JP2011127744A - 緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ピストン体が車輪側チューブ内を摺動することで受圧面積を大きくして効果的な減衰作用の発現を可能にすると共に、絶対重量の大幅な軽減化と製品コストの低廉化を可能にする。
【解決手段】 下端が閉塞されるシリンダ体10(あるいはシリンダ状体2)と、このシリンダ体10(2)内に摺動可能に収装されるピストン体4と、このピストン体4に下端が連結されて上端側が上方に延びるロッド体5と、シリンダ体10(2)における下端側内に上記のピストン体4で画成されて作動流体を充満するピストン下室R2とを有してなる緩衝器において、シリンダ体10(2)における上端側内となるロッド体5を挿通させるピストン体4の上方が作動流体部分と、この作動流体部分と作動流体面Oを境にする気室とを有するリザーバRとされ、このリザーバRにおける最膨張時の気室に大気圧以上となる気圧が封入されてなる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、緩衝器に関し、特に、二輪車や三輪車あるいは四輪車などの車両に搭載されて下端部で懸架する車輪からの振動などを吸収する緩衝器の改良に関する。
二輪車や三輪車あるいは四輪車などの車両に搭載されて下端部で懸架する車輪からの振動などを吸収する緩衝器としては、これまでに種々の提案があるが、たとえば、特許文献1には、二輪車や三輪車などの鞍乗り型の車両における前輪側への架装に向く緩衝器たるフロントフォークについての提案が開示されている。
すなわち、このフロントフォークは、図4に示すように、大径のアウターチューブたる車体側チューブ1と小径のインナーチューブたる車輪側チューブ2とが潤滑隙間Sを有しながら出没可能に挿通されてテレスコピック型に形成されながら懸架バネ3で伸長方向に附勢されて伸縮可能とされるフォーク本体を有してなる。
そして、このフロントフォークにあっては、フォーク本体内にダンパを収装せずして車輪側チューブ2をシリンダ体に見立て、この車輪側チューブ2内にピストン体4を摺動可能に収装し、このピストン体4は、車体側チューブ1の軸芯部に垂設されるロッド体5に連結されながら車輪側チューブ2内に上記の懸架バネ3を収装すると共に作動流体たる作動油を充満するピストン下室R2を画成する。
また、このフロントフォークにあっては、車輪側チューブ2の上端側を隔壁体6で閉塞して車輪側チューブ2内にピストン体4の上方となり作動油を充満するピストン上室R1を画成すると共に、隔壁体6の上方に油室部分(符示せず)とこの油室部分と油面Oを境にする気室(符示せず)とを有するリザーバRに設定し、隔壁体6は、軸芯部にロッド体5を貫通させてロッドガイドを兼ねる。
そしてまた、このフロントフォークにあっては、ピストン体4がピストン上室R1のピストン下室R2への連通を許容して作動油の通過時に所定の減衰作用をする伸側減衰手段4aと、ピストン下室R2のピストン上室R1への連通を許容して作動油の通過時に所定の減衰作用をする圧側減衰手段4bとを有する。
それゆえ、この特許文献1に開示のフロントフォークたる緩衝器にあっては、フォーク本体がシリンダ体に見立てられる車輪側チューブ2内にピストン体4を摺動可能に収装するから、図示しないが、径を同じくするフォーク本体がダンパを内蔵し、このダンパがシリンダ体を有すると共にこのシリンダ体内にピストン体を収装する場合に比較して、ピストン体4における受圧面積を大きくし、効果的な減衰作用の発現を可能にする。
ちなみに、上記したフロントフォークにあっては、ピストン上室R1が車輪側チューブ2に開穿の連通孔2aを介して潤滑隙間Sに連通して、この潤滑隙間Sに潤滑油として機能する作動油を流入させると共に、この潤滑隙間Sにおける環状となる断面積をロッド体5の円形となる断面積より大きくする。
そして、このフロントフォークにあっては、上記の隔壁体6がピストン上室R1のリザーバRへの連通を阻止するがリザーバRのピストン上室R1への連通を許容するチェック弁6aと、このチェック弁6aに並列する微小流路6bとを有する。
それゆえ、ピストン体4が車輪側チューブ2内を下降するフォーク本体の収縮作動時には、拡大する潤滑隙間Sに流入するピストン上室R1側からの作動油量が不足するから、この不足分の作動油がリザーバRからチェック弁6aを介してピストン上室R1に補充されて、ピストン上室R1における負圧化が阻止される。
そして、ピストン体4が車輪側チューブ2内を上昇するフォーク本体の伸長作動時には、収縮する潤滑隙間S内からの作動油がピストン上室R1に流入すると共にこのときピストン上室R1において余剰となる量の作動油が微小通路6bを介してリザーバRに流出する。
したがって、このピストン上室R1から作動油が隔壁体6に配設の微小通路6bを介してリザーバRに流出するときの抵抗でピストン上室R1が昇圧傾向に維持されると共に、ピストン下室R2も昇圧傾向に維持される
その結果、このピストン下室R2が負圧化されずして、このピストン下室R2における作動油中に気泡が発生されず、この気泡が発生されるがゆえに、フォーク本体が収縮作動に反転する作動開始時に、この気泡が潰れるまでの間の減衰手段による所定の減衰作用が具現化されない、すなわち、「減衰力のサボり現象」が発現されることを阻止し得て、安定した減衰作用の実現を可能にする。
特許第4055843号公報(特許請求の範囲 請求項1,明細書中の段落0015,同0016,同0018から同0021,同0026,図1参照)
しかしながら、上記した特許文献1に開示のフロントフォークたる緩衝器にあっては、ピストン体が受圧面積を大きくして効果的な減衰作用の発現を可能にする点で基本的に問題がある訳ではないが、その利用場面の想定如何では、些かの不具合があると指摘される可能性がある。
すなわち、上記した緩衝器にあっては、車輪側チューブ2の上端側内にピストン上室R1を画成するためにロッドガイドを兼ねる隔壁体6を有すると共に、車輪側チューブ2の下端側内にピストン体4で画成されるピストン下室R2が作動油を充分に充満させながら懸架バネ3を収装するから、フロントフォークにおける絶対重量の低減化を困難にする。
また、上記の緩衝器にあっては、ピストン上室R1を画成するための隔壁体6を有するのはもちろんのこと、この隔壁体6にチェック弁6aとこのチェック弁6aに並列する微小通路6bとを有するから、部品点数を多くしたり、部品加工に手間を要したりする。
そして、上記の緩衝器にあっては、車体側チューブ1と車輪側チューブ2との間の潤滑隙間Sにおける断面積とロッド体5における断面積の大小の調整を要するから、部品形成に多くの手間を要する。
それゆえ、特に、鞍乗り型の車両の内、車体荷重が自動二輪車や三輪車などの車両に比較して小さくなる自転車にあっては、前輪側に架装されるものとして上記した特許文献1に開示の緩衝器を利用するとしても、緩衝器自体の重量が大き過ぎ、また、製品コスト的にも高価となり、利用可能性が低下される虞がある。
この発明は、上記した事情を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、ピストン体が車輪側チューブ内を摺動することで受圧面積を大きくして効果的な減衰作用の発現を可能にすると共に、絶対重量の大幅な軽減化と製品コストの低廉化を可能にして、その汎用性の向上を期待するのに最適となる緩衝器を提供することである。
上記した目的を達成するために、この発明による緩衝器は、先ず概念的には、下端が閉塞されるシリンダ体あるいはシリンダ状体の下端側内にピストン体で画成されて作動流体を充満するピストン下室を有するが、ピストン体を挟んで反対側となるピストン上方に作動流体を充満するピストン上室を画成しない、すなわち、「上室レス」とする。
そして、この発明による緩衝器の構成を、基本的には、下端が閉塞されるシリンダ体あるいはシリンダ状体と、このシリンダ体あるいはシリンダ状体内に摺動可能に収装されるピストン体と、このピストン体に下端が連結されて上端側が上方に延びるロッド体と、上記のシリンダ体あるいはシリンダ状体における下端側内に上記のピストン体で画成されて作動流体を充満するピストン下室とを有してなる緩衝器において、上記のシリンダ体あるいはシリンダ状体における上端側内となるロッド体を挿通させるピストン体の上方が作動流体部分と、この作動流体部分と作動流体面を境にする気室とを有するリザーバとされ、このリザーバにおける最膨張時の気室に大気圧以上となる気圧が封入されてなるとする。
それゆえ、この発明による緩衝器にあっては、ピストン体を摺動可能に収装させるシリンダ体あるいはシリンダ状体が言わば緩衝器における本体を形成する場合には、ピストン体における受圧面積を大きくすることが可能になり、効果的な減衰作用の発現を可能にする。
そして、この発明による緩衝器にあっては、シリンダ体あるいはシリンダ状体における上端側内となるピストン体の上方、すなわち、ピストン上方が作動流体部分と、この作動流体部分と流体面を境にする気室とを有するリザーバとされて、シリンダ体あるいはシリンダ状体の上端側内にロッドガイドなどの隔壁体で作動流体を充満させるピストン上室を画成しない「上室レス」とするから、ピストン上室を画成するための隔壁体を有せず、したがって、隔壁体を不要にする分、全体重量の削減が可能になる。
また、この発明による緩衝器にあっては、ピストン上方のリザーバにおける気室にこの緩衝器の最伸長時に大気圧以上となる気圧を封入するから、この封入される気圧によるエアバネ力によって緩衝器が伸長方向に附勢され、その分、懸架バネを不要にし、緩衝器における軽量化に寄与する。
ちなみに、この発明による緩衝器にあって、ピストン上室およびピストン下室は、単なる呼称であって、この呼称に拘泥される必要はなく、ピストン上室をピストン上方室あるいは単に上方室さらにはロッド側室と呼称されても良く、ピストン下室もピストン下方室あるいは単に下方室さらにはピストン側室と呼称されても良い。
そして、この発明に言う「上室レス」は、シリンダ体あるいはシリンダ状体の上端側内にロッドガイドなどの隔壁体で作動流体を充満させるピストン上室を画成しない、の意味である。
なお、この発明による緩衝器にあって、ピストン下室における容積を削減する容積削減手段を有する場合には、ピストン下室に収容される作動流体の量を大幅に削減し得て、緩衝器における一層の軽量化に寄与する。
この発明による緩衝器を原理的に示す概略図で、(A),(B)は、単筒型とされる緩衝器を示し、(C)は、フロントフォークとされる緩衝器を示す。 この発明の一実施形態による緩衝器たる最伸長状態にあるフロントフォークを一部破断して示す半截縦断面正面図である。 図2のフロントフォークの最収縮状態を部分的に示す拡大半截縦断面図である。 先行技術文献となるフロントフォークを原理的に示す概略図である。
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明による緩衝器は、図1に示すように、すなわち、図1(A)および図1(B)に示すように、単筒型の緩衝器として具現化され、また、図1(C)に示すように、フロントフォークに具現化される。
順次説明すると、図1(A)に示すところでは、緩衝器は、下端が閉塞されるシリンダ体10と、このシリンダ体10内に摺動可能に収装されるピストン体4と、このピストン体4に下端が連結されて上端側が上方に延びるロッド体5と、上記のシリンダ体10における下端側内に上記のピストン体4で画成されて作動流体たる作動油を充満するピストン下室R2とを有してなる。
なお、シリンダ体10は、下端が閉塞されるとするが、その意図するところは、緩衝器の所定の収縮作動時および伸長作動時にピストン体4を介してのみピストン下室R2に対する作動油の給排が実現されるの意味である。
したがって、その意味では、シリンダ体10の下端が絶対的に閉塞されていなければならない訳ではなく、図示しないが、たとえば、シリンダ体10のボトム端部に流量制御バルブ類が設けられていて、この流量制御バルブ類の機能するところで、ピストン下室R2からの作動油の外部への流出が阻止されるものでも良い。
また、作動流体については、基本的には、限定されないのはもちろんで、たとえば、汎用されている油系の他に水系の作動流体があるが、シリンダ体10内に収容される作動流体と、後述する潤滑隙間Sに収容される作動流体とが別とされても良い。
シリンダ体10は、車両に搭載される緩衝器を構成するとき、下端側部材とされて、いわゆる車輪側に連結されるもので、たとえば、この緩衝器が自動二輪車におけるリアクッションユニットとされるとき、後輪を懸架するスイングアームに連結され、また、この緩衝器が四輪車両におけるショックアブソーバとされるとき、ナックルアームなどを介して車軸側に連結される。
そして、ロッド体5は、車両に搭載される緩衝器を構成するとき、上端側部材とされていわゆる車体側に連結されるもので、たとえば、この緩衝器が自動二輪車におけるリアクッションユニットとされるとき、車体側たるサドル側に連結され、また、この緩衝器が四輪車両におけるショックアブソーバとされるとき、車体たるボディ側に連結される。
ピストン体4は、この発明にあって、シリンダ体10内に収装されて、このピストン体4の下方に、すなわち、シリンダ体10の下端側内にピストン下室R2を画成し、このピストン下室R2には作動油が充満される。
それに対して、この発明にあっては、シリンダ体10内にピストン体4が収装されるとき、このピストン体4の上方には、いわゆる、ピストン上室、すなわち、図示しないが、シリンダ体10の上端側内にロッドガイドなどの隔壁体で作動流体が充満されるピストン上室を画成しない、つまり、「上室レス」とされる。
そして、このピストン体4は、ピストン下室R2からの作動油のピストン体4の上方、すなわち、ピストン上方への通過を許容して所定の減衰作用をする圧側減衰手段4bを有すると共に、ピストン上方からの作動油のピストン下室R2への通過を許容して所定の減衰作用をする伸側減衰手段4aを有する。
また、この発明にあって、ピストン上方は、上記のシリンダ体10における上端側内となるロッド体5を挿通させる作動油部分と、この作動油部分と油面Oを境にする気室とを有するリザーバRとされ、このリザーバRには、このリザーバRの最膨張時における気室に大気圧以上となる気圧が封入される。
ちなみに、リザーバRについては、図1(B)に示すように、リザーバタンクTとされても良く、この場合には、気室がリザーバタンクT内で油面Oを境にして画成されるので、シリンダ10内にあって、ピストン上方は、従前の緩衝器におけるピストン上室のように、ロッドガイドなどの隔壁体で画成されて作動油を充満させる態様になるが、あくまで「上室レス」であることに変わりはない。
以上のように形成された緩衝器にあっては、シリンダ体10内をピストン体4が下降する収縮作動時には、ピストン体4の下降で狭くなるピストン下室R2の作動油が圧側減衰手段4bを介してピストン上方に流出し、その際に圧側減衰手段4bが所定の減衰作用を具現化する。
そして、シリンダ体10内をピストン体4が上昇する伸長作動時には、ピストン上方が言わば狭くなり、ピストン下室R2が膨張するが、ピストン上方は、言わば閉鎖されているピストン下室R2と比較すれば開放されているのと同じになる。
その結果、膨張することで負圧傾向になるピストン下室R2は、伸側減衰手段4aを介してピストン上方からの作動油を吸い込むようになり、このとき、伸側減衰手段4aによる所定の伸側減衰作用が具現化される。
そして、この発明にあっては、リザーバRにおける気室に大気圧以上となる気圧を封入するから上記の伸長作動時にピストン上方が加圧状態になり、したがって、ピストン下室R2にピストン上方からの作動油が流入するようになり、伸側減衰手段4aによる所定の減衰作用の確実な具現化が可能になる。
ちなみに、伸側減衰手段4aは、圧側減衰手段4bと同様に、たとえば、環状リーフバルブを有してなる他、絞りや微小通路からなるとしても良い。
図1(C)は、この発明の緩衝器がフロントフォークとされる場合を示し、このフロントフォークは、大径のアウターチューブたる車体側チューブ1の下端側内に下端が閉塞されたシリンダ状体たる小径のインナーチューブからなる車輪側チューブ2の上端側が出没可能に挿通されてテレスコピック型に形成されながら伸縮可能とされるフォーク本体を有してなる。
そして、このフロントフォークにあっては、フォーク本体がダンパを内装せずして伸側減衰手段4aおよび圧側減衰手段4bを有するピストン体4を車輪側チューブ2内に摺動可能に収装し、車輪側チューブ2の下端側内にピストン下室R2を画成する。
また、このフロントフォークにあっては、ピストン体4の下方にピストン下室R2を画成する一方で、ピストン体4の上方にいわゆるピストン上室を画成せずして、ピストン体4の上方をリザーバRにして「上室レス」にする。
さらに、リザーバRは、車輪側チューブ2の上端側内となりロッド体5を挿通させる作動油部分と、この作動油部分と油面Oを境にする気室とを有し、フォーク本体が最伸長状態となる最膨張時の気室に大気圧以上となる気圧が封入される。
それゆえ、このフロントフォークにあっては、最伸長時にリザーバRにおける気室に大気圧以上となる気圧を封入するから、このエア圧に基づくエア反力でフォーク本体が伸長方向に附勢され、したがって、前記した特許文献1に開示のフロントフォークが懸架バネ3(図4参照)を有するのに対して、懸架バネを有しない。
そして、このフロントフォークにあっては、車輪側チューブ2内をピストン体4が下降する収縮作動時には、ピストン体4の下降で狭くなるピストン下室R2の作動油が圧側減衰手段4bを介してピストン上方に流出し、その際に圧側減衰手段4bが所定の減衰作用を具現化する。
また、車輪側チューブ2内をピストン体4が上昇する伸長作動時には、ピストン上方が言わば狭くなると共にピストン下室R2が膨張するが、ピストン上方は、言わば閉鎖されているピストン下室R2と比較すれば開放されているのと同じになる。
したがって、膨張することで負圧傾向になるピストン下室R2は、伸側減衰手段4aを介してピストン上方からの作動油を吸い込むようになり、このとき、伸側減衰手段4aによる所定の伸側減衰作用が具現化される。
そしてまた、このフロントフォークにあっては、リザーバRにおける気室に大気圧以上となる気圧を封入するから、上記の伸長作動時にピストン上方がより一層の加圧状態になり、したがって、ピストン下室R2にピストン上方からの作動油が流入するようになり、伸側減衰手段4aによる所定の減衰作用の確実な具現化が可能になる。
さらに、このフロントフォークにあっては、ピストン上方をロッドガイドなどの隔壁体で閉塞してピストン上室に設定しない「上室レス」とされるから、隔壁体の配設を不要にすると共に、隔壁体を不要にすることによる部品点数の削減を可能にし、また、部品加工における手間の削減、さらには、全体重量の軽減を可能にする。
図2は、この発明を具体化したフロントフォークを示し、以下には、このフロントフォークについて説明するが、このフロントフォークは、二輪車や三輪車などの鞍乗り型の車両における前輪側に架装されて、下端部で前輪を懸架し、この前輪からの路面振動などを吸収する。
そして、このフロントフォークにあっても、前記した「上室レス」を踏襲するのはもちろんのこと、最伸長状態時に大気圧以上となる気圧を封入して懸架バネの配設を省略し、また、内部に収容される作動油の油量を削減し、さらには、最伸長時に大気圧以上となる気圧を封入することに伴う言うなれば弊害除去を可能にしている。
先ず、図示するフロントフォークは、前記した図1(C)における場合と同様に、基本的には、下端が閉塞されるシリンダ状体たる車輪側チューブ2と、この車輪側チューブ2内に摺動可能に収装されるピストン体4と、このピストン体4に下端が連結されて上端側が上方に延びるロッド体5と、車輪側チューブ2における下端側内にピストン体4で画成されて作動油を充満するピストン下室R2とを有してなる。
ちなみに、車輪側チューブ2の下端が基本的には閉塞されるとするのは、この発明に言う「上室レス」を具現化する上では、車輪側チューブ2の下端が閉塞されていることが好ましいからである。
つまり、図示するフロントフォークにあっては、車輪側チューブ2の下端側内となるピストン下室R2に容積削減手段7を有し、この容積削減手段7を構成するほぼ試験管形状に形成のケース体71が図示しない開口を下向きにして車輪側チューブ2の軸芯部に立設される。
そして、このとき、ケース体71の図示しない下端部となる開口端部が車輪側チューブ2側にいわゆる液密状態に連結されるが、仮にこの連結部分の液密状態が故障するなどして、ピストン下室R2の作動油がケース体71内に流入するような状況になるときに、この故障による油漏れ現象をいち早く確認できるように、同じく図示しないが、車輪側チューブ2のボトム内底が外部に向けて開口されて、ケース体71内を大気に連通させている。
その意味で、図示する実施形態では、正確には、車輪側チューブ2の下端が閉塞しているとは言いえないので、基本的にはと表現したものである。
ところで、このフロントフォークにあっては、車輪側チューブ2の下端側内にピストン体4で画成されるピストン下室R2における容積削減手段7がほぼ試験管形状に形成されて内側を大気に通じさせるケース体71を有するから、このケース体71を有する分、ピストン下室R2に収容される作動油量の削減を可能にし、フロントフォークにおける全体重量の削減を可能にする。
一方、車輪側チューブ2は、小径のインナーチューブからなり、上端側が大径のアウターチューブからなる車体側チューブ1の下端側に上下に離間配置される軸受2b,1aを介して出没可能に挿通されてテレスコピック型のフォーク本体を形成し、このフォーク本体が伸縮可能とされる。
そして、このフォーク本体にあっては、車輪側チューブ2内にピストン体4を摺動可能に収装し、このピストン体4によって車輪側チューブ2の下端側内にこのピストン体4の下方となるピストン下室R2を画成し、このピストン下室R2に作動油を充満させる。
それゆえ、このフォーク本体にあっては、ダンパを内装せずして、このフォーク本体を構成する車輪側チューブ2内にピストン体4を収装するから、ピストン体4における受圧面積を大きくして効果的な減衰作用の発現を可能にし得る。
また、このフォーク本体にあっては、車体側チューブ1の軸芯部に垂設のロッド体5の図中で下端部となる先端部にピストン体4を連結し、このピストン体4は、フォーク本体内に上記のピストン下室R2を画成する一方で、このピストン下室R2とピストン体4を挟んで反対側となるピストン体4の上方をロッドガイドなどの隔壁部材で画成されないリザーバRにして、「上室レス」とする。
このとき、リザーバRは、車輪側チューブ2の上端側内となりロッド体5を挿通させる作動油部分と、この作動油部分と油面Oを境にする気室とを有し、フォーク本体が最伸長状態となる最膨張時の気室に大気圧以上、たとえば、0.3MPaとなる気圧が封入される。
そして、このフォーク本体にあっては、ピストン体4がピストン下室R2とピストン上方との連通を許容しながら作動油の通過時に所定の減衰作用をする伸側減衰手段4a(図1(C)参照)たる伸側減衰バルブ41と圧側減衰手段4b(図1(C)参照)たる圧側減衰バルブ42とを有してなる。
それゆえ、このフロントフォークにあっては、車輪側チューブ2内をピストン体4が下降する収縮作動時には、ピストン体4の下降で狭くなるピストン下室R2の作動油が圧側減衰手段4bを介してピストン上方に流出し、その際に圧側減衰手段4bが所定の減衰作用を具現化する。
また、車輪側チューブ2内をピストン体4が上昇する伸長作動時には、ピストン上方が言わば狭くなると共にピストン下室R2が膨張するが、ピストン上方は、言わば閉鎖されているピストン下室R2と比較すれば開放されているのと同じになる。
したがって、膨張することで負圧傾向になるピストン下室R2は、伸側減衰手段4aを介してピストン上方からの作動油を吸い込むようになり、このとき、伸側減衰手段4aによる所定の伸側減衰作用が具現化される。
そしてまた、このフロントフォークにあっては、リザーバRにおける気室に大気圧以上となる気圧を封入するから上記の伸長作動時にピストン上方がより一層加圧状態になり、したがって、ピストン下室R2が大気圧以下にならずして、ピストン上方からの作動油を吸い込むようになり、伸側減衰手段4aによる所定の減衰作用の確実な具現化が可能になる。
さらに、このフロントフォークにあっては、ピストン上方をロッドガイドなどの隔壁体で閉塞してピストン上室に設定しない「上室レス」にするから、隔壁体の配設を不要にすると共に、隔壁体を不要にすることによる部品点数の削減を可能にし、また、部品加工における手間の削減、さらには、全体重量の軽減を可能にする。
一方、このフォーク本体にあっては、車体側チューブ1と車輪側チューブ2との間に上記の上下に離間配置される軸受2b,1aで画成される潤滑隙間Sを有し、この潤滑隙間Sに潤滑流体を収容させて、車体側チューブ1と車輪側チューブ2との間における摺動性を保障する。
ちなみに、図示する実施形態にあっては、車輪側チューブ2が上記の潤滑隙間Sに対する潤滑流体不足を解消する補給手段8を有し、この補給手段8は、車輪側チューブ2の上端部の内側に一体的に設けられたハウジング81を有し、このハウジング81内たる閉鎖空間を車輪側チューブ2の上端部に開穿の連通孔2aを介して潤滑隙間Sに連通させながら所定量の潤滑流体を収容する。
それゆえ、この補給手段8にあっては、後述するピストン体4の上方に位置決められる油面O位置が高低如何様にあるかに関係なく、潤滑隙間Sにおける潤滑、つまり離間配置される上下の軸受2b,1aにおける潤滑を保障する。
また、前記した特許文献1にあっては、潤滑隙間Sにおける断面積がロッド体5の断面積と一定の関係を有するように設定されるが、この発明にあっては、フォーク本体内と独立して潤滑隙間Sに連通する補給手段8を有するから、潤滑隙間Sが車輪側チューブ2内の圧力条件に関与せず、また、ロッド体5の断面積に関与しないから、潤滑隙間Sの断面積を自由に設定できる点で有利になる。
さらに、このフォーク本体にあっては、車体側チューブ1の下向きとなる開口端部1bの内側に、内方配置となって内周を車輪側チューブ2の外周に摺接させるオイルシール11と、外方配置となって内周を同じく車輪側チューブ2の外周に摺接させるダストシール12とを直列に有してなる。
そして、オイルシール11は、上記した潤滑隙間Sからの潤滑流体の漏れを阻止すると共に車輪側チューブ2と車体側チューブ1との間における液密状態を維持してフォーク本体内に封入のエア圧が抜けるの阻止する。
また、ダストシール12は、内周を車輪側チューブ2の外周に摺接させて、車輪側チューブ2の外周に付着する泥砂などのダストを掻き落として、このダストが内部に侵入することでオイルシール11が傷み、シール性が低下されるのをあらかじめ阻止する。
そしてまた、車体側チューブ1の上端開口は、キャップ部材13で閉塞され、このキャップ部材13は、軸芯部にアジャスタ14およびエアバルブ15を有し、アジャスタ14の回動操作で、たとえば、ピストン体4に配設の伸側減衰手段4aで具現される減衰作用を高低可変にし、また、エアバルブ15によってフォーク本体内に封入されるエア圧の高低変更を可能にする。
なお、フロントフォークを二輪車の前輪側に架装するについては、図示しないが、左右となる二本のフォーク本体の上端側部をあらかじめブリッジ機構で一体化し、二本のフォーク本体における各車輪側チューブ2の下端部を前輪の車軸(図示せず)に連結させて前輪を挟むようにして懸架する。
そして、ブリッジ機構は、図示しないが、フォーク本体を構成する車体側チューブ1における上端部の上方側部に連結されるアッパーブラケットと、下方側部に連結されるアンダーブラケットとを有し、それぞれが両端部に形成の取り付け孔に車体側チューブ1における上端部を挿通させて一体的に把持する。
また、このブリッジ機構は、同じく図示しないが、アッパーブラケットとアンダーブラケットとを一体的に連結する一本のステアリングシャフトを両者の中央に有し、このステアリングシャフトが二輪車における車体の先端部を構成するヘッドパイプ内に回動可能に導通され、これによって、鞍乗り型の車両におけるハンドル操作による二本のフロントフォークを介しての前輪における左右方向への転舵が可能になる。
ところで、この発明によるフロントフォークは、前記した特許文献1に開示のフロントフォークと異なり、フォーク本体内に懸架バネ3(図4参照)を有せず、代わりに、フォーク本体内に大気圧以上となる気圧を封入し、この封入された気圧、すなわち、エア圧によって伸長方向に附勢される。
つまり、この発明によるフロントフォークにあっては、フォーク本体が最伸長状態にあるときに、大気圧以上となる気圧をフォーク本体内に封入してなる。
それゆえ、このフロントフォークにあっては、フォーク本体がやや収縮するいわゆる使用状態時にフォーク本体内における気圧が大気圧以上となり、このフォーク本体を確実に伸長方向に附勢する。
それゆえ、この発明のフロントフォークにあっては、フォーク本体内に懸架バネを配設させなくて済み、したがって、フォーク本体が懸架バネを有しない分、フロントフォークにおける重量を削減させる。
以上のように、この発明のフロントフォークにあっては、フォーク本体が封入されるエア圧によって伸長方向に附勢されるとし、しかも、この封入されるエア圧は、フォーク本体が最伸長状態にあるときに大気圧以上とされる。
それゆえ、このフロントフォークにあっては、最伸長時でさえ、収縮作動に対して抵抗する反力を有することになり、この収縮作動開始時の反力発生がこのフロントフォークを架装する鞍乗り型車両における乗り心地を言わば悪くする。
そこで、この発明にあっては、大気圧以上となる気圧を封入することによる反力を抑制する抑制手段9を有してなるとし、この抑制手段9は、コイルスプリングからなるバランスバネ91を有してなる。
少し説明すると、先ず、図示する実施形態のフロントフォークにあっては、最伸長状態にあるフォーク本体が封入される気圧に起因する反力を具有するから、最伸長状態から収縮作動を開始するときには、この封入された気圧に起因する反力を有しない場合に比較して、たとえば、二輪車におけるライダーにフロントフォークが硬いと言う印象を与える危惧があるが、この最伸長状態に封入された気圧に起因する反力を抑制することで、二輪車におけるライダーにフロントフォークが硬いと言う印象を与えることを回避できる。
そして、上記の所定のストローク領域は、最伸長状態から開始される収縮ストロークの領域で、好ましくは、最伸長状態から最収縮状態になるまでの全ストロークのほぼ1/3のストローク領域であるが、これは絶対的なものでなく、多少の差があっても、この発明における抑制手段9の意図するところが異なるものではない。
そしてまた、この抑制手段9は、図示するところでは、コイルスプリングからなるバランスバネ91であり、このバランスバネ91は、ロッド体4を車輪側チューブ2内に没入させるようにフォーク本体を収縮方向に附勢する。
このフォーク本体を収縮方向に附勢する意味からすると、このバランスバネ91は、図示しないが、従前からダンパにおける最伸長作動時の衝撃を吸収するものとして周知されている伸び切りバネと同様のバネ、すなわち、次なる伸び切りバネとされる余地がある。
しかし、このバランスバネ91は、最伸長状態にあるフォーク本体の言わば初期反力を相殺する観点からすると、ダンパにおける最伸長作動時における作用力を吸収する従前の伸び切りバネとは、異なった働きをするものである。
そして、このバランスバネ91は、基本的には、フォーク本体を収縮方向に附勢するもので、フォーク本体が伸長作動して最伸長状態になる手前から始まる上記のストローク領域にあって、このバランスバネ91が伸長して伸長しようとするフォーク本体の動きを抑制する傾向になり、特に、最伸長状態にあるフォーク本体における反力を言わば零にして、二輪車におけるライダーに最伸長状態から収縮作動を開始するフロントフォークが硬いと言う印象を与えることを回避する。
ところで、このバランスバネ91は、図示するところでは、前記した補給手段8を構成するハウジング81の下端と、ロッド体4におけるピストン体近傍部の外周に介装されたバネ受92との間で収縮されるときに反力を具有する。
そして、このバランスバネ91は、下端がバネ受92に直接接触しないようにバネシート93が介在され、同じく上端がハウジング81に直接接触しないようにハウジング81に嵌装されたバネシート94が介在される。
そしてまた、このバネシート94は、バランスバネ91の上端部を保持し、収縮されないで伸長状態にあるバランスバネ91(図3参照)が、ハウジング81と下方のバネ受92との間で上下動する、すなわち、遊ぶことを阻止して、ハウジング81に吊持させる。
なお、いわゆるダンパにあっては、伸び切り作動時の衝撃を吸収することで、関連部品の保護を図れるから、伸び切りバネを配設するのが常套手段であるが、図示するフロントフォークにあっては、いわゆるダンパを有しないこともあって、伸び切りバネに代えて、ロッド体5に固定的に保持されたストッパ部材20に担持されるゴムなどからなるクッション部材21を有し、このクッション部材21がフォーク本体の最伸長作動時に前記したハウジング81の内周に突出形成されるフランジ部81aに当接して(図2参照)、フォーク本体における伸び切り作動時の衝撃を緩和する。
なお、図示するところでは、上記の下方のバネ受92がほぼ漏斗状に形成されて、下方筒部(符示せず)をロッド体5の下端近傍部に介装させながら上方拡開部(符示せず)を前記したバランスバネ91の下端に当接させるが、このとき、このバネ受92にあって、上方拡開部が外方にいわゆる張り出すようになるため、その上下間における作動油の容易なる通過を許容する開口92aを有する。
一方、図示するフロントフォークが最収縮する際には、図3に示すように、前記した補給手段8を構成するハウジング81の上端が車体側チューブ12の上端部に螺着されるキャップ部材13の下端側に当接されて、このハウジング81を上端部の内側に螺着させる車輪側チューブ2におけるそれ以上の上昇、すなわち、フォーク本体におけるそれ以上の収縮を阻止する。
そして、このときには、図3に示すように、ロッド体5の上端部近傍の外周に保持される、すなわち、ロッド体5の図示しない上端部の車体側チューブ1への螺着状態を固定的に維持するロックナット51の下端に隣接されるように保持されるストッパ部材22が上記したハウジング81の上昇で潰されて、フォーク本体における最収縮作動時の衝撃が吸収される。
ちなみに、上記のハウジング81は、ほぼ筒状に形成されて、上端側部の外周部が車輪側チューブ2の上端部の内周側部に螺着されて一体化されており、上端部たる厚肉筒部81bの外周部に上方となるエアシール82と下方となるオイルシール83とを介装させ、フォーク本体内のリザーバRを構成する気室におけるエア圧が潤滑隙間Sに流入することをエアシール82が阻止し、また、潤滑隙間Sの潤滑流体がフォーク本体内のリザーバRを構成する油室部分に流出することをオイルシール83が阻止する。
なお、上記のエアシール82とオイルシール83は、たとえば、Uパッキンからなり、いわゆる二個配置とされるが、これに代えて、図示しないが、Xパッキンからなり、いわゆる一個配置とされてもよく、また、いわゆる一個配置にする場合に、オイルシール83についてはこれを省略して、エアシール82のみを配設するとしても良い。
そして、ハウジング81にあって、上記の厚肉筒部81bの内周に前記したフランジ部81aが形成され、この厚肉筒部81bの下方部の外周部が筒状の空部を形成するように陥没されて、この陥没部分を潤滑隙間Sに連通させる。
以上のように形成されたこの発明によるフロントフォークにあっては、ダンパを内装せずして、車輪側チューブ2内にピストン体4を摺動可能に収装し、このピストン体4によって車輪側チューブ2の下端側内にピストン下室R2を画成し、このピストン下室R2に作動油を充満させるピストン体4における受圧面積を大きくして効果的な減衰作用の発現を可能にし得る。
そして、このフロントフォークにあっては、ピストン下室R2に容積削減手段7を有するから、この容積削減手段7を有する分、すなわち、ケース体71を配設する分、ピストン下室R2に収容される作動油量の削減を可能にし、フロントフォークにおける全体重量の削減を可能にする。
また、このフロントフォークにあっては、車輪側チューブ2の下端側部内にピストン体4によって画成されるピストン下室R2とピストン体4を挟んで反対側となるピストン上方をロッドガイドなどの隔壁部材で画成されないリザーバRにして「上室レス」ので、隔壁体の配設を不要にすると共に、隔壁体を不要にすることによる部品点数の削減を可能にし、また、部品加工における手間の削減、さらには、全体重量の軽減を可能にする。
そしてまた、このフロントフォークにあっては、車輪側チューブ2内をピストン体4が下降する収縮作動時には、ピストン下室R2からの作動油が圧側減衰手段4bたる圧側減衰バルブ42を介してピストン上方に流出し、所定の圧側減衰作用を具現化する。
その一方で、このフロントフォークにあっては、「上室レス」を具現化するピストン上方のリザーバRにおける気室に大気圧以上と気圧を封入するから、ピストン体4を車輪側チューブ2内でピストン上方に向けて附勢する懸架バネの配設を要せずしてピストン上方が加圧状態になる。
したがって、このフロントフォークにあっては、車輪側チューブ2内をピストン体4が上昇する伸長作動時にピストン下室R2が大気圧以下にならずして、ピストン上方からの作動油を吸い込むようになり、伸側減衰手段4aによる所定の減衰作用の確実な具現化が可能になる。
さらに、このフロントフォークにあっては、車体側チューブ1と車輪側チューブ2との間に上下に離間配置される軸受2b,1aで画成される潤滑隙間Sに補給手段8によって潤滑流体が供給されるから、この補給手段8を有しない場合に比較して、ピストン体上方のリザーバRにおける油面O位置が高低如何様にあるかに関係なく、潤滑隙間Sにおける潤滑を保障する。
そして、このフロントフォークにあっては、潤滑隙間Sがフォーク本体内と独立する補給手段8に連通するから、潤滑隙間Sが車輪側チューブ2内の圧力条件に関与せず、また、ロッド体5の断面積に関与しないから、前記した特許文献1に開示のフロントフォークに比較して、潤滑隙間Sの断面積を自由に設定できる点で有利になる。
そしてさらに、このフロントフォークにあっては、抑制手段9を有するから、フォーク本体が最伸長状態にあるときに大気圧以上となる気圧が封入され、したがって、最伸長状態から収縮作動を開始するときに、収縮作動に対抗する反力が発生される不具合を事前に解消し得て、このフロントフォークを架装する鞍乗り型車両における乗り心地を悪化させない利点がある。
以上のように、この発明よるフロントフォークにあっては、ピストン体4における受圧面積を大きくして効果的な減衰作用の発現を可能にする一方で、部品点数の削減と収容する作動油量の削減を可能にし、さらには、懸架バネの配設を省略させるから、全体重量の削減と製造コストの低廉化を可能にして、たとえば、特に、鞍乗り型の車両の内、車体荷重が自動二輪車や三輪車などの車両に比較して小さくなる自転車にあっては、前輪側への架装に向くことになり、その利用可能性が向上されることを期待できる。
前記した図2に示すところでは、この発明の緩衝器が二輪車や三輪車などの鞍乗り型の車両における前輪側に架装されるフロントフォークとの利用に向くとして説明したが、この発明が意図するところからすると、この発明の緩衝器が同じ鞍乗り型の車両におけるリアクッションユニット、すなわち、後輪側の懸架装置に具現化されるとしても良いことはもちろんである。
ピストン体が車輪側チューブ内を摺動することで受圧面積を大きくして効果的な減衰作用の発現を可能にすると共に、絶対重量の大幅な軽減化と製品コストの低廉化を可能にするのに向く。
1 車体側チューブ
1a,2b 軸受
1b 開口端部
2 車輪側チューブ
2a 連通孔
4 ピストン体
4a 伸側減衰手段
4b 圧側減衰手段
5 ロッド体
7 容積削減手段
8 補給手段
9 抑制手段
10 シリンダ体
11 オイルシール
12 ダストシール
13 キャップ部材
14 アジャスタ
15 エアバルブ
20 ストッパ部材
21,22 クッション部材
41 伸側減衰バルブ
42 圧側減衰バルブ
51 ロックナット
71 ケース体
81 ハウジング
81a フランジ部
81b 厚肉筒部
82 エアシール
83 オイルシール
91 バランスバネ
92 バネ受
92a 開口
93,94 バネシート
O 油面
R リザーバ
R2 ピストン下室
S 潤滑隙間
T リザーバタンク

Claims (5)

  1. 下端が閉塞されるシリンダ体あるいはシリンダ状体と、このシリンダ体あるいはシリンダ状体内に摺動可能に収装されるピストン体と、このピストン体に下端が連結されて上端側が上方に延びるロッド体と、上記のシリンダ体あるいはシリンダ状体における下端側内に上記のピストン体で画成されて作動流体を充満するピストン下室とを有してなる緩衝器において、上記のシリンダ体あるいはシリンダ状体における上端側内となるロッド体を挿通させるピストン体の上方が作動流体部分と、この作動流体部分と作動流体面を境にする気室とを有するリザーバとされ、このリザーバにおける最膨張時の気室に大気圧以上となる気圧が封入されてなることを特徴とする緩衝器。
  2. リザーバがロッド体の貫通下に上端を閉塞するシリンダ体の上端側内にあってピストン体の上方に設けられてなる請求項1に記載の緩衝器。
  3. リザーバがロッド体の貫通下に上端を閉塞するシリンダ体の上端側内にあってピストン体の上方に設けられる作動流体部分を有すると共に、この作動流体部分と作動流体面を境にする気室がシリンダ体の外に設けられてなる請求項1に記載の緩衝器。
  4. 下端が閉塞されるシリンダ状体が小径のインナーチューブからなる車輪側チューブとされ、この車輪側チューブの上端側を下端側に出没可能に挿通させる大径のアウターチューブからなる車体側チューブを有し、ピストン体が車輪側チューブ内に摺動可能に収装され、ロッド体が下端にピストン体に連結しながら上端を車体側チューブに連結して車体側チューブの軸芯部に垂設され、車輪側チューブの下端側内にピストン体で画成されて作動流体を充満させるピストン下室を有し、車輪側チューブにおける上端側内となるロッド体を挿通させるピストン体の上方が作動流体部分と、この作動流体部分と作動流体面を境にする気室とを有するリザーバとされ、車体側チューブ内から車輪側チューブが最突出する伸び切り時にリザーバにおける気室に大気圧以上となる気圧が封入されてなる請求項1に記載の緩衝器。
  5. ピストン下室に作動流体の収容容積を削減する容積削減手段を有してなる請求項4に記載の緩衝器。
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