JP2011140093A - 固定治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置本体から取り外さなくても加工装置の可動部を固定することができる固定治具を提供する。
【解決手段】可動部53を本体部10bに固定する際にはブロック9を第一のネジ穴530が形成された一面と固定部8の当該一面に対向する対向面81aとの間に位置させた状態で固定部8の第一の貫通孔810にボルト83を挿入してブロック9の第二の貫通孔90を介して第一のネジ穴530に螺合して締結し、可動部53を本体部10bに固定しない際にはブロック9を対向面91aの裏面側に位置させた状態でブロック9の第二の貫通孔90にボルト83を挿入して固定部8の第二のネジ穴811に螺合して固定する。可動部53を本体部10bに固定しない間も固定部8、ブロック9及びネジ83が本体部10bに固定されるため、これらを紛失することがない。
【選択図】図2
【解決手段】可動部53を本体部10bに固定する際にはブロック9を第一のネジ穴530が形成された一面と固定部8の当該一面に対向する対向面81aとの間に位置させた状態で固定部8の第一の貫通孔810にボルト83を挿入してブロック9の第二の貫通孔90を介して第一のネジ穴530に螺合して締結し、可動部53を本体部10bに固定しない際にはブロック9を対向面91aの裏面側に位置させた状態でブロック9の第二の貫通孔90にボルト83を挿入して固定部8の第二のネジ穴811に螺合して固定する。可動部53を本体部10bに固定しない間も固定部8、ブロック9及びネジ83が本体部10bに固定されるため、これらを紛失することがない。
【選択図】図2
Description
本発明は、可動部を有する加工装置において可動部を固定する固定治具に関する。
例えば、半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面において格子状に配列された多数の領域にIC、LSI等の回路を形成し、該回路が形成された各領域を所定のストリート(切断ライン)に沿ってダイシングすることにより個々の半導体チップを製造している。このように半導体ウエーハをダイシングする装置としては、一般に切削装置が用いられている。半導体ウエーハをダイシングする切削装置は、ワークを負圧により保持するチャックテーブルと、チャックテーブルに保持されたワークを切削する切削ブレードを備えた切削機構とを具備している(例えば特許文献1参照)。
このような切削装置は、チャックテーブル、切削ブレードを有する切削機構などを可動とするための可動部を有しており、例えば装置を輸送する場合などに可動部が動いてしまうのを防止するため、可動部と装置本体とを固定するために固定治具が用いられている。例えば図7に示すように、可動部200と装置本体201とが、固定部202とネジ203、204によって固定される。可動部を有する他の加工装置についても同様の機能を有する固定治具が使用されている。
ところが、装置を設置すると固定治具は必要なくなるために、固定治具は、装置本体から外して装置本体とは別に保管することになる。したがって、再び装置を輸送する際などに固定治具を使用しようとすると、固定治具を紛失していたり探すのに時間がかかったりするという問題があった。
本発明はこれらの事実に鑑みて成されたものであって、その主な技術的課題は、装置本体から取り外すことを必要としない固定治具を提供することにある。
本発明は、本体部と当該本体部に対して可動な可動部とを有する加工装置を搬送する際に可動部を本体部に固定する固定治具に関するもので、可動部に形成された第一のネジ穴と、当該第一のネジ穴に対応する第一の貫通孔と、第一のネジ穴に対応しない第二のネジ穴とを含み本体部側に形成された固定部と、第一のネジ穴と第一の貫通孔に連通する第二の貫通孔を有するブロックとから構成され、可動部を本体部に固定する際にはブロックを第一のネジ穴が形成された一面と固定部の一面に対向する対向面との間に位置させた状態で固定部の第一の貫通孔にボルトを挿入してブロックの第二の貫通孔を介して第一のネジ穴に螺合して締結し、可動部を本体部に固定しない際にはブロックを対向面の裏面側に位置させた状態でブロックの第二の貫通孔にボルトを挿入して固定部の第二のネジ穴に螺合して固定することを特徴とするものである。
本発明に係る固定治具は、固定部を用いて可動部を本体部に固定する場合は可動部と固定部との間にブロックを介在させ、可動部を本体部に固定しない場合も本体部から固定部を取り外すことなくブロックの取り付け位置のみを変えることで可動部を可動とすることができる。したがって、常に固定部及びブロックを本体部に取り付けた状態とすることができるため、固定治具を紛失することがない。
図1に示す切削装置1は、本発明を適用可能な加工装置の一種であり、チャックテーブル2に保持された被加工物に対して2つの切削手段3a、3bが切削加工を施す装置である。切削対象の被加工物は特に限定はされないが、例えばシリコンウェーハ、ガリウム砒素等の半導体ウェーハや、チップ実装用としてウェーハの裏面に設けられるDAF(Die Attach Film)等の粘着部材、半導体製品のパッケージ、セラミックス、ガラス、サファイア(Al2O3)系の無機材料基板、LCDドライバー等の各種電子部品、さらには、ミクロンオーダーの加工位置精度が要求される各種加工材料が挙げられる。
切削装置1は、水平基台10aと垂直基台10bとが一体に形成された本体部10を備えており、チャックテーブル2は、水平基台10aに配設されたX軸送り機構4によって駆動されてX軸方向に移動可能となっている。一方、切削手段3a、3bは、垂直基台10bに配設されたY軸送り機構5a、5bによって駆動されてX軸方向と水平方向に直交するY軸方向に移動可能となっている。また、切削手段3a、3bは、Y軸送り機構5a、5bに配設されたZ軸送り機構6a、6bによって駆動されてX軸方向及びY軸方向に直交するZ軸方向に移動可能となっている。切削手段3a、3bは、Y軸方向の軸心を有するスピンドルの先端に切削ブレード30を備えて構成されている。
X軸送り機構4は、X軸方向にのびるボールスクリュー40と、ボールスクリュー40と平行に配設されたガイドレール41と、ボールスクリュー40の一端に連結されボールスクリュー40を回動させるモータ42と、内部のナットがボールスクリュー40に螺合し下部がガイドレール41に摺接する移動基台43とから構成されており、モータ42の駆動によりボールスクリュー40が回動することにより移動基台43がガイドレール41にガイドされてX軸方向に移動する構成となっている。すなわち、移動基台43は、本体部10に対してX軸方向に可動な可動部である。移動基台43にはチャックテーブル2が回転可能に固定されており、移動基台43のX軸方向の移動にともないチャックテーブル2もX軸方向に移動する構成となっている。
2つのY軸送り機構5a、5bは、同様に構成されるため共通の符号を付して説明すると、Y軸送り機構5a、5bは、Y軸方向にのびるボールスクリュー50と、ボールスクリュー50と平行に配設されたガイドレール51と、ボールスクリュー50の一端に連結されボールスクリュー50を回動させるパルスモータ52と、内部のナットがボールスクリュー50に螺合し側部がガイドレール51に摺接する移動基台53とから構成されており、パルスモータ52の駆動によりボールスクリュー50が回動することにより移動基台53がガイドレール51にガイドされてY軸方向に移動する構成となっている。すなわち、移動基台53は、本体部10に対してY軸方向に可動な可動部である。
2つのZ軸送り機構6a、6bは、2つの移動基台53の側面にそれぞれ配設されている。Z軸送り機構6a、6bは、同様に構成されるため共通の符号を付して説明すると、Z軸送り機構6a、6bは、Z軸方向にのびるボールスクリュー60と、ボールスクリュー60と平行に配設されたガイドレール61と、ボールスクリュー60の一端に連結されボールスクリュー60を回動させるモータ62と、内部のナットがボールスクリュー60に螺合し側部がガイドレール61に摺接する昇降基台63とから構成されており、パルスモータ62の駆動によりボールスクリュー60が回動することにより昇降基台63がガイドレール61にガイドされてZ軸方向に移動する構成となっている。すなわち、昇降基台63は、本体部10に対してZ軸方向に可動な可動部である。昇降基台63には切削手段3a、3bがそれぞれ固定されており、昇降基台63の昇降とともに切削手段3a、3bも昇降する構成となっている。また、切削手段3a、3bは、Y軸送り機構5a、5bの移動基台53のY軸方向の移動によってY軸方向に移動可能となっている。
チャックテーブル2に保持された被加工物を切削する際には、Y軸送り機構5によって駆動されて切削手段3a、3bがY軸方向に移動することにより切削ブレード30が所定のY軸方向の位置に位置決めされ、その状態でX軸送り機構4によって駆動されてチャックテーブル2がX軸方向に移動するとともに、Z軸送り機構6によって駆動されて切削手段3a、3bが下降することにより、回転する切削ブレード30が被加工物の所定位置を切削する。
このように動作する切削装置1を運搬する際には、各種可動部が動かないように固定する。以下では、図2〜5に示す固定治具7を用いて、複数ある可動部のうちY軸送り機構5aを構成する移動基台53を本体部に固定する場合と固定しない場合とについて説明する。
図2に示すように、固定治具7は、第一の平板80と第二の平板81とが一体となり断面L字型に形成された固定部8と、固定部8を構成する第二の平板81の対抗面81aに対面する直方体形状のブロック9とを有している。対向面81aの裏面は非対向面81bとなっている。
固定部8を構成する第一の平板80には、複数(図示の例では2つ)の貫通孔800が形成されている。これらの貫通孔800は、ボルト82を挿通させるためのものである。一方、本体部10を構成する垂直基台10bの垂直面100bには2つのネジ穴100が形成されており、第一の平板80に形成された貫通孔800を挿通した2つのボルト82が2つのネジ穴100にそれぞれ螺合して締結されることで、固定部8を垂直基台10bに固定可能となっている。なお、固定部は本体部側に形成されたものであればよく、本体部10に対する固定方法はネジ止めには限定されない。また、固定部が本体部と一体に形成されていてもよい。
可動部である移動基台53には、2つの第一のネジ穴530が形成されている。一方、固定部8を構成する第二の平板81には、第一のネジ穴530に対応して形成された2つの第一の貫通孔810と、第一のネジ穴530に対応しない2つの第二のネジ穴811とが交互に形成されている。2つの第一の貫通孔810は、固定ボルト83を挿通させるためのものであり、固定ボルト83を2つの第一の貫通孔810に挿通させ、第一のネジ穴530においてそれぞれ螺合させて締結することができる。
第二の平板81と移動基台53との間にはブロック9を介在させることができる。ブロック9は、たとえば硬質のナイロンや、鉄などにより形成されており、固定ボルト83を挿通させるための2つの第二の貫通孔90が形成されている。2つの第二の貫通孔90は、移動基台53に形成された第一のネジ穴530及び固定部8に形成された第一の貫通孔810に連通可能となっている。
可動部である移動基台53を垂直基台10bに固定する際には、図3に示すように、第二の平板81の後方側、すなわち、第二の平板81の対向面81aと第一のネジ穴530が形成された垂直基台10bの垂直面との間にブロック9を位置させ、第一の貫通孔810に2つの固定ボルト83を挿入し、第二の平板81の後方側において第二の貫通孔90にも挿通させ、移動基台53の第一のネジ穴530においてそれぞれ螺合させて締結する。そうすると、図4に示すように、第二の平板81の対抗面81aがブロック9の第一の面9aに密着し、第一の面9aの裏面である第二の面9bが移動基台53に密着し、移動基台53が動くのを防止することができる。すなわち、第一のネジ穴530と、固定部8と、ブロック9とで、固定治具7が構成される。
一方、切削装置1を設置して使用する場合は、可動部である移動基台53を固定する必要はないため、図5に示すように、ブロック9を固定部8の第二の平板81の非対向面81b側に位置させ、2つの固定ボルト83をブロック9の第二の貫通孔90に挿入した後、第二の平板81に形成された2つの第二のネジ穴811に螺合させて固定する。そうすると、図6に示すように、ブロック9が可動部固定時とは逆の面である非対向面81bに固定されるため、移動基台53を固定せずに可動状態としつつ、固定部8及びブロック9を本体部10に固定することができる。したがって、切削装置1の使用時にも固定ボルト83を外したままにすることがなく、2つの固定ボルト83によって固定部8及びブロック9が固定されるため、固定ボルト83、固定部8及びブロック9を紛失することがない。また、ブロック9の厚みの分だけ対向面81aと移動基台53との間に隙間が形成されるため、固定部8が移動基台53の動きを妨げることもない。
上記の例では、ブロック9を直方体形状としたが、第二の平板81の両面と本体部の第一のネジ穴が形成された面に固定できる形状であれば、形状は限定されない。また、固定部8は、本体部と可動部の両方に固定できる形状であればL字形状には限定されない。
なお、図1に示した他の可動部である移動基台43を固定する場合は、例えば、移動基台43の側面43aと水平基台10aの水平面100aとをブロック9を介して固定部8によって固定すればよい。また、他の可動部である昇降基台63を固定する場合は、例えば、昇降基台63の側面63aと垂直基台10bの上面100cとをブロック9を介して固定部8によって固定すればよい。
1:切削装置
2:チャックテーブル
3a、3b:切削手段 30:切削ブレード
4:X軸送り機構
40:ボールスクリュー 41:ガイドレール 42:モータ
43:移動基台(可動部)
5a、5b:Y軸送り機構
50:ボールスクリュー 51:ガイドレール 52:パルスモータ
53:移動基台(可動部) 530:第一のネジ穴
6a、6b:Z軸送り機構
60:ボールスクリュー 61:ガイドレール 62:モータ
63:昇降基台(可動部)
7:固定治具
8:固定部
80:第一の平板 800:貫通孔
81:第二の平板 81a:対向面 81b:非対向面
810:第一の貫通孔 811:第二のネジ穴
82:ボルト 83:固定ボルト
9:ブロック 90:第二の貫通孔
9a:第一の面 9b:第二の面
10:本体部 10a:水平基台 10b:垂直基台 100:ネジ穴
100a:水平面 100b:垂直面 100c:上面
2:チャックテーブル
3a、3b:切削手段 30:切削ブレード
4:X軸送り機構
40:ボールスクリュー 41:ガイドレール 42:モータ
43:移動基台(可動部)
5a、5b:Y軸送り機構
50:ボールスクリュー 51:ガイドレール 52:パルスモータ
53:移動基台(可動部) 530:第一のネジ穴
6a、6b:Z軸送り機構
60:ボールスクリュー 61:ガイドレール 62:モータ
63:昇降基台(可動部)
7:固定治具
8:固定部
80:第一の平板 800:貫通孔
81:第二の平板 81a:対向面 81b:非対向面
810:第一の貫通孔 811:第二のネジ穴
82:ボルト 83:固定ボルト
9:ブロック 90:第二の貫通孔
9a:第一の面 9b:第二の面
10:本体部 10a:水平基台 10b:垂直基台 100:ネジ穴
100a:水平面 100b:垂直面 100c:上面
Claims (1)
- 本体部と該本体部に対して可動な可動部とを有する加工装置を搬送する際に該可動部を該本体部に固定する固定治具であって、
該可動部に形成された第一のネジ穴と、
該第一のネジ穴に対応する第一の貫通孔と、該第一のネジ穴に対応しない第二のネジ穴と、を含み該本体部側に形成された固定部と、
該第一のネジ穴と該第一の貫通孔に連通する第二の貫通孔を有するブロックと、
から構成され、
該可動部を該本体部に固定する際には該ブロックを該第一のネジ穴が形成された一面と該固定部の該一面に対向する対向面との間に位置させた状態で該固定部の該第一の貫通孔にボルトを挿入して該ブロックの該第二の貫通孔を介して該第一のネジ穴に螺合して締結し、該可動部を該本体部に固定しない際には該ブロックを該対向面の裏面側に位置させた状態で該ブロックの該第二の貫通孔にボルトを挿入して該固定部の該第二のネジ穴に螺合して固定する固定治具。
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JP2010001984A JP2011140093A (ja) | 2010-01-07 | 2010-01-07 | 固定治具 |
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WO2022118776A1 (ja) * | 2020-12-04 | 2022-06-09 | ファナック株式会社 | 工作機械 |
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JP2002370130A (ja) * | 2001-06-18 | 2002-12-24 | Murata Mach Ltd | 工作機械 |
-
2010
- 2010-01-07 JP JP2010001984A patent/JP2011140093A/ja active Pending
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