JP2011153317A - 光学フィルムの製造方法および光学フィルム、位相差フィルム並びに偏光板 - Google Patents

光学フィルムの製造方法および光学フィルム、位相差フィルム並びに偏光板 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便な方法で光学特性および帯電防止特性に優れる光学フィルム等の成形体を得ること。
【解決手段】環状オレフィン系樹脂と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の耐電防止剤と、多価アルコール縮合物の脂肪酸エステル化合物とを含有する樹脂組成物、それから得られた光学フィルムとその製造方法、当該光学フィルムを用いた位相差フィルムおよび偏光板を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、帯電防止性能を有する樹脂組成物、それから得られる光学フィルムとその製造方法、および当該光学フィルムから得られる位相差フィルムとそれを用いる偏光板に関する。
液晶表示素子やエレクトロルミネッセンス表示素子、あるいはプラズマ発光表示素子などの平面ディスプレイ等の各種表示素子では、輸送時の表示面保護のための保護フィルムを剥離する際に生じる静電気により回路が破壊されるという問題、静電気による表面の帯電で埃が付着しやすく、さらにその埃を布等で拭く際にも、さらなる静電気が生じて、回路の破壊や払拭による表示面の傷つきなどの問題があり、帯電の防止が求められる。特に、光学特性と耐熱性に優れることから各種表示素子や他の光学用途に好適に用いられる環状オレフィン系樹脂は、脂環構造を有するために帯電しやすいという問題がある。
この問題点を解決するため、環状オレフィン系樹脂に帯電防止剤を含有させて帯電防止性能を付与する方法や、環状オレフィン樹脂フィルム上に帯電防止層を設ける方法等が検討されている(特許文献1〜3など)。しかしながら、従来検討されている帯電防止剤を環状オレフィン系樹脂に含有させたフィルムは、フィルムの成形工程や加工工程での加熱処理によって帯電防止性能が低下したりするという問題があり、それを補うために帯電防止剤の添加量を増やすとフィルムの光学特性を損なうという問題がある。また、樹脂フィルム上に帯電防止層を設ける方法は帯電を防止するのに効果的ではあるが、基材フィルムの製造した後、帯電防止層を逐次製造する必要があり、工程が煩雑である。
このため、簡便な方法で効率よく製造でき、しかも優れた帯電防止効果と光学特性を有する帯電防止フィルムの出現が求められていた。
特開平5−9351号公報 特開2003−327800号公報 特開2004−338379号公報
本発明は、簡便な方法で帯電防止特性および光学特性に優れる光学フィルム等の成形体を得ることを課題とする。
本発明の樹脂組成物は、下記の(A)〜(C)成分を含有することを特徴とする。
(A)下記一般式(1)で表される化合物(以下、「化合物(A)」ともいう)
Figure 2011153317
〔上記式(1)中、Q1 は炭素数8〜22の直鎖状または分岐状のアルキル基であって、Q2 は芳香環を有する炭素数6〜10の有機基であって、Mはナトリウム、カリウム、有機塩基類またはオニウム塩のカチオンであって、aは0または1である。〕
(B)多価アルコール縮合物の脂肪酸エステル化合物(以下、「化合物(B)」ともいう)
(C)環状オレフィン系樹脂(以下、「樹脂(C)」ともいう)
本発明の光学フィルムは、上記(A)〜(C)成分を含有することを特徴とする。
本発明の光学フィルムの製造方法は、本発明の樹脂組成物を成形することを特徴とする。
本発明の位相差フィルムは、本発明の光学フィルムを延伸してなる。
本発明の偏光板は、本発明の光学フィルムまたは位相差フィルムを、少なくとも一面において使用したことを特徴とする。
本発明によれば、簡便な方法で帯電防止特性および光学特性に優れる光学フィルム等の成形体を得ることができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
≪樹脂組成物≫
本発明の樹脂組成物は、帯電防止剤として作用する化合物(A)および化合物(B)と、樹脂(C)とを含有することを特徴とする。
<化合物(A)>
本発明で用いられる化合物(A)は、上記式(1)で表される化合物であり、帯電防止剤としての機能を主たる機能として有する添加剤である。特に、表面に存在して空気中の水分を吸収し、電気伝導度を高めて表面抵抗を大きく低下させる機能を有する。
化合物(A)としては、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、等が挙げられる。また、塩の種類としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等が挙げられる。すなわち、上記式(1)中、Q1 は炭素数8〜22、好ましくは炭素数10〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基を示し、具体的にはオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等である。これらのうち特にドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基が好ましい。これらのアルキル基は単一の組成のものでも、複数のものを混ぜて使用してもよい。また、Q2 は、芳香環を有する炭素数6〜10の有機基であり、フェニレン基、ジメチルフェニレン基、ナフチレン基が好ましく、フェニレン基が特に好ましい。さらに樹脂との相溶性、溶液流延法で成形する際には溶剤への溶解性の点でQ1が炭素数10〜18の分岐状のアルキル基であって、Qがフェニレン基であることが特に好ましい。
化合物(A)の具体例としては、デシルスルホン酸ナトリウム、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、デシルベンゼンスルホン酸カリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルアンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム、テトラデシルスルホン酸ナトリウム、テトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ヘキサデシルスルホン酸ナトリウム、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸カリウム等が挙げられる。また、これらの市販品としては、クラリアントジャパン(株)製ホスタスタットHS−1、竹本油脂(株)製エレカットS412−2、エレカットS418、花王(株)製ネオペレックスG65等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物における化合物(A)の含有割合は、樹脂(C)100重量部に対して、通常0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜10重量部、特に好ましくは0.1〜7重量部である。化合物(A)の割合が0.05重量部未満であると、十分な帯電防止性能が得られない場合がある。また、20重量部を超えると、得られる成形体の光学特性に悪影響を及ぼすという問題がある場合がある。
なお、本発明の樹脂組成物を本発明の光学フィルムの成形に用いる場合、溶液流延法により成形する場合は、化合物(A)の含有割合は、樹脂(C)100重量部に対して、好ましくは0.05〜5重量部、特に好ましくは0.1〜2重量部である。また、溶融押出法により成形する場合は、樹脂(C)100重量部に対して、好ましくは1〜10重量部、特に好ましくは2〜7重量部である。これは、溶液流延法では溶融押出法に比べて化合物(A)がフィルム表面近傍に偏在しやすく、添加量が少なくても十分な帯電防止性能を発現させることが可能なためである。
<化合物(B)>
本発明で用いられる化合物(B)は、多価アルコール縮合物の脂肪酸エステル化合物であり、帯電防止剤としての機能を有する添加剤である。単独で表面及び内部に存在し、水分の吸着、電荷の移動能により表面抵抗を低下させる。特に、化合物(B)は化合物(A)と併用することにより、成形体(フィルム)表面へ化合物(A)を偏在させるとともに成形体の電気伝導度を高め、表面抵抗を低下させるという機能を有する。
化合物(B)における多価アルコール縮合物としては、2〜4価のアルカンポリオール縮合物が好ましい。より好ましくはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトールからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカンポリオールの縮合物が挙げられ、特に好ましくはエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。これらは単体で、または2種以上を組み合わせて多価アルコール縮合物を構成しても良い。また、多価アルコールの縮合度としては2〜16が好ましく、特に好ましくは2〜12である。縮合物でない多価アルコールを用いると、得られる成形体の帯電防止性が劣るものとなる。縮合度が16を超える場合には、樹脂(C)との相溶性が悪化し、得られる成形体の光学特性に悪影響を及ぼす恐れがある。
また、脂肪酸としては、下記一般式(2)で表される直鎖状または分岐鎖状の一価の飽和脂肪酸が好ましく用いられ、具体的には、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等が好ましいものとして挙げられる。脂肪酸を構成するアルキル基の炭素数が少ないと、成形体の表面に化合物(A)を偏在させる効果が弱くなり、得られる成形体の帯電防止性が劣るものとなる可能性がある。また、炭素数が多いと、化合物(B)と樹脂(C)との相溶性が悪化し、得られる成形体の光学特性に問題が生じる恐れがある。
R−COOH (2)
〔上記式(2)式中、Rは炭素数7〜17の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である。〕
化合物(B)は、上記多価アルコール縮合物と上記脂肪酸とを公知の方法でエステル化させることにより得られる。なお、化合物(B)は部分エステルであってもよい。
化合物(B)の具体例としては、両末端2−エチルヘキサン酸エステル化ポリエチレングリコール、両末端ラウリン酸エステル化ポリエチレングリコール、両末端ステアリン酸エステル化ポリエチレングリコール、片末端2−エチルヘキサン酸エステル化ポリエチレングリコール、片末端ラウリン酸エステル化ポリエチレングリコール、片末端ステアリン酸エステル化ポリエチレングリコール、両末端2−エチルヘキサン酸エステル化ポリプロピレングリコール、両末端ラウリン酸エステル化ポリプロピレングリコール、両末端ステアリン酸エステル化ポリプロピレングリコール、片末端2−エチルヘキサン酸エステル化ポリプロピレングリコール、片末端ラウリン酸エステル化ポリプロピレングリコール、片末端ステアリン酸エステル化ポリプロピレングリコール、両末端2−エチルヘキサン酸エステル化ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの縮合物、両末端ラウリン酸エステル化ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの縮合物、両末端ステアリン酸エステル化ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの縮合物、片末端2−エチルヘキサン酸エステル化ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの縮合物、片末端ラウリン酸エステル化ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの縮合物、片末端ステアリン酸エステル化ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの縮合物、全末端2−エチルヘキサン酸エステル化ポリグリセリン、2−エチルヘキサン酸部分エステル化ポリグリセリン、全末端ラウリン酸エステル化ポリグリセリン、ラウリン酸部分エステル化ポリグリセリン、全末端ステアリン酸エステル化ポリグリセリン、ステアリン酸部分エステル化ポリグリセリン等が挙げられる。また、これらの市販品としては、理研ビタミン(株)製リケマールL−71−D、ポエムDS−100A、ポエムDM−100、ポエムS−105、松本製薬工業(株)製マツネートMI−220等が挙げられる。さらには、化合物(A)及び(B)が混合した市販品として、第一工業製薬(株)製のレジスタット212等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物における化合物(B)の含有割合は、樹脂(C)100重量部に対して、通常0.01〜8重量部、好ましくは0.05〜5重量部、特に好ましくは0.1〜2重量部である。化合物(B)の割合が0.01重量部未満であると、十分な帯電防止性能が得られない場合がある。また、10重量部を超えると、得られる成形体の表面に化合物(B)が滲み出してべとつきが生じる、または表面の化合物(A)を阻害して帯電防止性能を低下させる、あるいは光学特性に悪影響を及ぼすという問題がある場合がある。
なお、本発明の樹脂組成物を本発明の光学フィルムの成形に用いる場合、溶液流延法により成形する場合は、化合物(B)の含有割合は、樹脂(C)100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部、特に好ましくは0.05〜2重量部である。また、溶融押出法により成形する場合は、樹脂(C)100重量部に対して、好ましくは0.1〜8重量部、特に好ましくは0.1〜5重量部である。これは、溶液流延法では溶融押出法に比べて化合物(A)がフィルム表面近傍に偏在しやすく、添加量が少なくても十分な帯電防止性能を発現させることが可能なためである。
<樹脂(C)>
本発明で用いる環状オレフィン系樹脂である樹脂(C)は、熱可塑性を有し、他の熱可塑性透明樹脂、例えばポリカーボネートやポリスチレンなどと比較して、分子を配向させたときに、分子の配向による複屈折が生じにくい。また、透明性、耐熱性、耐薬品性などにも優れるため、光学分野における種々の用途に有用であり、本発明の光学フィルムを構成する樹脂として用いられる。
本発明に用いる環状オレフィン系樹脂としては、下記一般式(3)で表される化合物(以下、「特定単量体」ともいう。)から得られる重合体または共重合体(以下、「(共)重合体」と表現する。)を用いることが好ましく、より好ましくは下記一般式(3’)で表される構造単位を有する(共)重合体、特に好ましくは、下記一般式(3”)で表される構造単位を有する(共)重合体である。
Figure 2011153317
〔式(3)中、R1〜R4は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、またはその他の1価の有機基であり、それぞれ同一または異なっていても良い。また、R1〜R4 のうち任意の2つが互いに結合して、単環または多環構造を形成しても良い。mは0または正の整数であり、pは0または正の整数である。〕
Figure 2011153317
〔式(3’)中、R1〜R4 、p、mの定義は上記式(3)に同じ。〕
Figure 2011153317
〔式(3”)中、R1〜R4 の定義は上記式(3)に同じ。〕
具体的には、下記(a)〜(e)に示す重合体または共重合体を好適に用いることができる。
(a)特定単量体の開環重合体(以下、「特定の開環重合体」ともいう。)
(b)特定単量体とこれと共重合可能な環状単量体(特定単量体を除く。以下、「共重合性環状単量体」ともいう。)との開環共重合体(以下、「特定の開環共重合体」ともいう。)
(c)特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体(以下、「特定の飽和共重合体」ともいう。)
(d)特定の開環重合体または特定の開環共重合体(以下、これらを「特定の開環(共)重合体」ともいう。)の水素添加(共)重合体
(e)特定の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化した後、水素添加して得られる水素添加(共)重合体
〔特定単量体〕
好ましい特定単量体としては、上記式(3)中、R1およびR3が水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、R2およびR4が水素原子または一価の有機基であって、R2およびR4の少なくとも一つは水素原子および炭化水素基以外の極性基を示し、mが0〜3の整数、pが0〜3の整数であり、m+pの値が0〜4、更に好ましくは0〜2、特に好ましくは1であるものを挙げることができる。
また、特定単量体のうち、R2およびR4が下記式(3A)で表される極性基を有する特定単量体は、ガラス転移温度(以下、「Tg」ともいう)が高く、吸湿性が低い環状オレフィン系熱可塑性樹脂が得られる点で好ましい。
−(CH2)COOR5 (3A)
〔式中、R5は炭素数1〜12の炭化水素基を示し、nは0〜5の整数である。〕
上記式(3A)において、R5はアルキル基であることが好ましい。
また、nの値が小さいものほど、得られる環状オレフィン系樹脂のTgが高くなるので好ましく、特にnが0である特定単量体は、その合成が容易である点で好ましい。
また、上記式(3)において、R1またはR3はアルキル基であることが好ましく、より好ましくは炭素数が1〜4のアルキル基、さらに好ましくは炭素数が1〜2のアルキル基、特に好ましくはメチル基である。更に、このアルキル基が、上記式(3A)で表される極性基が結合した炭素原子と同一の炭素原子に結合されていることが好ましい。
また、上記式(3)においてmが1である特定単量体は、Tgがより高い熱可塑性樹脂組成物が得られる点で好ましい。
上記式(3)で表される特定単量体の具体例としては、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、
ペンタシクロ[7.4.0.12,5.199,12.08,13]−3−ペンタデセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ジメタノオクタヒドロナフタレン、
エチルテトラシクロドデセン、
6−エチリデン−2−テトラシクロドデセン、
トリメタノオクタヒドロナフタレン、
ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン、
ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]−4−エイコセン、
ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンなどを挙げることができる。
これらの特定単量体のうち、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ペンタデセンは、優れた耐熱性を有する環状オレフィン系樹脂が得られる点で好ましい。
〔共重合性環状単量体〕
特定の開環共重合体を得るための共重合性環状単量体としては、炭素数が4〜20、特に5〜12のシクロオレフィンを用いることが好ましく、その具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、トリシクロ[5.2.1.02,6]−3−デセン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどが挙げられる。
〔不飽和二重結合含有化合物〕
特定の飽和共重合体を得るための不飽和二重結合含有化合物としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間二重結合を含む不飽和炭化水素系ポリマーを用いることができる。
特定単量体と共重合性環状単量体または不飽和二重結合含有化合物との使用割合は、特定単量体:共重合性環状単量体または不飽和二重結合含有化合物が、重量比で100:0〜50:50であることが好ましく、更に好ましくは100:0〜60:40である。
共重合性環状単量体または不飽和二重結合含有化合物の使用割合が過大である場合には、得られる共重合体のTgが低下し、その結果、樹脂の耐熱性が低下するため、耐熱性の高いシートを得ることが困難となる。
〔開環重合触媒〕
特定単量体の開環重合反応はメタセシス触媒の存在下に行われる。このメタセシス触媒は、タングステン化合物、モリブデン化合物およびレニウム化合物から選ばれた少なくとも1種の金属化合物(以下、「(a)成分」という。)と、周期表第1族元素(例えばLi、Na、Kなど)、第2族元素(例えばMg、Caなど)、第12族元素(例えばZn、Cd、Hgなど)、第13族元素(例えばB、Alなど)、第4族元素(例えばTi、Zrなど)あるいは第14族元素(例えばSi、Sn、Pbなど)の化合物であって、少なくとも1つの当該元素−炭素結合あるいは当該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種の化合物(以下、「(b)成分」という。)との組み合わせからなるものであり、触媒活性を高めるために添加剤(以下、「(c)成分」という。)が含有されていてもよい。
上記(a)成分を構成する好適な金属化合物の具体例としては、WCl6、MoCl5、ReOCl3 などの特開平1−240517号公報に記載の金属化合物を挙げることができる。
上記(b)成分を構成する化合物の具体例としては、n−C49Li、(C25)3Al、(C25)2AlCl、(C25)1.5AlCl1.5、(C25)AlCl2、メチルアルモキサン、LiHなどの特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。
上記(c)成分としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などを好適に用いることができるが、その他に特開平1−240517号公報に示される化合物を用いることができる。
〔水素添加〕
本発明に用いられる環状レフィン系樹脂としては、上記の特定の(共)開環重合体および特定の飽和共重合体の他に、特定の(共)開環重合体に水素添加して得られる水素添加(共)重合体、および特定の(共)開環重合体をフリーデルクラフト反応により環化した後、これに水素添加して得られる水素添加(共)重合体を用いることができる。
このような水素添加(共)重合体は、優れた熱安定性を有するものであるため、成形加工を行う際や製品として使用する際に、加熱によってその特性が劣化することを防止することができる。
ここに、水素添加(共)重合体における水素添加率は、通常50%以上、好ましく70%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上、特に好ましくは97%以上である。
本発明に用いられる環状オレフィン系樹脂は、30℃のクロロホルム中で測定した固有粘度(ηinh)が0.2〜5.0dl/gであることが好ましい。
また、環状オレフィン系樹脂の平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が8,000〜100,000、重量平均分子量(Mw)が20,000〜300,000の範囲のものが好適である。
更に、環状オレフィン系樹脂のビカット軟化点は、160℃以上であることが好ましい。
<その他の成分>
本発明の樹脂組成物には、樹脂に配合し得る各種添加剤を配合することができる。
添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定剤、滑剤などの加工性向上剤などが挙げられる。
また、本発明の樹脂組成物は、化合物(A)、化合物(B)および樹脂(C)を含む成分を、溶剤に溶解させたものであってもよい。用いられる溶剤としては、化合物(A)、化合物(B)および樹脂(C)を溶解するものであれば特に制限は無いが、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン;クロロベンゼンなどのハロゲン化アリール化合物;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類などを挙げることができる。
これらは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
≪光学フィルム≫
本発明の光学フィルムは、溶液流延法、溶融押出法、射出成形法等により好適に成形することができる。特に、溶液流延法を用いると、化合物(A)および化合物(B)がフィルムの表面近傍に偏在しやすく、少量の添加量でも十分な帯電防止性能を発現するため、より好ましい。
本発明の光学フィルムの表面抵抗値としては、通常、1012Ω/□以下、好ましくは 1011Ω/□以下、特に好ましくは1010Ω/□以下である。特に1011Ω/□以下であると、フィルム表面へのほこり、ゴミなどの付着が著しく低減されるため、フィルム加工時の欠陥の発生の防止に効果がある。なお、表面抵抗値が1013Ω/□を超える場合は、静電気の発生防止に効果が無いため好ましくない。
本発明の光学フィルム中の残留溶剤量は可能な限り少ない方がよく、通常3重量%以下、好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以下である。残留溶剤量が3重量%を超える場合、経時的にフィルムが変形したり特性が変化したりして所望の機能が発揮できなくなることがある。
本発明の光学フィルムは、その厚さを特に限定するものではないが、通常5〜500μm、好ましくは10〜150μm、さらに好ましくは20〜100μm程度であるのが望ましい。フィルムの厚さが薄すぎると、強度が不足する場合があり、また、厚すぎると、複屈折性が高くなりすぎたり、透明性、外観性が低下する場合がある。
また、本発明の光学フィルムは、光透過性が通常80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上であることが望ましい。
≪位相差フィルム≫
本発明の位相差フィルムは、上記方法により得られたフィルムを延伸処理することにより得られる。延伸処理の方法としては、樹脂フィルムを一軸延伸または二軸延伸する方法が用いられる。一軸延伸処理の場合、延伸速度は、通常1〜5,000%/分であり、好ましくは50〜1,000%/分であり、より好ましくは100〜1,000%/分である。二軸延伸処理法の場合、同時に二方向に延伸処理を行う方法、一軸延伸処理した後に当該延伸処理における延伸方向と異なる方向に延伸処理する方法を利用することができる。このとき、2つの延伸軸の交わり角度は、目的とする位相差フィルムに要求される特性に応じて決定され、特に限定されないが、通常、120〜60度の範囲である。また、延伸速度は、各延伸方向で同じであってもよく、異なっていてもよく、通常は1〜5,000%/分であり、好ましくは50〜1,000%/分であり、さらに好ましくは100〜1,000%/分であり、特に好ましくは100〜500%/分である。
延伸処理温度は、特に限定されるものではないが、用いる環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)を基準として、Tg±30℃、好ましくはTg±15℃、さらに好ましくはTg−5〜Tg+15℃の範囲である。延伸処理温度を上記範囲内に設定することにより、得られる延伸フィルムに位相差ムラが発生することを抑制することができ、また、屈折率楕円体の制御が容易となることから好ましい。
延伸倍率は、目的とする位相差フィルムに要求される特性に応じて決定され、特に限定されないが、通常は1.01〜10倍、好ましくは1.03〜5倍、さらに好ましくは1.03〜3倍である。延伸倍率が上記範囲を超えると、得られる延伸フィルムの位相差の制御が困難になることがある。延伸処理されたフィルムは、そのまま冷却してもよいが、環状オレフィン系樹脂のTg−20℃〜Tgの温度雰囲気下に少なくとも10秒間以上、好ましくは30秒間〜60分間、さらに好ましくは1〜60分間保持した後に冷却することが好ましい。これにより、透過光の位相差の経時変化が少なくて安定した位相差フィルムが得られる。
上記のようにして延伸処理が施されたフィルムは、延伸処理により分子が配向する結果、透過光に位相差を与えるようになるが、この位相差は、延伸倍率、延伸温度あるいはフィルムの厚さなどにより制御することができる。
位相差フィルムの厚さは、特に限定するものではないが、通常5〜500μm、好ましくは10〜150μm、さらに好ましくは20〜100μm程度であるのが望ましい。
≪偏光板≫
本発明の偏光板は、PVA系フィルムなどからなる偏光子の一面および/または他面に、本発明の位相差フィルムを、PVA樹脂を主体とした水溶液からなる水系接着剤や、極性基含有粘接着剤を使用して貼り合わせ、これを加熱し圧着して、偏光子と位相差フィルムとを接着(複合化)させることにより製造することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明がこれらによって制限されるものではない。なお、以下において「部」は「重量部」を示し、分子量とは、特に記載のない限り、ポリスチレン換算重量平均分子量のことである。また、以下に本実施例での各種測定方法を示す。
測定法
<ガラス転移温度(Tg)>
セイコーインスツルメンツ社製DSC6200を用いて、昇温速度を毎分20℃、窒素気流下で測定を行った。
<重量平均分子量および分子量分布>
東ソー株式会社製HLC-8020ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、テトラヒドロフラン(THF)溶媒を用いて、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)を測定した。なお、Mnはポリスチレン換算の数平均分子量を表す。
<固有粘度(〔η〕inh)>
溶媒にクロロホルム溶媒を使用し、0.5g/dlの重合体濃度で30℃の条件下、ウベローデ粘度計にて測定した。
<表面抵抗値>
フィルムの表面抵抗値は温度23℃、相対湿度50%の環境下に一昼夜放置し、その後、表面抵抗計(アジレントテクノロジー社製、ハイレジスタンスメーター「4339B」を用いて測定した。
<全光線透過率・ヘイズ>
フィルムの全光線透過率及びヘイズは、村上色彩技術研究所(株)製 ヘーズメーターHM−150型を用いて測定した。
各成分の調製・合成:
<化合物(B)>
下記表1に示す処方に従って、多価アルコール縮合物と飽和脂肪酸とをエステル化反応させることにより(B)成分を調製した。また、(B)成分の比較用化合物についても併記した。
Figure 2011153317
<樹脂(C)>
合成例C−1
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン250部と、1−ヘキセン(分子量調節剤)18部と、トルエン(開環重合反応用溶媒)750部とを窒素置換した反応容器内に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(1.5モル/l)0.62部と、t−ブタノール/メタノールで変性した六塩化タングズテン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/l)3.7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であった。
このようにして得られた開環共重合体溶液4,000部をオートクレーブに仕込み、この開環共重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C 0.48部を添加し、水素ガス圧力100kg/cm、反応温度160℃の条件下で、3時間加熱攪拌して水素添加反応を行った。
得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。この反応溶液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収し、これを乾燥して、水素添加された環状オレフィン系樹脂C−1を得た。樹脂C−1のTgは168℃であった。また、GPC法により測定したポリスチレン換算のMn、Mw、Mw/Mnは、それぞれ、39,000、137,000、3.5であり、固有粘度(ηinh)は0.75dl/gであった。
合成例C−2
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン215部と、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン35部と、1−ヘキセン(分子量調節剤)18部と、トルエン750部を用いて、以下調整例C−1と同様に重合反応を行った。この重合反応における重合転化率は97%であった。得られた開環共重合体について、調整例C−1同様に水素添加反応を実施し、水添された環状オレフィン系樹脂C−2を得た。樹脂C−2のTgは130℃であった。また、ポリスチレン換算のMn、Mw、Mw/Mnはそれぞれ18,000、65,000、3.6であり、固有粘度(ηinh)は0.55dl/gであった。
合成例C−3
8−メトキシカルボニル−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン162.5重量部、ジシクロペンタジエン(DCP)62.5重量部、および、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン25重量部を用い、1−ヘキセン(分子量調整剤)を15重量部で100℃に加熱した以外は調整例C−1同様にして行い、開環共重合体を得た。反応率は96%であった。さらに水添反応を同様にして行い、水添された樹脂C−3を得た。樹脂C−3のガラス転移温度(Tg)=120.0℃であった。
数平均分子量(Mn)=20,000、重量平均分子量(Mw)=63,000、分子量分布(Mw/Mn)=3.2で、固有粘度(ηinh)=0.52であった。
実施例1
下記表2に示す種類・部数の(A)〜(C)成分と酸化防止剤0.5部(ペンタエリスリチルテトラキス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)を約30%になるように塩化メチレンに混合溶解した後、0.5ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターを用い、約0.2MPaの加圧下でろ過を行った。この濾過液をクリアランスが0.3mmのアプリケーターバーを用いて膜を作成した。さらに、この膜を100℃に保持した真空乾燥機中で24時間乾燥し、厚さ100μmのフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を下記表3に示した。
実施例2〜13、比較例1〜9
下記表2に示す種類・部数の(A)〜(C)の各成分を用いた以外は実施例1と同様にして、フィルムを得た。実施例同様に各フィルムの評価を行い、評価結果を下記表2に併せて示した。
実施例14
下記表2に示す種類・部数の(A)〜(C)の各成分を用い、これらと酸化防止剤0.5部(ペンタエリスリチルテトラキス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)を混合した後、二軸押出機にフィードし、ストランド状に押出し、水冷後フィーダールーダーでペレット化した樹脂を得た。上記樹脂を100℃、窒素下熱風乾燥を4時間行い、50mmφのスクリューを有する単軸押出機を用いて280℃で溶融し、ギアポンプで定量フィードしコートハンガータイプの幅500mmのTダイより溶融押出し、冷却ロールに圧着することにより100μmの厚みのフィルムを得、評価を行った。評価結果を表2に併せて示す。
比較例10及び11
下記表2に示す種類・部数の(A)〜(C)の各成分を用いた以外は実施例14と同様にしてフィルムを得た。評価結果を表2に併せて示す。
Figure 2011153317
表2に示す結果から、実施例1〜14にかかる樹脂組成物を成形して得られるフィルムは全光線透過率が高く、ヘイズが低い。さらに表面抵抗値が小さいので、フィルム表面へ埃が付着しにくく、光学フィルムとして優れていることが理解される。一方、比較例1、4〜9、及び11においては全光線透過率は高いが表面抵抗が大きいので表面へ埃付着しやすい。また、比較例2、3及び10においては表面抵抗は小さいが、全光線透過率、ヘイズが劣るので光学フィルムとして適当ではない。

Claims (7)

  1. 下記の(A)〜(C)成分を含有することを特徴とする樹脂組成物。
    (A)下記一般式(1)で表される化合物
    Figure 2011153317
    〔上記式(1)中、Q1 は炭素数8〜22の直鎖状または分岐状のアルキル基であって、Q2 は芳香環を有する炭素数6〜10の有機基であって、Mはナトリウム、カリウム、有機塩基類またはオニウム塩のカチオンであって、aは0または1である。〕
    (B)多価アルコール縮合物の脂肪酸エステル化合物
    (C)環状オレフィン系樹脂
  2. (B)成分が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトールからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカンポリオールの縮合物と、下記一般式(2)で表される飽和脂肪酸とから得られる化合物である、請求項1記載の樹脂組成物。
    R−COOH (2)
    〔上記式(2)式中、Rは炭素数7〜17の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である。〕
  3. (C)成分が下記一般式(3)で表される環状オレフィン系化合物の(共)重合体である請求項1または請求項2記載の樹脂組成物。
    Figure 2011153317
    〔式(3)中、R1〜R4は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、またはその他の1価の有機基であり、それぞれ同一または異なっていても良い。また、R1〜R4 のうち任意の2つが互いに結合して、単環または多環構造を形成しても良い。mは0または正の整数であり、pは0または正の整数である。〕
  4. 下記の(A)〜(C)成分を含有することを特徴とする光学フィルム。
    (A)下記一般式(1)で表される化合物
    Figure 2011153317
    〔上記式(1)中、Q1 は炭素数8〜22の直鎖状または分岐状のアルキル基であって、Q2 は芳香環を有する炭素数6〜10の有機基であって、Mはナトリウム、カリウム、有機塩基類またはオニウム塩のカチオンであって、aは0または1である。〕
    (B)多価アルコール縮合物の脂肪酸エステル化合物
    (C)環状オレフィン系樹脂
  5. 請求項1〜3いずれかに記載の樹脂組成物を成形することを特徴とする、光学フィルムの製造方法。
  6. 請求項4記載の光学フィルムを延伸してなる位相差フィルム。
  7. 請求項4または6記載のフィルムを、少なくとも一面において使用したことを特徴とする偏光板。
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