JP2011144211A - 樹脂組成物およびその発泡体 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性、機械的強度、発泡性に優れた樹脂組成物および該樹脂組成物を発泡させてなる発泡体を提供する。
【解決手段】本発明の樹脂組成物は、ポリアリレート樹脂(A)を主成分とする樹脂組成物であって、荷重2.16kgf、温度330℃にて測定したメルトフローレートの値が、0.01〜20g/10分であり、かつ、(荷重13.225kgf、温度330℃におけるメルトフローレートの値)/(荷重2.16kgf、温度330℃におけるメルトフローレートの値)の比が、10〜40であることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の樹脂組成物は、ポリアリレート樹脂(A)を主成分とする樹脂組成物であって、荷重2.16kgf、温度330℃にて測定したメルトフローレートの値が、0.01〜20g/10分であり、かつ、(荷重13.225kgf、温度330℃におけるメルトフローレートの値)/(荷重2.16kgf、温度330℃におけるメルトフローレートの値)の比が、10〜40であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリアリレート樹脂を主成分とし、耐熱性、機械的強度、発泡性に優れた樹脂組成物およびそれを発泡させてなる発泡体に関するものである。
ポリアリレート樹脂は、透明性、機械的特性、電気特性、耐候性などに優れ、エンジニアリングプラスチックとして電気・電子機器分野、自動車分野、OA機器分野など様々な分野において幅広く使用されている。
ポリアリレート樹脂は、一般的に、溶融粘度が高いが溶融張力は低いため、高い溶融張力が必要とされる発泡体への応用はほとんどなされていなかった。
ポリアリレート樹脂を発泡させる試みとして、発泡核剤を添加することにより微細気泡を得ることが、特許文献1に記載されている。しかしながら、この場合は発泡性において満足するものでは無かった。
ポリアリレート樹脂を発泡させる試みとして、発泡核剤を添加することにより微細気泡を得ることが、特許文献1に記載されている。しかしながら、この場合は発泡性において満足するものでは無かった。
また、ポリアリレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂からなるアロイの発泡において、該樹脂組成物に酸無水物および金属化合物を添加することにより溶融粘度を増大させることが、特許文献2に記載されている。しかしながら、かかる場合は、溶融粘度を増大させる際に、エステル交換反応を行っている。そのため、分子量の低下を招く場合があり、耐熱性や機械的強度において実用に耐えうるものではなかった。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、分子量を低下させることなく、耐熱性、機械的強度、発泡性に優れた樹脂組成物およびそれを発泡させた発泡体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、荷重2.16kgf、温度330℃にて測定したメルトフローレートの値が、0.01〜20g/10分であり、かつ、(荷重13.225kgf、温度330℃におけるメルトフローレートの値)/(荷重2.16kgf、温度330℃におけるメルトフローレートの値)の比が、10〜40であるポリアリレート樹脂を主成分とする樹脂組成物は、耐熱性、機械的強度、発泡性に優れることを見出し、かかる知見に基づき本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、下記の通りである。
(1)ポリアリレート樹脂(A)を主成分とする樹脂組成物であって、荷重2.16kgf、温度330℃にて測定したメルトフローレートの値が、0.01〜20g/10分であり、かつ、(荷重13.225kgf、温度330℃におけるメルトフローレートの値)/(荷重2.16kgf、温度330℃におけるメルトフローレートの値)の比が、10〜40であることを特徴とする樹脂組成物。
(2)ポリアリレート樹脂(A)を主成分とする樹脂組成物が、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、多官能カルボジイミド化合物、多官能オキサゾリン化合物から選ばれた少なくとも1つの多官能化合物(B)で架橋及び/又は鎖延長された構造を有することを特徴とする(1)の樹脂組成物。
(3)(酢酸ナトリウムの存在下における対数粘度)/(酢酸ナトリウムの非存在下における対数粘度)の比が0.2〜0.9であるポリアリレート樹脂(A)と、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、多官能カルボジイミド化合物、多官能オキサゾリン化合物から選ばれた少なくとも1つの化合物(B)とを溶融混合してなる(1)又は(2)の樹脂組成物。
(4)(1)〜(3)いずれかの樹脂組成物を製造するに際し、(酢酸ナトリウムの存在下における対数粘度)/(酢酸ナトリウムの非存在下における対数粘度)の比が0.2〜0.9であるポリアリレート樹脂(A)100質量部に対して、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、多官能カルボジイミド化合物、多官能オキサゾリン化合物から選ばれた少なくとも1つの化合物(B)と0.01〜10質量部を溶融混合することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
(5)(1)〜(3)のいずれかの樹脂組成物を発泡させてなる発泡体。
(1)ポリアリレート樹脂(A)を主成分とする樹脂組成物であって、荷重2.16kgf、温度330℃にて測定したメルトフローレートの値が、0.01〜20g/10分であり、かつ、(荷重13.225kgf、温度330℃におけるメルトフローレートの値)/(荷重2.16kgf、温度330℃におけるメルトフローレートの値)の比が、10〜40であることを特徴とする樹脂組成物。
(2)ポリアリレート樹脂(A)を主成分とする樹脂組成物が、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、多官能カルボジイミド化合物、多官能オキサゾリン化合物から選ばれた少なくとも1つの多官能化合物(B)で架橋及び/又は鎖延長された構造を有することを特徴とする(1)の樹脂組成物。
(3)(酢酸ナトリウムの存在下における対数粘度)/(酢酸ナトリウムの非存在下における対数粘度)の比が0.2〜0.9であるポリアリレート樹脂(A)と、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、多官能カルボジイミド化合物、多官能オキサゾリン化合物から選ばれた少なくとも1つの化合物(B)とを溶融混合してなる(1)又は(2)の樹脂組成物。
(4)(1)〜(3)いずれかの樹脂組成物を製造するに際し、(酢酸ナトリウムの存在下における対数粘度)/(酢酸ナトリウムの非存在下における対数粘度)の比が0.2〜0.9であるポリアリレート樹脂(A)100質量部に対して、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、多官能カルボジイミド化合物、多官能オキサゾリン化合物から選ばれた少なくとも1つの化合物(B)と0.01〜10質量部を溶融混合することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
(5)(1)〜(3)のいずれかの樹脂組成物を発泡させてなる発泡体。
本発明によれば、ポリアリレート樹脂を主成分としていても、分子量を低下させることなく、耐熱性、機械的強度、発泡性に優れた樹脂組成物を提供することが可能である。さらには、ポリアリレート樹脂を主成分とした樹脂組成物を発泡させてなる発泡体の提供が可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、発泡性付与の観点から、荷重2.16kgf、330℃にて測定されたメルトフローレート(以下、「MFR」と称する場合がある)値が0.01〜20g/10分であることが必要であり、0.1〜15g/10分であることが好ましく、0.5〜15g/10分であることがより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、発泡性付与の観点から、荷重2.16kgf、330℃にて測定されたメルトフローレート(以下、「MFR」と称する場合がある)値が0.01〜20g/10分であることが必要であり、0.1〜15g/10分であることが好ましく、0.5〜15g/10分であることがより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、(荷重13.225kgf、温度330℃におけるMFR値)/(荷重2.16kgf、温度330℃におけるMFR値)の比(以下、「MFR比」と称する場合がある)が、10〜40であることが必要であり、10〜30であることが好ましく、10〜25であることがより好ましい。
本発明においてMFR値は樹脂の流動性を示す指標であり、MFR比は樹脂の発泡適性を示す指標である。MFR比が大きいということは、すなわち低荷重で流動性が低く高荷重で流動性が高いことを意味し、樹脂の分子構造が発泡に適した構造(例えば架橋構造や分岐構造)を有していると考えられる。
本発明において、上記MFR比が10未満の場合は、溶融張力が不十分で発泡性に劣るという問題がある。なお、後述する多官能化合物(B)の配合割合が0.01質量%未満の場合は、MFR比が10未満となる。また、上記MFR比が40を超える場合は、溶融時の流動性が乏しく取扱性が困難となるという問題がある。なお、多官能化合物(B)の配合割合が多すぎる場合はMFR比が40を超える。
本発明において、(荷重2.16kgf、温度330℃におけるMFR値)は以下のように求めることができる。すなわち、JIS K 7210に従って、十分乾燥させた樹脂組成物を用いて、荷重2.16kgf、330℃にて10分間あたりに押し出される樹脂重量を測定し、MFRの値とする。
本発明において、(荷重13.225kgf、温度330℃におけるMFR値)は以下のように求めることができる。すなわち、JIS K 7210に従って、十分乾燥させた樹脂組成物を用いて、荷重13.225kgf、温度330℃にて10分間あたりに押し出される樹脂重量を測定し、MFRの値とする。
本発明の樹脂組成物は、ポリアリレート樹脂(A)を主成分とするものである。
本発明において、ポリアリレート樹脂(A)とは、芳香族ジカルボン酸残基とビスフェノール類残基とから構成されている芳香族ポリエステルである。
本発明において、ポリアリレート樹脂(A)とは、芳香族ジカルボン酸残基とビスフェノール類残基とから構成されている芳香族ポリエステルである。
ビスフェノール類の具体例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよいし、あるいは、2種以上混合して使用してもよい。なかでも、反応性、コストパフォーマンス、生成するポリアリレート樹脂の物性等の面から、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称、ビスフェノールA、以下、「BA」と称する場合がある)を使用することが好ましく、BAを単独で使用することが好ましい。
芳香族ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸(以下、「TPA」と称する場合がある)、イソフタル酸(以下、「IPA」と称する場合がある)、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシジフェニル、ビス(p−カルボキシフェニル)アルカンなどが挙げられる。なかでも、取扱性、コストの観点から、TPAとIPAが好ましく用いられる。TPAとIPAは、目的に応じてそれぞれ単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
TPAとIPAを混合して用いる場合には、両者の配合比は特に制限はないが、耐熱性、機械的強度、重合性の観点から、等モル比とすることが好ましい。
また、ポリアリレート樹脂(A)を製造する際には、芳香族ジカルボン酸残基とビスフェノール類残基との配合比を実質的に等モル比とすることが好ましい。すなわち、芳香族ジカルボン酸残基/ビスフェノール残基(モル比)=0.9〜1.1とすることが好ましく、0.95〜1.05とすることがより好ましい。上記の範囲を外れると、重合度の高いポリアリレート樹脂(A)を得ることが困難となり、耐熱性や機械的強度に劣る場合がある。
また、ポリアリレート樹脂(A)を製造する際には、芳香族ジカルボン酸残基とビスフェノール類残基との配合比を実質的に等モル比とすることが好ましい。すなわち、芳香族ジカルボン酸残基/ビスフェノール残基(モル比)=0.9〜1.1とすることが好ましく、0.95〜1.05とすることがより好ましい。上記の範囲を外れると、重合度の高いポリアリレート樹脂(A)を得ることが困難となり、耐熱性や機械的強度に劣る場合がある。
本発明において、ポリアリレート樹脂(A)を得る方法としては、溶融重合法、界面重合法などが挙げられるが、溶融重合法は、一般的に末端基を封鎖しないため、ポリアリレート樹脂(A)の末端はカルボン酸基となる。溶融重合法は、界面重合法と比較すると安価であるという利点があるが、その一方で、ポリアリレート樹脂(A)の重合度が増大するにつれて溶融粘度が上昇する。界面重合法と比較すると、高分子量のポリアリレート樹脂(A)を得ることが困難である場合がある。そのため、本発明においては、界面重合法でポリアリレート樹脂(A)を得ることが好ましい。
界面重合法では、以下のようにしてポリアリレート樹脂(A)を得ることができる。すなわち、芳香族ジカルボン酸の酸ハロゲン化物を、水と非相溶性の有機溶剤に溶解させた有機相と、ビスフェノール類をアルカリ水溶液に溶解して得られた水相とを、相間移動触媒の存在下で混合攪拌することにより、ポリアリレート樹脂(A)を得ることができる。
相間移動触媒は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。なかでも、適度な疎水基を有することからトリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライドが好ましい。
相間移動触媒の量は、反応効率、副反応の抑制、コスト面などの観点から、ビスフェノール類に対して、0.001〜10モル%であることが好ましく、0.01〜5モル%とすることがより好ましい。
上記界面重合法における主反応は、有機相の芳香族ジカルボン酸の酸ハロゲン化物と水相のビスフェノール類とのエステル化反応である。しかし、副反応として、酸無水物結合により2量体化した酸ハロゲン化物とビスフェノール類とのエステル化反応も起こる。この副反応は、有機相中で酸ハロゲン化物の加水分解がわずかに起こり、加水分解で生じたカルボン酸と酸ハロゲン化物の反応の結果、酸無水物結合を有する酸ハロゲン化物(2量体)が生成することが要因である。
酸無水物結合を有する酸ハロゲン化物を下記化1に示す。
ポリアリレート樹脂の分子鎖中に酸無水物結合がある場合は、ポリアリレート樹脂(A)の耐熱性と耐湿熱性を低下させる要因となりうる。従って、従来技術では、酸無水物結合が生じる副反応をできるだけ抑える方策がとられることが好ましかった。副反応を抑える方策としては、以下のようなものが挙げられる。すなわち、相間移動触媒により重縮合反応を高める、界面を増加させるなどの方策がある。界面を増加させるための方策としては、攪拌速度を高めたり、攪拌羽根の数を増やしたり、攪拌羽根を大きくしたり、反応槽のスケールを小さくするなどの方法が挙げられる。
しかしながら、本発明においては、ポリアリレート樹脂(A)の対数粘度比を好ましい範囲に制御することを目的として、分子鎖中に酸無水物結合を有するポリアリレート樹脂を得ることが好ましい。すなわち、積極的に副反応を起こさせることが好ましい。
積極的に副反応を起こさせるためには、重縮合反応がより遅い相関移動触媒に変更したり、攪拌速度を低くしたり、攪拌羽根の数を減らしたり、攪拌羽根を小さくしたり、反応槽のスケールを大きくすることなどが挙げられる。
また、分子鎖中に酸無水物結合を有するポリアリレート樹脂(A)を得るためには、原料となるジカルボン酸として、酸無水物結合を有するジカルボン酸を用いて界面重合に付してもよい。
なお、酸無水物結合は熱等により分解しやすいという傾向がある。そのため、分子鎖中に酸無水物結合が多すぎると、分解による分子量低下を引き起こし、ポリアリレート樹脂(A)の耐熱性と耐湿熱性を低下させる要因となり得る。従って、ポリアリレート樹脂(A)の1分子鎖中には、1〜6の酸無水物結合が存在することが好ましい。
ポリアリレート樹脂(A)は、(酢酸ナトリウムの存在下における対数粘度)/(酢酸ナトリウムの非存在下における対数粘度)の比(すなわち、対数粘度比)が、0.2〜0.9であることが好ましく、より好ましくは0.4〜0.9であり、さらに好ましくは0.6〜0.9である。0.2未満であると、1分子鎖中の酸無水物結合の数が多すぎて分子量低下を招くなどの問題があり、一方、0.9を超えると1分子鎖中の酸無水物結合の数が少なすぎて多官能化合物(B)との反応点が少なすぎて、十分な溶融張力を付与できない問題がある。
なお、対数粘度比の測定方法については、実施例において詳述する。
なお、対数粘度比の測定方法については、実施例において詳述する。
分子鎖中に酸無水物結合を有している場合、酢酸ナトリウムに酸無水物結合が開裂するため、炭酸ナトリウムの存在下における対数粘度の値が相対的に小さくなり、その結果、対数粘度比が0.9以下となる。また、1分子鎖中に酸無水物結合が多いと、その分、開裂も多く起こるため、その結果、対数粘度比が0.2未満となる。
本発明においては、上記したように樹脂組成物のMFR比を特定の範囲とするものであるが、上記範囲内でMFR比をより高くするためには、多官能化合物(B)と反応する前のポリアリレート樹脂(A)の(荷重13.225kgf、温度330℃におけるMFR値)/(荷重2.16kgf、温度330℃におけるMFR値)の比は、1〜20であることが好ましく、3〜10であることがより好ましい。(荷重13.225kgf、温度330℃におけるMFR値)および(荷重2.16kgf、温度330℃におけるMFR値)の測定方法は、上記と同様である。
界面重合法にてポリアリレート樹脂(A)を得る場合には、ポリアリレート樹脂(A)の重合度(すなわち、分子量)を、末端封鎖剤を添加することにより制御することができる。本発明においては、耐熱性、機械的強度の観点から、数平均分子量(Mn)が、5000〜70000が好ましく、10000〜50000が更に好ましい。
なお、本発明において、ポリアリレート樹脂(A)のMnを測定する方法としては、ポリアリレート樹脂(A)をクロロホルムまたはヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解して、クロロホルムまたはHFIPを移動相とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定する方法が挙げられる。
末端封鎖剤は、1級アルコールまたは1級カルボン酸を有する末端封鎖剤を使用することが好ましい。このような末端封鎖剤を用いることにより、末端基としてカルボン酸基またはアルコール基を導入することができる。
末端封鎖剤は、フェノール性ヒドロキシル基と、アルコール性ヒドロキシル基またはカルボン酸基を有する化合物である、p−ヒドロキシフェネチルアルコール、p−ヒドロキシベンジルアルコール、p−ヒドロキシフェネチルカルボン酸、p−ヒドロキシベンジルカルボン酸などが挙げられる。
上記のようにして作製したポリアリレート樹脂(A)は、それ自体で発泡性を有するものではなく、ポリアリレート樹脂(A)を主成分とする樹脂組成物とすることにより発泡性を付与することができる。本発明においては、ポリアリレート樹脂(A)を多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、多官能カルボジイミド化合物、多官能オキサゾリン化合物から選ばれた少なくとも一つの多官能化合物(B)[以下、単に多官能化合物(B)と称する場合がある]と反応させて樹脂組成物とし、架橋及び/又は鎖延長された構造を有することにより溶融張力を増大させて、発泡性に優れた樹脂組成物を作製することが好ましい。
ポリアリレート樹脂(A)と、多官能化合物(B)との反応により得られた本発明の樹脂組成物は、対数粘度比が0.2〜0.9であり、後述のように高い溶融張力を有し、優れた発泡性を有するものである。また、前述のようにMFR比が10〜40である樹脂組成物となる。
多官能化合物(B)の混合量は、ポリアリレート樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、中でも0.1〜7質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましく、0.5〜3質量部が特に好ましい。0.01質量部より少ないと配合する効果がなく、10質量部より多いと、溶融時の流動性が乏しく取扱性が困難となるという問題がある。
多官能化合物(B)としては、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、多官能カルボジイミド化合物、多官能オキサゾリン化合物などの、カルボン酸および/またはアルコールと反応する多官能化合物(B)を用いることができる。
上記の多官能化合物(B)が有する官能基の数は、配合により付与される発泡適性と流動性とのバランスの観点から、1分子鎖あたり2〜40個が好ましく、2〜10個がより好ましく、2〜6個がさらに好ましい。
多官能エポキシ化合物としては、低分子のポリエポキシ化合物であるポリグリシジルエーテル化合物(例えば、阪本薬品工業社製SR−TMP、ナガセケムテックス社製デナコールEX−521など)、ポリエチレンを主成分とするポリエポキシ化合物(例えば、住友化学社製ボンドファーストE)、アクリルを主成分とするポリエポキシ化合物(例えば、東亞合成社製レゼダGP−301、東亞合成社製ARUFON UG−4000、三菱レイヨン社製メタブレンKP−7653など)、アクリル・スチレン共重合体を主成分とするポリエポキシ化合物(例えば、BASF社製Joncryl−ADR−4368、東亞合成社製ARUFON UG−4040など)、シリコーン・アクリル共重合体を主成分とするポリエポキシ化合物(例えば、メタブレンS−2200など)、ポリエチレングリコールを主成分とするポリエポキシ化合物(例えば、日油社製エピオールE−1000など)などが挙げられる。
多官能イソシアネート化合物としては、モノメリックMDI(MDI:メチレンビス(4,1−フェニレン)ジイソシアネート)、ポリメリックMDI(例えば、日本ポリウレタン工業社製ミリオネートMR−200、BASF社製ルプラネートM20Sなど)、芳香族ポリイソシアネート(例えば、日本ポリウレタン工業社製ミリオネートMTなど)などが挙げられる。
多官能カルボジイミド化合物としては、芳香族ポリカルボジイミド(例えば、ラインケミー社製スタバックゾールP、スタバックゾールP−400など)、脂肪族(脂環族)ポリカルボジイミド(例えば、日清紡績社製カルボジライトLA−1など)が挙げられる。
多官能オキサゾリン化合物としては、芳香族ポリオキサゾリン(例えば1 ,3−フェニレン−ビスオキサゾリンなど)、オキサゾリン含有ポリマー(例えば、日本触媒社製エポクロスなど)などが挙げられる。
上記のなかでも、多官能化合物(B)としては、反応性、反応温度、汎用性、コストの観点から、多官能ポリエポキシの使用が好ましい。
上記の多官能化合物(B)は、単独でまたは2つ以上を組み合わせて使用できる。
上記の多官能化合物(B)は、単独でまたは2つ以上を組み合わせて使用できる。
本発明においては、上述のように、ポリアリレート樹脂(A)と多官能化合物(B)とを反応させて溶融張力を増大させ、発泡性に優れた樹脂組成物を作製することができる。ここで樹脂組成物の溶融張力は、発泡性向上の観点から、30〜500mNであることが好ましく、中でも40〜400mNであることが好ましく、さらには50〜300mNであることが好ましい。
なお、溶融張力は、以下のような方法で測定される。
あらかじめ乾燥させたペレット状の樹脂組成物を330℃に設定したキャピラリオメーター(東洋精機製作所社製、商品名「キャピログラフ 1C」)のシリンダ内に充填し、シリンダの上にピストンを載せて5分間余熱する。その後、シリンダの下部のダイ(1mmφ×10mm長)から、10mm/分のピストン速度で押し出したストランドを、初期速度1mm/分で引き取り、張力計で張力を検出する。その後、引取速度を徐々に上げていき、ストランドが破裂したときの張力を、溶融張力とする。
あらかじめ乾燥させたペレット状の樹脂組成物を330℃に設定したキャピラリオメーター(東洋精機製作所社製、商品名「キャピログラフ 1C」)のシリンダ内に充填し、シリンダの上にピストンを載せて5分間余熱する。その後、シリンダの下部のダイ(1mmφ×10mm長)から、10mm/分のピストン速度で押し出したストランドを、初期速度1mm/分で引き取り、張力計で張力を検出する。その後、引取速度を徐々に上げていき、ストランドが破裂したときの張力を、溶融張力とする。
本発明の樹脂組成物を発泡させた場合の発泡倍率は、5倍以上が好ましく、8倍以上がより好ましい。なお、本発明の発泡倍率を求める方法は、実施例における評価方法にて詳述する。
本発明の樹脂組成物のガラス転移温度は、樹脂の強度と流動性の観点から、180〜210℃であることが好ましく、185〜200℃であることがより好ましい。
本発明の樹脂組成物において、上述のように、ポリアリレート樹脂(A)と多官能化合物(B)とを反応させるためには、特に限定されないが、例えば通常の押出機を用いて溶融混合することが好ましい。
本発明の樹脂組成物において、上述のように、ポリアリレート樹脂(A)と多官能化合物(B)とを反応させるためには、特に限定されないが、例えば通常の押出機を用いて溶融混合することが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、主成分であるポリアリレート樹脂(A)、多官能化合物(B)以外に他の樹脂(以下、単に「その他の樹脂」と称する場合がある)を含有していてもよい。
その他の樹脂は、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリカーボネート、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリアセタール、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリエーテルケトン、ポリブタジエン等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。その他の樹脂の含有量は、樹脂組成物に対して、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、熱安定剤、酸化防止剤、顔料、耐候剤、難燃剤、可塑剤、分散剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、末端封鎖剤、充填材、強化材等の添加剤が添加されていてもよい。これらの添加剤は、一般に重合時、溶融混合時、あるいは押出発泡時に加えられる。
熱安定剤や酸化防止剤としては、例えば、ホスファイト系有機化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ヒンダードアミン系化合物、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物、あるいはこれらの混合物を使用することができる。
末端封鎖剤としては、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物などが挙げられる。
分散剤としては、流動パラフィン、ミネラルオイル、クレオソート油、潤滑油、シリコーンオイルなどの工業用オイル;コーン油、大豆油、菜種油、パーム油、亜麻仁油、ホホバ油などの植物油;イオン性およびノニオン性の界面活性剤などが挙げられる。
分散剤としては、流動パラフィン、ミネラルオイル、クレオソート油、潤滑油、シリコーンオイルなどの工業用オイル;コーン油、大豆油、菜種油、パーム油、亜麻仁油、ホホバ油などの植物油;イオン性およびノニオン性の界面活性剤などが挙げられる。
充填材としては、タルク、層状珪酸塩、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウィスカー、セラミックウィスカー、チタン酸カリウム、窒化ホウ素、グラファイト、ガラス繊維、炭酸繊維、澱粉、セルロース微粒子、木粉、おから、モミ殻、フスマ、ケナフ等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
これらの添加剤は、単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
本発明の樹脂組成物を発泡させて発泡体を製造する際には、公知慣用の発泡方法が用いられる。例えば、押出機を用いて、発泡させる樹脂組成物に熱分解型発泡剤をブレンドしておき、スリット状ノズルから押出してシート状にしたり、丸型ノズルから押出してストランド形状にしたりして、発泡させることができる。
本発明の発泡体を製造に用いる押出機としては、公知慣用の押出発泡機を好適に使用できる。例えば、単軸押出機、二軸押出機、複数の押出機を連結させたタンデム型の押出機が挙げられる。押出機のバレル(円筒部、シリンダ)は、樹脂組成物を溶融させる部分(溶融ゾーン)と、得られた発泡体を冷却させる部分(冷却ゾーン)を有していることが好ましい。
発泡押出の際の溶融温度は、樹脂組成物の分子量およびガラス転移点によっても変化するが、300〜380℃とすることが好ましい。
発泡押出の際の溶融温度は、樹脂組成物の分子量およびガラス転移点によっても変化するが、300〜380℃とすることが好ましい。
熱分解型発泡剤は、樹脂組成物の溶融温度で分解するものが好ましい。熱分解型発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレートなどのアゾ化合物;N,N’−ニトロソペンタメチレンテトラミンなどのニトロソ化合物;4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ヒドラジカルボンアミドなどのヒドラジン化合物;テトラゾール化合物;炭酸水素ナトリウムなどの無機系の発泡剤などが挙げられる。
熱分解型発泡剤としては、上記の中でも、汎用性の高いアゾジカルボンアミドあるいは分解温度の高いテトラゾール化合物が好ましい。
熱分解型発泡剤の使用量は、発泡倍率と外観とのバランスの観点から、樹脂組成物中、0.1〜8質量%が好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましい。
熱分解型発泡剤の使用量は、発泡倍率と外観とのバランスの観点から、樹脂組成物中、0.1〜8質量%が好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましい。
また、押出機途中から揮発型発泡剤を注入して、樹脂組成物を発泡させることも可能である。揮発型発泡剤としては、窒素、二酸化炭素、水等の無機化合物;メタン、エタン、
プロパン、ブタン、ペンタンなど各種炭化水素;フロン化合物;ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル等のエーテル類;エタノール、メタノール等の有機溶媒などを挙げることができる。
プロパン、ブタン、ペンタンなど各種炭化水素;フロン化合物;ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル等のエーテル類;エタノール、メタノール等の有機溶媒などを挙げることができる。
揮発型発泡剤としては、上記の中でも、溶解度が比較的高く、扱いやすいプロパン、ブタン、ペンタンが好ましい。
揮発型発泡剤の使用量は、発泡倍率と外観とのバランスの観点から、樹脂組成物中、0.1〜8質量%が好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましい。
揮発型発泡剤の使用量は、発泡倍率と外観とのバランスの観点から、樹脂組成物中、0.1〜8質量%が好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましい。
また、本発明の樹脂組成物には、より微細な気泡を得る目的で、気泡調整剤が添加されていてもよい。気泡調整剤としては、例えば、酸化チタン、タルク、カオリン、クレー、珪酸カルシウム、シリカ、クエン酸ソーダ、炭酸カルシウム、珪藻土、焼成パーライト、ゼオライト、ベントナイト、ガラス、石灰石、硫酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸第二鉄、ポリテトラフルオロエチレン粉末等が挙げられる。
気泡調整剤の平均粒径は、発生する気泡を小さくする観点から、0.1〜100μmであることが好ましく、0.2〜50μmであることがより好ましい。
気泡調整剤の添加濃度は、樹脂組成物に対して、0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましい。上記添加濃度が0,01質量%未満であると、樹脂組成物を発泡させて発泡体としたときに、気泡が粗大となり外観が損なわれる場合がある。また、5質量%を超えると、後述のように樹脂組成物を押出発泡させて発泡体とするときに、独立気泡率が低下したり、外観が損なわれたりする場合がある。
気泡調整剤の添加濃度は、樹脂組成物に対して、0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましい。上記添加濃度が0,01質量%未満であると、樹脂組成物を発泡させて発泡体としたときに、気泡が粗大となり外観が損なわれる場合がある。また、5質量%を超えると、後述のように樹脂組成物を押出発泡させて発泡体とするときに、独立気泡率が低下したり、外観が損なわれたりする場合がある。
また、予め樹脂組成物の微粒子(ビーズ)を作製し、炭化水素、有機溶媒、水など上記に示した発泡剤を加圧下にて含浸させた後、温度や圧力を変化により発泡させて発泡微粒子を作製し、次いで金型内で成形する方法も適用できる。
本発明において発泡体、及び発泡成形体は、その軽量性、耐熱性、断熱性、耐衝撃性、クッション性、遮音性を活かして、包装材、緩衝材、断熱材、保温材、保冷材、消音材、吸音材、防音材、制振材、建材、クッション材、資材、容器などに利用することができる。その具体例としては、ソファ、ベッドマット、椅子、寝具、マットレス、電灯カバー、ぬいぐるみ、スリッパ、クッション、ヘルメット、カーペット、枕、靴、ポーチ、マット、クラッシュパッド、スポンジ、文具、玩具、DIY用品、パネル、畳芯材、マネキン、自動車内装部材・クッション、カーシート、デッドニング、ドアトリム、サンバイザー、自動車用制振材・吸音材、スポーツ用マット、フィットネス用品、スポーツ用プロテクター、ビート板、グラウンドフェンス、レジャーシート、医療用マットレス、衣料用品、介護用品、リハビリ用品、建築用断熱材、建築目地材、面戸材、建築養生材、反射材、工業用トレー、チューブ、パイプカバー、エアコン断熱配管、ガスケット芯材、コンクリート型枠、土木目地、つらら防止パネル、保護材、計量土、盛土、人工土壌、梱包材・包装資材、梱包資材、ラッピング、生鮮品・野菜・果物等の梱包材・包装材、電子機器等の梱包材・緩衝包装材、生鮮品・野菜・果物等の保温・保冷箱、カップラーメン・弁当箱等の食品容器、食用トレー、飲料容器、農業用資材、発泡模型、スピーカ用振動板などが挙げられる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
実施例および比較例で用いた多官能エポキシ化合物を以下に示す。
a:ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製、「デナコールEX−521」)
b:トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(阪本薬品工業社製、「SR−TMP」)
c:ポリエポキシ化合物(BASF社製「Joncryl−ADR−4368」)
d:エポキシ変性シリコーン・アクリルゴム(三菱レイヨン社製「メタブレンS−2200」)
e:脂肪族ポリカルボジイミド(日清紡績社製「LA−1」)
f:ポリメリックMDI(日本ポリウレタン工業社製「ミリオネートMR−200」)
[評価方法]
(1)MFR比
上記「発明を実施するための形態」の欄に記載された方法で測定されたMFR値を用いて、以下の式によりMFR比を算出した。
MFR比=(荷重13.225kgf、温度330℃におけるMFR値)/(荷重2.16kgf、温度330℃におけるMFR値)
(2)対数粘度比
ポリアリレート樹脂(A)を有機溶媒に溶解して対数粘度を測定し、以下の式により算出した。
(対数粘度比)=(酢酸ナトリウムの存在下における対数粘度)/(酢酸ナトリウムの非存在下における対数粘度)
(酢酸ナトリウムの非存在下における対数粘度):テトラクロロエタン中にポリアリレート樹脂(A)を1g/dLの濃度で溶解し、ウベローデ粘度計を用いて、25℃で測定した対数粘度である。
(酢酸ナトリウムの存在下における対数粘度):酢酸ナトリウムを0.01mol/L含む混合溶液であって、テトラクロロエタン/フェノール(重量比)=40/60の混合溶液中に、ポリアリレート樹脂(A)を1g/dLの濃度で溶解し、ウベローデ粘度計を用いて、25℃で測定した対数粘度である。
a:ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製、「デナコールEX−521」)
b:トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(阪本薬品工業社製、「SR−TMP」)
c:ポリエポキシ化合物(BASF社製「Joncryl−ADR−4368」)
d:エポキシ変性シリコーン・アクリルゴム(三菱レイヨン社製「メタブレンS−2200」)
e:脂肪族ポリカルボジイミド(日清紡績社製「LA−1」)
f:ポリメリックMDI(日本ポリウレタン工業社製「ミリオネートMR−200」)
[評価方法]
(1)MFR比
上記「発明を実施するための形態」の欄に記載された方法で測定されたMFR値を用いて、以下の式によりMFR比を算出した。
MFR比=(荷重13.225kgf、温度330℃におけるMFR値)/(荷重2.16kgf、温度330℃におけるMFR値)
(2)対数粘度比
ポリアリレート樹脂(A)を有機溶媒に溶解して対数粘度を測定し、以下の式により算出した。
(対数粘度比)=(酢酸ナトリウムの存在下における対数粘度)/(酢酸ナトリウムの非存在下における対数粘度)
(酢酸ナトリウムの非存在下における対数粘度):テトラクロロエタン中にポリアリレート樹脂(A)を1g/dLの濃度で溶解し、ウベローデ粘度計を用いて、25℃で測定した対数粘度である。
(酢酸ナトリウムの存在下における対数粘度):酢酸ナトリウムを0.01mol/L含む混合溶液であって、テトラクロロエタン/フェノール(重量比)=40/60の混合溶液中に、ポリアリレート樹脂(A)を1g/dLの濃度で溶解し、ウベローデ粘度計を用いて、25℃で測定した対数粘度である。
(3)ガラス転移温度
ポリアリレート樹脂について、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製、商品名「DSC−7」)を用いて、25℃から250℃まで昇温速度10℃/分で昇温し、250℃で10分間保持した。その後、250℃から0℃まで降温速度10℃/分で降温し、0℃にて10分間保持した。次いで、再び250℃まで、昇温速度10℃/分で昇温した。2回目の昇温時のチャートから、ガラス転移温度(Tg)を求めた。
ポリアリレート樹脂について、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製、商品名「DSC−7」)を用いて、25℃から250℃まで昇温速度10℃/分で昇温し、250℃で10分間保持した。その後、250℃から0℃まで降温速度10℃/分で降温し、0℃にて10分間保持した。次いで、再び250℃まで、昇温速度10℃/分で昇温した。2回目の昇温時のチャートから、ガラス転移温度(Tg)を求めた。
(4)荷重たわみ温度
ポリアリレート樹脂(A)を射出成形して、(5インチ)×(1/2インチ)×(1/8インチ)の成形片を得た。金型温度を15℃とした。熱変形温度測定装置(安田精機製作所製、商品名「No.148−HDA」)を用いて、ISO−75−1に従って荷重1.8MPaにて荷重たわみ温度を測定した。
ポリアリレート樹脂(A)を射出成形して、(5インチ)×(1/2インチ)×(1/8インチ)の成形片を得た。金型温度を15℃とした。熱変形温度測定装置(安田精機製作所製、商品名「No.148−HDA」)を用いて、ISO−75−1に従って荷重1.8MPaにて荷重たわみ温度を測定した。
(5)発泡倍率
湿式電子比重計(アルファ・ミラージュ社製、商品名「EW−300SG」)を用いて、発泡体の重量と見かけ体積を測定した。重量と見かけ体積の比から、見かけ比重を計算し、発泡倍率を下記式により求め、以下の基準で評価した。
発泡倍率=(樹脂組成物の比重)/(発泡体の見かけ比重)
○:発泡倍率が5倍以上である。
×:発泡倍率が5倍未満である。
湿式電子比重計(アルファ・ミラージュ社製、商品名「EW−300SG」)を用いて、発泡体の重量と見かけ体積を測定した。重量と見かけ体積の比から、見かけ比重を計算し、発泡倍率を下記式により求め、以下の基準で評価した。
発泡倍率=(樹脂組成物の比重)/(発泡体の見かけ比重)
○:発泡倍率が5倍以上である。
×:発泡倍率が5倍未満である。
(6)加熱寸法安定性
得られた発泡シートを、150℃で24時間、熱風乾燥機により加熱処理した。加熱処理前後の寸法変化率を、以下の基準で評価した。
○:長さ変化率及び幅変化率が±3%未満である
×:長さ変化率、幅変化率の少なくとも一方が±3%以上である
なお、変化率は以下の式より求めた。
変化率(%)=[(Y−X)/X]×100
X:加熱前の発泡シートの長さ、または幅
Y:加熱後の発泡シートの長さ、または幅
得られた発泡シートを、150℃で24時間、熱風乾燥機により加熱処理した。加熱処理前後の寸法変化率を、以下の基準で評価した。
○:長さ変化率及び幅変化率が±3%未満である
×:長さ変化率、幅変化率の少なくとも一方が±3%以上である
なお、変化率は以下の式より求めた。
変化率(%)=[(Y−X)/X]×100
X:加熱前の発泡シートの長さ、または幅
Y:加熱後の発泡シートの長さ、または幅
[製造例1]
樽型反応容器に、ビスフェノール類としてBA5kg(22モル)と、末端封鎖剤としてp−tert−ブチルフェノール(BP)0.13kg(0.9モル)と、アルカリとして水酸化ナトリウム1.9kg(47モル)、相間移動触媒としてトリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライド(TBBAC)91.5gとを、水139Lに溶解し、水相とした。
樽型反応容器に、ビスフェノール類としてBA5kg(22モル)と、末端封鎖剤としてp−tert−ブチルフェノール(BP)0.13kg(0.9モル)と、アルカリとして水酸化ナトリウム1.9kg(47モル)、相間移動触媒としてトリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライド(TBBAC)91.5gとを、水139Lに溶解し、水相とした。
これとは別に、塩化メチレン82Lに、芳香族ジカルボン酸として、テレフタル酸クロライドとイソフタル酸クロライドを、モル比で1:1に混合して得られた混合物混合物4.5kg(22モル)を溶解し有機相とした。
有機相を水相に一度に加えて、15℃において2時間攪拌混合しながら、界面重合を行った。重合終了後、有機相のみを洗浄抽出槽に送り、純水140Lを加えて攪拌抽出を行った。3時間攪拌後、分離機を用いて水相を分離し、洗浄した有機相(ポリマー液)を得た。ホモミキサーを備えた容器に50℃の温水を満たし、該温水中に得られた有機相を投入して、塩化メチレンを蒸発させ、粉末状のポリマーを得た。この粉末状のポリマーを、真空乾燥機を用いて、ゲージ圧力−0.095MPaの減圧下で、120℃で24時間乾燥してポリアリレート樹脂(P−1)を得た。
ポリアリレート樹脂(P−1)の物性は、Tgが197℃、MFR比が6、対数粘度比が0.98であった。
ポリアリレート樹脂(P−1)の物性は、Tgが197℃、MFR比が6、対数粘度比が0.98であった。
[製造例2]
全体のスケールを5倍にしたこと以外は、製造例1と同様にして溶融重合し、ポリアリレート樹脂(P−2)を得た。
ポリアリレート樹脂(P−2)の物性は、Tgが198℃、MFR比が7、対数粘度比が0.88であった。
全体のスケールを5倍にしたこと以外は、製造例1と同様にして溶融重合し、ポリアリレート樹脂(P−2)を得た。
ポリアリレート樹脂(P−2)の物性は、Tgが198℃、MFR比が7、対数粘度比が0.88であった。
[製造例3]
相間移動触媒としてトリメチルベンジルアンモニウムクロライド(TMBAC)を用いたこと以外は、製造例1と同様にして重合し、ポリアリレート樹脂(P−3)を得た。
ポリアリレート樹脂(P−3)の物性は、Tgが179℃、MFR比が7、対数粘度比が0.78であった。
相間移動触媒としてトリメチルベンジルアンモニウムクロライド(TMBAC)を用いたこと以外は、製造例1と同様にして重合し、ポリアリレート樹脂(P−3)を得た。
ポリアリレート樹脂(P−3)の物性は、Tgが179℃、MFR比が7、対数粘度比が0.78であった。
[製造例4]
全体のスケールを5倍にして、かつ相関移動触媒としてTMBACを用いたこと以外は、製造例1と同様にして重合し、ポリアリレート樹脂(P−4)を得た。
ポリアリレート樹脂(P−4)の物性は、Tgが179℃、MFR比が7、対数粘度比が0.56であった。
全体のスケールを5倍にして、かつ相関移動触媒としてTMBACを用いたこと以外は、製造例1と同様にして重合し、ポリアリレート樹脂(P−4)を得た。
ポリアリレート樹脂(P−4)の物性は、Tgが179℃、MFR比が7、対数粘度比が0.56であった。
[製造例5]
全体のスケールを5倍にしたことと、相関移動触媒としてトリエチルアミン(TEA)を用いたこと以外は、製造例1と同様にして重合し、ポリアリレート樹脂(P−5)を得た。
ポリアリレート樹脂(P−5)の物性は、Tgが172℃、MFR比が8、対数粘度比が0.22であった。
全体のスケールを5倍にしたことと、相関移動触媒としてトリエチルアミン(TEA)を用いたこと以外は、製造例1と同様にして重合し、ポリアリレート樹脂(P−5)を得た。
ポリアリレート樹脂(P−5)の物性は、Tgが172℃、MFR比が8、対数粘度比が0.22であった。
[製造例6]
全体のスケールを10倍にしたことと、相関移動触媒としてトリエチルアミン(TEA)を用いたこと以外は、製造例1と同様にして重合し、ポリアリレート樹脂(P−6)を得た。
ポリアリレート樹脂(P−6)の物性は、Tgが170℃、MFR比が9、対数粘度比が0.15であった。
全体のスケールを10倍にしたことと、相関移動触媒としてトリエチルアミン(TEA)を用いたこと以外は、製造例1と同様にして重合し、ポリアリレート樹脂(P−6)を得た。
ポリアリレート樹脂(P−6)の物性は、Tgが170℃、MFR比が9、対数粘度比が0.15であった。
製造例1〜6で得られたポリアリレート樹脂の評価を表1に示す。
[実施例1]
二軸押出混練機(東芝機械社製、商品名「TEM−26SS」)(スクリュー径:26
mm、L/D:48、ノズル:4mmφ×3孔、上流側温度:320℃、下流側温度:340℃、ダイス出口温度:340℃)を用い、十分乾燥させたポリアリレート樹脂(P−2)100質量部と、多官能エポキシ化合物a3.0質量部を供給し、吐出速度5kg/hで押出し、ストランド状にした。該ストランドを切断・乾燥してペレット状とし、樹脂組成物(Q−1)を得た。
二軸押出混練機(東芝機械社製、商品名「TEM−26SS」)(スクリュー径:26
mm、L/D:48、ノズル:4mmφ×3孔、上流側温度:320℃、下流側温度:340℃、ダイス出口温度:340℃)を用い、十分乾燥させたポリアリレート樹脂(P−2)100質量部と、多官能エポキシ化合物a3.0質量部を供給し、吐出速度5kg/hで押出し、ストランド状にした。該ストランドを切断・乾燥してペレット状とし、樹脂組成物(Q−1)を得た。
[実施例2〜14][比較例1〜4]
ポリアリレート樹脂、多官能化合物の種類と配合量を表2に示す通りに変更し、実施例1と同様にして、樹脂組成物(Q−2)〜(Q−14)を得た。
ポリアリレート樹脂、多官能化合物の種類と配合量を表2に示す通りに変更し、実施例1と同様にして、樹脂組成物(Q−2)〜(Q−14)を得た。
実施例1〜14、比較例1〜4で得られた樹脂組成物の評価を表2に示す。
[実施例15]
二軸押出発泡機(池貝社製、商品名「PCM−30」)(ノズル:0.8mmφ×33mmスリット、溶融ゾーン温度:340℃、押出ヘッド温度:290℃、ダイス出口温度:280℃)を用い、樹脂組成物(Q−1)を99質量部と、気泡調整剤としてのタルク1質量部を供給し、吐出速度4kg/hで押出した。液化炭酸ガス注入装置(昭和炭酸社製)を用いて、押出機途中から二酸化炭素を注入することにより押出発泡させてシート形状の発泡体を製造した。このとき得られた発泡シートの発泡倍率は7倍であった。
二軸押出発泡機(池貝社製、商品名「PCM−30」)(ノズル:0.8mmφ×33mmスリット、溶融ゾーン温度:340℃、押出ヘッド温度:290℃、ダイス出口温度:280℃)を用い、樹脂組成物(Q−1)を99質量部と、気泡調整剤としてのタルク1質量部を供給し、吐出速度4kg/hで押出した。液化炭酸ガス注入装置(昭和炭酸社製)を用いて、押出機途中から二酸化炭素を注入することにより押出発泡させてシート形状の発泡体を製造した。このとき得られた発泡シートの発泡倍率は7倍であった。
[実施例16〜28][比較例11〜14]
表3に示すように、樹脂組成物(Q−2)〜(Q−18)を用いたこと以外は実施例15と同様にして発泡シートを得た。
表3に示すように、樹脂組成物(Q−2)〜(Q−18)を用いたこと以外は実施例15と同様にして発泡シートを得た。
[比較例5〜10]
表3に示すように、ポリアリレート樹脂(P−1)〜(P−6)を用い、多官能化合物(B)と反応させなかったこと以外は実施例15と同様にして、発泡シートを得た。
表3に示すように、ポリアリレート樹脂(P−1)〜(P−6)を用い、多官能化合物(B)と反応させなかったこと以外は実施例15と同様にして、発泡シートを得た。
[比較例11〜14]
ポリアリレート樹脂U−100(ユニチカ社製、商品名「U−ポリマー U−100」)を用いたこと以外は、比較例5と同様にして、発泡シートを得た。このとき得られた発泡シートの発泡倍率は3倍であった。
ポリアリレート樹脂U−100(ユニチカ社製、商品名「U−ポリマー U−100」)を用いたこと以外は、比較例5と同様にして、発泡シートを得た。このとき得られた発泡シートの発泡倍率は3倍であった。
なお、U−100の物性は、Tgが196℃、MFR比が9、対数粘度比が0.97、荷重たわみ温度が177℃であった。
実施例15〜28、比較例5〜15で得られた発泡シートの評価を表3に示す。
実施例15〜28、比較例5〜15で得られた発泡シートの評価を表3に示す。
製造例2〜5で得られたポリアリレート樹脂(P−2)〜(P−5)は、いずれも対数粘度比が0.2〜0.9の間にあり、これらを多官能化合物(B)と反応させて得られた実施例1〜14の樹脂組成物(Q−1)〜(Q−14)は、330℃、2.16kgにおけるMFRが0.01〜20g/10minの間にあり、かつMFR比が10〜40の間にあった。そのため、実施例1〜14の樹脂組成物(Q−1)〜(Q−14)を押出発泡に供した実施例15〜28では、樹脂組成物が発泡性に優れ、十分に発泡した発泡体が得られた。また、ポリアリレート樹脂(P−2)〜(P−5)は、いずれも荷重たわみ温度がすべて160℃以上であるため、実施例15〜28で得られた発泡体は加熱寸法安定性が良好で耐熱性に優れていた。
製造例1のポリアリレート樹脂(P−1)は、対数粘度比が0.98であり、多官能化合物(B)と十分に反応しなかった。そのため、比較例1で得られた樹脂組成物はMFR比が10未満であった。これを押出発泡に供した比較例11では、樹脂組成物の発泡性が乏しく、良好な発泡体が得られなかった。
製造例6のポリアリレート樹脂(P−6)は、対数粘度比が0.15であり、多官能化合物(B)との反応点が多すぎて、過剰に反応した。そのため、比較例2で得られた樹脂組成物はMFR比が40を超えていた。これを押出発泡に供した比較例12では、樹脂組成物の発泡性が乏しいだけでなく、ゲルが多く脆い発泡体しか得られなかった。またポリアリレート樹脂の荷重たわみ温度が157℃と低く、得られた発泡体の加熱寸法安定性が悪く、耐熱性に劣っていた。
比較例3においては、多官能化合物(B)の添加量が10質量部より多かったため、流動性が非常に低くなり、330℃、2.16kgfにてMFRを測定できなかった。かつゲルが非常に多くある樹脂組成物が得られた。
比較例4においては、多官能化合物(B)の添加量が0.01質量部より少なかったため、得られた樹脂組成物は330℃、2.16kgfにおけるMFRが20を超え、MFR比も10未満であった。
比較例5〜10においては、製造例1〜6で得られたポリアリレート樹脂(P−1)〜(P−6)に対して多官能化合物(B)を反応させずに、そのまま押出発泡に供した。そのため、発泡性が乏しく十分に発泡した発泡体が得られなかった。
比較例11では、比較例1で得られたMFR比が10未満の樹脂組成物(Q−15)を押出発泡に供したため、樹脂組成物の発泡性が乏しく、十分に発泡した発泡体が得られなかった。
比較例12では、流動性が非常に低く、かつゲルが非常に多く状態にある比較例2で得られたMFR比が40を超える樹脂組成物(Q−16)を押出発泡に供したため、樹脂組成物の発泡性が乏しく、十分に発泡した発泡体が得られなかった。また発泡体の加熱寸法安定性が悪く耐熱性に劣っていた。
比較例13では、流動性が非常に低く、かつゲルが非常に多く状態である比較例3で得られた樹脂組成物(Q−17)を押出発泡に供したため、樹脂組成物の発泡性が乏しく、押出発泡により発泡体を得ることができなかった。
比較例14では、MFRが20を超える樹脂組成物(Q−18)を押出発泡に供したが、流動性が高すぎて発泡性に劣り、押出発泡により発泡体が得ることができなかった。
比較例15では、MFR比が10未満であるU−100をそのまま押出発泡に供したため、発泡性に劣り、十分に発泡した発泡体が得られなかった。
比較例15では、MFR比が10未満であるU−100をそのまま押出発泡に供したため、発泡性に劣り、十分に発泡した発泡体が得られなかった。
Claims (5)
- ポリアリレート樹脂(A)を主成分とする樹脂組成物であって、荷重2.16kgf、温度330℃にて測定したメルトフローレートの値が、0.01〜20g/10分であり、かつ、(荷重13.225kgf、温度330℃におけるメルトフローレートの値)/(荷重2.16kgf、温度330℃におけるメルトフローレートの値)の比が、10〜40であることを特徴とする樹脂組成物。
- ポリアリレート樹脂(A)を主成分とする樹脂組成物が、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、多官能カルボジイミド化合物、多官能オキサゾリン化合物から選ばれた少なくとも1つの多官能化合物(B)で架橋及び/又は鎖延長された構造を有することを特徴とする請求項1の樹脂組成物。
- (酢酸ナトリウムの存在下における対数粘度)/(酢酸ナトリウムの非存在下における対数粘度)の比が0.2〜0.9であるポリアリレート樹脂(A)と、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、多官能カルボジイミド化合物、多官能オキサゾリン化合物から選ばれた少なくとも1つの化合物(B)とを溶融混合してなる請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜3いずれかに記載の樹脂組成物を製造するに際し、(酢酸ナトリウムの存在下における対数粘度)/(酢酸ナトリウムの非存在下における対数粘度)の比が0.2〜0.9であるポリアリレート樹脂(A)100質量部に対して、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、多官能カルボジイミド化合物、多官能オキサゾリン化合物から選ばれた少なくとも1つの化合物(B)と0.01〜10質量部を溶融混合することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物を発泡させてなる発泡体。
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JP2010003525A JP2011144211A (ja) | 2010-01-12 | 2010-01-12 | 樹脂組成物およびその発泡体 |
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JP2014201716A (ja) * | 2013-04-09 | 2014-10-27 | ユニチカ株式会社 | ポリアリレート樹脂組成物およびそれを用いた樹脂塗膜、フィルム |
-
2010
- 2010-01-12 JP JP2010003525A patent/JP2011144211A/ja active Pending
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