JP2011152557A - 銅被覆アルミニウム線の製造方法 - Google Patents

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明男 川上
Masanori Daiho
雅載 大保
Shinji Katayama
慎司 片山
Tasuku Hatanaka
翼 畑中
Yasuyuki Toda
泰行 戸田
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Abstract

【課題】銅被覆アルミニウム線を製造する伸線加工工程において、カップアンドコーン型の断線を減少させ、伸線加工性を向上させることを目的とする。
【解決手段】純アルミニウム又はアルミニウム合金を主導体として用い、当該主導体の外周に銅を被覆した銅被覆アルミニウム線の製造において、伸線加工時に用いる複数のダイスの内、、1番目〜10番目のダイスの内の少なくとも1個のダイスのアプローチ角度を25〜49°としたことを特徴とする銅被覆アルミニウム線の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、純アルミニウム又はアルミニウム合金を主導体として用い、当該主導体の外周に銅を被覆した銅被覆アルミニウム線の製造方法に関する。
従来、電子機器、ケーブルの導体及び編組線、各種モータ用コイル等の線材として、純アルミニウム又はアルミニウム合金を主導体として用い、当該主導体の外周に銅を被覆した銅被覆アルミニウム線が用いられている。
この銅被覆アルミニウム線の製造は、通常以下の2工程により製造されている。第一の工程は、純アルミニウム又はアルミニウム合金で形成された芯材となるアルミニウム線に銅を被覆して、銅被覆アルミニウム線の複合線を製造する工程であり、銅テープにアルミニウム線を縦添えし、銅テープをアルミニウム線上に管状に成形し、銅テープの突合せ部をTIG(タングステンイナートガス)方式で溶接し、更に、管状に成形、溶接された銅テープを、ロールにより縮径し、芯材のアルミニウム線と密着させる工程である。尚、この工程において、銅被覆アルミニウム線の複合線を巻き取る前に、銅テープとアルミニウム線間の空気を抜くために、ダイスが用いられるが、このダイスは、銅被覆アルミニウム線の複合線の伸線を行うダイスではない。
第二の工程は、上記第一の工程で得られた銅被覆アルミニウム線の複合線を、複数のダイスを備える伸線機を用いてダイス伸線加工し、所定の径まで細線化する工程である(例えば、特許文献1参照。)。
ここで、ダイスは、銅被覆アルミニウム線を伸線する絞り部を形成する円筒状のチップを有し、チップにはエントランス、アプローチ、リダクション、ベアリング、バックリリーフが形成され、通常アプローチ角度は15°程度であり、リダクション角度では10〜16°が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2007−152398号公報 特開2002−102917号公報
しかし、上記の第二の工程、即ち細線化する伸線加工工程においては、アルミニウム線への銅テープの密着性不良に起因する、銅層剥離による断線が慢性的な問題であったが、その他にもいわゆるカップアンドコーン型の断線が発生するという問題があった。従って、銅被覆アルミニウム線の重要な要求品質の一つに、銅テープの造管(成形溶接加工)後の伸線加工性がある。
そこで、本発明は、銅被覆アルミニウム線を製造する伸線加工工程において、カップアンドコーン型の断線を減少させ、伸線加工性及び伸線製出量を向上させることを目的とする。
上記の課題を解決するための手段としての本発明は、純アルミニウム又はアルミニウム合金を主導体として用い、当該主導体の外周に銅を被覆した銅被覆アルミニウム線の製造において、伸線加工時に用いる複数のダイスの内、1番目〜10番目のダイスの内の少なくとも1個のダイスのアプローチ角度を25〜49°としたことを特徴とする銅被覆アルミニウム線の製造方法である。
又、上記銅被覆アルミニウム線の製造方法において、伸線加工時に用いる複数のダイスの内、1番目〜10番目のダイスの内の1個〜3個のダイスのアプローチ角度を25〜49°としたことを特徴とする銅被覆アルミニウム線の製造方法である。
又、上記銅被覆アルミニウム線の製造方法において、伸線加工時に用いる複数のダイスの内、1番目〜10番目のダイスの内の2〜6番目の何れかのダイスのアプローチ角度を25〜49°としたことを特徴とする銅被覆アルミニウム線の製造方法である。
又、上記銅被覆アルミニウム線の製造方法において、線径が5.4mm以上の銅被覆アルミニウム線を伸線するためのダイスのアプローチ角度を25〜49°としたことを特徴とする銅被覆アルミニウム線の製造方法である。
又、上記銅被覆アルミニウム線の製造方法において、伸線加工時に用いる複数のダイスの内、1番目〜10番目のダイスの内の2個又は3個のダイスのアプローチ角度を25〜49°としたことを特徴とする銅被覆アルミニウム線の製造方法である。
又、上記銅被覆アルミニウム線の製造方法において、伸線加工時に用いる複数のダイスの内、前記アプローチ角度を25〜49°としたダイス以外のダイスのアプローチ角度を10〜25°未満としたことを特徴とする銅被覆アルミニウム線の製造方法である。
以上のような本発明によれば、銅被覆アルミニウム線を製造する伸線加工工程において、カップアンドコーン型の断線を減少させ、伸線加工性及び伸線製出量を向上させることができ、銅被覆アルミニウム線の生産性を向上させることが可能となった。

ダイスの縦断面図 ダイスのチップ部分縦断面図 ダイスのアプローチ角度の違いによる伸線製出量の変化を示すグラフ図 ダイスのアプローチ角度の違いによる伸線製出量の変化を示すグラフ図
以下本発明の実施の形態を説明する。本発明は、銅被覆アルミニウム線の製造方法であって、純アルミニウム又はアルミニウム合金を主導体として芯材に用い、当該主導体の外周に被覆材として銅を被覆した銅被覆アルミニウム線の製造において、銅被覆アルミニウム線の複合線を製造する工程の後、銅被覆アルミニウム線の複合線を伸線機を用いて伸線加工し、所定の径まで細線化する伸線加工時において、用いる複数のダイスの内、1番目〜10番目のダイスの内の少なくとも1個のダイスのアプローチ角度を25〜49°とする方法である。尚、造管工程、即ち銅被覆アルミニウム線の複合線を製造する工程において用いる、巻き取り前に銅テープと芯材のアルミニウム線間の空気を抜くためのダイスはここでいう伸線加工時に用いるダイスではない。1番目のダイスとはあくまで伸線加工時に用いる複数のダイスの内の1番目のダイスを意味するものである。
銅被覆アルミニウム線の主導体としては、純アルミニウム(電気用アルミニウム)、アルミニウム合金を用いることが出来、アルミニウム合金としては、特に限定されないが、非鉄材料系複合材料も使用でき、高張力系のもの、例えば5質量%マグネシウム、残部アルミニウムのJIS5056アルミ合金、2.5質量%マグネシウム、残部アルミニウムのJIS5052アルミ合金等が使用できる他、例えば0.5質量%マグネシウム、0.5質量%シリコン、残部アルミニウムのイ号アルミ合金等が使用できる。
銅被覆アルミニウム線の銅被覆層は特に限定されないが、銅とアルミニウムの断面積における銅の面積割合である、銅被覆占積率を1〜20%とすることが好ましい。1%未満であると、銅被覆層が破れ易く、断線、接続不良の原因となるからであり、20%を超えると、伸線時に芯材のアルミニウム線が断線し易くなる場合があるからである。
銅被覆アルミニウム線の複合線を製造する工程は、純アルミニウム又はアルミニウム合金で形成された芯材のアルミニウム線に銅を被覆して、銅被覆アルミニウム線の複合線を製造する工程であり、公知の装置を用いて、公知の方法を採用でき、アルミニウム線としては、連続鋳造圧延された荒引線や当該荒引線を伸線加工して形成した線材を用いることが出来る。この工程の具体例として、アルミニウム線を芯材供給装置から繰り出し、ストレーナーで伸直化し、表面洗浄装置で洗浄し、研磨装置でステンレス製或いは合成樹脂製等のブラシで研磨する。又、銅テープは銅テープ供給装置から繰り出され、研磨装置で研磨する。銅テープの一例として、酸素量10ppmの無酸素銅デープで、厚さ0.4mm、幅42mmのもの等が使用できるが、これに限定されるものではない。
そして、造管方式を用い、研磨されたアルミニウム線及び銅テープを成形装置に導入し、成形装置で銅テープにアルミニウム線を縦添えし、アルミニウム線を覆うように、銅テープをアルミニウム線上にロールフォーミングにより連続的に管状に成形し、銅テープの突合せ部をTIG(タングステンイナートガス)方式で連続的に溶接し、更に、管状に成形、溶接された銅テープを、ロールにより縮径し、心材のアルミニウム線と密着させ、巻取り機に巻取る。
伸線加工工程は、上記工程で得られた、芯材のアルミニウム線に銅テープが密着した銅被覆アルミニウム線の複合線を、公知の伸線機を用いて伸線加工し、所定の径まで細線化して銅被覆アルミニウム線を製造する工程であり、複数のダイスを用いて、徐々に細線化する。ここで、銅被覆アルミニウム線の複合線の線径は特に限定されない。又、この伸線加工工程において、銅被覆アルミニウム線の複合線を引っ張る線速は通常の範囲であればよく、例えば出口線速で上流側では100m〜500m/分程度、下流側で500m〜2000m/分程度でよい。
ダイス1は、図1に示すように、ダイス1の絞り部を形成する円筒状の人造ダイヤモンド製のチップ2が補強枠(マウント)3に固定され、補強枠3がケース4に固定されたもの(図1(a))、超硬合金製のチップ2がケース4に固定されたもの(図1(b))、或いは超硬合金製のチップ2が図示しない補強枠(マウント)に固定され、補強枠がケース4に固定されたもの等が使用できる。
ダイス1の絞り部を形成する円筒状のチップ2は、図2に示すように、伸線される銅被覆アルミニウム線が挿入される側(図2では上側)から、引抜きされる側(図2では下側)に向けて、銅被覆アルミニウム線の導入部であるエントランス21、銅被覆アルミニウム線の導入部であると共に線径を細くする伸線部であるアプローチ22、伸線部であるリダクション23、銅被覆アルミニウム線の線径を決定するベアリング24、銅被覆アルミニウム線の出口部であるバックリリーフ25が形成されている。
ダイスは、エントランスとアプローチの形状により、円弧ダイスと円錐ダイスに大別され、円弧ダイスは、貫通孔の中心を含む面の断面形状が円弧状に湾曲し、リダクションを中心として導入部と出口部が末広がりの断面形状を有しており、円錐ダイスは貫通孔の中心を含む面の断面形状が円錐状であり、エントランスとアプローチは断面形状で夫々直線的な形状を有している。
カップアンドコーン型の断線の発生原因として、アルミニウム線に内在する内在空隙(引け巣)が原因の一つであり、カップアンドコーン型の断線の対策には、円錐ダイスより、図1及び図2に示す円弧ダイスが効果的であることが知られている。このため、本発明において使用するダイスは、円錐ダイスより円弧ダイスのほうが好ましい。
銅被覆アルミニウム線を細線化する伸線加工工程において、使用するダイスの数は限定されず、ダイスのアプローチ角度は、従来通常使用されているダイスでは15°程度であるが、本発明では、伸線加工時に使用する複数のダイスのうち、1番目〜10番目のダイスの内の少なくとも1個のダイスのアプローチ角度(全角度)Aを25〜49°としている。ダイスのアプローチ角度をこの範囲とすることで、カップアンドコーン型の断線を防止する効果が高くなり、伸線製出量が向上するからであり、25°未満では、カップアンドコーン型の断線を防止する効果、伸線製出量が従来通常行なわれている15°と変わらないかそれ以下となり、50°以上とすると、そのダイスでの伸線時に銅被覆アルミニウム線が断線してしまい、伸線が不可能となるからである。又、1番目〜10番目のダイスに限定しているのは、11番目以降のダイスは、アプローチ角度が25〜49°でも、25°未満でも効果に違いは生じないからである。
アプローチ角度を25〜49°とするダイスのアプローチ角度は、好ましくは27〜47°であり、より好ましくは45°である。ダイスのアプローチ角度を27〜47°とすることにより、カップアンドコーン型の断線を防止する効果がより高くなり、伸線製出量がより向上し、更にダイスのアプローチ角度を45°とすることにより、カップアンドコーン型の断線を防止する効果が更に高くなり、伸線製出量が更に向上するからである。
又、アプローチ角度が25〜49°のダイスは、伸線加工時に用いる複数のダイスの内、2番目〜6番目の内の所定のダイスに用いることが好ましい。1番目のダイスにアプローチ角度を25〜49°としたダイスを用いると、アルミニウム線に被覆した銅が、未だ完全にはアルミニウム線と密着していないため、銅が剥がれる場合があるからである。又、7番目以降のダイスにアプローチ角度を25〜49°としたダイスを用いると、アルミニウム線に被覆した銅が薄くなっているので、銅が剥がれる場合があるからである。
又、アプローチ角度が25〜49°のダイスは、線径が5.4mm以上の銅被覆アルミニウム線を伸線するために用いることが好ましい。線径が5.4mm未満の銅被覆アルミニウム線を伸線するために用いると、銅被覆アルミニウム線が断線する場合があるからである。
又、伸線加工時に用いる複数のダイスの内、1番目〜10番目のダイスの内のアプローチ角度を25〜49°とするダイスは1個でもよいが、1個とするより、2個又は3個のダイスのアプローチ角度を25〜49°とすることが好ましく、より好ましくは2個である。このように、ダイスのアプローチ角度を25〜49°とするパスを全伸線パスのうち、1番目〜10番目のダイスの内に2回又は3回入れること、より好ましくは2回入れるのは、上述のように、アプローチ角度が25〜49°のダイスは、複数のダイスの内、2番目以降に用いることが好ましく、線径が5.4mm以上の銅被覆アルミニウム線を伸線するために用いることが好ましいので、通常この範囲で使用するダイスは3個程度であるし、又、1回より3回、3回より2回のほうが後述するように、カップアンドコーン型の断線を防止する効果が高くなり、伸線製出量が向上するからである。
尚、アプローチ角度を25〜49°とした1〜3個のダイス以外のダイスのアプローチ角度は、25°未満であれば特に限定されず、10〜20°程度の従来通常使用されている角度でよく、例えば15°とすることが出来る。
次に、銅テープと純アルミニウムのアルミニウム荒引線を用い、上述のように、線径9.75mm、銅被覆占積率1〜20%の銅被覆アルミニウム線の複合線を形成した後、冷間加工で0.135mmまで伸線加工を行う過程で、円弧ダイスを用い、且つ伸線加工時に用いる1番目〜10番目のダイスの内、少なくとも1個〜3個のダイスのアプローチ角度を25〜49°とし、更に他のダイスのアプローチ角度を24°以下とし、11番目以降のダイスのアプローチ角度を10〜24°としたダイスを用いて伸線加工を行い、線径0.9〜0.135mmの伸線過程での伸線製出量を求めた。又、比較例として、1番目〜10番目の総てのダイスのアプローチ角度を24°以下とし、或いは1番目〜10番目のダイスの内、少なくとも1個のダイスのアプローチ角度を50°以上とし、他は実施例と同条件で伸線製出量を求めた。ここで、伸線製出量とは、断線1回当りに伸線可能であった重量を意味し、数値が大きいほうが、断線がなく、伸線加工性がよいことを示す。その結果を表1に示す。尚、伸線製出量が0とは、伸線工程で銅被覆アルミニウム線が断線してしまったことを意味する。
Figure 2011152557
表1から明らかなように、伸線製出量は、1番目〜10番目のダイスの内、少なくとも1個〜3個のダイスのアプローチ角度を25〜49°とした実施例が1.1トン/回以上であり、1番目〜10番目の総てのダイスのアプローチ角度を24°以下とし、或いは1番目〜10番目のダイスの内、少なくとも1個のダイスのアプローチ角度を50°以上とした比較例の1.0トン/回以下を上回っていることがわかる。又、1番目〜10番目のダイスの内、少なくとも1個のダイスのアプローチ角度を50°以上とした場合、断線が発生することがわかる。
特に、線径7.0mmの銅被覆アルミニウム線を伸線する3番目のダイスとして、アプローチ角度を25〜49°としたダイスを全伸線パス中1個に使用した場合(実施例38)、線径7.0mm及び線径6.1mmの銅被覆アルミニウム線を伸線する3番目と4番目のダイスとして、アプローチ角度を25〜49°としたダイスを全伸線パス中2個に使用した場合(実施例39)、線径7.0mm、線径6.1mm及び線径5.4mmの銅被覆アルミニウム線を伸線する3番目、4番目及び5番目のダイスとして、アプローチ角度を25〜49°としたダイスを1番目〜10番目のダイス中3個に使用した場合(実施例40)について、それ以外のパスにおけるダイスのアプローチ角度を15°として伸線加工を行い、線径0.9〜0.135mmの伸線過程での伸線製出量を求めた結果を表2に示す。
Figure 2011152557
表1及び表2から明らかなように、伸線製出量は、アプローチ角度を45°としたダイスを1個使用した実施例38では3.8トン/回、2個使用した実施例39では4.7トン/回、3個使用した実施例40では4.2トン/回、であり、アプローチ角度を45°としたダイスの使用個数が、1個より3個、3個より2個の場合のほうが伸線製出量が向上することがわかる。
又、特に、銅テープと純アルミニウムのアルミニウム荒引線を用い、上述のように、線径9.75mm、銅被覆占積率15%の銅被覆アルミニウム線の複合線を形成した後、冷間加工で0.135mmまで伸線加工を行う過程で、円弧ダイスを用い、線径7.0mmと線径6.1mmの銅被覆アルミニウム線を伸線加工する、3番目と4番目の2個のダイスのアプローチ角度を10〜50°の範囲で変化させ、それ以外のパスにおけるダイスのアプローチ角度を15°として伸線加工を行い、線径0.9〜0.135mmの伸線過程での伸線製出量を比較した結果を図3に示す。
図3から明らかなように、線径7.0mmと線径6.1mmの銅被覆アルミニウム線を伸線する、3番目と4番目の2個のダイスのアプローチ角度を、夫々従来通常行なわれている15°とした比較例5は、伸線製出量が1.0トン/回であり、3番目と4番目の2個のダイスのアプローチ角度を夫々10°とした比較例4では、伸線製出量が0.3トン/回であった。線径7.0mmと線径6.1mmの銅被覆アルミニウム線を伸線する3番目と4番目の2個のダイスのアプローチ角度を夫々25°とした実施例31では、比較例5の1.1倍であった。更に、線径7.0mmと線径6.1mmの銅被覆アルミニウム線を成形する、3番目と4番目の2個のダイスのアプローチ角度を夫々27°、30°、45°、47°、49°とした実施例33、34、39、35及び36の伸線製出量は、夫々比較例5の3倍、3.3倍、4.7倍、2.6倍、1.4倍であった。
このように、線径7.0mmと線径6.1mmの銅被覆アルミニウム線を伸線する、3番目と4番目の2個のダイスのアプローチ角度を、夫々従来通常行なわれている15°としたものに比べ、25°以上で伸線製出量が向上し、25°未満では15°と同様或いはそれ以下の伸線製出量であることがわかる。又、27°〜47°が伸線製出量が特に優れており、その中でも特に45°が優れていることがわかる。しかし、比較例6の50°に至ると、線径7.0mm又は線径6.1mmの銅被覆アルミニウム線を伸線する段階で、銅被覆アルミニウム線が断線してしまい、伸線が不可能であった。
次に、銅テープと2.5質量%マグネシウム、残部アルミニウムのJIS5052アルミ合金のアルミニウム荒引線を用い、上述のように、線径9.75mm、銅被覆占積率15%の銅被覆アルミニウム線の複合線を形成した後、冷間加工で0.135mmまで伸線加工を行う過程で、円弧ダイスを用い、線径7.0mmと線径6.1mmの銅被覆アルミニウム線を伸線加工する、3番目と4番目の2個のダイスのアプローチ角度を夫々10〜50°の範囲で変化させ、それ以外のパスにおけるダイスのアプローチ角度を15°として伸線加工を行い、線径0.9〜0.135mmの伸線過程での伸線製出量を比較した。その結果を図4に示す。
図4から明らかなように、線径7.0mmと線径6.1mmの銅被覆アルミニウム線を伸線するダイスのアプローチ角度を、夫々従来通常行なわれている15°とした比較例7は、伸線製出量が0.3トン/回であった。線径7.0mmと線径6.1mmの銅被覆アルミニウム線を伸線する、3番目と4番目の2個のダイスのアプローチ角度を夫々25°、27°、30°、45°、47°、49°とした実施例43〜48の伸線製出量は、夫々比較例7の約2.67倍、7倍、約7.67倍、11倍、6倍、約1.34倍であった。
このように、線径7.0mmと線径6.1mmの銅被覆アルミニウム線を伸線する、3番目と4番目の2個のダイスのアプローチ角度を、従来通常行なわれている15°としたものに比べ、25°以上で伸線製出量が向上することがわかる。又、27°〜47°が伸線製出量が特に優れており、特に45°が優れていることがわかる。しかし、比較例8の50°に至ると、線径7.0mm又は線径6.1mmの銅被覆アルミニウム線を成形する段階で、銅被覆アルミニウム線が断線してしまい、伸線が不可能であった。
本発明の銅被覆アルミニウム線の製造方法により、銅被覆アルミニウム線の製造効率を向上させることが出来、又、本発明の銅被覆アルミニウム線の製造方法により製造した銅被覆アルミニウム線は、電子機器、ケーブルの導体及び編組線、各種モータ用コイル等の線材として好適に用いることが出来る。
1 ダイス
2 チップ
22 アプローチ
3 補強枠
4 ケース
A ダイスのアプローチ角度(全角度)

Claims (6)

  1. 純アルミニウム又はアルミニウム合金を主導体として用い、当該主導体の外周に銅を被覆した銅被覆アルミニウム線の製造において、伸線加工時に用いる複数のダイスの内、1番目〜10番目のダイスの内の少なくとも1個のダイスのアプローチ角度を25〜49°としたことを特徴とする銅被覆アルミニウム線の製造方法。
  2. 伸線加工時に用いる複数のダイスの内、1番目〜10番目のダイスの内の1個〜3個のダイスのアプローチ角度を25〜49°としたことを特徴とする請求項1に記載の銅被覆アルミニウム線の製造方法。
  3. 伸線加工時に用いる複数のダイスの内、1番目〜10番目のダイスの内の2〜6番目の何れかのダイスのアプローチ角度を25〜49°としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の銅被覆アルミニウム線の製造方法。
  4. 線径が5.4mm以上の銅被覆アルミニウム線を伸線するためのダイスのアプローチ角度を25〜49°としたことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載の銅被覆アルミニウム線の製造方法。
  5. 伸線加工時に用いる複数のダイスの内、1番目〜10番目のダイスの内の2個又は3個のダイスのアプローチ角度を25〜49°としたことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載の銅被覆アルミニウム線の製造方法。
  6. 伸線加工時に用いる複数のダイスの内、前記アプローチ角度を25〜49°としたダイス以外のダイスのアプローチ角度を10〜25°未満としたことを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項に記載の銅被覆アルミニウム線の製造方法。
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