JP5720755B2 - ダブルエンド型ショートアークフラッシュランプ - Google Patents

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Description

この発明はダブルエンド型ショートアークフラッシュランプに関するものであり、特に、一方の封止管部分が二重管構造とされたダブルエンド型ショートアークフラッシュランプに係わるものである。
フラッシュ点灯を行う放電灯は、半導体製造工程におけるフラッシュアニールをはじめとした産業用途に広く用いられていて、本発明のランプは、特に真空紫外光を用いた露光工程に使用されるものである。
上記露光工程においては、小領域に高密度な光を短時間で照射でき、光の方向性や分布にムラが比較的少ない、平行光に近い光を使用することが求められる。
これまでに、同露光工程においては、特開2012−43736号公報(特許文献1)に示されるような、真空管形状のフラッシュランプが主に使用されている。同ランプは、主電極間距離が一般的なフラッシュ点灯を行うランプと比べて小さく、点光源に近い光源として扱うことができる。
しかしながら、真空管構造を有するために、片側の端部に両主電極およびトリガ電極(始動用補助電極)を封じる必要があり、装置、電源への接続部(口金)を円柱状の構造とする場合、特に外径寸法が大きくなってしまう。このため、リフレクタなどを有する光学系内部に同ランプを用いる場合、口金構造などに起因する遮光領域が大きくなり、結果として、光学系からの光出力が低下する問題があった。
これらの問題に対し、特開2012−94362号公報(特許文献2)では、ランプバルブの両側に封止部を配置する、いわゆるダブルシール型構造を用いることで、前述した遮光領域を小さくする技術が示されている。
図6に示すように、ダブルエンド型ショートアークフラッシュランプにおいて、発光管1の両端に第1封止管2と第2封止管3が連設されている。そして、前記第2封止管3には封止用ガラス管4が挿入されていて、両者は溶着されている。
発光管1内に一対の第1の主電極5と第2の主電極6とが対向配置されている。前記第1の主電極5は、その芯線7が第1封止管2に段継ガラスなどの手段により支持・封止されてその外方に導出されており、一方、前記第2の主電極6は、その芯線8が前記封止用ガラス管4に段継ガラスなどの手段により支持・封止されてその外方に導出されている。
発光管1内の主電極5、6の間には、一対の始動補助電極10、11が配設されていて、それぞれの内部リード12、15と外部リード13、16とが、前記第2封止管3と封止用ガラス管4との間の溶着領域において、金属箔14、17を介して電気的に接続されている。
このようなダブルエンド型ショートアークフラッシュランプによると、ランプバルブの両端部に封止部を配置することで、前述した遮光領域を小さくすることができるものとされている。
しかしながら、このようなランプでは、図7に示されるように、円筒状の第2封止管3と封止用ガラス管4との間に金属箔14と内部リード12が封止される構造であるので、封止時に内部リード12、15や外部リード13、16が円周方向で動きやすく、特に、内部リード12、15の位置調整、即ち、始動補助電極10、11の位置調整に労力を費やすことになるとともに、正確な相対位置がなかなか得られずに、大きくずれてしまうことがある。
その結果、始動補助電極10、11同士の間隔が所定値よりも広がったり、狭まったりする現象が生じて、ランプ始動時の放電を確実に発生させることが困難になるという問題があった。
更には、封止作業時に金属箔14、17と、内部リード12、15や外部リード13、16に位置ずれが生じると、金属箔と内部リードや外部リードとの溶接箇所が外れたり、箔切れが生じたりする場合もある。
このような位置ずれを解消しようして、図6に示すように、一対の内部リード12、15間に位置固定用のサポータ20を設けて、始動補助電極10、11間の位置決めをする構成とすると、その構造が複雑になり、その上、第2封止管3の外径が大きくなってしまい、結果的にランプと装置を接続する口金径が大きくなり、その分だけ遮光領域が大きくなってしまうという問題もある。
特開2012−43736号公報 特開2012−94362号公報
この発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点に鑑みて、ガラス製の発光管の内部に一対の主電極と、一対の始動補助電極を有し、当該発光管の両端に第1封止管と第2封止管とを備え、前記第1封止管には、第1の主電極の芯線が封止されて発光管外に導出され、前記第2封止管には、その内部に挿入された封止用ガラス管が溶着され、該封止用ガラス管には、第2の主電極の芯線が封止されて発光管外に導出されてなるダブルエンド型ショートアークフラッシュランプにおいて、前記第2封止管と前記封止用ガラス管との溶着封止時に、これらの間に配置される始動補助電極の内部リードや外部リードが位置ずれすることなく、その先端の始動補助電極の正確な相対位置が得られ、内部リードや外部リードと金属箔との溶接箇所に損傷が生じず、かつ、位置固定のための余分な部品を必要とせずに封止管外径を小さくして遮光領域を小さくでき、その上、封止作業が簡便化されるような構造を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明に係るダブルエンド型ショートアークフラッシュランプは、前記封止用ガラス管と前記第2封止管とが重なり合う領域における前記ガラス管の外周には、管軸方向に伸びるリード収容溝部が形成され、前記始動補助電極の内部リードと外部リードが、前記溝部に収容されるとともに、金属箔を介して互いに電気的に接続されていることを特徴とする。
また、前記金属箔が、前記内部リードと外部リードの外側に設けられていることを特徴とする。
また、前記封止用ガラス管の溝部が、先端側と後端側で不連続となっていることを特徴とする。
また、前記封止用ガラス管は、前記第2封止管との溶着領域の外部側が縮径されていることを特徴とする。
この発明のダブルエンド型ショートアークフラッシュランプによれば、第2封止管と封止用ガラス管とが重なり合う領域において、前記ガラス管の外周に管軸方向に伸びるリード収容溝部が形成されているので、この収容溝内に始動補助電極の内部リードおよび外部リードを収容することで、第2封止管と封止用ガラス管との溶着封止時に、内部リードや外部リードが位置ずれを起こすことがなく、封止作業が簡便化するとともに、始動補助電極の相対位置を正確なものとすることができる。
そのため、始動補助電極の位置決め部材が必要でなく、構造が簡略化するうえに、第2封止管の外径も小さなものとして遮光領域を小さくすることができる。しかも、金属箔と内部リードや外部リードとの溶接箇所の損傷という事故も未然に防げる。
本発明のダブルエンド型ショートアークフラッシュランプの断面図 図1のA−A部分断面図 図2のB−B断面図 他の実施例の断面図 更に他の実施例の断面図 従来のダブルエンド型ショートアークフラッシュランプの断面図 図6のA−A部分断面図
図1は本発明のダブルエンド型ショートアークフラッシュランプの全体の断面図であり、図2は、そのA−A部分断面図、図3は、そのB−B断面図である。
図1に示され、かつ、図2および図3で詳細に示されるように、第2封止管3と封止用ガラス管4とが重なり合う領域において、前記封止用ガラス管4の外周には、リード収容溝部21、22が管軸方向に伸びるように形成されている。この溝部21、22は、一対の第1の始動補助電極10および第2の始動補助電極11に対応して、前記ガラス管4の外周の反対側にそれぞれ形成されている。
そして、第1の始動補助電極10に接続された内部リード12が、前記リード収容溝部21に収容され、外部リード13がリード収容溝部22に収容されている。
同様に、前記第2の始動補助電極11の内部リード15がリード収容溝部21に、外部リード16がリード収容溝部22に、それぞれ収容されている。
図2で明らかなように、前記内部リード12と外部リード13の半径方向の外側には金属箔14が配置されていて、互いに溶接により固定されている。
同様に、内部リード15と外部リード16の半径方向の外側には、金属箔17が配置されていて、互いに溶接により固定されている。
なお、その他の構成は、位置固定用のサポータ20を除いて図6に示す構成と同様である。
第2封止管3と封止用ガラス管4の溶着封止時には、封止用ガラス管4の外周の収容溝部21、22内に内部リード12、15と、外部リード13、16を収容し、これらに溶接固定された金属箔14、17がガラス管4の外周面に沿うように配設する。これを第2封止管3内に挿入して、該第2封止管3の外部から加熱して、両者を溶着するものである。
こうすることで、内部リード12、15および外部リード13、16の封止用ガラス管4上での位置が固定されて位置ずれを起こすことがなく、その結果として始動補助電極10、11の正確な位置決めがなされる。
また、金属箔14、17を内部リード12、15と外部リード13、16の外側に配置することで、第2封止管3の溶着時にリード周辺に空隙が生じることがない。
なお、リード収容溝部21、22は、管軸方向で連続して形成されていても構わないが、図3に示すように、互いに管軸方向で不連続として独立した溝部とすることで、発光管1内の発光ガスが該溝部を経由して外部に漏洩することをより完全に防止できる。また、溝部21の後端に内部リード12、15の後端を当接させることで、始動補助電極10、11の軸方向位置を正確に位置決めできる。
図4は他の実施例であり、図1の実施例との相違は、封止用ガラス管4が、前記第2封止管3から後方に突出した外側部Aが、縮径されていることである。つまり、封止用ガラス管4における、第2封止管3との重なり合う領域での径よりも、後方(外部側)の領域Aでの径のほうが小さくなった後方縮径部4aが形成されている。
このように封止用ガラス管4に後方縮径部4aを形成して段差を付けることにより、リード収容溝部22内に収容された外部リード13、16の後方(外部)への導出が容易になる。
図5は更に他の実施例であって、図4の実施例における封止用ガラス管4の後方縮径部4aを更に小さな径としたものであって、こうすることで、外部リード13、16の後方への導出がより一層容易になる。ただ、この場合、封止用ガラス管4の後端は段継ガラスによって電極芯線8と封止されるので、この段継ガラスの設計上および作業上の理由で縮径部4aの径よりも大きくなっている。
以上説明したように、本発明に係るダブルエンド型ショートアークフラッシュランプでは、第2封止管と封止用ガラス管との重なり合う領域において、前記ガラス管の外周に管軸方向に伸びるリード収容溝部が形成されているので、始動補助電極に接続される内部リードと、これに金属箔を介して接続される外部リードとを、この溝部に収容することで、第2封止管とガラス管との溶着時にリードが移動することがなく、溶着作業が著しく簡略化される。そして、内部リードの位置が動かないことで、その先端の始動補助電極の位置が安定的に正確となり、ランプ始動時に主電極間での放電を確実に発生させることができる。
また、内部リードおよび外部リードと、金属箔との間に不所望な力が作用することがなく、溶接部の離脱や金属箔の箔切れが生じることもない。
更には、内部リードに位置固定用のサポータを設ける必要もなく、構造が簡略化されるとともに、第2封止管の径を大きなものとする必要もなく、そのため、遮光領域が大きくなることもない。
1 発光管
2 第1封止管
3 第2封止管
4 封止用ガラス管
5 第1の主電極
6 第2の主電極
7 第1の主電極の芯線
8 第2の主電極の芯線
10 第1の始動補助電極
11 第2の始動補助電極
12 第1の始動補助電極の内部リード
13 第1の始動補助電極の外部リード
14 金属箔
15 第2の始動補助電極の内部リード
16 第2の始動補助電極の外部リード
17 金属箔
21、22 リード収容溝部



Claims (4)

  1. ガラス製の発光管の内部に一対の主電極と、一対の始動補助電極を有し、当該発光管の両端に第1封止管と第2封止管とを備え、
    前記第1封止管には、第1の主電極の芯線が封止されて発光管外に導出され、
    前記第2封止管には、その内部に挿入された封止用ガラス管が溶着され、該封止用ガラス管には、第2の主電極の芯線が封止されて発光管外に導出されてなるダブルエンド型ショートアークフラッシュランプにおいて、
    前記封止用ガラス管と前記第2封止管とが重なり合う領域における前記ガラス管の外周には、管軸方向に伸びるリード収容溝部が形成され、
    前記始動補助電極の内部リードと外部リードが、前記溝部に収容されるとともに、金属箔を介して互いに電気的に接続されていることを特徴とするダブルエンド型ショートアークフラッシュランプ。
  2. 前記金属箔が、前記内部リードと外部リードの外側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のダブルエンド型ショートアークフラッシュランプ。
  3. 前記封止用ガラス管の溝部が、先端側と後端側で不連続となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のダブルエンド型ショートアークフラッシュランプ。
  4. 前記封止用ガラス管は、前記第2封止管との溶着領域より外部側が縮径されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のダブルエンド型ショートアークフラッシュランプ。
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