JP2011141304A - 光導波路、光配線、光電気混載基板および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の光導波路は、コア部と、前記コア部の周囲を覆うクラッド部とで構成されている光導波路であって、前記コア部および前記クラッド部の少なくとも1層が酸発生を含有しているものであって、前記クラッド部の周囲の少なくとも一部に、酸捕捉剤を有する樹脂層を積層してなることを特徴とする。また、本発明の光配線は、上記に記載の光導波路を備えたことを特徴とする。また、本発明の光電気混載基板は、電気配線と、上記に記載の光配線とを、有することを特徴とする。また、本発明の電子機器は、上記に記載の光導波路を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
(1)コア部と、前記コア部の周囲を覆うクラッド部とで構成されている光導波路であって、前記コア部および前記クラッド部の少なくとも一方が酸発生剤を含有しているものであって、前記クラッド部の周囲の少なくとも一部に、酸捕捉剤を有する樹脂層を積層してなることを特徴とする光導波路。
(2)前記光導波路は、第1クラッド層と、コア部およびクラッド部を有するコア層と、第2クラッド層とがこの順に積層され、前記第1クラッド層、前記コア層および前記第2クラッド層の少なくとも1層が酸発生剤を含有しており、かつ前記第1クラッド層および前記第2クラッド層の少なくとも一層のコア層と反対側面に、さらに酸捕捉剤を有する樹脂層を積層してなる上記(1)に記載の光導波路。
(3)前記第1クラッド層および前記第2クラッド層の両方共が、コア層と反対側の面に、酸捕捉剤を有する樹脂層を積層してなる上記(2)に記載の光導波路。
(4)前記コア層が酸発生剤を含有しているものである上記(2)または(3)に記載の光導波路。
(5)前記第1クラッド層および前記第2クラッド層の少なくとも一層が、酸発生剤を含有しているものである上記(2)ないし(4)のいずれかに記載の光導波路。
(6)前記酸捕捉剤は、アミン系化合物である上記(2)ないし(5)のいずれかに記載の光導波路。
(7)前記アミン化合物が、3級アミンである上記(6)に記載の光導波路。
(8)前記アミン化合物が、イミダゾール類である上記(7)に記載の光導波路。
(9)上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の光導波路を備えたことを特徴とする光配線。
(10)電気配線と、上記(9)に記載の光配線とを、有することを特徴とする光電気混載基板。
(11)上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の光導波路を備えたことを特徴とする電子機器。
本発明の光導波路は、コア部と、前記コア部の周囲を覆うクラッド部とで構成されている光導波路であって、前記コア部および前記クラッド部の少なくとも1層が酸発生を含有しているものであって、前記クラッド部の周囲の少なくとも一部に、酸捕捉剤を有する樹脂層を積層してなることを特徴とする。
また、本発明の光配線は、上記に記載の光導波路を備えたことを特徴とする。
また、本発明の光電気混載基板は、電気配線と、上記に記載の光配線とを、有することを特徴とする。
また、本発明の電子機器は、上記に記載の光導波路を備えたことを特徴とする。
まず、光導波路について、具体的な第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、光導波路100は、樹脂層11と、第1クラッド層1と、コア部21およびクラッド部22を有するコア層2と、第2クラッド層3と、樹脂層31とがこの順に積層されている。
特に、光照射等のパターニングによりコア部21とクラッド部22とを形成するコア層2の場合、コア層2に酸発生剤を含有することが好ましい。これにより、コア部21およびクラッド部22の形成を容易にすることができる。
このように、樹脂層11および樹脂層31の両方の層が、酸捕捉剤を有することにより、長期信頼性の低下を抑制できる理由は、次のように考えられる。
樹脂層11等が酸捕捉剤を含有することで、第1クラッド層1等で発生した酸の残渣を中和することができ、それによって第1クラッド層1等中に残存する酸の量を低減することができ、それによって酸の作用が原因で生じる長期信頼性の低下を抑制することができる。
<第1クラッド層1および第2クラッド層3>
本発明のクラッド層の材料は特に制限されず、光導波路中のクラッド層を形成させるために用いることが可能な公知のポリマーを適宜用いることができ、例えば、環状オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリベンゾオキサゾール系樹脂等のポリマーや、これらのポリマーの1種又は2種以上を組み合わせたポリマーアロイ、ポリマーブレンド(混合物)、共重合体、架橋体等が好適なものとして挙げられる。なお、このような樹脂を含有するクラッド層を備える光導波路において、コア部を導光路として十分に機能させるためには、クラッド層の屈折率をコア部の屈折率よりも低くする必要がある。そのため、クラッド層にはコア層を形成する樹脂よりも屈折率が低い樹脂を選択して用いることが好ましい。
本発明のコア層の材料は特に限定されず、光導波路のコア層を形成させるために用いることが可能な公知の樹脂(ポリマー)を適宜用いることができ、例えば、環状オレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂等のポリマーや、これらのポリマーの1種又は2種以上を組み合わせたポリマーアロイ、ポリマーブレンド(混合物)、共重合体、架橋体等が挙げられ、環状オレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド樹脂が好ましい。このような樹脂は1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸発生剤としては、例えば光酸発生剤、熱酸発生剤等が挙げられる。これらの酸発生剤中でも光酸発生剤が好ましい。これにより、フォトマスク等を用いて任意のデザインの光導波路をパターニングすることができる。
本実施形態における樹脂層11および樹脂層31の材料は、樹脂であれば特に限定されず、例えばノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン樹脂、鎖状のポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリシラン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリベンザオキサゾール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリカーボネート樹脂、液晶ポリマーなどを例示できる。
前記酸捕捉剤としては、例えばアミン系化合物、アミド系化合物、イミド系化合物、カーバメート系化合物、アンモニウム塩系化合物、エポキシ化合物などを用いることが出来る。具体的な例を挙げるとアミン系化合物としては、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン、N,N−ジメチルメチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルテトラエチレンペンタミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルテトラエチレンペンタミン、ジメチルエチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ベンジルジメチルアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、ジメチルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、トリメチルアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、2− (ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチルトルイジン、ジフェニル(p−トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、ピロール、2H−ピロール、1−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール、N−メチルピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾール、2-ブチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリン、ベンズイミダゾール、1−シアノエチルイミダゾール、1−ビニルイミダゾール、ピロリン、2−メチル−1−ピロリン、ピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン、ピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、1−メチル−2−ピリドン、4−ピロリジノピリジン、1−メチル−4−フェニルピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルピリジン、4−(3−フェニルプロピル)ピリジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、インドール、キノリン、3−キノリンカルボニトリル、イソキノリン、カルバゾール、フェノチアジン、ジシアンジアミド、アミノ安息香酸、インドールカルボン酸、ニコチン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシルロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、メトキシアラニン、3−ピリジンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム、2−ヒドロキシピリジン、アミノクレゾール、2,4−キノリンジオール、3−インドールメタノールヒドレート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノエタノ−ル、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、ピペリジンエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、8−ヒドロキシユロリジン、3−クイヌクリジノール、3−トロパノール、1−メチル−2−ピロリジンエタノール、1−アジリジンエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド、アミノトリアジンノボラック樹脂、ポリアクリルアミン樹脂、ポリアリルアミン樹脂等が挙げられる。
例えば熱分解GC−MSの場合、具体的な条件としては下記のような測定条件を例示できる。
・分析装置
熱分解装置 ;フロンティア・ラボ PY−2020iD型縦型加熱炉型熱分解装置
GC ;アジレントテクノロジー 6890N型ガスクロマトグラフ
MS ;アジレントテクノロジー 5975B型質量検出器
・分析条件
GC注入口温度 ;300℃
GCオーブン温度 ;40℃(5分間保持)→10℃/分→300℃(9分間保持)
MSインターフェイス温度 ;300℃
カラム ;アジレントテクノロジー HP−5MS
(5%フェニルポリジメチルシロキサン)
30m×0.25mmi.d.(膜厚:0.25μm)
注入方法 ;スプリット法(スプリット比:50/1)
キャリアガス流量 ;He 1mL/分(定流量モード)
MSイオン化方法 ;EI(電子衝撃)法
MS検出質量範囲 ;m/z=25〜800
サンプル加熱条件 ;300℃/10分
第1クラッド層1は、上述したような第1クラッド層1を構成する樹脂または樹脂組成物を、溶剤に溶解したワニス1aの状態で、支持基板5に塗布する(図2a)。
この支持基板5を換気されたレベルテーブルに置いて、液状被膜表面の不均一な部分を水平化すると共に、溶媒を蒸発(脱溶媒)することにより第1クラッド層1を形成する(図2b)。
なお、第2クラッド層2についても同様に形成することができる。
この支持基板5を換気されたレベルテーブルに置いて、液状被膜表面の不均一な部分を水平化すると共に、溶媒を蒸発(脱溶媒)することによりコア層2を形成する(図3b)。
ここで、活性エネルギー線82の種類としては、例えば紫外線、電子線、X線、レーザー等を挙げることができる。
この支持基板を換気されたレベルテーブルに置いて、液状被膜表面の不均一な部分を水平化すると共に、溶媒を蒸発(脱溶媒)することにより樹脂層11および樹脂層31を形成する(不図示)。
次に、他の実施形態について説明する。
図5は、光導波路10の別の実施態様を示したものである。図1の実施形態と異なる部分について説明する。
図5に示す光導波路100では、樹脂層がクラッド層の一方の側にのみ形成されている。
すなわち、光導波路100は、樹脂層11と、第1クラッド層1と、コア部21およびクラッド部22を有するコア層2と、第2クラッド層3とがこの順に積層されている。このように、樹脂層31が無い場合であっても光導波路100の長期信頼性を維持することができる。
本発明の光配線は、上述したような光導波路100を有している。これにより、導波路製造プロセスにおいて現像やRIE(リアクティブイオンエッチング)などを経る必要がないために加工の自由度を向上することができる。
また、本発明の光電気混載基板は、電気配線と、上述したような光導波路100を有する光配線とを有している。これにより、従来の電気配線で問題となっていたEMI(電磁波障害)の改善が可能となり、従来よりも信号伝達速度を大幅に向上することができる。
また、本発明の電子機器は、上述したような光導波路100を有している。これにより、省スペース化を図ることができる。
このような電子機器としては、具体的にはコンピューター、サーバー、携帯電話、ゲーム機器、メモリーテスター、外観検査ロボット等を挙げることができる。
(1.コア層2の形成)
まず、コア層2を構成するための樹脂の調製について説明する。
ヘキシルノルボルネン(HxNB)(8.94g、0.05mol)、ジフェニルメチルノルボルネンメトキシシラン (diphNB)(16.1g、0.05mol)、1−ヘキセン(4.2g、0.05mol)およびトルエン(142.0g)を250mLのシーラムボトルで混合し、オイルバスで120℃に加熱して溶液を形成した。この溶液に[Pd(PCy3)2(O2CCH3)(NCCH3)]テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Pd1446)(5.8E−3g、4.0E−6mol)およびN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(DANFABA)(3.2E−3g、4.0E−6mol)を、それぞれ濃縮ジクロロメタン溶液の形態で、加えた。添加後、得られた溶液を120℃で6時間維持した。勢いよく攪拌された混合物にメタノールを滴下すると共重合体が沈殿した。沈殿した共重合体はろ過して集め、80℃のオーブンで、真空で乾燥させた。乾燥後の重量は12.0gであった(48%)。共重合体の分子量をTHF溶媒中でGPCにより測定すると(ポリスチレン換算)、Mw=16,196およびMn=8,448であった。共重合体の組成を1H−NMRで測定すると、54/46 HxNB/diPhNBであった。ポリマーの屈折率をプリズムカップリング法で測定したところ、波長633nmで、TEモードで1.5569であり、TMモードで1.5555であった。乾燥させた共重合体を十分なメシチレンに溶解して30wt%の樹脂溶液とした。
環状オレフィン系樹脂を含むノルボルネン系樹脂(プロメラス社製 Avatrel2590、4g)を16gのメシチレンに溶解して第1クラッド層1を構成するための樹脂組成物を得た。
また、同じ樹脂組成物を用いて第2クラッド層3を構成するための樹脂組成物を得た。
上述したコア層2のフィルムの両面に、前記条件で塗布乾燥した離型処理したPETフィルム上の第1クラッド層1および第2クラッド層3を、ラミネータで積層した後に離型処理したPETフィルムを剥がすことで3層の積層体を得た。得られた積層体の光伝搬損失をカットバック法にて測定したところ、850nmの光伝搬損失が0.04dB/cmと低い値を示し、優れた積層体であることが分かった。さらに耐湿熱性を調べるために、85℃/85%RHの恒温恒湿槽に投入し1,000時間処理するという加速試験を行った後の光伝搬損失を同様の方法で測定したところ0.19dB/cmと若干の悪化が見られた。
酸捕捉用の樹脂層11を構成するための樹脂として環状オレフィン系樹脂を含むノルボルネン系樹脂組成物(プロメラス社製 Avatrel2590の20重量%2−ヘプタノン溶液、10g)に、酸捕捉剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、品番2E4MZ)(0.04g)を添加して樹脂組成物を得た。
また、同じ樹脂組成物を用いて樹脂層31を構成するための樹脂組成物を得た。
得られたそれぞれの樹脂組成物を、それぞれポリイミドフィルム上(宇部興産株式会社製、Upilex)にドクターブレードで均一に塗布した後、45℃の乾燥機に15分間投入し溶媒を除去した。上述した3層の積層体の両面に、前記条件で塗布乾燥したUpilex上の樹脂層11および樹脂層31を、ラミネータで積層して、積層体を得た。得られた積層体を160℃、2時間の条件で熱処理して最終的にトータル7層の光導波路を得た。得られた光導波路の光伝搬損失をカットバック法にて測定したところ、850nmの光伝搬損失が0.04dB/cmと低い値を示し、3層の積層体の性能を損ねていないことが分かった。さらに耐湿熱性を調べるために、85℃/85%RHの恒温恒湿槽に投入し1,000時間処理するという加速試験を行った後の光伝搬損失を同様の方法で測定したところ0.04dB/cmと変化しなかった。また、外観も湿熱処理前後で変化しなかった。よって上述した3層の積層体の耐湿熱性の弱さを酸補捉層として樹脂層11および樹脂層31を積層することで改善できることが分かった。この様にすることで光学特性、耐湿熱性に優れた光導波路を製造できる。
第1クラッド層1および第2クラッド層3の材料、3層の積層体の製造条件を下記のようにした以外実施例1と同様にした。
(3層の積層体の製造)
離型処理したPETフィルム上に、予め乾燥厚み20μmになるように感光性ノルボルネン樹脂組成物(プロメラス社製 Avatrel2000Pワニス)を実施例1と同じ条件で塗布乾燥して第1クラッド層1および第2クラッド層3を得た。実施例1で用いたものと同じコア層2の両面に離型処理したPETフィルム上の第1クラッド層1および第2クラッド層3を、ラミネータで積層し、紫外線を100mJで全面照射し、乾燥機中150℃で30分間加熱して、Avatrel2000Pを硬化させ、離型処理したPETフィルムを剥がすことで3層の積層体を得た。得られた3層の積層体の光伝搬損失をカットバック法にて測定したところ、850nmの光伝搬損失が0.05dB/cmと低い値を示し、優れた積層体であることが分かった。さらに耐湿熱性を調べるために、85℃/85%RHの恒温恒湿槽に投入し1,000時間処理するという加速試験を行った後の光伝搬損失を同様の方法で測定したところ0.30dB/cmと若干の低下が見られたが、実用上問題の無いレベルであった。
その後、実施例1と同じ樹脂組成物を用いて、実施例1と同じ工程で樹脂層11および樹脂層31を積層しトータル7層の光導波路を得た。得られた光導波路の光伝搬損失をカットバック法にて測定したところ、850nmの光伝搬損失が0.05dB/cmと低い値を示し、3層の積層体の性能を損ねていないことが分かった。さらに耐湿熱性を調べるために、85℃/85%RHの恒温恒湿槽に投入し1,000時間処理するという加速試験を行った後の光伝搬損失を同様の方法で測定したところ0.05dB/cmと変化しなかった。また、外観も湿熱処理前後で変化せず優れた性能の光導波路が得られた。
酸捕捉層の積層工程で3層の積層体の片面のみ(第1クラッド層1上のみ)に酸捕捉層である樹脂層11を積層し最終的にトータル5層の光導波路とした以外は実施例2と同様にした。
樹脂層11および樹脂層31に酸捕捉剤を添加しない事以外は、実施例2と同様にした。
得られた光導波路について実施例1と同様の評価を行った。その結果、初期の光伝搬損失が0.05dB/cmと低損失であったが、湿熱処理後の光伝搬損失は0.25dB/cmと若干変化した。また湿熱処理後の外観は僅かに黄色く着色し、パターンも若干不鮮明になった。
なお、上述した実施形態では、ノルボルネン系樹脂について詳細に検討したが、本発明の効果はこれに限定されず、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリシラン樹脂等についても適用可能と推測される。
1a ワニス
11 樹脂層
2 コア層
2a ワニス
21 コア部
22 クラッド部
3 第2クラッド層
31 樹脂層
5 支持基板
8 マスク
81 開口部
82 活性エネルギー線
100 光導波路
Claims (11)
- コア部と、前記コア部の周囲を覆うクラッド部とで構成されている光導波路であって、
前記コア部および前記クラッド部の少なくとも一方が酸発生剤を含有しているものであって、
前記クラッド部の周囲の少なくとも一部に、酸捕捉剤を有する樹脂層を積層してなることを特徴とする光導波路。 - 前記光導波路は、第1クラッド層と、コア部およびクラッド部を有するコア層と、第2クラッド層とがこの順に積層され、前記第1クラッド層、前記コア層および前記第2クラッド層の少なくとも1層が酸発生剤を含有しており、かつ前記第1クラッド層および前記第2クラッド層の少なくとも一層のコア層と反対側面に、さらに酸捕捉剤を有する樹脂層を積層してなる請求項1に記載の光導波路。
- 前記第1クラッド層および前記第2クラッド層の両方共が、コア層と反対側の面に、酸捕捉剤を有する樹脂層を積層してなる請求項2に記載の光導波路。
- 前記コア層が酸発生剤を含有しているものである請求項2または3に記載の光導波路。
- 前記第1クラッド層および前記第2クラッド層の少なくとも一層が、酸発生剤を含有しているものである請求項2ないし4のいずれかに記載の光導波路。
- 前記酸捕捉剤は、アミン系化合物である請求項2ないし5のいずれかに記載の光導波路。
- 前記アミン化合物が、3級アミンである請求項6に記載の光導波路。
- 前記アミン化合物が、イミダゾール類である請求項7に記載の光導波路。
- 請求項1ないし8のいずれかに記載の光導波路を備えたことを特徴とする光配線。
- 電気配線と、請求項9に記載の光配線とを、有することを特徴とする光電気混載基板。
- 請求項1ないし8のいずれかに記載の光導波路を備えたことを特徴とする電子機器。
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