JP2011156633A - 被加工物保持材 - Google Patents

被加工物保持材 Download PDF

Info

Publication number
JP2011156633A
JP2011156633A JP2010021818A JP2010021818A JP2011156633A JP 2011156633 A JP2011156633 A JP 2011156633A JP 2010021818 A JP2010021818 A JP 2010021818A JP 2010021818 A JP2010021818 A JP 2010021818A JP 2011156633 A JP2011156633 A JP 2011156633A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
workpiece
holding
foam layer
dense
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2010021818A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomohito Tamagawa
智史 玉川
Katsumasa Kawabata
克昌 川端
Hidenobu Mizumoto
英伸 水本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitta DuPont Inc
Original Assignee
Nitta Haas Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitta Haas Inc filed Critical Nitta Haas Inc
Priority to JP2010021818A priority Critical patent/JP2011156633A/ja
Publication of JP2011156633A publication Critical patent/JP2011156633A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

【課題】被加工物を保持する被加工物保持材の保持面からの研磨液などの水分の浸透を抑制できるとともに、強度を高めて破損しにくくする。
【解決手段】基材1に、樹脂溶液を塗工し、湿式凝固して発泡層2を形成し、発泡層2の裏面の基材1を剥離し、発泡層2を、平滑部材3で挟んで加熱加圧し、発泡層2の表裏面2a−1,2b−1側に、気泡等が押し潰されて空隙部が少ない緻密な層2a−1a,2b−1bを形成し、この緻密な層2a−1a,2b−1bによって、研磨液等の浸透を阻止するとともに、強度を高めて破断しにくいものとしている。
【選択図】図2

Description

本発明は、研磨加工などの加工が施される被加工物を保持する被加工物保持材に関する。
半導体ウェハやLCD用ガラス等の被加工物の研磨加工は、例えば、次のようにして行なわれる。すなわち、図16に示すように、研磨装置の上下に対向する定盤の上側定盤9に、研磨加工が施される被加工物10を保持し、下側定盤11に、研磨パッド12を貼り付け、被加工物10の表面を研磨パッド12に圧接させつつ両定盤間に砥粒を含む研磨液を供給しながら両定盤9,11を矢符で示すように相対回転させることにより行なわれる。
従来、被加工物10は、上側定盤9に固定されて被加工物10の裏面を吸着保持する被加工物保持材としてのバッキング材13と、被加工物10の外周を取り囲んで被加工物10がバッキング材13表面で位置ずれするのを防止する枠状のテンプレート14とを用いて上側定盤9に保持される(例えば、特許文献1参照)。
上記バッキング材13としては、例えば、基材に塗工したウレタン樹脂のDMF(ジメチルホルムアミド)溶液層を水中にて湿式凝固させ、温水中で洗浄、熱風で乾燥を行って、図17(a)に示すように基材1上に発泡層2を形成し、所要の厚みに揃えるなどの目的で、図17(b)に示すように、前記発泡層2の表面2aをバフ加工したものが用いられる(例えば、特許文献2参照)。
前記バフ加工後の発泡層2の表面2a−2は、被加工物を吸着保持する保持面となるのであるが、バフ加工では、十分な平滑面が得られず、このため、被加工物の吸着保持力が不十分となっていた。
このため、図18(a)に示すように、基材1上に形成された発泡層2の表面2aをバフ加工することなく、図18(b)に示すように、基材1から発泡層2を剥離し、図18(c)に示すように、表面2aを平坦な圧接ローラ7に圧接し、図18(d)に示すように発泡層2の裏面2b側をバフ加工した後、図18(e)に示すように両面テープ8等に再び接着したバッキング材がある(例えば、特許文献3参照)。
特開平09−321001号公報 特許第3187769号 特開2006−62058号公報
かかるバッキング材では、発泡による多数の気泡(ポア)を有しており、被加工物の研磨加工の際には、被加工物を保持する表面(保持面)から研磨液が浸透して、被加工物の平坦度を悪化させたり、裏面側の基材や両面テープとの接着強度が弱くなって、基材や両面テープから剥がれる場合がある。
また、表面に多数の気泡が開口しているので、表面から亀裂が入って破断しやすく、被研磨物の脱着時に被加工物保持材を破損してしまう場合がある。
本発明は、上述のような点に鑑みて為されたものであって、研磨液などの水分の浸透を抑制できるとともに、強度を高めた被加工物保持材を提供することを目的とする。
本発明では、上記目的を達成するために、次のように構成している。
本発明の被加工物保持材は、発泡層を備えるとともに、前記発泡層の表面が、被加工物を保持する保持面とされる被加工物保持材であって、前記発泡層の表面側には、基材に樹脂溶液を塗工して、湿式凝固されてなる発泡層の表面側に比べて緻密な層が形成されている。
表面側の緻密な層は、その緻密の度合いが、発泡層の厚み方向の中央側へ向かって徐々になだらかに変化するものであってもよい、すなわち、層の境界が明確でなくてもよい。
前記保持面とされる前記発泡層の表面側は、基材に樹脂溶液を塗工して、湿式凝固されてなる発泡層の表面側に比べて、気泡等が押し潰されて空隙部が少なく、緻密化にされているのが好ましく、この緻密化は、樹脂フィルム等の平滑部材を介した加熱加圧処理によって行なわれるのが好ましい。
発泡層は、その表面側よりも裏面側が大きな涙滴状の気泡を有するのが好ましく、また、発泡層の裏面側は、バフ加工することなく、したがって、発泡層の裏面側では、涙滴状の気泡が開口していないのが好ましい。
本発明によると、被加工物を保持する保持面となる発泡層の表面側には、基材に樹脂溶液を塗工して、湿式凝固されてなる発泡層、すなわち、従来の発泡層の表面側に比べて緻密な層が形成されているので、研磨加工の際の研磨液の浸透が、表面の緻密な層によって阻止されることになり、被加工物の平坦度を悪化させたり、発泡層が基材や両面テープから剥離するのを抑制することができる。また、発泡層の表面の緻密な層によって、表面の強度が高まり、破断しにくいものとなる。
好ましい実施形態では、前記緻密な層が形成されている前記発泡層の裏面側には、前記基材に樹脂溶液を塗工して、湿式凝固されてなる前記発泡層を前記基材から剥離した裏面側に比べて緻密な層が形成されている。
この実施形態によると、発泡層の表面側のみならず、裏面側にも緻密な層が形成されるので、研磨加工の際の研磨液の浸透が、表裏面の緻密な層によって阻止されることになり、被加工物の平坦度を悪化させたり、発泡層が基材や両面テープから剥離するのを有効に抑制することができる。また、発泡層の表裏面の緻密な層によって、表裏面の強度が高まり、破断しにくいものとなる。
本発明の被加工物保持材は、発泡層を備えるとともに、前記発泡層の表面が、被加工物を保持する保持面とされる被加工物保持材であって、前記発泡層の表面側には、前記発泡層の縦断面における単位面積当たりの空隙部の割合である空隙率が、3%以下である緻密な層が形成されている。
本発明によると、被加工物を保持する保持面となる発泡層の表面側には、前記発泡層の縦断面における単位面積当たりの空隙部の割合である空隙率が、3%以下と低い緻密な層が形成されているので、研磨加工の際の研磨液の浸透が、表面の緻密な層によって阻止されることになり、被加工物の平坦度を悪化させたり、発泡層が基材や両面テープから剥離するのを抑制することができる。
また、発泡層の表面の緻密な層によって、表面の強度が高まり、破断しにくいものとなる。
好ましい実施形態では、前記発泡層の裏面側には、前記空隙率が、3%以下と低い緻密な層が形成されている。
この実施形態によると、発泡層の表面側のみならず、裏面側にも緻密な層が形成されるので、研磨加工の際の研磨液の浸透が、表裏面の緻密な層によって阻止されることになり、被加工物の平坦度を悪化させたり、発泡層が基材や両面テープから剥離するのを抑制することができる。また、発泡層の表裏面の緻密な層によって、表裏面の強度が高まり、破断しにくいものとなる。
他の実施形態では、前記緻密な層は、前記表面または前記裏面から少なくとも10μmの厚みを有している。
この実施形態によると、緻密な層は、少なくとも10μmの厚みを有しているので、研磨加工の際の研磨液の浸透を有効に阻止できることになり、被加工物の平坦度を悪化させたり、発泡層が基材や両面テープから剥離するのを抑制することができる。また、発泡層の表裏面の強度を十分に高めて、破断しにくいものにできる。
本発明によれば、被加工物を保持する保持面となる発泡層の少なくとも表面側には、空隙部が少ない緻密な層が形成されているので、研磨加工の際の研磨液の浸透が、表面の緻密な層によって阻止されることになり、被加工物の平坦度を悪化させたり、発泡層が基材や両面テープから剥離するのを抑制することができる。また、発泡層の表面の緻密な層によって、表面の強度が高まり、破断しにくいものとなる。
本発明の一つの実施形態に係る被加工物保持材の概略断面図である。 図1の実施形態に係る被加工物保持材の製造工程を示す図である。 ヒートロールによる加熱加圧工程を示す図である。 比較例の500倍の表面側の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例の500倍の表面側の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例の2000倍の表面側の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例の2000倍の表面側の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例の1000倍の裏面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例の1000倍の裏面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例の表面のうねり曲線を示す図である。 実施例の表面のうねり曲線を示す図である。 別の比較例の表面のうねり曲線を示す図である。 別の実施例の表面のうねり曲線を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る被加工物保持材の概略断面図である。 図14の実施形態に係る被加工物保持材の製造工程を示す図である。 研磨装置の概略構成図である。 従来例の製造工程を示す図である。 別の従来例の製造工程を示す図である。
以下、図面によって本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る被加工物保持材の概略断面図である。
この実施形態の被加工物保持材は、湿式凝固法によって形成された多孔質の発泡層2を上層とし、両面テープ4からなる支持層を下層として積層された二層構造である。
この実施形態の被加工物保持材は、被加工物を保持する保持面となる発泡層2の表面2a−1側および発泡層2の裏面2b−1側には、後述の平滑部材を用いた加熱加圧処理によって、気泡等が押し潰されて空隙部が少ない緻密な層2a−1a,2b−1bがそれぞれ形成されている。
図2は、この実施形態の被加工物保持材を製造する工程の一例を示す図である。
この被加工物保持材の製造方法では、先ず、ウレタン樹脂のDMF(ジメチルホルムアミド)溶液を、PETフィルム等の基材1上に塗工し、湿式凝固法により、図2(a)に示すように、基材1上に、涙滴状の気泡などの多数の気泡を有する多孔質の発泡層2を形成する。この発泡層2を、図2(b)に示すように基材1から剥離する。
湿式凝固法によって、発泡層2を形成する工程では、湿式発泡の際に、発泡層が若干収縮するのに対して、PETフィルム等からなる基材1が収縮しないために、発泡層2に歪が生じ、この歪が、被研磨物を保持する発泡層2の表面に筋となって現れ、例えば、2psi以下の低圧研磨においては、前記筋を押し潰すことができないために、研磨面に影響を及ぼす場合があるが、この実施形態では、発泡層2から基材1を剥離するので、発泡層2の歪が解放されることになり、これによって、歪に起因する上記のような不具合が生じることもない。
次に、基材1から剥離した発泡層2の表裏両面2a,2bに図2(c)に示すように、平滑部材としてのPETフィルム等の樹脂フィルム3をそれぞれ重ね、2本のヒートロール間を通過させることによって図2(d)に示すように加熱加圧して一体化する。
その後、表裏面の樹脂フィルム3を図2(e)に示すように剥離する。上記加熱加圧によって、発泡層2の表面2a−1側および裏面2b−1側には、気泡等が押し潰されて空隙部が少なくなった緻密な層2a−1a,2b−1bがそれぞれ形成されている。この緻密な層2a−1a,2b−1bは、図2(b)に示す基材1から剥離した発泡層2の表面2a側および裏面2b側に比べて、空隙部が少なく、緻密となっており、後述の空隙率が、3%以下である。
次に、発泡層2の裏面2b−1に両面テープ4を貼り付けて図2(f)に示すように表面2a−1を被加工物の保持面とした被加工物保持材を得る。
発泡層2を形成するためのウレタン樹脂としては、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系などのウレタン樹脂を用いることができ、異なる種類のウレタン樹脂をブレンドしてもよい。
ウレタン樹脂を溶解させる水溶性有機溶媒としては、上述のジメチルホルムアミドの他、例えば、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド等の溶媒を用いることができる。
この実施形態の被加工物保持材では、基材1から剥がした発泡層2の表裏両面2a,2bに、平滑な樹脂フィルム3を挟んでヒートロールで加熱加圧するので、発泡層2の気泡等が押し潰され、表面2a−1側および裏面2b−1側は、厚み方向の中央部に比べて空隙部が少ない緻密な層2a−1a,2b−1bがそれぞれ形成される。
このように発泡層2の表裏両面2a−1,2b−1側には、加熱加圧によって、気泡等が押し潰された空隙部の少ない緻密な層2a−1a,2b−1bがそれぞれ形成されているので、研磨加工する際に、研磨液の浸透が表裏面の緻密な層2a−1a,2b−1bによって阻止されることになる。これによって、被加工物の平坦度を悪化させたり、発泡層2が、両面テープ4から剥がれるのを抑制することができる。また、表裏両面2a−1,2b−1側の緻密な層2a−1a,2b−1bによって、強度が高まり、破断しにくいものとなり、被研磨物の脱着時に被加工物保持材が破損するのを防止することができる。
また、平滑な樹脂フィルム3を挟んで加熱加圧した後、樹脂フィルム3を剥がすので、発泡層2の表裏両面2a−1,2b−1は平滑なものとなり、これによって、被加工物保持材を保持する保持面となる発泡層2の表面2a−1の吸着保持力が向上する。
更に、発泡層の表面および裏面のいずれもバフ加工する必要がないので、バフ粉が、開口した気泡(ポア)の孔内に残存することがない。
この発泡層2について、次のようにして評価を行った。すなわち、図2(c)に示すように、表裏両面2a,2bに、平滑な樹脂フィルム3を重ねて厚みを1.2mmとした発泡層2を、図3に示すように間隙が1.0mmで、150℃の上下のヒートロール5,6間を1.0m/minで通過させ、その後、樹脂フィルム3を剥離した表面側、すなわち、図2(e)に示される実施例の発泡層2の表面2a−1側を、走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察するとともに、樹脂フィルム3を剥離した裏面、すなわち、図2(e)に示される裏面2b−1を、走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察した。
一方、比較例として、図2(b)に示す基材1から剥離した発泡層2の表面2aおよび裏面2b、すなわち、樹脂フィルム3を重ねたヒートロール5,6による加熱加圧を行っていない発泡層2の表面2aおよび裏面2bについて、同様に、走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察した。
更に、実施例および比較例の発泡層の緻密の度合いを評価するために、発泡層の断面のSEM写真に基づいて、下記のようにして空隙率を測定した。
この空隙率は、発泡層の断面のSEM写真において、単位面積当における空隙部が占める割合(%)を、画像処理ソフト(WinROOF、三谷商事製)を用いて算出した。すなわち、表面から厚み方向中心部に向かって100μmの表面層、裏面から厚み方向中心部に向かって100μmの裏面層、厚み中心から上下に50μmずつの中間層の、それぞれ100μm四方の面積について、WinROOFの測定条件を、コントラスト:100、明るさ:50、閾値:0−200として測定を行った。
図4および図5は、倍率500倍の比較例および実施例の表面の縁部分におけるSEM写真であり、図6および図7は、倍率2000倍の比較例および実施例の表面の縁部分のSEM写真であり、これらの図では、表面の縁部分をSEM像とし、表面および側面を観察できるようにしている。
また、図8および図9は、倍率1000倍の比較例および実施例の裏面のSEM写真である。
樹脂フィルム3を重ねてヒートロール5,6を通過させた後、樹脂フィルム3を剥離した図5および図7に示される実施例の発泡層の表面側は、図4および図6の比較例の発泡層の表面側に比べて、小さな気泡(ポア)がつぶれ、空隙部が少ない緻密な層が形成されるとともに、表面が平滑となっている。
また、図9の実施例の発泡層の裏面も小さな気泡(ポア)がつぶれ、図8の比較例に比べて緻密となっている。
実施例および比較例の上述の空隙率の測定結果を、下記の表1に示す。
この表1に示すように、表面から厚み100μmの表面層の空隙率は、比較例が3.7%であるのに対して、実施例は1.1%と低く、実施例の表面層は、比較例に比べて空隙部が少なく緻密な層となっていることが分かる。また、裏面から厚み100μmの裏面層の空隙率は、比較例が5.8%であるのに対して、実施例が0.7%と低く、実施例の裏面層は、比較例に比べて空隙部が少なく緻密な層となっていることが分かる。
更に、表面層と裏面層との間の厚み100μmの中間層の空隙率は、比較例が83.8%であるのに対して、実施例が48.1%と低く、実施例は、比較例に比べて空隙部が少なく緻密になっていることが分かる。
このように表面層および裏面層は、比較例の表面層および裏面層に比べて、いずれも空隙部が少ない緻密な層となっており、研磨加工する際に、研磨液の浸透が緻密な表面層および裏面層によって阻止されることになる。これによって、研磨液が浸透して被加工物の平坦度を悪化させたり、発泡層が、両面テープから剥がれるのを抑制することができる。更に、開口が押し潰された表面層および裏面層によって、強度が高まり、破断しにくいものとなり、被研磨物の脱着時に被加工物保持材が破損するのを防止することができる。
更に、被加工物保持材を保持する保持面となる発泡層の表面は、平滑な面となっているので、被加工物保持材を保持するための吸着保持力が向上する。
この発泡層の表面の平滑性を評価するために、上記実施例および比較例の表面うねりを測定した。
測定条件は、下記の表2の通りである。
図10に比較例のろ波うねり曲線を、図11に実施例のろ波うねり曲線をそれぞれ示す。
また、実施例と比較例のWa(算術平均うねり)、Wcmax(うねり曲線要素の高さの最大値)、および、Wfpd(ろ波中心線うねり曲線中のある基準長さについての真直度の、評価長さの範囲内での最大値)の計測結果を、表3に示す。
図10、図11および表3に示すように、実施例の発泡層の表面は、比較例に比べて、うねりが低減されていることがわかる。
表3に示されるように、実施例のうねり曲線要素の高さの最大値Wcmaxは、2.18μmであって、3μm以内であるのに対して、比較例のうねり曲線要素の高さの最大値Wcmaxは、5.93μmである。
したがって、実施例の被加工物保持材によれば、被加工物の平坦性を改善することができる。
更に、実施例の発泡層の裏面に両面テープを貼り付けた被加工物保持材の圧縮率を測定した。
圧縮率は、サンプルに初期荷重を1分間かけたときの厚みT1を測定し、続けて第二荷重を1分間かけたときの厚みT2を測定し、次式によって算出した。
圧縮率(%)=[(T1−T2)/T1]×100
実施例の被加工物保持材の圧縮率は、35.1%であった。
この圧縮率は、20%〜60%であるのが好ましい。
また、上記実施例および比較例とは、組成の異なる低モジュラスの発泡ポリウレタン樹脂を用いて別の実施例および別の比較例を製作し、同様に表面うねりを計測した。
図12に比較例のろ波うねり曲線を、図13に実施例のろ波うねり曲線をそれぞれ示す。
また、実施例と比較例のWa、Wcmaxおよび、Wfpdの計測結果を、表4に示す。
図12、図13および表4に示すように、組成の異なるポリウレタン発泡樹脂であっても、うねりが低減されていることがわかる。
表4に示されるように、実施例のうねり曲線要素の高さの最大値Wcmaxは、2.06μmであって、3μm以内であるのに対して、比較例のうねり曲線要素の高さの最大値Wcmaxは、3.33μmである。
図14は、本発明の他の実施形態の被加工物保持材の概略断面図であり、上述の図1に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
この実施形態の被加工物保持材は、基材1上に、多孔質の発泡層2が湿式凝固法によって形成されたものであって、被加工物を保持する保持面となる発泡層2の表面2a−1側には、上述の実施形態と同様に平滑部材を用いた加熱加圧処理によって、気泡等が押し潰されて空隙部が少ない緻密な層2a−1aが形成されている。
図15は、この実施形態に係る被加工物保持材の製造工程を示す図であり、上述の図2に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
この実施形態の被加工物保持材の製造方法では、先ず、ウレタン樹脂のDMF(ジメチルホルムアミド)溶液を、PETフィルム等の基材1上に塗工し、湿式凝固法により、図15(a)に示すように、基材1上に、涙滴状の気泡などの多数の気泡を有する多孔質の発泡層2を形成する。
次に、発泡層2が形成された基材1を、図15(b)に示すように、樹脂フィルム3で挟んで、2本のヒートロール間を通過させることによって図15(c)に示すように加熱加圧して一体化する。その後、表裏面の樹脂フィルム3を図15(d)に示すように剥離し、表面2a−1を被加工物の保持面とした被加工物保持材を得るものである。
この実施形態の被加工物保持材では、発泡層2の表面に樹脂フィルム3を重ねてヒートロールによる加熱加圧を行うので、発泡層2の表面2a−1側には、気泡等が押し潰されて空隙部が少ない緻密な層2a−1aが形成されるとともに、表面2a−1が平滑となっている。
その他の構成は、上述の実施の形態と同様である。
本発明は、半導体ウェハや精密ガラス基板などの研磨に有用である。
1 基材 2 発泡層
3 樹脂フィルム 4 両面テープ
5,6 ヒートロール

Claims (5)

  1. 発泡層を備えるとともに、前記発泡層の表面が、被加工物を保持する保持面とされる被加工物保持材であって、
    前記発泡層の表面側には、基材に樹脂溶液を塗工して、湿式凝固されてなる発泡層の表面側に比べて緻密な層が形成されていることを特徴とする被加工物保持材。
  2. 前記緻密な層が形成されている前記発泡層の裏面側には、前記基材に樹脂溶液を塗工して、湿式凝固されてなる前記発泡層を前記基材から剥離した裏面側に比べて緻密な層が形成されている請求項1に記載の被加工物保持材。
  3. 発泡層を備えるとともに、前記発泡層の表面が、被加工物を保持する保持面とされる被加工物保持材であって、
    前記発泡層の表面側には、前記発泡層の縦断面における単位面積当たりの空隙部の割合である空隙率が、3%以下である緻密な層が形成されていることを特徴とする被加工物保持材。
  4. 前記発泡層の裏面側には、前記空隙率が、3%以下である緻密な層が形成されている請求項3に記載の被加工物保持材。
  5. 前記緻密な層は、前記表面または前記裏面から少なくとも10μmの厚みを有する請求項1ないし4のいずれか一項に記載の被加工物保持材。
JP2010021818A 2010-02-03 2010-02-03 被加工物保持材 Withdrawn JP2011156633A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010021818A JP2011156633A (ja) 2010-02-03 2010-02-03 被加工物保持材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010021818A JP2011156633A (ja) 2010-02-03 2010-02-03 被加工物保持材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011156633A true JP2011156633A (ja) 2011-08-18

Family

ID=44589064

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010021818A Withdrawn JP2011156633A (ja) 2010-02-03 2010-02-03 被加工物保持材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011156633A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014097554A (ja) * 2012-11-15 2014-05-29 Fujibo Holdings Inc 保持パッド及びその製造方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0741169A (ja) * 1993-07-29 1995-02-10 Central Glass Co Ltd 薄板ガラスの持着具およびその搬送方法
JP2002355754A (ja) * 2001-05-31 2002-12-10 Rodel Nitta Co 被研磨物保持用のバッキング材の製造方法
JP2004090119A (ja) * 2002-08-30 2004-03-25 Central Glass Co Ltd 板状体の片面研磨装置および該装置に用いるバックパッドとその成形方法
JP2004090121A (ja) * 2002-08-30 2004-03-25 Central Glass Co Ltd 板状体の片面研磨装置、該装置に用いるバックパッドおよびその作製方法
JP2004345023A (ja) * 2003-05-22 2004-12-09 Central Glass Co Ltd ガラス基板を吸着保持するための吸着パッドとその成形方法
JP2005011972A (ja) * 2003-06-18 2005-01-13 Nitta Haas Inc 被研磨加工物の保持材およびこの保持材の製造方法
JP2005153053A (ja) * 2003-11-25 2005-06-16 Fuji Spinning Co Ltd 研磨布及び研磨布の製造方法
JP2008055528A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Fujibo Holdings Inc 保持パッド

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0741169A (ja) * 1993-07-29 1995-02-10 Central Glass Co Ltd 薄板ガラスの持着具およびその搬送方法
JP2002355754A (ja) * 2001-05-31 2002-12-10 Rodel Nitta Co 被研磨物保持用のバッキング材の製造方法
JP2004090119A (ja) * 2002-08-30 2004-03-25 Central Glass Co Ltd 板状体の片面研磨装置および該装置に用いるバックパッドとその成形方法
JP2004090121A (ja) * 2002-08-30 2004-03-25 Central Glass Co Ltd 板状体の片面研磨装置、該装置に用いるバックパッドおよびその作製方法
JP2004345023A (ja) * 2003-05-22 2004-12-09 Central Glass Co Ltd ガラス基板を吸着保持するための吸着パッドとその成形方法
JP2005011972A (ja) * 2003-06-18 2005-01-13 Nitta Haas Inc 被研磨加工物の保持材およびこの保持材の製造方法
JP2005153053A (ja) * 2003-11-25 2005-06-16 Fuji Spinning Co Ltd 研磨布及び研磨布の製造方法
JP2008055528A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Fujibo Holdings Inc 保持パッド

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014097554A (ja) * 2012-11-15 2014-05-29 Fujibo Holdings Inc 保持パッド及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10201886B2 (en) Polishing pad and method for manufacturing the same
JP5297096B2 (ja) 研磨布
JP3024373B2 (ja) シート状弾性発泡体及びウェーハ研磨加工用治具
JP4943766B2 (ja) 被加工物保持材およびその製造方法
KR101588925B1 (ko) 유지 패드
KR20070008567A (ko) 층상 지지체 및 cmp 패드 적층 방법
JP2007260884A (ja) 研磨布
KR101595149B1 (ko) 유지 패드
TW201628785A (zh) 硏磨墊
JP5436959B2 (ja) 被加工物保持材の製造方法
JP5127990B1 (ja) 片面研磨用保持材
JP5222070B2 (ja) 研磨パッド
JP2006062059A (ja) 保持パッド及び保持パッドの製造方法
JP2011156633A (ja) 被加工物保持材
JP6119049B2 (ja) 保持パッド及びその製造方法
JP5976623B2 (ja) 被加工物保持材
JP5916982B2 (ja) 被加工物保持材
JP2008023625A (ja) 被加工物保持材
JP6268432B2 (ja) 研磨パッド及び研磨パッドの製造方法
JP5254883B2 (ja) 発泡体の製造方法
JP2002059357A (ja) 研磨パッドおよび研磨装置ならびに研磨方法
JP2010082703A (ja) 研磨パッド用クッションシート
JP5478943B2 (ja) 被加工物保持材
JP5992258B2 (ja) 被研磨物保持材
JP6987584B2 (ja) 保持パッドの製造に用いるための積層体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121004

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131029

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140603

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140902

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20140909

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20140926

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150724

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20151218