JP2011144910A - 流体伝動装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成でフロントカバーを容易に作製でき、ロックアップ状態におけるフロントカバーの平面度を確保することにより、トルク容量を確保することができるとともに、耐久性を向上させることができるロックアップクラッチ機構を提供すること。
【解決手段】ロックアップクラッチ機構28を備え、フロントカバー21が、摩擦係合面と反対側の側面の円周上で等間隔に配置された6個の連結部材32を有し、摩擦係合面が、各連結部材32の反対側に位置する反対面部と、互いに隣接する反対面部の中間に位置する中間面部とを有し、中間面部が反対面部から中間面部の中央に近づくにしたがって徐々にロックアップピストン51側に突出して形成され、摩擦材52とフロントカバー21とが係合状態のとき、反対面部と中間面部とが同一平面となり摩擦係合面の全面で摩擦係合するようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、ロックアップクラッチ機構を備えた流体伝動装置およびその製造方法に関する。
従来、自動車などの車両の自動変速機内にはトルクコンバータに代表される流体伝動装置が装備されており、エンジンのトルクは、このトルクコンバータを介して自動変速機の入力軸に伝達される。
このトルクコンバータは、フロントカバーと、ポンプインペラと、タービンランナと、自動変速機のケースに固定されたステータとを有している。このトルクコンバータにおいては、ポンプインペラおよびタービンランナに設けられている羽根車が油などの作動流体中に浸漬されており、この作動流体を媒介としてポンプインペラからタービンランナにトルクが伝達されることにより、エンジンから自動変速機の入力軸にトルクが伝達されるようになっている。
このトルクコンバータにおいては、エンジンの動力伝達が作動流体を介して行われるので、トルクが増幅され、滑らかな発進、加速、減速が可能となり、作動流体により駆動系の衝撃や振動が吸収される。反面、作動流体を媒介とすると、入出力間で生ずる滑べりによってトルクの伝達効率が低下してしまうことがある。この伝達効率の低下を改善するため、一般的に、トルクコンバータ内にロックアップクラッチ機構が組み込まれている。
このロックアップクラッチ機構は、ロックアップピストンと、摩擦材とを有している。このロックアップピストンは、エンジンの出力軸に連結されたフロントカバーに対向するよう配置されるとともに、自動変速機の入力軸に連結されている。ロックアップピストンは、トルクコンバータ内で区画された係合側油室と解放側油室との圧力差によって軸線方向に往復運動するようになっている。摩擦材は、ロックアップピストンのフロントカバーに対向する側面に固着されている。
この構成により、係合側油室の圧力が解放側油室の圧力よりも高くなるとロックアップピストンがフロントカバーに近接する方向に移動し摩擦材を介してロックアップピストンとフロントカバーとが摩擦係合する。他方、解放側油室の圧力が係合側油室の圧力よりも高くなるとロックアップピストンがフロントカバーから離隔する方向に移動しロックアップピストンとフロントカバーとが摩擦係合から解放される。
この摩擦係合時には、エンジンから出力されたトルクが自動変速機の入力軸に直接伝達され、入出力間の滑りがなくなるので、伝達効率が高まる。また、摩擦係合時には、フロントカバーが摩擦材を介してロックアップピストンにより比較的大きな力で押圧されるので、フロントカバーの一部が変形し、フロントカバーと摩擦材との均一な接触が得られず、摩擦材の強度を悪化させ、摩擦特性の安定性を損なわせることになる。その結果、フロントカバーの一部の変形は、ロックアップ性能に悪影響を及ぼす。したがって、このロックアップクラッチ機構においては、高い剛性を有するフロントカバーが必要となる。
従来、この種の流体伝動装置として、フロントカバーと、ポンプインペラと、タービンランナと、ステータと、フロントカバーに対向する側面に摩擦材が固着されたロックアップピストンを有するロックアップクラッチ機構とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この流体伝動装置においては、フロントカバーが、エンジンの出力軸に設けられたドライブプレートに連結されるよう構成されている。このフロントカバーの側面には、ドライブプレート側に突出した連結用のボスが等間隔で4箇所設けられている。さらに、隣接するボスとボスとの間の中間部分には、ボスの高さより低い厚みを有する円弧形状の補強板がプロジェクション溶接などの抵抗溶接によりそれぞれ接合されている。
この構成により、流体伝動装置においては、フロントカバーが補強板により補強され、ボス部分よりも比較的低い剛性の中間部分の剛性が高められている。この補強板により、ボス部分と中間部分との円周方向の剛性差が小さく抑えられている。
その結果、ロックアップクラッチ機構がロックアップの状態のとき、すなわち、ロックアップピストンの摩擦材とフロントカバーとが摩擦係合したとき、ボス部分の軸線方向の変形量と中間部分の軸線方向の変形量との差が小さく抑えられる。
したがって、フロントカバーの摩擦係合面の平面度が保たれることになり、摩擦材とフロントカバーとの均一な当たりが確保される。その結果、摩擦係合面のうねり変形による平面度の低下が起因するロックアップジャダーなどの回転方向の振動の発生が防止され、ロックアップ性能が向上することになる。
特開平5−65951号公報
しかしながら、従来の流体伝動装置にあっては、フロントカバーのボスとボスとの間の中間部分には、補強板が抵抗溶接によりそれぞれ接合されているので、部品点数が増加するとともに、構造が複雑となっていた。
また、補強板の作製および接合に手間が掛かっていた。すなわち、補強板の溶接箇所にその側面から突出したプロジェクション溶接用突部と、その側面の反対側に凹んだプロジェクション溶接用凹部とを設けるので、補強板の作製に手間が掛かっていた。
そして、この補強板をフロントカバーのボスとボスとの間の中間部分に位置決め保持しながら、プロジェクション溶接用突部およびプロジェクション溶接用凹部に電流を集中して流し、加熱すると同時に加圧接合するので、接合に手間が掛かっていた。
また、補強板をフロントカバーに接合する際の加熱や加圧により、フロントカバーの摩擦係合面にひずみや残留応力が生ずるおそれがあり、摩擦係合面の平面度が低下するおそれもあった。その結果、ロックアップクラッチ機構の摩擦係合状態におけるトルク容量が低下してしまうおそれがあった。また、摩擦係合面の平面度の低下によりロックアップピストンの摩擦材の耐久性が低下してしまうおそれもあった。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、簡素な構成でフロントカバーを容易に作製でき、フロントカバーとロックアップクラッチ機構とが摩擦係合するロックアップ状態におけるフロントカバーの平面度を確保することにより、トルク容量を確保することができるとともに、耐久性を向上させることができる流体伝動装置およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係る流体伝動装置は、上記課題を解決するため、(1)駆動源の出力軸からドライブプレートを介して動力を受けるフロントカバーと、前記フロントカバーに連結されたポンプインペラと、前記ポンプインペラに対向して配置され、被駆動側の入力軸に連結されたタービンランナと、油圧に基づいて係合、解放されるロックアップクラッチ機構とを備えた流体伝動装置であって、前記ロックアップクラッチ機構が、前記フロントカバーと前記タービンランナとの間に配置され、前記入力軸の軸線方向に沿って前記フロントカバーに近接、離隔自在なロックアップピストンと、前記ロックアップピストンの前記フロントカバーに対向する対向面に固着された摩擦材とを有し、前記フロントカバーが、前記ロックアップピストンに対向するピストン対向面と、前記ドライブプレートに対向するプレート対向面とを有するとともに、前記プレート対向面の円周上で等間隔に配置され、前記ドライブプレートと連結するための複数の連結部材を有し、前記ピストン対向面が、前記各連結部材の反対側に位置する反対面部と、互いに隣接する前記反対面部の中間に位置する中間面部とを有し、前記中間面部は前記反対面部よりも前記ロックアップピストン側に突出して形成されたことを特徴とする。
この構成により、構造が簡素化され、簡素な構成でフロントカバーを容易に作製できる。すなわち、従来の流体伝動装置において中間面部に補強板を設けて、反対面部と中間面部との剛性差を小さくして中間面部の変形を防止していたが、中間面部に、補強板を設ける必要がなくなり、構造が簡素化される。
また、補強板を設ける必要が解消されたので、部品点数が減少し補強板の作製や補強板の接合などの工数が削減され生産効率が高まる。
また、補強板をフロントカバーに接合する際の加熱や加圧の必要が解消されたので、フロントカバーの摩擦係合面にひずみや残留応力が生ずるおそれが解消され、摩擦係合面の平面度が低下するおそれが解消される。
さらに、中間面部が反対面部よりもロックアップピストン側に突出して形成されているので、ロックアップピストンが摩擦材をフロントカバーに押圧させ、摩擦材がフロントカバーに摩擦係合する際、中間面部の突出して形成された部分が摩擦材に押圧されてフロントカバー側に変形する。このとき、突出して形成された部分が反対面部と同じ平面を画成することになり、均一な摩擦係合が得られる。
したがって、摩擦材とフロントカバーとの摩擦係合が確実に行われ、駆動源の出力軸をフロントカバーおよびロックアップクラッチ機構を介して自動変速機の入力軸と確実に直結させることができる。その結果、駆動源から出力される動力が作動油を介することなく、直接、被駆動側の入力軸に伝達され、動力の伝達効率が著しく向上し、ロックアップクラッチ機構のトルク容量が確保されるとともに、車両の燃費が向上する。
さらに、摩擦材とフロントカバーとの間で全面で均一に摩擦係合が行われるので、摩擦材の耐久性が向上し、ひいては流体伝動装置の耐久性が向上する。
上記(1)に記載の流体伝動装置において、(2)前記中間面部は、前記反対面部から前記中間面部の中央に近づくにしたがって徐々に前記ロックアップピストン側に突出して形成されたことを特徴とする。
この構成により、中間面部が反対面部から中間面部の中央に近づくにしたがって徐々にロックアップピストン側に突出して形成されていると、摩擦材とフロントカバーとが摩擦係合する係合状態のとき、フロントカバーにおけるピストン対向面の徐々に突出して形成された部分が摩擦材により押圧されて徐々に変形し、その反対面部と中間面部とが同一平面となる。すなわち、ピストン対向面が均一な平面となる。その結果、フロントカバーがそのピストン対向面の全面で摩擦材と均一に摩擦係合する。
上記(1)または(2)に記載の流体伝動装置において、(3)前記フロントカバーが、外周縁部を有するとともに、前記外周縁部から前記ロックアップピストン側に突出して形成された筒状部を有し、前記連結部材が前記筒状部と反対側の前記外周縁部に接合されることを特徴とする。
この構成により、フロントカバーに筒状部が形成されるので、フロントカバーの外周縁部の剛性が高まり、摩擦材とフロントカバーとが確実に摩擦係合する。また、連結部材が筒状部と反対側の外周縁部に接合されるので、高い剛性を有する外周縁部で、駆動源の出力軸に設けられたドライブプレートとフロントカバーとを連結させることができる。
上記(1)ないし(3)に記載の流体伝動装置において、(4)前記摩擦材と前記フロントカバーとが摩擦係合する係合状態のとき、前記反対面部と前記中間面部とが同一平面となり前記ピストン対向面の全面で前記摩擦材と均一に摩擦係合するようにしたことを特徴とする。
この構成により、摩擦材とフロントカバーとが摩擦係合する係合状態になると、ロックアップピストンにより、摩擦材がフロントカバーのピストン対向面を押圧した押圧状態となる。この押圧状態においては、中間面部の突出した部分が押圧力により押圧方向に変形するのに対して、反対面部は連結部材により高い剛性を有しているので、押圧方向に変形することはない。その結果、反対面部と中間面部とが同一平面となりピストン対向面の全面で摩擦材とフロントカバーとが均一に摩擦係合する。
上記(1)ないし(4)に記載の流体伝動装置において、(5)前記フロントカバーが、6個の前記連結部材を有することを特徴とする。
この構成により、連結部材がフロントカバーのドライブプレートに対向するプレート対向面の円周上の6箇所で等間隔に配置される。そして、このプレート対向面は、フロントカバーの筒状部と反対側の外周縁部に位置しているので、高い剛性を有しており、このようなプレート対向面の6箇所で、駆動源の出力軸に設けられたドライブプレートとフロントカバーとを連結させることができ、ドライブプレートとフロントカバーとを高い剛性を有する部分で確実に結合することができる。
上記(1)ないし(5)に記載の流体伝動装置において、(6)前記ロックアップクラッチ機構が、前記フロントカバーと前記ロックアップピストンとの間で、前記ロックアップピストンの軸線方向に移動可能、かつ前記ロックアップピストンと一体回転可能な少なくとも1つの第1クラッチプレートと、前記軸線方向に移動可能、かつ前記フロントカバーと一体回転可能な少なくとも1つの第2クラッチプレートとを有し、前記フロントカバーと、前記第1クラッチプレートと、前記第2クラッチプレートと、前記ロックアップピストンとが、それぞれ摩擦材を介して摩擦係合することにより、前記フロントカバーと前記ロックアップピストンとが係合状態となる多板クラッチを備えたことを特徴とする。
この構成により、前述の(1)に記載の流体伝動装置における作用および効果に加えて、さらに、ロックアップクラッチ機構が多板クラッチを有しているので、ロックアップ状態のとき、駆動源の出力軸から被駆動側の入力軸に、コンパクトなスペースでより大きいトルクが伝達される。すなわち、ロックアップクラッチ機構のトルク容量が増大する。また、多板クラッチにより摩擦係合する部分の総面積が増大するので、熱容量が増大する。すなわち、摩擦係合時における発熱による昇温を抑制することができ、摩擦材の耐久性が向上する。
本発明に係る流体伝動装置の製造方法は、上記課題を解決するため、(7)駆動源の出力軸からドライブプレートを介して動力を受けるフロントカバーと、前記フロントカバーに連結されたポンプインペラと、前記ポンプインペラに対向して配置され、被駆動側の入力軸に連結されたタービンランナと、油圧に基づいて係合、解放されるロックアップクラッチ機構とを備え、前記ロックアップクラッチ機構が、前記フロントカバーと前記タービンランナとの間に配置され、前記入力軸の軸線方向に沿って前記フロントカバーに近接、離隔自在なロックアップピストンと、前記ロックアップピストンの前記フロントカバーに対向する対向面に固着された摩擦材とを有し、前記フロントカバーが、前記ロックアップピストンに対向するピストン対向面と、前記ドライブプレートに対向するプレート対向面とを有するとともに、前記プレート対向面の円周上で等間隔に配置され、前記ドライブプレートと連結するための複数の連結部材を有する流体伝動装置の製造方法であって、被加工材を成形し前記フロントカバーの成形品を得る成形工程と、前記成形工程により得られた前記成形品を保持する保持工程と、前記保持工程により保持された前記成形品の、前記フロントカバーの前記各連結部材が取り付けられる連結部材取付箇所を所定の圧力で押圧する押圧工程と、前記押圧工程で押圧された前記成形品の前記連結部材設置箇所の反対側の側面を平坦に切削する切削工程とを含むことを特徴とする。
この構成により、摩擦材とフロントカバーとが摩擦係合するロックアップクラッチ機構が係合状態にあるとき、各連結部材の反対側に位置する反対面部と、互いに隣接する反対面部の中間に位置する中間面部とが同一平面となり、ロックアップピストンに対向するピストン対向面の全面で摩擦材と均一に摩擦係合させることができるフロントカバーを確実な方法で、容易に作製することができる。
特に、押圧工程および切削工程において、被加工材としてのフロントカバーの成形品を、実際の摩擦材とフロントカバーとが摩擦係合する係合状態と同様の押圧力(MPa)で押圧しながら切削加工するので、実際の摩擦材とフロントカバーとが摩擦係合する係合状態のとき、摩擦材とフロントカバーとを確実に摩擦係合面の全面で係合させることができる。
本発明によれば、簡素な構成でフロントカバーを容易に作製でき、フロントカバーとロックアップクラッチ機構とが摩擦係合するロックアップ状態におけるフロントカバーの平面度を確保することにより、トルク容量を確保することができるとともに、耐久性を向上させることができる流体伝動装置およびその製造方法を提供することができる。
本発明に係る流体伝動装置の第1実施形態を示す図であり、ロックアップクラッチ機構を備えた流体伝動装置の断面図である。 本発明に係る流体伝動装置の第1実施形態を示す図であり、ロックアップクラッチ機構を備えたトルクコンバータの部分拡大断面図である。 本発明に係る流体伝動装置の第1実施形態を示す図であり、ロックアップクラッチ機構の部分拡大断面図である。 本発明に係る流体伝動装置の第1実施形態を示す図であり、フロントカバーの斜視図である。 本発明に係る流体伝動装置の第1実施形態を示す図であり、フロントカバーの正面図である。 本発明に係る流体伝動装置の第1実施形態を示す図であり、フロントカバーの側面図である。 図5のA−A断面を示すフロントカバーの断面図である。 本発明に係る流体伝動装置の第1実施形態を示す図であり、フロントカバーの加工方法を示す工程図である。 本発明に係る流体伝動装置の第1実施形態を示す図であり、フロントカバーの加工方法を示す模式図である。 本発明に係る流体伝動装置の第1実施形態を示す模式図であり、(a)は、フロントカバーの加工部分を示し、(b)は、フロントカバーの加工後を示し、(c)は、フロントカバーの加工後の形状を示す。 本発明に係る流体伝動装置の第1実施形態を示す図であり、(a)は、ロックアップクラッチ機構が解放された状態を示し、(b)は、ロックアップクラッチ機構が係合した状態を示す。 図5のA−A断面を示すフロントカバーおよびロックアップクラッチ機構の部分拡大断面図であり、(a)は、ロックアップクラッチ機構が解放された状態を示し、(b)は、ロックアップクラッチ機構が係合した状態を示す。 本発明に係る流体伝動装置の第2実施形態を示す図であり、ロックアップクラッチ機構を備えた流体伝動装置の断面図である。 本発明に係る流体伝動装置の第2実施形態を示す図であり、ロックアップクラッチ機構を備えた流体伝動装置の部分拡大断面図である。 本発明に係る流体伝動装置の第2実施形態を示す図であり、ロックアップクラッチ機構の部分拡大断面図である。 本発明に係る流体伝動装置の第2実施形態を示す図であり、フロントカバーの正面図である。 本発明に係る流体伝動装置の第2実施形態を示す図であり、フロントカバーの側面図である。 図16のB−B断面を示すフロントカバーの断面図である。 本発明に係る流体伝動装置の第2実施形態を示す図であり、フロントカバーの加工方法を示す模式図である。 本発明に係る流体伝動装置の第2実施形態を示す図であり、(a)は、ロックアップクラッチ機構が解放された状態を示し、(b)は、ロックアップクラッチ機構が係合した状態を示す。 図16のB−B断面を示すフロントカバーおよびロックアップクラッチ機構の部分拡大断面図であり、(a)は、ロックアップクラッチ機構が解放された状態を示し、(b)は、ロックアップクラッチ機構が係合した状態を示す。
以下、本発明に係る流体伝動装置の第1実施形態および第2実施形態について、図面を用いて説明する。
(第1実施形態)
図1ないし図12は、本発明に係る流体伝動装置の第1実施形態を示す図である。
図1に示すように、第1実施形態の流体伝動装置20は、自動車などの車両に搭載される自動変速機10に実施されたものであり、内部に供給された作動流体を媒介としてトルクを伝達するトルクコンバータから構成されている。
まず、構成を説明する。
自動変速機10は、車体に装着されたハウジング11と、エンジン1からの動力が入力される被駆動側の入力軸12と、ハウジング11内に収容され入力軸12から動力が入力される変速機構13と、流体伝動装置20とを含んで構成されている。
この自動変速機10は、入力軸12に入力された動力のトルクおよび回転速度を変速機構13により、所定の大きさに自動的に変換して図示しない出力軸に出力するようになっている。この自動変速機10は、流体伝動装置20を除き、公知の構成要素で構成されているので、公知の構成については、その説明を省略する。
流体伝動装置20は、図1ないし図3に示すように、フロントカバー21と、ポンプインペラ22と、タービンランナ23と、タービンハブ24と、ステータ25と、ワンウェイクラッチ26と、ダンパ機構27と、ロックアップクラッチ機構28とを含んで構成されている。
フロントカバー21は、図4ないし図6に示すように、カバー部材31と、6個のボス32a、32b、32c、32d、32e、32fからなる連結部材32とを有している。
カバー部材31は、側壁部33と、この側壁部33の径方向外方側に形成された外周縁部34と、この外周縁部34からロックアップクラッチ機構28側に突出して形成された筒状部35とを有している。この側壁部33、外周縁部34および筒状部35は一体的に形成されている。
側壁部33および外周縁部34は、円板状に形成されており、外周縁部34はエンジン1に対向するプレート対向面36と、ロックアップクラッチ機構28に対向するピストン対向面37とを有している。
外周縁部34のプレート対向面36には、溶接などの接合手段により、6個のボス32a、32b、32c、32d、32e、32fが円周上で等間隔に接合されている。
ボス32aは、所定の厚みを有する方形のブロックで形成されており、貫通したねじ孔32gを有している。このねじ孔32gには、ドライブプレート3をカバー部材31に締結するためのボルト4が挿通されるようになっている。
また、ボス32b、32c、32d、32e、32fもボス32aと同様に、貫通したねじ孔32gを有しており、ボルト4が挿通されるようになっている。
ドライブプレート3は、図1に示すように、円板状に形成され、外周部にはエンジン始動時に図示しないセルモーターが噛み合うリングギヤ3aが設けられており、エンジン1の出力軸としてのクランクシャフト2の端部2aに、複数のボルト5により固定されている。
ドライブプレート3は、クランクシャフト2と一緒に回転しエンジン1で生ずるトルク変動を抑制しつつ、クランクシャフト2からフロントカバー21にトルクを伝達するようになっている。
外周縁部34のピストン対向面37は、ロックアップクラッチ機構28に摩擦係合する摩擦係合面からなり、プレート対向面36に接合されたボス32a、32b、32c、32d、32e、32fのそれぞれの反対側に位置する反対面部37a、37b、37c、37d、37e、37fを有している。
また、ピストン対向面37は、図5に示すように、反対面部37a、37bの中間に位置する中間面部38abと、反対面部37b、37cの中間に位置する中間面部38bcと、反対面部37c、37dの中間に位置する中間面部38cdと、反対面部37d、37eの中間に位置する中間面部38deと、反対面部37e、37fの中間に位置する中間面部38efと、反対面部37f、37aの中間に位置する中間面部38faとを有しており、各中間面部は長さLを有している。
図5、図7に示すように、この反対面部37a、37b、37c、37d、37e、37fは、同一平面を構成している。他方、中間面部38abは、反対面部37aから(1/2)Lだけ離隔した中央に近づくにしたがってロックアップクラッチ機構28に徐々に高さhだけ突出して形成されている。また、反対面部37bから(1/2)Lだけ離隔した中央に近づくにしたがってロックアップクラッチ機構28に徐々に高さhだけ突出して形成されている。中間面部38bc、38cd、38de、38ef、38faも、中間面部38abと同様に中央で高さhだけ突出して形成されている。
なお、中間面部38ab、38bc、38cd、38de、38ef、38faの各高さhは、流体伝動装置20の構造、形状および大きさなどの設計諸元や実験およびシミュレーションなどから得られたデータに基づいて適宜選択される。
この構成により、フロントカバー21がロックアップクラッチ機構28に摩擦係合した係合状態のとき、中間面部38ab、38bc、38cd、38de、38ef、38faが、押圧され、反対面部37a、37b、37c、37d、37e、37fおよび中間面部38ab、38bc、38cd、38de、38ef、38faが同一平面を構成することになり、均一な摩擦係合面となる。したがって、均一な摩擦係合面でフロントカバー21とロックアップクラッチ機構28とが摩擦係合するようになっている。
ポンプインペラ22は、図1、図2に示すように、内壁面からタービンランナ23側に突出して形成された複数の羽根車22aと、径方向内方でハウジング11に回転自在に支持された中空軸22bとを有しており、フロントカバー21の筒状部35に連結されている。ポンプインペラ22は、フロントカバー21が回転すると、フロントカバー21と一体的に軸線Cを中心に回転するようになっている。
そして、ポンプインペラ22が回転すると、ポンプインペラ22内に供給されている作動油は、羽根車22aに押されて回転し、この回転によって発生した遠心力でポンプインペラ22の外周方向に追いやられるようになっている。
タービンランナ23は、内壁面からポンプインペラ22側に突出して形成された複数の羽根車23aを有しており、複数のリベット23bにより、ダンパ機構27とともにタービンハブ24に固定されている。
このタービンランナ23の羽根車23aに、ポンプインペラ22の羽根車22aにより回転する作動油が衝突し、衝突の衝撃力によりタービンランナ23が回転するようになっている。この作動油は、タービンランナ23を回転させた後、羽根車23aの局面に沿って流動し、ステータ25を通ってポンプインペラ22に戻り、流体伝動装置20内を循環するようになっている。
タービンハブ24は、ボス部24aと、プレート部24bとを有している。このボス部24aは、自動変速機10の入力軸12と一体回転するよう、スプライン嵌合により入力軸12に連結されている。また、プレート部24bは、タービンランナ23およびダンパ機構27と連結されている。したがって、タービンランナ23が回転すると、タービンハブ24を介して、タービンランナ23と一緒に入力軸12が回転するようになっている。
ステータ25は、羽根車25aを有し、ポンプインペラ22とタービンランナ23との間で径方向内方側に設けられている。また、ステータ25は、ワンウェイクラッチ26を介してハウジング11に回転可能に支持されている。
ステータ25は、ポンプインペラ22の回転を開始したときやポンプインペラ22およびタービンランナ23の相対回転差が大きいときに、ポンプインペラ22の回転を妨げる方向に流れる作動油の流動方向に対して、羽根車25aによって作動油の流動方向をポンプインペラ22の回転を助ける方向に変換するようになっている。
一方、ステータ25は、タービンランナ23の回転数が上がり、ポンプインペラ22およびタービンランナ23の相対回転差が小さくなったとき、タービンランナ23から流出する作動油がポンプインペラ22の回転を妨げる方向に流れてしまうのを防止している。
すなわち、相対回転差が小さくなったとき、ステータ25がタービンランナ23から流出する作動油をポンプインペラ22の回転を妨げる方向に流してしまうが、ステータ25に連結されているワンウェイクラッチ26によって、ステータ25は一方向の回転のみが許容されることにより、回転を妨げる方向に流れてしまうことが防止されるようになっている。
ダンパ機構27は、図2、図3に示すように、一対のクッションプレート41、42と、このクッションプレート41、42に挟持されたセンタープレート43と、クッションプレート41、42とセンタープレート43との間に介装されたコイルスプリング44、45とを備えている。
クッションプレート42は、リベット23bによってタービンハブ24およびタービンランナ23に連結されており、クッションプレート41は、図1に示すリベット27aによってクッションプレート42に一体的に取り付けられている。
センタープレート43には、逃げ孔43aが形成されており、逃げ孔43aにはリベット27aが移動可能に挿通されている。したがって、センタープレート43は、クッションプレート41、42の間で、クッションプレート41、42と相対回転できるようになっている。
センタープレート43の円周方向には、円周方向に延在する複数の中空部が等間隔に形成されており、この中空部にコイルスプリング44、45が内蔵されている。
センタープレート43の半径方向の外周部には、スプライン外歯43bが形成されており、このスプライン外歯43bにはロックアップクラッチ機構28がスプライン嵌合されている。
また、クッションプレート41、42の円周方向にはセンタープレート43の中空部に対向する複数の開口窓が等間隔に形成されており、クッションプレート41、42は、センタープレート43の回転時に開口窓の円周方向一端部または円周方向他端部がコイルスプリング44、45に当接することにより、クッションプレート41、42およびセンタープレート43を一体回転させるようになっている。
このダンパ機構27は、タービンランナ23が受けるエンジン1のトルク変動を吸収することができ、特に、ロックアップクラッチ機構28がロックアップ状態となりエンジン1の動力がロックアップクラッチ機構28を介して直接自動変速機10に伝達される際のトルク変動が効果的に吸収されるようになっている。
ロックアップクラッチ機構28は、ロックアップピストン51と、摩擦材52とを有している。
ロックアップピストン51は、円板状に形成されており、側壁部53と、この側壁部53の径方向内方側に形成された内周縁部54と、この側壁部53の径方向外方側に形成された外周縁部55と、この外周縁部55からダンパ機構27側に突出して形成された筒状部56とを有している。
内周縁部54は、タービンハブ24にオイルシールを介して嵌合され、フロントカバー21に近接および離隔するように入力軸12の軸線Cに摺動自在に装着されている。
外周縁部55のフロントカバー21に対向する対向面には、摩擦材52が固着されている。ロックアップピストン51がフロントカバー21に近接する方向に摺動したとき、この摩擦材52を介してロックアップピストン51がフロントカバー21に摩擦係合し係合状態となるよう構成されている。
筒状部56の内周面には、スプライン内歯56aが形成されており、センタープレート43のスプライン外歯43bがスプライン嵌合されるようになっている。
この側壁部53、内周縁部54、外周縁部55および筒状部56は、プレス加工などの成形加工により一体的に形成されている。
摩擦材52は、綿、木材などの繊維や合成繊維に無機、有機の摩擦性能向上材やプラスチックを配合、含浸させ硬化させたいわゆるペーパベースからなり、高摩擦係数を有し、面圧、温度、周速に対する高い安定性を有している。
この流体伝動装置20においては、ロックアップピストン51の側壁部53、内周縁部54、外周縁部55および筒状部56のダンパ機構27側の側面と、ポンプインペラ22の内側の側面とにより、係合側油室20Aが画成されており、この係合側油室20A内に図示しない油圧装置から作動油が供給されるようになっている。また、この係合側油室20Aから作動油が排出されるようになっており、係合側油室20A内の油圧が図示しない電子制御装置により制御されるようになっている。
また、ロックアップピストン51の側壁部53、内周縁部54、外周縁部55のフロントカバー21側の側面と、フロントカバー21のロックアップピストン51側の側面と、摩擦材52とにより、解放側油室20Bが画成されており、この解放側油室20B内に図示しない油圧装置から作動油が供給されるようになっている。また、この解放側油室20Bから作動油が排出されるようになっており、解放側油室20B内の油圧が図示しない電子制御装置により制御されるようになっている。
この係合側油室20Aに作動油が供給され油圧が高まると、ロックアップピストン51が油圧を受けてフロントカバー21に向かって移動し、解放側油室20Bから作動油が排出されるようになっている。このとき、ロックアップクラッチ機構28は、フロントカバー21とロックアップピストン51とが摩擦係合することにより係合状態となる。すなわち、ロックアップクラッチ機構28は、ロックアップ状態となり、エンジン1の動力が直接、自動変速機10に伝達される。
他方、解放側油室20Bに作動油が供給され油圧が高まると、ロックアップピストン51が油圧を受けてフロントカバー21から離隔する方向に移動し、係合側油室20Aから作動油が排出されるようになっている。このとき、ロックアップクラッチ機構28は、フロントカバー21とロックアップピストン51との係合状態から解放されることにより解放状態となる。すなわち、ロックアップクラッチ機構28は、ロックアップ状態から解放された非ロックアップ状態となる。
次いで、第1実施形態に係る流体伝動装置20の製造方法について説明する。
流体伝動装置20の製造方法においては、フロントカバー21の加工方法を除き、他の構成要素の加工方法および組立方法などの製造方法が、公知の方法で構成されているので、その説明を省略する。
フロントカバー21の加工方法は、図8に示すように、準備工程S1と、成形工程S2と、保持工程S3と、押圧工程S4と、切削工程S5とを含んで構成されている。
準備工程S1は、加工装置、加工工具および加工治具や、フロントカバー21を作製するための被加工材を準備し、以下の各工程における作業を開始し得る状態になるようそれぞれセッティングする工程である。
成形工程S2は、複数の対をなす金型を用い、金型間に準備工程S1で準備された被加工材をセッティングし、対をなす金型で被加工材に強い圧力を加えフロントカバー21の成形品を得る工程である。成形工程S2は、油圧プレス機や機械プレス機などのプレス機械により行われ、被加工材を所定の大きさにカットするカット工程や成形品をプレス機械から取り出し、所定の仕上げ加工する処理工程も含まれる。
なお、成形工程S2は、円盤状に加工した被加工材を押圧治具などの押圧装置により押圧固定し、被加工材を回転させながらローラーやヘラなどの工具を被加工材に押し当てて塑性変形させ、それを徐々に金型に近接させて成形するという、いわゆるヘラ絞り加工で成形するようにしてもよい。
保持工程S3は、図9に示すように、成形工程S2で得られたフロントカバー21の成形品を、工作機械にセットし成形品の中心部分を軸線方向に押圧し成形品を工作機械に保持する工程である。この場合、成形品は、工作機械の保持部A、Bの間に挟み込まれるようにして押圧保持される。
押圧工程S4は、保持工程S3により押圧保持された成形品の図5に示すボス32a、32b、32c、32d、32e、32fが接合される連結部材取付箇所としての各接合部分を、図9に示すように、押圧治具Wにより所定の押圧力(MPa)で押圧する工程である。この所定の押圧力は、フロントカバー21とロックアップピストン51とが摩擦係合し、ロックアップクラッチ機構28がロックアップ状態となる際、フロントカバー21をロックアップピストン51が押圧する押圧力とほぼ同等の押圧力に設定される。
なお、所定の押圧力(MPa)は、流体伝動装置20の構造、形状および大きさなどの設計諸元や実験およびシミュレーションなどから得られたデータに基づいて適宜選択される。
切削工程S5は、押圧工程S4とほぼ同時に行われる。すなわち、切削工程S5は、押圧工程S4により押圧された成形品に対して工作機械により切削加工が行われる。
図5に示すボス32a、32b、32c、32d、32e、32fが接合される各接合部分の反対側が、回転する切削工具Sにより切削加工される。なお、切削工具Sの回転に代えて押圧された成形品自体を回転させ、静止した切削工具Sにより切削加工するようにしてもよい。
この切削工具Sは、図9に示すように所定の幅で円周方向に切削する切削刃を備えており、各接合部分の反対側が、所定の幅で平坦に切削される。
切削工具Sにより切削中に、押圧治具Wにより所定の押圧力が成形品に加えられると、ボス32a、32b、32c、32d、32e、32fが接合される各接合部分の剛性よりも、図5に示す中間面部38ab、38bc、38cd、38de、38ef、38faの剛性が比較的低いので、中間面部38ab、38bc、38cd、38de、38ef、38faが切削工具Sと反対側に僅かに弾性変形することになる。このとき、図10(a)に示すように、ボス32a、32b、32c、32d、32e、32fが接合される各接合部分が切削工具S側に僅かに突出した状態になる。すなわち、前述の反対面部37a、37b、37c、37d、37e、37fが切削工具S側に僅かに突出した状態になる。
この状態は、フロントカバー21とロックアップピストン51とが摩擦係合するロックアップクラッチ機構28のロックアップ状態と同じ状態となる。すなわち、切削工具Sの成形品に加えられる切削圧力と、ロックアップ状態におけるロックアップピストン51のフロントカバー21に加えられる摩擦係合時の圧力とがほぼ同じ圧力となるよう設定される。
したがって、図10(b)に示すように、切削工具Sにより成形品が加工されると、被加工面は平坦になる。
そして、切削加工が終了し、切削工具Sが成形品から離隔すると、被加工品は、弾性変形が解除され、押圧されていた中間面部38ab、38bc、38cd、38de、38ef、38faがそれぞれ元の状態に復帰するので、図10(c)に示すように、中間面部38ab、38bc、38cd、38de、38ef、38faがそれぞれボス32a、32b、32c、32d、32e、32fが接合される各接合部分よりも僅かに突出した状態となる。
次いで、第1実施形態に係る流体伝動装置20の動作について説明する。
まず、エンジン1が始動すると、エンジン1から出力される動力は、図1に示すクランクシャフト2からドライブプレート3および連結部材32を経由してフロントカバー21に伝達され、フロントカバー21が回転する。そして、ポンプインペラ22がフロントカバー21と一緒に回転し、ポンプインペラ22の羽根車22aが回転し、流体伝動装置20内の作動油が羽根車22aに押されて回転する。
このとき、作動油がタービンランナ23の羽根車23aに衝突しその衝撃力でタービンランナ23を回転させ、羽根車23aの曲面に沿って流動し、ステータ25を通ってポンプインペラ22に戻り、流体伝動装置20内を循環し、連続的にタービンランナ23を回転させる。
このステータ25によりタービンランナ23に伝達されるトルクが増幅されることになる。
タービンランナ23が回転すると、タービンハブ24を経由して、自動変速機10の入力軸12にトルクが伝達されることになる。同時に、作動油の流動およびダンパ機構27により、エンジン1で発生するトルク変動が吸収される。
エンジン1の始動後に、車両がロックアップ車速(km/h)に達すると、例えば、車速が60km/hに達すると、エンジン1から出力される動力の伝達効率を高め、ひいては燃費を向上させるため、エンジン1のクランクシャフト2と自動変速機10の入力軸12とを直結させる制御が行われる。すなわち、ロックアップクラッチ機構28をロックアップ状態にさせるロックアップ制御が行われる。
図11(a)に示すように、フロントカバー21とロックアップピストン51とが非係合状態のとき、すなわち、ロックアップクラッチ機構28が非ロックアップ状態のときは、黒矢印で示すように、解放側油室20Bに作動油が供給され、係合側油室20Aから作動油が排出されるよう油圧が制御される。その結果、解放側油室20Bの油圧が係合側油室20Aの油圧よりも高くなり、ロックアップピストン51が白矢印で示すように、フロントカバー21から離隔する方向に移動し、ロックアップクラッチ機構28が非係合状態となる。
他方、図11(b)に示すように、ロックアップクラッチ機構28をロックアップ状態にさせるロックアップ制御が行われると、黒矢印で示すように、係合側油室20Aに作動油が供給され、解放側油室20Bから作動油が排出されるよう油圧が制御される。その結果、係合側油室20Aの油圧が解放側油室20Bの油圧よりも高くなり、ロックアップピストン51が白矢印で示すように、フロントカバー21に近接する方向に移動し、ロックアップクラッチ機構28が係合状態となる。
ロックアップクラッチ機構28が非係合状態のときは、図12(a)に示すように、フロントカバー21の中間面部38ab、38bc、38cd、38de、38ef、38faがそれぞれ僅かにロックアップピストン51側に突出した状態となっている。
このとき、ロックアップクラッチ機構28をロックアップ状態にさせるロックアップ制御が行われると、図12(b)に示すように、ロックアップピストン51が油圧により、フロントカバー21に押圧され、摩擦係合する。この摩擦係合時に、フロントカバー21の中間面部38ab、38bc、38cd、38de、38ef、38faがそれぞれ押圧され、ボス32a、32b、32c、32d、32e、32fが接合される反対側の反対面部37a、37b、37c、37d、37e、37fと中間面部38ab、38bc、38cd、38de、38ef、38faとが同一平面となる。
そして、中間面部38ab、38bc、38cd、38de、38ef、38faには、黒矢印で示す反力が、フロントカバー21をロックアップピストン51に押し付ける方向に発生する。その結果、フロントカバー21とロックアップピストン51の摩擦材52とがその摩擦係合面の全面でより密着して均一に摩擦係合する。
第1実施形態に係る流体伝動装置20は、前述のように構成されているので、以下の効果が得られる。
すなわち、第1実施形態に係る流体伝動装置20は、エンジン1のクランクシャフト2からドライブプレート3を介して動力を受けるフロントカバー21と、フロントカバー21に連結されたポンプインペラ22と、ポンプインペラ22に対向して配置され、自動変速機10の入力軸12に連結されたタービンランナ23と、油圧に基づいて係合、解放されるロックアップクラッチ機構28とを備えている。
そして、ロックアップクラッチ機構28が、フロントカバー21とタービンランナ23との間に配置され、入力軸12の軸線方向に沿ってフロントカバー21に近接、離隔自在なロックアップピストン51と、ロックアップピストン51のフロントカバー21に対向する対向面に固着された摩擦材52とを有している。
また、フロントカバー21が、ロックアップピストン51に対向するピストン対向面37と、ドライブプレート3に対向するプレート対向面36とを有するとともに、プレート対向面36の円周上で等間隔に配置され、ドライブプレート3と連結するための複数の連結部材32を有している。
さらに、ピストン対向面37が、各連結部材32の反対側に位置する反対面部37aと、互いに隣接する反対面部37bの中間に位置する中間面部38abとを有し、中間面部38abが反対面部37aから中間面部38abの中央に近づくにしたがって徐々にロックアップピストン51側に突出して形成され、摩擦材52とフロントカバー21とが摩擦係合する係合状態のとき、反対面部37a、36bと中間面部38abとが同一平面となりピストン対向面37の全面で摩擦材52と均一に摩擦係合するよう構成されている。
また、6個の連結部材32は、フロントカバー21の外周縁部34に接合されている。
その結果、従来の流体伝動装置において中間面部に補強板を設けて、反対面部と中間面部との剛性差を小さくして中間面部の変形を防止していたが、第1実施形態に係る流体伝動装置20においては、中間面部38abに、補強板を設ける必要が解消し、簡素な構成でフロントカバーを容易に作製できるという効果が得られる。
また、補強板を設ける必要が解消されたので、部品点数が減少し補強板の作製や補強板の接合などの工数が削減され生産効率が高まるという効果が得られる。
また、補強板をフロントカバーに接合する際の加熱や加圧の必要が解消されたので、フロントカバー21の摩擦係合面にひずみや残留応力が生ずるおそれが解消され、摩擦係合面の平面度が低下するおそれが解消されるという効果が得られる。
さらに、中間面部38abが反対面部37aから中間面部38abの中央に近づくにしたがって徐々にロックアップピストン51側に突出して形成されているので、摩擦材52とフロントカバー21とが摩擦係合する係合状態のとき、反対面部37a、36bと中間面部38abとが同一平面となり、ピストン対向面37の全面で摩擦材52と均一に摩擦係合させることができる。
したがって、摩擦材52とフロントカバー21との摩擦係合が確実に行われ、クランクシャフト2をフロントカバー21およびロックアップクラッチ機構28を介して自動変速機10の入力軸12と確実に直結させることができるという効果が得られる。その結果、エンジン1から出力される動力が作動油を介することなく、直接、自動変速機10に伝達され、動力の伝達効率が著しく向上させることができる。また、ロックアップクラッチ機構28のトルク容量を確保することができるとともに、車両の燃費を向上させることができる。
さらに、摩擦材52とフロントカバー21との間で全面で均一に摩擦係合が行われるので、摩擦材52の耐久性が向上し、ひいては流体伝動装置20の耐久性が向上するという効果が得られる。
また、第1実施形態に係る流体伝動装置20の製造方法は、前述のように構成されているので、以下の効果が得られる。
すなわち、第1実施形態に係る流体伝動装置20の製造方法は、被加工材を成形し前記フロントカバー21の成形品を得る成形工程S2とを含んでいる。
そして、成形工程S2により得られた成形品を保持する保持工程S3と、保持工程S3により保持された成形品の、フロントカバー21の各連結部材32が取り付けられる連結部材取付箇所としてのボス32aなどが接合される各接合部分を、所定の圧力で押圧する押圧工程S4とを含んでいる。さらに、押圧工程S4で押圧された成形品の連結部材設置箇所の反対側の側面、すなわち反対面部37aなどを平坦に切削する切削工程S5を含むことを特徴としている。
その結果、摩擦材52とフロントカバー21とが摩擦係合する係合状態のとき、各連結部材32の反対側に位置する反対面部37a、36bと互いに隣接する反対面部37a、36bの中間に位置する中間面部38abとが同一平面となり、ピストン対向面37の全面で摩擦材52と均一に摩擦係合させることができるフロントカバー21を容易、かつ確実に作製できるという効果が得られる。
特に、押圧工程S4および切削工程S5において、被加工材としてのフロントカバー21の成形品を、実際の摩擦材52とフロントカバー21とが摩擦係合する係合状態と同様の押圧力(MPa)で押圧しながら切削加工するので、実際の摩擦材52とフロントカバー21とが摩擦係合する係合状態のとき、摩擦材52とフロントカバー21とを確実に摩擦係合面の全面で係合させることができるという効果が得られる。
第1実施形態に係る流体伝動装置20の製造方法においては、成形工程S2、保持工程S3、押圧工程S4および切削工程S5を個別に順次行う場合について説明したが、他の方法で行うようにしてもよい。例えば、成形工程S2、保持工程S3、押圧工程S4および切削工程S5を制御装置およびフロントカバー製造装置により全て連続して自動的に行うようにしてもよい。
また、フロントカバー21の加工方法を成形工程S2と、保持工程S3と、押圧工程S4と、切削工程S5とを含む工程の場合について説明したが、他の工程により行うようにしてもよい。
例えば、フロントカバー21の加工方法を成形工程S2と、保持工程S3と、押圧工程S4とにより行い、切削工程S5を省略するようにしてもよい。
この場合、押圧工程S4において、押圧治具Wにより押圧する側と成形品を挟んで反対側に、金型をセットし、押圧治具Wにより、成形品を塑性変形させることのできる押圧力(MPa)で押圧し成形品を再成形するようにする。
この再成形により、図5、図7に示すように、フロントカバー21の反対面部37aなどが同一平面を構成するよう成形品を塑性変形させて形成する。さらに、中間面部38abを、反対面部37aから中央に近づくにしたがってロックアップクラッチ機構28に徐々に高さhだけ突出し、反対面部37bから中央に近づくにしたがってロックアップクラッチ機構28に徐々に高さhだけ突出するよう塑性変形させて形成する。中間面部38bcなども、中間面部38abと同様に高さhだけ突出するよう塑性変形させて形成する。
このように成形加工することにより、フロントカバー21がロックアップクラッチ機構28に摩擦係合した係合状態のとき、中間面部38abなどが、押圧され、反対面部37aなどおよび中間面部38abなどが同一平面を構成することになり、均一な摩擦係合面となる。したがって、均一な摩擦係合面でフロントカバー21とロックアップクラッチ機構28とを摩擦係合させることができる。
また、フロントカバー21の加工方法を成形工程S2Aのみで行うようにしてもよい。
この場合、成形工程S2Aは、複数の対をなす金型を用い、金型間に準備工程S1で準備された被加工材をセッティングし、対をなす金型で被加工材に強い圧力を加えフロントカバー21の成形品を得る工程からなる。
この複数の対をなす金型は、第1実施形態の成形工程S2における金型と異なりフロントカバー21の被加工材となる成形品を得る金型ではなく、フロントカバー21の完成品を得る金型となる。
したがって、油圧プレス機や機械プレス機などのプレス機械により行われ、被加工材を所定の大きさにカットするカット工程や成形品をプレス機械から取り出し、所定の仕上げ加工する処理工程が含まれる点は、第1実施形態の成形工程S2と同様に行われる。
この成形工程S2Aにより、前述の押圧工程S4における再成形と同様に被加工材料を成形する。
すなわち、図5、図7に示すように、フロントカバー21の反対面部37aなどが同一平面を構成するよう成形品を塑性変形させて形成する。さらに、中間面部38abを、反対面部37aから中央に近づくにしたがってロックアップクラッチ機構28に徐々に高さhだけ突出し、反対面部37bから中央に近づくにしたがってロックアップクラッチ機構28に徐々に高さhだけ突出するよう塑性変形させて形成する。中間面部38bcなども、中間面部38abと同様に高さhだけ突出するよう塑性変形させて形成する。
このように成形加工することにより、フロントカバー21がロックアップクラッチ機構28に摩擦係合した係合状態のとき、中間面部38abなどが押圧され、反対面部37aなどおよび中間面部38abなどが同一平面を構成することになり、均一な摩擦係合面となる。したがって、均一な摩擦係合面でフロントカバー21とロックアップクラッチ機構28とを摩擦係合させることができる。
この場合においても、円盤状に加工した被加工材を押圧治具などの押圧装置により押圧固定し、被加工材を回転させながらローラーやヘラなどの工具を被加工材に押し当てて塑性変形させ、それを徐々に金型に近接させて成形するという、いわゆるヘラ絞り加工で成形するようにしてもよい。
(第2実施形態)
図13ないし図21は、本発明に係る流体伝動装置の第2実施形態を示す図であり、第1実施形態と同一の構成には同一の番号を付して説明を省略する。
図13ないし図15に示すように、第2実施形態の流体伝動装置60は、フロントカバー61と、ロックアップクラッチ機構62を除き、他の構成要素は第1実施形態の流体伝動装置20と同様に構成されている。
フロントカバー61は、図16ないし図18に示すように、カバー部材63と、6個のボス64a、64b、64c、64d、64e、64fからなる連結部材64とを有している。
カバー部材63は、側壁部65と、この側壁部65の径方向外方側に形成された外周縁部66と、この外周縁部66からロックアップクラッチ機構62側に突出して形成された筒状部67とを有している。この側壁部65、外周縁部66および筒状部67は、第1実施形態と同様に一体的に形成されている。
側壁部65および外周縁部66は、円板状に形成されており、外周縁部66はエンジン1に対向するプレート対向面68と、ロックアップクラッチ機構62に対向するピストン対向面69とを有している。
外周縁部66のプレート対向面68には、溶接などの接合手段により、6個のボス64a、64b、64c、64d、64e、64fが円周上で等間隔に接合されている。
ボス64aは、所定の厚みを有する方形のブロックで形成されており、貫通したねじ孔64gを有している。このねじ孔64gには、第1実施形態と同様にドライブプレート3をカバー部材63に締結するためのボルト4が挿通されるようになっている。
また、ボス64b、64c、64d、64e、64fもボス64aと同様に、貫通したねじ孔64gを有しており、ボルト4が挿通されるようになっている。
外周縁部66のピストン対向面69は、ロックアップクラッチ機構62に摩擦係合する摩擦係合面からなり、プレート対向面68に接合されたボス64a、64b、64c、64d、64e、64fのそれぞれの反対側に位置する反対面部71a、71b、71c、71d、71e、71fを有している。
また、第1実施形態と同様に、反対面部71a、71bの中間に位置する中間面部72abと、反対面部71b、71cの中間に位置する中間面部72bcと、反対面部71c、71dの中間に位置する中間面部72cdと、反対面部71d、71eの中間に位置する中間面部72deと、反対面部71e、71fの中間に位置する中間面部72efと、反対面部71f、71aの中間に位置する中間面部72faとを有しており、各中間面部は長さLを有している。
図16、図18に示すように、この反対面部71a、71b、71c、71d、71e、71fは、同一平面を構成している。他方、中間面部72abは、反対面部71aから中央に近づくにしたがってロックアップクラッチ機構62に徐々に高さhだけ突出し、反対面部71bから中央に近づくにしたがってロックアップクラッチ機構62に徐々に高さhだけ突出して形成されている。中間面部72bc、72cd、72de、72ef、68faも、中間面部72abと同様に高さhだけ突出して形成されている。
この構成により、フロントカバー61がロックアップクラッチ機構62に摩擦係合した係合状態のとき、中間面部72ab、72bc、72cd、72de、72ef、72faが、押圧され、反対面部71a、71b、71c、71d、71e、71fおよび中間面部72ab、72bc、72cd、72de、72ef、72faが同一平面を構成することになり、均一な摩擦係合面となる。したがって、均一な摩擦係合面でフロントカバー61とロックアップクラッチ機構62とが摩擦係合するようになっている。
ロックアップクラッチ機構62は、ロックアップピストン81と、外側ドラム82と、内側ドラム83と、外側クラッチプレート84と、内側クラッチプレート85と、摩擦材86、87、88とを有している。
ロックアップピストン81は、図13ないし図15に示すように、円板状に形成されており、側壁部91と、この側壁部91の径方向内方側に形成された内周縁部92と、この側壁部91の径方向外方側に形成された外周縁部93と、この外周縁部93からフロントカバー61側に突出して形成された筒状部94とを有している。
内周縁部92は、タービンハブ24にオイルシールを介して嵌合され、フロントカバー61に近接および離隔するように入力軸12の軸線Cに摺動自在に装着されている。
筒状部94の内周面には、スプライン内歯94aが形成されており、外側クラッチプレート84とスプライン嵌合するようになっている。
この側壁部91、内周縁部92、外周縁部93および筒状部94は、プレス加工などの成形加工により一体的に形成されている。
外側ドラム82は、側壁部96と、側壁部96からダンパ機構27の方向に突出して一体的に形成された筒状部97とを有している。この外側ドラム82は、側壁部96がロックアップピストン81の外周縁部93に溶接などの接合手段により接合されている。
筒状部97には、スプライン内歯97aが形成されており、ダンパ機構27とスプライン嵌合するようになっている。
内側ドラム83は、側壁部102と、側壁部102からロックアップピストン81の方向に突出して一体的に形成された筒状部103とを有している。この内側ドラム83は、側壁部102がカバー部材63の側壁部65に溶接などの接合手段により接合されている。
筒状部103には、スプライン内歯103aが形成されており、内側クラッチプレート85とスプライン嵌合するようになっている。
外側クラッチプレート84は、円板状に形成され、軸線方向の中央部に貫通孔84aを有するとともに、外周にスプライン外歯84bを有しており、ロックアップピストン81の筒状部94とスプライン嵌合するようになっている。
外側クラッチプレート84は、フロントカバー61に対向する側面に摩擦材86が固着されており、ロックアップピストン81に対向する側面に摩擦材87が、それぞれ固着されている。
内側クラッチプレート85は、円板状に形成され、軸線方向の中央部にスプライン内歯85aを有しており、外側クラッチプレート84とロックアップピストン81との間に配置され、内側ドラム83とスプライン嵌合するようになっている。
内側クラッチプレート85は、ロックアップピストン81に対向する側面に摩擦材87が固着されている。
摩擦材86、87、88は、第1実施形態と同様、綿、木材などの繊維や合成繊維に無機、有機の摩擦性能向上材やプラスチックを配合、含浸させ硬化させたいわゆるペーパベースからなり、高摩擦係数を有し、面圧、温度、周速に対する高い安定性を有している。
このロックアップクラッチ機構62においては、ロックアップピストン81がフロントカバー61に近接する方向に摺動したとき、外側クラッチプレート84、内側クラッチプレート85および摩擦材86、87、88を介してロックアップピストン81がフロントカバー61に摩擦係合し係合状態となるよう、いわゆる多板クラッチで構成されている。
この流体伝動装置60においては、第1実施形態と同様、ロックアップピストン81の側壁部91、内周縁部92のダンパ機構27側の側面と、外側ドラム82の内周面と、ポンプインペラ22の内側の側面とにより、係合側油室60Aが画成されており、この係合側油室60A内に図示しない油圧装置から作動油が供給されるようになっている。また、この係合側油室60Aから作動油が排出されるようになっており、係合側油室60A内の油圧が図示しない電子制御装置により制御されるようになっている。
また、ロックアップピストン81の側壁部91および内周縁部92のフロントカバー21側の側面と、フロントカバー61のロックアップピストン81側の側面と、外側クラッチプレート84、内側クラッチプレート85および摩擦材86、87、88とにより、解放側油室60Bが画成されており、この解放側油室60B内に図示しない油圧装置から作動油が供給されるようになっている。また、この解放側油室60Bから作動油が排出されるようになっており、解放側油室60B内の油圧が図示しない電子制御装置により制御されるようになっている。
この係合側油室60Aに作動油が供給され油圧が高まると、ロックアップピストン81が油圧を受けてフロントカバー61に向かって移動し、解放側油室60Bから作動油が排出されるようになっている。このとき、ロックアップクラッチ機構62は、フロントカバー61とロックアップピストン81とが摩擦係合することにより係合状態となる。すなわち、ロックアップクラッチ機構62は、ロックアップ状態となり、エンジン1の動力が直接、自動変速機10に伝達される。
他方、解放側油室60Bに作動油が供給され油圧が高まると、ロックアップピストン81が油圧を受けてフロントカバー61から離隔する方向に移動し、係合側油室60Aから作動油が排出されるようになっている。このとき、ロックアップクラッチ機構62は、フロントカバー61とロックアップピストン81との係合状態から解放されることにより解放状態となる。すなわち、ロックアップクラッチ機構62は、ロックアップ状態から解放された非ロックアップ状態となる。
次いで、第2実施形態に係る流体伝動装置60の製造方法について説明する。
流体伝動装置60の製造方法は、第1実施形態と同様、フロントカバー61の加工方法に特徴がある。
フロントカバー61の加工方法は、図8に示すフロントカバー21の加工方法と同様、準備工程S1と、成形工程S2と、保持工程S3と、押圧工程S4と、切削工程S5とを含んで構成されている。
準備工程S1は、加工装置、加工工具および加工治具や、フロントカバー61を作製するための被加工材を準備し、以下の各工程における作業を開始し得る状態になるようそれぞれセッティングする工程である。
成形工程S2は、複数の対をなす金型を用い、金型間に準備工程S1で準備された被加工材をセッティングし、対をなす金型で被加工材に強い圧力を加えフロントカバー61の成形品を得る工程である。成形工程S2は、油圧プレス機や機械プレス機などのプレス機械により行われ、被加工材を所定の大きさにカットするカット工程や成形品をプレス機械から取り出し、所定の仕上げ加工する処理工程も含まれる。
保持工程S3は、図19に示すように、成形工程S2で得られたフロントカバー61の成形品を、工作機械にセットし成形品の中心部分を軸線方向に押圧し成形品を工作機械に保持する工程である。この場合、成形品は、工作機械の保持部A、Bの間に挟み込まれるようにして押圧保持される。
押圧工程S4は、保持工程S3により押圧保持された成形品の図16に示すボス64a、64b、64c、64d、64e、64fが接合される連結部材取付箇所としての各接合部分を、図19に示すように、押圧治具Wにより所定の押圧力(MPa)で押圧する工程である。この所定の押圧力は、フロントカバー61とロックアップピストン81とが摩擦係合し、ロックアップクラッチ機構62がロックアップ状態となる際、フロントカバー61をロックアップピストン81が押圧する押圧力とほぼ同等の押圧力に設定される。
切削工程S5は、押圧工程S4とほぼ同時に行われる。すなわち、切削工程S5は、押圧工程S4により押圧された成形品に対して工作機械により切削加工が行われる。
図16に示すボス64a、64b、64c、64d、64e、64fが接合される各接合部分の反対側が、回転する切削工具Sにより切削加工される。なお、第1実施形態と同様、切削工具Sの回転に代えて押圧された成形品自体を回転させ、静止した切削工具Sにより切削加工するようにしてもよい。
この切削工具Sは、図19に示すように所定の幅で円周方向に切削する切削刃を備えており、各接合部分の反対側が、所定の幅で平坦に切削される。
切削工具Sにより切削中に、押圧治具Wにより所定の押圧力が成形品に加えられると、ボス64a、64b、64c、64d、64e、64fが接合される各接合部分の剛性よりも、図16に示す中間面部72ab、72bc、72cd、72de、72ef、72faの剛性が比較的低いので、中間面部72ab、72bc、72cd、72de、72ef、72faが切削工具Sと反対側に僅かに弾性変形することになる。
このとき、図10(a)に示すものと同様、ボス64a、64b、64c、64d、64e、64fが接合される各接合部分が切削工具S側に僅かに突出した状態になる。すなわち、前述の反対面部71a、71b、71c、71d、71e、71fが切削工具S側に僅かに突出した状態になる。
この状態は、フロントカバー61とロックアップピストン81とが摩擦係合するロックアップクラッチ機構62のロックアップ状態と同じ状態となる。すなわち、切削工具Sの成形品に加えられる切削圧力と、ロックアップ状態におけるロックアップピストン81のフロントカバー61に加えられる摩擦係合時の圧力とがほぼ同じ圧力となるよう設定される。
したがって、図10(b)に示すものと同様に、切削工具Sにより成形品が加工されると、被加工面は平坦になる。そして、切削加工が終了し、切削工具Sが成形品から離隔すると、被加工品は、弾性変形が解除され、押圧されていた中間面部72ab、72bc、72cd、72de、72ef、72faがそれぞれ元の状態に復帰するので、図10(c)に示すものと同様に、中間面部72ab、72bc、72cd、72de、72ef、72faがそれぞれボス64a、64b、64c、64d、64e、64fが接合される各接合部分よりも僅かに突出した状態となる。
次いで、第2実施形態に係る流体伝動装置60の動作について説明する。
まず、エンジン1が始動すると、第1実施形態と同様、エンジン1から出力される動力は、図13に示すクランクシャフト2からドライブプレート3および連結部材32を経由してフロントカバー61に伝達され、フロントカバー61が回転する。
そして、ポンプインペラ22がフロントカバー61と一緒に回転し、ポンプインペラ22の羽根車22aが回転し、流体伝動装置60内の作動油が羽根車22aに押されて回転する。
このとき、作動油がタービンランナ23の羽根車23aに衝突しその衝撃力でタービンランナ23を回転させ、羽根車23aの曲面に沿って流動し、ステータ25を通ってポンプインペラ22に戻り、流体伝動装置20内を循環し、連続的にタービンランナ23を回転させる。このステータ25によりタービンランナ23に伝達されるトルクが増幅されることになる。
タービンランナ23が回転すると、タービンハブ24を経由して、自動変速機10の入力軸12にトルクが伝達されることになる。同時に、作動油の流動およびダンパ機構27により、エンジン1で発生するトルク変動が吸収される。
エンジン1の始動後に、車両がロックアップ車速(km/h)に達すると、例えば、車両が60km/hに達すると、エンジン1から出力される動力の伝達効率を高め、ひいては燃費を向上させるため、エンジン1のクランクシャフト2と自動変速機10の入力軸12とを直結させる制御が行われる。すなわち、ロックアップクラッチ機構62をロックアップ状態にさせるロックアップ制御が行われる。
図20(a)に示すように、フロントカバー61とロックアップピストン81とが非係合状態のとき、すなわち、ロックアップクラッチ機構62が非ロックアップ状態のときは、黒矢印で示すように、解放側油室60Bに作動油が供給され、係合側油室60Aから作動油が排出されるよう油圧が制御される。その結果、解放側油室60Bの油圧が係合側油室60Aの油圧よりも高くなり、ロックアップピストン81が白矢印で示すように、フロントカバー61から離隔する方向に移動し、ロックアップクラッチ機構62が非係合状態となる。
他方、図20(b)に示すように、ロックアップクラッチ機構62をロックアップ状態にさせるロックアップ制御が行われると、黒矢印で示すように、係合側油室60Aに作動油が供給され、解放側油室60Bから作動油が排出されるよう油圧が制御される。その結果、係合側油室60Aの油圧が解放側油室60Bの油圧よりも高くなり、ロックアップピストン81が白矢印で示すように、フロントカバー61に近接する方向に移動し、ロックアップクラッチ機構62が係合状態となる。
ロックアップクラッチ機構62が非係合状態のときは、図21(a)に示すように、フロントカバー61の中間面部72ab、72bc、72cd、72de、72ef、72faがそれぞれ僅かにロックアップピストン81側に突出した状態となっている。
このとき、ロックアップクラッチ機構62をロックアップ状態にさせるロックアップ制御が行われると、図21(b)に示すように、ロックアップピストン81が油圧により、フロントカバー61に押圧され、摩擦係合する。この摩擦係合時に、フロントカバー61の中間面部72ab、72bc、72cd、72de、72ef、72faがそれぞれ押圧され、ボス64a、64b、64c、64d、64e、64fが接合される反対側の反対面部71a、71b、71c、71d、71e、71fがと中間面部72ab、72bc、72cd、72de、72ef、72faとが同一平面となる。そして、中間面部72ab、72bc、72cd、72de、72ef、72faには、黒矢印で示す反力が、フロントカバー61をロックアップピストン81に押し付ける方向に発生する。
その結果、フロントカバー61とロックアップピストン81とが、外側クラッチプレート84、内側クラッチプレート85および摩擦材86、87、88を介して摩擦係合する。このとき、各多板クラッチの各構成要素は、その摩擦係合面の全面でより密着して均一に摩擦係合する。
第2実施形態に係る流体伝動装置60は、前述のように構成されているので、第1実施形態に係る流体伝動装置20と同様の効果が得られる。
すなわち、第2実施形態に係る流体伝動装置20は、エンジン1のクランクシャフト2からドライブプレート3を介して動力を受けるフロントカバー21と、フロントカバー21に連結されたポンプインペラ22と、ポンプインペラ22に対向して配置され、自動変速機10の入力軸12に連結されたタービンランナ23と、油圧に基づいて係合、解放されるロックアップクラッチ機構62とを備えている。
そして、ロックアップクラッチ機構62が、ロックアップピストン81と、外側ドラム82と、内側ドラム83と、外側クラッチプレート84と、内側クラッチプレート85と、摩擦材86、87、88とを有している。
また、フロントカバー61が、ロックアップピストン81に対向するピストン対向面69と、ドライブプレート3に対向するプレート対向面68とを有するとともに、プレート対向面68の円周上で等間隔に配置され、ドライブプレート3と連結するための複数の連結部材64を有している。
さらに、ピストン対向面69が、各連結部材64の反対側に位置する反対面部71aと、互いに隣接する反対面部71bの中間に位置する中間面部72abとを有し、中間面部72abが反対面部71aから中間面部72abの中央に近づくにしたがって徐々にロックアップピストン81側に突出して形成される。
そして、ロックアップピストン81とフロントカバー21とが係合状態のとき、反対面部71a、71bと中間面部72abとが同一平面となりピストン対向面69の全面で多板クラッチの各構成要素が均一に摩擦係合するよう構成されている。第1実施形態と同様、6個の連結部材64は、フロントカバー61の外周縁部66に接合されている。
その結果、従来の流体伝動装置において中間面部に補強板を設けて、反対面部と中間面部との剛性差を小さくして中間面部の変形を防止していたが、第2実施形態に係る流体伝動装置60においては、中間面部72abに、補強板を設ける必要が解消し、簡素な構成でフロントカバーを容易に作製できるという効果が得られる。
また、補強板を設ける必要が解消されたので、部品点数が減少し補強板の作製や補強板の接合などの工数が削減され生産効率が高まるという効果が得られる。
また、補強板をフロントカバーに接合する際の加熱や加圧の必要が解消されたので、フロントカバー61の摩擦係合面にひずみや残留応力が生ずるおそれが解消され、摩擦係合面の平面度が低下するおそれが解消されるという効果が得られる。
さらに、中間面部72abが反対面部71aから中間面部72abの中央に近づくにしたがって徐々にロックアップピストン81側に突出して形成されているので、フロントカバー61とロックアップピストン81とが係合状態のとき、反対面部71a、71bと中間面部72abとが同一平面となり、ピストン対向面69の全面で摩擦材86と均一に摩擦係合させることができる。
したがって、摩擦材86とフロントカバー61との摩擦係合が確実に行われ、クランクシャフト2がフロントカバー61およびロックアップクラッチ機構62を介して自動変速機10の入力軸12と確実に直結させることができるという効果が得られる。その結果、エンジン1から出力される動力が作動油を介することなく、直接、自動変速機10に伝達され、動力の伝達効率が著しくロックアップクラッチ機構62のトルク容量が確保できるとともに、車両の燃費を向上させることができる。
さらに、摩擦材86とフロントカバー61との間で全面で均一に摩擦係合が行われるので、摩擦材86の耐久性が向上し、ひいては流体伝動装置60の耐久性が向上するという効果が得られる。
また、第2実施形態に係る流体伝動装置60の製造方法は、前述のように構成されているので、第1実施形態に係る流体伝動装置20の製造方法と同様の効果が得られる。
すなわち、第2実施形態に係る流体伝動装置60の製造方法は、被加工材を成形し前記フロントカバー61の成形品を得る成形工程S2と、成形工程S2により得られた成形品を保持する保持工程S3と、保持工程S3により保持された成形品の、フロントカバー61の各連結部材64が取り付けられる連結部材取付箇所としてのボス64aなどが接合される各接合部分を所定の圧力で押圧する押圧工程S4と、押圧工程S4で押圧された成形品の連結部材設置箇所の反対側の側面となる反対面部71aなどを平坦に切削する切削工程S5とを含むことを特徴としている。
その結果、摩擦材86とフロントカバー61とが摩擦係合する係合状態のとき、反対面部71a、71bと中間面部72abとが同一平面となり、ピストン対向面69の全面で摩擦材86と均一に摩擦係合させることができるフロントカバー61を容易に作製できるという効果が得られる。
第1実施形態と同様に、押圧工程S4および切削工程S5において、被加工材としてのフロントカバー61の成形品を、実際の摩擦材86とフロントカバー61とが摩擦係合する係合状態と同様の押圧力(MPa)で押圧しながら切削加工するので、実際の摩擦材86とフロントカバー61とが摩擦係合する係合状態のとき、摩擦材86とフロントカバー61とを確実に摩擦係合面の全面で係合させることができるという効果が得られる。
第2実施形態に係る流体伝動装置60のロックアップクラッチ機構62においては、ロックアップピストン81と、外側ドラム82と、内側ドラム83とを備え、外側クラッチプレート84と、内側クラッチプレート85と、摩擦材86、87、88を有する3面の多板クラッチで構成した場合について説明した。しかしながら、3面以外の構造を有する多板クラッチで構成するようにしてもよい。
例えば、2個の外側クラッチプレートと、2個の内側クラッチプレートを、交互にフロントカバーとロックアップピストンとの間に配置し、各外側クラッチプレート、各内側クラッチプレート、フロントカバーおよびロックアップピストンの間に摩擦材を配置する構造の5面の多板クラッチで構成するようにしてもよい。また、いわゆる4面の多板クラッチや6面以上の多面の多板クラッチで構成するようにしてもよい。
以上のように、本発明に係るロックアップクラッチ機構は、簡素な構成でフロントカバーを容易に作製でき、フロントカバーとロックアップクラッチ機構とが摩擦係合するロックアップ状態におけるフロントカバーの平面度を確保することにより、トルク容量を確保することができるとともに、耐久性を向上させることができ、ロックアップクラッチ機構全般に有用である。
1 エンジン(駆動源)
2 クランクシャフト(駆動源の出力軸)
3 ドライブプレート
10 自動変速機
12 入力軸(被駆動側の入力軸)
20、60 流体伝動装置
21、61 フロントカバー
22 ポンプインペラ
23 タービンランナ
24 タービンハブ
25 ステータ
26 ワンウェイクラッチ
27 ダンパ機構
28、62 ロックアップクラッチ機構
32、64 連結部材
36、68 プレート対向面
37、69 ピストン対向面
37a、37b、37c、37d、37e、37f、71a、71b、71c、71d、71e、71f 反対面部
38ab、38bc、38cd、38de、38ef、38fa、72ab、72bc、72cd、72de、72ef、72fa 中間面部
51、81 ロックアップピストン
52、86、87、88 摩擦材
82 外側ドラム
83 内側ドラム
84 外側クラッチプレート
85 内側クラッチプレート

Claims (7)

  1. 駆動源の出力軸からドライブプレートを介して動力を受けるフロントカバーと、前記フロントカバーに連結されたポンプインペラと、前記ポンプインペラに対向して配置され、被駆動側の入力軸に連結されたタービンランナと、油圧に基づいて係合、解放されるロックアップクラッチ機構とを備えた流体伝動装置であって、
    前記ロックアップクラッチ機構が、前記フロントカバーと前記タービンランナとの間に配置され、前記入力軸の軸線方向に沿って前記フロントカバーに近接、離隔自在なロックアップピストンと、前記ロックアップピストンの前記フロントカバーに対向する対向面に固着された摩擦材とを有し、
    前記フロントカバーが、前記ロックアップピストンに対向するピストン対向面と、前記ドライブプレートに対向するプレート対向面とを有するとともに、前記プレート対向面の円周上で等間隔に配置され、前記ドライブプレートと連結するための複数の連結部材を有し、
    前記ピストン対向面が、前記各連結部材の反対側に位置する反対面部と、互いに隣接する前記反対面部の中間に位置する中間面部とを有し、前記中間面部は前記反対面部よりも前記ロックアップピストン側に突出して形成されたことを特徴とする流体伝動装置。
  2. 前記中間面部は、前記反対面部から前記中間面部の中央に近づくにしたがって徐々に前記ロックアップピストン側に突出して形成されたことを特徴とする請求項1に記載の流体伝動装置。
  3. 前記フロントカバーが、外周縁部を有するとともに、前記外周縁部から前記ロックアップピストン側に突出して形成された筒状部を有し、前記連結部材が前記筒状部と反対側の前記外周縁部に接合されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流体伝動装置。
  4. 前記摩擦材と前記フロントカバーとが摩擦係合する係合状態のとき、前記反対面部と前記中間面部とが同一平面となり前記ピストン対向面の全面で前記摩擦材と均一に摩擦係合するようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1の請求項に記載の流体伝動装置。
  5. 前記フロントカバーが、6個の前記連結部材を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1の請求項に記載の流体伝動装置。
  6. 前記ロックアップクラッチ機構が、前記フロントカバーと前記ロックアップピストンとの間で、前記ロックアップピストンの軸線方向に移動可能、かつ前記ロックアップピストンと一体回転可能な少なくとも1つの第1クラッチプレートと、前記軸線方向に移動可能、かつ前記フロントカバーと一体回転可能な少なくとも1つの第2クラッチプレートとを有し、前記フロントカバーと、前記第1クラッチプレートと、前記第2クラッチプレートと、前記ロックアップピストンとが、それぞれ摩擦材を介して摩擦係合することにより、前記フロントカバーと前記ロックアップピストンとが係合状態となる多板クラッチを備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1の請求項に記載の流体伝動装置。
  7. 駆動源の出力軸からドライブプレートを介して動力を受けるフロントカバーと、前記フロントカバーに連結されたポンプインペラと、前記ポンプインペラに対向して配置され、被駆動側の入力軸に連結されたタービンランナと、油圧に基づいて係合、解放されるロックアップクラッチ機構とを備え、前記ロックアップクラッチ機構が、前記フロントカバーと前記タービンランナとの間に配置され、前記入力軸の軸線方向に沿って前記フロントカバーに近接、離隔自在なロックアップピストンと、前記ロックアップピストンの前記フロントカバーに対向する対向面に固着された摩擦材とを有し、前記フロントカバーが、前記ロックアップピストンに対向するピストン対向面と、前記ドライブプレートに対向するプレート対向面とを有するとともに、前記プレート対向面の円周上で等間隔に配置され、前記ドライブプレートと連結するための複数の連結部材を有する流体伝動装置の製造方法であって、
    被加工材を成形し前記フロントカバーの成形品を得る成形工程と、
    前記成形工程により得られた前記成形品を保持する保持工程と、
    前記保持工程により保持された前記成形品の、前記フロントカバーの前記各連結部材が取り付けられる連結部材取付箇所を所定の圧力で押圧する押圧工程と、
    前記押圧工程で押圧された前記成形品の前記連結部材設置箇所の反対側の側面を平坦に切削する切削工程と、を含むことを特徴とする流体伝動装置の製造方法。
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