JP2011146204A - 高圧放電ランプ - Google Patents

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信宏 長町
Hirohisa Ishikawa
博久 石川
Toyohiko Kumada
豊彦 熊田
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Ushio Denki KK
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Abstract

【課題】放電空間内に対向された一対の電極と、該電極の電極軸が封止部内において金属箔と接合されてなり、前記電極軸には封止部に対応する個所に複数の軸方向の溝が形成されてなる高圧放電ランプにおいて、ランプの点灯消灯にともなう電極軸の熱膨張によって金属箔が切断されたり、溶断されたりすることのないような構造を提供することにある。
【解決手段】前記電極軸の金属箔と重なり合う箇所に複数の周方向の溝が形成され、当該箇所で電極軸と金属箔とが接合されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、高圧放電ランプに関するものであり、特に、プロジェクター装置用光源、露光装置用光源に利用される高圧放電ランプに係るものである。
この種の高圧放電ランプにおけるシール構造としては、電極軸の根元が封止部に埋設された金属箔と接合する、いわゆる箔シール構造が採用される。
通常、電極軸はタングステンから構成され、一方で発光管は石英ガラスから構成されているために、かかる箔シール構造においては、封止部での両者の熱膨張係数の違いにより、封止部の損傷、破損という問題がしばしば発生する。特に、プロジェクター装置に使う高圧放電ランプにおいては、発光部に0.15mg/mm以上の多量の水銀が封入されており、点灯時には水銀蒸気圧が100気圧以上の高圧になるため、この問題は一層深刻となっている。
このような問題を解決するために、例えば、特表2008−529252号公報には、電極軸(芯棒)に軸方向に沿って伸びる複数の溝を形成する技術が開示されている。
図5(A)は上記従来例にかかるランプの概略構成図であり、図5(B)は、電極の拡大図である。
図5(A)および(B)に示すように、放電ランプ1の電極2の電極軸21には、封止部3に対向する外表面領域において、軸方向に延在する複数の溝5が形成されている。そして、この電極軸21は封止部3内で金属箔4に溶接等により接合されている。
上記従来技術は、電極軸21に複数の溝5を設けることで、円周方向の表面粗さを、長手方向の表面粗さよりも大きくして、電極軸21の材料(タングステン)と封止部3の材料(石英ガラス)との熱膨張率の違いに起因する封止部の破損を解消しようとするものである。
ところが、上記従来技術においては、ランプの点灯消灯を繰り返すうちに金属箔が切断もしくは溶断するという不具合が発生することがあるとことが判明した。
図6に基づいてその現象を説明すると以下のようである。
上記したように、電極軸21には軸方向の溝5が形成されているので、封止部3ガラスとの付着面積が少なく、電極軸とガラスの付着力が弱い。そのため、ランプの点灯消灯が繰り返されて生じる膨張収縮によって、電極軸とガラスとが容易に剥離する。これによって、封止部ガラスの破損が防止されるものである。
ただ、封止部ガラスと電極軸とが剥離したとしても、ガラスは溝内に入り込んでいることに変わりはなく、この軸方向溝とガラスとの噛み合いによって、電極軸は回転方向の移動は規制されるものの、軸方向への移動は規制されることがない。
そのために電極軸21は、ランプの点灯消灯によって軸方向の伸び縮みを繰り返す。一方、金属箔4は、ガラスによって封止されて固定されており、その先端側に接合された電極軸21が伸長すると、これに合わせて金属箔4には引張力が作用することになる。
これにより、金属箔4に負担がかかり、機械的に切断されることがある。また、全面的に切断にまで至らなくとも、部分的に切断されてしまうと、電流経路の断面積が減少することになり、電流密度が過大となるため、金属箔の温度が上昇して溶融し、溶断に至ることになる。
特表2008−529252号公報
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて、電極軸に軸方向の複数の溝が形成された高圧放電ランプにおいて、ランプの点灯消灯による前記電極軸の熱膨張に伴う金属箔の切断もしくは溶断といった問題を解消する高圧放電ランプの構造を提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、この発明に係る高圧放電ランプは、軸方向の複数の溝が形成された電極軸の、金属箔と重なり合う箇所に複数の周方向の溝を形成することによって、電極軸の熱膨張によって金属箔に引張力が及ぶことを防止したことを特徴とするものである。
本発明によれば、軸方向に複数の溝を形成した電極軸の金属箔との重なり合う箇所に周方向の複数の溝を形成したことにより、当該円周方向溝内に侵入している封止部ガラスによって電極軸の軸方向への動きが規制されて、金属箔に引張力が働くことがないので、該金属箔が切断されたり、溶断されたりすることがないという効果を奏するものである。
本発明に係る高圧放電ランプの電極の構造を示す説明図。 図1の電極の部分拡大断面図。 図2のA部の拡大断面図。 本発明の他の実施例の部分断面図。 従来例の断面図。 従来例の不具合説明図。
図1は、本発明の高圧放電ランプの電極部分と金属箔との関係を示す説明図であり、図2はその一部の拡大断面図、図3は図2のA部の拡大断面図である。
図1、図2で示すように、電極2の電極軸21には、封止部3に対応する箇所に軸方向の複数の溝5、5が形成されており、その後端には、周方向の複数の溝6、6が形成さている。
金属箔4は、この周方向溝6が形成されている箇所で電極軸21に溶接等によって接合されている。8はその溶接部である。
図3に示されるように、封止作業時の加熱によって溶融した封止部3ガラスは前記周方向溝6の内部に侵入して侵入部7が形成される。該侵入部7は、周方向溝6と噛み合った状態となり、電極軸21がランプの点灯消灯によって伸縮収縮しようとしても、前記封止部3ガラスの侵入部7によってその動きが規制される。
これにより、電極軸21の熱膨張によって伸長しても、金属箔4にはその引張力が働くことがなく、切断されるといった危惧がない。
図4(A)、(B)には、金属箔に小幅部を形成したものが示されている。
金属箔4にはその先端に小幅部9が形成されていて、当該小幅部9で電極軸21の周方向溝6の形成部分に接合されている。
なお、周方向溝6は一重ずつの溝であっても、螺旋状溝であってもよいし、溝6の断面形状も図示の角形状以外にV字状など任意の形状が選択できる。
また、金属箔4と周方向溝6の形成部分との重ね合わせ関係も、周方向溝6によって電極軸21の熱膨張を規制できるものであればよく、周方向溝6形成部分が金属箔4よりも前方、即ち、電極側もしくは発光管側にまで伸びていてもよいし、逆に、金属箔4のほうが周方向溝6を超えて軸方向溝5の領域にまで延在していてもよい。
さらに、該周方向溝6は電極軸21の一部のみに形成されていて、その他部分には軸方向溝5が形成されているので、電極軸21と封止部3ガラスとの熱膨張差を緩和できることは従来技術と同様である。
以上のように、本発明では、軸方向の溝5が形成された電極軸21の後端に周方向の溝6を形成し、金属箔4を当該周方向溝6部分に重ね合わせて、当該部分で溶接等により接合する構造としたので、周方向溝6内に侵入したガラスの侵入部7と周方向溝6とが噛み合って、電極軸21の熱膨張による伸長を当該部分で支えることとなり、金属箔4にはその引張力が働くことがなくなる。
それによって、金属箔4の切断とか部分的切断に伴う溶断とかの惧れがなくなるものである。
1 高圧放電ランプ
2 電極
21 電極軸
3 封止部
4 金属箔
5 軸方向溝
6 周方向溝
7 封止部ガラスの侵入部
8 溶接部
9 金属箔の小幅部


Claims (2)

  1. 放電空間内に対向された一対の電極と、該電極の電極軸が封止部内において金属箔と接合されてなり、前記電極軸には封止部に対応する個所に複数の軸方向の溝が形成されてなる高圧放電ランプにおいて、
    前記電極軸の金属箔と重なり合う箇所に複数の周方向の溝が形成されていることを特徴とする高圧放電ランプ。
  2. 前記金属箔は先端側に小幅部が形成され、該小幅部で前記電極軸の前記周方向溝を形成した箇所と接合していることを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014534556A (ja) * 2011-09-30 2014-12-18 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ 放電ランプ

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