JP2020051182A - 仮設建物の壁構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】内壁下地材の取り付けを不要にでき、特に窓枠及び窓枠カバーの固定性に優れるとともに、良好な施工性を有する仮設建物の壁構造を提供すること。【解決手段】複数の外壁柱2と、外壁柱2に固定される外壁面材1と、外壁柱2間に配設されて外壁面材1を固定する、外壁柱2よりも水平断面における高さの低い複数の外壁下地材3と、外壁下地材3の室内側面に取付けられているスペーサー金具8と、外壁柱2とスペーサー金具8に固定される内壁面材20Bと、を有する、仮設建物の壁構造150において、外壁面材1には矩形輪郭の窓開口190が設けられ、窓開口190には窓枠192が取り付けられ、窓開口190の室内側には矩形輪郭に沿う窓用下地材180が配設されており、窓用下地材180に対して固定金物130が配設され、固定金物130に矩形輪郭の窓枠カバー110が固定されている。【選択図】図18
Description
本発明は、仮設建物の壁構造に関する。
屋外イベントのための仮設アリーナや、震災後において早急な施工を要する仮設住宅、仮設の宿泊施設等、様々な用途に仮設建物が供されており、また施工が予定されている。ここで、図1を参照して、従来の仮設建物の壁構造の一例を説明する。図1は、従来の仮設建物の壁構造の横断面図であり、この横断面(水平断面)を上から見た図である。
図1に示す仮設建物の壁構造200は、金属サイディングボードや窯業系サイディングボード等からなる外壁面材1が、軽量鉄骨の角形鋼管等からなる外壁柱2にビス止めされ、内壁面材6も同様に外壁柱2に固定されるとともに、内壁面材6はさらに複数の軽量溝形鋼等からなる内壁下地材4に固定されてその全体が構成されている。外壁面材1は、外壁柱2のみならず、外壁柱2の間に配設されている軽量溝形鋼等からなる外壁下地材(間柱)3にも固定されている。外壁柱2の室外側面には、例えば乾式の縦目地1aを介してその左右に外壁面材1が取り付けられている。
また、外壁柱2の側面には側方に張出すプレート2aが溶接されており、外壁面材1の幅方向端部には、軽量溝形鋼等からなる鉛直方向に延びた取付け縦胴縁1bがビス止めされており、外壁柱2には外壁面材1が直接ビス止めされるとともに、取付け縦胴縁1bがプレート2aにボルト固定されることにより、外壁柱2に対する外壁面材1の取付けが図られている。尚、外壁面材1と外壁下地材3や取付け縦胴縁1bを含めて、外壁パネルと称することができる。
壁構造200の下端と上端には、外壁面材1の幅方向に延びる断面コの字状のランナーがコの字の開口を内壁下地材4側に向けた姿勢で敷設されており、複数の内壁下地材4は、これら上下に位置する断面コの字状のランナーに嵌め込まれ、固定されている。尚、図1には、上下のランナーのうち、下方のランナー5を示している。内壁面材6は、外壁柱2に固定されるとともに、上下のランナーに固定されている複数の内壁下地材4に固定されている。すなわち、図1に示すように、外壁柱2と外壁下地材3の各壁厚方向の寸法t1、t2は相互に相違するのが一般的であり、より詳細には外壁柱2の寸法t1が相対的に大きくなるのが一般的であることから、内壁面材6を外壁柱2と外壁下地材3の双方の室内側面で固定することができない。そのため、従来の壁構造200では、内壁面材6を外壁柱2に固定するとともに、外壁柱2の室内側面と面一に配設された複数の内壁下地材4にて固定する構成が採用されている。
また、内壁面材6には、石膏ボードやケイカル板(ケイ酸カルシウム板)が一般に適用されることから、内壁面材6の室内側の表面には、クロスなどの仕上げ材6aが一般に設けられる。また、内壁面材6が石膏ボード等から形成されていることから、外壁面材1と内壁面材6の間の壁空間には、グラスウール等の断熱材7が充填されて仮設建物の断熱性を保証している。
このように、従来の仮設建物の壁構造200では、内壁面材6を固定するための複数の内壁下地材4を必須の構成としており、仮設建物でありながら壁構造200の形成に際して部品点数(特に、軽量形鋼の部品点数)が多くなるといった課題を有している。そして、供用期間が比較的短い仮設建物でありながらも、内壁面材6を外壁柱2や内壁下地材4にビス等で強固に固定することから、壁構造200の施工や解体に手間と時間を要するといった課題を有している。
また、内壁面材6の表面に仕上げ材6aを設ける必要があり、さらには、外壁面材1と内壁面材6の間の壁空間に断熱材7を充填する必要があることから、内壁下地材4の設置と断熱材7の設置に起因して施工工程が多くなるといった課題も有している。
ここで、吸音断熱材を建築物の内壁面に対して所定の間隔を設けて取付け可能とした吸音断熱材取付け具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、仮に特許文献1に記載の吸音断熱材取付け具を従来の仮設建物の壁構造に適用したとしても、内壁面材を固定するための複数の内壁下地材の取り付けを解消することはできず、仮設建物の壁構造において部品点数が多いといった課題や施工工程が多いといった課題を解消することはできない。
また、仮に、内壁面材を固定するための内壁下地材を解消しながら、壁構造を形成する何等かの部材に対して内壁面材を固定することを可能とした壁構造が提案できるとした場合に、今度は、この壁構造に形成される窓枠と窓枠から室内側に張り出す窓枠カバーを如何にして固定するかが新たな課題となり得る。尚、建設現場において、窓枠や窓枠カバーの取り付けは一般に専門工である大工によりなされているが、本来的には施工性に優れているはずの仮設建物の施工に関し、特にその壁構造の施工に際して異種の職方が錯綜することにより、施工性の低下が懸念される。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、内壁下地材の取り付けを不要にでき、特に窓枠及び窓枠カバーの固定性に優れるとともに、良好な施工性を有する仮設建物の壁構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による仮設建物の壁構造の一態様は、
所定間隔を置いて配設された複数の外壁柱と、
複数の前記外壁柱に固定される外壁面材と、
前記外壁柱間に配設されて前記外壁面材を固定する、該外壁柱よりも水平断面における高さの低い複数の外壁下地材と、
前記外壁下地材の室内側面に取付けられているスペーサー金具と、
前記外壁柱と前記スペーサー金具に固定される内壁面材と、を有する、仮設建物の壁構造において、
前記外壁面材には矩形輪郭の窓開口が設けられ、該窓開口には窓枠が取り付けられ、該窓開口の室内側には前記矩形輪郭に沿う窓用下地材が配設されており、
前記窓用下地材に対して複数の固定金物が配設されており、
複数の前記固定金物に矩形輪郭の窓枠カバーが固定されていることを特徴とする。
所定間隔を置いて配設された複数の外壁柱と、
複数の前記外壁柱に固定される外壁面材と、
前記外壁柱間に配設されて前記外壁面材を固定する、該外壁柱よりも水平断面における高さの低い複数の外壁下地材と、
前記外壁下地材の室内側面に取付けられているスペーサー金具と、
前記外壁柱と前記スペーサー金具に固定される内壁面材と、を有する、仮設建物の壁構造において、
前記外壁面材には矩形輪郭の窓開口が設けられ、該窓開口には窓枠が取り付けられ、該窓開口の室内側には前記矩形輪郭に沿う窓用下地材が配設されており、
前記窓用下地材に対して複数の固定金物が配設されており、
複数の前記固定金物に矩形輪郭の窓枠カバーが固定されていることを特徴とする。
本態様によれば、内壁下地材を不要としながら、室内側面が面一となっていない外壁柱と外壁下地材のうち、水平断面における高さの低い(外壁面材から内壁面材までの寸法が小さい)外壁下地材の室内側面にスペーサー金具を取付けたことにより、外壁柱と外壁下地材に対して内壁面材を固定することができる。さらに、外壁面材において矩形輪郭の窓開口が設けられてここに窓枠が取り付けられ、窓開口の室内側にある窓用下地材に対して複数の固定金物が固定され、複数の固定金物に矩形輪郭の窓枠カバーが固定されていることにより、窓枠及び窓枠カバーの固定性に優れた仮設建物の壁構造を形成できる。
ここで、窓枠は例えばアルミニウム製のサッシであり、窓枠内には片引き窓や引違い窓等の障子戸が取り付けられる。また、窓用下地材は、軽量角形鋼管や軽量溝形鋼等からなる縦桟や横桟が枠状に組み付けられることにより形成される。また、固定金物は、平鋼等が断面L型もしくは断面コの字型に曲げ加工されることにより形成される。さらに、窓枠カバーは、例えば窓枠から内壁面材に亘る幅を有し、矩形輪郭の窓開口に応じた枠状を有する。窓枠カバーが例えば窓枠から内壁面材に亘る幅を有していることから、窓枠カバーの上には室内装飾品や書籍等を置くことができ、居住者が窓枠カバーの上に腰を下ろすこともできる。
尚、本態様の壁構造を有する仮設建物は、仮設住宅や仮設アリーナ等の供用期間の比較的短い仮設建物の他にも、ビル等の地下や屋上に設けられた機械室等、一般建物の居室等に付随する非居住施設等を含んでいる。
また、本発明による仮設建物の壁構造の他の態様は、
所定間隔を置いて配設された複数の外壁柱と、
複数の前記外壁柱に固定される外壁面材と、
前記外壁柱間に配設されて前記外壁面材を固定する、該外壁柱よりも水平断面における高さの低い複数の外壁下地材と、
前記外壁下地材の室内側面に取付けられているスペーサー金具と、
前記外壁柱と前記スペーサー金具に固定される内壁面材と、を有する、仮設建物の壁構造において、
前記外壁面材には矩形輪郭の窓開口が設けられ、該窓開口には窓枠が取り付けられ、該窓開口の室内側には前記矩形輪郭に沿う窓用下地材が配設されており、
前記外壁下地材には複数の支持金具が固定されており、
複数の前記支持金具に対してそれぞれ固定金物が配設されており、
複数の前記固定金物に矩形輪郭の窓枠カバーが固定されていることを特徴とする。
所定間隔を置いて配設された複数の外壁柱と、
複数の前記外壁柱に固定される外壁面材と、
前記外壁柱間に配設されて前記外壁面材を固定する、該外壁柱よりも水平断面における高さの低い複数の外壁下地材と、
前記外壁下地材の室内側面に取付けられているスペーサー金具と、
前記外壁柱と前記スペーサー金具に固定される内壁面材と、を有する、仮設建物の壁構造において、
前記外壁面材には矩形輪郭の窓開口が設けられ、該窓開口には窓枠が取り付けられ、該窓開口の室内側には前記矩形輪郭に沿う窓用下地材が配設されており、
前記外壁下地材には複数の支持金具が固定されており、
複数の前記支持金具に対してそれぞれ固定金物が配設されており、
複数の前記固定金物に矩形輪郭の窓枠カバーが固定されていることを特徴とする。
本態様によれば、外壁下地材に固定されている複数の支持金具にそれぞれ固定金物が固定され、複数の固定金物に矩形輪郭の窓枠カバーが固定されていることにより、窓枠及び窓枠カバーの固定性に優れた仮設建物の壁構造を形成できる。
また、本発明による仮設建物の壁構造の他の態様は、前記固定金物と前記窓枠カバーの間に合板が介在していることを特徴とする。
本態様によれば、固定金物と窓枠カバーの間に合板が介在していることにより、合板にて窓枠カバーを補強することができる。
また、本発明による仮設建物の壁構造の他の態様において、前記固定金物と前記合板と前記窓枠カバーが建て付け前に予めユニット化されているユニット部材であることを特徴とする。
本態様によれば、固定金物と合板と窓枠カバーがユニット部材であることにより、例えば従来の窓枠の施工において専門工である大工による取り付けを要していたことを不要にして、大工以外の一般の職方がユニット部材を壁構造に組み付けて窓枠周辺の構造を施工することができ、仮設建物の壁構造の施工性を向上させることができる。ここで、ユニット部材は、枠状の窓枠カバーと、窓枠カバーの各片を補強する例えば四枚の合板と、枠状の窓枠カバーに取り付けられている複数の固定金物とにより形成される部材であってもよい。また、その他、ユニット部材が枠状の窓枠カバーを構成する四つの片に分割された分割部材であり、各分割部材が、直線状の窓枠カバーと合板と複数の固定金物を有しており、現場にて四つの分割部材が枠状に組み付けられる形態であってもよい。
また、本発明による仮設建物の壁構造の他の態様は、前記外壁柱の室内側の上下位置に上ランナーと下ランナーを有し、
それぞれの前記外壁下地材の室内側の側面に上下方向に間隔を置いて複数段の前記スペーサー金具を有し、それぞれの段の前記スペーサー金具に対してそれぞれ共通する横目地が取り付けられており、
前記下ランナーと前記横目地によって上下から下方の内壁面材が挟まれて固定され、前記上ランナーと前記横目地によって上下から上方の内壁面材が挟まれて固定され、上下方向に並ぶ複数の前記内壁面材によって内壁面材ユニットが形成されており、
複数の前記内壁面材ユニットが、前記外壁柱の並び方向に配設されていることを特徴とする。
それぞれの前記外壁下地材の室内側の側面に上下方向に間隔を置いて複数段の前記スペーサー金具を有し、それぞれの段の前記スペーサー金具に対してそれぞれ共通する横目地が取り付けられており、
前記下ランナーと前記横目地によって上下から下方の内壁面材が挟まれて固定され、前記上ランナーと前記横目地によって上下から上方の内壁面材が挟まれて固定され、上下方向に並ぶ複数の前記内壁面材によって内壁面材ユニットが形成されており、
複数の前記内壁面材ユニットが、前記外壁柱の並び方向に配設されていることを特徴とする。
本態様によれば、仮設建物の壁構造に関して、内壁下地材を不要とした内壁面材の具体的な固定形態を提供することができる。ここで、上ランナーと下ランナーの間には、複数段の横目地が配設されており、各横目地は、複数の外壁下地材に取付けられているスペーサー金具に固定されている。すなわち、鉛直方向に延設する各外壁下地材の室内側の側面には、複数段の横目地に対応した位置にスペーサー金具が取付けられている。本態様の仮設建物の壁構造では、上ランナーと横目地と下ランナーとによって、内壁面材を上下から挟み込んで固定することにより、外壁柱や外壁下地材(に取付けられているスペーサー金具)に対して内壁面材の固定が図られる。
また、本発明による仮設建物の壁構造の他の態様は、前記下方の内壁面材と前記上方の内壁面材の間に中間の内壁面材を更に有し、上下関係にある前記横目地によって上下から該中間の内壁面材が挟まれて固定されていることを特徴とする。
本態様によれば、内壁面材ユニットが、上方の内壁面材と下方の内壁面材に加えて、一つもしくは二つ以上の中間の内壁面材から形成されることにより、一つの内壁面材の寸法を搬送や組み付けに好適な寸法に設定することができる。尚、中間の内壁面材が一つの場合は、内壁面材ユニットを横切る横目地は二つであり、中間の内壁面材が二つの場合は、横目地が三つとなる。
また、本発明による仮設建物の壁構造の他の態様は、隣接する前記内壁面材ユニットの間に、縦目地が差し込まれていることを特徴とする。
本態様によれば、上下に並ぶ内壁面材から形成される内壁面材ユニットと内壁面材ユニットの間に縦目地が差し込まれていることにより、室内側への内壁面材の倒れ防止を補強しながら、縦目地を設けることによって内壁面材ユニットの横方向への並びに対してアクセントを付与でき、室内側からの意匠性を高めることができる。
また、本発明による仮設建物の壁構造の他の態様は、前記内壁面材がグラスウールボードであることを特徴とする。
本態様によれば、グラスウールボードからなる内壁面材を有することにより、内壁面材そのものが断熱性能を有しており、従って、外壁面材と内壁面材の間の壁空間に断熱材を充填施工することを不要にしながら、仮設建物の断熱性を保証することができる。また、内壁面材がグラスウールボードゆえに、石膏ボードのように表面仕上げ材の施工も不要にできる。これらのことから、従来の仮設建物の壁構造に比べて施工工程を低減することができ、かつシンプルでありながら断熱性に優れた壁構造を提供することができる。さらに、グラスウールボードは吸音性と不燃性を有することから、吸音性と不燃性を有する内壁面材を備えた仮設建物の壁構造を形成することができる。
尚、本態様では、従来の仮設建物の壁構造における内壁下地材を廃し、内壁面材として比較的軟質なグラスウールボードを適用していることから、内壁面材に窓枠カバーを支持させることはできない。しかしながら、上記するように、窓用下地材に取り付けられている固定金物や外壁下地材に固定されている支持金具に取り付けられている固定金物を介して、窓枠カバーを強固に支持させることができる。
以上の説明から理解できるように、本発明の仮設建物の壁構造によれば、内壁下地材の取り付けを不要にでき、特に窓枠の固定性に優れるとともに、良好な施工性を有する仮設建物の壁構造を提供することができる。
以下、実施形態に係る仮設建物の壁構造とその施工方法について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[実施形態に係る仮設建物の壁構造とその施工方法]
<一般部の壁構造とその施工方法>
まず、図2乃至図15を参照して、実施形態に係る仮設建物の壁構造のうち、一般部の壁構造の一例とその施工方法の一例について説明する。ここで、「一般部の壁構造」とは、壁構造のうち、窓枠周辺以外の領域の壁構造のことを示す。一般部の壁構造とその施工方法を説明した後、図16乃至図21を参照して、仮設建物の窓枠周辺の壁構造について説明する。
<一般部の壁構造とその施工方法>
まず、図2乃至図15を参照して、実施形態に係る仮設建物の壁構造のうち、一般部の壁構造の一例とその施工方法の一例について説明する。ここで、「一般部の壁構造」とは、壁構造のうち、窓枠周辺以外の領域の壁構造のことを示す。一般部の壁構造とその施工方法を説明した後、図16乃至図21を参照して、仮設建物の窓枠周辺の壁構造について説明する。
図2において、二本の軽量鉄骨の角形鋼管等からなる外壁柱2の間に、軽量リップ溝形鋼からなる四本の外壁下地材3が配設され、外壁下地材3同士は連続する溝形鋼91にて一体に連結された構面の一部を示す。この構面内には、丸鋼等からなるブレース92が配設されている。
仮設建物の壁構造の施工方法では、まず、図2に示すように、壁構造を形成する外壁柱2と外壁下地材3を建て込み、外壁柱2と外壁下地材3に不図示の外壁面材を取付けると共に、外壁柱2等の室内側にはブレース92を取付ける。
さらに、外壁柱2の下端の室内側の側面に、下ランナーを形成する雌ランナー11を配設し、床板等に対してビス等にて固定する。この雌ランナー11は後述する雄ランナーや、後述する横目地や縦目地と同様に樹脂材料から形成されている。この樹脂材料は特に限定されるものではないが、ポリエチレンやポリプロピレン等、適度の硬度を有し、適度の変形性能を有する樹脂材料が好ましい。尚、図1に示す従来の壁構造のように、下ランナーと上ランナーが共に断面コの字状の金物ランナーから形成されてもよい。
また、図2に示すように、各外壁下地材3において、複数の共通するレベル位置にスペーサー金具8を取付ける。図2には、二つのレベル位置において、各外壁下地材3に対してスペーサー金具8が取付けられている状態を示している。
ここで、図3において、スペーサー金具の一例の斜視図を示す。図示するスペーサー金具8は全体として金物から形成されており、不図示の横目地が取付けられるビス孔81aが開設されている取付け片81と、取付け片81に対して溶接等にて固定されている調整ボルト83と、調整ボルト83に螺合して回転しながら取付け片81との離間が調整される係合本体82と、を有する。尚、取付け片81にビス孔81aが開設されていなくてもよい。
係合本体82は、外壁下地材3のリップが挿通されるリップ挿通口85と、リップ挿通口85に連通して溝形鋼の立片を調整ボルト83の端面とともに挟み込む係合口84と、を有する。各外壁下地材3を形成する溝形鋼のリップをリップ挿通口85に挿通させ、係合口84に挿入されている溝形鋼の立片に対して、取付け片81を回転させながら調整ボルト84を立片に当接させ、さらに押圧させることにより、外壁下地材3の所定の位置においてスペーサー金具8の取付けが行われる。以上が、実施形態に係る施工方法における、ランナー及びスペーサー取り付け工程となる。
次に、図4に示すように、下ランナー10の雌ランナー11の上に下方の内壁面材20Aを載置し、雌ランナー11に雄ランナー12を嵌め込むことによって下ランナー10を形成すると共に、下ランナー10にて下方の内壁面材20Aを下方位置にて固定する。内壁面材20Aの横方向の長さは、隣接する二つの外壁柱2の芯間距離に相当する長さに設定されている。図4に示すように、下方の内壁面材20Aが固定された状態において、下方の内壁面材20Aの上端から、各スペーサー金具8の有する取付け片81の上方の一部が露出しており、ビス孔81aが同様に露出している。このように、下方の内壁面材20Aを取付けた際に、ビス孔81aが上方に露出ように各スペーサー金具8を対応する外壁下地材3に取付けておく。
内壁面材20Aにはグラスウールボードが適用される。ここで、適用されるグラスウールボードとしては、旭ファイバーグラス株式会社製のアクリア(登録商標)シリーズの、例えばアクリアGC等を適用できる。尚、以下で示す他の内壁面材20B,20Cにも同様にグラスウールボードが適用されるが、内壁面材20Aを代表的に取り上げて説明する。
内壁面材20Aにグラスウールボードを適用することにより、内壁面材20Aそのものが断熱性能を有することとなり、従って、外壁面材1と内壁面材20Aの間の壁空間において、図1に示す壁構造200のように断熱材7を充填施工することを不要にできる。また、内壁面材20Aがグラスウールボードであることから、図1に示す壁構造200の有する内壁面材6である石膏ボードのように、表面仕上げ材の施工も不要にできる。
これらのことから、グラスウールボードからなる内壁面材20Aを有する壁構造では、従来の仮設建物の壁構造200に比べて、施工工程を低減することができ、内部構成を可及的にシンプルにしながらも、断熱性に優れた壁構造を形成できる。
図5は、壁構造の下端(床側)の一例の縦断面図である。下ランナー10の雌ランナー11は床板30にビス留めされ、この上に、下方の内壁面材20Aが載置された後、雌ランナー11に対して室内空間側から雄ランナー12を嵌め込むことにより、下ランナー10が形成される。尚、図示例は、雌ランナー11を床板30に固定し、雄ランナー12を嵌め込む形態であるが、雄ランナー12が床板30に固定され、雌ランナー11を嵌め込む形態であってもよい。図5において、外壁下地材3の外側に固定されている外壁面材1の下方には、土台水切り1dが取付けられている。
図4に示すように、下ランナー10に対して下方の内壁面材20Aを取付けた後、内壁面材20Aの上端を横目地を介してスペーサー金具8に取付ける。ここで、図6は、横目地の一例を示す斜視図である。
図示する横目地40は、スペーサー金具8の取付け片81に固定される固定片41と、固定片41から室内側に延出して内壁面材20Aの上端を挟み込む挟み込み片42と、を有する。挟み込み片42は、先端側の上下の側面において、内壁面材20A(及び図8に示す内壁面材20B)の端部と係合する凹凸43を有する。また、横目地40は既述するように樹脂材料から形成されている。
図7に示すように、横目地40の固定片41を内壁面材20Aの上端の裏側に入れ込み、背面に位置する各スペーサー金具8の取付け片81に対してビス等で固定する。さらに、横目地40の挟み込み片42に鋲44を打ち込み、鋲44で横目地40と内壁面材20Aを接続する。横目地40が樹脂材料にて形成されており、内壁面材20Aもグラスウールボードから形成されていることから、挟み込み片42の上から鋲44をグラスウールボードの内部まで容易に刺し込むことができる。また、この際、挟み込み片42の有する凹凸43が内壁面材20Aに嵌まり込むことにより、横目地40と内壁面材20Aが強固に係合される。
また、図7に示すように、内壁面材20の横方向の長さと同様に、横目地40の長手方向の長さも、隣接する二つの外壁柱2の芯間距離に相当する長さに設定されている。図示する左右いずれか一方の外壁柱2と、不図示の他の外壁柱2との間にも同様に横目地40が配設されるが、外壁柱2の中央位置において横目地40が縁切りされていることにより、後施工にて取付けられる縦目地と横目地40が干渉することが無くなる。このことは、以下の縦目地の取付けを説明する箇所で詳説する。以上が、実施形態に係る施工方法における、下方の内壁面材固定工程となる。
次に、図8に示すように、横目地40の上に中間の内壁面材20Bを載置する。内壁面材20Bを載置した状態において、下方の内壁面材20Aを取付けた際と同様、内壁面材20Bの上方から各スペーサー金具8の有する取付け片81の上方の一部が露出しており、ビス孔81aが同様に露出している。図示を省略するが、図7と同様に、取付けられた中間の内壁面材20Bの上端に横目地を載置し、横目地をビス等にてスペーサー金具8に固定する。
このように、中間の内壁面材20Bについては、上下の横目地40によって挟み込まれることにより、上下の横目地40の挟み込み片42の有するそれぞれの凹凸43が内壁面材20Bの上下端にそれぞれ嵌まり込み、上下の横目地40と内壁面材20Bが強固に係合され、中間の内壁面材20Bが固定される。
図9は、図8の状態における壁構造の縦断面図である。横目地40の挟み込み片42と下方の内壁面材20Aが鋲44で固定されるとともに、挟み込み片42の先端の上下の側面にある凹凸43が下方の内壁面材20Aの上端面および中間の内壁面材20Bの下端面にそれぞれ嵌まり込み、係合していることが分かる。中間の内壁面材20Bは、1つであってもよいし、上下方向に二つ以上取付けられてもよい。以上が、実施形態に係る施工方法における、中間の内壁面材固定工程となる。
最上段の中間の内壁面材20Bの上に横目地40が取付けられた後、図10に示すように、上方の内壁面材20Cを上ランナー50を形成する雌ランナー51の下面に嵌め込み、雌ランナー51に対して室内側から雄ランナー52を差し込むことにより、上ランナー50を形成するとともに上方の内壁面材20Cが固定される。上ランナー50は、例えば石膏ボード等からなる天井面材70の端部に係止されている。不図示のH形鋼等からなる天井梁から吊りボルト75が吊持されており、吊りボルト75にハンガー74が接続され、ハンガー74に野縁受け73が支持されると共に、野縁受け73に野縁72が支持されている。そして、天井面材70は、複数の野縁72に固定されている。
上方の内壁面材20Cが最上段の中間の内壁面材20Bと上ランナー50に挟み込まれて固定されることにより、下ランナー10と、上ランナー50と、外壁下地材3に固定されているスペーサー金具8に接続された横目地40と、により、下方の内壁面材20Aと、中間の内壁面材20Bと、上方の内壁面材20Cが上下方向に並んだ姿勢で固定される。
図11は、縦目地を取付ける前の壁構造を室内側から見た斜視図である。図11に示すように、下方の内壁面材20Aと、中間の内壁面材20Bと、上方の内壁面材20Cとにより、内壁面材ユニット20が形成される。以上が、実施形態に係る施工方法における、内壁面材ユニット形成工程となる。
内壁面材ユニット形成工程を2回以上繰り返し実行することにより、図11に示すように、仮設建物の室内側において、複数の内壁面材ユニット20を水平方向に並設して施工する。尚、壁の各所に適宜窓が設けられるが、その図示は省略する。
次に、図12を参照して、隣接する内壁面材ユニット20の間に差し込まれる縦目地について説明する。図示する縦目地60は、支持片61と、支持片61から延出して隣接する内壁面材ユニットの間に差し込まれる差し込み片62とを有する。また、差し込み片62は、その先端側の左右の側面において、内壁面材20の端面と係合する凹凸63を有している。
図11に示すように、隣接する内壁面材ユニット20の間に、図12に示す縦目地60を差し込み片62から差し込むようにして縦目地60を取付けることにより、図13に示す仮設建物の壁構造100が施工される。図13に示すように、支持片61は室内側に露出し、左右の内壁面材ユニット20を室内側から支持する。
図14は、縦目地が配設されている領域のうち、下方の内壁面材の途中で切断した横断面図である。図14に示すように、差し込み片62の有する左右の凹凸63が左右の内壁面材ユニット20(図14では、下方の内壁面材20Aを示す)の端面に係合することにより、差し込まれただけの縦目地60が左右の内壁面材ユニット20から係脱することなく、左右の内壁面材ユニット20を室内側から支持することができる。すなわち、縦目地60により、内壁面材ユニット20を形成する個々の内壁面材20A、20B,20Cがユニットから抜けることを防止できる。
図15は、縦目地が配設されている領域のうち、下方の内壁面材の上方にある横目地の上から見た横断面図である。図15に示すように、水平方向に延びる横目地40は、外壁柱2の芯付近で縁切りされており、図示するように、それぞれの端面の間に若干の隙間Gを有する。施工の最後に取付けられる縦目地60は、横目地40がない断面では図14に示すように相互に密着した内壁面材ユニット20の間に差し込まれ、横目地40がある断面では図15に示すように隙間Gの間に差し込まれる。このように、縦目地60の差し込みに際して、既に取付けられている横目地40と後施工される縦目地60が干渉することはない。
図示する施工方法によれば、従来構造の仮設建物の有する内壁下地材の取り付けを不要としながら、良好な施工性の下で壁構造100を施工することができる。そして、仮設建物の供用期間が終了し、仮設建物を解体する際には、壁構造100を施工する順序の逆の順序で解体を行うことにより、各構成部材を破損させることなく、従って再利用可能な状態で解体を行うことができる。
<窓枠周辺の壁構造>
次に、図16乃至図21を参照して、実施形態に係る仮設建物の壁構造のうち、窓枠周辺の壁構造の一例について説明する。
次に、図16乃至図21を参照して、実施形態に係る仮設建物の壁構造のうち、窓枠周辺の壁構造の一例について説明する。
(第1実施形態の窓枠周辺の壁構造)
まず、図16乃至図19を参照して、第1実施形態の窓枠周辺の壁構造の一例について説明する。ここで、図16は、窓枠周辺の壁構造に適用される、固定金物と合板と窓枠カバーのユニット部材の一例の斜視図である。また、図17は、窓枠にユニット部材が取り付けられている、第1実施形態の窓枠周辺の壁構造の一例の横断面図である。さらに、図18は、第1実施形態の窓枠周辺の壁構造の一例の縦断面図であり、図19は、第1実施形態の窓枠周辺の壁構造の変形例の縦断面図である。
まず、図16乃至図19を参照して、第1実施形態の窓枠周辺の壁構造の一例について説明する。ここで、図16は、窓枠周辺の壁構造に適用される、固定金物と合板と窓枠カバーのユニット部材の一例の斜視図である。また、図17は、窓枠にユニット部材が取り付けられている、第1実施形態の窓枠周辺の壁構造の一例の横断面図である。さらに、図18は、第1実施形態の窓枠周辺の壁構造の一例の縦断面図であり、図19は、第1実施形態の窓枠周辺の壁構造の変形例の縦断面図である。
図17及び図18に示す仮設建物には、矩形輪郭の窓開口190があり、この窓開口190の矩形輪郭に沿うサッシ等の窓枠192が窓開口190に取り付けられており、例えば図示例のように、窓枠192の内側に引違い窓等の障子戸195が取り付けられている。
図16に示すように、矩形輪郭の窓枠192の当該矩形輪郭に沿う窓枠カバー110と、窓枠カバー110の四つの側面のそれぞれの表面においてビス留めや接着等により取り付けられている合板120と、それぞれの合板120にビス留め等により固定されている複数の固定金物130と、を有するユニット部材140が建て付け前に予め製作されている。尚、図示例のユニット部材140は矩形輪郭状の部材であるが、図示例以外にも、ユニット部材が枠状の窓枠カバー110を構成する四つの片に分割された分割部材であり、各分割部材が、直線状の窓枠カバー110と合板120と複数の固定金物130を有していて、現場にて四つの分割部材が枠状に組み付けられる形態であってもよい。
窓枠カバー110は、図17及び図18に示すように断面が縦長のL字状を呈している樹脂製の部材であり、この樹脂にはPVC(Poly Vinyl Cloride:ポリ塩化ビニル樹脂)が適用でき、より具体的には、フクビ化学工業株式会社製の製品名「マルチユース窓枠カバー」を窓枠カバー110として適用することができる。
合板120は、窓枠カバー110の表面に取り付けられることにより、窓枠カバー110を補剛する部材である。また、図17及び図18に示すように、窓枠カバー110の先端の係合片111と合板120の間には隙間が設けられており、この隙間に内壁面材20Bの端部が嵌まり込むことにより、ユニット部材140が仮内壁面材20Bに対して固定される。
固定金物130は、平鋼を曲げ加工することにより、断面L字状に形成される。図16に示すように、固定金物130が窓用下地材180に取り付けられる側面には、複数のビス孔130aが開設されている。
図17及び図18に示すように、窓枠192の周囲には、軽量鉄骨の角形鋼管等からなる窓用下地材180が配設されている。窓枠192の上方のまぐさ、下方の窓台、左右の側方のまぐさ受け等をそれぞれ形成する窓用下地材180に対して、断面L字状の固定金物130がビス等により固定されることにより、ユニット部材140が窓用下地材180に固定され、窓枠周辺の壁構造150が形成される。
図示する窓枠周辺の壁構造150によれば、内壁下地材が廃された仮設建物の壁において、窓枠カバー110と合板120の間に内壁面材20Bの端部を嵌まり込ませた状態で、窓用下地材180に対して複数の固定金物130を介して窓枠カバー110を強固に固定することができる。また、窓枠カバー110と固定金物130等が予め一体化されたユニット部材140を壁の一般部の施工に連続するようにして取り付けることができるため、従来の施工方法における窓枠等の取り付けに際して必要とされていた専門工である大工による施工を不要にできる。
一方、図19は、図17及び図18に示す固定金物130と異なり、断面が略コの字状の固定金物130Aを有するユニット部材140Aを適用する形態である。
断面略コの字状の固定金物130Aの一方の側面が窓用下地材180にビス等で固定されながら、固定金物130Aの他方の側面が内壁面材20Bの側面に面接触することにより、ユニット部材140Aをより一層強固に窓用下地材180や内壁面材20Bに固定することができる。
(第2実施形態の窓枠周辺の壁構造)
次に、図20及び図21を参照して、第2実施形態の窓枠周辺の壁構造の一例について説明する。ここで、図20は、窓枠にユニット部材が取り付けられている、第2実施形態の窓枠周辺の壁構造の一例の縦断面図であり、図21は、支持金具の一例の斜視図である。
次に、図20及び図21を参照して、第2実施形態の窓枠周辺の壁構造の一例について説明する。ここで、図20は、窓枠にユニット部材が取り付けられている、第2実施形態の窓枠周辺の壁構造の一例の縦断面図であり、図21は、支持金具の一例の斜視図である。
図20に示すように、第2実施形態に係る窓枠周辺の壁構造150Aは、外壁下地材3に係合されている支持金具160に対して固定金物130Bが取り付けられ、固定金物130Bに対して、矩形輪郭の窓枠カバー110と合板120により形成されるユニット部材140Bが固定されている構造である。尚、窓枠の矩形輪郭に沿う線上に複数の支持金具160が配設され、複数の支持金具160に取り付けられている複数の固定金物130Bによりユニット部材140Bが固定される。
図21に示すように、支持金具160は、図3に示すスペーサー金具8と基本的に同様の構成を有しており、図3に示す取付け片81に固定金物130Bが変更された構成となっている。支持金具160は、固定金物130Bに螺合される調整ボルト165と、調整ボルト165に螺合して回転しながら固定金物130Bとの離間が調整される係合本体161とを有する。
係合本体161は、外壁下地材3のリップが挿通されるリップ挿通口163と、リップ挿通口163に連通して溝形鋼の立片を調整ボルト165の端面とともに挟み込む係合口162と、を有する。外壁下地材3を形成する溝形鋼のリップをリップ挿通口163に挿通させ、係合口162に挿入されている溝形鋼の立片に対して、固定金物130Bを回転させながら調整ボルト165を立片に当接させ、さらに押圧させることにより、外壁下地材3の所定の位置において固定金物130Bを有する支持金具160の取付けが行われる。
固定金物130Bは、調整ボルト165に螺合される断面Z状の縦片131と、縦片131の端部から水平に屈曲して水平方向に延出する載置片132とを有する。
図20に示すように、外壁下地材3の所定の位置に支持金具160が固定され、支持金具160にて支持されている固定金物130Bの縦片131の一部が内壁面材20Bに面接触し、載置片132が窓枠カバー110及び合板120を下方から支持する。
図示する窓枠周辺の壁構造150Aによっても、内壁下地材が廃された仮設建物の壁において、窓枠カバー110と合板120の間に内壁面材20Bの端部を嵌まり込ませた状態で、外壁下地材3に固定されている支持金具160にて支持されている固定金物130Bを介して、窓枠カバー110を強固に固定することができる。
図示する一般部の壁構造100と窓枠周辺部の壁構造150,150Aを有する仮設建物は、供用期間が比較的短い仮設住宅や仮設の宿泊施設等は勿論のこと、ビル等の地下や屋上に設けられた機械室等の一般建物に付随する非居住施設も含んでいる。壁構造100,150,150Aがグラスウールボードからなる内壁面材20A,20B,20Cを有することにより、仮設建物は、断熱性のみならず、吸音性も備えた仮設建物となる。従って、仮設の居住施設の他にも、断熱性と音漏れ防止性の双方が要求される仮設の会議室等に好適に用いられる。
尚、上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、また、本発明はここで示した構成に何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
例えば、図示例の仮設建物の壁構造100,150,150Aでは、内壁面材ユニット20が、下方の内壁面材20Aと、中間の内壁面材20Bと、上方の内壁面材20Cとを有しているが、内壁面材ユニット20が下方の内壁面材20Aと上方の内壁面材20Cのみを有する形態であってもよい。また、図示例の仮設建物の壁構造100,150,150Aは縦目地60を有しているが、縦目地60を有していない仮設建物の壁構造(図11に示す状態)であってもよい。
1:外壁面材、1a:縦目地、10:下ランナー、11:雌ランナー、12:雄ランナー、2:外壁柱、3:外壁下地材(間柱)、20:内壁面材ユニット、20A:下方の内壁面材(内壁面材、グラスウールボード)、20B:中間の内壁面材(内壁面材、グラスウールボード)、20C:上方の内壁面材(内壁面材、グラスウールボード)、40:横目地、41:固定片、42:挟み込み片、43:凹凸、44:鋲、50:上ランナー、51:雌ランナー、52:雄ランナー、60:縦目地、61:支持片、62:差し込み片、63:凹凸、70:天井面材、8:スペーサー金具、81:取付け片、82:係合本体、83:調整ボルト、84:係合口、85:リップ挿通口、100:仮設建物の一般部の壁構造(一般部の壁構造、仮設建物の壁構造)、110:窓枠カバー、120:合板、130,130A、130B:固定金物、140,140A,140B:ユニット部材、150,150A:仮設建物の窓枠周辺の壁構造(窓枠周辺の壁構造、仮設建物の壁構造)、160:支持金具、180:窓用下地材、190:窓開口、192:窓枠(サッシ)、195:障子戸
Claims (8)
- 所定間隔を置いて配設された複数の外壁柱と、
複数の前記外壁柱に固定される外壁面材と、
前記外壁柱間に配設されて前記外壁面材を固定する、該外壁柱よりも水平断面における高さの低い複数の外壁下地材と、
前記外壁下地材の室内側面に取付けられているスペーサー金具と、
前記外壁柱と前記スペーサー金具に固定される内壁面材と、を有する、仮設建物の壁構造において、
前記外壁面材には矩形輪郭の窓開口が設けられ、該窓開口には窓枠が取り付けられ、該窓開口の室内側には前記矩形輪郭に沿う窓用下地材が配設されており、
前記窓用下地材に対して複数の固定金物が配設されており、
複数の前記固定金物に矩形輪郭の窓枠カバーが固定されていることを特徴とする、仮設建物の壁構造。 - 所定間隔を置いて配設された複数の外壁柱と、
複数の前記外壁柱に固定される外壁面材と、
前記外壁柱間に配設されて前記外壁面材を固定する、該外壁柱よりも水平断面における高さの低い複数の外壁下地材と、
前記外壁下地材の室内側面に取付けられているスペーサー金具と、
前記外壁柱と前記スペーサー金具に固定される内壁面材と、を有する、仮設建物の壁構造において、
前記外壁面材には矩形輪郭の窓開口が設けられ、該窓開口には窓枠が取り付けられ、該窓開口の室内側には前記矩形輪郭に沿う窓用下地材が配設されており、
前記外壁下地材には複数の支持金具が固定されており、
複数の前記支持金具に対してそれぞれ固定金物が配設されており、
複数の前記固定金物に矩形輪郭の窓枠カバーが固定されていることを特徴とする、仮設建物の壁構造。 - 前記固定金物と前記窓枠カバーの間に合板が介在していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の仮設建物の壁構造。
- 前記固定金物と前記合板と前記窓枠カバーが建て付け前に予めユニット化されているユニット部材であることを特徴とする、請求項3に記載の仮設建物の壁構造。
- 前記外壁柱の室内側の上下位置に上ランナーと下ランナーを有し、
それぞれの前記外壁下地材の室内側の側面に上下方向に間隔を置いて複数段の前記スペーサー金具を有し、それぞれの段の前記スペーサー金具に対してそれぞれ共通する横目地が取り付けられており、
前記下ランナーと前記横目地によって上下から下方の内壁面材が挟まれて固定され、前記上ランナーと前記横目地によって上下から上方の内壁面材が挟まれて固定され、上下方向に並ぶ複数の前記内壁面材によって内壁面材ユニットが形成されており、
複数の前記内壁面材ユニットが、前記外壁柱の並び方向に配設されていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の仮設建物の壁構造。 - 前記下方の内壁面材と前記上方の内壁面材の間に中間の内壁面材を更に有し、上下関係にある前記横目地によって上下から該中間の内壁面材が挟まれて固定されていることを特徴とする、請求項5に記載の仮設建物の壁構造。
- 隣接する前記内壁面材ユニットの間に、縦目地が差し込まれていることを特徴とする、請求項5又は6に記載の仮設建物の壁構造。
- 前記内壁面材がグラスウールボードであることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の仮設建物の壁構造。
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JP2018183705A JP2020051182A (ja) | 2018-09-28 | 2018-09-28 | 仮設建物の壁構造 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7334755B2 (ja) | 2021-03-19 | 2023-08-29 | 積水ハウス株式会社 | 外壁パネルの留金具と外壁構造 |
-
2018
- 2018-09-28 JP JP2018183705A patent/JP2020051182A/ja active Pending
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