JP2004090121A - 板状体の片面研磨装置、該装置に用いるバックパッドおよびその作製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス基板、ウェハ等の板状体の表面を研磨する片面研磨において、研磨作業後の基板に発生する円弧状の研磨ムラを防止する。
【解決手段】両面粘着シートを貼着した多孔質樹脂製の軟質シートを所定の形状に切断したバックパッドの、外周縁部に樹脂液を塗布することにより、薄膜を形成して外周縁部の空孔および細孔をつぶし、研磨作業時の外周縁部からの研磨液の吸水を防止したバックパッドを、加圧定盤下面に両面粘着シートで貼着して片面研磨装置に用いる。
【選択図】図1
【解決手段】両面粘着シートを貼着した多孔質樹脂製の軟質シートを所定の形状に切断したバックパッドの、外周縁部に樹脂液を塗布することにより、薄膜を形成して外周縁部の空孔および細孔をつぶし、研磨作業時の外周縁部からの研磨液の吸水を防止したバックパッドを、加圧定盤下面に両面粘着シートで貼着して片面研磨装置に用いる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、板状体、例えば、液晶ディスプレイ用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、磁気ディスク用ガラス基板、シリコンウェハ等、特に液晶ディスプレイ用基板の片側を支持し、その反対側の表面を研磨する片面研磨装置および該装置に用いるバックパッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイ用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、磁気ディスク用ガラス基板、シリコンウェハ等に使用する基板の製造直後の表面は、完全な平滑面ではなく、多少のうねりやマイクロコルゲ−ション、凹凸、キズ等を有している。よって、通常、これらの基板は、表面研磨して平滑な面に加工される。
【0003】
従来、一般的に行われているオスカー式研磨機等による片面研磨は、上部の加圧定盤に、基板が収まる開口穴を開けた基板ホルダーを貼り付け、基板を基板ホルダーに保持した状態で、酸化セリウム等の微粉からなる研磨材を水に懸濁させスラリーとした研磨液を供給しつつ、回転する下側の研磨盤に貼着した研磨布に片面を押しつけて研磨加工する方法で行われる。
【0004】
尚、オスカー式研磨機においては、上側の加圧定盤と下側の研磨盤の揺動運動および回転によって基板の研磨面を均一に研磨している。即ち、通常、加圧定盤は揺動自在なアームに自転可能に取り付けられ、この加圧定盤には基板を保持するための保持具が取り付けられている。
【0005】
この保持具は、加圧定盤の下面側に接着材または粘着材によって貼着される発泡弾性体等のバックアップ部材と、バックアップ部材の下面側に接着材によって固着されるベークライト等の保持板、即ち、基板ホルダーからなる。このキャリアの中央部には、基板の大きさおよび形状に合わせた開口穴がある。
【0006】
例えば、特開平5−123963号公報に示される液晶用大型マスク基板のように無欠陥、高精度が要求される場合は加圧定盤側に軟質の布を貼り付けるという方法が開示されている。
【0007】
特開平6−238559号公報にて、キャリア側面部にまで軟質の布を貼り付け基板の端面部におけるクラック、割れ、キズの発生を防止する方法が開示されている。
【0008】
更に、特開平7−136927号公報にて、軟質の布に親水性物質を塗り布の乾燥をなくし布の劣化を抑制し交換による工数を削減する方法が開示されている。
【0009】
一方、加圧定盤側に基板を保持するためのキャリアを用いない片面研磨機において、基板の片面を研磨する際、上側の加圧定盤に貼着したバックパッドと通称する多孔質軟質樹脂からなる厚さ1mm程度の発泡シートに、基板を密着させた状態で、該バックパッドと下側の研磨盤に貼着した研磨布の間に、研磨対象である基板を挟み込み、研磨液を供給しながら、加圧定盤で研磨布に押し付け、下側の研摩盤を回転させることによって基板の片面を研磨する。
【0010】
詳しくは、両面粘着シートを予め全面に貼ったバックパッドを、加圧定盤の下面側にもう一方の粘着面により貼り付けた後で、基板の非研磨面側をバックパッド下面側に密着固定させる。バックパッドに適量の水を含ませ、加圧ローラ等を用いて基板を密着させると、水の表面張力およびバックパッドの粘着性で、基板がバックパッド下面側に固定される。密着固定した基盤の研磨面側を、加圧定盤で回転する研磨盤上に両面粘着シートで貼り付けられた研磨布に、加圧定盤で押圧して研磨する。
【0011】
加圧定盤側に基板を保持するための基板ホルダーを用いない該片面研磨機は、基板ホルダー内に基板を保持する必要がないので、加圧ローラ等を用いることで、バックパッドへの基板の密着固定が容易に行える。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、研磨作業開始後、数時間すると研磨後の基板に外周に沿った円弧状の研磨ムラが発生するという問題があった。研磨ムラの発生した基板は製品として出荷できず、歩留まりが低下する。
【0013】
また、研磨ムラは、作業開始後、数時間すると発生するのでバックパッドを頻繁に交換せざるを得ず、バックパッドの交換による工程停止回数が増え、稼働時間が短くなる。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これら問題を解決する方法を検討した結果、バックパッドの外周部側面の空孔、および研磨時に基板が密着しないバックパッドの外周縁部表面の多数の細孔より、バックパッド内部に研磨液が吸収されることを防止することが効果的であることがわかった。
【0015】
即ち、本発明は、多孔質樹脂製の発泡シートからなるバックパッドにより保持した板状体を、回転する研磨盤上の研磨布に加圧定盤にて押圧して、板状体表面を研磨する片面研磨装置において、所定の形状に切断されたバックパッドの外周縁部に樹脂からなる薄膜を形成したバックパッドを加圧定盤下面に両面粘着シートで貼着したことを特徴とする板状体の片面研磨装置である。
【0016】
更に、本発明は、上記の片面研磨装置で使用する、片側に両面粘着シートが貼られている多孔質樹脂製の発泡シートであって、両面粘着シートが貼着されている面を除くその外周縁部に樹脂液を塗布し厚み1μm以上、20μm以下の樹脂からなる薄膜を形成したバックパッドである。
【0017】
更に、本発明は、片面に両面粘着シートが貼られている多孔質樹脂製の発泡シートをバックパッドの所定の形状に切断し、両面粘着シートが貼着されている面を除くその外周縁部に樹脂液を塗布具により塗布することで樹脂からなる薄膜を形成することを特徴とする上記の片面研磨装置で使用するバックパッドの作製方法である。
【0018】
オスカー式研磨機による、加圧定盤側に基板を保持するための基板ホルダーを用いない片面研磨作業において、バックパッドに基板が密着固定された状態で、両面粘着シートで研磨布を貼り付けた研磨盤を回転させ、研磨液を供給しつつ、加圧定盤にて研磨布に基板の研磨面側を押しつけ、バックパッドに密着固定された基板がずれない程度の研磨速度にて片面研磨を行う。研磨作業時に、研磨対象である基板表面とバックパッド間に水膜が生じると基板表面とバックパッドの密着が悪くなり、バックパッド下面に密着固定された基板が滑る。水膜を生じさせない様にバックパッド表面および内部に細孔が開いている必要があり、バックパッドの材質に表面および内部に細孔の開いた厚み1mm程度の多孔質樹脂からなる発泡シートを使用する。バックパッドには通常ウレタン樹脂が使用される。
【0019】
バックパッドは、多孔質樹脂からなる発泡シートであり、基板を密着固定する側の細孔は微細であり加圧定盤に貼り付ける側の空孔は大きい。バックパッド側面部分には大きな空孔、バックパッドの基板を密着固定する側の表面には細孔が開いているので、液晶ディスプレイ用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、磁気ディスク用ガラス基板、シリコンウェハ等の基板表面の研磨作業を連続して行うと、バックパッド側面部分の空孔、表面部分の細孔よりバックパッド内部に研磨液が吸収される。
【0020】
本発明者らが鋭意検討したところ、バックパッドを片面研磨時に使用する寸法に切断した際のバックパッド周辺断面部、即ち、外周側面の空孔、研磨作業時にバックパッドにガラス基板を密着固定する側のバックパッド表面の細孔より研磨液が吸収される。一方、ガラス基板が貼り付けられているバックパッド表面は、ガラス基板で細孔が塞がれていることにより研磨液が吸収されないために、ガラス基板の研磨作業を続けると、バックパッド外周部に沿って研磨液の含有過多の部分が生じる。バックパッド外周の研磨液の含有が過多な部分と、バックパッドの中心部を含む研磨液の含有が少ない部分のバックパッドの硬度が異なるために、研磨圧がバックパッドの外周部と中心部で異なるという異常が生じ、研磨作業後の基板研磨面に研磨作業時より数時間で円弧状の研磨ムラが発生することが判った。
【0021】
そこで、例えば最初にバックパッドを形成する段階で、バックパッドを所定の寸法に形成し、端部を空孔がない状態に仕上げることも考えられるが、研磨する基板のサイズは多様であり、大きなシートからカッターナイフ等の切断具を用いて、基板のサイズにあわせて切断して用いる方が、遥かに効率的である。また、切断面を熱溶融させることも考えられるが、切断面に粘着シートがあるため熱溶融しづらいこと、熱溶融すると切断面が厚くなり圧縮しないことにより、バックパッドより薄い基板を研磨しづらくなるという問題があった。また、バックパッドの外周側面部分のみの表面加工では、研磨時に基板が密着していないバックパッド外周縁部の表面の細孔からの研磨液の吸収を防止できない。
【0022】
バックパッド外周縁部の研磨液の含有が過多な部分と、バックパッドの中心部を含むそうでない部分のバックパッドの硬度が異なるため、研磨圧がバックパッドの外周部と中心部で異なるという異常が生じ、研磨作業後の基板外周部に円弧状の研磨ムラが発生する問題を解決するために、本発明者らは、より適切な手段を検討した結果、バックパッドの外周縁部の特定領域に樹脂液を塗布し樹脂からなる薄膜を形成し研磨液のバックパッドへの吸収を防止する手段を見出した。樹脂からなる薄膜を形成するバックパッド表面の特定領域は、バックパッドを切断した際の断面部の開孔が極めて大きいため、研磨液が容易に吸収しうるバックパッドの外周側面部分、およびバックパッドの外周端部からガラス基板をバックパッドに固定した際に、ガラス基板の内側となる部分までである。
【0023】
ガラス基板が密着しないバックパッドの外周縁部の幅は基板端部より2mm以上である。2mmより小さいと、ガラス基板をバックパッドに密着固定する際の作業性が低下すると共に、研磨時、バックパッドに密着固定したガラス基板を回転する研磨盤に貼着した研磨布に加圧定盤にて押圧した際、バックパッド上でずれることがあり、ずれに対応できない。ガラス基板をバックパッドに密着固定する際の作業性より、ガラス基板が、密着しない外周縁部の幅は、好ましくは10mm以上、15mm以下である。また、ガラス基板の内側となる部分の塗布はガラス基板の外周端部より5mm以上、30mm以下、特に好ましくは10mm以上、25mm以下である。
【0024】
塗布する樹脂からなる薄膜の材料としては、非常に薄く塗れるのでシリコーン樹脂が有効だが、バックパッドに薄く塗布できればウレタン樹脂等、他の樹脂を用いてもよい。
【0025】
コートする樹脂からなる薄膜の厚さは1μm以上20μm以下、特に好ましくは、2μm以上5μm以下である。1μmより薄いとバックパッド外周側面部分の空孔を塞ぐことができず研磨液の吸収を防止できない。20μmより厚いと、バックパッド表面の樹脂からなる薄膜を形成した領域としていない領域の境界部で、樹脂膜自体の厚みによるバックパッド表面の段差のため研磨後のガラス基板に研磨ムラが発生する。
【0026】
本発明のバックパッドは、加圧定盤側に基板を保持するための基板ホルダーを用いない片面研磨機に使用するに好適である。
【0027】
【発明の実施の形態】
図5は、片面研磨装置の主要部の側面図である。ガラス基板2を片面研磨する際は、上側に加圧定盤8を配し、研磨対象であるガラス基板2を挟み込み、酸化セリウムの微粉を水に懸濁させスラリーとした研磨液を供給しつつ、下側の研磨盤9を回転させることによって研磨する。詳しくは、加圧定盤8の下面に両面粘着シート7でバックパッド1と通称する発泡シートを貼り付け、更に、バックパッド1の下面側にガラス基板2の非研磨面側を密着固定する。ガラス基板2のバックパッド1への固定は、バックパッド1に水を含ませ、ガラス基板2を接触させると水の表面張力およびバックパッド1の粘着性で、ガラス基板2が強く密着しバックパッド1に固定する。自転軸11を中心に回転可能な加圧定盤8を加圧し、固定したガラス基板2の下面である研磨面側を回転駆動軸12を中心に回転する研磨盤9に両面粘着シート7’で貼り付けた研磨布10に押しつけることによって研磨加工を行う。
【0028】
以下、図面に従って本発明の片面研磨用バックパッド1について説明する。図2は、バックパッドに樹脂からなる薄膜を形成した状態の平面図である。図3は、ガラス基板を取り付けたバックパッドの平面図である。図2、図3に示すように、ガラス基板2をバックパッド1に密着固定したときに、ガラス基板2の内側となる部分までバックパッド1に樹脂液を塗布し、樹脂からなる薄膜3を形成している。図4に、図3のA−A’における断面図を示す。
【0029】
図1は、バックパッド1へガラス基板を取り付けた状態の部分拡大断面図である。図1に示すように、バックパッド1を両面粘着シート7により加圧定盤8の下面側に貼り付ける。バックパッド1の断面は上側に大きな空孔4があり下側に海綿状部5があり、下側表面に細孔6が開いている。樹脂液を塗布し樹脂からなる薄膜3を形成することにより、外周縁部の空孔4、細孔6がつぶれ、バックパッド1の外周縁部より研磨液が吸収されることがない。
【0030】
【実施例】
実施例1
図5に示す片面研磨装置を用いて、板厚、0.7mm、サイズ、360mm×460mmの液晶ディスプレイ向けガラス基板2の片面研磨を行った。バックパッド1の外周部側面、および該ガラス基板2を密着固定させた際に、ガラス基板2の端部から25mm内側までのバックパッド1の下面側周辺縁部に、シリコーン樹脂溶液を刷毛で塗布し、ドライヤーにて熱風乾燥して硬化させ、厚み、2〜5μmの薄膜を形成した。次いで、該バックパッド1を加圧定盤8の下面側に両面粘着シート7を用いて貼り付けた後に吸水させて、該バックパッド1の下面側にガラス基板2を密着固定させた。
【0031】
前述のようにして形成した薄膜で、バックパッド1の周縁縁部からの吸水過多を抑制し、研磨圧100g/cm2、研磨時間300秒/枚の研磨条件で片面研磨作業を行ったところ、連続使用後4日間が経過しても、研磨後の液晶ディスプレイ用ガラス基板の外周部に、円弧状の研磨ムラは発生しなかった。バックパッド1のショアA硬度を測定したところ、使用前、水分を含んだ状態で14度であり、研磨使用後のバックパッドの中心部、外周縁部ともに14度であり、研磨使用前後のショアA硬度に変化がなかった。
比較例1
バックパッド1の外周部側面のみにシリコーン樹脂を刷毛で塗布し、ドライヤーにて熱風乾燥して硬化させ、厚み、2〜5μmの樹脂からなる薄膜とした。加圧定盤8の下面側に両面粘着シート7を用いて貼り付けた該バックパッド1の下面側に、該ガラス基板2を密着固定した後、実施例と同条件で片面研磨を行ったところ、ガラス基板2が密着していないバックパッド1の下面側周辺縁部より、バックパッド1の内部への研磨液の吸収が発生し、連続使用後、2日間経過したところで、研磨後のガラス基板の外周縁部に円弧状の研磨ムラが発生した。バックパッド1のショアA硬度を測定したところ、使用前、水分を含んだ状態で14度であり、研磨使用後のバックパッドの中心部が14度、外周縁部が11度であり研磨使用後、外周縁部のショアA硬度に低下が認められた。
比較例2
バックパッド1の外周縁部に薄膜を成形することなしに、前記ガラス基板2をバックパッド1の下面に密着固定させ、該ガラス基板2をバックパッド1の実施例と同条件で研磨したところ、連続使用後、2時間経過したところで、研磨後のガラス基板2の外周縁部に円弧状の研磨ムラが発生した。バックパッド1のショアA硬度を測定したところ、使用前、水分を含んだ状態で14度であり、研磨使用後のバックパッド1の中心部が14度、外周縁部が11度であり研磨使用後、外周縁部のショアA硬度に低下が認められた。
比較例3
バックパッド1の外周部側面、該ガラス基板2を密着固定させるバックパッド1の下面側にガラス基板を密着固定させた際に、ガラス基板2の端部から25mm内側部までのバックパッド1の下面側周辺縁部にウレタン樹脂溶液を刷毛で塗布しドライヤーにて熱風乾燥して硬化させ、厚み、20〜25μmの樹脂からなる薄膜とした。加圧定盤8の下面側に両面粘着シート7を用いて貼り付けた該バックパッド1の下面側にガラス基板2を密着固定した後、実施例と同条件で片面研磨を行ったところ、樹脂を塗布した部分と塗布していない部分の境界部でガラス基板2の外周部に樹脂からなる薄膜の段差による研磨ムラが発生した。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、バックパッド外周縁部に樹脂液を塗布し樹脂からなる薄膜を形成することにより、研磨作業時にバックパッド外周縁部より内部に研磨液が吸収しなくなり、研磨液の吸収によるバックパッドの硬度変化が原因となって発生する液晶ディスプレイ用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、磁気ディスク用ガラス基板、シリコンウェハ等に使用する基板の研磨面に研磨ムラが生じないことから、高精度のガラス基板、特に液晶ディスプレイ用ガラス基板が製造でき、研磨作業の歩留まりを向上させることができる。
【0033】
又、本発明により研磨作業後の液晶ディスプレイ用ガラス基板に研磨ムラが発生しないので、研磨ムラ発生部を切り落とす必要が無くガラス基板の面積一杯まで使用できるため、ガラス基板の研磨面を有効に使用でき、発明以前に比較して材料であるガラス基板のサイズに対して大きな液晶表示素子を製作できる。
【0034】
更に、本発明によれば研磨作業においてバックパッドへの研磨液の吸収を防止することにより、バックパッドの寿命が延び交換回数が減ることにより、作業効率が向上しコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において、バックパッドへガラス基板を取り付けた状態の部分拡大断面図である。
【図2】本発明の実施例において、バックパッドに樹脂からなる薄膜を形成した状態の平面図である。
【図3】本発明の実施例において、ガラス基板を取り付けたバックパッドの平面図である。
【図4】本発明の実施例においてガラス基板を取り付けたバックパッドの樹脂からなる薄膜形成状体の断面図である。
【図5】本発明の片面研磨装置の主要部の側面図である。
【符号の説明】
1 バックパッド
2 ガラス基板
3 樹脂からなる薄膜
4 空孔
5 海綿状部
6 細孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、板状体、例えば、液晶ディスプレイ用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、磁気ディスク用ガラス基板、シリコンウェハ等、特に液晶ディスプレイ用基板の片側を支持し、その反対側の表面を研磨する片面研磨装置および該装置に用いるバックパッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイ用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、磁気ディスク用ガラス基板、シリコンウェハ等に使用する基板の製造直後の表面は、完全な平滑面ではなく、多少のうねりやマイクロコルゲ−ション、凹凸、キズ等を有している。よって、通常、これらの基板は、表面研磨して平滑な面に加工される。
【0003】
従来、一般的に行われているオスカー式研磨機等による片面研磨は、上部の加圧定盤に、基板が収まる開口穴を開けた基板ホルダーを貼り付け、基板を基板ホルダーに保持した状態で、酸化セリウム等の微粉からなる研磨材を水に懸濁させスラリーとした研磨液を供給しつつ、回転する下側の研磨盤に貼着した研磨布に片面を押しつけて研磨加工する方法で行われる。
【0004】
尚、オスカー式研磨機においては、上側の加圧定盤と下側の研磨盤の揺動運動および回転によって基板の研磨面を均一に研磨している。即ち、通常、加圧定盤は揺動自在なアームに自転可能に取り付けられ、この加圧定盤には基板を保持するための保持具が取り付けられている。
【0005】
この保持具は、加圧定盤の下面側に接着材または粘着材によって貼着される発泡弾性体等のバックアップ部材と、バックアップ部材の下面側に接着材によって固着されるベークライト等の保持板、即ち、基板ホルダーからなる。このキャリアの中央部には、基板の大きさおよび形状に合わせた開口穴がある。
【0006】
例えば、特開平5−123963号公報に示される液晶用大型マスク基板のように無欠陥、高精度が要求される場合は加圧定盤側に軟質の布を貼り付けるという方法が開示されている。
【0007】
特開平6−238559号公報にて、キャリア側面部にまで軟質の布を貼り付け基板の端面部におけるクラック、割れ、キズの発生を防止する方法が開示されている。
【0008】
更に、特開平7−136927号公報にて、軟質の布に親水性物質を塗り布の乾燥をなくし布の劣化を抑制し交換による工数を削減する方法が開示されている。
【0009】
一方、加圧定盤側に基板を保持するためのキャリアを用いない片面研磨機において、基板の片面を研磨する際、上側の加圧定盤に貼着したバックパッドと通称する多孔質軟質樹脂からなる厚さ1mm程度の発泡シートに、基板を密着させた状態で、該バックパッドと下側の研磨盤に貼着した研磨布の間に、研磨対象である基板を挟み込み、研磨液を供給しながら、加圧定盤で研磨布に押し付け、下側の研摩盤を回転させることによって基板の片面を研磨する。
【0010】
詳しくは、両面粘着シートを予め全面に貼ったバックパッドを、加圧定盤の下面側にもう一方の粘着面により貼り付けた後で、基板の非研磨面側をバックパッド下面側に密着固定させる。バックパッドに適量の水を含ませ、加圧ローラ等を用いて基板を密着させると、水の表面張力およびバックパッドの粘着性で、基板がバックパッド下面側に固定される。密着固定した基盤の研磨面側を、加圧定盤で回転する研磨盤上に両面粘着シートで貼り付けられた研磨布に、加圧定盤で押圧して研磨する。
【0011】
加圧定盤側に基板を保持するための基板ホルダーを用いない該片面研磨機は、基板ホルダー内に基板を保持する必要がないので、加圧ローラ等を用いることで、バックパッドへの基板の密着固定が容易に行える。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、研磨作業開始後、数時間すると研磨後の基板に外周に沿った円弧状の研磨ムラが発生するという問題があった。研磨ムラの発生した基板は製品として出荷できず、歩留まりが低下する。
【0013】
また、研磨ムラは、作業開始後、数時間すると発生するのでバックパッドを頻繁に交換せざるを得ず、バックパッドの交換による工程停止回数が増え、稼働時間が短くなる。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これら問題を解決する方法を検討した結果、バックパッドの外周部側面の空孔、および研磨時に基板が密着しないバックパッドの外周縁部表面の多数の細孔より、バックパッド内部に研磨液が吸収されることを防止することが効果的であることがわかった。
【0015】
即ち、本発明は、多孔質樹脂製の発泡シートからなるバックパッドにより保持した板状体を、回転する研磨盤上の研磨布に加圧定盤にて押圧して、板状体表面を研磨する片面研磨装置において、所定の形状に切断されたバックパッドの外周縁部に樹脂からなる薄膜を形成したバックパッドを加圧定盤下面に両面粘着シートで貼着したことを特徴とする板状体の片面研磨装置である。
【0016】
更に、本発明は、上記の片面研磨装置で使用する、片側に両面粘着シートが貼られている多孔質樹脂製の発泡シートであって、両面粘着シートが貼着されている面を除くその外周縁部に樹脂液を塗布し厚み1μm以上、20μm以下の樹脂からなる薄膜を形成したバックパッドである。
【0017】
更に、本発明は、片面に両面粘着シートが貼られている多孔質樹脂製の発泡シートをバックパッドの所定の形状に切断し、両面粘着シートが貼着されている面を除くその外周縁部に樹脂液を塗布具により塗布することで樹脂からなる薄膜を形成することを特徴とする上記の片面研磨装置で使用するバックパッドの作製方法である。
【0018】
オスカー式研磨機による、加圧定盤側に基板を保持するための基板ホルダーを用いない片面研磨作業において、バックパッドに基板が密着固定された状態で、両面粘着シートで研磨布を貼り付けた研磨盤を回転させ、研磨液を供給しつつ、加圧定盤にて研磨布に基板の研磨面側を押しつけ、バックパッドに密着固定された基板がずれない程度の研磨速度にて片面研磨を行う。研磨作業時に、研磨対象である基板表面とバックパッド間に水膜が生じると基板表面とバックパッドの密着が悪くなり、バックパッド下面に密着固定された基板が滑る。水膜を生じさせない様にバックパッド表面および内部に細孔が開いている必要があり、バックパッドの材質に表面および内部に細孔の開いた厚み1mm程度の多孔質樹脂からなる発泡シートを使用する。バックパッドには通常ウレタン樹脂が使用される。
【0019】
バックパッドは、多孔質樹脂からなる発泡シートであり、基板を密着固定する側の細孔は微細であり加圧定盤に貼り付ける側の空孔は大きい。バックパッド側面部分には大きな空孔、バックパッドの基板を密着固定する側の表面には細孔が開いているので、液晶ディスプレイ用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、磁気ディスク用ガラス基板、シリコンウェハ等の基板表面の研磨作業を連続して行うと、バックパッド側面部分の空孔、表面部分の細孔よりバックパッド内部に研磨液が吸収される。
【0020】
本発明者らが鋭意検討したところ、バックパッドを片面研磨時に使用する寸法に切断した際のバックパッド周辺断面部、即ち、外周側面の空孔、研磨作業時にバックパッドにガラス基板を密着固定する側のバックパッド表面の細孔より研磨液が吸収される。一方、ガラス基板が貼り付けられているバックパッド表面は、ガラス基板で細孔が塞がれていることにより研磨液が吸収されないために、ガラス基板の研磨作業を続けると、バックパッド外周部に沿って研磨液の含有過多の部分が生じる。バックパッド外周の研磨液の含有が過多な部分と、バックパッドの中心部を含む研磨液の含有が少ない部分のバックパッドの硬度が異なるために、研磨圧がバックパッドの外周部と中心部で異なるという異常が生じ、研磨作業後の基板研磨面に研磨作業時より数時間で円弧状の研磨ムラが発生することが判った。
【0021】
そこで、例えば最初にバックパッドを形成する段階で、バックパッドを所定の寸法に形成し、端部を空孔がない状態に仕上げることも考えられるが、研磨する基板のサイズは多様であり、大きなシートからカッターナイフ等の切断具を用いて、基板のサイズにあわせて切断して用いる方が、遥かに効率的である。また、切断面を熱溶融させることも考えられるが、切断面に粘着シートがあるため熱溶融しづらいこと、熱溶融すると切断面が厚くなり圧縮しないことにより、バックパッドより薄い基板を研磨しづらくなるという問題があった。また、バックパッドの外周側面部分のみの表面加工では、研磨時に基板が密着していないバックパッド外周縁部の表面の細孔からの研磨液の吸収を防止できない。
【0022】
バックパッド外周縁部の研磨液の含有が過多な部分と、バックパッドの中心部を含むそうでない部分のバックパッドの硬度が異なるため、研磨圧がバックパッドの外周部と中心部で異なるという異常が生じ、研磨作業後の基板外周部に円弧状の研磨ムラが発生する問題を解決するために、本発明者らは、より適切な手段を検討した結果、バックパッドの外周縁部の特定領域に樹脂液を塗布し樹脂からなる薄膜を形成し研磨液のバックパッドへの吸収を防止する手段を見出した。樹脂からなる薄膜を形成するバックパッド表面の特定領域は、バックパッドを切断した際の断面部の開孔が極めて大きいため、研磨液が容易に吸収しうるバックパッドの外周側面部分、およびバックパッドの外周端部からガラス基板をバックパッドに固定した際に、ガラス基板の内側となる部分までである。
【0023】
ガラス基板が密着しないバックパッドの外周縁部の幅は基板端部より2mm以上である。2mmより小さいと、ガラス基板をバックパッドに密着固定する際の作業性が低下すると共に、研磨時、バックパッドに密着固定したガラス基板を回転する研磨盤に貼着した研磨布に加圧定盤にて押圧した際、バックパッド上でずれることがあり、ずれに対応できない。ガラス基板をバックパッドに密着固定する際の作業性より、ガラス基板が、密着しない外周縁部の幅は、好ましくは10mm以上、15mm以下である。また、ガラス基板の内側となる部分の塗布はガラス基板の外周端部より5mm以上、30mm以下、特に好ましくは10mm以上、25mm以下である。
【0024】
塗布する樹脂からなる薄膜の材料としては、非常に薄く塗れるのでシリコーン樹脂が有効だが、バックパッドに薄く塗布できればウレタン樹脂等、他の樹脂を用いてもよい。
【0025】
コートする樹脂からなる薄膜の厚さは1μm以上20μm以下、特に好ましくは、2μm以上5μm以下である。1μmより薄いとバックパッド外周側面部分の空孔を塞ぐことができず研磨液の吸収を防止できない。20μmより厚いと、バックパッド表面の樹脂からなる薄膜を形成した領域としていない領域の境界部で、樹脂膜自体の厚みによるバックパッド表面の段差のため研磨後のガラス基板に研磨ムラが発生する。
【0026】
本発明のバックパッドは、加圧定盤側に基板を保持するための基板ホルダーを用いない片面研磨機に使用するに好適である。
【0027】
【発明の実施の形態】
図5は、片面研磨装置の主要部の側面図である。ガラス基板2を片面研磨する際は、上側に加圧定盤8を配し、研磨対象であるガラス基板2を挟み込み、酸化セリウムの微粉を水に懸濁させスラリーとした研磨液を供給しつつ、下側の研磨盤9を回転させることによって研磨する。詳しくは、加圧定盤8の下面に両面粘着シート7でバックパッド1と通称する発泡シートを貼り付け、更に、バックパッド1の下面側にガラス基板2の非研磨面側を密着固定する。ガラス基板2のバックパッド1への固定は、バックパッド1に水を含ませ、ガラス基板2を接触させると水の表面張力およびバックパッド1の粘着性で、ガラス基板2が強く密着しバックパッド1に固定する。自転軸11を中心に回転可能な加圧定盤8を加圧し、固定したガラス基板2の下面である研磨面側を回転駆動軸12を中心に回転する研磨盤9に両面粘着シート7’で貼り付けた研磨布10に押しつけることによって研磨加工を行う。
【0028】
以下、図面に従って本発明の片面研磨用バックパッド1について説明する。図2は、バックパッドに樹脂からなる薄膜を形成した状態の平面図である。図3は、ガラス基板を取り付けたバックパッドの平面図である。図2、図3に示すように、ガラス基板2をバックパッド1に密着固定したときに、ガラス基板2の内側となる部分までバックパッド1に樹脂液を塗布し、樹脂からなる薄膜3を形成している。図4に、図3のA−A’における断面図を示す。
【0029】
図1は、バックパッド1へガラス基板を取り付けた状態の部分拡大断面図である。図1に示すように、バックパッド1を両面粘着シート7により加圧定盤8の下面側に貼り付ける。バックパッド1の断面は上側に大きな空孔4があり下側に海綿状部5があり、下側表面に細孔6が開いている。樹脂液を塗布し樹脂からなる薄膜3を形成することにより、外周縁部の空孔4、細孔6がつぶれ、バックパッド1の外周縁部より研磨液が吸収されることがない。
【0030】
【実施例】
実施例1
図5に示す片面研磨装置を用いて、板厚、0.7mm、サイズ、360mm×460mmの液晶ディスプレイ向けガラス基板2の片面研磨を行った。バックパッド1の外周部側面、および該ガラス基板2を密着固定させた際に、ガラス基板2の端部から25mm内側までのバックパッド1の下面側周辺縁部に、シリコーン樹脂溶液を刷毛で塗布し、ドライヤーにて熱風乾燥して硬化させ、厚み、2〜5μmの薄膜を形成した。次いで、該バックパッド1を加圧定盤8の下面側に両面粘着シート7を用いて貼り付けた後に吸水させて、該バックパッド1の下面側にガラス基板2を密着固定させた。
【0031】
前述のようにして形成した薄膜で、バックパッド1の周縁縁部からの吸水過多を抑制し、研磨圧100g/cm2、研磨時間300秒/枚の研磨条件で片面研磨作業を行ったところ、連続使用後4日間が経過しても、研磨後の液晶ディスプレイ用ガラス基板の外周部に、円弧状の研磨ムラは発生しなかった。バックパッド1のショアA硬度を測定したところ、使用前、水分を含んだ状態で14度であり、研磨使用後のバックパッドの中心部、外周縁部ともに14度であり、研磨使用前後のショアA硬度に変化がなかった。
比較例1
バックパッド1の外周部側面のみにシリコーン樹脂を刷毛で塗布し、ドライヤーにて熱風乾燥して硬化させ、厚み、2〜5μmの樹脂からなる薄膜とした。加圧定盤8の下面側に両面粘着シート7を用いて貼り付けた該バックパッド1の下面側に、該ガラス基板2を密着固定した後、実施例と同条件で片面研磨を行ったところ、ガラス基板2が密着していないバックパッド1の下面側周辺縁部より、バックパッド1の内部への研磨液の吸収が発生し、連続使用後、2日間経過したところで、研磨後のガラス基板の外周縁部に円弧状の研磨ムラが発生した。バックパッド1のショアA硬度を測定したところ、使用前、水分を含んだ状態で14度であり、研磨使用後のバックパッドの中心部が14度、外周縁部が11度であり研磨使用後、外周縁部のショアA硬度に低下が認められた。
比較例2
バックパッド1の外周縁部に薄膜を成形することなしに、前記ガラス基板2をバックパッド1の下面に密着固定させ、該ガラス基板2をバックパッド1の実施例と同条件で研磨したところ、連続使用後、2時間経過したところで、研磨後のガラス基板2の外周縁部に円弧状の研磨ムラが発生した。バックパッド1のショアA硬度を測定したところ、使用前、水分を含んだ状態で14度であり、研磨使用後のバックパッド1の中心部が14度、外周縁部が11度であり研磨使用後、外周縁部のショアA硬度に低下が認められた。
比較例3
バックパッド1の外周部側面、該ガラス基板2を密着固定させるバックパッド1の下面側にガラス基板を密着固定させた際に、ガラス基板2の端部から25mm内側部までのバックパッド1の下面側周辺縁部にウレタン樹脂溶液を刷毛で塗布しドライヤーにて熱風乾燥して硬化させ、厚み、20〜25μmの樹脂からなる薄膜とした。加圧定盤8の下面側に両面粘着シート7を用いて貼り付けた該バックパッド1の下面側にガラス基板2を密着固定した後、実施例と同条件で片面研磨を行ったところ、樹脂を塗布した部分と塗布していない部分の境界部でガラス基板2の外周部に樹脂からなる薄膜の段差による研磨ムラが発生した。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、バックパッド外周縁部に樹脂液を塗布し樹脂からなる薄膜を形成することにより、研磨作業時にバックパッド外周縁部より内部に研磨液が吸収しなくなり、研磨液の吸収によるバックパッドの硬度変化が原因となって発生する液晶ディスプレイ用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、磁気ディスク用ガラス基板、シリコンウェハ等に使用する基板の研磨面に研磨ムラが生じないことから、高精度のガラス基板、特に液晶ディスプレイ用ガラス基板が製造でき、研磨作業の歩留まりを向上させることができる。
【0033】
又、本発明により研磨作業後の液晶ディスプレイ用ガラス基板に研磨ムラが発生しないので、研磨ムラ発生部を切り落とす必要が無くガラス基板の面積一杯まで使用できるため、ガラス基板の研磨面を有効に使用でき、発明以前に比較して材料であるガラス基板のサイズに対して大きな液晶表示素子を製作できる。
【0034】
更に、本発明によれば研磨作業においてバックパッドへの研磨液の吸収を防止することにより、バックパッドの寿命が延び交換回数が減ることにより、作業効率が向上しコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において、バックパッドへガラス基板を取り付けた状態の部分拡大断面図である。
【図2】本発明の実施例において、バックパッドに樹脂からなる薄膜を形成した状態の平面図である。
【図3】本発明の実施例において、ガラス基板を取り付けたバックパッドの平面図である。
【図4】本発明の実施例においてガラス基板を取り付けたバックパッドの樹脂からなる薄膜形成状体の断面図である。
【図5】本発明の片面研磨装置の主要部の側面図である。
【符号の説明】
1 バックパッド
2 ガラス基板
3 樹脂からなる薄膜
4 空孔
5 海綿状部
6 細孔
Claims (3)
- 多孔質樹脂製の発泡シートからなるバックパッドにより保持した板状体を、回転する研磨盤上の研磨布に加圧定盤にて押圧して、板状体表面を研磨する片面研磨装置において、所定の形状に切断されたバックパッドの外周縁部に樹脂からなる薄膜を形成したバックパッドを加圧定盤下面に両面粘着シートを用いて貼着したことを特徴とする板状体の片面研磨装置。
- 請求項1に記載の片面研磨装置で使用する、片側に両面粘着シートが貼られている多孔質樹脂製の発泡シートであって、両面粘着シートが貼着されている面を除くその外周縁部に樹脂液を塗布し厚み1μm以上、20μm以下の樹脂からなる薄膜を形成したバックパッド。
- 片面に両面粘着シートが貼られている多孔質樹脂製の発泡シートをバックパッドの所定の形状に切断し、両面粘着シートが貼着されている面を除くその外周縁部に樹脂液を塗布具により塗布することで樹脂からなる薄膜を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の片面研磨装置で使用するバックパッドの作製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002252620A JP2004090121A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 板状体の片面研磨装置、該装置に用いるバックパッドおよびその作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002252620A JP2004090121A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 板状体の片面研磨装置、該装置に用いるバックパッドおよびその作製方法 |
Publications (1)
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JP2004090121A true JP2004090121A (ja) | 2004-03-25 |
Family
ID=32058848
Family Applications (1)
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JP2002252620A Pending JP2004090121A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 板状体の片面研磨装置、該装置に用いるバックパッドおよびその作製方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004090121A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011156633A (ja) * | 2010-02-03 | 2011-08-18 | Nitta Haas Inc | 被加工物保持材 |
JP2011156634A (ja) * | 2010-02-03 | 2011-08-18 | Nitta Haas Inc | 被加工物保持材 |
-
2002
- 2002-08-30 JP JP2002252620A patent/JP2004090121A/ja active Pending
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JP2011156633A (ja) * | 2010-02-03 | 2011-08-18 | Nitta Haas Inc | 被加工物保持材 |
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