JP2004090123A - 基板の片面研磨装置 - Google Patents

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丸山 正和
Yoshiaki Tsujii
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Abstract

【課題】ガラス基板、ウェハ等の板状体の表面を研磨する片面研磨工程において、研磨作業後の基板外周部に発生する円弧状の研磨ムラを防止する研磨装置を提供する。
【解決手段】多孔質樹脂製の発泡シートからなるバックパッド1によって保持した基板2を回転する研磨盤および研磨布に加圧定盤にて押圧して、基板表面を研磨する片面研磨装置に用いるバックパッド1において、厚み0.4mm以上、0.8mm以下、バックパッド1の基板保持面からの表面吸水量0.2mg/cm以上、2.8mg/cm以下であるバックパッド1を研磨作業に使用する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、板状体、例えば、液晶ディスプレイ用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、磁気ディスク用ガラス基板、シリコンウェハ等、特に液晶ディスプレイ用ガラス基板の片側を支持し、その反対側の表面を研磨する片面研磨装置および該装置に用いるバックパッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイ用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、磁気ディスク用ガラス基板、シリコンウェハ等に使用する基板の製造直後の表面は、完全な平滑面ではなく、多少のうねりやマイクロコルゲーション、凹凸、キズ等を有している。よって、通常、これらの基板は、表面研磨して平滑な面に加工される。
【0003】
従来、一般的に行われているオスカー式研磨機等による片面研磨は、上側の加圧定盤に、基板が収まる開口穴を開けた基板ホルダーを貼り付け、基板を基板ホルダーに保持した状態で、酸化セリウム等の微粉からなる研磨材を水に懸濁させスラリーとした研磨液を供給しつつ、回転する下側の研磨盤に貼着した研磨布に片面を押しつけて、研磨加工する方法で行われている。
【0004】
尚、オスカー式研磨機においては、上側の加圧定盤と下側の研磨盤の揺動運動および回転によって基板の研磨面を均一に研磨している。即ち、通常、加圧定盤は揺動自在なアームに自転可能に取り付けられ、この加圧定盤には基板を保持するための保持具が取り付けられる。
【0005】
この保持具は、加圧定盤の下面側に接着剤または粘着材によって貼着される発泡弾性体等のバックアップ部材とバックアップ部材の下面側に接着剤によって貼着されるベークライト等の保持板、即ち、基板ホルダーからなる。この基板ホルダーの中央部には、基板の大きさおよび形状に合わせた開口穴がある。基板が基板ホルダーに開けられた開口穴に保持された状態で、基板の下側の、研磨布を貼り付けた研磨盤を回転させ、研磨布に加圧定盤で基板の研磨面を押圧し研磨を行う。
【0006】
例えば、特開平5−123963号公報に示される液晶用大型マスク基板のように無欠陥、高精度が要求される場合は加圧定盤側に軟質の布を貼り付けるという方法が開示されている。
【0007】
また、特開平6−238559号公報には、基板ホルダー側面部にまで軟質の布を貼り付け基板の端面部におけるクラック、割れ、キズの発生を防止する方法が開示されている。
【0008】
更に、特開平7−136927号公報には、軟質の布に親水性物質を塗り布の乾燥をなくし布の劣化を抑制し交換による工数を削減する方法が開示されている。
【0009】
一方、加圧定盤側に基板を保持するための基板ホルダーを用いない片面研磨機において、基板の片面を研磨する際、上側の加圧定盤に貼着したバックパッドと通称する多孔質軟質樹脂からなる厚さ1mm程度の発泡シートに基板を密着させた状態で、該バックパッドと下側の研磨盤に貼着した研磨布の間に、研磨対象である基板を挟み込み、研磨液を供給しながら研磨布に押し付け、下側の研摩盤を回転させることによって基板の片面を研磨する。
【0010】
詳しくは、両面粘着シートを予め全面に貼ったバックパッドを、加圧定盤下面側にもう一方の粘着面により貼り付けた後で、基板の非研磨面側をバックパッド下面側に密着固定させる。バックパッドに適量の水を含ませ、加圧ローラ等を用いて、基板を密着させると水の表面張力およびバックパッドの粘着性で、基板がバックパッド下面側に固定される。密着固定した基板の研磨面側を、回転する研磨盤上に両面粘着シートで貼り付けられた研磨布に、加圧定盤にて押圧して研磨する。
【0011】
加圧定盤側に基板を保持するための基板ホルダーを用いない該片面研磨機は、基板ホルダー内に基板を保持する必要がないので、加圧ローラ等を用い、バックパッドに基板を密着固定させることが容易である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来、連続的に複数の基板を研磨する作業開始後、数時間すると研磨後の薄板状の基板に外周に沿った円弧状の研磨ムラが発生する。研磨ムラの発生した基板は製品として出荷できず、歩留まりが低下するという問題があった。
【0013】
研磨ムラの発生した基板を、液晶ディスプレイ用ガラス基板として用いて液晶セルを製作すると、研磨ムラに対応したパネルの表示ムラを生じるが故に、研磨ムラの発生していない基板の内部しか使用できず、パネルサイズに比べてより大きなサイズの基板が必要である問題があった。
【0014】
また、研磨ムラは作業開始後、数時間すると発生するのでバックパッドを頻繁に交換せざるを得ず、バックパッドの交換による工程停止回数が増え、稼働時間が短くなるという問題があった。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの問題を解決する手段を検討した結果、バックパッドの外周部側面の空孔、および研磨時に基板が密着しないバックパッド表面の外周縁部分の多数の細孔より、バックパッド内部に研磨液が吸収されることを抑制することが効果的な手段であることがわかった。
【0016】
即ち、本発明は多孔質樹脂製の発泡シートからなるバックパッドによって保持した基板を回転する研磨盤上の研磨布に加圧定盤にて押圧して、基板表面を研磨する片面研磨装置において、厚み0.4mm以上、0.8mm以下、バックパッドの基板保持面からの表面吸水率0.2mg/cm以上、2.8mg/cm以下であるバックパッドを使用することを特徴とする片面研磨装置である。
【0017】
更に、本発明は、多孔質樹脂製の発泡シートからなるバックパッドによって保持した基板を回転する研磨盤上の研磨布に加圧定盤にて押圧して、基板表面を研磨する片面研磨装置に用いるバックパッドにおいて、厚み0.4mm以上、0.8mm以下、バックパッドの基板保持面からの表面吸水率0.2mg/cm以上、2.8mg/cm以下であることを特徴とするバックパッドである。
【0018】
バックパッドは、通常、多孔質ウレタン樹脂からなる発泡シートであり、基板を密着固定する表面側には多数の微細な細孔が開いており、比較して、もう一方の加圧定盤に貼り付ける面側の空孔は大きい。バックパッドの側面部分には空孔、バックパッドの基板を密着固定する面側の表面には、バックパッド内部まで繋がった細孔が開いているので、液晶ディスプレイ用ガラス基板、シリコンウェハ等の基板表面の研磨作業を連続して行うと、バックパッド側面部分の空孔、基板が密着固定されていないバックパッドの表面部分の細孔より、バックパッド内部に研磨液が吸収される。
【0019】
本発明者らが鋭意調査したところ、バックパッドを片面研磨時に使用する寸法に切断した際の、バックパッド周辺断面部、即ち、側面部分の空孔、研磨作業時に、バックパッドに基板を密着固定する側のバックパッド表面の細孔より研磨液が吸収される。一方、ガラス基板が貼り付けられているバックパッド表面は、基板で細孔が塞がれていることにより研磨液が吸収されないために、基板の研磨作業を続けると、バックパッド外周縁部に沿って研磨液の含有過多の部分が生じることが判った。
【0020】
基板の研磨中に、バックパッドの表面から研磨液を吸収すると、連続気泡を有するバックパッドの内部にまで研磨液が挿通する。バックパッドに研磨液が吸収された状態で基板の研磨作業を続けると、研磨時の摩擦熱により、バックパッドの温度が上昇し、バックパッドの加水分解、研磨液がアルカリ性であるので、バックパッドの化学的劣化、基板の脱着による圧縮、引っ張り等の作用によるバックパッドの強度の低下、形状変形が促進される。
【0021】
更に、研磨作業時にバックパッドの外周縁部の、研磨液の含有過多の部分とバックパッドの外周縁部を除く内側の研磨液の含有が少ない部分とのバックパッドの硬度が異なるため、研磨圧がバックパッドの外周縁部と外周縁部を除く内側の部分で異なるという状態となる。即ち、研磨圧の低い外周縁部では基板表面の研磨除去量が小さくなり、外周縁部を除く内側の研磨圧の高い部分では基板表面の研磨除去量が大きくなり、研磨後の基板の研磨面外周部に研磨作業開始時より数時間で円弧状の研磨ムラが発生し、研磨作業時間の経過に従い、研磨液のバックパッドへの吸収が多くなっていくことにより、研磨ムラの発生位置は基板外周部より内側に向けて移動していくことが判った。
【0022】
基板が密着固定されていないバックパッドの外周縁部より、研磨作業時に研磨液が吸収されることにより研磨圧のばらつきが生じ、研磨ムラが発生する問題を解決するためには、バックパッド外周縁部より研磨液が吸収されることを抑制すればよく、バックパッドを作製する段階で、バックパッドを所定の寸法に作製し、端部を空孔がない状態に仕上げることも考えられる。しかしながら、研磨する基板のサイズは多様であり、大きなシートから、カッターナイフ等の切断具を用い、基板のサイズにあわせて切断して用いる方が、遥かに効率的である。また、切断面を熱溶融させることも考えられるが、切断面に粘着シートがあるため熱溶融しづらいこと、熱溶融すると切断面が厚くなり圧縮しないことにより、バックパッドの厚みより薄い基板を研磨しづらくなるという問題があった。
【0023】
本発明者らは、最初に、バックパッド外周縁部に樹脂液を塗布し樹脂からなる薄膜を形成し研磨液のバックパッドへの吸収を防止する方法を試みた。しかしながら、塗布の段階で膜の厚みを制御することが容易ではなく、塗布方法の検討を必要とする。また、塗布した膜の厚みが厚すぎると、膜を形成した部分と膜を形成していない部分の膜厚による段差のために、研磨時に研磨圧の違いを生じ、膜の縁に沿った研磨ムラが発生し、膜の厚みが薄すぎると、膜ムラのためバックパッド表面の穴を充分に塞ぎきれず、研磨液の侵入を抑制する効果が得られなかった。
【0024】
本発明者らは、より適切な手段を検討した結果、バックパッドの厚み、バックパッドの基板保持面の表面吸水率を制御することでバックパッド内への研磨液の侵入を抑制でき、研磨ムラの発生を遅らせることができることが判り、本発明に至った。研磨ムラの発生位置は研磨作業時間の経過に従い基板外部より内部に移動していくが、更に本発明により、移動する時間を遅らせることが可能である。即ち、バックパッドの厚みと表面吸水率を最適にすることより研磨ムラの発生の抑制に対し、極めて効果のあるバックパッドが得られた。
【0025】
通常、研磨ムラの発生位置が基板端部より10mm以内であれば、液晶ディスプレイ用基板に対する研磨ムラがあってはならない指定領域の範囲外であるので、研磨ムラが発生していたとしても液晶ディスプレイ用基板として使用できる。
【0026】
研磨ムラの発生しづらいバックパッドの厚みは0.4mm以上、0.8mm以下であり、好ましくは0.6mmである。厚み、0.4mm以下では、バックパッドが研磨圧力により圧縮変形しづらいために、バックパッドの厚みムラによる表面凹凸が、研磨後の基板に転写し、該基板を液晶ディスプレイ向けガラス基板として用い液晶セルを作成すると、バックパッドより転写した基板表面の凹凸のために表示ムラが発生する。0.8mmより厚いと、バックパッドに密着固定された基板を研磨作業の前後で脱着する際に、バックパッドが樹脂からなる発泡シートであることより、バックパッドの伸び縮みにより研磨液のバックパッドへの吸収が起こる。
【0027】
バックパッドの板状体保持面からの表面吸水率は、2.8mg/cm以下、好ましくは、2.1mg/cm以下、0.2mg/cm以上である。表面吸水率が2.8mg/cm以上では、バックパッド内部へ研磨液が多量に侵入することにより、研磨時の、基板の研磨ムラの発生が早くなり、濃い研磨ムラが発生する。表面吸水率が、2.8mg/cm以下であれば使用可能であるが、2.1mg/cmを超えるとバックパッドの研磨後の基板に研磨ムラの発生がばらつく、即ち、研磨ムラが発生したりしなかったりする、研磨ムラの発生にばらつきのある状況となる。0.2mg/cm未満では、バックパッドに基板を密着固定する際のバックパッドの基板に対する保持力が弱くなり、研磨中に基板がバックパッド表面を滑り基板の破損が生じ易くなる。
【0028】
バックパッドの表面吸水量の測定方法は、バックパッドを加圧定盤に貼着しない状態で、予め重量を測定しておいた乾燥した所定の大きさのバックパッドの基板支持面に、金属製等の吸水性のない円筒を開口部の一方を下にして置き、上側の開口部より円筒内に水を入れて一定時間静置した後、円筒内の水を除去して、バックパッドの重量を測定し、重量の増加分をバックパッドの表面吸水量とし、更に、表面給水量を開口部の面積で割った値を表面吸水率とした。尚、吸水されなかった水は一定時間経過後、速やかに市販の濾紙等を円筒内に吸い取り紙として入れて除去した。吸収されなかった水を除去する方法は、水を速やかに除去することができる必要がある。
【0029】
前述のように、バックパッドの表面吸水率は、所定の大きさの、バックパッドの基板保持面に吸水性のない円筒を載置して、円筒内に所定量の水を充填し、所定時間経過後のバックパッドの表面吸水量を測定し、円筒の開口部面積で割ることによって求める。
【0030】
本発明の請求項1、および請求項2に示した表面吸水率の数値は、サイズ、100mm角のバックパッドに、内径30mm、高さ5mmのアルミニウム等の吸水性のない材料からなる円筒を乗せ、円筒内に5gの水を入れ5分間静置した後の、バックパッドの吸水量の測定値を円筒の開口部の面積、即ち、15mm×15mm×円周率で割った値を表面吸水率の数値として示している。
【0031】
バックパッドの表面吸水率の制御方法は、多孔質ウレタン樹脂からなる発泡シートであるバックパッドの製造時にバックパッドの密度を制御すること、および製造前にウレタン樹脂に撥水剤を混練する方法等がある。
【0032】
バックパッドの厚みおよび表面吸水率を限定することで、研磨ムラの発生時期、および基板内部への移動速度を大幅に遅らせることができるが、本発明のバックパッドの、外周側面断面部の空孔を加熱圧縮、樹脂液の塗布等の手段を用い、塞ぐまたは潰すことで研磨ムラの発生および研磨ムラ発生位置の基板内部への移動速度を、研磨作業時間に対して、更に、遅らせることが可能である。バックパッド外周部の大きな空孔を塞ぐまたは潰す手段は、塞ぐまたは潰すことができればよい。
【0033】
本発明のバックパッドは、加圧定盤側に基板を保持するための基板ホルダーを用いない片面研磨機に使用するのに好適である。
【0034】
【発明の実施の形態】
オスカー式研磨機による、加圧定盤側に基板を保持するための基板ホルダーを用いない片面研磨作業において、加圧定盤側に基板が密着固定された状態で、両面粘着シートで研磨布を貼り付けた研磨盤を回転させ、研磨液を供給しながら、加圧定盤で、研磨布に基板の研磨面側を押しつけ、バックパッドに密着固定された基板がずれない程度の研磨速度にて片面研磨を行う。研磨作業時に、研磨対象である基板表面とバックパッド間に水膜が生じると基板表面とバックパッドの密着が悪くなり、バックパッド下面に密着固定された基板が滑る。水膜を生じさせない様にバックパッド表面および内部に細孔が開いている必要があり、バックパッドの材質に表面および内部に細孔の開いた厚み、0.4mm以上、0.8mm以下の多孔質軟質樹脂からなる発泡シートを使用する。バックパッドには通常ウレタン樹脂が使用される。
【0035】
図3は、本発明で使用する片面研磨装置の主要部の側面図である。図3に示すように、ガラス基板2を片面研磨する際は、上側に加圧定盤7を配し、研磨対象であるガラス基板2を挟み込み、酸化セリウムの微粉を水に懸濁させスラリーとした研磨液を供給しつつ、下側の研磨盤8を回転させることによって研磨する。詳しくは、加圧定盤7の下面に両面粘着シート6でバックパッド1と通称する発泡シートを貼り付け、更に、バックパッド1の下面側にガラス基板2の非研磨面側を密着固定する。ガラス基板2のバックパッド1への固定は、バックパッド1に水を含ませて、ガラス基板2を密着させると、水の表面張力およびバックパッド1の粘着性で、ガラス基板2がバックパッド1に固定される。自転軸9を中心に回転可能な加圧定盤7を加圧し、研磨液を供給しつつ、固定したガラス基板2の下面である研磨面側を、回転駆動軸10を中心に回転する研磨盤8に両面粘着シート6’で貼り付けた研磨布11に押しつけることによって研磨加工を行う。
【0036】
図2の(a)が、ガラス基板を取り付けたバックパッドの平面図である。図2の(b)が、ガラス基板を取り付けたバックパッドの断面図である。以下、図面に従って本発明の片面研磨用バックパッドについて説明する。図示しない加圧ローラ等を用い、図2(a)に示すように、バックパッド1にガラス基板2を密着固定する。図2の(b)に図2の(a)のA−A’断面図を示す。
【0037】
図1が、バックパッドへガラス基板を取り付けた状態の部分拡大断面図である。
【0038】
次いで、部分拡大断面図に示すように、バックパッド1を両面粘着シート6により加圧定盤7の下面側に貼り付ける。バックパッド1の断面は、上側に大きな空孔3があり、下側に海綿状部4があり、下側表面に細孔5が開いており、厚みがaである。
【0039】
【実施例】
表面吸水率の測定方法は、樹脂からなる発泡シートを所定の大きさにカットすることでバックパッド1を作製する前に、予め重量を測定しておいた乾燥した状態のサイズ100mm角の発泡シートの表面上に内径30mm、高さ5mmのアルミニウム製の円筒を、開口部の一方を下にして置き、上側の開口部より円筒内に5gの水を入れて5分間静置した後、水を吸収したバックパッド1の重量を測定し、重量の増加分をバックパッド1の表面吸水量とした。測定した表面給水量を開口部の面積、即ち、15mm×15mm×円周率で割った値をバックパッド1の表面吸水率とした。尚、5分経過後、吸水されないで残った円筒内の水は、速やかに市販の濾紙にて吸い取り除去した。
【0040】
板厚1.1mm、サイズ300mm×400mmの液晶ディスプレイ用ガラス基板2を、表1に示す種々の厚みおよび表面吸水率のバックパッド1の下面側にガラス基板2を密着固定させた。研磨材として酸化セリウムを懸濁させスラリーとした研磨液を供給しながら、研磨圧100g/cm、研磨時間300秒/枚の条件で研磨作業を、片面研磨装置を用いて連続して行った際の研磨ムラの発生状況を、表1に示した。研磨ムラ発生位置は、基盤の外周端部よりの距離を測定した値である。
実施例1〜3
表1の実施例1〜3に示すように、バックパッド1の厚みが0.4mm以上、0.8mm以下であって、表面吸水量が2.8mg/cm以下のバックパッド1を使用し研磨した基板2は、研磨作業を開始し連続使用後10時間が経過しても基板2の外周部に円弧状の研磨ムラは発生しなかった。特に、実施例1または実施例2に示すように、バックパッド1の厚みが、0.4mmまたは0.6mmであって、表面吸水率が0.85mg/cmであるバックパッド1を使用し研磨した基板2は、研磨作業を開始し連続使用後30時間が経過しても、研磨ムラ発生位置が基板外周端部より10mm以内であった。液晶ディスプレイ用基板の一般的な規格において、基板の外周端面部より測って10mm以内は有効範囲外として、通常、除かれているので、10mm以内なら研磨ムラはあっても良く、液晶ディスプレイ用ガラス基板として使用可能である。
比較例1、2
実施例1〜3に比較して、表1の比較例1または比較例2に示す表面吸水量が3.50mg/cmであるバックパッド1を使用し研磨した基板2は、研磨作業を開始し、連続使用、5時間後には研磨ムラが発生しており、比較例1の厚み0.6mmのバックパッド1については、連続使用10時間後、比較例2の厚み0.8mmのバックパッド1については、連続使用5時間後には、研磨ムラが基板の外周端部より10mmの範囲外である基板2の内面部に発生しており液晶ディスプレイ用基板として使用できないレベルであった。
【0041】
【表1】
Figure 2004090123
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、バックパッドの厚みおよび表面吸水量を制御することによって、研磨作業時にバックパッドの内部への研磨液の吸収が抑制され、研磨液の吸収によるバックパッドの硬度変化が原因となって発生する、液晶ディスプレイ用ガラス基板、シリコンウェハ等に使用する研磨後の薄板状基板の研磨面外周部に発生する研磨ムラの発生時期を遅らせることができ、更に、研磨作業の時間経過に従う研磨ムラの基板内部への移動速度を遅らせることができ、高精度のガラス基板、特に液晶ディスプレイ用ガラス基板の研磨作業の歩留まりを向上させることができる。
【0043】
又、本発明により、研磨作業後の液晶ディスプレイ用ガラス基板に研磨ムラが発生しないので、研磨ムラ発生部を切り落とす必要が無くガラス基板の面積一杯まで使用できるため、ガラス基板の研磨面を有効に使用でき、従来に比較して、材料であるガラス基板のサイズに対して大きな液晶表示素子を製作できる。
【0044】
更に、本発明によれば、研磨作業において、バックパッドへの研磨液の吸収を防止することにより、バックパッドの寿命が延び交換回数が減ることにより、作業効率が向上しコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において、バックパッドへガラス基板を取り付けた状態の部分拡大断面図である。
【図2】(a)は、本発明の実施例において、ガラス基板を取り付けたバックパッドの平面図である。(b)は、本発明の実施例において、ガラス基板を取り付けたバックパッドの断面図である。
【図3】本発明で使用する片面研磨装置の主要部の側面図である。
【符号の説明】
1  バックパッド
2  ガラス基板
3  空孔
4  海綿状部
5  細孔
6  両面粘着シート

Claims (2)

  1. 多孔質樹脂製の発泡シートからなるバックパッドによって保持した基板を回転する研磨盤上の研磨布に加圧定盤にて押圧して、基板を研磨する片面研磨装置において、厚み0.4mm以上、0.8mm以下、バックパッドの基板保持面からの表面吸水率0.2mg/cm以上、2.8mg/cm以下であるバックパッドを使用することを特徴とする片面研磨装置。
  2. 多孔質樹脂製の発泡シートからなるバックパッドによって保持した基板を回転する研磨盤上の研磨布に加圧定盤にて押圧して、基板表面を研磨する片面研磨装置に用いるバックパッドにおいて、厚み0.4mm以上、0.8mm以下、バックパッドの基板保持面からの表面吸水率0.2mg/cm以上、2.8mg/cm以下であることを特徴とするバックパッド。
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