JP2011089294A - 剛性スタッド構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】建築物の乾式ボ−ド間仕切り壁における、工期短縮および品質・強度を重視した鋼製スタッド構造を提供すること。
【解決手段】壁芯に沿って天井スラブと床スラブ等躯体に固定されているコ字形状の上ランナ3と下ランナ3間に、長尺鋼板をコ字形状にリップを有する断面形状に折曲形成し所定の間隔で立設するスタッド1において、前記スタッド1断面形状のリップ先端から180度折り返し曲げて鋼板を二重にした、リップ1aとフランジ1b・1cと単板のウェブ1d、およびリブ1eで構成されている剛性スタッドを特徴とする乾式ボ−ド間仕切り鋼製下地構造。
【選択図】図2

Description

本発明は、構築物、建築物の乾式間仕切り壁における下地構造に関し、特に工期短縮および品質・強度を重視した鋼製スタッド構造に関するものである。
従来、建築物の乾式間仕切りは、同一断面の間柱(スタッド)を内部に立設し、スタッドの外方向の両側に平行にボ−ドを張るのが一般的である。ボ−ド間仕切り壁は、図6に概略示す方法で施工されている。即ち、建物内部の天井及び床部に、断面コ字形状のランナを設置し、上ランナ3,下ランナ3間で、所定の位置に断面略C字形状の間柱(スタッド6)を立設し、前記スタッド6の断面略C字形状の開口部に所定の間隔でスタッドスペ−サ7を取付け、各々のスタッド間を振れ止め8で繋いで、連続した間仕切り下地壁を構築している。次いで、前記スタッド6の両面に、ボ−ド4を貼りながらタッピンねじ5で固定している。
一般に間仕切り壁は、特に面外剛性(壁間仕切り壁面の水平方向の荷重に対する剛性)が要求されるが、間仕切り壁を構成している通常のスタッド(C形)6のみでは十分な面外剛性を得ることができず、スタッドスペ−サ7で補強措置をしている。スタッドスペ−サ7は、略C字形状スタッド6の開口部間に嵌め込み固定するが、その仕組みは、前記スタッド6のスプリングバックの弾性の性質を利用して(フランジとウェブとの曲げ角度を鋭角に加工して、C形スタッドの開口部寸法が、スタッドスペ−サの長さ寸法より小さく製作されている)挟めている。そのため、取付後でも工事中に前記スタッドスペ−サ7の羽部7aに人や物の接触があると、接点が金属同士ゆえに、滑って、前記スタッドスペ−サス7の位置ずれや、脱落を生じる難点がある。そこで、磁力で吸着するスペ−サが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
次いで、従来型のスタッド6のフランジ寸法はJISA6517建築用鋼製下地材(壁・天井)で45mmに規定されているため、ボ−ド4、をスタッド6に取付ける際のタッピンねじ5の留付け位置は、ボ−ド4の端より10mm前後で施工されている。
近年、特に金融危機以降、建設業界においても建設費のコスト競争に伴い、間仕切り工事でも、作業容易化等の施工性の向上、工期短縮およびコスト削減が喫緊の課題になっている。
実開平07−029111
先ず、特許文献1の場合は、スペ−サの位置ずれや脱落の危険性は少ないが、材料費が従来のスペ−サよりアップするためコスト面で難点がある。
次いで、従来型のスタッド6のフランジ寸法は、JISで45mmに統一されており、その関係上、ボ−ド4のへりあき寸法(ボ−ドの端部からタッピンねじの径芯までの距離)が10mm前後しか取れてないのが現状である。近年の超高層マンション戸境壁(住戸間の間仕切り壁)の場合は、強化せっこうボ−ド厚21mmが使用されているが、ボ−ドのへりあき寸法がボ−ド厚の約半分(10mm前後)で施工されていて、ボ−ド厚とへりあきのバランスが非常に悪い(従来型スタッド6のフランジ寸法を45mmに設定した当時は、せっこうボ−ド厚は最大12mmであった)。それゆえに、不具合が生じている。例えば、作業者がタッピンねじ5を留める際には、ボ−ドのへりあき寸法が10mmの位置に、長さが32〜38mmのタッピンねじを使用しボ−ドに直角に作業を行うが、それらの時間や仕上がりは作業者の熟練度により大幅に異なる。また、ボ−ド厚21mm等極厚ボ−ド使用の場合は、ボ−ド厚に対してへりあきが少ないため間仕切り躯体が地震等で変形すると、ボ−ド4の端部が破損する恐れがある。
上記課題を解決するための本発明に係わる剛性スタッド構造は、壁芯に沿って天井スラブと床スラブ等躯体に固定されているコ字形状の上ランナと下ランナ間に、長尺鋼板をコ字形状にリップを有する断面形状に折曲形成し所定の間隔で立設するスタッドにおいて、前記スタッド断面形状のリップ先端から180度折り返し曲げて鋼板を二重にした、リップとフランジと単板のウェブで構成されている剛性スタッドを特徴とする。
上記において、スタッドのフランジとウェブのエッジ部に所定の間隔で窪みを有し、前記スタッドのフランジ幅が異なる大と小タイプの2種類を成形し、ボ−ドのジョイント部には前記スタッド幅大を、ボ−ドの中間部には所定間隔の位置で前記スタッド小を配置し、連続間仕切り下地を構成する上記に記載の剛性スタッド構造。
(A)本発明に係わる剛性スタッド構造によれば、スタッドのフランジとリップ面(断面二次モ−メントに有効な箇所)の鋼板を二重にして断面積を増し、断面二次モ−メンを大きくしている。したがって、従来技術より断面性能(面外剛性)がアップする。
(B)本発明に係わる剛性スタッド構造によれば、スタッドにスタッドスペ−サを必要とした従来技術と異なり、本発明の技術は、前記記載のスタッドの優れた断面性能(面外剛性)と、フランジとウェブのエッジ部に所定の間隔で窪みを存在させることで、窪みがリブとして機能し、ボ−ド取り付け時の電気ドリルの軸力に十分耐える構造となり、スタッドスペ−サを不要にしている。したがって、作業容易化等の施工性の向上および大幅な工期短縮に繋がる。
(C)本発明に係わる鋼製スタッド構造によれば、ボ−ドジョイント部には、フランジの幅が従来の規格寸法より大きいスタッドを使用し、ボ−ド端部のへりあきを大きくしている。したがって、ボ−ド端部の破損防止と作業容易化等の施工性の向上および工期短縮に繋がる。
本発明に係わる剛性スタッド構造大タイプの一例を示す模式図である。 図1のA−A断面図である。 本発明に係わる剛性スタッド構造小タイプの一例を示す模式図である。 図2のA−A断面図である。 本発明に係わる剛性スタッド構造の間仕切り壁工法の一例を示す模式図である。 従来技術に係わる軸組構造の間仕切り壁工法の一例を示す模式図である。
以下、図1〜図6に基づいて、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は本発明に係わる剛性スタッド構造大タイプの一例を示す模式図、図2は図1のA−A断面図、図3は剛性スタッド構造フランジ幅小タイプの一例を示す模式図、図4は図3のA−A断面図である。図1〜図4に示すように剛性スタッド構造として使用される本発明に係わる各部材は、スタッド大タイプ1、スタッド小タイプ2に分けられる。
図1は、本発明に係わる剛性スタッド構造大タイプの一例を示す模式図、図2は、スタッド大タイプ1,リップ1a、外フランジ1b、内フランジ1c、ウェブ1dおよびリブ1eから構成され、図3は、本発明に係わる剛性スタッド構造小タイプの一例を示す模式図、図4は、スタッド小タイプ2,リップ2a、外フランジ2b、内フランジ2c、ウェブ2dおよびリブ2eから構成されている。以下、これに沿って説明する。
スタッド大タイプ1は、先ず、鋼板の長辺両方向端部を図1〜図2に示すように、コ字形状に内向きに折曲げてリップ1aを加工しているが、図2に示すように、リップ1aの先端を180度折り返しリップ1aの板厚を二重にして、さらに内向きに折曲げ内フランジ1cを製作している。その際、断面性能と経済性を考慮して内フランジ1cの長さを調整する場合もある。次に、前記記述で加工したスタッド大タイプ1を図1〜図2に示すように所定の間隔でリブ1eを加工する。スタッド大タイプ1のサイズは、ウェブ幅が50〜100mm程度、フランジ幅が50〜70mm程度、リップ幅が10mm前後、長さが2.5〜5.0m程度である。また、図3と図4に示す、スタッド小タイプ2のサイズは、ウェブ幅が50〜100mm程度、フランジ幅が33〜50mm程度、リップ幅が10mm前後、長さが2.5〜5.0m程度である。スタッドの材質としては、溶融亜鉛めっき鋼板、溶融55%アルミニュウム−亜鉛合金めっき鋼板等、の金属材料で、0.4〜3.2mm程度の厚みが望ましいが、特に限定されるものではない。なお、前記スタッド大タイプ1の製作と仕様について説明したが、スタッド小タイプ2についても製作要領等は同様である。
次に、実施例を説明する。図5は、本発明に係わる剛性スタッド構造の間仕切り壁工法の一例を示す模式図である。図5に示すように、ランナ−3が、天井スラブと床スラブ等躯体(図示せず)にアンカ−等(図示せず)により固定されている。その上部ランナ3と床面ランナ3間に、事前に、割付(平面)されたボ−ドの継ぎ目位置に、スタッド大タイプ1を、ボ−ドの中間になる位置にはスタッド小タイプ2を配置し、順次固定する。
次いで、図5に示すように、スタッド大タイプ1の外フランジ2bの中心部にボ−ド4の端部を配置して、ボ−ド4の中間部にあたるスタッド小タイプ2の箇所と共にタッピンねじ5で留め、本発明に係わる剛性スタッド構造による鋼製間仕切り壁を構築する。
以上説明したように本発明に係わる剛性スタッド構造によれば、近年の材料に対応した品質・施工性の向上および大幅な工期短縮に優れた間仕切り壁鋼製下地構造であり、建築業界、内装業界に与える効用は極めて大きい。
1 スタッド大タイプ
1a リップ
1b 外フランジ
1c 内フランジ
1d ウェブ
1e リブ
2 スタッド小タイプ
2a リップ
2b 外フランジ
2c 内フランジ
2d ウェブ
2e リブ
3 ランナ
4 ボード
5 タッピンねじ
6 従来技術のスタッド
7 従来技術のスタッドスペ−サ
7a 従来技術のスタッドスペ−サ羽部
8 従来技術の振れ止め

















Claims (4)

  1. 壁芯に沿って天井スラブと床スラブ等躯体に固定されているコ字形状の上ランナと下ランナ間に、長尺鋼板をコ字形状にリップを有する断面形状に折曲形成し所定の間隔で立設するスタッドにおいて、前記スタッド断面形状のリップ先端から180度折り返し曲げて鋼板を二重にした、リップとフランジと単板のウェブで構成されていることを特徴とする剛性スタッド構造。
  2. 長辺鋼板を断面形状略C字に折曲形成され、前記断面形状のリップ先端から180度折り返し曲げて鋼板を二重にした、リップとフランジと単板のウェブで構成されているリップみぞ形鋼を特徴とする剛性スタッド構造。
  3. 請求項1又は2に記載のスタッドのフランジとウェブのエッジ部に所定の間隔で窪みを有することを特徴とする剛性スタッド構造。
  4. 前記スタッドで、フランジ幅のサイズが異なる大と小タイプの2種類を成形し、ボ−ドのジョイント部には前記スダッド幅大を、ボ−ド中間部には所定間隔の位置で前記スタッド幅小を配置し、連続間仕切り下地を構成する請求項1〜3のいずれかに記載の剛性スタッド構造。























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