JP2004001887A - 部品収納体、キャリアテープ、スティック、およびトレイ - Google Patents

部品収納体、キャリアテープ、スティック、およびトレイ Download PDF

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Mitsuhisa Yamaguchi
山口 満久
Yasukimi Suzuki
鈴木 康公
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Abstract

【課題】使用済みの部品収納体を、バージン樹脂による部品収納体と等しい価値のある部品収納体として使用できるようにリサイクルすること。
【解決手段】部品収納体を構成する熱可塑性樹脂に、熱可塑性樹脂を構成する単量体と同一または類似の単量体を共重合させることにより該熱可塑性樹脂との相溶(容)性を付与したオレフィン系ゴムおよび/またはアクリル系ゴムと、無機化合物または無機混合物からなる導電剤を添加する。これにより、リサイクルしても十分な強度を有し、耐熱性があるキャリアテープ、スティック、トレイ等を提供することができる。また、等価再生材を用いているため、何度でも繰り返しリサイクルして使用することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リサイクルに適した部品収納体、キャリアテープ、スティック、およびトレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
部品、例えば電子部品は、その梱包形態により、キャリアテープ、スティック、トレイ、バルクの4種類に分類することができる。その内、キャリアテープ、スティック、トレイについては、部品収納体としてのエンボスキャリアテープ若しくはトレイに設けられた複数の凹部、またはチューブの中空部に複数の電子部品が収納されている。
【0003】
図1に示すように、キャリアテープ1は、プリント基板に実装される複数の電子部品が帯状のエンボスキャリアテープ2に形成された複数の凹部4に収納され、該凹部4の開口側がトップカバーテープ3で覆われてヒートシール若しくは接着剤などで封止されることにより包装されたものである。
そして、前記エンボスキャリアテープ2が、リール5に巻き付けられて保管および輸送される。
また、電子部品の使用時には、前記エンボスキャリアテープ2が前記リール5から引き出されて自動実装機の吸着ヘッド等により前記凹部から電子部品が取り出される。
【0004】
図2に示すように、スティック6は、プリント基板に実装される複数の電子部品がチューブ7の中空部9に収納され、該チューブ7の両端の開口部が樹脂等からなるストッパ8で止めることにより包装されたものである。電子部品の使用時には、ストッパを外し、開口部からから電子部品が取り出される。
【0005】
図3に示すように、トレイ10は、プリント基板に実装される複数の電子部品が板状のトレイ板11に形成された複数の凹部13に収納され、該凹部13の開口側が板状のカバー12で覆われることにより包装されたものである。電子部品の使用時には、板状のカバー12を取り外し、凹部13から自動実装機の吸着ヘッド等により凹部から電子部品が取り出される。
【0006】
部品収納体、例えば前記エンボスキャリアテープ、前記チューブまたは前記トレイ板と、その付属部品である前記トップテープ、前記ストッパまたは前記カバーの多くは、ポリカーボネート(PC)やPCとのポリマーアロイ(例えばPC/ABS,PC/PS,PC/HIPS)、ブタジエンを主成分としたグラフトゴム状物質を添加し、機械的強度を付与した成形用樹脂、例えばABS、HIPS、変性PPEが用いられていた。
【0007】
ポリカーボネートはエステル結合をもつ樹脂であるため、リサイクルするときに加水分解する。また、ブタジエンは主鎖に2重結合をもつ不飽和のゴムであるため、リサイクルするとき熱劣化する。この様に従来部品収納体に使用されている樹脂は、リサイクルには不向きであった。
【0008】
したがって、従来は、前記電子部品が取り出された部品収納体は、そのまま若しくは数回のリユースの後、廃棄されていた。また、前記エンボスキャリアテープ、前記チューブまたは前記トレイ板と共に供給される前記トップテープ、前記ストッパおよび前記カバーについても同様にそのまま若しくは数回のリユースの後、廃棄されていた。
【0009】
リサイクルできる部品収納体としては、紙製のキャリアテープが提供されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開平09−188385号公報
【特許文献2】
特開平11−292187号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、プリント基板の生産現場では、紙製のキャリアテープよりも樹脂製のキャリアテープの方が使用される量が多く、スティックおよびトレイについては、ほぼすべてが樹脂製である。
したがって、生産現場から生じたこれら樹脂製の部品収納体を廃棄する場合、埋め立て又は特殊な焼却炉で焼却することになるため、廃棄した場合は産業廃棄物となって環境破壊を誘起する原因ともなっていた。
【0012】
そこで、本発明は、部品収納体、例えば前記エンボスキャリアテープ、前記チューブおよび前記トレイ板、すなわち、部品収納体の使用済みの物(廃品)を、バージン樹脂による部品収納体と等しい価値のある部品収納体として使用できるようにリサイクルできる部品収納体を提供することをことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の部品収納体は、熱可塑性樹脂を主成分とする部品収納体において、該熱可塑性樹脂に、該熱可塑性樹脂を構成する単量体と同一または類似の単量体を共重合させることにより該熱可塑性樹脂との相溶(容)性を付与したオレフィン系ゴムおよび/またはアクリル系ゴムと、無機化合物または無機混合物からなる導電剤が添加されているため、使用した部品収納体の廃品をそのまま粉砕、ペレット化して再成形することにより再び部品収納体にすることができるという効果がある。
【0014】
請求項2に記載の部品収納体は、請求項1において、前記部品収納体が、部品を収納する複数の凹部が設けられたエンボスキャリアテープ若しくはトレイ板又は部品を収納する中空部が設けられたチューブであるため、電子部品の供給後、廃品となったエンボスキャリアテープ、トレイまたはチューブをそのまま粉砕、ペレット化して再成形することにより再びエンボスキャリアテープ、トレイまたはチューブにすることができるという効果がある。
【0015】
請求項3に記載のキャリアテープは、部品を収納する複数の凹部を設けたエンボスキャリアテープと、該エンボスキャリアテープの凹部の上面をカバーするために貼り付けるトップカバーテープとで構成されるキャリアテープにおいて、前記トップカバーテープは熱可塑性樹脂からなり、前記エンボスキャリアテープは、前記エンボスキャリアテープを構成する熱可塑性樹脂と混ぜ合わせて繰り返してリサイクルできるため、キャリアテープを構成するエンボスキャリアテープとトップキャリアテープの廃品をそのまままとめて粉砕、ペレット化して再成形することにより再びエンボスキャリアテープ等にリサイクルすることができるという効果がある。
【0016】
請求項4に記載のキャリアテープは、請求項3において、前記エンボスキャリアテープは、前記トップカバーテープを構成する熱可塑性樹脂と同一または類似の熱可塑性樹脂からなる樹脂に、該樹脂を構成する単量体と同一または類似の単量体を共重合させることによって該樹脂との相溶(容)性を付与したオレフィン系ゴムおよび/またはアクリル系ゴムと、無機化合物または無機混合物からなる導電剤が添加されているため、キャリアテープを構成するエンボスキャリアテープとトップキャリアテープの廃品をそのまままとめて粉砕、ペレット化して再成形することにより再びエンボスキャリアテープ等にリサイクルすることができるという効果がある。
【0017】
請求項5に記載のキャリアテープは、請求項3において、前記エンボスキャリアテープは、前記トップカバーテープを構成する熱可塑性樹脂と同一または類似の熱可塑性樹脂からなる樹脂に、該樹脂と相容(溶)性をもたせ、混ぜ合わせてリサイクル可能な熱可塑性エラストマーと、無機化合物または無機混合物からなる導電剤が添加されているため、キャリアテープを構成するエンボスキャリアテープとトップキャリアテープの廃品をそのまままとめて粉砕、ペレット化して再成形することにより再びエンボスキャリアテープ等にリサイクルすることができるという効果がある。
【0018】
請求項6に記載のキャリアテープは、請求項3、請求項4または請求項5において、前記トップカバーテープを構成する熱可塑性樹脂が透明な樹脂であるため、リサイクル指向性樹脂であっても、従来と同様に、トップカバーテープが透明であるため、電子部品の存在を確認できるという効果がある。
【0019】
請求項7に記載のキャリアテープは、請求項6において、前記トップカバーテープを構成する熱可塑性樹脂は、アクリロニトリルスチレン共重合体に、オレフィン系ゴムにアクリロニトリルとスチレンとをグラフト共重合させ、混ぜ合わせた樹脂であり、該樹脂に、前記エンボスキャリアテープを構成する熱可塑性樹脂と屈折率を合わせたアクリル系ゴムが添加されているため、同時に生じるキャリアテープを構成するエンボスキャリアテープとトップキャリアテープの廃品をそのまままとめて粉砕、ペレット化して再成形することにより再びエンボスキャリアテープ等にリサイクルすることができるという効果がある。
【0020】
請求項8に記載のキャリアテープは、請求項6において、前記トップカバーテープを構成する熱可塑性樹脂は、AAS樹脂であるため、キャリアテープを構成するエンボスキャリアテープとトップキャリアテープの廃品をそのまままとめて粉砕、ペレット化して再成形することにより再びエンボスキャリアテープ等にリサイクルすることができるという効果がある。
【0021】
請求項9に記載のスティックは、中空部に部品を収納するチューブと、該チューブの両端部から前記部品が落下するのを防止するために該チューブの両端部に挿入するストッパとからなるスティックにおいて、前記チューブは熱可塑性樹脂からなり、前記ストッパは、前記チューブを構成する熱可塑性樹脂と混ぜ合わせてリサイクル可能な熱可塑性樹脂からなるため、スティックを構成するチューブとストッパの廃品をそのまままとめて粉砕、ペレット化して再成形することにより再びチューブ等にリサイクルすることができるという効果がある。
【0022】
請求項10に記載のスティックは、請求項9において、前記チューブは、前記ストッパを構成する熱可塑性樹脂と同一または類似の熱可塑性樹脂からなる樹脂に、該樹脂を構成する単量体と同一または類似の単量体を共重合させることにより該樹脂との相溶(容)性を付与したオレフィン系ゴムおよび/またはアクリル系ゴムと、無機化合物または無機混合物からなる導電剤が添加されているため、スティックを構成するチューブとストッパの廃品をそのまままとめて粉砕、ペレット化して再成形することにより再びチューブ等にリサイクルすることができるという効果がある。
【0023】
請求項11に記載のスティックは、請求項9において、前記チューブは、前記ストッパを構成する熱可塑性樹脂と同一または類似の熱可塑性樹脂からなる樹脂に、該樹脂と相容(溶)性をもたせ、混ぜ合わせてリサイクル可能な熱可塑性エラストマーと、無機化合物または無機混合物からなる導電剤が添加されているため、スティックを構成するチューブとストッパの廃品をそのまままとめて粉砕、ペレット化して再成形することにより再びチューブ等にリサイクルすることができるという効果がある。
【0024】
請求項12に記載のスティックは、中空部に部品を収納する熱可塑性樹脂からなるチューブと、該チューブの両端部から前記部品が落下するのを防止するために該チューブの両端部に挿入するストッパからなるスティックにおいて、前記ストッパは、前記熱可塑性樹脂を構成する単量体と同一または類似の単量体を共重合させることによって該熱可塑性樹脂との相溶(容)性を付与したオレフィン系ゴムおよび/またはアクリル系ゴムからなるため、スティックを構成するチューブとストッパの廃品をそのまままとめて粉砕、ペレット化して再成形することにより再びチューブ等にリサイクルすることができるという効果がある。
【0025】
請求項13に記載のスティックは、中空部に部品を収納する熱可塑性樹脂からなるチューブと、該チューブの両端部から前記部品が落下するのを防止するために該チューブの両端部に挿入するストッパからなるスティックにおいて、前記ストッパは、前記チューブを構成する熱可塑性樹脂と相容(溶)性をもたせ、混ぜ合わせてリサイクル可能な熱可塑性エラストマーからなるため、同時に生じるスティックを構成するチューブとストッパの廃品をそのまままとめて粉砕、ペレット化して再成形することにより再びチューブ等にリサイクルすることができるという効果がある。
【0026】
請求項14に記載のトレイは、部品を収納する複数の凹部を設けたトレイ板と、該トレイ板の凹部の上面をカバーするためのカバーとからなるトレイにおいて、前記カバーは熱可塑性樹脂からなり、前記トレイ板は、前記カバーを構成する熱可塑性樹脂と混ぜ合わせてリサイクル可能な熱可塑性樹脂からなるため、トレイを構成するトレイ板とカバーの廃品をそのまままとめて粉砕、ペレット化して再成形することにより再びトレイ板等にリサイクルすることができるという効果がある。
【0027】
請求項15に記載のトレイは、請求項14において、前記トレイ板は、前記カバーを構成する熱可塑性樹脂と同一または類似の熱可塑性樹脂に、該熱可塑性樹脂を構成する単量体と同一または類似の単量体を共重合させることによって該熱可塑性樹脂との相溶(容)性を付与したオレフィン系ゴムおよび/またはアクリル系ゴムと、無機化合物または無機混合物からなる導電剤が添加されているため、トレイを構成するトレイ板とカバーの廃品をそのまままとめて粉砕、ペレット化して再成形することにより再びトレイ板等にリサイクルすることができるという効果がある。
【0028】
請求項16に記載のトレイは、請求項14において、前記トレイ板は、前記カバーを構成する熱可塑性樹脂と同一または類似の熱可塑性樹脂に、該樹脂と相容(溶)性があり、混ぜ合わせてリサイクル可能な熱可塑性エラストマーと、無機化合物または無機混合物からなる導電剤が添加されているため、同時に生じるトレイを構成するトレイ板とカバーの廃品をそのまままとめて粉砕、ペレット化して再成形することにより再びトレイ板等にリサイクルすることができるという効果がある。
【0029】
請求項17に記載のトレイは、請求項14、請求項15または請求項16において、前記カバーを構成する熱可塑性樹脂が透明な樹脂であるため、リサイクル指向性樹脂であっても、従来と同様に、カバーが透明であるため、カバーがされていてもトレイ板に収納されている電子部品を確認できるという効果がある。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態につき、以下に詳細に説明する。
まず、本発明を実施するに当たり、部品収納体、キャリアテープ、スティック、トレイに使用することができるリサイクル指向性樹脂について以下に説明する。
【0031】
〔リサイクル指向性樹脂〕
アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS)とブタジエン(主鎖に2重結合をもつ不飽和のゴム)グラフトゴムからなるABS、ポリスチレン(PS)とブタジエングラフトゴムからなるHIPS、該HIPSで変性したポリフェニレンエーテル樹脂(変性PPE)は、リサイクルによってブタジエンゴムが劣化するため、機械的物性、特に衝撃強度の低下が著しい。例えば、前記ABS、HIPSでは、粉砕、ペレット化、再成形を1ターンすると、リサイクルによってIZOD衝撃強度は略20%低下する。
【0032】
かかる物性低下を補うために、前記樹脂をリサイクルする時に物性低下の原因であるブタジエンゴムを補えばよいわけであるが、上述したように前記ブタジエンは熱安定性が乏しい(リサイクル性が低い)ので、熱安定性の高いオレフィン系ゴムやアクリル系ゴム、熱可塑性エラストマーを添加した方がよいが、これらの内でオレフィン系ゴムやアクリル系ゴムは前記したAS,PS、変性PPE等のスチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂に対してはそのままでは相容(溶)性が乏しい。
したがって、前記オレフィン系ゴムや前記アクリル系ゴムに前記熱可塑性樹脂に対する相容(溶)性を付与するために、前記オレフィン系ゴムや前記アクリル系ゴムに、前記熱可塑性樹脂を構成する単量体と同一または類似の単量体をランダム、ブロック、グラフトのいずれか一つ、あるいは複数共重合させるのである。
すなわち、前記オレフィン系ゴムおよび/または前記アクリル系ゴムに、前記熱可塑性樹脂を構成する単量体と同一または類似の単量体をランダム共重合、ブロック共重合、またはグラフト共重合させることにより、前記熱可塑性樹脂と略同一のソルビルティーパラメーターをもつため、相容(溶)するのである。
【0033】
例えば、前記PSの場合には、前記オレフィン系ゴムおよび/または前記アクリル系ゴムに同一の単量体、すなわちスチレン系単量体をランダム共重合、ブロック共重合またはグラフト共重合させる。
また、前記ASの場合には、前記オレフィン系ゴムおよび/または前記アクリル系ゴムに同一の単量体、すなわちニトリル系単量体とスチレン系単量体とを共重合させる。
ポリフェニレンエーテルをスチレン系樹脂その他の樹脂によって変性する場合、前記オレフィン系ゴムおよび/または前記アクリル系ゴムに該ポリフェニレンエーテルのフェニレンエーテルユニットおよび/またはポリスチレンと相容(溶)性を示す単量体であるスチレン系単量体を共重合させる。
【0034】
本発明では、リサイクル時加熱溶(熔)融段階で、ともに融けて分子レベルで混ざり合う性質を相溶性と定義し、いずれかが一方の樹脂が他方の樹脂中に微分散して、海島構造又および/またはその他の構造をもち、それぞれの界面,境界領域で欠落,剥がれが無い事、即ち物理的および/または化学的に十分に結合する性質を相容性をいい、相容性と相溶性とを合わせて相容(溶)性という。
【0035】
以上例示したように、配合予定の熱可塑性樹脂のモノマーユニットを共重合させると、前記オレフィン系ゴムおよび/または前記アクリル系ゴムのソルビリティーパラメーターが各熱可塑性樹脂のソルビリティーパラメーターと同一または近似して良好な相容(溶)性を獲得することができる。
熱可塑性エラストマーの場合もハードセグメント部分に配合予定の熱可塑性樹脂のモノマーユニットが共重合されているとソルビリティーパラメーターと同一または近似して良好な相容(溶)性を獲得することができる。
【0036】
前記熱可塑性樹脂に等価再生性改良剤として添加する前記共重合体は、前記熱可塑性樹脂と相容(溶)性を有するから、前記熱可塑性樹脂中で安定に分散する。
そして、前記した共重合体であるオレフィン系ゴムおよび/またはアクリル系ゴムや、ソフトセグメントにオレフィン系ゴムおよび/またはアクリル系ゴムのモノマーユニットを、ハードセグメントに前記熱可塑性樹脂を構成する単量体からなる熱可塑性エラストマーは、熱安定性、耐熱性、耐久性等に優れ、リサイクルを繰り返してもそれ自体の機械的性質、特に耐衝撃性が劣化しにくい性質をもつものは、等価再生性改良剤として使用可能である。
【0037】
前記したリサイクルしても物性が低下しないリサイクル指向の熱可塑性樹脂を例示すると、以下のものがある。
ASに、前記等価再生性改良剤を添加したAES、AAS(ASA)(以下、総称してAbSと云う)。PSに前記等価再生性改良剤を添加した高衝撃性ポリスチレン(以下、HiPSと云う)。ポリフェニレンエーテル樹脂に前記等価再生性改良剤を添加した変性ポリフェレンエーテル、AbS、および/またはHiPSで変性した変性ポリフェニレンエーテル(以下、総称して変性PPeと云う)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などのオレフィン系樹脂などがあげられる。
以下に例示した熱可塑性樹脂のいくつかについて詳細な説明を行う。
【0038】
(スチレン系樹脂)
本発明の対象とするスチレン系樹脂とは、重合体中にスチレン系単量体を少なくとも25重量%以上含有する樹脂であり、スチレン系単量体の単独重合体または該スチレン系単量体の二種以上の共重合体、該スチレン系単量体と該スチレン系単量体と共重合可能な他の単量体の一種または二種以上との共重合体、オレフィン系ゴム、アクリル系ゴムにスチレン系単量体の単独もしくは二種以上を重合せしめた共重合体、前記スチレン系樹脂とオレフィン系ゴム、アクリル系ゴムとのミクロブレンドあるいはポリマーブレンド等が包含される。
【0039】
前記スチレン系樹脂の代表的なものとしては、スチレン単独重合体であるPSや、共重合体ゴムをブレンドした高衝撃性ポリスチレン(HIPS、HiPS)、AS、ASに共重合体ゴムをブレンドしたABSやAbS、スチレン・アクリル酸エステルとの共重合体、スチレン・α−メチルスチレン共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、スチレン・メチルメタクリレート共重合体、スチレン・エチレン共重合体、スチレン・エチレン・プロピレン・水添ブタジエン共重合体、アクリル系ゴム、オレフィン系ゴムにアクリロニトリルとスチレンとをグラフト重合したグラフト重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とのブレンドポリマーであり、たとえば塩素化ポリエチレンとアクリロニトリル・スチレン共重合体との混合樹脂であるACS、オレフィン系ゴムにアクリロニトリルとスチレンとをグラフト重合したオレフィン系ゴム含有のアクリロニトリルとスチレンとの3元共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体との混合樹脂であるAES、アクリル系ゴムにアクリロニトリルとスチレンとをグラフト重合したアクリル系ゴム含有のアクリロニトリルとスチレンとの3元共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体との混合樹脂であるAAS、アクリロニトリル・ジメチルシロキサン・スチレン共重合体とアクリロニトリル・水添ブタジエン・スチレン共重合樹脂との混合樹脂であるASiS等がある。
【0040】
(ポリフェニレンエーテル系樹脂)
本発明が対象とするポリフェニレンエーテル樹脂(PPE系樹脂)の代表的なものとしては、2,6−キシレノールを銅触媒で酸化重合して得られるポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)があるが、さらに2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテルと2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテルとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体等がある。また前記PPE系樹脂にスチレン系樹脂および/またはアミド系樹脂等で変性したもの等が含まれる。
【0041】
(ポリオレフィン系樹脂)
ポリオレフィン系樹脂とは、α−オレフィンの一種または二種以上をラジカル開始剤、金属酸化物系触媒、チグラー・ナッタ触媒、カミンスキー触媒等を使用して重合することによって得られる樹脂であり、前記樹脂は二種以上混合されてもよい。
前記α−オレフィンはα位に重合性の二重結合を有する直鎖状・分岐状あるいは環状オレフィンであって、通常炭素数2〜8のものが選ばれる。具体例としてはエチレンおよびプロピレンがある。
本発明の対象であるポリオレフィン系樹脂には、α−オレフィンと共重合可能な他の単量体が共重合されていてもよい。
【0042】
他の単量体としてはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、アリールマレイン酸イミド、アルキルマレイン酸イミド等のα−β不飽和有機酸またはその誘導体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル;スチレン、メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;ビニルトリメチルメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシランがあり、さらに1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−4−メチル−1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン(4−エチリデン−2−ノンボルネン)等の非共役ジエンを少量共重合させてもよい。
【0043】
前記ポリオレフィン系樹脂として代表的なものは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等である。前記ポリオレフィン系樹脂は、単独または二種以上の混合物の状態で成形材料として使用されるが、さらに前記スチレン系樹脂、例えばPS、HIPS、HiPS、AS、ABS、AbS樹脂、PPE、変性PPE、変性PPe樹脂等の他の熱可塑性樹脂と混合されてもよい。
【0044】
(ポリマーブレンド、ポリマーアロイ)
以上、本発明の対象である熱可塑性樹脂の代表的なものについて詳細な説明をおこなったが、前記熱可塑性樹脂は二種以上を混合してポリマーブレンドあるいはポリマーアロイとされてもよい。
前記ポリマーブレンドあるいは前記ポリマーアロイは、例えば押出成形機におけるスクリュー混練等によって製造される。
さらに、前記熱可塑性樹脂には、耐衝撃性を改良するために、オレフィン系ゴム、アクリル系ゴム等のゴム類やエチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体などの熱可塑性樹脂が混合されてもよい。
【0045】
さらに、前記熱可塑性樹脂の耐衝撃性を改良するためには、熱可塑性エラストマーを添加してもよい。熱可塑性エラストマーとは、常温で加硫ゴムの性質を有するが熱可塑性で熱成形可能なものであり、ハードセグメントとソフトセグメントとによって構成されるものである。熱可塑性エラストマーとしては、ウレタン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ビニル系エラストマー、エステル系エラストマー、オレフィン系エラストマー等がある。
【0046】
〔等価再生性改良剤〕
前記等価再生性改良剤として使用されるゴム状物質は、幹部分がオレフィン系ゴムおよび/またはアクリル系ゴムであり、前記複合樹脂成形品を構成する熱可塑性樹脂と相溶性のあるグラフト鎖を有するグラフトゴム、オレフィン系ゴムおよび/またはアクリル系ゴムを構成するモノマーユニットと、配合予定の熱可塑性樹脂を構成するモノマーユニットのブロック、ランダム共重合体、ソフトセグメントがオレフィン系ゴムおよび/またはアクリル系ゴム、ハードセグメントが配合予定の熱可塑性樹脂を構成するモノマーユニットからなる熱可塑性エラストマーをいう。すなわち、本発明において使用される等価再生性改良剤としてのゴム状物質とは、熱安定性に優れているオレフィン系ゴムグラフト重合体および/またはアクリル系ゴムと配合予定の熱可塑性樹脂を構成するモノマーユニットからなる共重合体、熱可塑性エラストマーで、特にオレフィン系ゴムおよび/またはアクリル系ゴムと配合予定の熱可塑性樹脂を構成するモノマーユニットでのグラフト重合体が好ましい。以下、各ゴム状物質について説明する。
【0047】
(オレフィン系ゴムグラフト重合体)
前記等価再生性改良剤に使用されるオレフィン系ゴムはα−オレフィンの一種または二種以上の重合体、あるいは該α−オレフィンの一種または二種以上と共重合可能な他の単量体の一種または二種以上との共重合体であり、特にエチレンと他のα−オレフィンの一種または二種以上との共重合体あるいはさらにそれらと共重合可能な他の単量体、特に非共役ジエン化合物との共重合体である。前記エチレン−α−オレフィン系共重合体において、エチレンと共重合される単量体として使用されるα−オレフィンとは、炭素数が3〜12のα−オレフィンがあり、具体的にはプロピレン、ブテン−1、4メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等がある。
【0048】
該非共役ジエン化合物としては、たとえばジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、5−メチル−2,5−ノルボルナジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−(1−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、4,7,8,9−テトラヒドロ−インデン、およびイソプロピリデンテトラヒドロ−インデン、シクロオクタジエン、ビニルシクロヘキセン、1,5,9−シクロドデカトルエン、6−メチル−4,7,8,9−テトラヒドロインデン、2,2’ −ジシクロペンテニル、トランス−1,2−ジビニルシクロブタン、1,4−ヘキサジエン、2−メチル−1,4ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、3,6−ジメチル−1,7−オクタジエン、4,5−ジメチル−1,7−オクタジエン、1,4,7−オクタトリエン、5−メチル−1,8−ノナジエン等がある。
【0049】
これら非共役ジエン化合物の中で好ましいものは、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、および/またはジシクロペンタジエン(DCP)、さらに好ましくはジシクロペンタジエンがある。5−エチリデン−2−ノルボルネンを用いたオレフィン系ゴムグラフト重合体とAS、またはPSとの混合樹脂は成形品の外観が良好になる。またオレフィン系ゴムグラフト重合体において、その主成分をなすゴムとしてEPMよりもEPDMを用いた方が成形用熱可塑性樹脂の衝撃強度を高くすることができる。
【0050】
本発明に使用されるオレフィン系ゴムグラフト重合体におけるエチレン−α−オレフィン、および必要に応じて使用される非共役ジエン化合物の使用割合は、モル分率で好ましくは、エチレン/α−オレフィン/非共役ジエン化合物=0.2〜1.0/0.2〜0.8/0〜0.2、さらに好ましくは、0.5〜0.9/0.25〜0.75/0〜0.1であり、エチレン/プロピレンのモル比は60/40以上、望ましくは65/35以上即ち、得られる樹脂成形品の機械的性質(耐衝撃性等)の再生性(以下、再生性)の点からみれば、エチレンリッチなエチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)あるいはエチレン・プロピレン・非共役ジエン化合物三元共重合ゴム(EPDM)を使用することが望ましい。
【0051】
また、本発明に使用されるエチレン−α−オレフィン系共重合体のムーニー粘度(ML1+4 、100℃)は、再生性の点からみて好ましくは5〜150、さらに好ましくは、10〜120、最適値は20〜80である。
【0052】
前記オレフィン系ゴムの代表的なものは、エチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン・プロピレン・非共役ジエン化合物三元共重合ゴム(EPDM)、エチレン・ブテン共重合ゴム(EBM)、エチレン・ブテン・非共役ジエン化合物三元共重合ゴム(EBDM)である。該EBDMに使用される非共役ジエン化合物は上述したEPDMの場合と同じである。
【0053】
前記オレフィン系ゴムには対象である熱可塑性樹脂に相溶性を付与するためにスチレン系単量体やニトリル系単量体が共重合(ブロック、ランダム、グラフトの何れかで特にグラフト共重合が好ましい)せしめられる。
前記オレフィン系ゴムに共重合させるスチレン系単量体としては、例えばスチレン、α−アルキルモノビニリデン芳香族単量体(たとえばα−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−メチルビニルトルエン、α−メチルジアルキルスチレン等)、環置換アルキルスチレン(たとえばo、m、またはp−ビニルトルエン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−第三級ブチルスチレン等)、環置換ハロスチレン(たとえばo−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−プロモスチレン、2,4−ジクロスチレン等)、環−アルキル,環ハロ−置換スチレン(たとえば2−クロロ−4−メチルスチレン、2,6−ジクロロスチレン等)ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等のスチレン系単量体の一種、またはこれらの混合物が用いられる。
【0054】
また、一般にアルキル置換基は1〜4個の炭素原子を有し、直鎖および分岐アルキル基の両方が含まれる。
前記オレフィン系ゴムにグラフト重合させるニトリル系単量体としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フマロニトリルおよびこれらの混合物があげられる。
【0055】
前記スチレン系単量体およびニトリル系単量体以外に他の単量体を共重合させてもよい。前記他の単量体(第3成分)とは前記スチレン系単量体、ニトリル系単量体と共重合可能な単量体であれば特に限定しないが、一般にはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類や、N−フェニルマレイミド、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、(p−ブロモフェニル)マレイミドメタクリレート、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド類、無水マレイン酸、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル化合物類等があげられる。(メタ)アクリレート類としては炭素数1〜4のアルキルエステル、特にメタクリレートが望ましい。
【0056】
前記オレフィン系ゴムに前記単量体をグラフト重合させるには、一般に前記オレフィン系ゴム存在下に前記単量体を前記した油溶性あるいは水溶性開始剤および/または紫外線、電子線等の高エネルギー線によって重合させる重合方式が使用され、該重合方式としては塊状重合、懸濁重合、溶液重合、乳化重合等の一般的方法が適用される。グラフト重合によって得られるグラフトオレフィン系ゴムは、オレフィン系ゴムを幹とし前記単量体の重合鎖を枝とする狭義のグラフト重合体を主成分とし、場合によって該狭義のグラフト重合体にオレフィン系ゴムおよび/または前記単量体から成る重合体がミクロブレンドされているものである。
【0057】
以下、前記リサイクル方法においてリサイクル改良剤として使用される、各熱可塑性樹脂に適するオレフィン系ゴムのグラフト重合体について説明する。
【0058】
(1)スチレン系樹脂用グラフト重合体
スチレン系樹脂、特にPS、HIPS、HiPS)に対しては、スチレンおよび/またはスチレンと類似な単量体として前記〔スチレン系樹脂〕の項に例示されている他のスチレン系単量体の一種または二種以上をグラフト重合したオレフィン系グラフト重合体(オレフィン系ゴム含有のスチレンおよび/またはスチレンと類似な単量体とのグラフト共重合体で、以下スチレングラフトオレフィン系ゴム共重合体という)が使用される。 該スチレングラフトオレフィン系ゴム共重合体は前記スチレン系樹脂、特にPSと略同一なソルビリティーパラメーターを有するスチレン系単量体の重合鎖を枝としているので、PSに対して良好な相容(溶)性を示す。
【0059】
スチレン系樹脂、特にAS、ABS、AbS)に対しては、スチレン(スチレン化ビニル)および/または他のスチレン系単量体の一種または二種以上と、アクリロニトリル(シアン化ビニル)および/または他のニトリル系単量体の一種または二種以上をグラフト重合したオレフィン系グラフト重合体(オレフィン系ゴム含有のスチレンおよび/または他のスチレン系単量体、またはスチレンと類似な単量体と、アクリロニトリルおよび/または他のニトリル系単量体とのグラフト共重合体で、以下スチレンニトリルグラフトオレフィン系ゴム共重合体という)が使用される。
【0060】
前記単量体以外にオレフィン系ゴムには前記単量体と共重合可能な他の単量体がグラフト共重合されてもよい。このような単量体は(スチレン系樹脂)の項において例示されている。
前記スチレンニトリルグラフトオレフィン系ゴム共重合体は前記スチレン系樹脂、特にAS、ABS、AbSと略同一なソルビリティーパラメーターを有するスチレン・ニトリル共重合鎖を枝としているので、AS、ABS、AbSに対して良好な相容(溶)性を示す。
【0061】
前記グラフトオレフィン系ゴム共重合体においては、オレフィン系ゴムとして単独または二種以上の混合ゴムが用いられてもよい。また該オレフィン系ゴムの含有量が10〜80重量%、望ましくは15〜75重量%、グラフトに使用されている単量体の含有量(グラフト率)が合計90〜20重量%、望ましくは55〜25重量%であり、スチレンニトリルグラフトオレフィン系ゴム共重合体の場合にはスチレン系単量体が5〜95重量%、ニトリル系単量体が95〜5重量%の範囲が望ましい。この範囲で前記グラフトオレフィン系ゴム共重合体の熱可塑性樹脂に対する相容(溶)性と、該熱可塑性樹脂に対する再生性の向上効果、即ちリサイクルの際の耐衝撃性の低下防止効果とがバランスする。
【0062】
また前記グラフトオレフィン系ゴム共重合体の粒子径は分子レベルで混ざり合うから5.0μmの範囲が望ましく、さらに0.001〜2.0μmの範囲が望ましい。この粒子径範囲で該グラフトオレフィン系ゴム共重合体の再生性を改良する効果は特に大きくなる。ゴム粒径が異なるグラフトオレフィン系ゴム共重合体を数種類使用することはさらに物性の向上させるので、該オレフィン系ゴムグラフト重合体の添加量を少なくすることができる。
【0063】
さらに前記オレフィン系ゴムグラフト重合体は、分子量の尺度であるトルエン可溶分の還元粘度ηsp/c(0.5g/dl、トルエン溶液、30℃測定)が0.30〜1.00g/dlの範囲にあることが望ましく、0.50〜0.80g/dlの範囲にあることがさらに望ましい。
【0064】
前記グラフトオレフィン系ゴム共重合体の具体例を示せば、PS、HIPS、HiPS用としてEPMおよび/またはEPDMにスチレン系単量体をグラフト重合したスチレングラフトEPMおよび/またはEPDM(St−g−EPM,St−g−EPDM,St−g−EPM・EPDM)、AS、ABS、AbS用としてEPMおよび/またはEPDMにニトリル系単量体とスチレン系単量体とをグラフト共重合したアクリロニトリル・スチレングラフトEPMおよび/またはEPDM(AnSt−g−EPM、AnSt−g−EPDM、AnSt−g−EPM・EPDM)、PS用としてエチレン・ブテンゴム(EBM)および/またはエチレン・ブテン・ジエン三元共重合体(EBDM)にスチレン系単量体をグラフト重合したスチレングラフトEBMおよび/またはEBDM(St−g−EBM,St−g−EBDM,St−g−EBM・EBDM)、AS、ABS、AbS用としてEBMおよび/またはEBDMにニトリル系単量体例えばアクリロニトリルとスチレン系単量体例えばスチレンとをグラフト共重合したアクリロニトリル・スチレングラフトEBMおよび/またはEBDM(AnSt−g−EBM、AnSt−g−EBDM、AnSt−g−EBM・EBDM)がある。
【0065】
本発明では、ASとAnSt−g−EPMの混合樹脂をEPM−AS、ASとAnSt−g−EPDMとの混合樹脂をEPDM−AS、ASとAnSt−g−EPMおよびAnSt−g−EPDMとの混合樹脂をEPM−EPDM−ASとも、PSとSt−g−EPMの混合樹脂をEPM−PS、PSとSt−g−EPDMとの混合樹脂をEPDM−PSと、PSとSt−g−EPMおよびSt−g−EPDMとの混合樹脂をEPM−EPDM−PSとも称する。
またアクリル系ゴムとニトリル系単量体例えばアクリロニトリルとスチレン系単量体のグラフトゴム(AnSt−g−アクリル系ゴム)とASとの混合樹脂をアクリル−AS、アクリル系ゴムとスチレン系単量体のグラフトゴム(St−g−アクリル系ゴム)とASとの混合樹脂をアクリル−PSとも称する。
【0066】
(2)PPE系樹脂用グラフト重合体
PPEは前記したようにフェニル基を有する構成ユニットからなり、したがってグラフト分子体(重合体)としては前記St−g−EPM,St−g−EPDM,St−g−EPM・EPDM,St−g−EBM,St−g−EBDM,St−g−EBM・EBDMのようなスチレングラフトオレフィン系ゴムグラフト重合体が選択されることが望ましい。該オレフィン系ゴムグラフト重合体はPPEと近似したソルビリティーパラメーターを有するスチレン重合鎖を枝として有し、PPE系樹脂と良好な相溶性を有するので、該オレフィン系ゴムグラフト重合体はPPE系樹脂に分離を起こすことなく安定に混合され、該PPE系樹脂の再生性を改良する。
【0067】
本発明では、PPEとオレフィン系ゴムグラフト重合体St−g−EPMの混合樹脂をEPM−PPE、St−g−EPDMとの混合樹脂をEPDM−PPEと、St−g−EPMおよびSt−g−EPDMとの混合樹脂をEPM−EPDM−PPE、PSとEPM−PPEとの混合樹脂EPM−PS−PPEと、EPDM−PPEとの混合樹脂をEPDM−PS−PPEと、St−g−EPMおよびSt−g−EPDMとの混合樹脂をEPM−EPDM−PS−PPEとも称する。
またPPEとアクリル系ゴムグラフト重合体St−g−アクリル系ゴムの混合樹脂をアクリル−PPE、PSとアクリル−PPEとの混合樹脂、アクリル−PS−PPEとも称する。
【0068】
(アクリル系ゴムグラフト重合体)
本発明で使用されるアクリル系ゴムとは、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の望ましくは炭素数2〜8のアルキル基を有するアクリレートの単独重合体、あるいは前記アクリレートの二種以上の共重合体、あるいは前記アクリレートの一種または二種以上とブタジエンあるいはEPDMに使用されているものと同様な非共役ジエン化合物、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、酢酸ビニル、スチレン、エチレン、プロピレン等の他の単量体の一種または二種以上との共重合体、さらにはアクリル酸、メタクリル酸、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート等の官能性単量体、あるいはγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、p−トリメトキシシリルスチレン、p−トリエトキシシリルスチレン、p−トリメトキシシリル− α−メチルスチレン、p−トリエトキシシリル−α−メチルスチレン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシッシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−β(N−ビニルベンジルアミノエチル−γ−アミノプロピル)トリメトキシシラン・塩酸塩等の重合性シランカップリング剤との共重合体である。
【0069】
汎用のアクリル系ゴムとしては、例えば若干の前記官能性単量体を共重合したポリエチルアクリレート、ポリn−ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート−アクリロニトリル共重合体、n−ブチルアクリレート−ブタジエン共重合体、n−ブチルアクリレート−エチレン共重合体、n−ブチルアクリレート−γ− メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン共重合体、n−ブチルアクリレート−ビニルトリメトキシシラン共重合体等であり、望ましいアクリル系ゴムとしてはn−ブチルアクリレート/ブタジエンのモル比が30/70以上であるn−ブチルアクリレート−ブタジエン共重合体がある。
【0070】
前記アクリル系ゴムは通常サスペンション重合、エマルション重合等によって製造される。
前記アクリル系ゴムは前記オレフィン系ゴムと同様にしてスチレン系単量体あるいはスチレン系単量体とニトリル系単量体とがグラフト重合され、スチレン系樹脂、PPE系樹脂、PC系樹脂との相容(溶)性を付与される。オレフィン系ゴムグラフト重合体と同様相容(溶)性とリサイクルの際の耐衝撃性の低下防止効果とのバランスからみて、該アクリル系ゴムの含有量が10〜80重量%、望ましくは15〜75重量%、グラフトに使用されている単量体の含有量(グラフト率)が合計90〜20重量%、望ましくは55〜25重量%であり、スチレン・ニトリルグラフトアクリル系ゴム共重合体の場合にはスチレン系単量体が5〜95重量%、ニトリル系単量体が95〜5重量%の範囲が望ましい。この範囲で前記グラフトアクリル系ゴム共重合体の熱可塑性樹脂に対する相容(溶)性と、該熱可塑性樹脂に対する再生性の向上効果、即ちリサイクルの際の耐衝撃性の低下防止効果とがバランスする。
【0071】
前記した熱可塑性樹脂は加熱溶融試検(20回以上の繰返しリサイクルに相当する熱量、250℃、1時間の加熱)によってブタジエングラフトゴム含有のABS,HIPS、変性PPEでは、50%まで低下するのに、PS、ASではIZOD衝撃強度は100%が維持され、EPDM−AS(AES)、EPDM−PS、EPDM−PS−PPEのオレフィン系グラフトゴム含有の樹脂では100%が維持され、アクリル酸ブチルとブタジエンとの共重合体のグラフトゴムとAS樹脂からなる樹脂(AAS)は90%が維持される。
【0072】
実際にそれぞれの樹脂を成形加工⇒粉砕⇒ペレット化を1ターンとして、リサイクル試検を実施してみると、EPDM−AS(AES)、EPDM−PS、EPDM−PS−PPEそれぞれは1回のリサイクルにおいて、IZOD衝撃強度の低下がないこと、アクリル−AS(AAS)では95%以上が維持されている事を確認している。
以上の結果からリサイクル指向性の樹脂は、250℃、1時間の加熱溶融試検でIZOD衝撃強度(ASTM−D256)はバージン材の70%以上が確保され、1回のリサイクルにおける前記IZOD衝撃強度は元の成形品の90%以上が確保される。
本発明の部品収納体、キャリアテープ、スティック又はトレイを構成する熱可塑性樹脂には、さらに該熱可塑性樹脂に導電性を付与する導電剤が添加される。以下に導電剤について詳細に説明する。
【0073】
〔導電剤〕
導電剤とは、部品収納体が静電気を帯びてゴミ、ホコリを引き寄せることを防止し、若しくは、IC等の電子部品が破壊されることを防止する目的で添加するものをいい、代表的なものを以下に示す。
【0074】
無機物(質)の物質、化合物または混合物からなる導電剤として、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、鉄などの金属粉や、金属繊維、カーボン繊維、炭素粉末、導電性カーボン、導電性グラファイト、白色導電粉(例えば、酸化チタン−スズ−アンチモン系の粉末)などがある。
また、有機物(質)の導電剤として、カチオン系界面活性剤、例えば、第四アンモニウム塩、ステアロアミドプロピルジメチル−β−ヒドロキシエチル・アンモミウム・ニトレート、ステアロミドプロピルヂメチ−β−ヒドロキシエチル・アンモミウム・ジヒドロゲン・ホスフェート、特殊アミン化合物{例えば日本シーシーエルのミニスタットG−220(商品名)}、Na−アルキル・ジフェニルエーテル・ジスルホネート、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)メチルアンモニウムメトスルフェート、変性脂肪酸ジメチルエチルアンモニウムエトスルフェート、アニオン系界面活性剤{例えば、三洋化成のケミスタック3033(商品名)、第一工業製薬のレジスタット212(商品名)、松本油脂製薬のTB−160(商品名)、丸菱由化のデノン1886(商品名)、ライオンのレオスタットP−200(商品名)}、アニオン系界面活性剤例えば、ポリオキシエチレン・アルキルアミン、多価アルコール系誘導体{例えば、第一工業製薬のレジスタットPE132(商品名)、レジスタットPE139(商品名)など}、ノニオン系界面活性剤例えば、花王の製品エレクトストリッパーTS−2B,3B,TS−5,TS−6B,TS−7B,TS−8B,TS−9B,TS−84,EA,HS−12,HS−12PA,PC,PC−3、勝田化工の製品ST−51J、サンノプコの製品ノプコスタットHS、三洋化成の製品ケミスタット1100、第一工業製薬の製品レジスタット141など、アルキルアミン誘導体例えば、アルキルフスフェートアミン塩、脂肪酸エステル{例えば、ライオンの製品レオスタットGS−90,DGS(B),SS−60(商品名)}、アルキルジエタノールアミド、ポリエチレングリコールエステル、一方社油脂の製品エレタットS,M−65、三協化成の製品アンストA、ライオン・アクゾの製品アーモスタット511,513,515、花王の製品エレストマスタ−HE110,S−520,ライオンの製品レオスタットMP−1,MP−F,MP−S,MP−C(商品名)などがある。
【0075】
さらに、有機物(質)の永久帯電防止剤として、ポリエーテル系のポロエチレンオキシド、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテル、エチレンオキシド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート共重合体、第4級アンモウム塩系の4級アンモニウム塩含有(メタ)アクリレート共重合体、4級アンモニウム塩含有マレイミド共重合体、4級アンモニウム塩含有メタクリルイミド共重合体、スルフォン酸系ではポリスチレンスルフォン酸ソーダなど、ベタイン系はカルボベタイングラフト共重合体などや、高分子電荷移動型結合体などがある。
前記アクリル系ゴムは分子体中に親水性のエステル結合をもち、空気中の水分を吸湿(吸収)して、永久帯電防止性をもつ。エステル結合やエーテル結合をもった樹脂は多少なりともこの様な性質をもつ。
【0076】
これらの導電剤は、前記熱可塑性樹脂への練込み、あるいは前記熱可塑性樹脂に表面塗布して使用されるが、無機物(質)の物質、化合物または混合物からなる導電剤はリサイクルに適している。 その理由は、前記した有機物(質)からなる導電剤は、リサイクル時の加熱溶融によって蒸発、昇華、あるいは分解するが、無機物(質)の化合物または混合物からなる導電剤は加熱しても導電性を薄なわないからである。
【0077】
有機物(質)からなる導電剤の中には、熱可塑性樹脂を分解するものもある。例えばASとグラフトオレフィン系ゴム共重合体からなるAES{例えば、日本エーアンドエル製AES樹脂(ユニブライト700(商品名))はリサイクルを繰り返しても物性劣化しないリサイクル指向性の高い樹脂であるが、前記AES樹脂ペレット(IZOD衝撃強度の実測値=47.0kg/cm)に、三洋化成の製品ペレスタット6321(商品名)のペレットを10質量%混ぜ合わせ、成形加工すると、成形品の表面固有抵抗値が9×1014Ω□/cm{導電剤(ペレスッタト6321)の添加なし}が7×1011Ω□/cm(導電剤(ペレスッタト6321)10質量%添加)に下がる。
前記NC6321を10質量%混ぜ合わせた混合樹脂を成形加工し、粉砕し、再ペレッット化し、IZOD衝撃強度を測定したところ69%の低下(IZOD衝撃強度の実測値=14.6kg/cm)を示した。すなわち前記NC6321はリサイクル樹脂の物性低下に与える影響が大きい。この原因は、導電剤の熱分解であると推測される。
【0078】
一方、前記AESにケッチェンブラックを2質量%入れた場合の成形品の表面固有抵抗値は3×1011Ω□/cm、前記AESにアセチレンブラック2質量%入れた場合の成形品の表面固有抵抗値2×1012Ω□/cm、銅繊維を20質量%入れた場合では10Ω□/cmを示し、リサイクルを1ターン(粉砕→ペレット化→再成形)、IZOD衝撃強度の低下は確認されなかった。(IZOD衝撃強度の実測値=47.0kg/cm
これらのことから、リサイクルに適した導電剤としては、例えば金属粉等の熱安定性の良い無機物(質)の化合物または混合物であることがわかる。
別にアクリル系ゴムを配合された成形用樹脂、例えばAbS(AAS)や、透明ABS(ASと屈折率を合わせたアクリル系ゴム含有)は熱安定性に優れ、然もアクリル系ゴムは永久帯電防止剤であることは上述した。係るにアクルル系ゴム配合の樹脂は、永久帯電性に重ね、リサイクル性にも優れている。
【0079】
PS樹脂ペレット{エー・アンド・エムスチレン(株)製のPS樹脂A&MポリスチレンHF77(商品名、およびグレード)に80質量%と、St−g−EPDM(Stのグラフト率は50質量%、第三成分(D)はDCP)ペレット20wt%からなるHiPS 0001A(IZOD衝撃強度の実測値=9.1kg/cm)に、前記ケッチェンブラックを2質量%添加(IZOD衝撃強度の実測値=8.6kg/cm)した場合の成形品の表面固有抵抗値は4×10Ω□/cm、アセチレンブラック2質量%入れた場合(IZOD衝撃強度の実測値=8.5kg/cm)の成形品の表面固有抵抗値4×1012Ω□/cmを示した。
前記導電剤(ケッチェンブラック、アセチレンブラック)入りHiPS 0001A成形品をリサイクル1ターンを実施した。
HiPS 0001A50質量%と、2,6−キシレノールを酸化重合して得られるポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)50質量%からなる変性PPe 0001Aに同様にケッチェンブラック、アセチレンブラック2質量%を加え、リサイクル性を確認した。
リサイクル成形品のそれぞれのIZOD衝撃強度と、表面固有抵抗値を表1に示した。
【0080】
【表1】
Figure 2004001887
【0081】
以上の結果から、オレフィン系ゴム配合のAbS、HiPS、変性PPeそれぞれはリサイクル指向の樹脂で、然も無機質の導電剤(ケッチェンブラック、およびアセチレンブラック)も熱安定性に優れたリサイクル指向材料であることが確認された。
【0082】
〔本体成形品〕
本発明では本体成形品は前記熱可塑性樹脂を材料として射出成形、ブロー成形、真空成形、圧空成形、プレス成形、押出成形等、種々の成形方法によって製造され、容器状、箱状、トレイ状、シート状等、種々の形状を有してもよい。
【0083】
〔付属成形品〕
付属成形品は本体成形品の熱可塑性樹脂に対して相溶性を有する熱可塑性樹脂を材料として本体成形品と同様な成形方法で製造される。付属成形品は例えば本体成形品に接合される把手、脚、シールやラベルの類、フレーム等である。
【0084】
〔塗料/インク〕
AbS、HiPS、変性PPe成形品に塗装または/および印刷を施す場合に、塗料,インクを構成する樹脂、は、AbS、HiPS、変性PPeと相容(溶)するもの選択され、前記樹脂と相容(溶)する塗料,インクを構成する樹脂にはスチレン変性アクリル樹脂がある。
なお前記スチレン変性アクリル樹脂とは、スチレンとアクリルエステルからなる共重合体である。
【0085】
該アクリルエステルとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等のアクリレートが例示され、またメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート等のメタクリレートが使用されてもよい。
【0086】
なお前記スチレン変性アクリル樹脂は、成形品との相溶性を損なわない程度において、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、iso−ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪族ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のハロゲン含有単量体、エチレン、プロピレン等のオレフィン類、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン等のジエン類、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、アトロパ酸、シトラコン酸等のα、β−不飽和カルボン酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、アリルアルコール等の水酸基含有単量体、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド類、ジメチルアミノメチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート等のアミノ基含単量体、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル等のエポキシ基含有単量体、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルアセトキシシラン、p−トリメトキシシリルスチレン、p−トリエトキシシリルスチレン、p−トリメトキシシリル−α−メチルスチレン、p−トリエトキシシリル−α−メチルスチレン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−β(N−ビニルベンジルアミノエチル−γ−アミノプロピル)トリメトキシシラン・塩酸塩等の加水分解性シリル基含有ビニル単量体等の単量体が、共重合されてもよい。なお前記単量体は単独で、または二種以上を組合せて使用されてもよい。
【0087】
前記スチレン変性アクリル樹脂から作られて塗料、印刷インク(インキ)は、AbS、HiPS、変性PPeと混ざり合い相容(溶)するので、リサイクル時塗膜、インク膜の分離・剥離をせずにそのままでリサイクル可能なリサイクル指向の塗料、印刷インクである。
【0088】
〔リサイクル方法〕
前記複合樹脂成形品をリサイクルして、新たな樹脂成形品を製造する方法としては、該複合樹脂成形品を本体成形品、付属成形品がある場合にも分離することなく、そのまま粉砕して粉砕物とし、該粉砕物を加熱溶融成形等して樹脂成形品を製造する方法がある。
また前記粉砕物を加熱溶融してペレットを成形し、該ペレットを加熱溶融成形して樹脂成形品の製造を行って、前記複合樹脂成形品のリサイクルを行ってもよい。
また更に、前記加熱溶融過程において、複合樹脂成形品を構成する熱可塑性樹脂と相溶性のあるゴム状物質をリサイクル改良剤として添加して、樹脂成形品を製造し、前記複合樹脂成形品のリサイクルを行ってもよい。
【0089】
したがってこれらの使用済みの熱可塑性樹脂の成形品から再生された熱可塑性樹脂成形品はそのまま前記成形品と同等な価値のある成形品、即ち等価成形品として使用することができる。本発明ではこのような性質を等価再生性と呼ぶことにする。
【0090】
(第1実施形態)
AbS{日本エーアンドエル(株)製AES ユニブライト700(商品名、およびグレード)自然色}に導電剤としてアセチレンブラックを2質量%添加し、2軸の押し出し機を用いてペレット化することにより、導電剤が添加された成形用樹脂AbS0001Aを製造した。
同様にユニブライト700に導電剤としてケッチェンブラックを2質量%添加し、ペレット化し、成形用樹脂AbS00001Bを製造した。
同様に三菱レイヨン(株)製AAS樹脂{ダイヤペット710A(商品名、およびグレード)自然色}に導電剤としてアセチレンブラックを2質量%添加し、ペレット化し、成形用樹脂AbS0002Aを製造した。
同様にダイヤペット710Aに導電剤としてケッチェンブラックを2質量%添加し、ペレット化し、成形用樹脂AbS0002Bを製造した。
同様にHiPS0001に導電剤としてアセチレンブラックを2質量%添加し、ペレット化し、成形用樹脂HiPS0001Aを製造した。
同様にHiPS0001に導電剤としてケッチェンブラックを2質量%添加し、ペレット化し、成形用樹脂HiPS0001Bを製造した。
同様に変性PPe0001に導電剤としてアセチレンブラックを2質量%添加し、ペレット化し、成形用樹脂変性PPe0001Aを製造した。
同様に変性PPe0001に導電剤としてケッチェンブラックを2質量%添加し、ペレット化し、成形用樹脂変性PPe0001Bを製造した。
【0091】
それぞれの樹脂を成形加工し、粉砕し、ペレット化して、再成形した。それぞれの樹脂の物性比較した結果を表2に示した。表2に示すように、導電剤が添加されたこれらの樹脂をリサイクルしても物性の低下、表面固有抵抗値の低下はなく、等価再生可能であることがわかる。
【0092】
【表2】
Figure 2004001887
【0093】
(第2実施形態)
電子部品を収納するための凹部を設けたエンボスキャリアテープと、前記該エンボスキャリアテープの凹部上面をカバーするためのトップカバーテープからなるキャリアテープにおいて、エンボスキャリアテープをAS樹脂に等価再生性改良剤としてオレフィン系ゴムグラフト共重合体を添加し、導電剤としてケッチェンブラックを添加して成形し、前記トップカバーテープはASとアクリル系グラフト共重合体からなるブレンドポリマー(通称、「透明ABS」)を用いて形成した。
【0094】
本体成形品の熱可塑性樹脂と相溶性を有する熱可塑性樹脂とは、本体成形品の熱可塑性樹脂と加熱溶融混合しても相分離を起こさないような熱可塑性樹脂を言う。
一般に同一な材質の場合、加熱溶融の段階で共に融けて、混ざり合う{溶(熔)け合う}が、異材質で相容性を示す場合には完全に溶け合うことは少なく、一方の樹脂が他方樹脂中に微分散する構造や形態(海島構造等)を示し、島の縦と横の比が20以下、好ましくは15以下、さらにこのましくは10以下である。縦横比が20以上であるとグラフトゴム共重合体の配向性が出てしまい製品の変形、強度低下などが多くなる。
【0095】
付属成形品に使用される熱可塑性樹脂としては、一般的には前記本体成形品の熱可塑性樹脂として例示される熱可塑性樹脂が使用される。例えば、本体成形品の熱可塑性樹脂が、HiPS(あるいはPS)である場合、付属成形品の熱可塑性樹脂としては、本体成形品の熱可塑性樹脂に対して相溶性を有する同材質のHiPS、PS等が使用される。
【0096】
本体成形品の熱可塑性樹脂が、AbS(あるいはAS)である場合、付属成形品の熱可塑性樹脂としては、本体成形品の熱可塑性樹脂に対して相溶性を有する同材質なAbS、AS、或いは構成樹脂の一部が同じ熱可塑性樹脂からなるACS、ASiS等が使用される。
【0097】
本体成形品の熱可塑性樹脂が、PPE(あるいは変性PPe)である場合、付属成形品の熱可塑性樹脂としては、本体成形品の熱可塑性樹脂に対して相溶性を有するPPE、変性PPe、PS、HiPS、AbS、AS等が使用される。
【0098】
【実施例】
(実施例1)
ユニブライト700(AES樹脂)にケッチェンブラック2質量%を入れた前記AbS0001Aを用いて図1に示すエンボスキャリアテープ2を押し出し成形にて製造(成形)し、東レ(株)製の透明ABS(トヨラック920)を用いてフイルム成形にてトップカバーテープ3を製造した。
これらの成形品を用いて製造したキャリアテープ1をプリント基板の生産で使用し、その後、廃品として得たエンボスキャリアテープ2とトップカバーテープ3を別々に分け、それぞれを粉砕、ペレット化して得たリサイクル材を用いて、再び、同様にエンボスキャリアテープ2を押し出し成形にて製造し、トップカバーテープ3をフイルム成形にて製造した。
【0099】
その後、リサイクルしたエンボスキャリアテープ2(リサイクル材)の諸物性を測定した。IZOD衝撃強度の実測値は、バージン材(バージン材を用いて製造したエンボスキャリアテープ2)の場合が47.0kg/cmに対し、リサイクル材が47.1kg/cmであった。IZOD衝撃強度は、ASTM−D256の手法に準拠して測定した。以下に示すIZOD衝撃強度も同一の手法で測定したものである。
また、表面固有抵抗値は、バージン材の場合が2×1012Ω□/cmに対し、リサイクル材が2×1012Ω□/cmであった。表面固有抵抗値は、HRプローブを用いて測定した。以下に示す表面固有抵抗値も同一の方法で測定したものである。
以上より、リサイクルしたエンボスキャリアテープの物性は、バージン材を用いて製造したエンボスキャリアテープと略同一であることを確認できた。
同様に、トップカバーテープ3についても、バージン材で製造したものと、リサイクル材で製造したもののIZOD衝撃強度と表面固有抵抗値を測定し、略同一であることを確認できた。
【0100】
(実施例2)
前記した実施例1の廃品として得たエンボスキャリアテープ2およびトップカバーテープ3を、重量比がエンボスキャリアテープ/トップカバーテープ=8/2の割合で混合して粉砕した。この粉砕材に、ケッチェンブラック0.4質量%(透明ABS分)を入れた後、ペレット化して、混合樹脂ペレット(AES/透明ABS樹脂=8/2の重量比で混合)を得た。
前記した方法で得られたリサイクル材を用いて、前記実施例1と同一の方法でエンボスキャリアテープを製造した。このエンボスキャリアテープは、IZOD衝撃強度の実測値が45.7kg/cm、表面固有抵抗値が4×1012Ω□/cmであった。
以上より、実施例1で示したバージン材とほぼ同じ値であることを確認できた。
【0101】
(実施例3)
前記HiPS0001にケッチェンブラック2質量%を混ぜ合わせ、ペレット化した前記HiPS0001Bを用いて、図2に示したチューブ7を押し出し成形で製造した。また、PS樹脂を用いてストッパ8を製造した。
これらの成形品を用いて製造したスティック6をプリント基板の生産で使用し、その後、廃品として得たチューブ7とストッパ8とを重量比=20/1で混合して、粉砕した。得られた粉砕材にケッチェンブラック1質量%と、スチレングラフトアクルル系ゴム8重量%を混ぜ合わせ、ペレット化して、リサイクル材を得た。
【0102】
該リサイクル材を用いて、図3に示すトレイ板11を射出成形法で製造し、諸物性を測定した。このリサイクルトレイ(リサイクル材)の物性は、IZOD衝撃強度が8.1kg/cmであり、表面固有抵抗値が4×10Ω□/cmであった。
前記リサイクル材を使用して製造したリサイクルトレイをプリント基板の生産で使用し、その後、廃品として得たリサイクルトレイを粉砕、ペレット化、再成形して再びリサイクルトレイを製造した。
再度リサイクルしたリサイクルトレイの諸物性を測定したところ、IZOD衝撃強度の実測値が8.2kg/cm、表面固有抵抗値の実測値が3×10Ω□/cmであった。リサイクル材を用いて再度リサイクルしても物性は略同一であることを確認できた。
【0103】
(実施例4)
前記HiPS0001とポリフェニレンエーテル樹脂からなる変性PPeに、ケッチェンブラック2質量%を混ぜ合わせ、ペレット化した材料(変性PPe0001B)を用いてチューブ7を押し出し成形にて製造した。
また、PS樹脂に、ハードセグメントがスチレンで、ソフトセグメントがエチレン・プロピレンからなる、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)を35質量%混ぜ合わせ、射出成形にてストッパ8を製造した。
これらのチューブ7とストッパ8からなるスティック6をプリント基板の生産で使用し、その後廃品として得た前記チューブ7とストッパ8とを混ぜ合わせ、粉砕・ペレット化して、再びチューブを製造した。このリサイクルチューブ(リサイクル材)は、IZOD衝撃強度が16.2kg/cm、表面固有抵抗値は3×10Ω□/cmを示した。
【0104】
一方、EPDMにスチレンをグラフト共重合させた、スチレングラフトEPDM(EPDMとスチレンとの相転換を目的にスチレングラフトEPDMとPS樹脂とを1/1で混合し、2軸押し出し機で溶融強混練したスチレングラフトEPDM)を用いてストッパ8を製造した。それとは別に、SEPSを用いてストッパ8を製造した。
この2種類のストッパ8を、前記SEPSの場合と同様に、前記HiPS0001とポリフェニレンエーテル樹脂からなる変性PPeに、ケッチェンブラック2質量%を混ぜ合わせ、ペレット化した材料(変性PPe0001B)を用いて押し出し成形にて製造したチューブ7と、混ぜ合わせ、粉砕・ペレット化して、再びストッパを製造した。該リサイクルストッパ(リサイクル材)は、IZOD衝撃強度が16.3kg/cm、表面固有抵抗値は3×10Ω□/cmを示した。
以上より、混ぜ合わせるストッパ8が異なっていても、IZOD衝撃強度および表面固有抵抗値は略同一であることが確認できた。
【0105】
(実施例5)
EPDMにスチレンをグラフト共重合させた、スチレングラフトEPDM(EPDMとスチレンとの相転換を目的にスチレングラフトEPDMとPS樹脂とを1/1で混合し、2軸押し出し機で溶融強混練したスチレングラフトEPDM)を用いて製造したストッパを粉砕して得たリサイクル材を用いてトレイ板11を製造し、PS樹脂を用いてカバー12を製造した。トレイ板11とカバー12とを同重量づつ混ぜ合わせた後、粉砕し、カバー12の重量の20質量%分に相当する重量のSEPSと、2質量%に相当する量のアセチレンブラックを混ぜ合わせ、ペレット化してリサイクル材を得た。
該リサイクル材を用いて、トレイ板11を製造し、リサイクルトレイ(リサイクル材)の諸物性を測定した。IZOD衝撃強度は18.2kg/cmであり、表面固有抵抗値は3×1010Ω□/cmであった。実施例4と比較すれば、表面固有抵抗値は同一であるが、IZOD衝撃強度が向上していることが確認できた。
【0106】
(実施例6)
廃品として得た透明ABS(トヨラック920)を用いて製造したチューブ7と、AS樹脂を用いて製造したストッパ8を混ぜ合わせ、粉砕・ペレット化して、再びチューブを成形加工した。
このリサイクルチューブ(リサイクル材)のIZOD衝撃強度は10.2kg/cmであり、表面固有抵抗値は3×1013Ω□/cmであった。
バージン材の透明ABSを用いて製造したチューブのIZOD衝撃強度は11.0kg/cmであり、表面固有抵抗値は3×1013Ω□/cmであるので、略同じであることが確認できた。
【0107】
(実施例7)
アクリル酸ブチルとブタジエンとの共重合ゴムのスチレンと、アクリロニトリルとをグラフト共重合させた、アクリル系ゴムを配合した三菱レイヨン(株)製
AAS(ダイヤラック 710A)を用いてトレイ板を製造した。
前記トレイ板を粉砕・ペレット化してリサイクル材を得た。このようにして得られたAASリサイクル材を用いて再びトレイと、エンボスキャリアテープを製造した。
これらリサイクルトレイおよびリサイクルエンボスキャリアテープ(リサイクル材)のIZOD衝撃強度は36.2kg/cmであり、表面固有抵抗値は7×1013Ω□/cmであった。
バージン材の透明ABSを用いて製造したチューブのIZOD衝撃強度は37.0kg/cmであり、表面固有抵抗値は3×1013Ω□/cmであるので、略同じであることが確認できた。
【0108】
上述の実施形態、及び実施例は、説明のために例示したもので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無く、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記載から当業者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更および付加が可能である。
【0109】
【効果】
本発明の部品収納体は、熱安定性の良いグラフトゴム共重合体が配合された、AbS、HiPS、変性PPeからなるので、例えば、キャリアテープ、スティック若しくはトレイ、または前記キャリアテープを巻き取るリールとして、使用に耐える十分な強度を有し、更に耐熱性があるため、鉛フリー化に対応したものである。また、等価再生材を用いることにより、何度でも繰り返しリサイクルして使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャリアテープを説明する斜視図である。
【図2】スティックを説明する斜視図である。
【図3】トレイを説明する平面図である。
【符号の説明】
1 キャリアテープ
2 エンボスキャリアテープ
3 トップカバーテープ
6 スティック
7 チューブ
8 ストッパ
10 トレイ
11 トレイ板
12 カバー

Claims (17)

  1. 熱可塑性樹脂を主成分とする部品収納体において、
    該熱可塑性樹脂に、該熱可塑性樹脂を構成する単量体と同一または類似の単量体を共重合させることにより該熱可塑性樹脂との相溶(容)性を付与したオレフィン系ゴムおよび/またはアクリル系ゴムと、
    無機化合物または無機混合物からなる導電剤が添加されていることを特徴とする部品収納体。
  2. 請求項1に記載の部品収納体において、
    前記部品収納体が、部品を収納する複数の凹部が設けられたエンボスキャリアテープ若しくはトレイ板又は部品を収納する中空部が設けられたチューブであることを特徴とする部品収納体。
  3. 部品を収納する複数の凹部を設けたエンボスキャリアテープと、
    該エンボスキャリアテープの凹部の上面をカバーするために貼り付けるトップカバーテープとで構成されるキャリアテープにおいて、
    前記トップカバーテープは熱可塑性樹脂からなり、
    前記エンボスキャリアテープは、前記エンボスキャリアテープを構成する熱可塑性樹脂と混ぜ合わせて繰り返してリサイクル可能な熱可塑性樹脂からなることを特徴とするキャリアテープ。
  4. 請求項3に記載のキャリアテープにおいて、
    前記エンボスキャリアテープは、前記トップカバーテープを構成する熱可塑性樹脂と同一または類似の熱可塑性樹脂からなる樹脂に、該樹脂を構成する単量体と同一または類似の単量体を共重合させることによって該樹脂との相溶(容)性を付与したオレフィン系ゴムおよび/またはアクリル系ゴムと、
    無機化合物または無機混合物からなる導電剤が添加されていることを特徴とするキャリアテープ。
  5. 請求項3に記載のキャリアテープにおいて、
    前記エンボスキャリアテープは、前記トップカバーテープを構成する熱可塑性樹脂と同一または類似の熱可塑性樹脂からなる樹脂に、該樹脂と相容(溶)性をもたせ、混ぜ合わせてリサイクル可能な熱可塑性エラストマーと、
    無機化合物または無機混合物からなる導電剤が添加されていることを特徴とするキャリアテープ。
  6. 請求項3、請求項4または請求項5に記載のキャリアテープにおいて、
    前記トップカバーテープを構成する熱可塑性樹脂が透明な樹脂であることを特徴とするキャリアテープ。
  7. 請求項6に記載のキャリアテープにおいて、
    前記トップカバーテープを構成する熱可塑性樹脂は、アクリロニトリルスチレン共重合体に、
    オレフィン系ゴムにアクリロニトリルとスチレンとをグラフト共重合させ、混ぜ合わせた樹脂であり、
    該樹脂に、前記エンボスキャリアテープを構成する熱可塑性樹脂と屈折率を合わせたアクリル系ゴムが添加されていることを特徴とするキャリアテープ。
  8. 請求項6に記載のキャリアテープにおいて、
    前記トップカバーテープを構成する熱可塑性樹脂は、透明ABS樹脂であることを特徴とするキャリアテープ。
  9. 中空部に部品を収納するチューブと、
    該チューブの両端部から前記部品が落下するのを防止するために該チューブの両端部に挿入するストッパとからなるスティックにおいて、
    前記チューブは熱可塑性樹脂からなり、
    前記ストッパは、前記チューブを構成する熱可塑性樹脂と混ぜ合わせてリサイクル可能な熱可塑性樹脂からなることを特徴とするスティック。
  10. 請求項9に記載のスティックにおいて、
    前記チューブは、前記ストッパを構成する熱可塑性樹脂と同一または類似の熱可塑性樹脂からなる樹脂に、該樹脂を構成する単量体と同一または類似の単量体を共重合させることにより該樹脂との相溶(容)性を付与したオレフィン系ゴムおよび/またはアクリル系ゴムと、
    無機化合物または無機混合物からなる導電剤が添加されていることを特徴とするスティック。
  11. 請求項9に記載のスティックにおいて、
    前記チューブは、前記ストッパを構成する熱可塑性樹脂と同一または類似の熱可塑性樹脂からなる樹脂に、該樹脂と相容(溶)性をもたせ、混ぜ合わせてリサイクル可能な熱可塑性エラストマーと、
    無機化合物または無機混合物からなる導電剤が添加されていることを特徴とするスティック。
  12. 中空部に部品を収納する熱可塑性樹脂からなるチューブと、
    該チューブの両端部から前記部品が落下するのを防止するために該チューブの両端部に挿入するストッパからなるスティックにおいて、
    前記ストッパは、前記熱可塑性樹脂を構成する単量体と同一または類似の単量体を共重合させることによって該熱可塑性樹脂との相溶(容)性を付与したオレフィン系ゴムおよび/またはアクリル系ゴムからなることを特徴とするスティック。
  13. 中空部に部品を収納する熱可塑性樹脂からなるチューブと、
    該チューブの両端部から前記部品が落下するのを防止するために該チューブの両端部に挿入するストッパからなるスティックにおいて、
    前記ストッパは、前記チューブを構成する熱可塑性樹脂と相容(溶)性をもたせ、混ぜ合わせてリサイクル可能な熱可塑性エラストマーからなることを特徴とするスティック。
  14. 部品を収納する複数の凹部を設けたトレイ板と、
    該トレイ板の凹部の上面をカバーするためのカバーとからなるトレイにおいて、
    前記カバーは熱可塑性樹脂からなり、
    前記トレイ板は、前記カバーを構成する熱可塑性樹脂と混ぜ合わせてリサイクル可能な熱可塑性樹脂からなることを特徴とするトレイ。
  15. 請求項14に記載のトレイにおいて、
    前記トレイ板は、前記カバーを構成する熱可塑性樹脂と同一または類似の熱可塑性樹脂に、該熱可塑性樹脂を構成する単量体と同一または類似の単量体を共重合させることによって該熱可塑性樹脂との相溶(容)性を付与したオレフィン系ゴムおよび/またはアクリル系ゴムと、
    無機化合物または無機混合物からなる導電剤が添加されていることを特徴とするトレイ。
  16. 請求項14に記載のトレイにおいて、
    前記トレイ板は、前記カバーを構成する熱可塑性樹脂と同一または類似の熱可塑性樹脂に、該樹脂と相容(溶)性があり、混ぜ合わせてリサイクル可能な熱可塑性エラストマーと、
    無機化合物または無機混合物からなる導電剤が添加されていることを特徴とするトレイ。
  17. 請求項14、請求項15または請求項16に記載のトレイにおいて、
    前記カバーを構成する熱可塑性樹脂が透明な樹脂であることを特徴とするトレイ。
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