JP2011152793A - 画像記録装置およびその制御方法とコンピュータ可読記憶媒体 - Google Patents

画像記録装置およびその制御方法とコンピュータ可読記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 大容量の電源部を用いることなく、高速で画像記録が実現できる画像記録装置及び画像記録方法を提供する。
【解決手段】 画像に含まれる最大の濃度の部位を記録する際に消費される第1の電力と、画像の全体を記録する際に消費される第2の電力とを予測し、これら第1及び第2の電力に基づいて、その画像を記録する際の記録媒体の搬送速度を決定する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、画像記録装置およびその制御方法並びに記憶媒体に関し、特に高速で画像記録を行う熱転写または昇華型の画像記録装置およびその制御方法並びに記憶媒体に関する。
例えば、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ等に於ける情報出力装置として、所望される文字や画像等の情報を用紙やフィルム等シート状の記録媒体に記録を行う画像記録装置において、用紙等の記録媒体の送り方向と直角な方向に往復走査しながら記録を行なうシリアル記録方式が安価で小型化が容易などの点から一般的に広く用いられている。
ここで、熱転写または昇華型の画像記録装置を用いて高速に画像記録を行う際の一つの問題点について説明する。
熱転写または昇華型の画像記録装置を用い、同じ記録媒体(メディア)すなわち受像紙とインクから構成される記録媒体の感度が同じものに画像記録する場合には、一般により多くの電力が必要となる。
これは、熱転写または昇華型の画像記録装置では、単位時間に単位面積あたりに供給するエネルギーは変わらないため、多くの面積に高速に画像記録するとなると画像記録量に比例してより多くの電力を供給しなければならないからである。
しかしながら、単位時間に多量の電力を供給できる電源部は高価となるため、当然画像記録装置のコスト増加の要因になる。そのため従来は、このような大容量の電力供給用電源部が搭載された高速画像記録装置は、多少コスト増加があったとしても性能を優先していた証明書やシール印刷等の業務用画像記録装置に限られて使用されていた。
一方、最近ではデジタルカメラの普及により、デジタルカメラの画像を家庭で手軽に高速で画像記録したいというニーズが高まっている。このような用途に熱転写または昇華型の画像記録装置は適している。
しかしながら、上記説明したように高速性が要求される画像記録に適した熱転写または昇華型の画像記録装置を製造するためには、製造コストの削減の問題を解決する必要がある。
本発明は上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は高価な大容量の電源部を必要とせずに高速で画像記録を可能とする画像記録装置及びその制御方法と記憶媒体を提供することである。
上記目的を達成するための本発明の画像記録装置は下記の構成を備える。すなわち、
搬送される記録媒体に画像を記録する画像記録装置であって、
前記画像に含まれる最大の濃度の部位を記録する際に消費される第1の電力を予測する第1予測手段と、
前記画像の全体を記録する際に消費される第2の電力を予測する第2予測手段と、
前記第1予測手段及び前記第2予測手段により予測される前記第1及び第2の電力に基づいて、前記画像を記録する際の前記記録媒体の搬送速度を決定する決定手段と、
を有することを特徴とする。
上記目的を達成するための本発明の画像記録装置の制御方法は下記の構成を備える。すなわち、
所定方向に配列された複数の記録素子を有する記録ヘッドを有し、前記記録ヘッドを前記配列方向と交差する方向に走査させるとともに前記走査の後に記録媒体を前記配列方向に搬送させて画像を記録する画像記録装置の制御方法であって、
前記画像に含まれる最大の濃度の部位を記録する際に消費される第1の電力を予測する第1予測工程と、
前記画像全体を記録する際に消費される第2の電力を予測する第2予測工程と、
前記第1及び第2予測工程により予測される前記第1及び第2の電力に基づいて、前記画像を記録する際の前記記録媒体の搬送速度を決定する決定工程と
前記決定された搬送速度で前記画像を記録する画像記録工程と、を有することを特徴とする。
発明によれば、大容量の電源部を用いることなく、高速で画像記録が実現できる画像記録装置及び画像記録方法を提供できる。
本発明に係る一実施形態の昇華型画像記録装置の概略の構成を示す図である。 本発明に係る一実施形態の昇華型画像記録装置の概略の制御部の構成を示すブロック図である。 本発明に係る一実施形態の全体の動作の概略を示すフローチャートである。 各搬送速度におけるストローブパルス数と濃度の関係を示す図である。 本発明に係る一実施形態の搬送速度決定方法の流れを示すフローチャートである。 本発明に係る一実施形態の搬送速度の決定方法の説明図であり、同じインク濃度の面積A1、A2をそれぞれ計算する図である。 本発明に係る一実施形態の搬送速度の決定方法の説明図であり、同じインク濃度の面積A1、A2をそれぞれ計算する図である。 面積A2の部分を記録するために必要なストローブパルス数と平均消費電力を説明する図である。 面積A2の部分を記録するために必要なストローブパルス数と平均消費電力を説明する図である。
以下に図面を参照して、本発明に係る一実施の形態を説明する。
ただし、本実施の形態では、画像記録装置として昇華型画像記録装置100を用いて説明するが、本発明の範囲を記載例に限定する趣旨のものではない。
[装置本体の概略説明]
図1は、昇華型画像記録装置100の側面から見た構成の概略を示す説明図である。
記録密度に対応して多数の記録電極を配列したサーマルヘッド11とプラテン13の間にイエロー、マゼンタ、シアンの順に配列したインクシート12と受像紙15が位置される。
サーマルヘッド11は、不図示の駆動部によりプラテン13に圧接したり、離反させたりを操作できるように構成されている。プラテン13は高平滑性の表面を有し表面で受像紙とインクシートをサーマルヘッドで移動可能に挟み付けている。
インクシート12は、最初は供給ローラ19に巻かれており、巻き取りローラ18側へ順次巻き取られて行く構成になっている。通常、インクシート12は予め供給ローラ19に巻かれており、供給ローラ19と巻き取りローラ18が一体になったカセットの形で供給される。
受像紙15はピンチローラ16を介してキャプスタンローラ17で搬送される。キャプスタンローラ17は、ステップモータ21に直結された伝達ギヤ20とベルト22を介して駆動される構成となっている。
また、巻き取りローラ18は、不図示の別のDCモータとトルクリミッタを介して、駆動されるようになっている。これによって、受像紙15の移動量とインクシートの移動量は等しくなる。
以上により、受像紙15とインクシート12の移動速度は、ステップモータ21の回転速度、すなわち、駆動パルスの周期を変えることで、任意に可変することが可能である。また、受像紙の先頭位置を検知するセンサ14およびインクシートの頭だしマーカを検出するセンサ10が設けられている。
[制御系の構成]
図2は、昇華型画像記録装置100の制御系の構成を示すブロック図である。
PCI/F31は、パソコンPC(図示せず)から送信されてくる画像用データや制御用コマンドなどを受信して、演算制御部32に送信する。
演算制御部32は、ROM33に格納された後述するシーケンスのプログラムを実行することによって、必要な画像処理およびサーマルヘッドやステップモータの制御を行う。また、演算制御部32は、後述する方法で決定された搬送速度に対応した周期の駆動パルス信号を発生し、モータ制御部37に供給する。
モータ制御部37では、この駆動パルス信号に同期した駆動パルスを発生し、実際にステップモータ38を駆動する。
例えば、副走査方向送り密度300DPI、搬送速度7msec/ライン、4ステップで、一ライン駆動の場合には、駆動パルス周期は、1.75msecで、一パルスあたり受像紙、インクシートが21ミクロン移動することに相当する。またもし、2倍速で駆動する場合は、駆動パルス周期を、0.875msecとすればよい。
また、ヘッド制御部36は、バッファメモリ35に格納された濃度データをストローブパルスの数に変換し、駆動電圧(例えば、24V)でサーマルヘッド11を駆動して画像記録するを行う。より詳細は後述される。
[画像記録の流れ]
図3は、昇華型画像記録装置100による画像記録動作の流れを示すフローチャートである。
ステップS51において、PCI/F31を介して、パソコンPC(図示せず)から画像記録すべき画像データを受信する。本実施形態では、RGB各8ビットの画像データを受信する例を用いて説明するが、もし他の形式の画像データ、例えば、YCrCb等の画像データであっても使用することが出来る。
YCrCb形式の画像データの場合には、このデータをマトリクス演算等によりRGBに変換すればよい。
次にステップS52において、受信したRGB各8ビットの画像データを適当な変換によってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の濃度データに変換する。変換結果は、一旦RAM34に書き込まれ保持される。
なお本実施形態では、説明を簡単にするために入力画素数と画像記録装置の出力画素数とが等しい場合についての変換方法について説明するが、もし入力画素数と画像記録装置の出力画素数とが異なる場合でも変換することが出来る。
上記異なる場合には、適当なリサイズ処理を行って、画像記録装置画素数に対応したYMCデータに変換すればよい。変換結果は、一旦RAM34に書き込まれ、保持される。
次にステップS53において、ピンチローラ16とキャプスタンローラ17の間に受像紙15が挿入される。なお挿入方法は、手差式でもよいし、ピックアップローラ等を利用した自動給紙方式でも構わない。一旦受像紙15が挿入されると、図1の方向Aへ受像紙15が送られる。紙センサ14によって受像紙15の先端が検知されると搬送は停止される。
次にステップS54において、N=1とし、使用するカラーインクリボンの初期値を設定する。なお本実施形態の説明では、カラー用紙を用いてカラー画像を記録する場合について説明するが、黒やグレーなどの単色用紙を用いてモノクロ画像を記録してもよい。
カラー画像を記録する場合には、例えばイエロー、マゼンタ、シアンの順番に画像記録を行うので、ステップS55〜ステップS58の処理は、各色ごとに3回反復実行される。
なお1色のインクリボンを用いて記録する場合にはステップS55〜ステップS58の処理は1回とすればよい。また使用するカラーインクリボンのインクの種類を増やす場合にはその種類分だけステップS55〜ステップS58の処理を増やして実行すればよい。
次にステップS55において、キャプスタンローラ17をステップS53で回転させた方向と逆方向に回転させ、受像紙15を図1の方向Bへ所定の距離だけ移動させることによって、所定搬送速度で画像記録するときの受像紙15に対するインクリボンの先頭位置の位置決めを行う。
次に、巻き取りローラ18を駆動し、イエローインクシートの先頭マーカをインクセンサ10によって検知し、インクシートの頭だしが行われる。この状態では、ヘッド11はピンチローラ13から離れている。
次にステップS56において、ステップS52で決定したYMCデータのうち、イエローのデータを後述する方法で解析し、どの搬送速度で画像を記録するかを決定する。
次にステップS57において、バッファメモリ35にイエロー一色分のデータが書き込まれる。
次にステップS58において、演算制御部32は、ヘッド11をプラテン13に圧接した後、決定されたプリンと速度に対応する周期の駆動パルス信号を発生し、モータ制御部37を介してステップモータ38を駆動し、受像紙15を搬送する。同時に、DCモータも駆動され、インクシートも同速度で巻き取りローラ18へ巻かれて行く。一方、バッファメモリ35の一ライン分の濃度信号は、濃度に応じたパルスの数に変換される。
予め、ストローブパルスの数と発色濃度の関係を実験で求め、例えば図4のようなデータを得る。これがROM33に格納され、演算制御部32では、このテーブルを参照しながら、濃度からパルスの数への変換を行う。このデータは後述するように、搬送速度によって異なるため、この処理や使用するテーブルももちろん搬送速度によって異なることになる。
ヘッドの各素子毎に設けられたシフトレジスタに転送される。このように決定されたストローブパルスに同期して、ヘッド印加電圧がサーマルヘッド11の各発熱体に印加されると、発熱体の温度が上昇し、所望の濃度のインクが受像紙15に転写され、ある一ラインの画像記録が終了する。
以上の操作を副走査方向のライン数だけ繰り返されることにより、イエロー濃度の画像記録が終了する。
次にステップS59において、シアンによる画像記録が終了したかどうか調べ、シアンによる画像記録が終了していない場合には、ステップS60に進み、N=N+1としてインクリボンの種類を変更してからステップS55に戻り、上記説明した処理をマゼンタ、シアンについても繰り返す。
一方、ステップS59において、シアンによる画像記録の終了が確認されると、ステップS61に進み、受像紙15はB方向へ不図示の排出ローラ等を用いて自動的に排出されてからステップS62に進み一連の作業を終了する。なおステップS61における受像紙15の排出処理を手動で行うように構成してもよい。
以上の説明では、ステップS55〜ステップS58に示す処理は、各色毎に行う方法について説明にしたが、本実施形態に限ることはなく、例えば、イエロー、シアン、マゼンタの各色を混色することにより生成するグレーを用いて実施してもよい。
この場合には、図4のイエロー濃度で作成したのと類似する図、すなわちグレー濃度とストローブパルス数との関連を示す図(図示せず)を予め作成しておき、この図(図示せず)を用いて、イエロー、シアン、マゼンタに対して共通する搬送速度についてステップS55〜ステップS58で画像記録に適した最速の搬送速度を選択し、選択した搬送速度でイエロー、シアン、マゼンタのそれぞれの画像を記録するように制御するループを図3のフローチャートに追加する構成としてもよいし、図3の代わりに別に設ける構成としてもよい。
[搬送速度の選択]
次に、高速で画像記録する場合の搬送速度の選択方法について説明する。
図4は、図1に説明した昇華型記録装置100において、搬送速度Sを変えながら、パルスデューティ80%のストローブパルス数を1から256まで変化させたときの受像紙に記録される濃度の出力を示す図である。
図4は一例として搬送速度Sを変化させたときのストローブパルス数とイエロー濃度を示す。なお図は省略するが、マゼンタ、シアンなど他の色を使用する場合には、図4と同様にして搬送速度Sを変化させたときのストローブパルス数と受像紙に記録される各色の濃度の出力を予め測定しておけばよい。
図4において、印加電圧Vは、24V、ヘッド発熱体の抵抗値Rは7KΩで、素子数Nは1200である。したがって、パルスデューティ80%のストローブパルス数を256個作動させるために必要な電源部のピーク電力Pmaxは、Pmax=V×V×N/R=98Wとなる。
なお搬送速度が速くなるほど単位面積あたりに供給されるエネルギーが小さくなるため濃度が低下していく。
例えば、同一電力(P)を使用してストローブパルス数を256個を作動し、搬送速度Sを10msec/line、7msec/line、4msec/lineに変化させて受像紙に記録される濃度を測定すると、図4のC1、C2、C3に示すように搬送速度Sが速くなるほど(10<7<4msec/line)受像紙の単位面積あたりに供給されるエネルギーが小さくなるため受像紙に記録される濃度は低下する(C1>C2>C3)。
ここで、搬送速度Sとして例えば、10msec/line、7msec/line、4msec/lineの3種類の搬送速度で画像を記録できる場合について説明する。
また図4において、電源部の容量の制限から、画像記録のために使用できる電力が最大ピーク電力Pmaxに制限されている。例えば図4において、使用できる最大ストローブパルス数は256個である。そのため各搬送速度には、各搬送速度で画像を記録する場合に記録が可能な最大濃度ODMが決められている。
例えば、図4の場合には、搬送速度4msec/lineの場合の最大濃度ODMはC3に示す1.2であり、搬送速度7msec/lineの場合の最大濃度ODMはC2に示す2.0であり、搬送速度10msec/lineの場合の最大濃度ODMはC3に示す2.2である。
このような条件下において、イエロー濃度がC3に示す1.2より薄い濃度の画像(Img)を記録するためには、搬送速度は、4、7、10msec/lineのいずれの搬送速度を使用することもできる。したがって、搬送速度を最大にしてこの画像を記録するためには最速の搬送速度msec/lineを使用すればよい。
しかしながら、イエロー濃度が1.2より大きい画像(Img)、例えばC4の濃度を記録するためには、搬送速度4msec/lineは使用することができない。これは搬送速度4msec/lineで画像(Img)を記録できる最大濃度ODMはC3であり、C4の濃度はC3の濃度より濃いため(C4>C3)である。
この場合には、搬送速度を最速の搬送速度msec/lineから次に速い搬送速度の7msec/lineに変更して使用すればよい。
同様にしてイエロー濃度がC5に示す2.0より大きい画像(Img)を記録するためには、搬送速度10msec/lineを使用すればよい。
このようにして、常に記録する画像の濃度に応じて、最速の搬送速度を用いて画像を記録することができる。
上記説明した方法によれば、ピーク電力Pmaxを一定にしたままで、少なくともある最高濃度がある値以下の画像は高速画像記録が可能である。またピーク電力Pmaxは変わらないため、ピーク電力Pmaxが大きな電源を使用しなくてもすむ。したがって、電源部の製造コストを低く抑えながら高速画像記録が可能となる。
なお以上の説明において、画像記録装置100が設定できる搬送速度の種類は上記の3種類に限らない。任意の搬送速度について、予め図4と同様の関係を調べて登録しておけば、より多くの搬送速度を使用することもできる。
[平均消費電力]
次に、平均消費電力について説明する。
電源部には、ピーク電力Pmax以外に守るべき定格として平均消費電力がある。
ピーク電力Pmax値は、瞬時も越えられない規格である。しかし、電源部の温度上昇が著しくならないような範囲であれば、ある時間内(例えば、一色で一画面の画像を記録する時間内)での平均消費電力がある値(定格)以下になるように電源部を構成すればよい。
例えば、上記の電源部の定格平均消費電力が50Wであるとする。また図6に示す画像をイエロー濃度1.0とイエロー濃度2.0で記録するものとする。また搬送速度7msec/lineで記録するものとする。
またさらに図6において、イエロー濃度1.0の部分の面積A1、イエロー濃度2.0の部分(斜線部)の面積B1、B2、B3とした時、イエロー濃度1.0面積:イエロー濃度2.0面積=A1:(B1+B2+B3)=3:1であったとする。
ここで、イエロー濃度2.0の部分に対応した発熱素子は、一ライン毎、すなわち、7msec毎に、図8のようにパルスデューティD=Tp/(Ts/256)が80%の256個のストローブパルスが印加される。したがってイエロー濃度2.0の部分の平均消費電力Pは、ピーク電力Pmaxが98WであるからP=98×0.8=78Wとなる。
一方、イエロー濃度1.0の部分に対応した発熱素子は、1ライン毎に、図9のように128個のストローブパルスが印加されるので、イエロー濃度1.0の部分の平均消費電力Pは、P=39Wとなる。
従って、搬送速度7msec/lineで上記画像を記録する場合の画像全体での平均消費電力Pは、イエロー濃度1.0の面積:イエロー濃度2.0の面積=3:1であり、イエロー濃度1.0、イエロー濃度2.0の部分の各平均消費電力は、それぞれ78W、39Wであることから、P=78×1/4+39×1/4=49Wとなる。
すなわち、図6に示す画像を搬送速度7msec/lineで記録する場合には、平均消費電力Pは49Wと電源の定格平均消費電力50W以内となるので、このままの搬送速度で画像を記録することができる。
一方、記録する画像が図7に示す画像をイエロー濃度1.0とイエロー濃度2.0で、搬送速度7msec/lineで記録するものとする。
図7において、イエロー濃度1.0の部分の面積A1、A2、イエロー濃度2.0の部分(斜線部)の面積B1、B2とした時、イエロー濃度1.0面積:イエロー濃度2.0面積=(A1+A2):(B1+B2)=1:1であったとする。
従って、搬送速度7msec/lineで上記画像を記録する場合の画像全体での平均消費電力Pは、イエロー濃度1.0、イエロー濃度2.0で、それぞれ78W、39Wであることから、P=78×1/2+39×1/2=58Wとなる。
すなわち、図6に示す画像を搬送速度7msec/lineで記録する場合、平均消費電力Pは58Wであり、この平均消費電力Pは、前述のピーク電力Pmax78Wを超えてはいないが、電源の定格平均消費電力50Wを超えてしまう。この場合には、このままの搬送速度で画像を記録することはできない。
このように、搬送速度7msec/lineで記録すると電源部の定格平均消費電力50Wを超えてしまう場合には、搬送速度を一段落として10msec/lineにすればよい。
図4において、搬送速度10msec/lineの場合、イエロー濃度1.0、イエロー濃度2.0を与えるストロークパルス数P1、P2は、図4から各々101、192である。
したがって、イエロー濃度1.0の部分に対応した平均消費電力は、P=78×101/256=30.7Wであり、イエロー濃度2.0の部分に対応した平均消費電力は、P=78×192/256=58.5Wとなる。それゆえ、図9の画像に対しての平均消費電力Pは、P=(30.7+58.5)=44.6Wとなる。
すなわち、図6に示す画像に対して搬送速度10msec/lineを用いた場合の平均消費電力は44.6Wであり、この値は電源の定格平均消費電力50W以下とになるので、この搬送速度で画像を記録することができる。
以上のように画像を記録する前に記録する画像を予め解析し、その結果に基づいて搬送速度Sを決定すれば、定格平均消費電力の小さい電源を用いても種々の搬送速度を利用して画像を記録することができる。
[搬送速度の選択方法]
図3のステップS56に示す搬送速度の選択方法について、図5に示すフローチャートで詳細に説明する。
図5において、ステップS71〜ステップS85までの処理は、イエロー、マゼンタ、シアンの各色毎に行うものとするが、以下の説明では、説明を簡略に行うため、イエローを用いて説明する。
ステップS71において、画像記録する画像をスキャンし、画像の記録に必要となる各色の最大濃度ODM(Img)を決定する。ここでの画像は、イエロー、マゼンタ、シアンのどれかの単色画像である。今、この画像記録装置100は、搬送速度S1、S2、…、Snの搬送速度での画像記録を設定できるものとする。nは2以上の整数で、S1が最速、Snが最も遅い速度とする。
ステップS72では、まず最も遅い搬送速度で画像記録する場合の到達濃度ODM(Sn)が最大濃度ODM(Img)より小さいか否かを確認し、この条件が成り立つ場合は、ステップS83に進み、画像記録装置100では所望の画像が形成できないとして、適当な表示装置を点滅させたりして、エラー1の表示を行う。またステップS72において、最も遅い速度で画像記録する場合の到達濃度ODM(Sn)が最大濃度ODM(Img)より大きい場合には、ステップS73に進む。
ステップS73において、最も早い搬送速度での画像記録する場合の到達濃度ODM(S1)が、最大濃度ODM(Img)より大きい場合は、ステップS73に進みステップS74〜ステップS76の処理を行わずに搬送速度をS=S1としてからステップS79へジャンプする。
一方ステップS73において、最も早い搬送速度で画像記録する場合の到達濃度濃度ODM(S1)が、最大濃度ODM(Img)より小さい場合にはステップS74に進み、iを1に初期化してからステップS75に進み、搬送速度SをSiとしてからステップS76に進み、搬送速度Siにおける到達濃度ODM(Si)と最大濃度ODM(Img)を比較する。
ステップS76において、搬送速度Siにおける到達濃度ODM(Si)が最大濃度ODM(Img)より小さい場合には、ステップS77に進み、i=i+1としてからステップS75に戻り、搬送速度を一段ずつ遅くし、再びステップS75〜ステップS77の処理を繰り返し行うことにより到達濃度ODM(Si)が最大濃度ODM(Img)より初めて大きくなる搬送速度を見出すまで繰り返し行う。
一方、ステップS76において、到達濃度ODM(Si)が最大濃度ODM(Img)より初めて大きくなる搬送速度を見出と、ステップS79に進む。
なおステップS76において、各搬送速度ごとに到達できる最高濃度の値、例えば図4に示す各濃度とストローブパルスとの関係を示すデータが各インクリボンごとに予めROM33に格納されているものとする。
次に、ステップS79〜ステップS82の処理で、画像記録中の平均電力が、電源部の定格平均消費電力Wth以下であるか否かをを確認する。
すなわちステップS79では、iがnか否かを調べi=nの場合にはステップS80に進み、先述したように、搬送速度Siで画像(Img)を記録するときの平均消費電力W(Si、Img)をROM33に格納されているデータを用いて計算する。
すなわち、平均消費電力W(Si、Img)を求めるには、各画素の濃度に対応するパルス数を求め、それに対応する電力を求め、これを一ライン毎に加算する。これをすべてのラインに対して平均すればよい。
また、演算を簡単にするため濃度の平均値をまず求め、これを実現するパルス数を、ROM33に格納されている図4に相当するデータより求め、この場合の消費電力を全体の平均消費電力の近似値として用いてもよい。
次にステップS81において、計算した平均消費電力W(Si、Img)が電源部の定格平均消費電力Wthより小さいか否かを確認する。もし、平均消費電力W(Si、Img)が定格平均消費電力Wthより大きい場合には、ステップS82において、i=i+1とし、更に搬送速度を落してから、ステップS79〜ステップS81の処理を繰り返して行い、ステップS81において計算した平均消費電力W(Si、Img)が電源部の定格平均消費電力Wthより小さくなると、ステップS85に進み、この時の搬送速度を画像記録の搬送速度として一連の作業を終了する。
上記説明した方法により画像記録に適した最速の搬送速度が決定される。
なおステップS79において、I=N+1となった場合には、ステップS84に進み、どんなにゆっくり画像を記録しても電源部に過負荷がかかるので、エラー2を表示する。
以上説明したように、本実施形態によれば、画像を記録する前に記録する画像を階調別面積に区分し、各階調別面積の記録に必要な記録素子の累積数を計数して必要な電力を予測することができる。そのため予測電力に基づいて使用上限電力と定格平均消費電力が決められている搬送速度の中から最速の搬送速度を選択して画像を記録することができるので、高速で画像記録を実現することができる画像記録装置および画像記録方法を提供できる。
また、本実施形態では、画像記録装置の一例として昇華型画像記録装置を用いて説明したが、熱転写型等の画像記録装置にも応用できる。また、PC(パーソナルコンピュータ)より画像が転送される場合を想定したが、PCカードをスロット等を設け、そこからの画像データを読み出すように構成してもよい。
他の実施形態
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、画像記録装置など)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した(図3および図5に示す)フローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
10 センサ
11 サーマルヘッド
12 インクシート
13 プラテン
14 センサ
15 受像紙
16 ピンチローラ
17 キャプスタンローラ
18 巻き取りローラ
19 供給ローラ
20 伝達ギア
21 ステップモータ
22 ベルト
31 PCI/F
32 演算制御部
33 ROM
34 RAM
35 バッファメモリ
36 ヘッド制御部
37 モータ制御部
38 ステップモータ
39 ヘッド駆動電源

Claims (10)

  1. 搬送される記録媒体に画像を記録する画像記録装置であって、
    前記画像に含まれる最大の濃度の部位を記録する際に消費される第1の電力を予測する第1予測手段と、
    前記画像の全体を記録する際に消費される第2の電力を予測する第2予測手段と、
    前記第1予測手段及び前記第2予測手段により予測される前記第1及び第2の電力に基づいて、前記画像を記録する際の前記記録媒体の搬送速度を決定する決定手段と、
    を有することを特徴とする画像記録装置。
  2. 前記決定手段は、前記第1の電力が前記画像記録装置の電源が供給可能なピーク電力の最大値を超えない第1条件と、前記第2の電力が前記電源が供給可能な平均電力の最大値を超えない第2条件とを共に満たす搬送速度を、前記画像を記録する際の搬送速度として決定することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 前記決定手段は、前記第1条件を満たす仮の搬送速度を求め、前記仮の搬送速度が前記第2条件を満たす場合は、前記仮の搬送速度を前記画像を記録する際の搬送速度として決定し、前記仮の搬送速度が前記第2条件を満たさない場合は、前記仮の搬送速度よりも小さく且つ前記第2条件を満たす搬送速度を前記画像を記録する際の搬送速度として決定することを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。
  4. 前記画像は複数種のインクを使用して記録されるカラー画像であり、前記カラー画像の濃度はインクの種類毎に区分されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  5. 前記画像記録装置は前記記録ヘッドを複数個備えており、前記記録ヘッドごとに前記第1及び前記第2の予測手段が備えられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  6. 前記カラー画像の濃度と前記パルス数との関係を示すテーブルであって、前記記録媒体の搬送速度が大きくなるほど記録できる最大の濃度が小さくなるとともに、前記搬送速度が大きくなるほど同じ濃度を記録するときに前記記録ヘッドが消費する電力が増大するようなデータを含むテーブルを、複数の搬送速度の各々に対応して記憶する記憶手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  7. 所定方向に配列された複数の記録素子を有する記録ヘッドを有し、前記記録ヘッドを前記配列方向と交差する方向に走査させるとともに前記走査の後に記録媒体を前記配列方向に搬送させて画像を記録する画像記録装置の制御方法であって、
    前記画像に含まれる最大の濃度の部位を記録する際に消費される第1の電力を予測する第1予測工程と、
    前記画像全体を記録する際に消費される第2の電力を予測する第2予測工程と、
    前記第1及び第2予測工程により予測される前記第1及び第2の電力に基づいて、前記画像を記録する際の前記記録媒体の搬送速度を決定する決定工程と
    前記決定された搬送速度で前記画像を記録する画像記録工程と、
    を有することを特徴とする画像記録装置の制御方法。
  8. 前記第2の予測工程は、前記画像データに基づき記録される前記画像を濃度別の画像面積に区分し、前記画像面積の記録に必要な前記電力を各々算出し、前記濃度別に得られる前記電力の累積値から前記第2の電力を予測することを特徴とする請求項7に記載の画像記録装置の制御方法。
  9. 前記画像は複数種のインクを使用して記録されるカラー画像であり、前記カラー画像の濃度はインクの種類毎に区分されていることを特徴とする請求項8に記載の画像記録装置の制御方法。
  10. コンピュータに、請求項7乃至9のいずれか1項に記載の画像記録装置の制御方法を実行させるためのプログラムを格納したコンピュータ可読記憶媒体。
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