JP2011144529A - 遮音間仕切り下地構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】高層ビル間仕切りの建物躯体変形に対応する遮音性に優れた鋼製下地構造を提供すること。
【解決手段】天井スラブと床スラブ等躯体に固定されている上ランナ5と下ランナ5間に、長尺鋼板をコ字形状でリップを有する断面形状に折曲形成され、所定の間隔で立設するスタッド1(2)において、所望の矩形状のフイルムラミネ−ト鋼板の短辺両端部が、フイルムを外側に有して半円形状で上向きに折曲形成され、長辺中央部の片側では、略U字形で上向きに加工されているスペ−サ3の略U字形部を、前記スタッド9のウェブ部で所定の間隔で鍵穴状に有している半円形状の開口部4に挿入し、前記半円形状の開口部の下部に付随しているくさび状のガイド溝に沿って、下方に移動することにより、前記略U字形部が挟持され結合し一体化されたスタッド1(2)で構成する遮音間仕切り下地構造。
【選択図】図6

Description

本発明は、構築物、建築物の間仕切り壁における遮音性および防耐火性に有用であるせっこうボ−ドの、その下地に関し、特に高層ビル間仕切りの遮音性・施工性および建物躯体変形に対応する間仕切り下地構造に関するものである。
従来、建築物のせっこうボ−ド間仕切り壁の場合には、一般的に、図7および図8に示す方法で行われている。即ち、建物内部の天井及び床部に、断面コ字形状のランナを設置し、上ランナ8,下ランナ8間で、所定の位置に断面略C字形状の単一断面の間柱(スタッド9)を立設し、前記スタッド9の断面略C字形状の開口部に所定の間隔でスタッドスペ−サ10を取付け、各のスタッド9間を振れ止め11で繋いで、連続した間仕切り下地壁を構築している。次いで、前記スタッド9の両面に、せっこうボ−ド6(低層建築の場合はボ−ド厚12.5mmが多く使用されている)を張りながらタッピンねじ7で固定している。
一般に間仕切り壁は、特に面外剛性(壁間仕切り壁面の水平方向の荷重に対する剛性)が要求されるが、間仕切り壁を構成している通常のスタッド9(C形)のみでは十分な面外剛性を得ることができず、スタッドスペ−サ10で補強措置をしている。
次いで、従来のスタッド9のフランジ寸法は45mmで統一されており、せっこうボ−ド6を、スタッド9に取付ける際のタッピンねじ7の留付け位置は、せっこうボ−ド6の縁より10mm前後で施工されている。
スタッドスペ−サ10は、図8に示すように、略C字形状スタッド9の開口部間9bに嵌め込み固定するが、その仕組みは、前記スタッド9のスプリングバックの弾性の性質を利用して(フランジとウェブとの曲げ角度を鋭角に加工して、C形スタッド9の開口部寸法が、スタッドスペ−サ切り欠き部間の長さ寸法より小さく製作されている)挟めていて、前記スタッドスペ−サ10の羽部10a位置は、前記スタッド9の外側に有しており、工事中でも、工事完了後でも前記スタッドスペ−サ10の羽部10aに、人や物が接触すると、接点が金属同士故に、滑って、スタッドスペ−サ10が簡単にずれたり、外れ落ちたりする欠点がある。そこで、位置ずれや脱落を生じないようなスペ−サの工法が、実開平07−029111号(第1公知例)で開示されている。
近年、超高層ホテルや、超高層マンションに、耐火性があり軽量で高い遮音性能にすぐれたせっこうボ−ド間仕切り壁が、非耐力壁の耐火遮音壁として増加している。その耐火遮音壁構造は、フランジ幅45mmのスタッド9に、強化せっこうボ−ド厚21mmを張って施工しているが、ボ−ドが厚いため不具合が生じている。また、高層ビルに揺れが生じた場合、スタッド9と振れ止め11およびスペ−サ10がこすれ合って、きしみ音や金属音等が発生することがあり、特に夜間のホテルで問題になっている。
実開平07−029111号
しかしながら、せっこうボ−ド間仕切り壁の下地は、低層建築でも、高層建築でもせっこうボ−ドの厚さに関係なく、スタッド9のフランジ幅が従来通り45mmで統一されていて、近年の超高層マンション戸境壁(住戸間の間仕切り壁)の場合でも、スタッド9のフランジ幅45mmの両面に、強化せっこうボ−ド厚21mmが使用されており、せっこうボ−ド6のへりあき(せっこうボ−ドの端部からタッピンねじの径芯までの距離)はボ−ド厚の約半分の10mm前後で施工され、不具合が生じている。例えば、タッピンねじ7の長さは32〜38mmを使用しているが、長いタッピンねじ7を留める際は、施工精度が必要で、作業者の熟練度により施工時間や仕上がりが変わるので施工性が悪い。また、ボ−ド厚に対してへりあき寸法が小さいため、地震等のスタッドの揺れが大きいと、せっこうボ−ド6端部の破損が発生する可能性もある。
特許文献1の場合は、スペ−サの全体が磁石で構成されるか、少なくとも鋼製のスタッドに当接する面が磁石で形成されるか又は磁石を固着してあり、スタッドの開口部にスペ−サの磁力による吸着作用により、簡単に取り付けができ、一次的なスタッドの揺れ等変形があっても、スペ−サの磁力による吸着作用によりスタッドに容易に追従し、位置ずれや脱落は生じ難くなることで、評価はできるが、磁石の材料費、または、磁石をスペ−サに一体化させる加工費等を考慮するとコスト面で難点がある。
次いで、従来のスタッドスペ−サ10は、図8に示すように、スタッド9の開口部面9bに、スタッドスペ−サ10の切り欠き部10bを嵌め込み固定するが、スタッドスペ−サ10の下部羽部10aは、前記スタッド9のリップ面9aの表面の位置にぶらさがった状態になっている。すなわち、前記スタッドスペ−サ10は前記スタッド9の開口部面9b間で狭持され、その狭持された位置が軸となり、前記羽部10aは、懸垂状態で前記スタッド9のリップ面9aの表面に位置している。建物の揺れの方向にもよるが、スタッド9に応力がかかると、前記羽部10aはフリ−の状態のため、前記羽部10aに水平方向の力が働き、前記リップ面9aとの衝突音が発生することが想定される。
上記課題を解決するための本発明に係わる遮音間仕切り下地構造は、壁芯に沿った天井スラブと床スラブ等躯体に固定されているコ字形状の上ランナと下ランナ間に、長尺鋼板をコ字形状でリップを有する断面形状に折曲形成され、所定の間隔で立設するスタッドにおいて、所望の矩形状のフイルムラミネ−ト鋼板の短辺両端部が、フイルムを外側に有して半円形状で上向きに折曲形成され、長辺中央部の片側では、略U字形状で上向きに加工されているスペ−サの略U字形部を、前記スタッドのウェブ部で所定の間隔で鍵穴状に有している半円形状の開口部に挿入し、前記半円形状の開口部の下部に付随しているくさび状のガイド溝に沿って、下向に移動することにより、前記略U字形部が挟持され結合し一体化されたスタッドを特徴とする。
上記において、前記スタッドにおいて、フランジの幅が異なる大と小の2種類を成形し、せっこうボ−ドのジョイント部には前記スタッドのフランジ幅大を、せっこうボ−ドの中間部には所定の間隔で前記スタッドのフランジ幅小を配置して、連続間仕切り下地を構成する上記に記載の遮音間仕切り下地構造。
(A)本発明に係わる遮音間仕切り下地構造によれば、スタッドスペ−サがスタッドの開口部に狭持されスペ−サの羽部が外部に出ている従来技術と異なり、本発明の技術は、スペ−サがスタッド内部に内蔵され、スタッドのウェブに有する開口部にはスペ−サのU字形部が結合されており、衝撃があってもスタッドスペ−サは落下しない工法である。したがって、作業容易化等の施工性の向上および工期短縮に繋がる。
(B)本発明に係わる遮音間仕切り下地構造によれば、スタッドのウェブ側の開口部には、U字形部の外側にフイルムを緩衝材として有するスペ−サのU字形部が結合されている。また、スタッドフランジ部の内側にも、半円形状の外側にフイルムを圧着した鋼板製のスペ−サが取り付けられている。すなわち、接触する金属間にフイルムが緩衝材として嵌入されていて、さらに、スタッドのフランジに揺れ等の応力が生じると、スタッドフランジ部からスペ−サに伝達する場合の力の接点が、面でなく、線として最小限の面積の接点で介在するシステムである。したがって、金属同士でのこすれ音は発生し難い構造である。
(C)本発明に係わる遮音間仕切り下地構造によれば、せっこうボ−ドのジョイント部に、スタッドのフランジ幅を従来の規格寸法より大きくすることにより、せっこうボ−ド端部において、ボ−ド厚に近い寸法のへりあきが可能である。したがって、せっこうボ−ド端部の破損防止と作業容易化等の施工性の向上および工期短縮に繋がる。
(D)本発明に係わる遮音間仕切り下地構造によれば、上記に既述したように高層ビルの揺れに対応した考案であり、従来技術と異なるせっこうボ−ドの間仕切り鋼製下地材のシステムである。
本発明に係わる遮音間仕切り下地構造における構造概略の一例を示す模式図である。 図1の1(スタッド大タイプ)の接合箇所を分解した説明図であり、(a)はスタッド大タイプ、(b)はスペ−サの一例を示す模式図である。 図1の2(スタッド小タイプ)部分の一例を示す模式図である。 本発明に係わる遮音間仕切り下地構造の構築過程を順次示す模式図であり、図2〜図3に示すスタッドを用いて組立を行う説明図である。 図2(b)に示しているスペ−サをスタッドに組込む手順を示す説明図であり、(a)スペ−サの垂直状況、(b)スペ−サの水平状況の一例を示す模式図である。 図4に示した組立後のスタッドに、図5に示す要領でスペ−サを用いて、遮音間仕切り下地構造の構築過程を順次示す模式図である。 従来技術に係わる軸組構造の間仕切り壁工法を示す模式図である。 従来技術に係わるスタッドにスペ−サを施した部分を示す模式図である。
以下、図1〜図8に基づいて、本発明を実施するための最良の形態を説明する。図1は本発明に係わる遮音間仕切り下地構造における構造概略の一例を示す模式図である。図1に示すように遮音間仕切り下地構造として使用される本発明に係わる各部材は、スタッド大タイプ1、スタッド小タイプ2、スペ−サ3,鍵穴状の開口部4,ランナ5,せっこうボ−ド6、およびタッピンねじ7から構成されている。
図2〜図3は、本発明に係わる遮音間仕切り下地構造のスタッドとスペ−サの一例を示す模式図であり、図2のスタッド大タイプ1は,ウェブ1a、フランジ1b、リップ1c、およびウェブ1aの鍵穴状の開口部4から構成され、開口部4は、半円形状口4aとガイド溝4bから形成されている。また、スペ−サ3は、U字形状3aと半円形3bで形成されていて、図3のスタッド小タイプ2は,ウェブ2a、フランジ2b、リップ2c、および、ウェブ2aの鍵穴状の開口部4で構成され、開口部4は、半円形状口4aとガイド溝4bで形成されている。以下、これに沿って説明する。
スタッド大タイプ1は、図2(a)と図4に示すように、先ず、長尺鋼板の中心部に0.6〜0.9mの間隔で、鋼板を切削して鍵穴状の孔4を切削するが、半円形状口4aの部分は直径30〜50mm程度の円形をトンネル形状にし、くさび状のガイド溝4bの部分は、半円形状口側の幅を20〜30mm、半円形状口の反対側を18〜28mm程度、長さは30〜50mm程度のくさび形状で加工する。次に、前記で鍵穴状に加工された鋼板の長辺両方向端部を図2(a)と図4に示すように、コ字状に折曲げてから、さらに、内向きに折曲げリップ1cを製作する。その際、図2(a)に示すように、ウェブ1aに台形形状の窪み加工や、フランジ1bに溝を複数または単数加工する場合もある。スペ−サ3については、図2(b)に示すように、矩形状ラミネ−ト鋼板の短辺両端を、フイルム12を外側にして半円形3bに、長辺片側の中央部もフイルム12を外側にして略U字形状3aに折曲げ加工して製作する。スタッド大タイプ1のサイズは、ウェブ幅が50〜100mm程度、フランジ幅が50〜65mm程度、リップ幅が3〜10mm程度、長さが2.5〜5.0m程度であり、スペ−サ3のサイズは、短辺の長さは48〜63mm程度、長辺の長さは62〜97mm程度である。また、図3と図4に示す、スタッド小タイプ2のサイズは、ウェブ幅が50〜100mm程度、フランジ幅が35〜50mm程度、リップ幅が3〜10mm程度、長さが2.5〜5.0m程度である。スタッドの材質としては、溶融亜鉛めっき鋼板、溶融55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板等、の金属材料で、0.4〜1.2mm程度の厚みが望ましいが、特に限定されるものではない。また、スペ−サの材質としては、下地金属板として前記スタッド用の鋼板に厚さは0.1〜0.4mm程度のポリ塩化ビニルシ−トを圧着したラミネ−ド鋼板で、厚さは0.8〜1.6mm程度で、特に限定されるものではない。なお、前記スタッド大タイプ1の製作と仕様について説明したが、スタッド小タイプ2についても製作要領等は同様である。
次に、実施例を説明する。図4は、遮音間仕切り下地構造の構築過程を順次示す模式図であり、図4に示すように、ランナ−5が、天井スラブと床スラブ等躯体(図示せず)にアンカ−等(図示せず)により固定されている。その上部ランナ5と床面ランナ5間に、事前に、割付(平面)されたせっこうボ−ドの継ぎ目位置に、スタッド1を、せっこうボ−ドの中間になる位置にはスタッド2を配置する。その際ガイド溝4bを下方向にして建て込み、順次固定する。
次いで、図5のスペ−サをスタッドに組込む手順図(a)示すように、スペ−サ3を立てながらU字形3aをスタット1a(2a)の開口部4の半円形状口4aに挿入し、前記スペ−サ3を時計方向に回転させ、図5(b)に示すように、前記スペ−サ3を水平にし、ガイド溝4bに沿って下方向にスライドさせて、前記スペ−サ3が挟持される位置まで動かしてスペ−サ3を固定させ、図6の構築過程図に示すように、スペ−サ3により逐次一体化されたスタッドで、間仕切り下地全体を完成させる。続いて、図1に示すように、スタッド1のフランジ1bの中心部にせっこうボ−ド6の端部を配置して、せっこうボ−ド6の中間部にあたるスタッド2の箇所と共にタッピンねじ7で留め、本発明に係わる遮音間仕切り下地構造を構築する。
以上説明したように本発明に係わる遮音間仕切り下地構造によれば、高層ビルの揺れに対応した間仕切り壁の鋼製下地構造で、作業容易化等の施工性の向上、および大幅な工期短縮に優れた間仕切り壁鋼製下地構造であり、建築業界、内装業界に与える品質および経済的効用は極めて大きい。
1 スタッド大タイプ
1a ウェブ
1b フランジ
1c リップ
2 スタッド小タイプ
2a ウェブ
2b フランジ
2c リップ
3 スペ−サ
3a U字形状
3b 半円形
4 鍵穴状の開口部
4a 半円形状口
4b ガイド溝
5 ランナ
6 せっこうボ−ド
7 タッピンねじ
8 従来技術のランナ
9 従来技術のスタッド
9a リップ面
9b 開口部面
10 従来技術のスタッドスペ−サ
10a 羽部
10b 切り欠き部
11 従来技術の振れ止め
12 フイルム








































Claims (2)

  1. 壁芯に沿った天井スラブと床スラブ等躯体に固定されているコ字形状の上ランナと下ランナ間に、長尺鋼板をコ字形状でリップを有する断面形状に折曲形成され、所定の間隔で立設するスタッドにおいて、所望の矩形状のフイルムラミネ−ト鋼板の短辺両端部が、フイルムを外側に有して半円形状で上向きに折曲形成され、長辺中央部の片側では、略U字形状で上向きに加工されているスペ−サの略U字形部を、前記スタッドのウェブ部で所定の間隔で鍵穴状に有している半円形状の開口部に挿入し、前記半円形状の開口部の下部に付随しているくさび状のガイド溝に沿って、下方に移動することにより、前記略U字形部が挟持され結合し一体化されたスタッドを特徴とする遮音間仕切り下地構造。
  2. 前記スタッドにおいて、フランジの幅が異なる大と小の2種類を成形し、せっこうボ−ドのジョイント部には前記スタッドのフランジ幅大を、せっこうボ−ドの中間部には所定の間隔で前記スタッドのフランジ幅小を配置して、連続間仕切り下地を構成することを特徴とする請求項1の遮音間仕切り下地構造。



























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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019116738A (ja) * 2017-12-27 2019-07-18 大和ハウス工業株式会社 建物の壁構造、壁の施工方法、および補強具
JP2021011756A (ja) * 2019-07-08 2021-02-04 日本製鉄株式会社 壁構造

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