JP2011148632A - エレベータの制御システム - Google Patents
エレベータの制御システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011148632A JP2011148632A JP2010013257A JP2010013257A JP2011148632A JP 2011148632 A JP2011148632 A JP 2011148632A JP 2010013257 A JP2010013257 A JP 2010013257A JP 2010013257 A JP2010013257 A JP 2010013257A JP 2011148632 A JP2011148632 A JP 2011148632A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- brake
- torque
- diagnosis
- holding force
- suspension
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Maintenance And Inspection Apparatuses For Elevators (AREA)
- Elevator Control (AREA)
Abstract
【課題】乗りかごの重量と位置センサの誤差による影響を受けずに正確に吊り合いトルクを出力させ、ブレーキ装置の保持力を確認するトルクを正確に出力するエレベータの制御システムを提供する。
【解決手段】エレベータの乗りかご及び吊り合いおもりを昇降させる巻上機と、巻上機の速度や回転角度を検出する回転角度検出器と、巻上機の回転を停止させる複数のブレーキ装置と、ブレーキ装置を制御するブレーキ制御装置と、全てのブレーキ装置解放と同時に、回転角度検出器の出力から乗りかごと吊り合いおもりの重量差を相殺し、巻上機の速度をゼロにするための吊り合いトルクを出力するゼロ速度指令制御装置と、を備え、吊り合いトルク出力によって乗りかごと吊り合いおもりの重量差が相殺されて、平衡状態のときに1台のブレーキ装置を閉じ、吊り合いトルクに対してブレーキ装置のブレーキ保持力を確認するために所定のブレーキ診断トルクを出力し、回転角度検出器の出力からブレーキ装置の保持力の正常又は異常を判定する。
【選択図】図1
【解決手段】エレベータの乗りかご及び吊り合いおもりを昇降させる巻上機と、巻上機の速度や回転角度を検出する回転角度検出器と、巻上機の回転を停止させる複数のブレーキ装置と、ブレーキ装置を制御するブレーキ制御装置と、全てのブレーキ装置解放と同時に、回転角度検出器の出力から乗りかごと吊り合いおもりの重量差を相殺し、巻上機の速度をゼロにするための吊り合いトルクを出力するゼロ速度指令制御装置と、を備え、吊り合いトルク出力によって乗りかごと吊り合いおもりの重量差が相殺されて、平衡状態のときに1台のブレーキ装置を閉じ、吊り合いトルクに対してブレーキ装置のブレーキ保持力を確認するために所定のブレーキ診断トルクを出力し、回転角度検出器の出力からブレーキ装置の保持力の正常又は異常を判定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、エレベータ用巻上機のブレーキ装置の保持力を診断するエレベータの制御システムに関する。
従来、巻上機にブレーキ装置が複数取り付けられているエレベータシステムにおいて、ブレーキ装置の保持力診断を行う場合には、診断対象のブレーキ装置以外を解放している。そのため、ブレーキ装置解放時に診断対象のブレーキ装置の保持力が低下していた場合、乗りかごと吊り合いおもりの重量差により乗りかごが急に動きだす危険がある。
そこで、複数台のブレーキ装置の異常を診断する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。これは、ブレーキ装置解放前に乗りかごの重量や乗りかごの位置をエレベータの制御装置が検知すると、エレベータの制御装置は乗りかごと吊り合いおもりの重量差を打ち消すための吊り合いトルク指令を巻上機に出力し、乗りかごと吊り合いおもりを静止させた後にブレーキ装置の保持力を診断するための診断トルクを重畳し、診断トルクをブレーキの保持力が十分確認できるレベルまで徐々に増加させていくものである。
また、ブレーキ装置の故障による制動トルクの低下または喪失を正確に検出可能にした制御装置も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。これは、アンバランス負荷を含め所定の大きさの確認トルクを印加した状態で、ブレーキ装置の滑り運動を検出して、制動トルクの低下または喪失がないことを確認するようにしたものである。
例えば、図13に示すような従来のエレベータの制御システムにおけるブレーキ診断手法では、乗りかごの重量を検出するセンサの誤差により、吊り合いトルクが乗りかごと吊り合いおもりの重量差と一致しないため、図14に示すように吊り合いトルクを考慮してブレーキ診断トルクを出力する場合、正確なブレーキ装置の保持力を確認するためのトルクを出力することができない可能性があった。
また、ブレーキ装置の保持力が基準値を超えているか否かを判定するため、特許文献1あるいは特許文献2の技術によっても、詳細なブレーキ装置の保持力値や、経年によるブレーキ装置の保持力低下を把握することができないという問題があった。
本発明の目的は、乗りかごの重量と位置センサの誤差による影響を受けずに正確に吊り合いトルクを出力させ、ブレーキ装置の保持力を確認するトルクを正確に出力するエレベータの制御システムを提供することである。また、ブレーキ装置がスリップを始めた保持力値の傾向からブレーキ装置の経年による保持力低下を得るエレベータの制御システムを提供することである。
本発明の一態様によれば、エレベータの乗りかご及び吊り合いおもりを昇降させる巻上機と、この巻上機の速度や回転角度を検出する回転角度検出器と、前記巻上機の回転を停止させる複数のブレーキ装置と、前記ブレーキ装置を制御するブレーキ制御装置と、全ての前記ブレーキ装置解放と同時に、前記回転角度検出器の出力から前記乗りかごと前記吊り合いおもりの重量差を相殺し、前記巻上機の速度をゼロにするための吊り合いトルクを出力するゼロ速度指令制御装置と、を備え、前記吊り合いトルク出力によって乗りかごと吊り合いおもりの重量差が相殺されて、平衡状態のときに1台の前記ブレーキ装置を閉じ、前記吊り合いトルクに対して前記ブレーキ装置のブレーキ保持力を確認するために所定のブレーキ診断トルクを出力し、前記回転角度検出器の出力から前記ブレーキ装置の保持力の正常又は異常を判定することを特徴とするエレベータの制御システムが提供される。
本発明によれば、乗りかごの重量と位置センサの誤差による影響を受けずに、ブレーキ装置の保持力を確認するトルクを正確に出力することができる。
また、経年によるブレーキ保持力低下の傾向を的確に推測することができ、ブレーキのメンテナンス時期の予測が可能となる。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るエレベータの制御システムの構成図である。図1に示すように、エレベータの制御システムは、エレベータ装置とエレベータ制御装置に大別される。エレベータ装置は、乗客が乗る乗りかご4と、吊り合いおもり3と、乗りかご4と吊り合いおもり3を懸架するロープ2と、ロープ2を巻き上げる巻上機1と、巻上機1に配設され、巻上機1の回転角度と速度を検出するための回転角度検出器5と、乗りかご4の下部に配設され乗りかご4の積載量を検出する重さ検出器6と、エレベータの乗りかご4を停止させるためのブレーキ装置7a,7bを備えている。
図1は、第1の実施形態に係るエレベータの制御システムの構成図である。図1に示すように、エレベータの制御システムは、エレベータ装置とエレベータ制御装置に大別される。エレベータ装置は、乗客が乗る乗りかご4と、吊り合いおもり3と、乗りかご4と吊り合いおもり3を懸架するロープ2と、ロープ2を巻き上げる巻上機1と、巻上機1に配設され、巻上機1の回転角度と速度を検出するための回転角度検出器5と、乗りかご4の下部に配設され乗りかご4の積載量を検出する重さ検出器6と、エレベータの乗りかご4を停止させるためのブレーキ装置7a,7bを備えている。
巻上機1は、乗りかご4と吊り合いおもり3が懸架されたロープ2を移動させることにより、乗りかご4を昇降させる。巻上機1には、エレベータの乗りかご4を停止させるためのブレーキ装置7a,7bを備え、乗りかご4と吊り合いおもり3との重量差により発生する巻上機1のトルクを抑制させ、乗りかご4の停止を維持する。
エレベータ制御装置は、エレベータの運転全体を制御する運転指令制御装置10と、ブレーキ装置7a,7bを制御するブレーキ制御装置8と、エレベータの速度を制御する速度制御装置9と、巻上機1への印加電流を制御する電流制御装置11と、インバータ12と、吊り合いトルクを制御する吊り合いトルク制御装置13と、ブレーキ診断トルクを出力するブレーキ診断トルク出力装置14と、ブレーキ診断を指令するブレーキ診断指令装置15と、トルク指令を切替えるトルク指令切替え装置16と、ゼロ速度指令を制御するゼロ速度指令制御装置17と、ブレーキ診断トルクを記憶するブレーキ診断トルク記憶装置18と、吊り合いトルクを記憶する吊り合いトルク記憶装置19を備えている。
以上のように構成されたエレベータ制御システムの通常の運転時について説明する。
運転指令制御装置10が速度指令を速度制御装置9に出力すると、速度指令を受けた速度制御装置9は、乗りかご4が加減速走行するためのトルク指令を電流制御装置11に出力する。トルク指令を受けた電流制御装置11は、トルク指令から演算された電流指令をインバータ12に出力する。電流指令を受けたインバータ12は、電流指令に応じた電流を巻上機1に供給する。このとき、トルク指令切替え装置16は速度制御装置9側に設定されている。
同時に、運転指令制御装置10は運転指令をブレーキ制御装置8に出力すると、運転指令を受けたブレーキ制御装置8は、ブレーキ装置7a,7bを解放させる。運転指令が停止したことをブレーキ制御装置8が検出すると、ブレーキ制御装置8はブレーキ装置7a,7bを閉じ、乗りかご4を停止させる。
乗りかご4の積載量を検出する重さ検出器6の出力が、無積載であるとの判定値を下回っていることをブレーキ診断指令装置15が検出すると、乗りかご4には乗客が乗っていないと判定する。さらに、巻上機1の回転角度と速度を検出する回転角度検出器5の出力値の時間変化率がゼロであることをブレーキ診断指令装置15が検出すると、乗りかご4が停止していると判定し、ブレーキ診断を開始する。
次に、ブレーキ診断について説明する。図2は、第1の実施形態に係るエレベータの制御装置におけるブレーキ診断のフローチャートである。また、図3は、第1の実施形態に係るエレベータの制御装置におけるブレーキ診断中の速度及びトルク波形を示す図である。
まず、ブレーキ診断が開始されると、吊り合いトルク制御装置13が重さ検出器6の出力から乗りかご4と吊り合いおもり3の重量差に基づいて、吊り合いトルクToを出力する(ステップS101、図3のt0−t2間)。吊り合いトルクToが出力されると、ゼロ速度指令制御装置17が速度制御装置9に対してゼロ速度指令を出力する(ステップS102,図3のt2−t3間)。ゼロ速度指令が出力されると、ブレーキ制御装置8が全てのブレーキ装置7a,7bを解放する(ステップS103,図3のt3)。
ここで、重さ検出器6の出力値に誤差がある場合、吊り合いトルクToは乗りかご4と吊り合いおもり3の重量差を打ち消すことができず、エレベータの乗りかご4は動きだす(図3のt3−t4間)。乗りかご4が動きだすと、動き出した乗りかご4の速度を回転角度検出器5の出力値の時間変化率により検出し、速度制御装置9に出力する(ステップS104)。乗りかご4の速度が出力されると、速度制御装置9は速度がゼロか否かを判定する(ステップS105)。乗りかご4の速度がゼロではない場合、速度制御装置9はトルク値を補正する(ステップS117,図3のt3−t5間)。速度がゼロ、つまり乗りかご4と吊り合いおもり3が平衡状態で静止したことを吊り合いトルク制御装置13が検出すると、吊り合いトルク記憶装置19は吊り合いトルクT1を記憶しブレーキ診断トルク記憶装置18に出力する(ステップS106,図3のt5)。
吊り合いトルク制御装置13が吊り合いトルクTlを出力すると、ブレーキ診断指令装置15は診断対象のブレーキ装置7aを閉じる指令をブレーキ制御装置8に出力し、ブレーキ装置7aを閉じる(ステップS107,図3のt6)。
診断対象のブレーキ装置7aが閉じたことをゼロ速度指令制御装置17が検出すると、ゼロ速度指令制御装置17はゼロ速度指令を停止する(ステップS108,図3のt6)。ゼロ速度指令が停止すると、ブレーキ診断指令装置15はトルク指令切替え装置16にトルク切替え指令を出力し、トルク指令をブレーキ診断トルク出力装置14側に切替える(ステップS109)。
トルク指令がブレーキ診断トルク出力装置14側に切替わると、ブレーキ診断トルク記憶装置18が予め記憶されているブレーキ診断トルクT2をブレーキ診断トルク出力装置14に出力し、ブレーキ診断トルク出力装置14がブレーキ診断トルクT2を出力する(ステップS110,図3のt7)。
ここで診断トルクT2は、乗りかご4の積載量と吊り合いおもり3の重量から予め定められたトルクとする。当該トルクは次式のように表され、例えば係数kは1.2などである。
T2=WBL×g×r×k
T2:ブレーキ診断トルク[Nm]
WBL:乗りかごと吊り合いおもりの重量差[kg]
g:重力加速度[m/s2]
r:巻上機滑車半径[m]
k:ブレーキ保持力係数
ブレーキ診断トルクT2が出力されると、ブレーキ診断トルク出力装置14はブレーキ装置7aの異常判定を行う(ステップS111)。ブレーキ装置7aの異常判定は、回転角度検出器5の出力から巻上機1の回転がブレーキスリップ判定基準値を超えているか否かを判定する。巻上機1の回転がブレーキスリップ判定基準値内の場合、ブレーキ診断トルク出力装置14はブレーキ診断トルクT2を出力後、一定時間経過したかを判定する(ステップS112)。一定時間が経過しブレーキ診断が終了すると、ブレーキ診断トルク出力装置14はブレーキ装置7aについて異常なしと判定する(ステップS113)。
T2:ブレーキ診断トルク[Nm]
WBL:乗りかごと吊り合いおもりの重量差[kg]
g:重力加速度[m/s2]
r:巻上機滑車半径[m]
k:ブレーキ保持力係数
ブレーキ診断トルクT2が出力されると、ブレーキ診断トルク出力装置14はブレーキ装置7aの異常判定を行う(ステップS111)。ブレーキ装置7aの異常判定は、回転角度検出器5の出力から巻上機1の回転がブレーキスリップ判定基準値を超えているか否かを判定する。巻上機1の回転がブレーキスリップ判定基準値内の場合、ブレーキ診断トルク出力装置14はブレーキ診断トルクT2を出力後、一定時間経過したかを判定する(ステップS112)。一定時間が経過しブレーキ診断が終了すると、ブレーキ診断トルク出力装置14はブレーキ装置7aについて異常なしと判定する(ステップS113)。
ブレーキ装置7aについて異常なしと判定すると、ブレーキ診断トルク出力装置14は、診断トルクT2の出力を停止する(ステップS114,図3のt8)。ブレーキ診断トルクT2が停止すると、ブレーキ制御装置8は全てのブレーキ装置7a,7bを閉じる指令を出力する(ステップS115,図3のt9)。ブレーキ装置7a,7bが閉じると、吊り合いトルク制御装置13は吊り合いトルクT1を停止する(ステップS116,図3のt10)。吊り合いトルクT1が停止すると、ブレーキ診断を終了する。
ステップS111において巻上機1の回転がブレーキスリップ判定基準値を超えている場合、ブレーキ診断トルク出力装置14はブレーキ装置7aについて異常ありと判定する(ステップS118)。ブレーキ装置7aについて異常ありと判定すると、ブレーキ診断トルク出力装置14はブレーキ診断トルクT2を停止する(ステップS119)。ブレーキ診断トルクT2が停止すると、ブレーキ制御装置8は全ブレーキ装置7a,7bを閉じる指令を出力する(ステップS120)。全ブレーキ装置7a,7bが閉じると、吊り合いトルク制御装置13は吊り合いトルクTlを停止する(ステップS121)。吊り合いトルクT1が停止すると、ブレーキ診断指令装置15は運転指令制御装置10にエレベータの運転禁止指令を出力し、エレベータを運転禁止としブレーキ診断を終了する(ステップS122)。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、吊り合いトルクToを補正し、予め記憶してある一定のブレーキ診断トルクを出力することにより、診断対象のブレーキ装置の保持力の正常を判定することが実現できる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。図4は、第2の実施形態に係るエレベータの制御システムの構成図を示している。第2の実施形態では、第1の実施形態で示した構成に加えて、ブレーキ診断トルク演算装置20を備えている。ブレーキ診断トルク演算装置20は、吊り合いトルク記憶装置19から入力した吊り合いトルクに基づいてブレーキ診断トルクを演算し、ブレーキ診断トルク出力装置14へ出力するものである。
次に、第2の実施形態について説明する。図4は、第2の実施形態に係るエレベータの制御システムの構成図を示している。第2の実施形態では、第1の実施形態で示した構成に加えて、ブレーキ診断トルク演算装置20を備えている。ブレーキ診断トルク演算装置20は、吊り合いトルク記憶装置19から入力した吊り合いトルクに基づいてブレーキ診断トルクを演算し、ブレーキ診断トルク出力装置14へ出力するものである。
次に、ブレーキ診断について説明する。図5は、第2の実施形態に係るエレベータの制御システムにおけるブレーキ診断のフローチャートである。また、図6は、第2の実施形態に係るエレベータの制御システムにおけるブレーキ診断中の速度及びトルク波形を示す図である。第1の実施形態では、ブレーキ診断トルクT2を予め設定したトルク値にしていたが、第2の実施形態では、ブレーキ診断トルクT2を第1の実施形態のステップS106において記録した吊り合いトルクT1を元に計算するようにした。
第2の実施形態では、第1の実施形態のステップS109において、トルク指令がブレーキ診断トルク出力装置14側に切替わると、ブレーキ診断トルク演算装置20は記憶した吊り合いトルクT1を元に、ブレーキ診断トルクT2を計算する(ステップS201)。ここで、ブレーキ診断トルクT2は、例えば吊り合いトルクTlの規定値倍とするなど吊り合いトルクTlを元に計算する。
第2の実施形態によれば、エレベータの調整による吊り合いおもり3と乗りかご4の積載量の誤差に影響を受けずに、ブレーキ診断トルクT2を無積載時の吊り合いトルクT1の1.2倍などのように正確に規定値分出力するブレーキ診断が実現できる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。図7は、第3の実施形態に係るエレベータの制御システムの構成図を示している。第3の実施形態では、第2の実施形態で示した構成に加えて、ブレーキ保持力記憶装置21を備えている。
次に、第3の実施形態について説明する。図7は、第3の実施形態に係るエレベータの制御システムの構成図を示している。第3の実施形態では、第2の実施形態で示した構成に加えて、ブレーキ保持力記憶装置21を備えている。
第2の実施形態では、ブレーキ診断トルクT2をステップS106において記録した吊り合いトルクT1を元に計算するようにしていたが、第3の実施形態では、ブレーキ診断トルクT2をブレーキ保持力を上回るトルクとし、ブレーキ装置7aがスリップし乗りかご4が動き出したトルク値を記録しブレーキ装置の保持力を測定するようにした。
第3の実施形態では、第1の実施形態または第2の実施形態のステップS110におけるブレーキ診断トルクT2を、ブレーキの保持力を上回るトルクとし出力する。ブレーキ診断トルクT2が出力されると、ブレーキ診断トルク出力装置14はブレーキ装置7aの異常判定を行う。
次に、第3の実施形態におけるブレーキ診断について説明する。図8は、第3の実施形態に係るエレベータの制御システムにおけるブレーキ診断のフローチャートである。また、図9は、第3の実施形態に係るエレベータの制御システムにおけるブレーキ診断中の速度及びトルク波形を示す図である。
巻上機1の回転が、ブレーキスリップを判定するためのブレーキスリップ基準値内の場合、ブレーキ診断トルク出力装置14はブレーキ診断トルクT2を出力後、ブレーキ診断トルクT2が上限値内か否かを判定する(ステップS301)。ブレーキ診断トルクT2が上限値を超えると、ブレーキ診断トルク出力装置14はブレーキ装置7aについて異常なしと判定する(ステップS113)。ブレーキ装置7aについて異常なしと判定すると、ブレーキ診断トルク出力装置14は、ブレーキ診断トルクT2の出力を停止する(ステップS114)。ブレーキ診断トルクT2が停止すると、ブレーキ制御装置8は全てのブレーキ装置7a,7bを閉じる指令を出力する(ステップS115)。全てのブレーキ装置7a,7bが閉じると、吊り合いトルク制御装置13は吊り合いトルクT1を停止する(ステップS116)。吊り合いトルクT1が停止すると、ブレーキ保持力記憶装置21がブレーキ保持力を記憶し、ブレーキ診断を終了する(ステップS307)。
ステップS111において、巻上機1の回転がブレーキスリップを判定するためのブレーキスリップ基準値を超えている場合、ブレーキ診断トルク出力装置14は、ブレーキ装置7aがスリップを始めた保持力値がブレーキ保持力の基準値を超えているか否かを判定する(ステップS302)。上記ブレーキ装置7aがスリップを始めた保持力値がブレーキ保持力基準値を超えている場合、ブレーキ診断トルク出力装置14はブレーキ装置7aについて異常ありと判定する(ステップS118)。ブレーキ装置7aについて異常ありと判定すると、ブレーキ診断トルク出力装置14はブレーキ診断トルクT2を停止する(ステップS119)。ブレーキ診断トルクT2が停止すると、ブレーキ制御装置8は全ブレーキ装置7a,7bを閉じる指令を出力する(ステップS120)。ブレーキ装置7a,7bが閉じると、吊り合いトルク制御装置13は吊り合いトルクT1を停止する(ステップS121)。吊り合いトルクT1が停止すると、ブレーキ診断指令装置15は運転指令制御装置10にエレベータの運転禁止指令を出力し、エレベータを運転禁止にする(ステップS122)。
エレベータが運転禁止になると、ブレーキ保持力記憶装置21がブレーキ保持力を記憶し、ブレーキ診断を終了する(ステップS307)。
ステップS302において、ブレーキ診断トルクT2がブレーキ保持力基準値を超えていない場合、ブレーキ診断トルク出力装置14はブレーキ装置7aについて異常なしと判定する(ステップS303)。ブレーキ装置7aについて異常なしと判定すると、ブレーキ診断トルク出力装置14はブレーキ診断トルクT2を停止する(ステップS304)。ブレーキ診断トルクT2が停止すると、ブレーキ制御装置8は全ブレーキ装置7a,7bを閉じる指令を出力する(ステップS305)。ブレーキ装置7a,7bが閉じると、吊り合いトルク制御装置13は吊り合いトルクT1を停止する(ステップS306)。吊り合いトルクT1が停止すると、ブレーキ保持力記憶装置21はブレーキ保持力を記憶する(ステップS307)。ブレーキ保持力を記憶するとブレーキ診断を終了する。
第3の実施形態によれば、ブレーキ診断トルクT2を、ブレーキ保持力を上回るトルク値と設定することによりブレーキの保持力を定量的に測定するブレーキ診断が実現できる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。図10は、第4の実施形態に係るエレベータの制御システムの構成図を示している。第4の実施形態では、第3の実施形態で示した構成に加えて、メンテナンス時期推定装置22、警告通知装置23を備えている。第3の実施形態では、ブレーキ保持力を記憶し終了していた動作を、第4の実施形態では、ブレーキ保持力を記憶した後、ブレーキ診断を実施した日時と、ブレーキ保持力の測定結果を記録した過去の保持力値から保持力値の傾向を分析し、ブレーキの交換、メンテナンス時期をメンテナンス時期推定装置22により推測し、推測したメンテナンス時期が規定範囲を下回った場合に警告通知装置23により外部に連絡するように構成している。
次に、第4の実施形態について説明する。図10は、第4の実施形態に係るエレベータの制御システムの構成図を示している。第4の実施形態では、第3の実施形態で示した構成に加えて、メンテナンス時期推定装置22、警告通知装置23を備えている。第3の実施形態では、ブレーキ保持力を記憶し終了していた動作を、第4の実施形態では、ブレーキ保持力を記憶した後、ブレーキ診断を実施した日時と、ブレーキ保持力の測定結果を記録した過去の保持力値から保持力値の傾向を分析し、ブレーキの交換、メンテナンス時期をメンテナンス時期推定装置22により推測し、推測したメンテナンス時期が規定範囲を下回った場合に警告通知装置23により外部に連絡するように構成している。
次に、第4の実施形態におけるブレーキ診断について説明する。図11は、第4の実施形態に係るエレベータの制御システムにおけるブレーキ診断のフローチャートである。また、図12は、第4の実施形態に係るエレベータの制御システムにおけるブレーキメンテナンス時期の推測を示す図である。
第4の実施形態においては、第3の実施形態のステップS303においてブレーキ保持力が異常なしと判定されると、メンテナンス時期推定装置22は過去のブレーキ保持力と測定したブレーキ保持力からブレーキ保持力低下の傾向を分析し、図12のようにブレーキ装置7aのメンテナンス時期を推測する(ステップS401)。ここで保持力低下の傾向の分析、メンテナンス時期の推測はメンテナンス時期推定装置22とは限らず、監視センターにおいての推測も可能とする。メンテナンス時期を推測すると、ブレーキ診断トルク出力装置14はメンテナンス時期が規定範囲内かを判定する(ステップS402)。規定範囲は、例えば6ケ月などである。規定範囲内と判定されると、警告通知装置23は外部への連絡として、例えばエレベータの監視センターに警告通知などする(ステップS403)。外部へ連絡すると、ブレーキ診断トルク出力装置14はブレーキ診断トルクT2を停止する(ステップS404)。
ブレーキ診断トルクT2が停止すると、ブレーキ制御装置8は全ブレーキ装置7a,7bを閉じる指令を出力する(ステップS405)。ブレーキ装置7a,7bが閉じると、吊り合いトルク制御装置13は吊り合いトルクT1を停止する(ステップS406)。吊り合いトルクT1が停止すると、ブレーキ保持力記憶装置21はブレーキ保持力を記憶する(ステップS307)。ブレーキ保持力記憶装置21がブレーキ保持力を記憶すると、ブレーキ診断を終了する。
第4の実施形態によれば、過去のブレーキ保持力と測定値からブレーキ保持力低下の傾向を推測することにより、ブレーキ装置の交換の必要性の有無や、交換時期の推測が実現できる。
なお、本発明は上記の実施形態のそのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1:巻上機
2:ロープ
3:吊り合いおもり
4:乗りかご
5:回転角度検出器
6:重さ検出器
7a、7b:ブレーキ装置
8:ブレーキ制御装置
9:速度制御装置
10:運転指令制御装置
11:電流制御装置
12:インバータ
13:吊り合いトルク制御装置
14:ブレーキ診断トルク出力装置
15:ブレーキ診断指令装置
16:トルク指令切替え装置
17:ゼロ速度指令制御装置
18:ブレーキ診断トルク記憶装置
19:吊り合いトルク記憶装置
20:ブレーキ診断トルク演算装置
21:ブレーキ保持力記憶装置
22:メンテナンス時期推定装置
23:警告通知装置
2:ロープ
3:吊り合いおもり
4:乗りかご
5:回転角度検出器
6:重さ検出器
7a、7b:ブレーキ装置
8:ブレーキ制御装置
9:速度制御装置
10:運転指令制御装置
11:電流制御装置
12:インバータ
13:吊り合いトルク制御装置
14:ブレーキ診断トルク出力装置
15:ブレーキ診断指令装置
16:トルク指令切替え装置
17:ゼロ速度指令制御装置
18:ブレーキ診断トルク記憶装置
19:吊り合いトルク記憶装置
20:ブレーキ診断トルク演算装置
21:ブレーキ保持力記憶装置
22:メンテナンス時期推定装置
23:警告通知装置
Claims (6)
- エレベータの乗りかご及び吊り合いおもりを昇降させる巻上機と、
この巻上機の速度や回転角度を検出する回転角度検出器と、
前記巻上機の回転を停止させる複数のブレーキ装置と、
前記ブレーキ装置を制御するブレーキ制御装置と、
全ての前記ブレーキ装置解放と同時に、前記回転角度検出器の出力から前記乗りかごと前記吊り合いおもりの重量差を相殺し、前記巻上機の速度をゼロにするための吊り合いトルクを出力するゼロ速度指令制御装置と、を備え、
前記吊り合いトルク出力によって乗りかごと吊り合いおもりの重量差が相殺されて、平衡状態のときに1台の前記ブレーキ装置を閉じ、前記吊り合いトルクに対して前記ブレーキ装置のブレーキ保持力を確認するために所定のブレーキ診断トルクを出力し、前記回転角度検出器の出力から前記ブレーキ装置の保持力の正常又は異常を判定することを特徴とするエレベータの制御システム。 - 前記ブレーキ診断トルクは、前記乗りかごの積載量と前記吊り合いおもりの重量から予め定められたトルクとすることを特徴とする請求項1記載のエレベータの制御システム。
- 前記ブレーキ診断トルクは、無積載時の前記吊り合いトルク値を所定倍した値とすることを特徴とする請求項1記載のエレベータの制御システム。
- 前記ブレーキ診断トルクを、前記ブレーキ保持力を上回るトルク値とし、前記ブレーキ装置がスリップし乗りかごが動き出した際のトルク値に基づいて、前記ブレーキ装置の保持力を測定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエレベータの制御システム。
- ブレーキ診断を実施した日時と前記ブレーキ保持力の測定結果の履歴を保持し、前記ブレーキ装置の保持力値の傾向から、前記ブレーキ装置のブレーキの交換、前記ブレーキ装置のメンテナンス時期を推測し、メンテナンス時期の到来を外部に通知することを特徴とする請求項4記載のエレベータの制御システム。
- 前記メンテナンス時期の到来の通知後は、前記ブレーキ診断トルクを停止し、前記ブレーキ保持力を記憶させることを特徴とする請求項5記載のエレベータの制御システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010013257A JP2011148632A (ja) | 2010-01-25 | 2010-01-25 | エレベータの制御システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010013257A JP2011148632A (ja) | 2010-01-25 | 2010-01-25 | エレベータの制御システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011148632A true JP2011148632A (ja) | 2011-08-04 |
Family
ID=44536016
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010013257A Pending JP2011148632A (ja) | 2010-01-25 | 2010-01-25 | エレベータの制御システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011148632A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016124819A1 (en) * | 2015-02-03 | 2016-08-11 | Kone Corporation | Elevator brake release monitoring |
JP2016193768A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-17 | フジテック株式会社 | エレベータ装置およびその制御装置 |
EP3008007B1 (de) | 2013-06-13 | 2017-03-29 | Inventio AG | Bremsverfahren für eine personentransportanlage, bremssteuerung zur durchführung des bremsverfahrens und personentransportanlage mit einer bremssteuerung |
CN115594058A (zh) * | 2022-09-30 | 2023-01-13 | 深圳市中金岭南有色金属股份有限公司凡口铅锌矿(Cn) | 提升系统的制动力矩控制方法、装置及系统 |
-
2010
- 2010-01-25 JP JP2010013257A patent/JP2011148632A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3008007B1 (de) | 2013-06-13 | 2017-03-29 | Inventio AG | Bremsverfahren für eine personentransportanlage, bremssteuerung zur durchführung des bremsverfahrens und personentransportanlage mit einer bremssteuerung |
WO2016124819A1 (en) * | 2015-02-03 | 2016-08-11 | Kone Corporation | Elevator brake release monitoring |
CN107207187A (zh) * | 2015-02-03 | 2017-09-26 | 通力股份公司 | 电梯制动器释放监测 |
US10954101B2 (en) | 2015-02-03 | 2021-03-23 | Kone Corporation | Elevator brake release monitoring |
US12030743B2 (en) | 2015-02-03 | 2024-07-09 | Kone Corporation | Elevator brake release monitoring |
JP2016193768A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-17 | フジテック株式会社 | エレベータ装置およびその制御装置 |
CN115594058A (zh) * | 2022-09-30 | 2023-01-13 | 深圳市中金岭南有色金属股份有限公司凡口铅锌矿(Cn) | 提升系统的制动力矩控制方法、装置及系统 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2537790B1 (en) | Elevator device | |
TWI377168B (en) | Automatic inspecting device for an elevator and automatic inspecting method for an elevator | |
JP2011042480A (ja) | エレベータ装置 | |
JP6218706B2 (ja) | エレベータの制御装置およびエレベータの制御方法 | |
JP2008133096A (ja) | エレベータ | |
JP6987255B2 (ja) | エレベータ診断システム | |
JP2008207898A (ja) | エレベータの制御装置 | |
JP5036147B2 (ja) | エレベータの速度制御装置、速度制御方法、および速度制御プログラム | |
JP5079351B2 (ja) | エレベータ装置 | |
JP2011148632A (ja) | エレベータの制御システム | |
JP2010089869A (ja) | エレベータのロープ滑り検出装置及びそれを用いたエレベータ装置 | |
JP2014061967A (ja) | エレベータ装置及びエレベータ制御方法 | |
WO2019167212A1 (ja) | エレベーターのブレーキ性能評価装置 | |
WO2018083739A1 (ja) | エレベーター装置、および秤装置の校正方法 | |
JP6975108B2 (ja) | エレベーター診断システム、および、エレベーターの診断方法 | |
JP2011143982A (ja) | エレベータの制動制御装置及び制動制御方法 | |
TWI314132B (ja) | ||
JP6573729B2 (ja) | エレベータ制御装置及びエレベータ制御方法 | |
JP2013049568A (ja) | 巻上機のブレーキ保持トルク調整装置及びそのブレーキ保持トルク調整方法 | |
JP5098376B2 (ja) | エレベーターの制御装置 | |
JP5058310B2 (ja) | エレベータ制御装置 | |
JP2014201412A (ja) | エレベーターの自動診断装置 | |
JP2008114930A (ja) | エレベータの制御装置 | |
JP2010030747A (ja) | エレベータ装置及びエレベータ装置の乗りかご内の気圧制御方法 | |
JP6278859B2 (ja) | エレベーターの保守方法及びエレベーターシステム |