JP2011144576A - 吊子及びこれを備えた屋根板取付け金具 - Google Patents
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Abstract
【課題】屋根の伸縮に伴う前後動を行うために長孔を有する吊子において、取り付けのためのボルトとの位置関係を正しく規制して、負圧又は正圧の作用状態でも吊子の円滑な移動を確保する。
【解決手段】吊子11における長孔12又はこれより下方の位置に、左右方向に突出して前記屋根板取付け金具31内における上下方向での位置規制をする規制部21を設ける。この規制部21は、左右方向における前記長孔12を有する位置を基準にして左右方向の一方へ水平に突出する第1突部22と、該第1突部22の先端位置を基準にして前記第1突部22とは異なる高さにおいて斜めに他方へ戻る第2突部23と、該第2突部23から下に垂直に延びる垂直部24を備え、長孔12のボルト35に対する位置関係を正しく規制し、抜け止め等の作用と相俟って、長孔12の変形を抑制する。
【選択図】図2
【解決手段】吊子11における長孔12又はこれより下方の位置に、左右方向に突出して前記屋根板取付け金具31内における上下方向での位置規制をする規制部21を設ける。この規制部21は、左右方向における前記長孔12を有する位置を基準にして左右方向の一方へ水平に突出する第1突部22と、該第1突部22の先端位置を基準にして前記第1突部22とは異なる高さにおいて斜めに他方へ戻る第2突部23と、該第2突部23から下に垂直に延びる垂直部24を備え、長孔12のボルト35に対する位置関係を正しく規制し、抜け止め等の作用と相俟って、長孔12の変形を抑制する。
【選択図】図2
Description
この発明は、金属製の屋根板を取り付けるのに用いられる屋根板取付け金具の吊子に関し、より詳しくは、熱により屋根板が伸縮したときにその伸縮に伴って前後動して屋根板の歪を取り除くことが可能な吊子に関する。
このような吊子を有する屋根板取付け金具としては、たとえば下記特許文献1の金具がある。この屋根板取付け金具に用いられる吊子は、左右方向に挿入されるボルトによって屋根板取付け金具に保持されるもので、前後動を可能にするため、そのボルトを挿通する部分に長孔を有する。
また、金属板を折曲してなる前記吊子は、負圧がかかったときの耐久性を高めるべく、下端にはレ字状に折曲された抜け止め片が形成されるとともに、前記長孔よりも上方には、水平に突出する抜け止め片が形成されている。この抜け止め片の突出方向は、前記レ字状の抜け止め片と反対側である。
このような構成によって、屋根板の伸縮に伴った円滑な前後動が可能となり、負圧に対しても強いという効果がある。
しかしながら、吊子の製造において、前記2本の抜け止め片と長孔は、それぞれ順次形成されるものであって、同時に形成されるものではない。このため、2本の抜け止め片の距離が離れていることと相俟って、製作誤差により長孔内におけるボルトの上下位置がずれるおそれがある。ボルトの上下位置が偏ると、負圧や正圧が作用して吊子が変形した場合に、ボルトと長孔の衝突が生じる。
ボルトと長孔が当たると、長孔に凹みができる。そして、この凹みが、負圧又は正圧の作用状態で吊子が前後動するときに引っ掛かりとなり、吊子の円滑な移動が阻害されてしまう。
このような不都合の発生をなくすには、長孔の径を大きくすればよいが、吊子が屋根板取付け金具から外れるのを防ぐのは、最終的にはボルトであるので、長孔は大きくしすぎないほうがよい。
そこでこの発明は、ボルトに対する長孔の位置関係を正しく規制して、負圧又は正圧の作用状態でも吊子の円滑な移動を確保できるようにすることを主たる目的とする。
そのための手段は、屋根板取付け金具に取り付けて使用され、取り付けた屋根板の伸縮に伴って前後動可能にすべく移動方向に延びる長孔を上下方向の中間部に有した吊子であって、前記長孔又はこれより下方の位置に、左右方向に突出して前記屋根板取付け金具内における上下方向での位置規制をする規制部が形成され、該規制部には、左右方向における前記長孔を有する位置を基準にして左右方向の一方へ突出する第1突部と、該第1突部の先端位置を基準にして前記第1突部とは異なる高さにおいて他方へ戻る第2突部と、該第2突部から下に垂直に延びる垂直部を有する吊子である。
前記「第1突部の先端位置を基準にして」とは、左右方向での相対的な位置関係を示す意味であり、第1突部の先端位置と第2突部の端の位置が左右方向での同一という意味ではない。
前記規制部は、ボルトの挿通位置である長孔又はこれより下方において抜け止め作用をするとともに、長孔の上下方向での位置を定める。また、規制部を構成する第1突部と第2突部と垂直部は同時に形成されないとしても、距離が近く形態の上で一つのまとまったものとなるので、寸法精度高く形成でき、これが屋根板取付け金具内での吊子の上下左右位置を規制しながら、前後動を許容する。
前記第1突部と第2突部は重なっているのもよいが、両者間に、前記屋根板取付け金具における対応部位と嵌合する隙間が形成されると、前後動のための軌道を安定させ易い。
前記長孔の上縁に前記第1突部を形成し、下縁に前記第2突部を形成することもできる。このとき、第1突部の突出長さと第2突部の突出長さは同一であっても、異なっていてもよい。
前記規制部は、吊子に一体形成されたものであると、部品点数、組立て工数を低減してコストを抑えられる。特に、前記第1突部、第2突部および垂直部が一体であると、より一層のコスト低減を図れる。
別の手段は、前記吊子を備えた屋根板取付け金具である。
この発明によれば、ボルトを挿通する部位である長孔又はそれより下方に規制部を有するので、ボルトに対する長孔の位置関係を正しく規制しやすい。このため、規制部による抜け止め等の作用と相俟って、長孔の変形を抑制することができる。この結果、負圧又は正圧の作用状態における吊子の円滑な移動が確保可能である。
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
図1は吊子11の斜視図であり、図2は、この吊子11を備えた屋根板取付け金具31(以下、「金具」という。)の縦断面図である。
図1は吊子11の斜視図であり、図2は、この吊子11を備えた屋根板取付け金具31(以下、「金具」という。)の縦断面図である。
金具31は、下葺屋根や梁材等の下地材41の上方に屋根板を取り付けるために、前記下地材41の上に固定される。図示例の金具31は、取り付けた屋根板からの熱を下方に伝えない断熱性能を発揮するための金具31で、金属製の締め付け部材32と、これによって挟持される合成樹脂製の断熱部材33を有する。
そして、前記吊子11は断熱部材33に対して、前記締め付毛部材32とは非接触に保持されるとともに、取り付けた屋根板の伸縮に伴って前後動可能である。つまり、前記断熱部材33は、略直方体形状をなし、左右方向の中間位置には、前後方向に貫通し上方が開放された吊子保持溝34を有する。この吊子保持溝34の形状は、吊子11に対応して形成される。また、上下方向の中間位置であって前後方向の中間部には、前記吊子保持溝34に保持した吊子11を突き通し、吊子11が上へ抜けるのを阻止するボルト35が保持される。
吊子11には、前記ボルト35の挿通を許容し、前後動を可能にするため、移動方向、すなわち前後方向に延びる長孔12が、上下方向の中間部、より具体的には、前記吊子保持溝34内に納まる部分における上下方向の中間部に形成される。この長孔12の長さが、吊子11の移動範囲を規制することになる。
また、吊子11の上端縁部には、屋根板を取り付けるための係止縁13が形成されている。この係止縁13の形状には様々なものがあり、如何なる形態であるもよい。図1においては、(a)に角はぜの吊子11、(b)に丸はぜの吊子11を示した。以下の説明において、吊子11の係止縁13の形状として角ハゼを主に示すが、その他の形状であってもよいことはもちろんである。
このような概略構造をなす吊子11は、前記長孔12又はこれより下方の位置に、左右方向に突出して前記金具31内における上下方向での位置規制をする規制部21を有する。この規制部21には、左右方向における前記長孔12を有する位置を基準にして左右方向の一方へ突出する第1突部22と、該第1突部22の先端位置を基準にして前記第1突部22とは異なる高さにおいて他方へ戻る第2突部23と、該第2突部23から下に垂直に延びる垂直部24が形成されている。また、前記規制部21が吊子11に一体形成され、その規制部21を構成する前記第1突部22、第2突部23および垂直部24は一体である。
具体的に説明すると、吊子11は、1枚の金属板で構成され、所定位置に前記長孔12が形成され、この長孔12より若干下方の直下位置に、左右方向の一方(図面右方)に水平に突出する第1突部22が形成されている。この第1突部22の突出長さは全体のバランスを考慮して適宜設定される。以下、第1突部22を含めてその他の部位についても同様である。また、第1突部22は吊子11の長手方向の全体にわたって形成される。
そして、この第1突部22の先端に、第1突部22から連続して長孔12の直下位置に戻るべく他方(図面左方)斜め下に向けて延びる第2突部23を有する。この第2突部23も、吊子11の長手方向の全体にわたって形成され、第1突部22とは異なる高さに形成されることになる。
第2突部23は第1突部22の先端から連続して形成され、しかも斜め下に延びるので、第1突部22と第2突部23の間に隙間25が形成されることになる。
この第2突部23の下端には、長孔12の直下位置において下に垂直に延びる前記垂直部24を有する。この垂直部24も吊子11の長手方向の全体にわたって形成される。また、前記のように垂直部24の長さも全体のバランスを考慮して適宜設定される。以下、同様である。
吊子11がこのような形態であるため、前記断熱部材33の吊子保持溝34は、図2に示したように、吊子11の縦断面形状に対応する形状となる。このため、前記第1突部22と第2突部23との間に形成される三角形状の前記隙間25に対応する断面三角形状の段部36が、吊子保持溝34の脇に形成され、第1突部22及び第2突部23の位置が規制される。この結果、長孔12と前記ボルト35との位置関係が正しく規制される。また、負圧および又は正圧が作用したときには、段部36が吊子11の第1突部22及び第2突部23を受けて、吊子11の抜け止め等をするとともに、吊子11の移動や変形を抑制する。
したがって、ボルト35が当たることによる長孔12の変形を抑制でき、負圧又は正圧の作用状態における吊子11の円滑な移動が確保可能である。
よって、このような吊子11を備えた屋根板取付け金具31は、屋根に負圧や正圧が作用している状態でも屋根板の伸縮による歪を速やかに吸収することができ、音鳴り等の不都合を回避することができる、優良な屋根板取付け金具31となる。
なお、屋根板取付け金具31は断熱部材33を備えない構造のものであるもよい。
以下、吊子11のその他の形態について説明する。この説明において、先の構成と同一又は同等の部位については同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図3は、図1に示した吊子11が1枚の金属板をそのまま使用したのに対して、吊子11における吊子保持溝34に納まる部分を、吊子11の下端において折り返して、二重に構成した例である。図3中、(a)は吊子11の斜視図、(b)は断熱部材33に組み付けた状態の断面図を示す。
吊子11の規制部21の形態は図1の例と同様である。また、二重に重なり合う部分ついては、図示しないが、吊子11の前後動に影響がない長手方向の両端部においてカシメや溶接等の適宜の手段で一体性を高めておくとよい。以下の説明においても同様である。
吊子保持溝34に納まる部分において、二重に重なり合うとともに、二重に重なり合った状態で一連の第1突部22と第2突部23と垂直部24が形成されているので、きわめて高い剛性を得られ、前記の作用効果を高めることができる。
図4は、図1に示した吊子11の下端に、第1突部22の突出方向とは反対方向の斜め上に向けて延びる第3突部26が形成された吊子11の例を示す。図4中、(a)は吊子11の斜視図、(b)は断熱部材33に組み付けた状態の断面図である。
すなわち、吊子11の規制部21の下、垂直部24の下端から、他方(図面左方)斜め上に向けて延びる前記第3突部26が吊子11の長手方向の全体にわたって形成されている。
この第3突部26も、規制部21と同様に、断熱部材33内での位置決めや抜け止め等の作用を果たすので、規制部21との協働によって、前記効果をより一層確実なものとすることができる。
図5は、図4に示した吊子11が1枚の金属板をそのまま使用したのに対して、吊子11における吊子保持溝34に納まる部分、すなわち規制部21と第3突部26を含む部分を、折り返しにより二重に構成した例である。図5中、(a)は吊子の斜視状態を、(b)は断熱部材に組み付けた状態の断面を示す。規制部21の形態は図4の例と同様である。
図6は、図1等に示した吊子11が第2突部23を斜め下に向けているのに対して、水平に形成した吊子11を示している。図6中、(a)は吊子11の斜視図、(b)は断熱部材33に組み付けた状態の断面図である。
すなわち、長孔12より若干下方の直下位置に、左右方向の一方(図面右方)に水平に突出する第1突部22が形成されており、この第1突部22の先端に、半円形に湾曲する湾曲部27を介して、長孔12の直下位置に戻るべく他方(図面左方)に向けて水平に延びる第2突部23を有する。第1突部22と第2突部23との間には隙間25が形成され、第1突部22と湾曲部27と第2突部23で横U字状をなす。
第2突部23の下端には、長孔12の直下位置において下に垂直に延びる垂直部24を有する。
なお、このような形状の規制部21は一重でもよいが、図3等に示したのと同様、図6では二重に形成した例を示している。
吊子11がこのような形態であるため、前記第1突部22と第2突部23との間に形成される略長方形状の前記隙間25に対応する板状の段部36が、吊子保持溝34の脇に形成され、第1突部22及び第2突部23の位置が規制される。
図7は、図6に示した吊子11の規制部21が第1突部22と第2突部23の間に隙間25を有する形状であるのに対して、隙間のない形状の吊子11を示している。図7中、(a)は吊子11の斜視図、(b)は断熱部材33に組み付けた状態の断面図である。
吊子11がこのような形態であるため、前記断熱部材33の吊子保持溝34は、吊子11の縦断面形状に対応する形状となる。
なお、このような形状の規制部21は、一重でもよいが、図3等に示したのと同様、図7では二重に形成した例を示した。
図8は、図6に示した吊子11の下端(垂直部24の下端)に、第1突部22の突出方向とは反対方向の斜め上に向けて延びる第3突部26が形成された吊子11の例を示す。図8中、(a)は吊子11の斜視図、(b)は断熱部材33に組み付けた状態の断面図である。
すなわち、吊子11の規制部21の下、垂直部24の下端から、他方(図面左方)斜め上に向けて延びる前記第3突部26が吊子11の長手方向の全体にわたって形成されている。
この第3突部26も、規制部21と同様に断熱部材33内での位置決めや抜け止め等の作用を果たすので、規制部21との協働によって、前記効果をより一層確実なものとすることができる。
なお、このような規制部21や第3突部36は一重でもよいが、図3等に示したのと同様、図8では二重に形成した例を示した。
図9は、前記長孔12の上縁に前記第1突部22を有し、下縁に前記第2突部23を有する吊子11の例を示す。図9中、(a)は吊子11の斜視図、(b)は断熱部材33に組み付けた状態の断面図である。
すなわち、吊子11は、1枚の金属板で構成され、所定位置に前記長孔12が形成される。この長孔12の上側の縁(上縁)に、左右方向の一方(図面右方)に水平に突出する第1突部22が形成されている。
そして、この第1突部22とは別に、第1突部22の先端位置を基準にして長孔12の下側の縁(下縁)に戻るべく他方(図面左方)に向けて水平に延びる第2突部23を有する。
規制部21を構成するこれら第1突部22と第2突部23は、長孔12を形成するときに切り起こすことで形成できるので、この例においては、第1突部22と第2突部23は長孔12の縁に沿って連続して形成した例を示したが、図10に示したように、上縁及び下縁、又はその近傍のみの限られた範囲に形成して、第1突部22と第2突部23を分離してもよい。また、第1突部22と第2突部23の突出長さは異なっていてもよい。
この第2突部23の下端には、長孔12の直下位置において下に垂直に延びる垂直部24を有する。この垂直部24は吊子11の長手方向の全体にわたって形成される。
また、この例においては、図4に示した吊子11と同様に、吊子11の下端(規制部21の下端)に、第1突部22の突出方向とは反対方向の斜め上に向けて延びる第3突部26が形成された吊子11を示す。すなわち、吊子11の垂直部24の下端から、他方(図面左方)斜め上に向けて延びる第3突部26が吊子11の長手方向の全体にわたって形成されている。この第3突部26は省略できる。
吊子11がこのような形態であるため、前記断熱部材33の吊子保持溝34は、一体となった第1突部22及び第2突部23と垂直部24と第3突部26を前後方向に通過可能な断面形状となる。
第1突部22と第2突部23の位置が長孔12に最も近いので、より正確に長孔12とボルト35の位置関係を正しく規制できる。同時に、上下方向で離れていながらも一体をなす第1突部22と第2突部23が、かかる負荷に対して良好に対抗する。
また、第1突部22と第2突部23が、それぞれ長孔12の上縁と下縁に一体に形成され、しかもこれらは水平方向に延びている。このため、たとえボルト35と長孔12が衝突したとしても、荷重を面で受けることができる。つまり、板材を打ち抜くだけで形成された長孔の場合のように荷重を線で受ける場合に比して、長孔に凹みが生じるような不都合を抑制できる。この結果、負圧や正圧が作用している状態での吊子11の前後動の円滑さを確保できる。
図11は、図9に示した吊子11が1枚の金属板をそのまま使用したのに対して、吊子11における吊子保持溝に納まる部分を、折り返しによって二重に構成した例である。図11中、(a)は吊子11の斜視状態を、(b)は断熱部33に組み付けた状態の断面を示している。吊子11の規制部21の形態は図9の例と同様であるが、第1突部22と第2突部23は一重である。
図12は、図7に示した吊子の規制部21の下端(垂直部24の下端)に、第1突部22と同一方向に水平に延びる第3突部26を吊子11の長手方向全体にわたって備えた吊子11の例を示す。図12中、(a)は吊子11の斜視図、(b)は断熱部材33に組み付けた状態の断面図である。
前記断熱部材33の吊子保持溝34は、吊子11の縦断面形状に対応する形状となる。
この吊子11では、相互に重合する第1突部22及び第2突部23と第3突部26の間には、垂直部24の長さぶんの隙間28ができるので、この隙間28に嵌合する段部37が吊子保持溝34の脇にできることになり、前記と同様、位置規制や抜け止めの効果を高めることができる。
図13は、図12に示した吊子の第3突部26を他方(図面左方)に向けて水平に延設するとともに、この第3突部26と規制部21を含む吊子11の下側部分を一重ではなく二重に構成した吊子11の例を示している。図13中、(a)は吊子11の斜視図、(b)は断熱部材33に組み付けた状態の断面図である。
この吊子11では、二重にしたことにより剛性が増大することに加えて、第3突部26が他方にまで延設されており、引っ掛かる部分が増えるので、前記の効果を更に確実なものとすることができる。
図14は、図4に示した吊子11における規制部21の第1突部22と第2突部23の間の隙間25をなくし、第2突部23を水平に形成した吊子11の例を示している。また、この例では、第3突部26部分と垂直部24部分を、図5等に示した吊子11と同様に、二重に形成した。
図14中、(a)は吊子11の斜視図、(b)は断熱部材33に組み付けた状態の断面図である。
図14中、(a)は吊子11の斜視図、(b)は断熱部材33に組み付けた状態の断面図である。
図15は、図11に示した吊子11の長孔12よりも上方に、長手方向全体にわたって第4突部29を有した吊子11の例を示している。図15中、(a)は吊子11の斜視図、(b)は断熱部材33に組み付けた状態の断面図である。
このような吊子11では、規制部21のほかに第3突部26、第4突部29と、より多くの突部が存在するので、負圧や正圧が作用したときの耐久性がより高まる。
なお、図1、図3〜図8、図12〜図14に例示した吊子11では、長孔12の下に若干の間隔をあけて第1突部22を形成しているが、図16に示したように、長孔12に接する又は近接する位置に第1突部22を形成することもできる。この場合には、第1突部22が長孔12の下縁又はその近傍に一体に形成され、しかもこれらは水平方向に延びているため、たとえボルト35と長孔12が衝突したとしても、荷重を面で受けることができる。つまり、板材を打ち抜くだけで形成された長孔の場合のように荷重を線で受ける場合に比して、長孔に凹みが生じるような不都合を抑制できる。この結果、負圧が作用している状態での吊子11の前後動の円滑さを確保できる。
図16において、(a)〜(j)は、それぞれ、図1、図3〜図8、図12〜図14に示した吊子11に対応するものである。
以上は、この発明を実施するための一形態であって、この発明の構成は前記の構成のみに限定されるものではなく、その他の形態を採用することができる。
11…吊子
12…長孔
21…規制部
22…第1突部
23…第2突部
24…垂直部
25…隙間
31…屋根板取付け金具
12…長孔
21…規制部
22…第1突部
23…第2突部
24…垂直部
25…隙間
31…屋根板取付け金具
Claims (6)
- 屋根板取付け金具に取り付けて使用され、取り付けた屋根板の伸縮に伴って前後動可能にすべく移動方向に延びる長孔を上下方向の中間部に有した吊子であって、
前記長孔又はこれより下方の位置に、左右方向に突出して前記屋根板取付け金具内における上下方向での位置規制をする規制部が形成され、
該規制部には、左右方向における前記長孔を有する位置を基準にして左右方向の一方へ突出する第1突部と、該第1突部の先端位置を基準にして前記第1突部とは異なる高さにおいて他方へ戻る第2突部と、該第2突部から下に垂直に延びる垂直部を有する
吊子。 - 前記第1突部と第2突部との間に、前記屋根板取付け金具における対応部位と嵌合可能な隙間が形成された
請求項1に記載の吊子。 - 前記長孔の上縁に前記第1突部を有し、下縁に前記第2突部を有する
請求項1または請求項2に記載の吊子。 - 前記規制部が吊子に一体形成された
請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載の吊子。 - 前記第1突部、第2突部および垂直部が一体である
請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載の吊子。 - 前記請求項1から請求項5のうちのいずれか一項に記載の吊子を備えた
屋根板取付け金具。
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