A)と、負の固有複屈折率(Δn0B)を有する熱可塑性樹脂(B)を必須成分として含有する。そしてその固有複屈折率(Δn)の絶対値が1×10−2以下である。
なお、本発明における樹脂組成物の「透明」とは、樹脂組成物を厚さ2±0.2mmの試験片に成型し、JIS K 7361−1に記載のシングルビーム法による測定で全光線透過率が85%以上であり、かつ、JIS−K7105に記載の測定により樹脂板(厚み2±0.2mm)内におけるヘイズ(単位:%)が3%以下であることをいう。
熱可塑性樹脂(A)としては、正の固有複屈折率(Δn0A)と重量平均分子量が10,000以下の物性を有し、かつ分子内に芳香環を有する重縮合体であれば特にその樹脂の種類は限定されず、例えばポリエステル樹脂(A1)、ポリカーボネート樹脂(A2)、ポリアミド樹脂(A3)が挙げられる。
なお、主鎖中に芳香環を含まない重縮合体は、正の複屈折の値が小さいか、あるいは負の複屈折を持つ場合が多い。一方、側鎖にのみ芳香環を有する重縮合体では、負の複屈折を持つ場合が多いことが一般に知られている。
主鎖中に芳香環を有するポリエステル樹脂(A1)としては、ジカルボン酸(a1)とジオールもしくはそのアルキレンオキシド(以下AOと略記する。)付加物(a2)から形成される重縮合体(A11)、ジカルボン酸(a1)とビスフェノール類もしくはそのAO付加物(a3)から形成される重縮合体(A12)、およびジカルボン酸(a1)とビフェニル類のジヒドロキシ体もしくはそのAO付加物(a4)から形成される重縮合体(A13)などが挙げられる。
ポリエステル樹脂(A1)を構成する成分の(a1)〜(a4)のうち少なくとも1つは主鎖中に芳香環を有していることが必要であるが、それ以外の構成成分はさらに芳香環を有してもよいし、有しなくてもよい。
ジカルボン酸(a1)としては、脂肪族ジカルボン酸(炭素数4〜24、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、スバリン酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸およびメサコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘプタンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸およびシクロヘプテンジカルボン酸);芳香族ジカルボン酸(炭素数8〜24、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸)などがあげられる。
脂肪族ジカルボン酸は芳香環を分子内に有する(a2)〜(a4)と組み合わせることにより、主鎖中に芳香環を有する重縮合体を得ることができる。
これらは単独または2つ以上を同時に使用することができる。これらのうち、特に好ましいのはテレフタル酸である。
ジオール類またはそのAO付加物(a2)としては、脂肪族ジオール(炭素数2〜24、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,6−シクロヘキサンジメタノール)、芳香族ジオール(炭素数8〜24、例えば、1,2−ジフェニルエタン−1,2−ジオール、1,1,2,2,−テトラフェニルエタン−1,2−ジオール、ベンゼン−1,2−、−1,3−および−1,4−ジメタノール、)など、およびこれらのAO付加物があげられる。
これらは単独または2つ以上を同時に使用することができる。これらのうち、特に好ましいのは1,2−ジフェニルエタン−1,2−ジオール、およびそのAO付加物である。
ビスフェノール類またはそのAO付加物(a3)としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールAP、テトラメチルビスフェノールAおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタンなど、およびこれらのAO付加物があげられる。
これらは単独または2つ以上を同時に使用することができる。これらのうち、特に好ましいのはビスフェノールA、およびそのAO付加物である。
ビフェニル類のジヒドロキシ体またはそのAO付加物(a4)としては、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルなど、およびそれらのAO付加物があげられる。
これらは単独または2つ以上を同時に使用することができる。これらのうち、特に好ましいのは4,4’−ジヒドロキシビフェニルのAO付加物である。
ポリエステル樹脂(A1)としては、熱可塑性樹脂(B)との相溶性および固有複屈折の観点から、特に好ましいのはジカルボン酸(a1)とビスフェノールのAO付加物(a3)から形成される重縮合体である。
その主鎖中に芳香環を有するポリカーボネート樹脂(A2)としては、ジオール(a2)と炭酸ジエステル(a5)から形成される重縮合体(A21)、ビスフェノール(a3)と炭酸ジエステル(a5)から形成される重縮合体(A22)、およびビスフェノール(a3)とホスゲンから形成される重縮合体(A23)があげられる。
炭酸ジエステル(a5)としては、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなどがあげられる。
これらは単独または2つ以上を同時に使用することができる。これらのうち、特に好ましいのはジフェニルカーボネートである。
ポリカーボネート樹脂(A1)としては、熱可塑性樹脂(B)との相溶性および固有複屈折の観点から、特に好ましいのはビスフェノール(a3)とホスゲンから形成される重縮合体である。
その主鎖中に芳香環を有するポリアミド樹脂(A3)としては、ジカルボン酸(a1)とジアミン(a6)から形成される重縮合体(A31)があげられる。
ジアミン(a6)としては、脂肪族ジアミン(炭素数2〜24、例えば、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカンおよび1,12−ジアミノドデカン);芳香族ジアミン(炭素数8〜24、例えば、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、2−クロロ−1,2−フェニレンジアミン、4−クロロ−1,2−フェニレンジアミン、2,3−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン)などがあげられる。
脂肪族ジアミンは芳香族ジカルボン酸と組み合わせることにより、主鎖中に芳香環を有する重縮合体を得ることができる。
これらは単独または2つ以上を同時に使用することができる。これらのうち、特に好ましいのはp−フェニレンジアミンである。
この正の固有複屈折率を有する熱可塑性樹脂(A)の固有複屈折は以下の方法で測定する。
<固有複屈折率Δn0の測定方法>
固有複屈折率Δn0の測定方法については、例えば特開平6−242301号公報の3頁2列目21〜28行および4頁1列目25〜31行に記載されているのと同様の方法で測定できる。
具体的な測定方法の例としては、以下の方法による。
一般にポリマーの配向複屈折率と固有複屈折率とは次の関係式によって表される。
Δn=f・Δn
ここでΔnは配向複屈折率、fは配向関数を表す。固有複屈折率はこの配向複屈折率と配向関数を測定することにより実験的に求めることができる。
配向複屈折および配向関数は以下の方法で測定することができる。
樹脂を熱プレス機で成形した板よりダンベル状に切り出し、延伸温度Tg+10℃、延伸倍率2倍で一軸延伸し試験片を作成する。
配向複屈折の測定は、偏光顕微鏡にてセナルモン型コンペンセーターを用い室温で測定する。また、配向関数の測定は、偏光赤外二色法により測定する。
樹脂(A)の固有複屈折率は、好ましくは0.001〜0.25、さらに好ましくは0.002〜0.20である。0.001以上であれば延伸フィルムの正の複屈折を十分に発現することができる。また、0.25以下であれば透明樹脂組成物の複屈折の調整が容易である。
また、正の固有複屈折率を有する熱可塑性樹脂(A)の重量平均分子量は以下の方法で測定する。
<重量平均分子量の測定>
重量平均分子量(Mw)は東ソー製高速GPC装置HLC−8320を使用し、樹脂(A)50mgを5mlのテトラヒドロフラン(THF)に溶解後、25℃のTHFにて展開した。重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算値として算出した。
熱可塑性樹脂(A)の重量平均分子量は10,000以下であり、好ましくは9,000以下、さらに好ましくは8,000以下である。また、10,000以下であれば、熱可塑性樹脂(B)と良好な相溶性を有する
もう1つの必須成分である負の固有複屈折率を有する熱可塑性樹脂(B)としては、スチレン系モノマー(b1)、(メタ)アクリル酸誘導体モノマー(b2)および不飽和多塩基酸無水物(b3)からなる群より選ばれる1種以上のモノマー(b)から構成される単独重合体もしくは共重合体が挙げられる。
スチレン系モノマー(b1)としては、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン等があげられ、そのうち、特に好ましいのはスチレンである。これらは単独または2つ以上のモノマーを同時に使用することができる。
(メタ)アクリル酸誘導体モノマー(b2)としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。
特に好ましいのは、メタクリル酸メチルである。これらは単独または2つ以上のモノマーを同時に使用することができる。
不飽和多塩基酸無水物(b3)としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸及び無水アコニット酸等挙げられる。
これらのうち、特に好ましいのは無水マレイン酸である。これらは単独または2つ以上のモノマーを同時に使用することができる。
熱可塑性樹脂(B)の固有複屈折率は、好ましくは−0.150〜−0.001、さらに好ましくは−0.13〜−0.002である。−0.001より大きければ負の複屈折を十分に発現することができ、−0.150より小さければ透明樹脂組成物の複屈折の調整が容易である。
熱可塑性樹脂(B)は、上記のモノマー(b)を、必要により溶剤で希釈した後、ラジカル重合開始剤によって重合を行うことで得ることができる。
溶剤としては、グリコールエーテル類(エチレングリコールモノアルキルエーテルおよびプロピレングリコールモノアルキルエーテルなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノンなど)、およびエステル類(ブチルアセテート、エチレングリコールアルキルエーテルアセテートおよびプロピレングリコールアルキルエーテルアセテートなど)が挙げられる。溶剤のうち好ましいのはケトン類およびエステル類である。
溶剤を使用する場合、その使用量は特に限定されない。
重合開始剤としては、過酸化物及びアゾ化合物が挙げられる。
過酸化物としては、無機過酸化物(例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなど)、および有機過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ラウリルパーオキシドなど)などが挙げられる。
アゾ化合物としては、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩(例えば塩酸塩など)、およびアゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライドなどが挙げられる。好ましいものとしては、アゾ化合物である。重合開始剤の使用量としては、モノマーの合計重量に基づいて、通常、0.0001〜20%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜15%、特に好ましくは0.005〜10%である。反応温度および反応時間は、ラジカル重合開始剤の種類により適宜決定される。
溶剤を使用して重合して得られた樹脂(B)の溶液は、加熱して溶剤を除去するか、もしくは大量の沈殿溶剤を加えて樹脂成分を沈殿させ取り出して乾燥させるなどの通常の精製方法で(B)を得ることができる。
本発明の樹脂組成物(C)を作成するための熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の重量割合(A)/(B)は、耐熱性および固有複屈折率の観点から、好ましくは1/99〜40/60、さらに好ましくは2/98〜41/59である。
本発明の樹脂組成物(C)の製造方法には、
(1)(A)、(B)をそれぞれ全量溶融混合する方法、
(2)(A)に対して、少量の(B)を溶融混合してマスターバッチを製造した後、(A)または(B)と溶融混合する方法
(3)(B)に対して少量の(A)を溶融混合してマスターバッチを製造した後、(A)または(B)と溶融混合する方法
(4)(A)、(B)をアセトン等の有機溶剤に溶解し混合した後、溶剤を留去する方法
がなどが挙げられる。
(A)、(B)の溶融温度および分解温度の観点から、溶融温度は通常110〜330℃、好ましくは150〜300℃である。
上記有機溶剤としては、例えば炭化水素、セロソルブ、ケトン、アルコール、エステルおよびアミドが挙げられる。
溶解性および溶剤留去のし易さの観点から好ましいのは炭化水素、エーテル、アミドおよびケトン、さらに好ましいのは炭化水素およびケトンである。
溶融混合装置としては、例えばバッチ混練機〔例えばバンバリー[商品名:Farrel(株)製]およびニーダー〕、連続混練機〔例えばFCM[商品名:Farrel(株)製]、LCM[商品名:(株)神戸製鋼所製]およびCIM[商品名:(株)日本製鋼所製]〕、単軸押出機および二軸押出機が挙げられる。
なお、(A)、(B)を混合するさいに、着色剤、難燃剤、酸化防止剤などの添加剤を混合することは物性を損なわない範囲で可能である。
本発明の光学成形品は、上記の樹脂組成物を成形することにより得られる。
成形方法としては、例えば押出成形、射出成形、圧縮成形、トランスファー成形、スタンパブル成形、ブロー成形、延伸フィルム成形、積層成形およびカレンダー成形が挙げられる。
本発明の光学成形品としては、各種光ディスク(VD、CD、DVD、MD、LD等)光ピックアップレンズ、カメラ用レンズ、レンチキュラーレンズなどの光学レンズ、タッチパネル用基板、導光板などの光学基板などがあげられる。
本発明の光学フィルムは、上記の樹脂組成物を成形することにより得られる。
成形方法としては、例えば押出成形、キャスト成形、インフレーション成形が挙げられる。押出成形ではTダイ、円形ダイ等が装着された押出機等を用いて、未延伸フィルムを成形する。
また、キャスト成形では、前述の有機溶媒に上記の樹脂組成物を溶解した後、溶解液をシャーレ等に展開、溶媒を蒸発させ固化させることにより未延伸フィルムを得ることできる。
この未延伸フィルムは、機械的流れ方向に縦一軸延伸する方法、機械的流れ方向に直交する方向に横一軸延伸する方法等によって一軸延伸フィルムを製造することができ、またロール延伸とテンター延伸の逐次二軸延伸法、テンター延伸による同時二軸延伸法、チューブラー延伸による二軸延伸法等によって二軸延伸フィルムを製造することができる。
本発明の光学フィルムとしては、基板保護フィルム、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、光拡散フィルム、視野角拡大フィルム、反射フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、輝度向上フィルムなどがあげられる。
以下、製造例、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
製造例1
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのプロピレンオキシド2モル付加物56部、ビスフェノールAのプロピレンオキシド3モル付加物21.6部、テレフタル酸ジメチルエステル30部、触媒としてジブチル錫オキシド0.1部を入れ、210℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下で、生成するメタノールと水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下で反応させた。常圧に戻し、180℃に冷却、冷却後、窒素気流下で無水トリメリット酸3.4部を加え、1.5時間反応させ、本発明のポリエステル樹脂(A−1)を得た。この固有複屈折率は0.1680、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量は3,300であった。
製造例2
撹拌機、温度計、ベントを備えた反応器中で、ビスフェノールA97.5部を10%水酸化ナトリウム水溶液342部に窒素気流下で溶解させた。25℃に保持し、撹拌下で、ホスゲン38.1部を90分間で吹込んだ。この間15%水酸化ナトリウム水溶液で水相のpHを10.0〜12.0に調整して混合液を得た。
この混合液に、塩化メチレン435部とトリエチルアミン0.21部を添加し、さらに15%水酸化ナトリウム水溶液を加えて水相のpHを13.0前後に調整しながら混合液を30±1℃に保ち、3時間重合反応させた。
有機相を分液して塩化メチレンで希釈し、5%塩酸水で2回洗浄した後、さらに電解質がなくなるまで水で洗浄した。次いで有機相を分離し、塩化メチレンを留去して得た粉末ポリカーボネートを熱風循環式乾燥器により140℃で6時間乾燥して、本発明のポリカーボネート樹脂(A−2)を得た。この固有複屈折率は0.1060、重量平均分子量は2,200であった。
製造例3
攪拌器、温度計、冷却管、ガス導入管を備えた500ミリリットル四つ口フラスコにメタクリル酸メチル100部、n−ブチルメルカプタン0.3部、メチルエチルケトン200部およびベンゾイルパーオキサイド0.5部を加え、窒素ガスで充分置換したのち、少量の窒素ガスを通しながら70℃で6時間重合させた。
冷却後、重合物を大量のヘキサン中に加え、沈澱したポリマーをろ過して、本発明のMMA重合体(B−1)を得た。この固有複屈折率は−0.0043であった。
製造例4
製造例3において、メタクリル酸メチル100部の代わりに、メタクリル酸メチル54部、無水マレイン酸33部、スチレン13部を用いた以外は同様にして、本発明の熱可塑性樹脂(B−2)を得た。この固有複屈折率は−0.0060であった。
製造例5
製造例3において、メタクリル酸メチル100部の代わりに、スチレン90部、アクリロニトリル10部を用いた以外は同様にして、比較のためのスチレン―アクリロニトリル共重合体(B−3)を得た。この固有複屈折率は−0.1100であった。
比較製造例1
製造例1において、ビスフェノールAのプロピレンオキシド2モル付加物51.8部、ビスフェノールAのプロピレンオキシド3モル付加物19.9部、テレフタル酸ジメチルエステル36.7部、触媒としてジブチル錫オキシド0.1部に変更した以外は同様にして、比較のためのポリエステル樹脂(A’−1)を得た。この固有複屈折率は0.1680、重量平均分子量が25500であった。
比較製造例2
製造例2において、ホスゲンの部数を48.6部に変更した以外は同様にして、比較のためのポリカーボネート樹脂(A’−2)を得た。この固有複屈折率は0.1060、重量平均分子量が33,000であった。
実施例1〜4、比較例1〜5
(A−1)、(A−2)、(B−1)、(B−2)、(B−3)、(A’−1)、(A’−2)を表1に示す配合量(重量部)に従ってヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、240℃、50rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練してストランド状に押出し、ペレタイザーで切断して透明樹脂組成物のペレットを得た。
これらを用い、以下の条件で射出成形を行い樹脂成型体を作製して物性評価を行った。
その結果を表1に示す。
Figure 2011157412
射出成形には、射出成形機として日精樹脂工業製PS40ESASEを用いた。
成形条件は240℃に樹脂を加熱し、80℃の金型へ射出し30秒間冷却後、成形品を取り出した。射出時の射出圧および射出速度は、充填不足や板の歪みが無い条件に適宜調整した。
<物性測定方法及び性能評価方法>
以下の方法で、固有複屈折率、重量平均分子量、全光線透過率、ヘイズ、耐熱性(荷重たわみ温度)を測定した。
(1)固有複屈折率
偏光顕微鏡にてセナルモン型コンペンセーターを用いて室温で測定した。また、配向関数の測定は、偏光赤外二色法により測定した。
(2)重量平均分子量の測定
重量平均分子量(Mw)は東ソー製高速GPC装置HLC−8320を使用し、正の熱可塑性樹脂(A)50mgを5mlのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、25℃のTHFにて展開した。重量平均分子量(Mw)はポリスチレン換算値として算出した。
(3)全光線透過率
樹脂組成物を厚さ2±0.2mmの試験片に射出成型した試験片をJIS K 7361−1に記載のシングルビーム法による測定で全光線透過率が85%以上であることを合格と判定した。
なお、透過率の測定には日本電色工業製、NDH−300Aを使用した。
(4)ヘイズ
樹脂組成物を厚さ2±0.2mmの試験片に射出成型した試験片をJIS−K7105に基づく樹脂板(厚み2±0.2mm)内におけるヘイズ(単位%)を以下の数式より算出した。
H=Td/Tt×100
但し、H: ヘイズ(%)、Td: 拡散透過率(%)、Tt: 全光線透過率(%)
最大値が2%以下であることを合格と判定した。
ヘイズの測定には日本電色工業製、NDH−300Aを使用した。
(5)耐熱性(荷重たわみ温度)
JIS−K7207に基づき、樹脂片(Lは127mm、hは3.2mm、bは12.7mm)に成型した樹脂組成物を、曲げ応力18.5N/cmにて荷重たわみ温度を測定した。樹脂片の荷重たわみ温度が70℃以上あれば耐熱性を有すると判定した。
なお、測定機として東洋精機製作所製、荷重たわみ温度試験装置S−3Mを用いた。
表1から明らかなように、正の固有複屈折率を有する熱可塑性樹脂(A)と負の複屈折率を有する熱可塑性樹脂(B)からなる樹脂組成物を用いた実施例1〜4では、固有複屈折が低く、かつ透明性、耐熱性のいずれにおいても良好な性能を達成している。
一方、重量平均分子量が10,000を超える正の固有複屈折率を有する熱可塑性樹脂(A)を使用した比較例1〜5では負の複屈折樹脂との相溶性が不良であるため樹脂が不透明となり光学部品の材料として性能が不足していることを示している。
本発明の透明樹脂組成物を成型して得られる光学フィルムおよび光学成形品は、固有複屈折が低く、かつ耐熱性に優れるため、各種光ディスク(VD、CD、DVD、MD、LD等)基板保護フィルム、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、光拡散フィルム、視野角拡大フィルム、反射フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、輝度向上フィルムなどのフィルム、光ピックアップレンズ、カメラ用レンズ、レンチキュラーレンズなどの光学レンズ、タッチパネル用基板、導光板などの光学基板などに有用である。

Claims (5)

  1. 正の固有複屈折率(Δn0A)を有し重量平均分子量が10,000以下であって分子内に芳香環を有する重縮合体である熱可塑性樹脂(A)と、負の固有複屈折率(Δn0B)を有する熱可塑性樹脂(B)を必須成分として含有する樹脂組成物であって、その固有複屈折率(Δn)の絶対値が1×10−2以下であることを特徴とする透明樹脂組成物(C)。
  2. 該熱可塑性樹脂(A)がポリカーボネート、ポリエステル、およびポリアミドからなる群より選ばれる1種以上である1記載の透明樹脂組成物
  3. 該熱可塑性樹脂(B)が、スチレン系モノマー (b1)、(メタ)アクリル酸誘導体モノマー(b2)および不飽和多塩基酸無水物(b3)からなる群より選ばれる1種以上のモノマー(b)から構成される(共)重合体である請求項1記載の透明樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の透明樹脂組成物を成形して得られることを特徴とする光学成形品。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の透明樹脂組成物を成形して得られることを特徴とする光学フィルム。
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