JP2011133815A - レンズ鏡筒及び撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、レンズ性能の向上と小型化との両立を実現するようにする。
【解決手段】レンズ鏡筒を構成する可変焦点距離レンズ系は、少なくとも、物体側から順に、正屈折力を有する第1レンズ群、負屈折力を有する第2レンズ群、正屈折力を有する第3レンズ群を有し、案内手段が、固定筒と、固定筒に対して光軸回りに回転することにより当該固定筒に対して光軸方向へ進退する回転枠と、回転枠の内側に配され当該回転枠が回転する際に回転せず、かつ、光軸方向へ一体的に変位する直進案内枠と、第1レンズ群を直進案内枠に対して光軸方向へ進退させる第1案内枠と、第3レンズ群を直進案内枠に対して光軸方向へ進退させる第2案内枠とを具備し、第2レンズ群が直進案内枠に一体的に取り付けられ、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際、当該直進案内枠は光軸方向へ固定されているようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、レンズ鏡筒及び撮像装置に関し、特に、いわゆる沈胴構造を採用したレンズ鏡筒に関する。
従来、デジタルスチルカメラにおける記録手段として、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の光電変換素子を用いた撮像素子により、当該撮像素子の面上に形成された被写体像の光量を電気的出力に変換し、記録する方法が知られている。
近年における微細加工技術の技術進歩に伴い、中央演算処理装置すなわちCPU(Central Processing Unit)の高速化や記憶媒体の高集積化が図られ、それまでは取り扱えなかったような大容量の画像データを高速処理できるようになってきた。
また受光素子においても高集積化や小型化が図られ、当該高集積化によって一段と高い空間周波数の記録が可能になると共に、当該受光素子の小型化によってカメラ全体の小型化が図られている。
但し、上述の高集積化や小型化により、個々の光電変換素子の受光面積が狭まり、電気出力の低下に伴ってノイズの影響が大きくなる問題があった。これを防ぐために、光学系の大口径比化により光電変換素子上に到達する光量を増大させたり、また各光電変換素子の前に微小なレンズ素子(所謂マイクロレンズアレイ)を配置した。
しかしながら、このマイクロレンズアレイは、隣り合う光電変換素子の間に至る光束を当該光電変換素子上へ導く代わりに、レンズ系の射出瞳位置(像面から射出瞳までの距離)に制約を与えていた。
これは、レンズ系の射出瞳位置が光電変換素子に近づく、即ち光電変換素子に到達する主光線の光軸とのなす角度が大きくなると、画面周辺部へ向かう軸外光束が光軸に対して大きな角度をなし、光電変換素子上に到達せずに光量不足を招いてしまうからである。
近年、デジタルスチルカメラが一般的になるにつれ、ユーザニーズが多様化しつつある。特に、小型でありながら、変倍比が高いズームレンズを搭載したデジタルスチルカメラが増えてきており、変倍比が5倍を超えるズームレンズについても増えつつある。
一般的に、これらの変倍比の高いズームレンズでは、当該ズームレンズの構成を表すズームタイプとして、正負正正4群タイプが使われてきた。この正負正正4群タイプは、物体側から順に、正屈折力を有する第1レンズ群、負屈折力を有する第2レンズ群、正屈折力を有する第3レンズ群、正屈折力を有する第4レンズ群の4つのレンズ群によって構成されている。
この正負正正4群タイプのズームレンズでは、焦点距離の最も短い広角端状態から焦点距離の最も長い望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が増大し、第2レンズ群と第3レンズ群との間隔が減少するように、第1レンズ群乃至第3レンズ群の各レンズ群が移動し、別駆動による第4レンズ群の移動により撮像素子の像面位置(ピント位置)に対する変動を補償するようになされていた(例えば特許文献1参照)。
従来から4つ以上のレンズ群を光軸方向へ駆動させる沈胴式のレンズ鏡筒としては、4つの可動レンズ群を駆動可能であって、カムにより3つのレンズ群を駆動すると共に、最も像側に配置されるレンズ郡は別駆動する鏡筒構造が知られている(例えば特許文献2参照)。
このような沈胴式のレンズ鏡筒においては、携行時には本体内にレンズ部分を収納可能な所謂、沈胴式デジタルスチルカメラに用いられることが多い。
ところで、一般的に可動レンズ群を増やせば増やすほど、ズーム軌道の選択の自由度が高まるために、変倍比を高める、或は、高性能化を図れることが知られている。
特開2008-146016公報 特開2008-46500公報
しかしながら、従来の鏡筒構造で可動レンズ群を増やすと、各可動レンズ群を光軸方向へ進退させる機構を組み込んだときに収納状態(沈胴状態)において全体が厚くなってしまい、レンズ性能の向上及び小型化を図ることの両立が困難になるという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、レンズ性能の向上と小型化との両立を実現するのに適したレンズ鏡筒及び、そのレンズ鏡筒を搭載した撮像装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、3つ以上の可動レンズ群を有する可変焦点距離レンズ系と、当該可変焦点距離レンズ系を光軸方向へ進退する案内手段とを具えたレンズ鏡筒であって、可変焦点距離レンズ系は、少なくとも、物体側から順に、正屈折力を有する第1レンズ群、負屈折力を有する第2レンズ群、正屈折力を有する第3レンズ群を有し、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際、第1レンズ群と第2レンズ群との空気間隔が単調に増大し、第2レンズ群と第3レンズ群との空気間隔が単調に減少するように、少なくとも第1レンズ群と第3レンズ群とが物体側へ移動し、案内手段は、固定筒と、固定筒に対して光軸回りに回転することにより当該固定筒に対して光軸方向へ進退する回転枠と、回転枠の内側に配され当該回転枠が回転する際に回転せず、かつ、光軸方向へ一体的に変位する直進案内枠と、第1レンズ群を直進案内枠に対して光軸方向へ進退させる第1案内枠と、第3レンズ群を直進案内枠に対して光軸方向へ進退させる第2案内枠とを具備し、第2レンズ群が直進案内枠に一体的に取り付けられ、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際、当該直進案内枠は光軸方向へ固定されているようにする。
これによりレンズ鏡筒では、第2レンズ群が直進案内枠に一体的に取り付けられると共に、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際、当該第2レンズ群を保持している直進案内枠が光軸方向へ固定されているため、第2レンズ群を保持するための第2レンズ群保持部材を直進案内枠とは別に設ける場合に比べて簡易構成化を図ることができ、かつ直進案内枠を介して第2レンズ群が光軸方向へ固定されているので小型化及び高変倍比化を図ることができる。
なお、このレンズ鏡筒においては、可変焦点距離レンズ系が以下の条件式(1)を満足するように構成されることが望ましい。
(1)0.7<TLw/TLt<0.85
但し、
TLw :広角端状態におけるレンズ全長
TLt :望遠端状態におけるレンズ全長
とする。
条件式(1)は、レンズ位置状態の変化に伴うレンズ全長の変化を規定するものであり、すなわち条件式(1)によって第1レンズ群保持部材の繰り出せる長さが決まることを意味している。
この条件式(1)の上限値を上回った場合、第1レンズ群保持部材が光軸方向へ厚くなり、収納時の鏡筒厚が厚くなってしまう。
その結果、レンズ鏡筒では、レンズ収納時の鏡筒厚が薄くならず、十分な小型化を図ることができなくなってしまう。
この条件式(1)の下限値を下回った場合、第1レンズ群保持部材が光軸方向へ薄くなる分だけ、カム筒や固定筒が光軸方向へ厚くなる。
その結果、レンズ鏡筒では、条件式(1)の下限値を下回った場合、レンズ収納時の鏡筒厚が薄くならず、十分な小型化を図ることができなくなってしまう。
また、レンズ鏡筒においては、可変焦点距離レンズ系が以下の条件式(2)及び条件式(3)を満足するように構成されることが望ましい。
(2)0.2<Δ3/TLt<0.4
(3)0.05<Δ4/TLt<0.2
但し、
Δ3 :広角端状態から望遠端状態までの第3レンズ群の移動量
Δ4 :広角端状態から望遠端状態までの第4レンズ群の移動量
とする。
条件式(2)及び条件式(3)は、レンズ位置状態の変化に伴う第3レンズ群及び第4レンズ群の移動量をそれぞれ規定するものである。この条件式(2)の下限値を下回った場合、第3レンズ群の変倍作用が弱まってしまう。
その結果、レンズ鏡筒では、所定の変倍比を得るために可変焦点距離レンズ系における第2レンズ群の変倍作用が高まることになり、レンズ位置状態の変化に伴い、第2レンズ群で発生する軸上収差の変動を良好に補正することが困難になってしまう。
逆に、条件式(2)の上限値を上回った場合、第3レンズ群保持部材の移動量が大きくなる。そうするとレンズ鏡筒では、カム筒のカムが光軸方向へ長く伸びることになり、他のカムとメカ的な干渉が生じてしまうので、それを回避するためにカム筒が光軸方向へ厚くならざるを得ず、レンズ収納時の沈胴状態におけるレンズ鏡筒の鏡筒厚が厚くなってしまう。
条件式(3)の下限値を下回った場合、望遠端状態において第4レンズ群を通過する軸外光束が光軸から大きく離れてしまう。その結果、レンズ鏡筒では、画角の変化に伴って第4レンズ群により発生する軸外収差の変動を良好に補正できず、光学性能の更なる向上を図ることができなくなってしまう。
逆に、条件式(3)の上限値を上回った場合、望遠端状態における第4レンズ群の横倍率が正に大きくなり、その結果、第1レンズ群乃至第3レンズ群により形成される像が大きく拡大されるため、製造時に第1レンズ群乃至第3レンズ群において微小なる偏芯が発生しただけでも、光学性能が著しく低下してしまう。
なお、レンズ鏡筒においては、より好ましくは条件式(2)と条件式(3)とを満足した上で、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4)Δ4/Δ3<0.9
この条件式(4)の上限値を上回った場合、望遠端状態で第3レンズ群保持部材のカムフォロワと、第4レンズ群保持部材のカムフォロワとが干渉してしまい、その結果、カム筒を光軸方向に厚くせざるを得なくなってしまい、鏡筒厚が厚くなってしまう。
更にレンズ鏡筒の可変焦点距離レンズ系では、各レンズ群のレンズ径を小型化して、レンズ位置状態の変化に伴う軸外収差の変動を良好に補正するため、開口絞りを第3レンズ群近傍に配置することが望ましい。
一般に、レンズ位置状態が変化する際、開口絞りとの距離を変化させるレンズ群が増えるほど、各レンズ群を通過する軸外光束の高さが変化し易い。そして、その高さを利用して、レンズ位置状態の変化に伴う軸外収差の変動を補正するが、軸外光束の高さを積極的に変化させることにより、一段と良好に補正することが可能となる。
特に、レンズ鏡筒の可変焦点距離レンズ系では、第3レンズ群G3近傍に開口絞りを配置すると、当該開口絞りの前後にそれぞれ複数の可動レンズ群をバランス良く配置することができるため、コマ収差を一段と良好に補正することが可能となって、高性能化を図り得るようになされている。
また、レンズ鏡筒の可変焦点距離レンズ系では、第3レンズ群がレンズ全系の中央付近に位置するため、開口絞りについてもレンズ全系の中央付近に位置することになり、各レンズ群を通過する軸外光束の高さが極端に離れないようにでき、その結果、レンズ径の小型化を図り得るようになされている。
なお、レンズ鏡筒の可変焦点距離レンズ系では、第3レンズ群の物体側に開口絞りを配置すると共に、レンズ位置状態が変化する際に、開口絞りと第3レンズ群とを一体的に移動させることにより、レンズ径の更なる小型化と鏡筒構造の簡略化を図り得るようになされている。
因みに、レンズ鏡筒の可変焦点距離レンズ系では、第3レンズ群の物体側に開口絞りを配置することにより、特に、広角端状態で第1レンズ群を通過する軸外光束の高さを光軸に近づけて小型化を図ることができる。
同時に、レンズ鏡筒の可変焦点距離レンズ系は、広角端状態で第1レンズ群を通過する軸外光束が光軸に近づくため、画面周辺部で発生するコマ収差を抑えることが可能となり、高性能化を図ることができる。
更に、レンズ鏡筒の可変焦点距離レンズ系では、レンズ径の小型化とレンズ系全長の短縮化とをバランス良く達成するため、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
(5)1.8<f1/(fw・ft)1/2<2.7
但し、
f1 :第1レンズ群の焦点距離
fw :広角端状態におけるレンズ系全体での焦点距離
ft :望遠端状態におけるレンズ系全体での焦点距離
とする。
ここで条件式(5)は、第1レンズ群の焦点距離f1を規定するものである。この条件式(5)の上限値を上回った場合、レンズ鏡筒の可変焦点距離レンズ系では、第1レンズ群による収斂作用が弱まるため、望遠端状態におけるレンズ系全長が大型化してしまう。
逆に、この条件式(5)の下限値を下回った場合、レンズ鏡筒の可変焦点距離レンズ系では、第1レンズ群による収斂作用が強まり、広角端状態における軸外光束が光軸から離れてレンズ径が大型化してしまう。
ところで、第1レンズ群の屈折力が強くなるほど、望遠端状態において第1レンズ群単独で発生する高次の球面収差を良好に補正できなくなってしまう。この場合、開口絞りを可変絞りとして、レンズ位置状態が変化する際に開放径を変化させることも可能であるが、低照度の被写体を撮影する際にノイズが増大する等の問題が発生してしまう。
このため、レンズ鏡筒の可変焦点距離レンズ系では、第1レンズ群単独で発生する高次の球面収差を更に良好に補正して、望遠端状態における開放F値を明るくするには、条件式(5)の下限値を「2.0」とすることが望ましい。
また本発明においては、3つ以上の可動レンズ群を有する可変焦点距離レンズ系と、当該可変焦点距離レンズ系を光軸方向へ進退する案内手段とを具えたレンズ鏡筒と、当該可変焦点距離レンズ系によって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを具えた撮像装置であって、可変焦点距離レンズ系は、少なくとも、物体側から順に、正屈折力を有する第1レンズ群、負屈折力を有する第2レンズ群、正屈折力を有する第3レンズ群を有し、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際、第1レンズ群と第2レンズ群との空気間隔が単調に増大し、第2レンズ群と第3レンズ群との空気間隔が単調に減少するように、少なくとも第1レンズ群と第3レンズ群とが物体側へ移動し、案内手段は、固定枠と、固定枠に対して光軸回りに回転することにより当該固定枠に対して光軸方向へ進退する回転枠と、回転枠の内側に配され当該回転枠が回転する際に回転せず、かつ、光軸方向へ一体的に変位する直進案内枠と、第1レンズ群を直進案内枠に対して光軸方向へ進退させる第1案内枠と、第3レンズ群を直進案内枠に対して光軸方向へ進退させる第2案内枠とを具備し、第2レンズ群が直進案内枠に一体的に取り付けられ、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際、当該直進案内枠は光軸方向へ固定されているようにする。
これにより撮像装置では、レンズ鏡筒において、第2レンズ群が直進案内枠に一体的に取り付けられると共に、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際、当該第2レンズ群を保持している直進案内枠が光軸方向へ固定されているようにしたことにより、第2レンズ群を保持するための第2レンズ群保持部材を直進案内枠とは別に設ける場合に比べて簡易構成化を図ることができ、かつ直進案内枠を介して第2レンズ群が光軸方向へ固定されているので小型化及び高変倍比化を図ることができる。
本発明のレンズ鏡筒によれば、第2レンズ群が直進案内枠に一体的に取り付けられると共に、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際、当該第2レンズ群を保持している直進案内枠が光軸方向へ固定されているようにしたことにより、第2レンズ群を保持するための第2レンズ群保持部材を直進案内枠とは別に設ける場合に比べて簡易構成化を図ることができ、かつ直進案内枠を介して第2レンズ群が光軸方向へ固定されているので小型化及び高変倍比化を図ることができ、かくしてレンズ性能の向上と小型化との両立を実現するのに適したレンズ鏡筒を実現することができる。
また、本発明の撮像装置によれば、レンズ鏡筒において、第2レンズ群が直進案内枠に一体的に取り付けられると共に、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際、当該第2レンズ群を保持している直進案内枠が光軸方向へ固定されているようにしたことにより、第2レンズ群を保持するための第2レンズ群保持部材を直進案内枠とは別に設ける場合に比べて簡易構成化を図ることができ、かつ直進案内枠を介して第2レンズ群が光軸方向へ固定されているので小型化及び高変倍比化を図ることができ、かくしてレンズ性能の向上と小型化との両立を実現するのに適したレンズ鏡筒を搭載した撮像装置を実現することができる。
レンズ鏡筒の全体構成(沈胴状態)を示す略線的断面図である。 レンズ鏡筒の全体構成(広角端状態)を示す略線的断面図である。 レンズ鏡筒の全体構成(望遠端状態)を示す略線的断面図である。 レンズ鏡筒における状態遷移の説明に供する略線的断面図である。 第1及び第2数値実施例に対応した可変焦点距離レンズ系の屈折力配置を示す略線図である。 第1数値実施例における可変焦点距離レンズ系の構成を示す略線的断面図である。 第1数値実施例の諸収差を示す特性曲線図である。 第2数値実施例における可変焦点距離レンズ系の構成を示す略線的断面図である。 第2数値実施例の諸収差を示す特性曲線図である。 第3数値実施例に対応した可変焦点距離レンズ系の屈折力配置を示す略線図である。 第3数値実施例における可変焦点距離レンズ系の構成を示す略線的断面図である。 第3数値実施例の諸収差を示す特性曲線図である。 本発明の撮像装置を搭載したデジタルスチルカメラの構成を示す略線的ブロック図である。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第1の実施の形態に対応した数値実施例(第1数値実施例及び第2数値実施例)
3.第2の実施の形態
4.第2の実施の形態に対応した数値実施例(第3数値実施例)
5.撮像装置及びデジタルスチルカメラの構成
6.他の実施の形態
<1.第1の実施の形態>
[1−1.レンズ鏡筒の構成]
第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒は、少なくとも3つ以上の可動レンズ群を有する可変焦点距離レンズ系と、当該可変焦点距離レンズ系を構成する各可動レンズ群を光軸方向へ進退させる案内手段としての駆動機構とによって構成されている。
なお、以降では焦点距離の変化と共に合焦点も変化するようなレンズ系を可変焦点距離レンズ系と呼ぶ。これに対してズームレンズは焦点距離が変化したときでも合焦点が変化しないようになされたレンズ系であるため、可変焦点距離レンズ系の一つという位置付けになる。
まず、第1の実施の形態における可変焦点距離レンズ系の構成について説明する。第1の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、物体側から順に、正屈折力を有する第1レンズ群、負屈折力を有する第2レンズ群、正屈折力を有する第3レンズ群、負屈折力を有する第4レンズ群、正屈折力を有する第5レンズ群の5つのレンズ群によって構成される。
具体的に第1の実施の形態における可変焦点距離レンズ系は、焦点距離が最も短くなる広角端状態から焦点距離が最も長くなる望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際、第1レンズ群と第2レンズ群との空気間隔が増大し、第2レンズ群と第3レンズ群との空気間隔が減少し、第3レンズ群と第4レンズ群との空気間隔が増大し、第4レンズ群と第5レンズ群との空気間隔が減少する。
また同時に第1の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、第1レンズ群が物体側へ単調に移動するものの、第2レンズ群が光軸方向に固定され、第3レンズ群と第4レンズ群とが物体側へ移動する構成である。
そして第1の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、第1レンズ群、第3レンズ群、第4レンズ群の光軸方向への移動に伴う像面位置の変動を補償するように第5レンズ群が別駆動により移動するようになされている。
続いて、第1の実施の形態において可変焦点距離レンズ系を構成する各レンズ群の機能について説明する。この第1の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、広角端状態において第1レンズ群と第2レンズ群とを近接配置している。
その結果、第1の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では第1レンズ群に入射する軸外光束を光軸に近づけられるため、第1レンズ群のレンズ径を小径化することができる。
実際上、第1の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第1レンズ群と第2レンズ群との空気間隔を広げると、第1レンズ群を通過する軸外光束が光軸から離れてしまう。
しかしながら第1の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、このような光軸に対する軸外光束の高さの変化を利用して、レンズ位置状態の変化に伴う軸外収差の変動を良好に補正し得るようになされている。特に可変焦点距離レンズ系は、レンズ全長の変化を大きくすることにより、光軸に対する軸外光束の高さの変化を一段と大きくして収差補正効果を高めている。
また第1の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、広角端状態において第2レンズ群と第3レンズ群との空気間隔を広げることにより、第2レンズ群を通過する軸外光束が光軸から離れ、その結果、軸上収差と軸外収差とをそれぞれ独立して補正し得るようになされている。
そして第1の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第2レンズ群と第3レンズ群との空気間隔を狭めることにより、第2レンズ群を通過する軸外光束が光軸に近づく。
このため第1の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、この軸外光束の高さの変化を利用して、レンズ位置状態の変化に伴う軸外収差の変動を良好に補正し得、高性能化を図るようになされている。
さらに第1の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、広角端状態において第3レンズ群と第4レンズ群とを近接配置することにより、第4レンズ群を通過する軸外光束を光軸から離し、画角の変化に伴う軸外収差の変動を良好に補正するようになされている。
同時に第1の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第3レンズ群と第4レンズ群との空気間隔を広げると、第4レンズ群を通過する軸外光束が光軸に近づく。その結果、第1の実施の形態における可変焦点距離レンズ系は、レンズ位置状態の変化に伴う軸外収差の変動を良好に補正し得るようになされている。
なお第1の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、第3レンズ群の像面側に負屈折力を有する第4レンズ群と正屈折力を有する第5レンズ群とを配置しているが、第2レンズ群及び第4レンズ群という2つの負レンズ群を開口絞りの前後に配置するようになされている。
これにより第1の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、レンズ系全体での屈折力配置を開口絞り中心とした対称型に近づけ、特に広角端状態で発生し易い負の歪曲収差を良好に補正するようになされている。
ここで第5レンズ群は主に各レンズ群の移動に伴う像面位置の変動を補償するように移動する。第1の実施の形態における可変焦点距離レンズ系は、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第4レンズ群が物体側へ移動することにより、当該第4レンズ群と第5レンズ群との空気間隔が広がる。
その結果、第1の実施の形態における可変焦点距離レンズ系は、第5レンズ群を通過する軸外光束が光軸から離れるため、この高さの変化を利用して画角の変化に伴う軸外収差の変動を一段と良好に補正し得るようになされている。
一般に、開口絞りの前後に当該開口絞りとの間隔が変化するように移動するレンズ群の数が増えるほど、高いズーム倍率であっても高性能化を実現できる。第1の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、上述のような構成とすることにより、開口絞りとの間隔が変化するように移動するレンズ群の数を増やして高いズーム比でありながら高性能化を実現し得るようになされている。
このような上述したレンズ構成の下、第1の実施の形態における沈胴式のレンズ鏡筒では、各レンズ群がベースとなる部材に対して移動する構造となっている点に着目し、第2レンズ群を光軸方向へ固定するようにした。
ところで、一般に、ズームレンズを構成しているレンズ数を増やせば、収差補正の自由度が増えるため、変倍比を高くしても充分に高い光学性能を実現することができる。ところが、単純にレンズ数を増やしただけでは、レンズ駆動機構が複雑化してしまう問題があった。これを解決する方法として、光軸方向へ固定したレンズ群を追加する方法が知られている。
例えば、交換レンズでは正負正負正の5群構成として、第4レンズ群を光軸方向へ固定したズームタイプが知られており、具体的には特開2003−241093号公報が知られている。このような交換レンズでは、第1レンズ群の移動量を減らす目的で第4レンズ群を光軸方向へ固定していた。
これに対して第1の実施の形態における可変焦点距離レンズ系は、広角端状態から望遠端状態まで第2レンズ群を光軸方向へ固定することにより、可動レンズ群を減らしてレンズ系の簡易構成化を図っている。
上述した特開2003−241093号公報の交換レンズでは、第1レンズ群の移動量を減らす目的で第4レンズ群を光軸方向へ固定していた。これに対してレンズ一体型カメラにおいては、広角端状態におけるレンズ全長を短くした方が、広角端状態で第1レンズ群を通過する軸外光束が光軸へ近づくので、レンズ径の小型化が図り易い利点がある。
そこで第1の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、広角端状態から望遠端状態まで第2レンズ群を光軸方向へ固定することにより、可動レンズ群を減らしてレンズ系全体の簡易構成化を図りながら、各レンズの可変間隔を増やすことができるので、小型化及び高変倍比化をも達成するようになされている。
[1−2.レンズ鏡筒の断面構造]
続いて、図1乃至図3に示すように、レンズ位置状態が変化する際に、上述した可変焦点距離レンズ系Gを構成している可動レンズ群G1乃至G5を光軸方向へ駆動するための案内手段としての駆動機構について、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100を介して説明する。
ここで図1に示す第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100は、沈胴状態を示し、図2に示すレンズ鏡筒100は広角端状態を示し、図3に示すレンズ鏡筒100は望遠端状態を示す。
第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100は円盤状の固定地板部材118に対して撮像素子ユニットIMGが取り付けられ、当該固定地板部材118が当該レンズ鏡筒100の最外周側に位置する固定枠としての固定筒108に対し、ネジ止め(図示せず)により取付固定されている。
この固定筒108は、略円筒形状に構成されており、その内周側に、カム108Aと直進ガイド部材107を回転規制するための溝部(図示せず)とが設けられている。
また固定筒108の内周側には、回転枠として略円筒形状のカム筒106が配されており、当該固定筒108に対して当該カム筒106が光軸回りに回転することにより、当該固定筒108に対して当該カム筒106が光軸方向へ進退するようになされている。
このとき第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100では、直進ガイド部材107の外周側に形成された凸部(図示せず)と、固定筒108の内周側に設けられた溝部(図示せず)とが係合することにより、カム筒106が回転したときに直進ガイド部材107が回転してしまうことを規制するようになされている。
このカム筒106は、外周側にカムフォロワ106Aが形成され、かつ内周側には直進ガイド部材107と係合するための同心円状の溝部(図示せず)が形成されており、これにより当該カム筒106と直進ガイド部材107とを一体移動させるようになされている。
またカム筒106は、その内周側に、第1レンズ群保持部材103と係合するためのカム106C、第3レンズ群保持部材110と係合するためのカム106D及び第4レンズ群保持部材117と係合するためのカム106Eが形成されている。
直進案内枠としての直進ガイド部材107は、カム筒106の内側に配された略円筒形状に形成され、かつ光軸方向へ斜めに伸びた穴(図示せず)がその周囲に形成されており、第3レンズ群保持部材110のカムフォロワ110A、第4レンズ群保持部材117のカムフォロワ117Aが当該穴を貫通するようになされている。
従って第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100では、カム筒106のカム106Dと第3レンズ群保持部材110のカムフォロワ110Aとが直進ガイド部材107を介して係合する。
また同時に、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100では、カム筒106のカム107Eと第4レンズ群保持部材117のカムフォロワ117Aとが直進ガイド部材107を介して係合する。
これにより第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100では、カム筒106が回転したときでも、第3レンズ群保持部材110及び第4レンズ群保持部材117を直進ガイド部材107によって回転規制するようになされている。
なお直進ガイド部材107については、カム筒106が回転する際に回転せず、光軸方向へ第3レンズ群保持部材110及び第4レンズ群保持部材117と一体的に変位するようになされている。
これにより第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100では、カム筒106の回転に応じて直進ガイド部材107、第3レンズ群保持部材110及び第4レンズ群保持部材117が回転することなく光軸方向へ移動する。
また直進ガイド部材107は、その中央部分に第2レンズ群G2を保持している第2レンズ群保持部材105が取り付けられ、かつ外周端部を介してカム筒106と嵌め合わされる構造であり、当該カム筒106と光軸方向へ一体的に移動するようになされている。
なお、直進ガイド部材107は、その外周端部を介してカム筒106と嵌め合わされるが、カム筒106が回転するものの直進ガイド部材107は回転しないようになされているため、嵌め合わされていても取付固定されている訳ではない。
さらにカム筒106と直進ガイド部材107との間には、第1レンズ群G1を保持している略円筒形状の第1レンズ群保持部材103が配されており、カム筒106のカム106Cと第1レンズ群保持部材103のカムフォロワ103Aとが係合するようになされている。
なお、カム筒106の内周側には、第1レンズ群保持部材103を回転規制するための溝部(図示せず)が設けられており、第1レンズ群保持部材103の外周側に設けられた凸部と係合するようになされている。
これによりレンズ鏡筒100では、カム筒106の回転に伴って第1レンズ群保持部材103が回転することなく光軸方向へ進退するようになされている。
さらに直進ガイド部材107の内周側には、第4レンズ群G4を保持している略円筒形状の第4レンズ群保持部材117が配され、当該第4レンズ群保持部材117の外周側に設けられたカムフォロワ117Aが直進ガイド部材107の穴を貫通してカム筒106のカム106Eと係合する。
この第4レンズ群保持部材117の内周側であって、当該第4レンズ群保持部材117よりも物体側に、第3レンズ群G3を保持している略円筒形状の第3レンズ群保持部材110が配され、当該第3レンズ群保持部材110の外周側にはカムフォロワ110Aが設けられている。
これにより第3レンズ群保持部材110のカムフォロワ110Aと、カム筒106のカム106Dとが直進ガイド部材107の穴を貫通した状態で係合するようになされている。
さらに第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100では、第4レンズ群保持部材117よりも像面側に第5レンズ群G5を保持している第5レンズ群保持部材112が配されており、当該第5レンズ群保持部材112が第5レンズ群ガイド軸113によって支持され、かつ第5レンズ群回転止め114によって回転規制されるようになされている。
なお、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100では、第1レンズ群保持部材103よりも物体側に第1レンズ群G1のレンズを保護するためのカバー120が配され、カム筒106の先端に設けられたカバー保持部材121に対して当該カバー120が取り付けられている。
このような構成を有する第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の進退動作を、次の図4(A)乃至(C)を用いて、案内手段としての駆動機構を構成している固定筒108、カム筒106、直進ガイド部材107、第1レンズ群保持部材103、第2レンズ群保持部材105、第3レンズ群保持部材110、第4レンズ群保持部材117及び第5レンズ群保持部材112の動きを介して説明する。
図4(A)に示すように第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100は、沈胴状態(図1)が示されており、直進ガイド部材107の端部が固定地板部材118に当接した位置まで繰り込んだ状態となっている。
この沈胴状態において第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100は、カム筒106の回転によって当該カム筒106が光軸方向の物体側へ移動する。
その際、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100では、第3レンズ群保持部材110及び第4レンズ群保持部材117が直進ガイド部材107によって回転規制されているため、カム筒106が回転するに際し、当該第3レンズ群保持部材110及び第4レンズ群保持部材117の外周側に設けられたカムフォロワ110A及び117Aが、カム筒106の内周側に設けられたカム106D及び106Eに沿って移動する。
すなわち第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100では、固定筒108に対して、カム筒106が回転しながら光軸方向の物体側へ移動することにより、当該カム筒106に対して第3レンズ群保持部材110及び第4レンズ群保持部材117が物体側へ移動し、沈胴状態(図1、図4(A))から広角端状態(図2、図4(B))へ遷移するようになされている。
このとき第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100は、カム筒106及び直進ガイド部材107に挟まれた第1レンズ群保持部材103についても当該カム筒106及び直進ガイド部材107と一体化したままの状態で物体側へ移動することになる。
その後、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100は、さらにカム筒106が回転することによって当該カム筒106についてはその場から移動することなく第1レンズ群保持部材103だけが物体側へ移動すると共に、第3レンズ群保持部材110及び第4レンズ群保持部材117が物体側へ移動することにより、広角端状態(図2、図4(B))から望遠端状態(図3、図4(C))へ遷移する。
なお第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100では、広角端状態(図2、図4(B))から望遠端状態(図3、図4(C))へ遷移する際であっても、第2レンズ群保持部材105と一体化された直進ガイド部材107については移動することはない。
すなわち第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100は、広角端状態(図2、図4(B))及び望遠端状態(図3、図4(C))の双方において、固定筒108及びカム筒106の位置関係は変わらず、広角端状態(図2、図4(B))から望遠端状態(図3、図4(C))へ遷移したとき、カム筒106から第1レンズ群保持部材103だけが物体側へ飛び出すようになされている。
従って第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100では、沈胴状態(図1、図4(A))から広角端状態(図2、図4(B))へ遷移するに際し、固定筒108からカム筒106が突出し、広角端状態(図2、図4(B))及び望遠端状態(図3、図4(C))へ遷移するに際し、カム筒106から第1レンズ群保持部材103が突出する所謂2段式に構成されている。
因みに、レンズ鏡筒100における第5レンズ群保持部112については、カム筒106の回転とは独立して個別に移動するが、ここでは便宜上その説明を省略すると共に、移動前後の状態を図示することについても省略している。
このように第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100は、直進ガイド部材107を第3レンズ群保持部材110及び第4レンズ群保持部材117に対する回転規制に用いるだけでなく、第2レンズ群保持部材105の保持にも用いるように兼用した。
これによりレンズ鏡筒100は、可動レンズ群を増やしながらも、鏡筒構造を簡素化しながら高ズーム比でありながら高性能化を実現するようになされている。
[1−3.レンズ鏡筒の具体的構成]
このような第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100においては、可変焦点距離レンズ系Gが以下の条件式(1)を満足するように構成されることが望ましい。
(1)0.7<TLw/TLt<0.85
但し、
TLw :広角端状態におけるレンズ全長
TLt :望遠端状態におけるレンズ全長
とする。
条件式(1)は、レンズ位置状態の変化に伴うレンズ全長の変化を規定するものであり、すなわち条件式(1)によって第1レンズ群保持部材103の繰り出せる長さが決まることを意味している。
この条件式(1)の上限値を上回った場合、第1レンズ群保持部材103が光軸方向へ厚くなり、収納時の鏡筒厚が大きくなってしまう。
その結果、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100では、レンズ収納時の鏡筒厚が薄くならず、十分な小型化を図ることができなくなってしまう。
この条件式(1)の下限値を下回った場合、第1レンズ群保持部材103が光軸方向へ薄くなる分だけ、カム筒106や固定筒108が光軸方向へ厚くなる。
その結果、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100では、条件式(1)の下限値を下回った場合、レンズ収納時の鏡筒厚が薄くならず、十分な小型化を図ることができなくなってしまう。
また第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100においては、可変焦点距離レンズ系Gが以下の条件式(2)及び条件式(3)を満足するように構成されることが望ましい。
(2)0.2<Δ3/TLt<0.4
(3)0.05<Δ4/TLt<0.2
但し、
Δ3 :広角端状態から望遠端状態までの第3レンズ群の移動量
Δ4 :広角端状態から望遠端状態までの第4レンズ群の移動量
とする。
条件式(2)及び条件式(3)は、レンズ位置状態の変化に伴う第3レンズ群G3及び第4レンズ群G4の移動量をそれぞれ規定するものである。この条件式(2)の下限値を下回った場合、第3レンズ群G3の変倍作用が弱まってしまう。
その結果、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100では、所定の変倍比を得るために可変焦点距離レンズ系Gにおける第2レンズ群G2の変倍作用が高まることになり、レンズ位置状態の変化に伴い、第2レンズ群G2で発生する軸上収差の変動を良好に補正することが困難になってしまう。
逆に、条件式(2)の上限値を上回った場合、第3レンズ群保持部材110の移動量が大きくなる。そうすると第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100では、カム筒106のカム106Dが光軸方向へ長く伸びることになり、他のカム106C、カム106Eとメカ的な干渉が生じてしまうので、それを回避するためにカム筒106が光軸方向へ厚くならざるを得ず、レンズ収納時の沈胴状態におけるレンズ鏡筒100の鏡筒厚が厚くなってしまう。
条件式(3)の下限値を下回った場合、望遠端状態において第4レンズ群G4を通過する軸外光束が光軸から大きく離れてしまう。その結果、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100では、画角の変化に伴って第4レンズ群G4により発生する軸外収差の変動を良好に補正できず、光学性能の更なる向上を図ることができなくなってしまう。
逆に、条件式(3)の上限値を上回った場合、望遠端状態における第4レンズ群G4の横倍率が正に大きくなり、その結果、第1レンズ群G1乃至第3レンズ群G3により形成される像が大きく拡大されるため、製造時に第1レンズ群G1乃至第3レンズ群G3において微小なる偏芯が発生しただけでも、光学性能が著しく低下してしまう。
なお、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100においては、より好ましくは条件式(2)と条件式(3)とを満足した上で、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4)Δ4/Δ3<0.9
この条件式(4)の上限値を上回った場合、望遠端状態で第3レンズ群保持部材110のカムフォロワ110Aと、第4レンズ群保持部材117のカムフォロワ117Aとが干渉してしまい、その結果、カム筒106を光軸方向に厚くせざるを得なくなってしまい、鏡筒厚が厚くなってしまう。
更に第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gでは、各レンズ群のレンズ径を小型化して、レンズ位置状態の変化に伴う軸外収差の変動を良好に補正するため、開口絞りを第3レンズ群G3近傍に配置することが望ましい。
一般に、レンズ位置状態が変化する際、開口絞りとの距離を変化させるレンズ群が増えるほど、各レンズ群を通過する軸外光束の高さが変化し易い。そして、その高さを利用して、レンズ位置状態の変化に伴う軸外収差の変動を補正するが、軸外光束の高さを積極的に変化させることにより、一段と良好に補正することが可能となる。
特に、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gでは、第3レンズ群G3近傍に開口絞りを配置すると、当該開口絞りの前後にそれぞれ複数の可動レンズ群をバランス良く配置することができるため、コマ収差を一段と良好に補正することが可能となって、高性能化を図り得るようになされている。
また、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gでは、第3レンズ群G3がレンズ全系の中央付近に位置するため、開口絞りについてもレンズ全系の中央付近に位置することになり、各レンズ群を通過する軸外光束の高さが極端に離れないようにでき、その結果、レンズ径の小型化を図り得るようになされている。
なお、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gでは、第3レンズ群G3の物体側に開口絞りを配置すると共に、レンズ位置状態が変化する際に、開口絞りと第3レンズ群G3とを一体的に移動させることにより、レンズ径の更なる小型化と鏡筒構造の簡略化を図り得るようになされている。
因みに、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gでは、第3レンズ群G3の物体側に開口絞りを配置することにより、特に、広角端状態で第1レンズ群G1を通過する軸外光束の高さを光軸に近づけて小型化を図ることができる。
同時に、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gは、広角端状態で第1レンズ群G1を通過する軸外光束が光軸に近づくため、画面周辺部で発生するコマ収差を抑えることが可能となり、高性能化を図ることができる。
ところで、無限遠に位置する被写体から近距離に位置した被写体まで合焦を行う(以下、これを近接合焦と呼ぶ。)際、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gにおいては、第5レンズ群G5を光軸方向へ移動させることが望ましい。
これは、第5レンズ群G5は像面位置に近い場所に配置され、軸上光束と軸外光束とが離れた状態で通過するため、軸上光束と軸外光束とを独立して補正することが可能であり、被写体位置の変化に伴う軸外収差の変動を補正するのに適しているからである。
更に、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gでは、レンズ径の小型化とレンズ系全長の短縮化とをバランス良く達成するため、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
(5)1.8<f1/(fw・ft)1/2<2.7
但し、
f1 :第1レンズ群の焦点距離
fw :広角端状態におけるレンズ系全体での焦点距離
ft :望遠端状態におけるレンズ系全体での焦点距離
とする。
ここで条件式(5)は、第1レンズ群G1の焦点距離f1を規定するものである。この条件式(5)の上限値を上回った場合、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gでは、第1レンズ群G1による収斂作用が弱まるため、望遠端状態におけるレンズ系全長が大型化してしまう。
逆に、この条件式(5)の下限値を下回った場合、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gでは、第1レンズ群G1による収斂作用が強まり、広角端状態における軸外光束が光軸から離れてレンズ径が大型化してしまう。
ところで、第1レンズ群G1の屈折力が強くなるほど、望遠端状態において第1レンズ群単独で発生する高次の球面収差を良好に補正できなくなってしまう。この場合、開口絞りを可変絞りとして、レンズ位置状態が変化する際に開放径を変化させることも可能であるが、低照度の被写体を撮影する際にノイズが増大する等の問題が発生してしまう。
このため、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gでは、第1レンズ群G1単独で発生する高次の球面収差を更に良好に補正して、望遠端状態における開放F値を明るくするには、条件式(5)の下限値を「2.0」とすることが望ましい。
なお、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gにおいては、非球面レンズを用いることにより一段と高い光学性能を実現することができる。特に、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gにおいては、第2レンズ群G2に非球面レンズを用いることにより、広角端状態において発生する画角によるコマ収差の変動を良好に補正することも可能である。
また、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gにおいては、第3レンズ群G3乃至第5レンズ群G5に非球面レンズを導入することによって、中心性能の更なる高性能化が可能となる。
さらに、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gにおいては、複数の非球面を1つの光学系に用いることにより、一段と高い光学性能が得られるのは言うまでもない。
さらに、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gでは、第1レンズ群G1単独で発生する球面収差を補正して、特に、望遠端状態で良好なる光学性能を実現するために、第1レンズ群G1が像側に凹面を向けた負レンズと物体側に凸面を向けた正レンズとの接合レンズにより構成されることが望ましい。
なお、この接合レンズは、負レンズと正レンズとに分離することも可能であり、これにより第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gでは、第1レンズ群G1で発生する色収差や球面収差を良好に補正することもできる。
しかしながら、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gでは、負レンズと正レンズとに分離した場合、製造時に発生する微小なる偏心によっても光学性能が著しく劣化してしまうため、接合レンズの方が望ましい。
加えて、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gでは、レンズ系を構成するレンズ群のうち、1つのレンズ群、あるいは、1つのレンズ群を構成する一部のレンズを光軸に対してほぼ垂直な方向へシフトさせることにより、像をシフトさせることが可能である。
そして第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gでは、カメラの倒れを検出する検出系、当該検出系からのブレ情報に基づいて移動量を算出する演算系、当該演算系からの移動量情報に従って所定のレンズをシフトさせる駆動系と、当該レンズとを組み合わせるようになされている。
これにより第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gでは、シャッターレリーズ時に生じるカメラブレによる像ブレをレンズシフトによって相殺又は緩和させ得るようになされている。
特に、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gでは、第3レンズ群G3を光軸にほぼ垂直な方向へシフトさせる際に生じる性能変化を小さくすることができる。
さらに、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gでは、第3レンズ群G3の近傍に開口絞りを配置した場合、軸外光束が光軸付近を通過するため、第3レンズ群G3を光軸にほぼ垂直な方向へシフトさせた際に生じる軸外収差の変動を抑えることが可能となる。
因みに、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gでは、レンズ系の像側に所謂モアレ縞の発生を防ぐためにローパスフィルタを配置したり、撮像素子ユニットIMGの受光素子の分光感度特性に応じて赤外カットフィルタを配置することも勿論可能であることは言うまでもない。
<2.第1の実施の形態に対応した数値実施例>
次に、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系Gに対して具体的な数値を適用した数値実施例について、以下、図面及び図表を用いて説明する。ここで、各数値実施例において、非球面は次式の数1で表される。
x=cy/(1+(1−(1+k)c1/2)+Ay+By
……(1)
ここで、yは光軸からの高さ、xはサグ量、cは曲率、kは円錐定数、A,B,……は非球面係数である。
図5においては、第1の実施の形態におけるレンズ鏡筒100に用いられる第1数値実施例及び第2数値実施例に対応した可変焦点距離レンズ系Gの屈折力配置を示す。
この可変焦点距離レンズ系Gでは、物体側から順に、正屈折力を有する第1レンズ群G1、負屈折力を有する第2レンズ群G2、正屈折力を有する第3レンズ群G3、負屈折力を有する第4レンズ群G4、正屈折力を有する第5レンズ群G5によって構成されている。
この可変焦点距離レンズ系Gでは、広角端状態から望遠端状態への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が増大し、第2レンズ群G2及び第3レンズ群G3との空気間隔が減少して、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔が増大する。
このとき可変焦点距離レンズ系Gでは、第1レンズ群G1、第3レンズ群G3及び第4レンズ群G4が物体側へ移動するのに対して第2レンズ群G2が光軸方向に固定され、第5レンズ群G5が各レンズ群の移動に伴う像面位置の変動を補償するように移動すると共に、近距離合焦時に物体側へ移動するようになされている。
[2−1.第1数値実施例]
図6において、11は全体として第1の実施の形態に対応したレンズ鏡筒100に用いられる第1数値実施例の可変焦点距離レンズ系Gを示し、物体側から順に、正屈折力を有する第1レンズ群G1、負屈折力を有する第2レンズ群G2、正屈折力を有する第3レンズ群G3、負屈折力を有する第4レンズ群G4、正屈折力を有する第5レンズ群G5によって構成されている。
この可変焦点距離レンズ系11において、第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズと物体側に凸面を向けた正レンズとの接合レンズL1により構成されている。
また可変焦点距離レンズ系11において、第2レンズ群G2は、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL21、両凹形状の負レンズL22、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL23により構成されている。
また可変焦点距離レンズ系11において、第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL3により構成され、第4レンズ群G4は、物体側に凹面を向けたメニスカス形状の正レンズと物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズとの接合レンズL4により構成されている。
さらに可変焦点距離レンズ系11において、第5レンズ群G5は、両凸形状の正レンズL5により構成されている。
なお可変焦点距離レンズ系11は、開口絞りSが第3レンズ群G3の近傍であって、かつ物体側に配置されていると共に、第5レンズ群G5と撮像素子ユニットIMGとの間には、撮像素子ユニットIMGを保護するためのシールガラスSGが配置されている。
このように第1数値実施例における可変焦点距離レンズ系11では、上述したようなレンズエレメント構成とすることによって、高変倍比化及び広角化を実現すると共に、レンズ系の諸収差を良好に補正し得るようになされている。
以下の表1に、第1数値実施例の諸元値を掲げる。ここで第1数値実施例における諸元表中のfは焦点距離、FNOはFナンバー、2ωは画角を表し、屈折率はd線(波長587.6nm)に対する値である。なお、表1中で曲率半径0とは平面を意味する。
Figure 2011133815
なお、第4面、第5面、第11面、第12面、第15面、第16面は非球面形状であり、その非球面係数は表2に示す通りである。なお、例えば0.26029E−05とは、0.26029×10−5を意味する。
Figure 2011133815
続いて、第1数値実施例の可変焦点距離レンズ系11においてレンズ位置状態が変化する際の可変間隔を以下の表3に示す。
Figure 2011133815
そして、以下の表4にレンズ鏡筒100に用いられる第1数値実施例の可変焦点距離レンズ系11における条件式対応値を示す。
Figure 2011133815
続いて、図7は第1数値実施例の無限遠合焦状態での諸収差図をそれぞれ示し、図7(A)では広角端状態(f=1.000)、図7(B)では中間焦点距離状態(f=3.117)、図7(C)では望遠端状態(f=6.592)における諸収差図を示す。
この図7において、球面収差図の実線は球面収差を示し、非点収差図中の実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面を示し、歪曲収差図中の実線は歪曲収差を示し、横収差図のAは画角、yは像高をそれぞれ示している。この各収差図から、レンズ鏡筒100に用いられる第1数値実施例の可変焦点距離レンズ系11では諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
[2−2.第2数値実施例]
図8において、12は全体として第1の実施の形態に対応したレンズ鏡筒100に用いられる第2数値実施例の可変焦点距離レンズ系Gを示し、物体側から順に、正屈折力を有する第1レンズ群G1、負屈折力を有する第2レンズ群G2、正屈折力を有する第3レンズ群G3、負屈折力を有する第4レンズ群G4、正屈折力を有する第5レンズ群G5によって構成されている。
この可変焦点距離レンズ系12において、第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズと物体側に凸面を向けた正レンズとの接合レンズL1により構成されている。
また可変焦点距離レンズ系12において、第2レンズ群G2は、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL21、両凹形状の負レンズL22、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL23により構成されている。
また可変焦点距離レンズ系12において、第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL3により構成され、第4レンズ群G4は、物体側に凹面を向けたメニスカス形状の正レンズと物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズとの接合レンズL4により構成されている。
さらに可変焦点距離レンズ系12において、第5レンズ群G5は、両凸形状の正レンズL5により構成されている。
なお可変焦点距離レンズ系12は、開口絞りSが第3レンズ群G3の近傍であって、かつ物体側に配置されていると共に、第5レンズ群G5と撮像素子ユニットIMGとの間には、IRカットフィルタCFと、撮像素子ユニットIMGを保護するためのシールガラスSGが配置されている。
このように第2数値実施例における可変焦点距離レンズ系12では、上述したようなレンズエレメント構成とすることによって、高変倍比化及び広角化を実現すると共に、レンズ系の諸収差を良好に補正し得るようになされている。
以下の表5に、第2数値実施例の諸元値を掲げる。ここで第2数値実施例における諸元表中のfは焦点距離、FNOはFナンバー、2ωは画角を表し、屈折率はd線(波長587.6nm)に対する値である。なお、表5中で曲率半径0とは平面を意味する。
Figure 2011133815
なお、第5面、第11面、第12面、第15面、第16面は非球面形状であり、その非球面係数は表6に示す通りである。なお、例えば0.26029E−05とは、0.26029×10−5を意味する。
Figure 2011133815
続いて、レンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系12においてレンズ位置状態が変化する際の可変間隔を以下の表7に示す。
Figure 2011133815
そして、以下の表8にレンズ鏡筒100に用いられる第2数値実施例の可変焦点距離レンズ系12における条件式対応値を示す。
Figure 2011133815
続いて、図9は第2数値実施例の無限遠合焦状態での諸収差図をそれぞれ示し、図9(A)では広角端状態(f=1.000)、図9(B)では中間焦点距離状態(f=2.525)、図9(C)では望遠端状態(f=5.651)における諸収差図を示す。
この図9において、球面収差図の実線は球面収差を示し、非点収差図中の実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面を示し、歪曲収差図中の実線は歪曲収差を示し、横収差図のAは画角、yは像高をそれぞれ示している。この各収差図から、レンズ鏡筒100に用いられる第2数値実施例の可変焦点距離レンズ系12では諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
<3.第2の実施の形態>
[3−1.レンズ鏡筒の構成]
第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒においても、少なくとも3つ以上の可動レンズ群を有する可変焦点距離レンズ系と、当該可変焦点距離レンズ系を構成する各レンズ群を光軸方向へ進退させる案内手段としての駆動機構とによって構成されている。
まず、第2の実施の形態における可変焦点距離レンズ系の構成について説明する。可変焦点距離レンズ系では、物体側から順に、正屈折力を有する第1レンズ群、負屈折力を有する第2レンズ群、正屈折力を有する第3レンズ群、負屈折力を有する第4レンズ群、正屈折力を有する第5レンズ群の5つのレンズ群によって構成される。
具体的に第2の実施の形態における可変焦点距離レンズ系は、焦点距離が最も短くなる広角端状態から焦点距離が最も長くなる望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際、第1レンズ群と第2レンズ群との空気間隔が増大し、第2レンズ群と第3レンズ群との空気間隔が減少し、第3レンズ群と第4レンズ群との空気間隔が増大し、第4レンズ群と第5レンズ群との空気間隔が減少する。
また同時に第2の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、第1レンズ群が物体側へ単調に移動し、第2レンズ群が光軸方向へ僅かに移動し、第3レンズ群と第4レンズ群とが物体側へ移動する構成である。
そして第2の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群、第4レンズ群の光軸方向への移動に伴う像面位置の変動を補償するように第5レンズ群が別駆動により移動するようになされている。
続いて、第2の実施の形態における可変焦点距離レンズ系を構成する各レンズ群の機能について説明する。この第2の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、広角端状態において第1レンズ群と第2レンズ群とを近接配置している。
その結果、第2の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では第1レンズ群に入射する軸外光束を光軸に近づけられるため、第1レンズ群のレンズ径を小径化することができる。
実際上、第2の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第1レンズ群と第2レンズ群との空気間隔を広げると、第1レンズ群を通過する軸外光束が光軸から離れてしまう。
しかしながら第2の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、光軸に対する軸外光束の高さの変化を利用して、レンズ位置状態の変化に伴う軸外収差の変動を良好に補正し得るようになされている。特に第2の実施の形態における可変焦点距離レンズ系は、レンズ全長の変化を大きくすることにより、光軸に対する軸外光束の高さの変化を一段と大きくして収差補正効果を高めている。
また第2の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、広角端状態において第2レンズ群と第3レンズ群との空気間隔を広げることにより、第2レンズ群を通過する軸外光束が光軸から離れ、その結果、軸上収差と軸外収差とをそれぞれ独立して補正し得るようになされている。
そして第2の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第2レンズ群と第3レンズ群との間隔を狭めることにより、第2レンズ群を通過する軸外光束が光軸に近づく。このため第2の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、この軸外光束の高さの変化を利用して、レンズ位置状態の変化に伴う軸外収差の変動を良好に補正し得、高性能化を図るようになされている。
さらに第2の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、広角端状態において第3レンズ群と第4レンズ群とを近接配置することにより、第4レンズ群を通過する軸外光束を光軸から離し、画角の変化に伴う軸外収差の変動を良好に補正するようになされている。
同時に第2の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第3レンズ群と第4レンズ群との空気間隔を広げることにより、第4レンズ群を通過する軸外光束が光軸に近づく。その結果、第2の実施の形態における可変焦点距離レンズ系は、レンズ位置状態の変化に伴う軸外収差の変動を良好に補正し得るようになされている。
なお第2の実施の形態における可変焦点距離レンズ系では、第3レンズ群の像面側に負屈折力を有する第4レンズ群と正屈折力を有する第5レンズ群とを配置しているが、第2レンズ群及び第4レンズ群という2つの負レンズ群を開口絞りの前後に配置することにより、レンズ系全体での屈折力配置を開口絞り中心とした対称型に近づけ、特に広角端状態で発生し易い負の歪曲収差を良好に補正するようになされている。
ここで第5レンズ群は主に各レンズ群の移動に伴う像面位置の変動を補償するように移動する。第2の実施の形態における可変焦点距離レンズ系は、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第4レンズ群が物体側へ移動することにより、当該第4レンズ群と第5レンズ群との空気間隔が広がる。
その結果、第2の実施の形態における可変焦点距離レンズ系は、第5レンズ群を通過する軸外光束が光軸から離れるため、この高さの変化を利用して画角の変化に伴う軸外収差の変動を一段と良好に補正し得るようになされている。
[3−2.レンズ鏡筒の断面構造]
ところで、レンズ位置状態が変化する際に、第2レンズ群が光軸方向へ固定されていない可変焦点距離レンズ系G´(後述する)を構成している可動レンズ群G1乃至G5を光軸方向へ駆動するための駆動機構については、図1乃至図3のレンズ鏡筒100と基本的に同じであるため、ここでは便宜上その説明を省略する。
[3−3.レンズ鏡筒の具体的構成]
このような第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100に搭載された可変焦点距離レンズ系G´については、第1の実施の形態における可変焦点距離レンズ系Gと同様に、以下の条件式(1)を満足するように構成されることが望ましい。
(1)0.7<TLw/TLt<0.85
但し、
TLw :広角端状態におけるレンズ全長
TLt :望遠端状態におけるレンズ全長
とする。
条件式(1)は、レンズ位置状態の変化に伴うレンズ全長の変化を規定するものであり、すなわち条件式(1)によって第1レンズ群保持部材103の繰り出せる長さが決まることを意味している。
この条件式(1)の上限値を上回った場合、第1レンズ群保持部材103が光軸方向へ厚くなり、収納時の鏡筒厚が大きくなってしまう。
その結果、第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100では、レンズ収納時の鏡筒厚が薄くならず、十分な小型化を図ることができなくなってしまう。
この条件式(1)の下限値を下回った場合、第1レンズ群保持部材103が光軸方向へ薄くなる分だけ、カム筒106や固定筒108が光軸方向へ厚くなる。
その結果、第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100では、条件式(1)の下限値を下回った場合、レンズ収納時の鏡筒厚が薄くならず、十分な小型化を図ることができなくなってしまう。
また第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100においては、可変焦点距離レンズ系G´が以下の条件式(2)及び条件式(3)を満足するように構成されることが望ましい。
(2)0.2<Δ3/TLt<0.4
(3)0.05<Δ4/TLt<0.2
但し、
Δ3 :広角端状態から望遠端状態までの第3レンズ群の移動量
Δ4 :広角端状態から望遠端状態までの第4レンズ群の移動量
とする。
条件式(2)及び条件式(3)は、レンズ位置状態の変化に伴う第3レンズ群G3及び第4レンズ群G4の移動量をそれぞれ規定するものである。この条件式(2)の下限値を下回った場合、第3レンズ群G3の変倍作用が弱まってしまう。
その結果、第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100では、所定の変倍比を得るために可変焦点距離レンズ系G´における第2レンズ群G2の変倍作用が高まることになり、レンズ位置状態の変化に伴い、第2レンズ群G2で発生する軸上収差の変動を良好に補正することが困難になってしまう。
逆に、条件式(2)の上限値を上回った場合、第3レンズ群保持部材110の移動量が大きくなる。そうすると第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100では、カム筒106のカム106Dが光軸方向へ長く伸びることになり、他のカム106C、カム106Eとメカ的な干渉が生じてしまうので、それを回避するためにカム筒106が光軸方向へ厚くならざるを得ず、レンズ収納時の沈胴状態におけるレンズ鏡筒100の鏡筒厚が厚くなってしまう。
条件式(3)の下限値を下回った場合、第4レンズ群G4が僅かにしか動かないために、望遠端状態において第4レンズ群G4を通過する軸外光束が光軸から大きく離れてしまう。
その結果、第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100では、画角の変化に伴って第4レンズ群G4により発生する軸外収差の変動を良好に補正できず、光学性能の更なる向上を図ることができなくなってしまう。
逆に、条件式(3)の上限値を上回った場合、望遠端状態における第4レンズ群G4の横倍率が正に大きくなり、その結果、第1レンズ群G1乃至第3レンズ群G3により形成される像が大きく拡大されるため、製造時に第1レンズ群G1乃至第3レンズ群G3において微小なる偏芯が発生しただけでも、光学性能が著しく低下してしまう。
なお、第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100においては、より好ましくは条件式(2)と条件式(3)とを満足した上で、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4)Δ4/Δ3<0.9
この条件式(4)の上限値を上回った場合、望遠端状態で第3レンズ群保持部材110のカムフォロワ110Aと、第4レンズ群保持部材117のカムフォロワ117Aとが干渉してしまい、その結果、カム筒106を光軸方向に厚くせざるを得なくなってしまい、鏡筒厚が厚くなってしまう。
更に第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´では、各レンズ群のレンズ径を小型化して、レンズ位置状態の変化に伴う軸外収差の変動を良好に補正するため、開口絞りを第3レンズ群G3近傍に配置することが望ましい。
一般に、レンズ位置状態が変化する際、開口絞りとの距離を変化させるレンズ群が増えるほど、各レンズ群を通過する軸外光束の高さが変化し易い。そして、その高さを利用して、レンズ位置状態の変化に伴う軸外収差の変動を補正するが、軸外光束の高さを積極的に変化させることにより、一段と良好に補正することが可能となる。
特に、第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´では、第3レンズ群G3近傍に開口絞りを配置すると、当該開口絞りの前後にそれぞれ複数の可動レンズ群をバランス良く配置することができるため、コマ収差を一段と良好に補正することが可能となって、高性能化を図り得るようになされている。
また第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´では、第3レンズ群G3がレンズ全系の中央付近に位置するため、開口絞りについてもレンズ全系の中央付近に位置することになり、各レンズ群を通過する軸外光束の高さが極端に離れないようにでき、その結果、レンズ径の小型化を図り得るようになされている。
なお、第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´では、第3レンズ群G3の物体側に開口絞りを配置すると共に、レンズ位置状態が変化する際に、開口絞りと第3レンズ群G3とを一体的に移動させることにより、レンズ径の更なる小型化と鏡筒構造の簡略化を図り得るようになされている。
因みに第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´では、第3レンズ群G3の物体側に開口絞りを配置することにより、特に、広角端状態で第1レンズ群G1を通過する軸外光束の高さを光軸に近づけて小型化を図ることができる。
同時に、第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´は、広角端状態で第1レンズ群G1を通過する軸外光束が光軸に近づくため、画面周辺部で発生するコマ収差を抑えることが可能となり、高性能化を図ることができる。
ところで、無限遠に位置する被写体から近距離に位置した被写体までの近接合焦の際、第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´においては、第5レンズ群G5を光軸方向へ移動させることが望ましい。
これは、第5レンズ群G5は像面位置に近い場所に配置され、軸上光束と軸外光束とが離れた状態で通過するため、軸上光束と軸外光束とを独立して補正することが可能であり、被写体位置の変化に伴う軸外収差の変動を補正するのに適しているからである。
更に第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´では、レンズ径の小型化とレンズ系全長の短縮化とをバランス良く達成するため、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
(5)1.8<f1/(fw・ft)1/2<2.7
但し、
f1 :第1レンズ群の焦点距離
fw :広角端状態におけるレンズ系全体での焦点距離
ft :望遠端状態におけるレンズ系全体での焦点距離
とする。
ここで条件式(5)は、第1レンズ群G1の焦点距離f1を規定するものである。この条件式(5)の上限値を上回った場合、第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´では、第1レンズ群G1による収斂作用が弱まるため、望遠端状態におけるレンズ系全長が大型化してしまう。
逆に、この条件式(5)の下限値を下回った場合、第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´では、第1レンズ群G1による収斂作用が強まり、広角端状態における軸外光束が光軸から離れてレンズ径が大型化してしまう。
ところで、第1レンズ群G1の屈折力が強くなるほど、望遠端状態において第1レンズ群単独で発生する高次の球面収差を良好に補正できなくなってしまう。この場合、開口絞りを可変絞りとして、レンズ位置状態が変化する際に開放径を変化させることも可能であるが、低照度の被写体を撮影する際にノイズが増大する等の問題が発生してしまう。
このため、第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´では、第1レンズ群単独で発生する高次の球面収差を更に良好に補正して、望遠端状態における開放F値を明るくするには、条件式(5)の下限値を「2.0」とすることが望ましい。
なお第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´においては、非球面レンズを用いることにより一段と高い光学性能を実現することができる。特に、第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´においては、第2レンズ群G2に非球面レンズを用いることにより、広角端状態において発生する画角によるコマ収差の変動を良好に補正することも可能である。
また第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´においては、第3レンズ群G3乃至第5レンズ群G5に非球面レンズを導入することによって、中心性能の更なる高性能化が可能となる。さらに第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´においては、複数の非球面を1つの光学系に用いることにより、一段と高い光学性能が得られるのは言うまでもない。
さらに第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´では、第1レンズ群単独で発生する球面収差を補正して、特に、望遠端状態で良好なる光学性能を実現するために、第1レンズ群G1が像側に凹面を向けた負レンズと物体側に凸面を向けた正レンズとの接合レンズにより構成されることが望ましい。
なお、この接合レンズは、負レンズと正レンズとに分離することも可能であり、これにより第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´では、第1レンズ群G1で発生する色収差や球面収差を良好に補正することもできる。
しかしながら、第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´では、負レンズと正レンズとに分離した場合、製造時に発生する微小なる偏心によっても光学性能が著しく劣化してしまうため、接合レンズの方が望ましい。
加えて第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´では、レンズ系を構成するレンズ群のうち、1つのレンズ群、あるいは、1つのレンズ群を構成する一部のレンズを光軸に対してほぼ垂直な方向へシフトさせることにより、像をシフトさせることが可能である。
そして第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´では、カメラの倒れを検出する検出系、当該検出系からのブレ情報に基づいて移動量を算出する演算系、当該演算系からの移動量情報に従って所定のレンズをシフトさせる駆動系と、当該レンズとを組み合わせるようになされている。
これにより第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´では、シャッターレリーズ時に生じるカメラブレによる像ブレをレンズシフトによって相殺又は緩和させ得るようになされている。
特に第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´では、第3レンズ群G3を光軸にほぼ垂直な方向へシフトさせる際に生じる性能変化を小さくすることができる。
さらに第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´では、第3レンズ群G3の近傍に開口絞りを配置した場合、軸外光束が光軸付近を通過するため、第3レンズ群G3を光軸にほぼ垂直な方向へシフトさせた際に生じる軸外収差の変動を抑えることが可能となる。
因みに、第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´では、レンズ系の像側に所謂モアレ縞の発生を防ぐためにローパスフィルタを配置したり、撮像素子ユニットIMGの受光素子の分光感度特性に応じて赤外カットフィルタを配置することも勿論可能であることは言うまでもない。
<4.第2の実施の形態に対応した数値実施例>
次に、第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系G´に対して具体的な数値を適用した数値実施例について、以下、図面及び図表を用いて説明する。ここで、各数値実施例において、非球面は上述した数1で表される。
図10においては、第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100に用いられる第3数値実施例に対応した可変焦点距離レンズ系G´の屈折力配置を示す。
この可変焦点距離レンズ系G´では、物体側から順に、正屈折力を有する第1レンズ群G1、負屈折力を有する第2レンズ群G2、正屈折力を有する第3レンズ群G3、負屈折力を有する第4レンズ群G4、正屈折力を有する第5レンズ群G5によって構成されている。
この可変焦点距離レンズ系G´では、広角端状態から望遠端状態への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が増大し、第2レンズ群G2及び第3レンズ群G3との空気間隔が減少して、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔が増大する。
このとき可変焦点距離レンズ系G´では、第1レンズ群G1、第3レンズ群G3及び第4レンズ群G4が物体側へ移動することに加えて、第2レンズ群G2についても光軸方向へ僅かに変化し、第5レンズ群G5が各レンズ群の移動に伴う像面位置の変動を補償するように移動すると共に、近距離合焦時に物体側へ移動するようになされている。
[4−1.第3数値実施例]
図11において、13は全体として第2の実施の形態に対応したレンズ鏡筒100に用いられる第3数値実施例の可変焦点距離レンズ系G´を示し、物体側から順に、正屈折力を有する第1レンズ群G1、負屈折力を有する第2レンズ群G2、正屈折力を有する第3レンズ群G3、負屈折力を有する第4レンズ群G4、正屈折力を有する第5レンズ群G5によって構成されている。
この可変焦点距離レンズ系13において、第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズと物体側に凸面を向けた正レンズとの接合レンズL1により構成されている。
また可変焦点距離レンズ系13において、第2レンズ群G2は、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL21、両凹形状の負レンズL22、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL23により構成されている。
また可変焦点距離レンズ系13において、第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズと物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズとの接合正レンズL3により構成されている。
さらに可変焦点距離レンズ系13において、第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL4により構成されている。
さらに可変焦点距離レンズ系13において、第5レンズ群G5は、両凸形状の正レンズL5により構成されている。
なお可変焦点距離レンズ系13は、開口絞りSが第3レンズ群G3の近傍であって、かつ物体側に配置されていると共に、第5レンズ群G5と撮像素子ユニットIMGとの間には、IRカットフィルタCFと、撮像素子ユニットIMGを保護するためのシールガラスSGが配置されている。
このように第2の実施の形態におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系13では、上述したようなレンズエレメント構成とすることによって、高変倍比化及び広角化を実現すると共に、レンズ系の諸収差を良好に補正し得るようになされている。
以下の表9に、第3数値実施例の諸元値を掲げる。ここで第3数値実施例における諸元表中のfは焦点距離、FNOはFナンバー、2ωは画角を表し、屈折率はd線(波長587.6nm)に対する値である。なお、表9中で曲率半径0とは平面を意味する。
Figure 2011133815
なお、第5面、第11面、第16面、第17面は非球面形状であり、その非球面係数は表10に示す通りである。なお、例えば0.26029E−05とは、0.26029×10−5を意味する。
Figure 2011133815
続いて、レンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系13においてレンズ位置状態が変化する際の可変間隔を以下の表11に示す。
Figure 2011133815
そして、以下の表12に、レンズ鏡筒100に用いられる第3数値実施例の可変焦点距離レンズ系13における条件式対応値を示す。
Figure 2011133815
続いて、図12は第3数値実施例の無限遠合焦状態での諸収差図をそれぞれ示し、図12(A)では広角端状態(f=1.000)、図12(B)では中間焦点距離状態(f=3.005)、図12(C)では望遠端状態(f=9.645)における諸収差図を示す。
この図12において、球面収差図の実線は球面収差を示し、非点収差図中の実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面を示し、歪曲収差図中の実線は歪曲収差を示し、横収差図のAは画角、yは像高をそれぞれ示している。この各収差図から、第3数値実施例の可変焦点距離レンズ系13では諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
<5.撮像装置及びデジタルスチルカメラの構成>
[5−1.撮像装置の構成]
次に、本発明の撮像装置について説明する。図13に示すように撮像装置200は、第1の実施の形態又は第2の実施の形態に対応したレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11(又は12、13)と、当該可変焦点距離レンズ系11によって形成された光学像を電気的信号に変換するための例えばCCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等でなる撮像素子ユニットIMGとを具えている。
因みに、この撮像装置200においては、第1の実施の形態に対応したレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11が搭載された場合を想定して以下説明する。
このレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11(図1、図6)は、物体側から順に、正屈折力を有する第1レンズ群G1、負屈折力を有する第2レンズ群G2、正屈折力を有する第3レンズ群G3、負屈折力を有する第4レンズ群G4、正屈折力を有する第5レンズ群G5を有している。
具体的に撮像装置200における可変焦点距離レンズ系11は、焦点距離が最も短くなる広角端状態から焦点距離が最も長くなる望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔が増大し、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との空気間隔が減少する。
また同時に撮像装置200における可変焦点距離レンズ系11では、第1レンズ群G1が物体側へ単調に移動するものの、第2レンズ群G2が光軸方向へ固定され、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4とが物体側へ移動する構成である。
そして撮像装置200における可変焦点距離レンズ系11では、第1レンズ群G1、第3レンズ群G3、第4レンズ群G4の光軸方向への移動に伴う像面位置の変動を補償するように第5レンズ群G5が別駆動により移動するようになされている。
続いて、撮像装置200における可変焦点距離レンズ系11を構成する各レンズ群の機能について説明する。この撮像装置200における可変焦点距離レンズ系11では、広角端状態において第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とを近接配置している。
その結果、撮像装置200における可変焦点距離レンズ系11では第1レンズ群G1に入射する軸外光束を光軸に近づけられるため、第1レンズ群G1のレンズ径を小径化することができる。
実際上、撮像装置200における可変焦点距離レンズ系11では、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔を広げると、第1レンズ群G1を通過する軸外光束が光軸から離れてしまう。
従って撮像装置200における可変焦点距離レンズ系11では、光軸に対する軸外光束の高さの変化を利用して、レンズ位置状態の変化に伴う軸外収差の変動を良好に補正し得るようになされている。特に撮像装置200における可変焦点距離レンズ系11は、レンズ全長の変化を大きくすることにより、光軸に対する軸外光束の高さの変化を一段と大きくして収差補正効果を高めている。
また撮像装置200における可変焦点距離レンズ系11では、広角端状態において第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔を広げることにより、第2レンズ群G2を通過する軸外光束が光軸から離れ、その結果、軸上収差と軸外収差とをそれぞれ独立して補正し得るようになされている。
そして撮像装置200における可変焦点距離レンズ系11では、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔を狭めることにより、第2レンズ群G2を通過する軸外光束が光軸に近づく。このため撮像装置200における可変焦点距離レンズ系11では、この軸外光束の高さの変化を利用して、レンズ位置状態の変化に伴う軸外収差の変動を良好に補正し得、高性能化を図るようになされている。
さらに撮像装置200における可変焦点距離レンズ系11では、広角端状態において第3レンズ群G3と第4レンズ群G4とを近接配置することにより、第4レンズ群G4を通過する軸外光束を光軸から離し、画角の変化に伴う軸外収差の変動を良好に補正するようになされている。
同時に撮像装置200における可変焦点距離レンズ系11では、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔を広げることにより、第4レンズ群G4を通過する軸外光束が光軸に近づく。その結果、撮像装置200における可変焦点距離レンズ系11は、レンズ位置状態の変化に伴う軸外収差の変動を良好に補正し得るようになされている。
なお撮像装置200における可変焦点距離レンズ系11では、第3レンズ群G3の像面側に負屈折力を有する第4レンズ群G4と正屈折力を有する第5レンズ群G5とを配置しているが、第2レンズ群G2及び第4レンズ群G4という2つの負レンズ群を開口絞りの前後に配置することにより、レンズ系全体での屈折力配置を開口絞り中心とした対称型に近づけ、特に広角端状態で発生し易い負の歪曲収差を良好に補正するようになされている。
ここで第5レンズ群G5は主に各レンズ群の移動に伴う像面位置の変動を補償するように移動する。撮像装置200における可変焦点距離レンズ系11は、広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際に、第4レンズ群G4が物体側へ移動することにより、当該第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との空気間隔が広がる。
その結果、撮像装置200における可変焦点距離レンズ系11は、第5レンズ群G5を通過する軸外光束が光軸から離れるため、この高さの変化を利用して画角の変化に伴う軸外収差の変動を一段と良好に補正し得るようになされている。
ところで、レンズ位置状態が変化する際に、撮像装置200における可変焦点距離レンズ系11を構成している可動レンズ群を光軸方向へ駆動するための駆動機構については、図1乃至図3のレンズ鏡筒100と同じであるため、ここでは便宜上その説明を省略する。
また、このような撮像装置200におけるレンズ鏡筒100に搭載された可変焦点距離レンズ系11については、以下の条件式(1)を満足するように構成されることが望ましい。
(1)0.7<TLw/TLt<0.85
但し、
TLw :広角端状態におけるレンズ全長
TLt :望遠端状態におけるレンズ全長
とする。
条件式(1)は、レンズ位置状態の変化に伴うレンズ全長の変化を規定するものであり、すなわち条件式(1)によって第1レンズ群保持部材103の繰り出せる長さが決まることを意味している。
この条件式(1)の上限値を上回った場合、第1レンズ群保持部材103が光軸方向へ厚くなり、収納時の鏡筒厚が大きくなってしまう。
その結果、撮像装置200におけるレンズ鏡筒100では、レンズ収納時の鏡筒厚が薄くならず、十分な小型化を図ることができなくなってしまう。
この条件式(1)の下限値を下回った場合、第1レンズ群保持部材103が光軸方向へ薄くなる分だけ、カム筒106や固定筒108が光軸方向へ厚くなる。
その結果、撮像装置200におけるレンズ鏡筒100では、条件式(1)の下限値を下回った場合、レンズ収納時の鏡筒厚が薄くならず、十分な小型化を図ることができなくなってしまう。
また撮像装置200のレンズ鏡筒100においては、可変焦点距離レンズ系11が以下の条件式(2)及び条件式(3)を満足するように構成されることが望ましい。
(2)0.2<Δ3/TLt<0.4
(3)0.05<Δ4/TLt<0.2
但し、
Δ3 :広角端状態から望遠端状態までの第3レンズ群の移動量
Δ4 :広角端状態から望遠端状態までの第4レンズ群の移動量
とする。
条件式(2)及び条件式(3)は、レンズ位置状態の変化に伴う第3レンズ群G3及び第4レンズ群G4の移動量をそれぞれ規定するものである。この条件式(2)の下限値を下回った場合、第3レンズ群G3の変倍作用が弱まってしまう。
その結果、撮像装置200におけるレンズ鏡筒100では、所定の変倍比を得るために可変焦点距離レンズ系11における第2レンズ群G2の変倍作用が高まることになり、レンズ位置状態の変化に伴い、第2レンズ群G2で発生する軸上収差の変動を良好に補正することが困難になってしまう。
逆に、条件式(2)の上限値を上回った場合、第3レンズ群保持部材110の移動量が大きくなる。そうすると撮像装置200におけるレンズ鏡筒100では、カム筒106のカム106Dが光軸方向へ長く伸びることになり、他のカム106C、カム106Eとメカ的な干渉が生じてしまうので、それを回避するためにカム筒106が光軸方向へ厚くならざるを得ず、レンズ収納時の沈胴状態におけるレンズ鏡筒100の鏡筒厚が厚くなってしまう。
条件式(3)の下限値を下回った場合、第4レンズ群G4が僅かにしか動かないために、望遠端状態において第4レンズ群G4を通過する軸外光束が光軸から大きく離れてしまう。
その結果、撮像装置200におけるレンズ鏡筒100では、画角の変化に伴って第4レンズ群G4により発生する軸外収差の変動を良好に補正できず、光学性能の更なる向上を図ることができなくなってしまう。
逆に、条件式(3)の上限値を上回った場合、望遠端状態における第4レンズ群G4の横倍率が正に大きくなり、その結果、第1レンズ群G1乃至第3レンズ群G3により形成される像が大きく拡大されるため、製造時に第1レンズ群G1乃至第3レンズ群G3において微小なる偏芯が発生しただけでも、光学性能が著しく低下してしまう。
なお、撮像装置200におけるレンズ鏡筒100においては、より好ましくは条件式(2)と条件式(3)とを満足した上で、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4)Δ4/Δ3<0.9
この条件式(4)の上限値を上回った場合、望遠端状態で第3レンズ群保持部材110のカムフォロワ110Aと、第4レンズ群保持部材117のカムフォロワ117Aとが干渉してしまい、その結果、カム筒106を光軸方向に厚くせざるを得なくなってしまい、鏡筒厚が厚くなってしまう。
更に撮像装置200におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11では、各レンズ群のレンズ径を小型化して、レンズ位置状態の変化に伴う軸外収差の変動を良好に補正するため、開口絞りを第3レンズ群G3近傍に配置することが望ましい。
一般に、レンズ位置状態が変化する際、開口絞りとの距離を変化させるレンズ群が増えるほど、各レンズ群を通過する軸外光束の高さが変化し易い。そして、その高さを利用して、レンズ位置状態の変化に伴う軸外収差の変動を補正するが、軸外光束の高さを積極的に変化させることにより、一段と良好に補正することが可能となる。
特に、撮像装置200におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11では、第3レンズ群G3近傍に開口絞りを配置すると、当該開口絞りの前後にそれぞれ複数の可動レンズ群をバランス良く配置することができるため、コマ収差を一段と良好に補正することが可能となって、高性能化を図り得るようになされている。
また撮像装置200におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11では、第3レンズ群G3がレンズ全系の中央付近に位置するため、開口絞りについてもレンズ全系の中央付近に位置することになり、各レンズ群を通過する軸外光束の高さが極端に離れないようにでき、その結果、レンズ径の小型化を図り得るようになされている。
なお、撮像装置200におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11では、第3レンズ群G3の物体側に開口絞りを配置すると共に、レンズ位置状態が変化する際に、開口絞りと第3レンズ群G3とを一体的に移動させることにより、レンズ径の更なる小型化と鏡筒構造の簡略化を図り得るようになされている。
因みに撮像装置200におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11では、第3レンズ群G3の物体側に開口絞りを配置することにより、特に、広角端状態で第1レンズ群G1を通過する軸外光束の高さを光軸に近づけて小型化を図ることができる。
同時に、撮像装置200におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11は、広角端状態で第1レンズ群G1を通過する軸外光束が光軸に近づくため、画面周辺部で発生するコマ収差を抑えることが可能となり、高性能化を図ることができる。
ところで、無限遠に位置する被写体から近距離に位置した被写体までの近接合焦の際、撮像装置200におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11においては、第5レンズ群G5を光軸方向へ移動させることが望ましい。
これは、第5レンズ群G5は像面位置に近い場所に配置され、軸上光束と軸外光束とが離れた状態で通過するため、軸上光束と軸外光束とを独立して補正することが可能であり、被写体位置の変化に伴う軸外収差の変動を補正するのに適しているからである。
更に撮像装置200におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11では、レンズ径の小型化とレンズ系全長の短縮化とをバランス良く達成するため、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
(5)1.8<f1/(fw・ft)1/2<2.7
但し、
f1 :第1レンズ群の焦点距離
fw :広角端状態におけるレンズ系全体での焦点距離
ft :望遠端状態におけるレンズ系全体での焦点距離
とする。
ここで条件式(5)は、第1レンズ群G1の焦点距離f1を規定するものである。この条件式(5)の上限値を上回った場合、撮像装置200におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11では、第1レンズ群G1による収斂作用が弱まるため、望遠端状態におけるレンズ系全長が大型化してしまう。
逆に、この条件式(5)の下限値を下回った場合、撮像装置200におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11では、第1レンズ群G1による収斂作用が強まり、広角端状態における軸外光束が光軸から離れてレンズ径が大型化してしまう。
ところで、第1レンズ群G1の屈折力が強くなるほど、望遠端状態において第1レンズ群単独で発生する高次の球面収差を良好に補正できなくなってしまう。この場合、開口絞りを可変絞りとして、レンズ位置状態が変化する際に開放径を変化させることも可能であるが、低照度の被写体を撮影する際にノイズが増大する等の問題が発生してしまう。
このため、撮像装置200におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11では、第1レンズ群単独で発生する高次の球面収差を更に良好に補正して、望遠端状態における開放F値を明るくするには、条件式(5)の下限値を「2.0」とすることが望ましい。
なお撮像装置200におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11においては、非球面レンズを用いることにより一段と高い光学性能を実現することができる。特に、撮像装置200におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11おいては、第2レンズ群G2に非球面レンズを用いることにより、広角端状態において発生する画角によるコマ収差の変動を良好に補正することも可能である。
また撮像装置200におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11においては、第3レンズ群G3乃至第5レンズ群G5に非球面レンズを導入することによって、中心性能の更なる高性能化が可能となる。さらに撮像装置200におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11においては、複数の非球面を1つの光学系に用いることにより、一段と高い光学性能が得られるのは言うまでもない。
さらに撮像装置200におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11では、第1レンズ群単独で発生する球面収差を補正して、特に、望遠端状態で良好なる光学性能を実現するために、第1レンズ群G1が像側に凹面を向けた負レンズと物体側に凸面を向けた正レンズとの接合レンズにより構成されることが望ましい。
なお、この接合レンズは、負レンズと正レンズとに分離することも可能であり、これにより撮像装置200におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11では、第1レンズ群G1で発生する色収差や球面収差を良好に補正することもできる。
しかしながら、撮像装置200におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11では、負レンズと正レンズとに分離した場合、製造時に発生する微小なる偏心によっても光学性能が著しく劣化してしまうため、接合レンズの方が望ましい。
加えて撮像装置200におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11では、レンズ系を構成するレンズ群のうち、1つのレンズ群、あるいは、1つのレンズ群を構成する一部のレンズを光軸に対してほぼ垂直な方向へシフトさせることにより、像をシフトさせることが可能である。
そして撮像装置200におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11では、カメラの倒れを検出する検出系、当該検出系からのブレ情報に基づいて移動量を算出する演算系、当該演算系からの移動量情報に従って所定のレンズをシフトさせる駆動系と、当該レンズとを組み合わせるようになされている。
これにより撮像装置200におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11では、シャッターレリーズ時に生じるカメラブレによる像ブレをレンズシフトによって相殺又は緩和させ得るようになされている。
特に撮像装置200におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11では、第3レンズ群G3を光軸にほぼ垂直な方向へシフトさせる際に生じる性能変化を小さくすることができる。
さらに撮像装置200におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11では、第3レンズ群G3の近傍に開口絞りを配置した場合、軸外光束が光軸付近を通過するため、第3レンズ群G3を光軸にほぼ垂直な方向へシフトさせた際に生じる軸外収差の変動を抑えることが可能となる。
因みに、撮像装置200におけるレンズ鏡筒100の可変焦点距離レンズ系11では、レンズ系の像側に所謂モアレ縞の発生を防ぐためにローパスフィルタを配置したり、撮像素子ユニットIMGの受光素子の分光感度特性に応じて赤外カットフィルタを配置することも勿論可能であることは言うまでもない。
[5−2.デジタルスチルカメラの構成]
図13に示したように、上述した撮像装置200を搭載したデジタルスチルカメラ300は、撮像機能を担う撮像装置200と、当該撮像装置200により撮像された画像信号に対してアナログデジタル変換処理等の信号処理を行うカメラ信号処理部20とを有する。
またデジタルスチルカメラ300は、画像信号の記録再生処理等を行う画像処理部30と、撮影された画像等を表示するLCD(Liquid Crystal Display)40と、メモリーカード51への書込/読出を行うリーダライタ50とを有する。
更に加えてデジタルスチルカメラ300は、当該カメラ全体を制御するCPU(Central Processing Unit)60と、ユーザによる操作入力のための入力部70と、撮像装置200内のレンズの駆動を制御するレンズ駆動制御部80とを有するようになされている。
撮像装置200は、可変焦点距離レンズ系11(又は12、13)を含む光学系と、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等でなる撮像素子ユニットIMGとが組み合わされた構成を有している。
カメラ信号処理部20は、撮像素子ユニットIMGからの出力信号に対するデジタル信号への変換処理、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換処理等の信号処理を行うようになされている。
画像処理部30は、所定の画像データフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化・伸張復号化処理や、解像度等のデータ仕様の変換処理等を行うようになされている。
メモリーカード51は、着脱自在な半導体メモリから構成されている。リーダライタ50は、画像処理部30によって符号化された画像データをメモリーカード51に書き込み、またメモリーカード51に記録された画像データを読み出すようになされている。
CPU60は、デジタルスチルカメラ300内の各回路ブロックを統括的に制御するようになされており、入力部70からの指示入力信号等に基づいて各回路ブロックを制御するようになされている。
入力部70は、例えば、シャッタ操作を行うためのシャッタレリーズボタンや、動作モードを選択するための選択スイッチ等により構成され、ユーザによる操作に応じた指示入力信号をCPU60へ出力する。
レンズ駆動制御部80は、CPU60からの制御信号に基づいて、可変焦点距離レンズ系11(又は12、13)内のレンズを駆動する図示しないモータ等を制御するようになされている。
次に、デジタルスチルカメラ300の動作を簡単に説明する。デジタルスチルカメラ300では、撮影の待機状態のとき、CPU60による制御の下で、撮像装置200により撮像された画像信号をカメラ信号処理部20を介してLCD40へ出力し、カメラスルー画像として表示するようになされている。
またデジタルスチルカメラ300は、入力部70からのズーミングのための指示入力信号が入力されると、CPU60がレンズ駆動制御部80に制御信号を出力し、レンズ駆動制御部80の制御に基づいて可変焦点距離レンズ系11(又は12、13)内の所定のレンズを移動する。
そしてデジタルスチルカメラ300は、入力部70からの指示入力信号により撮像装置200の図示しないシャッタが切られると、撮像された画像信号をカメラ信号処理部20から画像処理部30へ出力する。
画像処理部30では、カメラ信号処理部20から供給された画像信号に対して所定の圧縮符号化した後、所定のデータフォーマットのデジタルデータに変換し、これをリーダライタ50を介してメモリーカード51に書込むようになされている。
なおフォーカシングは、例えばシャッタレリーズボタンが半押し、或は記録のために全押しされた場合に、CPU60からの制御信号に基づいてレンズ駆動制御部80が可変焦点距離レンズ系11(又は12、13)を駆動制御することにより行われる。
またメモリーカード51に記録された画像データを再生する場合、CPU60が入力部70に対する操作に応じてリーダライタ50によりメモリーカード51から画像データを読み出し、画像処理部30により伸張復号化処理した後、これをLCD40へ出力する。
LCD40では、画像処理部30により伸張復号化処理された画像データに基づいて再生画像を表示するようになされている。
因みに、この実施の形態では、本発明の撮像装置をデジタルスチルカメラに搭載するようにした場合について説明したが、例えば、デジタルビデオカメラといった他の電子機器等に適用することも可能である。
<6.他の実施の形態>
その他、上述した第1の実施の形態に対応した第1数値実施例及び第2数値実施例、上述した第2の実施の形態に対応した第3数値実施例において示した各部の具体的な形状や構造並びに数値は、本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって、本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
また上述の実施の形態においては、各レンズ群のレンズ径を小型化して、レンズ位置状態の変化に伴う軸外収差の変動を良好に補正するため、開口絞りSを第3レンズ群G3近傍で、当該第3レンズ群G3よりも物体側に配置するようにした場合について述べた。
しかしながら、本発明はこれに限らず、開口絞りSを第3レンズ群G3近傍で、当該第3レンズ群G3よりも像側に配置するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、撮像装置200を例えばデジタルスチルカメラ300に搭載する場合を一例として示したが、撮像装置200を搭載する対象としては、これに限られるものではなく、デジタルビデオカメラ、携帯電話機、カメラが搭載されたパーソナルコンピュータ、カメラが組み込まれたPDA等のその他種々の電子機器に広く適用することができる。
11、12、13、G、G´……可変焦点距離レンズ系、IMG……撮像素子ユニット、30……画像処理部、40……LCD、50……リーダライタ、51……メモリーカード、60……CPU、70……入力部、80……レンズ駆動制御部、100……レンズ鏡筒、103……第1レンズ群保持部材、105……第2レンズ群保持部材、106……カム筒、107……直進ガイド部材、108……固定筒、110……第3レンズ群保持部材、112……第5レンズ群保持部材、117……第4レンズ群保持部材、118……固定地板部材、200……撮像装置、300……デジタルスチルカメラ。

Claims (7)

  1. 3つ以上の可動レンズ群を有する可変焦点距離レンズ系と、当該可変焦点距離レンズ系を光軸方向へ進退する案内手段とを具えたレンズ鏡筒であって、
    上記可変焦点距離レンズ系は、少なくとも、物体側から順に、正屈折力を有する第1レンズ群、負屈折力を有する第2レンズ群、正屈折力を有する第3レンズ群を有し、
    広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際、上記第1レンズ群と上記第2レンズ群との空気間隔が単調に増大し、上記第2レンズ群と上記第3レンズ群との空気間隔が単調に減少するように、少なくとも上記第1レンズ群と上記第3レンズ群とが物体側へ移動し、
    上記案内手段は、
    固定枠と、
    上記固定枠に対して光軸回りに回転することにより当該固定枠に対して光軸方向へ進退する回転枠と、
    上記回転枠の内側に配され当該回転枠が回転する際に回転せず、かつ、上記光軸方向へ一体的に変位する直進案内枠と、
    上記第1レンズ群を上記直進案内枠に対して上記光軸方向へ進退させる第1案内枠と、
    上記第3レンズ群を上記直進案内枠に対して上記光軸方向へ進退させる第2案内枠と
    を具備し、
    上記第2レンズ群が上記直進案内枠に一体的に取り付けられ、上記広角端状態から上記望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際、当該直進案内枠は上記光軸方向へ固定されている
    レンズ鏡筒。
  2. 上記レンズ鏡筒において、
    以下の条件式(1)を満足する
    請求項1に記載のレンズ鏡筒。
    (1)0.7<TLw/TLt<0.85
    但し、
    TLw :広角端状態におけるレンズ全長
    TLt :望遠端状態におけるレンズ全長
    とする。
  3. 上記レンズ鏡筒において、
    以下の条件式(2)及び(3)を満足する
    請求項2に記載のレンズ鏡筒。
    (2)0.2<Δ3/TLt<0.4
    (3)0.05<Δ4/TLt<0.2
    但し、
    Δ3 :広角端状態から望遠端状態までの第3レンズ群の移動量
    Δ4 :広角端状態から望遠端状態までの第4レンズ群の移動量
    とする。
  4. 上記レンズ鏡筒において、
    以下の条件式(4)を満足する
    請求項3に記載のレンズ鏡筒。
    (4)Δ4/Δ3<0.9
  5. 上記レンズ鏡筒において、
    開口絞りが上記第3レンズ群の物体側に配置され、レンズ位置状態が変化する際に、上記開口絞りが上記第3レンズ群と一体的に移動する
    請求項4に記載のレンズ鏡筒。
  6. 上記レンズ鏡筒において、
    以下の条件式(5)を満足する
    請求項5に記載のレンズ鏡筒。
    (5)1.8<f1/(fw・ft)1/2<2.7
    但し、
    f1
    :第1レンズ群の焦点距離
    fw :広角端状態におけるレンズ系全体での焦点距離
    ft :望遠端状態におけるレンズ系全体での焦点距離
    とする。
  7. 3つ以上の可動レンズ群を有する可変焦点距離レンズ系と、当該可変焦点距離レンズ系を光軸方向へ進退する案内手段とを具えたレンズ鏡筒と、当該可変焦点距離レンズ系によって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを具えた撮像装置であって、
    上記可変焦点距離レンズ系は、少なくとも、物体側から順に、正屈折力を有する第1レンズ群、負屈折力を有する第2レンズ群、正屈折力を有する第3レンズ群を有し、
    広角端状態から望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際、上記第1レンズ群と上記第2レンズ群との空気間隔が単調に増大し、上記第2レンズ群と上記第3レンズ群との空気間隔が単調に減少するように、少なくとも上記第1レンズ群と上記第3レンズ群とが物体側へ移動し、
    上記案内手段は、
    固定枠と、
    上記固定枠に対して光軸回りに回転することにより当該固定枠に対して光軸方向へ進退する回転枠と、
    上記回転枠の内側に配され当該回転枠が回転する際に回転せず、かつ、上記光軸方向へ一体的に変位する直進案内枠と、
    上記第1レンズ群を上記直進案内枠に対して上記光軸方向へ進退させる第1案内枠と、
    上記第3レンズ群を上記直進案内枠に対して上記光軸方向へ進退させる第2案内枠と
    を具備し、
    上記第2レンズ群が上記直進案内枠に一体的に取り付けられ、上記広角端状態から上記望遠端状態までレンズ位置状態が変化する際、当該直進案内枠は上記光軸方向へ固定されている
    撮像装置。
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