JP2011147853A - 液状樹脂塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】少ない液状樹脂量で効率良くワークに保護膜を形成すること。
【解決手段】本発明のある実施の形態の液状樹脂塗布装置1は、ワーク2を吸着保持する水平な保持面111を有する保持部11と、鉛直方向を回転軸として保持部を回転させる回転部12と、保持部11の保持面111に保持されたワーク2の露出面21に液状樹脂を供給する液状樹脂供給部13と、露出面21に供給された液状樹脂を露出面21の全面に広げる塗広部材14と、塗広部材14を少なくとも水平方向に移動させる移動駆動部15と、回転部12を制御して保持部11を回転させた状態で塗広部材14を接触位置に位置付け、この接触位置からワーク2の外周位置まで塗広部材14を水平移動させるように移動駆動部15を制御する制御部16とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のある実施の形態の液状樹脂塗布装置1は、ワーク2を吸着保持する水平な保持面111を有する保持部11と、鉛直方向を回転軸として保持部を回転させる回転部12と、保持部11の保持面111に保持されたワーク2の露出面21に液状樹脂を供給する液状樹脂供給部13と、露出面21に供給された液状樹脂を露出面21の全面に広げる塗広部材14と、塗広部材14を少なくとも水平方向に移動させる移動駆動部15と、回転部12を制御して保持部11を回転させた状態で塗広部材14を接触位置に位置付け、この接触位置からワーク2の外周位置まで塗広部材14を水平移動させるように移動駆動部15を制御する制御部16とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体ウェーハ等のワークに液状樹脂を塗布することによって保護膜を形成する液状樹脂塗布装置に関するものである。
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状であるワークの表面に格子状に配列されたストリートと呼ばれる切断ラインによってワークを複数の領域に区画し、この区画された領域にICやLSI等の回路を形成する。そして、このように回路を形成したワークをストリートに沿って切断することによって回路毎に分割し、個々の半導体チップを製造している。
ストリートに沿ったワークの切断は、例えば、ダイサーと呼ばれる切削装置を用いて行われている。また、近年では、ストリートに沿ってレーザー光線を照射することでストリートに溝を形成し、その後外力を付与してワークを回路毎に分割する手法も試みられている(例えば、特許文献1を参照)。
ところで、レーザー光線を照射してワークを分割する手法では、レーザー光線を照射した領域に熱エネルギーが集中してデブリが発生し、飛散したデブリがワークの表面に付着してデバイスの品質低下を招くという問題が生じる。この種の問題を解決するため、従来から、例えばスピンコート法によりワークの表面に保護膜を形成し、この保護膜を通してワークにレーザー光線を照射するようにしたレーザー加工方法が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。具体的には、ワークの表面に液状樹脂を供給し、この液状樹脂を遠心力によって流動させることでワークの表面に保護膜を形成している。
しかしながら、特許文献2の技術のようにスピンコート法によりワークの表面に保護膜を形成する手法では、ワーク上に供給した液状樹脂の大半がワーク外に飛散するため、供給する液状樹脂量を多く必要とし、効率が悪くて不経済であった。
本発明は、上記に鑑みて為されたものであり、少ない液状樹脂量で効率良くワークに保護膜を形成することができる液状樹脂塗布装置を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる液状樹脂塗布装置は、ワークを吸着保持する水平な保持面を有する保持部と、鉛直方向を回転軸として前記保持部を回転させる回転駆動部と、前記保持部の前記保持面に保持された前記ワークの露出面に液状樹脂を供給する液状樹脂供給部と、前記液状樹脂供給部によって前記ワークの前記露出面に供給された前記液状樹脂を前記露出面の全面に広げる塗広部材と、前記塗広部材を少なくとも水平方向に移動させる移動駆動部と、前記回転駆動部を制御して前記保持部を回転させた状態で、前記塗広部材を前記露出面に供給された前記液状樹脂と接触可能な接触位置に位置付けるとともに、前記塗広部材を前記接触位置から前記ワークの外周位置まで水平移動させるように前記移動駆動部を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、保持部の水平な保持面上でワークを吸着保持し、ワークの露出面に液状樹脂を供給することとした。そして、保持部を回転させた状態で塗広部材を接触位置に位置付け、この塗広部材を接触位置からワークの外周位置まで水平移動させることとした。これによれば、ワークの露出面に供給した液状樹脂に塗広部材を接触させ、この塗広部材により液状樹脂を引き伸ばして露出面の全面に行き渡らせることができる。したがって、少ない液状樹脂量で効率良くワークに保護膜を形成することができる。
以下、本発明を実施するための形態である液状樹脂塗布装置について図面を参照して説明する。本実施の形態の液状樹脂塗布装置は、半導体ウェーハ等のワークをレーザー加工して分割するのに先立ち、このワークの所定の面に液状樹脂を塗布して保護膜を形成するものである。
図1は、本実施の形態の液状樹脂塗布装置1の主要部の構成を説明する概略斜視図である。また、図2は、液状樹脂塗布装置1を構成する保持部11の収納位置を説明する概略斜視図であり、筐体10の一部を切り欠いて筐体10の内部を示している。図1および図2に示すように、液状樹脂塗布装置1は、ワーク2を保持する保持部11と、保持部11によって保持されたワーク2の露出面21に液状樹脂を供給する液状樹脂供給部13と、液状樹脂供給部13によって供給された液状樹脂を露出面21の全面に塗布する塗広部材14とを備える。
ここで、図1に示す液状樹脂塗布装置1が扱うワーク2は、略円板形状を有する。ワーク2の具体例は特に限定されないが、例えばシリコン(Si)やガリウムヒ素(GaAs)等の半導体ウェーハ、チップ実装用としてウェーハの裏面に設けられるDAF(Die Attach Film)等の粘着部材、あるいは半導体製品のパッケージ、セラミック、ガラス、サファイア(Al2O3)系の無機材料基板、LCDドライバー等の各種電子部品、さらにはμmオーダーの加工位置精度が要求される各種加工材料が挙げられる。例えばワーク2として半導体ウェーハを扱い、ICやLSI等の回路が形成された表面に保護膜を形成するのであれば、表面を露出面21とする。この場合には、ワーク2は、表面が露出するように、表面を上にして保持部11に搬入される。
保持部11は、ワーク2に応じた大きさのチャックテーブルを主体とするものであり、水平(XY平面と平行)な保持面111を有し、不図示の吸引機構によって保持面111上でワーク2を吸着保持する。ワーク2は、この保持部11に対して不図示の搬送手段によって露出面21を上にして搬入され(矢印A1)、保持面111上に載置されて吸着保持される。
このように保持面111上でワーク2を保持する保持部11は、回転駆動部としての円筒状の回転部12の上端に配設されている。この回転部12は、内部に配設された不図示のパルスモータ等を含み、鉛直方向(Z軸方向)を回転軸として回転自在な構成となっている。保持部11の保持面111は、この回転部12の回転によって水平面内での回転が可能に構成されている。
さらに、保持部11は、この回転部12を介して不図示の支持機構によりZ軸方向へ上下動自在に支持されており、図1に示すように保持面111が筐体10の上面高さとなる樹脂塗布位置と、図2に示すように保持面111が樹脂塗布位置から下降して筐体10の内部に収納された収納位置とに選択的に位置付けられる。ここで、筐体10は、上下動自在な保持部11を収容し得る大きさの上方開口の箱状を有し、回転部12や不図示の支持機構は、この筐体10内に収容されている。
液状樹脂供給部13は、筐体10上面の開口近傍に配設され、鉛直方向を回転軸とする回転を自在に行う支軸131と、この支軸131の上端側に一端が連結されたアーム132と、このアーム132の他端側に吐出口が下を向くようにして設けられたノズル133とを備え、この他に、液状樹脂供給源やこの液状樹脂供給源からの液状樹脂をノズル133に導くパイプ等を含む。この液状樹脂供給部13は、後述する液状樹脂供給工程において支軸131の回転によってアーム132が回動し、保持面111の中心近傍上方にノズル133が移動するようになっており、これによって、ノズル133からの液状樹脂を保持面111上のワーク2の露出面21に供給可能な構成となっている。なお、アーム132は、液状樹脂供給工程を除いて後述する塗広部材14の上下動および水平移動と干渉しない位置に位置付けられる。
塗広部材14は、例えば保持面111の径(ワーク2の径)と略同等の長さを有する棒状体で構成され、その軸方向がX軸方向に沿うように保持部11の上方に配設されている。このように保持部11の上方に配設された塗広部材14は、移動駆動部15によって上下動およびY軸方向への水平移動が自在に構成されており、液状樹脂供給部13によってワーク2の露出面21に供給された液状樹脂を広げて露出面21の全面に誘導する。この移動駆動部15は、塗広部材14をZ軸方向に移動駆動するための駆動源であるモータや、塗広部材14のZ軸方向の位置を検出する検出手段等(不図示)を具備して構成され、液状樹脂供給部13によって露出面21に供給された液状樹脂と接触可能な保持面111近傍の接触位置と、液状樹脂供給部13のアーム132の回動と干渉しないように保持面111から上方に離間した退避位置とに塗広部材14を上下動させる。さらに、移動駆動部15は、塗広部材14をY軸方向に移動駆動するための駆動源であるモータや、塗広部材14のY軸方向の位置を検出する検出手段等(不図示)を具備して構成され、塗広部材14を接触位置と保持面111上のワーク2の外周上方となる外周位置との間でY軸方向に沿って水平移動させる。
制御部16は、液状樹脂塗布装置1の動作に必要な各種データを保持するメモリを内蔵したマイクロコンピュータ等で構成され、液状樹脂塗布装置1を構成する各部の動作を制御して液状樹脂塗布装置1を統括的に制御する。
次に、以上のように構成される液状樹脂塗布装置1の動作について説明する。本実施の形態では、液状樹脂塗布装置1は、ワーク保持工程、液状樹脂供給工程、塗広工程、および膜厚調整工程を順次実施する。図3は、ワーク保持工程を説明する図であり、図4は、液状樹脂供給工程を説明する図であり、図5は、塗広工程を説明する図であり、図6は、図5に続く塗広工程を説明する図であり、図7は、膜厚調整工程を説明する図であり、各図3〜図7では、保持部11の周辺を拡大して模式的に示している。
(ワーク保持工程)
ワーク保持工程に先立ち、液状樹脂塗布装置1では、不図示の支持機構が保持部11を樹脂塗布位置に位置付けるとともに、不図示の搬送手段が露出面21を上にした状態でワーク2を保持部11に搬入し、保持面111上に載置する。そして、ワーク保持工程では、制御部16が不図示の吸引機構を制御し、保持面111上でワーク2を吸着保持させる。また、このワーク保持工程において、制御部16は、図3に示すように、塗広部材14が退避位置に位置した状態で液状樹脂供給部13を制御し、支軸131を回転させることによってアーム132を回動させ、保持面111の中心近傍上方にノズル133を移動させる。
ワーク保持工程に先立ち、液状樹脂塗布装置1では、不図示の支持機構が保持部11を樹脂塗布位置に位置付けるとともに、不図示の搬送手段が露出面21を上にした状態でワーク2を保持部11に搬入し、保持面111上に載置する。そして、ワーク保持工程では、制御部16が不図示の吸引機構を制御し、保持面111上でワーク2を吸着保持させる。また、このワーク保持工程において、制御部16は、図3に示すように、塗広部材14が退避位置に位置した状態で液状樹脂供給部13を制御し、支軸131を回転させることによってアーム132を回動させ、保持面111の中心近傍上方にノズル133を移動させる。
(液状樹脂供給工程)
続く液状樹脂供給工程では、図4に示すように、制御部16は先ず、回転部12を制御して保持部11を回転させる(矢印A2)。そして、制御部16は、保持部11を回転させたままの状態で液状樹脂供給部13を制御し、ノズル133から所定量の液状樹脂を吐出させることで保持面111上のワーク2の露出面21の中心近傍に液状樹脂3を供給する。ここで、液状樹脂3は、このように回転する保持面111上のワーク2の露出面21に供給された際に表面張力で盛り上がるように、ある程度の粘度(例えば60cP)を有するものを用いる。また、供給する液状樹脂3の量は、最終的に露出面21に形成する保護膜31(図7を参照)の膜厚等に応じて予め設定する。その後、制御部16は、支軸131を回転させることによってアーム132を回動させ、アーム132を保持面111上から退避させて塗広部材14の上下動および水平移動と干渉しない位置に位置付ける。
続く液状樹脂供給工程では、図4に示すように、制御部16は先ず、回転部12を制御して保持部11を回転させる(矢印A2)。そして、制御部16は、保持部11を回転させたままの状態で液状樹脂供給部13を制御し、ノズル133から所定量の液状樹脂を吐出させることで保持面111上のワーク2の露出面21の中心近傍に液状樹脂3を供給する。ここで、液状樹脂3は、このように回転する保持面111上のワーク2の露出面21に供給された際に表面張力で盛り上がるように、ある程度の粘度(例えば60cP)を有するものを用いる。また、供給する液状樹脂3の量は、最終的に露出面21に形成する保護膜31(図7を参照)の膜厚等に応じて予め設定する。その後、制御部16は、支軸131を回転させることによってアーム132を回動させ、アーム132を保持面111上から退避させて塗広部材14の上下動および水平移動と干渉しない位置に位置付ける。
(塗広工程)
続く塗広工程では、図5に示すように、制御部16は、保持部11を回転させた状態を保ったまま(矢印A2)、移動駆動部15を制御して塗広部材14を下降させ(矢印A3)、塗広部材14を接触位置に位置付けて液状樹脂3に接触させる。本実施の形態では、液状樹脂3は、液状樹脂供給工程においてワーク2の露出面21の中心近傍に供給される。したがって、接触位置は、そのY軸方向の位置が保持面111の中心のY位置に近傍し、且つそのZ軸方向の位置が保持面111のZ位置に近傍する位置として設定される。例えば、液状樹脂3の粘度が60cPの場合、塗広部材14と保持面111上に載置されたワーク2の露出面21との間隙(c)が0mm<c≦1.0mm程度となるように接触位置を設定する。
続く塗広工程では、図5に示すように、制御部16は、保持部11を回転させた状態を保ったまま(矢印A2)、移動駆動部15を制御して塗広部材14を下降させ(矢印A3)、塗広部材14を接触位置に位置付けて液状樹脂3に接触させる。本実施の形態では、液状樹脂3は、液状樹脂供給工程においてワーク2の露出面21の中心近傍に供給される。したがって、接触位置は、そのY軸方向の位置が保持面111の中心のY位置に近傍し、且つそのZ軸方向の位置が保持面111のZ位置に近傍する位置として設定される。例えば、液状樹脂3の粘度が60cPの場合、塗広部材14と保持面111上に載置されたワーク2の露出面21との間隙(c)が0mm<c≦1.0mm程度となるように接触位置を設定する。
その後、図6に示すように、制御部16は、保持部11を回転させた状態を保ったまま(矢印A2)、移動駆動部15を制御して塗広部材14をY軸方向に水平移動させ(矢印A4)、保持面111上のワーク2の外周上方となる外周位置に位置付ける。その後、制御部16は、移動駆動部15を制御して塗広部材14を退避位置に戻す。このように液状樹脂3に接触した塗広部材14を接触位置から外周位置まで水平移動させると、液状樹脂3が塗広部材14に引っ張られることで露出面21に対する液状樹脂3の塗布領域が漸次均一に広がっていく。そして、塗広部材14が外周位置まで移動すると、液状樹脂3が外周部に達して露出面21の全面に液状樹脂3が行き渡る。このように、塗広部材14は、露出面21に供給された液状樹脂3を露出面21の全面に均一に広がるように誘導する。なお、本実施の形態では、塗広部材14をワーク2の径と略同等の長さの棒状体として例示したが、露出面21の全面に液状樹脂3を引き伸ばすことができればよい。すなわち、塗広部材14と液状樹脂3との接触面積に併せて長さと形状は適宜設定できる。したがって、塗広部材14は、棒状体に限らず、保持面111と対向する面を有する板状体等を用いることとしてもよい。
この塗広工程での塗広部材14のY軸方向に沿った水平移動の速度は、液状樹脂3の粘度等をもとに予め設定しておく。例えば、液状樹脂3の粘度が60cPの場合、25mm/sec〜5mm/sec程度に設定する。また、液状樹脂供給工程および塗広工程での保持部11の回転速度は、露出面21に供給された液状樹脂3が遠心力によってワーク2外に飛散しないように低速とし、例えば100rpm以下とするのが好ましい。
(膜厚調整工程)
膜厚調整工程では、図7に示すように、制御部16は先ず、不図示の支持機構を制御して保持部11を下降させ(矢印A5)、保持部11を収納位置に位置付ける。その後、制御部16は、回転部12を制御して保持部11を所定の時間高速回転させ(矢印A6)、遠心力によって露出面21に塗布された液状樹脂3をワーク2外に飛散させることで膜厚を調整する。このとき、保持部11は筐体10内部の収納位置に位置付けられており、液状樹脂が筐体10外に飛散することがない。この結果、図7に示すように、露出面21の全面に液状樹脂の保護膜31が所望の膜厚で形成される。
膜厚調整工程では、図7に示すように、制御部16は先ず、不図示の支持機構を制御して保持部11を下降させ(矢印A5)、保持部11を収納位置に位置付ける。その後、制御部16は、回転部12を制御して保持部11を所定の時間高速回転させ(矢印A6)、遠心力によって露出面21に塗布された液状樹脂3をワーク2外に飛散させることで膜厚を調整する。このとき、保持部11は筐体10内部の収納位置に位置付けられており、液状樹脂が筐体10外に飛散することがない。この結果、図7に示すように、露出面21の全面に液状樹脂の保護膜31が所望の膜厚で形成される。
ここで、調整する膜厚は、適宜設定できるが、例えば0.1um〜20.0umに設定する。そして、調整する膜厚に応じて保持部11の回転速度および回転時間を設定する。例えば、液状樹脂3の粘度が60cPの場合に、膜厚を2.0μm程度に調整する場合は、保持部11の回転速度を2000rpmとし、回転時間を30secとする。
なお、本実施の形態では、液状樹脂3の粘度を60cPとして説明したが、粘度が3cP〜210cP程度の間であれば、塗広工程においては60cPの場合と同様の条件で塗布が可能と考えられる。膜厚調整工程に関しては、粘度と目的の膜厚に応じて適宜保持部11の回転速度と回転時間を設定すればよい。
以上説明したように、本実施の形態では、保持部11の保持面111上で露出面21が露出するようにワーク2を吸着保持し、このワーク2の露出面21に保持部11を回転させながら液状樹脂3を供給することとした。そして、保持部11を回転させたままの状態で塗広部材14を接触位置に位置付けて液状樹脂3に接触させ、この塗広部材14を接触位置からワーク2の外周位置まで水平移動させることとした。これによれば、ワーク2の露出面21に供給した液状樹脂3を均一に引き伸ばして広げることができ、液状樹脂3を露出面21の全面に行き渡らせることができる。したがって、背景技術で説明した従来技術のように遠心力によって保護膜を形成する場合のように、液状樹脂を無駄に消費することなく効率よく所望の膜厚の保護膜31を形成することができるので、消費する液状樹脂量を低減させることができる。したがって、少ない液状樹脂量で効率良くワーク2に保護膜を形成することができる。
また、従来技術のように遠心力によって保護膜を形成する手法では、例えばバンプが形成されたワークの表面を露出面として保護膜を形成する場合等、露出面が凹凸を有する場合に、保護膜を均一に塗布することができない場合があった。これに対し、本実施の形態では、ワーク2の露出面21に供給した液状樹脂を保持部11を回転させながら塗広部材14によって引き伸ばす構成としたので、液状樹脂を露出面21の全面に均一に広げることができる。
なお、以上のようにして液状樹脂塗布装置1によって露出面21に保護膜31が形成されたワーク2は、例えばレーザー加工されて分割されるが、この保護膜31によって、レーザー加工時に発生するデブリから露出面21を保護することができる。ただし、本発明の液状樹脂塗布装置1は、このようなレーザー加工時のデブリから保護する保護膜を形成する場合に限らず、例えばレジストを塗布する場合等、各種ワークの所定の面に液状樹脂を塗布して被覆する場合に同様に適用できる。
以上のように、本発明の液状樹脂塗布装置は、少ない液状樹脂量で効率良くワークに保護膜を形成するのに適している。
1 液状樹脂塗布装置
10 筐体
11 保持部
111 保持面
12 回転部
13 液状樹脂供給部
131 支軸
132 アーム
133 ノズル
14 塗広部材
15 移動駆動部
16 制御部
2 ワーク
21 露出面
10 筐体
11 保持部
111 保持面
12 回転部
13 液状樹脂供給部
131 支軸
132 アーム
133 ノズル
14 塗広部材
15 移動駆動部
16 制御部
2 ワーク
21 露出面
Claims (1)
- ワークを吸着保持する水平な保持面を有する保持部と、
鉛直方向を回転軸として前記保持部を回転させる回転駆動部と、
前記保持部の前記保持面に保持された前記ワークの露出面に液状樹脂を供給する液状樹脂供給部と、
前記液状樹脂供給部によって前記ワークの前記露出面に供給された前記液状樹脂を前記露出面の全面に広げる塗広部材と、
前記塗広部材を少なくとも水平方向に移動させる移動駆動部と、
前記回転駆動部を制御して前記保持部を回転させた状態で、前記塗広部材を前記露出面に供給された前記液状樹脂と接触可能な接触位置に位置付けるとともに、前記塗広部材を前記接触位置から前記ワークの外周位置まで水平移動させるように前記移動駆動部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする液状樹脂塗布装置。
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