JP2020091941A - ショートアーク型放電ランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】石英ガラス製の発光管とその両端に連設された側管とを備え、前記発光管内に一対の電極が対向配置され、該電極の芯線が前記側管の端部で封止されるとともに、該側管内で保持用筒体に挿通され支持されてなるショートアーク型放電ランプにおいて、ランプ製造時に、保持用筒体の外周面に巻き付ける金属箔がずれてしまうことがなく、側管と保持用筒体の間の適正な位置に配置することができる構造を提供することである。【解決手段】前記保持用筒体には、軸方向にスリットが設けられており、前記金属箔の端部が前記スリットに折り込まれて前記保持用筒体の外周面に巻き付けられていることを特徴とする。【選択図】 図1
Description
この発明は、投射型プロジェクタ装置、映写機あるいは一般照明用などのショートアーク型放電ランプに関するものであり、特に、電極芯線を保持用筒体によって支持する構造のショートアーク型放電ランプに係わるものである。
現在、上記用途のショートアーク型放電ランプとして、キセノンガス(Xeガス)の励起によって発光するショートアーク型放電ランプ(キセノンランプ)が用いられていて、最近では、プロジェクタ等のランプにおいては投射映像の明るさをより明るくすることが強く要求されるようになった。このため、ランプに投入する電力を大きくする、あるいは、封入するキセノンガスなどの発光ガスのガス量を多くする傾向にあり、従って、最近のショートアーク型放電ランプは、点灯中の発光管内のガス圧が極めて高くなっている。
このようなショートアーク型放電ランプでは、発光管に連設された側管内に保持用筒体を設け、これを側管の絞り込み部によって固定し、陰極および陽極の電極芯棒を該保持用筒体に挿通して支持することが行われている。
その構造の一例が、特開平11−135067号公報(特許文献1)に示されている。
図6にその構造が示されており、石英ガラス製の発光管10内に陰極21と陽極22が対向配置され、その電極芯線23、23が発光管10に連設された側管11、11の端部の封止部13、13によって封止されている。
その構造の一例が、特開平11−135067号公報(特許文献1)に示されている。
図6にその構造が示されており、石英ガラス製の発光管10内に陰極21と陽極22が対向配置され、その電極芯線23、23が発光管10に連設された側管11、11の端部の封止部13、13によって封止されている。
そして、図7に詳細が示されるように、側管11、11内には石英ガラス製の保持用筒体30、30が設けられていて、前記電極芯線23、23が、この保持用筒体30、30に挿通されて支持されている。
この保持用筒体30は、側管11の発光管10側の端部を加熱縮径して絞り込み部12を形成することで側管11内に保持されている。
この保持用筒体30は、側管11の発光管10側の端部を加熱縮径して絞り込み部12を形成することで側管11内に保持されている。
この特許文献1においては、保持用筒体30と絞り込み部12との間に金属箔(モリブデン箔)40を設けることで、保持用筒体30は、絞り込み部12に溶着により一体化されることなく固定されている。
このように、金属箔40を介在させることにより、保持用筒体30と絞り込み部12は溶着によって一体化することがないので、ランプ圧力による応力が発生しても、両者のそれぞれの部材にクラックが入ることがなく、特に応力が集中しやすい保持用筒体30と絞り込み部12の端部のコーナー部においても、ランプが破壊することがないものとしている。
このように、金属箔40を介在させることにより、保持用筒体30と絞り込み部12は溶着によって一体化することがないので、ランプ圧力による応力が発生しても、両者のそれぞれの部材にクラックが入ることがなく、特に応力が集中しやすい保持用筒体30と絞り込み部12の端部のコーナー部においても、ランプが破壊することがないものとしている。
上記従来技術における保持用筒体30と金属箔40は、図8(A)(B)に示すように、保持用筒体30の外周面に、平面状の金属箔40を巻き付けるものである。
ランプ製造時には電極、電極芯線および保持用筒体からなる電極マウントの組み立て工程で、電極芯線を石英ガラスからなる保持用筒体に挿通し、この保持用筒体を側管の所定の位置に挿入することが行われている。
上記従来技術では、このとき、保持用筒体の外周面に金属箔(Mo箔)を単に巻き付けているものであり、組み立て時に、金属箔の弾性により箔が緩み、所定の位置からずれてしまうことがあるという不具合があった。
これにより、金属箔が側管と保持用筒体の間の適正な位置に維持されにくいという問題があった。
ランプ製造時には電極、電極芯線および保持用筒体からなる電極マウントの組み立て工程で、電極芯線を石英ガラスからなる保持用筒体に挿通し、この保持用筒体を側管の所定の位置に挿入することが行われている。
上記従来技術では、このとき、保持用筒体の外周面に金属箔(Mo箔)を単に巻き付けているものであり、組み立て時に、金属箔の弾性により箔が緩み、所定の位置からずれてしまうことがあるという不具合があった。
これにより、金属箔が側管と保持用筒体の間の適正な位置に維持されにくいという問題があった。
以上のような従来技術の問題点に鑑みて、本発明の課題は、側管内で保持用筒体により電極芯線を支持してなるショートアーク型放電ランプにおいて、ランプ製造時に、保持用筒体の外周面に巻き付けた金属箔がずれてしまうことがなく、側管と保持用筒体の間の適正な位置に配置することができる構造を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明に係るショートアーク型放電ランプは、前記保持用筒体には、軸方向にスリットが設けられており、金属箔の端部が前記スリットに折り込まれて前記保持用筒体の外周面に巻き付けられていることを特徴とする。
また、前記スリットは、前記保持用筒体の全長にわたり形成されていることを特徴とする。
また、前記金属箔は、前記保持用筒体の内周面にまで延在していることを特徴とする。
また、前記スリットは、前記保持用筒体の全長にわたり形成されていることを特徴とする。
また、前記金属箔は、前記保持用筒体の内周面にまで延在していることを特徴とする。
本発明のショートアーク型放電ランプによれば、保持用筒体に設けられた軸方向のスリットに金属箔の一端が折り込まれて保持用筒体の外周面に巻き付けられているので、ランプ製造時に電極マウントを側管内に挿入配置する時に、金属箔が位置ずれを起こすことを防止でき、該金属箔を保持用筒体と側管の間の適正な位置に配置できるという効果を奏するものである。
また、前記スリットを保持用筒体の全長にわたって形成することにより、該スリットを介して発光管の内部空間と側管の後方内部空間とが連通されるので、ランプ製作時に、発光管もしくは側管に設けられたチップ管によりランプの内部空間の不純ガスを排気処理する際に、これらの両空間内の不純ガスを効果的に排気することができ、かつ排気処理後にキセノンガスを精度よく発光管内部に封入することができる。
また、前記金属箔を前記保持用筒体の内周面にまで延在させた構成とすることで、電極芯線と保持用筒体の内周面間に金属箔が介在することになり、ランプ製造時において、側管を加熱縮径する際に、保持用筒体が軟化溶融することがあっても、保持用筒体と電極芯線とが溶着してしまうことがない。
また、前記スリットを保持用筒体の全長にわたって形成することにより、該スリットを介して発光管の内部空間と側管の後方内部空間とが連通されるので、ランプ製作時に、発光管もしくは側管に設けられたチップ管によりランプの内部空間の不純ガスを排気処理する際に、これらの両空間内の不純ガスを効果的に排気することができ、かつ排気処理後にキセノンガスを精度よく発光管内部に封入することができる。
また、前記金属箔を前記保持用筒体の内周面にまで延在させた構成とすることで、電極芯線と保持用筒体の内周面間に金属箔が介在することになり、ランプ製造時において、側管を加熱縮径する際に、保持用筒体が軟化溶融することがあっても、保持用筒体と電極芯線とが溶着してしまうことがない。
図1は、本願発明のショートアーク型放電ランプにおける保持用筒体1の斜視図(A)と金属箔3の斜視図(B)であり、石英ガラスからなる保持用筒体1には、軸方向にスリット2が形成されている。このスリット2は、保持用筒体1の外周面1aから内周面に1bに及んでいる。
この実施例では、スリット2は保持用筒体1の全長にわたって軸方向に形成されている。この保持用筒体1の寸法は、例えば、外径φ8.0mm、肉厚1.7mm、長さ9.0mm、そして、スリット2の幅は、3.0mm(外径の12%)である。
一方、Mo箔などからなる金属箔3はその一端3aが折り曲げられていて、図2に示すように、この一端3aがスリット2に折り込まれている。
そして、金属箔3は保持用筒体1の外周面1aに巻き付けられている。
この実施例では、スリット2は保持用筒体1の全長にわたって軸方向に形成されている。この保持用筒体1の寸法は、例えば、外径φ8.0mm、肉厚1.7mm、長さ9.0mm、そして、スリット2の幅は、3.0mm(外径の12%)である。
一方、Mo箔などからなる金属箔3はその一端3aが折り曲げられていて、図2に示すように、この一端3aがスリット2に折り込まれている。
そして、金属箔3は保持用筒体1の外周面1aに巻き付けられている。
図3に示すように、保持用筒体1の外周面1aに巻き付けられ金属箔3の他端部3bもスリット2に折り込まれている。
こうすることで、金属箔3は保持用筒体1の外周面1aに巻き付けられ、その端部3a、3bがスリット2に折り込まれる。
こうすることで、金属箔3は保持用筒体1の外周面1aに巻き付けられ、その端部3a、3bがスリット2に折り込まれる。
図4に他の実施例が示されていて、保持用筒体1に設けられるスリット2は、必ずしも保持用筒体1の全長にわたって形成されている必要はなく、この実施例では、スリット2は保持用筒体1の軸方向の一部に形成されている。このスリット2の軸方向長さは、ここに折り込まれて巻き付けられる金属箔がずれることなく、その巻き付け位置が維持されるに足る長さであればよい。
また、図5に金属箔3の他の実施例が示されていて、この実施例では、保持用筒体1の外周面に巻き付けられた金属箔3は、保持用筒体1の内周面1bにまで延在させたものである。
これにより、保持用筒体1の中に挿入される電極芯線と、保持用筒体1の内周面1bとの間に金属箔3が存在することになり、ランプ製造時に保持用筒体1が電極芯線に溶着することがなくなる。
これにより、保持用筒体1の中に挿入される電極芯線と、保持用筒体1の内周面1bとの間に金属箔3が存在することになり、ランプ製造時に保持用筒体1が電極芯線に溶着することがなくなる。
以上説明したように、本発明のショートアーク型放電ランプでは、側管内に保持する保持用筒体に軸方向のスリットを形成し、このスリットに端部が折り込まれた金属箔を保持用筒体の外周面に巻き付けたことにより、ランプ製造時に金属箔がずれてしまうことが防止され、金属箔が保持用筒体と側管の間で適正な位置に配置されるものである。
また、スリットを保持用筒体の全長にわたって形成することで、発光管内部空間と側管内部空間とが連通されるので、ランプ製作時に、チップ管により内部空間の不純ガスを排気処理する際に、これらの両空間内の不純ガスを効果的に排気することができ、かつ排気処理後にキセノンガスを精度よく発光管内部に封入することができる。
また、スリットを保持用筒体の全長にわたって形成することで、発光管内部空間と側管内部空間とが連通されるので、ランプ製作時に、チップ管により内部空間の不純ガスを排気処理する際に、これらの両空間内の不純ガスを効果的に排気することができ、かつ排気処理後にキセノンガスを精度よく発光管内部に封入することができる。
1 :保持用筒体
1a:外周面
1b:内周面
2 :スリット
3 :金属箔
3a:折り込まれる端部
3b:折り込まれる他端部
1a:外周面
1b:内周面
2 :スリット
3 :金属箔
3a:折り込まれる端部
3b:折り込まれる他端部
Claims (3)
- 石英ガラス製の発光管とその両端に連設された側管とを備え、前記発光管内に一対の電極が対向配置され、該電極の芯線が前記側管の端部で封止されるとともに、該側管内で保持用筒体に挿通されて支持され、該保持用筒体の外周面には金属箔が巻き付けられているショートアーク型放電ランプにおいて、
前記保持用筒体には、軸方向にスリットが設けられており、前記金属箔の端部が前記スリットに折り込まれて前記保持用筒体の外周面に巻き付けられていることを特徴とするショートアーク型放電ランプ。 - 前記スリットは、前記保持用筒体の全長にわたり形成されていることを特徴とする請求項1に記載のショートアーク型放電ランプ。
- 前記金属箔は、前記保持用筒体の内周面にまで延在していることを特徴とする請求項1または2に記載のショートアーク型放電ランプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018226445A JP2020091941A (ja) | 2018-12-03 | 2018-12-03 | ショートアーク型放電ランプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
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2018
- 2018-12-03 JP JP2018226445A patent/JP2020091941A/ja active Pending
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